JP4304096B2 - スエード調人工皮革 - Google Patents

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Description

本発明は天然皮革に類似した緻密感、充実感を有する人工皮革において、発色性、引裂強度、耐光堅牢性などに優れ、さらにスエード感、表面タッチなどの風合いを有するスエード調人工皮革を提供するものである。
従来から人工皮革の製造に際して、主として極細繊維と高分子弾性体とで構成されたものが開発されており、このような極細繊維からなるスエード調人工皮革は、スエード感や表面タッチ感、柔軟性に優れており、天然皮革に類似した素材として高く評価されてきた。従来よりスエード調人工皮革を発色させる方法としては、染色する方法が一般的に行われているが、極細繊維から構成されたスエード調人工皮革は繊維が極細化するほど表面積が増え、白色光の散乱により着色光の光が弱められることで発色性に劣り、染色のみで濃色を実現するためには大量の染料を必要であった。しかしながら多量の染料の使用は、コストが高いのみならず、大量の染料が耐光堅牢性、摩擦堅牢性などの品質面で劣り、厳しい条件下での長期安定性が求められている用途では、ユーザーの要求する厳しいスペックをクリアするスエード素材がほとんど無いのが現状であった。
耐光性を向上させた発色性改善方法として、例えば極細繊維を発生する不織布に顔料を含む高分子弾性体を付与した後に染料で着色する方法が提案されている(例えば、特許文献1、および特許文献2参照。)。該方法で幾らかの耐光性能の改良はみられるが、極細繊維は染料で発色されており、染料自身の光変色が起こることから耐光性の改良には限界がある。加えて該方法は、繊維と高分子弾性体の色差を付けて玉虫色調あるいは凹凸模様調の立毛シートを得ることを主目的としており、本発明が目的とする一般的なスエード調人工皮革とは異なったものである。
また別の耐光性を向上させた発色性改善策として、極細繊維成分に顔料を添加する方法が多数提案されている。例えばポリエチレンテレフタレートにカーボンブラックを1%添加した海島型複合繊維(例えば特許文献3参照。)、また赤色顔料を5%添加した6−ナイロンを島成分とする混合紡糸繊維(例えば特許文献4参照。)、またカーボンブラックを5%添加した6−ナイロンを島成分とする混合紡糸繊維(例えば特許文献5参照。特公昭59−12785号公報)、カーボンブラックを主成分とする顔料を5%添加して重合したポリエステルとポリアミドがサイドバイサイドに並んだ多層中空貼り合せ繊維(例えば特許文献6参照。)がそれぞれ提案されている。しかしながら、0.1dtex以下の極細繊維の発色を充分に満足させるためには、顔料を5質量%以上の多量を添加しなければならず、顔料の添加による溶融粘度の上昇のため、紡糸時の糸切れ、孔詰まり、フィルター詰まりなどによる紡糸性の悪化、繊維物性の低下を余儀なくされ、発色性と機械的物性の両立したものを得ることは困難であった。
また用いる顔料としては有機顔料、無機顔料が挙げられるが、スエード調人工皮革のように極細繊維発生型繊維を用いその一成分を除去して極細化する場合、除去処理で使用する有機溶剤は有機顔料の一部を溶出させてしまうことから、実質的に無機系顔料のみに限定されるといった欠点もあった。
一方、物性を向上させる対策としては、短繊維ウエブ間に織編物類を積層し、長さが10mm以下の海島構造繊維よりなるシートに高速流体処理を施す方法(例えば特許文献7参照。)が提案されている。これは不織ウエブ間、あるいは片面に織編物を重ね絡合処理する方法であり、短繊維がその束の形態を維持しながら織編物類に入り込みランダムにからみあっているだけでなく、繊維束どうしもその束の形態を維持しながら絡み合って全体として不離一体の構造を有するものである。単なる短繊維不織布では絡合点がす抜け易いため繊維長が短ければ短いほど物性は低くなる傾向であるが、織編物を有していることから織編物の強度を生かした高強度物性を得ることができる。また内部の空間量が比較的少ないため、充填させる樹脂量を比較的低く制限することができ、その結果非常に柔軟なものを同時に得ることができるといった利点も有する。しかしながら、発色性向上対策として短繊維に原着糸を使用した場合、未原着糸である織編物の存在は物性向上に寄与するものの、露出した織編物構成糸の切断端がより一層目立つ結果となり、外観が著しく低下するばかりか原着による発色性向上効果を阻害していた。そして表面露出した未原着糸の織編物糸を着色するためには、やはり多量の染料を用いなければならず、その結果人工皮革全体の耐光性が劣ったものとなり、原着糸を用いた耐光性向上効果をも阻害してしまうという問題を抱えていた。
以上、従来の技術では、発色性に優れ、また強度、耐光堅牢性などの物性にも優れ、さらにスエード感、表面タッチなどの風合いを同時に満たすスエード調人工皮革をいまだ実現できていない。
特開昭63−315683号公報(第1−6頁) 特開昭58−197389号公報(第1−4頁) 特公昭48−11925号公報(第1−4頁) 特公昭55−504号公報(第1−5頁) 特公昭59−12785号公報(第1−3頁) 特公昭59−44416号公報(第1−2頁) 特公昭60−29775号公報(第1−7頁)
本発明は天然皮革に類似した緻密感、充実感を有する人工皮革において、発色性、引裂強度、耐光堅牢性および摩擦堅牢性などに優れ、さらにスエード感、表面タッチなどの風合いを有するスエード調人工皮革を提供するものである。
すなわち、本発明は、短繊維と織編物からなる繊維絡合体および高分子弾性体から構成されており、以下(1)〜(7)を満足することを特徴とするスエード調人工皮革である。
(1)短繊維が平均繊維長18〜110mmかつ単繊維繊度が0.0003〜0.4dtexであること、
(2)織編物を構成する繊維は、単繊維間にランダムな微捲縮を有し、かつ単繊維繊度は0.0003〜1.6dtexであること、
(3)短繊維と織編物とが絡合されていること、
(4)短繊維からなる不織布の、織編物と接する面と反対側の面において、該織編物を構成する各単繊維の表面露出度が0.3〜20%であること、
(5)スエード調人工皮革の密度が0.50〜0.85g/cmであること、
(6)短繊維と織編物が水溶性高分子成分と水難溶性高分子成分から構成される極細繊維発生型繊維を極細化して得られる繊維からなること、
(7)短繊維と織編物を構成する繊維が顔料を0.01〜5質量%含有していること、
また、極細繊維発生型繊維を極細化した際の極細繊維中の顔料残存率が90質量%以上であることが好ましく、極細繊維発生型繊維を構成する水溶性高分子成分が炭素数4以下のオレフィン単位および/またはビニルエーテル単位を1〜20モル%含有し、けん化度90〜99.99モル%である変性ポリビニルアルコールであることが好ましい。
さらに、織編物を構成する繊維集合体の撚数が10〜650T/mであり、かつ該人工皮革中の織編物占有率が5〜60質量%であることが好ましい。
本発明の人工皮革は天然皮革に類似した緻密感、充実感を有し、高発色性、引裂強度、耐光堅牢性などの物性、さらにスエード感、表面タッチおよびドレープ性に優れたスエード調人工皮革である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、原着された短繊維と織編物が強固に絡合された一体構造を形成した繊維絡合体および高分子弾性体から構成される人工皮革であって、発色性、引裂強度、耐光堅牢性に優れ、スエード感、表面タッチなどの風合いを同時に満たすスエード調人工皮革である。すなわち短繊維と織編物からなる繊維絡合体が絡合しているばかりでなく、織編物を構成する各単繊維間のランダムな微捲縮により生じる空隙を通して極細繊維が織編物の組織に入り込み、ランダムに絡み合うことで強固に絡合された一体構造を有することで、強度が高く風合いの良好なものが可能となる。また短繊維と織編物のいずれも原着されており、かつ繊維絡合体を構成する織編物の各単糸の表面露出度が0.3〜20%となる絡合状態を有することで、外観を損ねることなく発色性が良好な状態が可能となる。そして短繊維と織編物が極細繊維発生型繊維を抽出して極細化されており、抽出後の顔料含有率が90質量%以上を維持することで、染色が不要あるいは少量の染料による染色で発色が可能となり、より耐光堅牢性に優れたものが得られる。
本発明の繊維絡合体を構成する短繊維および織編物は極細繊維発生型繊維から構成されているものであり、該極細繊維発生型繊維の繊度は人工皮革の用途によって任意に選択でき特に制限されるものではないが、極細繊維化後に短繊維の単繊維繊度が0.0003〜0.4dtexの繊度を有し、0.003〜0.2dtexの繊度を有することが好ましく、0.007〜0.1dtexの繊度を有することが人工皮革基体を製造する上でより好ましい。また織編物は極細化後に単繊維繊度が0.0003〜1.6dtex、好ましくは0.0003〜1.0dtex、さらには短繊維を構成する極細繊維の繊度と同等レベルの0.0003〜0.4dtexにすることが特に好ましい。
また、短繊維は平均繊維長が18〜110mmであることが肝要である。繊維長が18mm以上のものでないと効果的な絡合ができにくく、また110mmを越えた場合では、カード処理などの工程通過性に劣ったものとなりやすい。ただし、その後のスライスやバフィングなどの後加工を経ることにより、最終製品中には切断されてしまい18mm未満になった繊維が一部含まれていることがあるが、これは効果的絡合が達成されてから後に発生した繊維であるので、特別不都合もなく差し支えないものである。なお上記工程通過性の観点から平均繊維長は20〜80mmが好ましい。
また、本発明の極細繊維発生型繊維は、環境対応の観点から特に水溶性高分子成分と水難溶性高分子成分から構成されていることが必要である。この水溶性高分子成分とは、該成分が水溶液により抽出除去される成分を示し、水難溶性高分子成分とは、該成分が水溶液により抽出除去されにくい成分を示す。そして、水溶性高分子成分と水難溶性高分子成分からなる極細繊維発生型繊維は少なくとも1成分が水溶液による抽出処理で抽出除去されるものであれば、海島型複合繊維、混合紡糸型繊維などの多成分系複合繊維のいずれを使用してもよい。ここで水溶性高分子成分が水溶性ではなく有機溶剤可溶性である場合、極細繊維発生型繊維の極細化に有機溶剤を用いることから環境を汚染するのみならず、極細化する際に原着繊維が有する顔料の一部を溶解除去してしまい、極細繊維の発色性が劣ったものとなりやすい。なお本発明で用いられる水溶性高分子成分としては、水溶液(水系溶剤と称することもある)で抽出処理できるポリマーであれば、公知のポリマーが使用できるが、水系溶剤で溶解可能なポリビニルアルコール共重合体類(以下PVAと略することもある)を用いることが好ましい。PVAは容易に熱水で溶解除去が可能であり、水系溶剤で抽出除去する際の収縮挙動によって極細繊維成分の極細繊維発生型繊維に構造捲縮が発現し、繊維絡合体が嵩高く緻密なものとなって非常に柔軟な天然皮革のような優れた風合いの人工皮革基体が得られる点および抽出処理する際に極細繊維成分や高分子弾性体成分の分解反応が実質的に起こらないため極細繊維成分に用いる熱可塑性樹脂および高分子弾性体成分の限定が無い点、更には環境に配慮した点等から好適に用いられる。
上記PVAはホモポリマーであっても共重合単位を導入した変性ポリビニルアルコールであってもよいが、溶融紡糸性、水溶性、繊維物性および抽出処理時の収縮特性などの観点から、共重合単位を導入したPVAであることが好ましく、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等の炭素数4以下のα―オレフィン類、メチルビニルエーテル、エチレンビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類がより好ましい。また炭素数4以下のα−オレフィン類および/またはビニルエーテル類に由来する単位は、PVA中に1〜20モル%存在していることが好ましい。さらに、α−オレフィンがエチレンである場合において、繊維物性が高くなることから、特にエチレン単位が4〜15モル%変成されたPVAを使用することがより好ましい。
またけん化度は90〜99.99モル%が好ましく、92〜99.98モル%がより好ましく、94〜99.96モル%がさらに好ましく、95〜99.95モル%が特に好ましい。けん化度が90モル%未満の場合には、PVAの熱安定性が悪く熱分解やゲル化によって満足な複合溶融紡糸を行うことができない。一方、けん化度が99.99モル%よりも大きいPVAは安定に製造することが困難である。
また常温で水に溶出するタイプのPVAを水溶性高分子成分として用いた場合には含浸時に水溶性高分子成分が溶出し高分子弾性体水分散液を汚染してしまう場合があり、また水溶性高分子成分の一部溶出に伴い極細繊維部分が露出することによって含浸した高分子弾性体が極細繊維を直接バインドし人工皮革の風合いが硬く損なわれやすいことから60〜100℃の熱水に溶出するタイプのPVAを水溶性高分子成分として用いることが好ましい。さらに60〜100℃の熱水で水溶性高分子成分を溶出することによって、繊維絡合体の収縮挙動が発生し構造捲縮を生じやすいことから天然皮革並みの優れた風合いの人工皮革基体が得られる点で好ましい。
本発明の水難溶性高分子成分としては公知の極細繊維となりうる、例えば、ポリアミド系、ポリエステル系およびポリオレフィン系等の成分であれば特に限定するものではない。そして、極細繊維を構成する水難溶性高分子成分の融点を適宜選択することが好ましく、極細繊維を構成する水難溶性高分子成分としては、PVAを高温で紡糸すると紡糸性の悪化を招くため、極細繊維を形成する過程において抽出除去される水溶性高分子成分の融点〜60℃の間の融点を有する熱可塑性成分を選択することが極細繊維発生型繊維の紡糸安定性の点で好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、イソフタル酸を共重合したポリエチレンテレフタレートあるいはイソフタル酸を共重合したポリブチレンテレフタレートなどで代表されるポリエステル系樹脂、あるいはナイロン6、ナイロン11、ナイロン12などで代表されるポリアミド系樹脂が好ましく挙げられる。なお水溶性高分子成分の好ましい融点としては、紡糸性などの点から160〜230℃があげられる。
なお、極細繊維発生型繊維を構成する水溶性高分子成分と水難溶性高分子成分の質量比率としては、10/90〜60/40の範囲が、断面形成性が良好であり水溶性高分子が極細繊維を完全被覆しているために、繊維絡合体内部での均一な浸透性が得られ均一含浸に有利である点、あるいは人工皮革基体とした場合、断面形成性が良好なため発生する極細繊維が均一であり、得られる人工皮革の風合いを損なわない点で好ましい。
本発明の短繊維および織編物を構成する極細繊維は、染色での染料を少量で発色させるため顔料を0.01〜5質量%添加する必要がある。この場合、最終製品として淡色系、すなわち、薄い色や淡い色としての発色性が必要な場合顔料は少量でよく、極細繊維内部への顔料添加は低濃度である。すなわち最終製品として要求される外観の色が淡色の場合には、極細繊維内部への顔料添加量は0.01〜1質量%が好ましく、中色の場合には1〜2質量%が好ましく、濃色の場合には2〜5質量%が好ましい。5質量%を越えると紡糸工程性に劣り、また繊維強度が低下し、それに伴い得られる人工皮革の引裂強力が劣る傾向がある。なお、表面に露出された織編物糸の色が周りの短繊維の色と異なると外観を損なうため、短繊維と織編物を構成する糸の繊度、および該繊維に添加されている顔料添加量は極力近いことが好ましいが、織編物糸から発生する島繊度/短繊維から発生する島繊度=0.5〜4.0を満足することが好ましく、0.6〜2.0を満足することがより好ましい。また織編物糸中の顔料濃度/短繊維中の顔料濃度=0.1〜10の範囲であることが好ましく、0.5〜5の範囲がよりより好ましい。
そして本発明では、極細繊維発生型繊維として、水溶性高分子成分と水難溶性高分子成分から構成されたものを用い、一成分を抽出する際に有機溶剤ではなく水溶液を用いることが必要であり、いかなる顔料を用いても抽出後の顔料含有率を90質量%以上に維持しやすく、抽出での顔料減量による薄色化や抽出浴の汚染を防ぐことができる点で好ましい。なお、抽出後の顔料残存率は、紡糸、延伸して得られた糸を筒編み状とし、海成分を除去可能な温度の抽出液で抽出し、抽出前島成分質量(計算値)(A×B)と抽出後島成分重量(C)との差を顔料溶解量(A×B−C)とみなし、抽出前島成分中の顔料添加量(計算値)(A×B×D)との比率から以下の式で算出して求める。
[顔料残存率]
顔料残存率(%)=100×{1−(A×B−C)/(A×B×D/100)}
A(g) : 極細繊維発生型繊維質量
B(%) : 極細繊維発生型繊維島成分質量比
C(g) : 極細発生型繊維抽出後島成分質量
D(質量%) : 顔料添加率
その結果、用いる顔料としては、例えば酸化チタン、カーボンブラック、クロムレッド、モリブデンレッドなどの無機顔料や、フタロシアニン系、アントラキノン系などの有機顔料など通常ポリマー原着に使用されているものを用いることが好ましい。特に、カーボンブラックを用いる場合、カーボンブラックが極細繊維を構成するポリマー中に混在一体化して存在し、主として極細繊維を構成するポリマー中に埋包され易い点から、カーボンブラックの平均一次粒子径としては10〜60nmであることが好ましい。カーボンブラックの平均一次粒子径が10nm未満の場合には、紡糸中にカーボンブラックの凝集が起こり易いことに起因して均一な繊維となりにくく、色斑、物性斑等の品質安定性の問題が生じ易く、かつ紡糸性が低下する傾向がある。逆に、カーボンブラックの平均一次粒子径が60nmを越える場合には、得られるスエード調人工皮革の耐光堅牢性、発色性が低下する傾向にあり、また、紡糸工程でのフィルター詰まりが起こり易く紡糸性が低下する傾向がある。そして、カーボンブラックは一般に複数の一次粒子が集合した集合体(以下アグリゲートと呼ぶ)で存在するが、カーボンブラックが極細繊維を構成するポリマー中に混在一体化して存在し、主として極細繊維を構成するポリマー中に埋包され易く、発色性、耐光堅牢性、紡糸性が良好であることから、アグリゲートの平均粒子径としては20〜200nmであることがより好ましい。また他の無機顔料、有機顔料においても同様の理由でアグリゲートの平均粒子径としては20〜200nmであることがより好ましい。
また、顔料の添加方法としては、極細繊維を構成するポリマー中における顔料の分散性を良好にするため、極細繊維を構成するポリマーと顔料を押出機などのコンパウンド設備を用いて混練した後ペレット化したマスターバッチ方式を採用することが好ましい。また、極細繊維成分には本発明の目的や効果を損なわない範囲で、銅化合物などの安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤を重合反応時、またはその後の工程で添加しても良い。微粒子の種類は特に限定されず、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの不活性微粒子を添加することができ、これらは単独で使用しても2種類以上併用しても良く、紡糸性、延伸性が向上する場合がある。
上記の極細繊維発生型繊維は紡出した後公知の方法で延伸するが、紡糸ノズルから吐出された後一旦捲き取りその後延伸する場合と巻き取る前に延伸する場合があり、いずれの方法でもよい。加熱延伸する場合には、熱風、熱板、熱ローラー、水浴などのいずれを用いて行ってもよい。ただし、本発明では極細繊維発生型繊維の一成分を水溶性高分子成分とすることから水分の影響の少ない状態で延伸することが好ましい。
本発明の織編物は上記の繊維から構成されており、該織編物の撚数は10〜650T/mであり、15〜500T/mが好ましい。10T/m未満では短繊維と絡合した場合に織編物の単糸が完全にばらけてしまうことで強度を向上させる効果が低くなってしまう。また撚数が650T/mを越えると短繊維と強固に絡合した一体構造が得られにくく、より天然皮革ライクの風合いを得るためには不適当である。また織編物の目付けは、目的に応じて適宜設定可能であるが、20〜200g/mであることが好ましく、30〜150g/mがより好ましい。目付けが20g/m未満になると織編物としての形態が極めてルーズになり、目ずれなど布帛の安定性に欠け、また、目付けが200g/mを越えると織編物が密になり、不織ウエブの貫通が不充分で、不織ウエブの高絡合化が進まず不離一体化した構造物を作るのが困難になる。また、織編物の種類としては、経編、トリコット編で代表される緯編、レース編およびそれらの編み方を基本とした各種の編物、あるいは平織、綾織、朱子織およびそれらの織り方を基本とした各種の織物など特に限定されるものではない。組織、密度などいずれを選ぶかは目的により適宜決定すればよい。
そして、本発明の繊維絡合体としては、公知の方法を用いることができる。例えば、まず上記で得られる極細繊維発生型繊維を捲縮付与した後単繊維化し、カード、クロスラッパー、ランダムウエバー等によりウエブを形成し、該ウエブの表層、下層、あるいは中間層に上記繊維を用いた織編物を積層し、ニードルパンチにより繊維を絡ませる。ニードルパンチ条件としては、織編物構成繊維が不織布表面を貫通してくるような条件で、しかも不織布表面に織編物構成繊維が後述するような表面露出度となるように露出するようなニードルパンチ条件が用いられる。従来の人工皮革においては補強用織編物構成繊維が不織布表面に露出しないようなニードルパンチ条件が採用されていたが、本発明では絡合を進めるため、織編物構成繊維が特定量表面に露出するようにニードルパンチを行なう点が従来技術との大きな相違点の一つである。これにより機械的特性に優れ、かつ後に行なう収縮処理においても何ら問題を生じることがない。具体的なニードルパンチ条件としては、ニードル針のバーブが不織布表面および織編物表面まで貫通するような条件でかつニードルパンチ数が400〜5000パンチ/cmの条件が好ましく、より好ましくは1000〜2000パンチ/cmの条件である。ニードルパンチは、不織布と織編物とを重ね合わせた積層物の両面から行なうのが天然皮革用の外観を得る点で好ましい。すなわち、不織布の表面側に補強用織編物構成繊維を露出させるとともに補強用織編物の表面側にも不織布構成繊維を露出させるのが好ましい。
得られた繊維絡合体は、必要に応じ乾熱収縮、熱水収縮、熱プレスすることで得られ、乾熱収縮処理、熱プレスを行うことが好ましく、この収縮処理により布帛の面積を収縮前の40〜90%にする。この収縮処理により緻密構造が得られ、収縮の程度が収縮前の面積の90%以上となるような低い収縮では緻密感が得られず、風合いが低下しやすく、逆に収縮前の面積の40%未満となるような大きな収縮の場合には風合いが硬化し易い。なお収縮処理は、上記絡合絡合体を160〜200℃の雰囲気に0.5〜3分放置することにより好適に行なわれる。
織編物を構成する各単繊維の表面露出度、すなわち織編物と短繊維からなる不織布との絡合体の該織編物と接する反対側の面において、織編物を構成する各単繊維の表面露出度は0.3〜20%であることが重要であり、1〜15%が好ましく、2〜10%がより好ましい。0.3%未満では短繊維と織編物の繊維絡合状態が弱く、本発明が目的とする強固に絡合された一体構造を有する繊維絡合体とは異なり強度が劣ったものとなり、一方20%を越えると強固に絡合された一体構造を有する繊維絡合体は得られるものの外観は低下し、さらには織編物の損傷が大きいことから強度低下をも招いてしまう。そしてまた、一般に原着された短繊維と織編物の単糸の顔料比率あるいは単繊維繊度が多少異なる場合は、表面の均一な発色感が得られないことがある。上記範囲の表面露出度とすることで、発色の違いを目立たせない状態が得られる。なおここでいう表面露出度とは、以下に示す式で算出されたものである。そして、表面露出度算出に必要な各面積は、以下の方法を以下の手順により求めた。
1)得られた極細繊維不織布と織編物の絡合一体化物を減圧パラフィン包埋(約80℃ アスピレーター減圧)する。もちろん高分子弾性体が付与されていても良い。
2)ミクロトームで表層より約100μ程度、切削する。
3)光学顕微鏡で100倍に拡大し、さらにそれを2倍に拡大して写真を撮影
4)パソコンにて画像解析を実施し、不織布側の面に存在する織編物構成繊維の面積(P)を計測する。(1cm×1cm)
表面露出度=100×P/(不織布構成繊維+織編物構成繊維)面積
(P:織編物構成繊維の面積)
分母の(不織布構成繊維+織編物構成繊維)面積の求め方としては、不織布の見かけ密度と不織布構成繊維の比重から構成繊維の占有割合を計算により求め、計算により求められた値を(不織布構成繊維+織編物構成繊維)面積とする。なお、写真に織編物構成繊維が繊維断面としてではなく横方向に寝た状態で写っている場合には、その繊維は除外して面積を求める。
本発明において、繊維絡合体へ高分子弾性体を付与する場合、dip×nip方式などの公知の技術を用いることができるが、水溶性高分子成分と水難溶性高分子成分からなる繊維絡合体へ高分子弾性体水分散液を含浸する組合せの場合、ニップ処理した際に水溶性高分子が搾り出され、高分子弾性体水分散液が汚染されてしまう。このため、該組合せにおいては、水溶性高分子に対する高分子弾性体水分散液の浸透性と含浸圧力を併用し、高分子弾性体水分散液を大きく加圧すること無く、高分子弾性体水分散液供給量および濃度を制御するだけで所定量の樹脂含浸可能である樹脂含浸方法が好ましい。例えば、含浸装置には、繊維絡合体が含浸具を通過する際の入口と出口にエッジを設け、さらに処理方向と垂直の方向すなわち繊維絡合体横断方向(巾方向)両側に側壁を設け、該エッジと該側壁で囲まれた液溜め室が形成されており、該液溜め室内のスリット状吐出口からポンプにより定量の高分子弾性体水分散液を繊維絡合体の内部に加圧浸透させて供給するものが好ましい。側壁は液溜め室の液体をシールできれば特に限定されないが、供給される高分子弾性体水分散液が繊維絡合体の両端から洩れることなく全て繊維絡合体内部へ浸透させるため、繊維絡合体横断方向両側に設けている側壁の間隔(高分子弾性体水分散液供給幅)は繊維絡合体幅よりも狭めておくことが好ましく、各側壁は各繊維絡合体サイドより5cm以上内側であることがより好ましい。そして該含浸装置は繊維絡合体の上方、あるいは下方、あるいは上下両方に設ける場合のいずれでもかまわないが、作業性およびコスト面から下方へ一箇所設置してあることが工業的に有利である。
前記した含浸方法は、繊維絡合体に対する高分子弾性体水分散液の浸透性と含浸圧力を調整することで、煩雑なプロセスを用いること無く、また含浸圧力を高めること無く、繊維絡合体の内部に高分子弾性体水分散液を均一な状態でかつ短時間で含浸処理することを可能とするものである。このため、まず高分子弾性体水分散液の浸透性に関しては、繊維絡合体への高分子弾性体水分散液の浸透時間は10秒以下であることが好ましく、5秒以下がより好ましく、2秒以下が更に好ましい。10秒を越える場合、繊維絡合体へ供給された全ての高分子弾性体水分散液が繊維絡合体内部へ均一にかつ十分に含浸しきれず、高分子弾性体水分散液が繊維絡合体供給面から溢れ溶液供給部周辺を汚染し、更には繊維絡合体内部での含浸樹脂量が不足したものとなる。
なお、ここでいう浸透時間とは、高分子弾性体水分散液と繊維絡合体の相対的な浸透時間をいい、含浸する高分子弾性体水分散液0.035ccを10cmの高さから繊維絡合体へ滴下し、滴下時より完全に浸透するまでの時間を測定したものである。また、完全に浸透するとは、高分子弾性体水分散液が繊維絡合体上に盛り上がった状態でなくなることを目視で確認できた状態をいう。そして、本発明の浸透時間となるように適宜高分子弾性体水分散液の粘度や濃度を調整した後に処理すれば良い。繊維絡合体の密度が0.40〜0.90g/mの場合、高分子弾性体水分散液の粘度は2〜80cpoiseが好ましく、濃度は30〜60%とする組み合せが浸透時間を10秒以下としやすい点で好ましい。また高分子弾性体水分散液濃度は、35〜50質量%であることがより好ましい。30質量%未満では乾燥工程でマイグレーションを生じやすく、また60質量%を越える場合、前記した浸透時間が増加傾向にあり、所定量の含浸樹脂量が低下する傾向がある。
また、繊維絡合体と高分子弾性体水分散液の粘度および濃度の組みわ合せが上記のままの組み合せで浸透時間が10秒を越える場合、浸透性向上のために高分子弾性体水分散液中へ界面活性剤を適宜添加して10秒以下とすることが良い。界面活性剤としては、湿潤剤、浸透剤、レベリング剤など公知のものが使用でき、中でもスルホコハク酸ジー2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩、スルホコハク酸ジオクチルエステルナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸塩型アニオン界面活性剤:ラウリル硫酸エステルナトリウム、硫酸化オレイン酸ブチルエステルナトリウム塩、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等の硫酸エステル塩型アニオン界面活性剤:ポリエチレングリコールーモノー4―ノニルフエニルエーテル、ポリエチレングリコールーモノーオクチルエーテル、ポリエチレングリコールーモノーデシルエーテル等のHLB価6〜16のポリエチレングリコール型ノニオン界面活性剤:フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
前記した含浸方法においては、繊維絡合体に対する高分子弾性体水分散液の浸透性が前記の範囲を満足すると共に含浸圧力を調整する必要がある。特に繊維絡合体内部に高分子弾性体をより均一に含浸するためには繊維絡合体の密度や目付にもよるが、供給する高分子弾性体の含浸圧力は1,000〜100,000Paが好ましく、2,000〜80,000Paがより好ましく、2,000〜50,000Paがさらに好ましい。1,000Pa未満では供給する高分子弾性体水分散液を、人工皮革基体の繊維絡合体に対し高分子弾性体供給面から反対側まで充分浸透ができず、さらには得られる人工皮革基体の風合いが低下する。一方100,000Paを越える場合、浸透性は良好であるが供給される高分子弾性体が供給面から洩れを生じ、周囲が汚染され作業性が低下する。前記範囲の高分子弾性体水分散液の含浸圧力で含浸する繊維絡合体としては、高分子弾性体水分散液の浸透性が10秒以下である繊維絡合体を用いることが必要であり、繊維絡合体の密度が0.40〜0.90g/cm、目付が600〜1500g/mであることがより好ましい。なお、ここでいう高分子弾性体水分散液の含浸圧力とは、繊維絡合体へ接している液溜室内の圧力を指し、該液溜室へ液圧測定装置を設置しておくことで求めることができる。ここでの液圧測定装置は測定できるものであれば特に限定されない。
本発明で繊維絡合体へ供給される高分子弾性体水分散液を構成する高分子弾性体としては、人工皮革に用いられる含浸用高分子弾性体であれば特に限定されないが、ウレタン系重合体、アクリル系重合体が好ましく用いられ、該重合体を水などの非溶剤中に分散させて得られる重合体分散液などが挙げられる。そして必要に応じて種々の有機系顔料および無機系顔料などを添加してもよく、その場合の有機顔料としては、例えばフタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ぺリレン系、チオインジゴ系、アゾ系顔料等が挙げられ、また無機系顔料としては、酸化チタン、カーボンブラック、べんがら、クロムレッド、モリブデンレッド、リサージ、酸化鉄等が挙げられる。
また高分子弾性体水溶液を含浸した後、高分子弾性体を加熱凝固する。凝固する方法としては、公知の方法が挙げられるが、例えば、熱処理して乾式凝固、あるいは熱水処理、スチーム処理して感熱凝固する方法が好ましく挙げられる。
また本発明では、高分子弾性体水分散液に感熱ゲル化性化合物を添加する等の公知の方法で、繊維絡合体全体に均一に存在できるように高分子弾性体を凝固する方法を加えることがより好ましい。繊維絡合体全体に均一に存在できるように高分子弾性体を凝固する方法がより好ましい。
また、粘度としては高分子弾性体水分散液の浸透性が阻害されない範囲であればよく、上記のように、2〜80cpoiseが好ましく、5〜60cpoiseがより好ましく、10〜50cpoiseが更に好ましい。
そして繊維絡合体内部で均一な含浸を行なうために、高分子弾性体水分散液の供給量が繊維絡合体空隙量の60〜100%であることが好ましく、70〜99%がより好ましい。なお、ここでいう繊維絡合体空隙量は単位時間あたりに処理する繊維絡合体空隙量であり、以下の計算方法によって求めることができる。
[繊維絡合体空隙量]
A=D×E×F×G×(C/D−1)/B
A(cm3/min) : 繊維絡合体空隙量
B(g/cm3) : 高分子弾性体水分散液の密度
C(g/cm3) : 繊維構成樹脂の密度
D(g/cm3) : 繊維絡合体の見掛け密度(短繊維密度×短繊維目付/繊維絡合体目付+織編物繊維密度×織編物目付/繊維絡合体目付)
E(cm) : 繊維絡合体の厚み
F(cm) : 高分子弾性体水分散液塗布幅
G(cm/min) : 走行速度
高分子弾性体水分散液の供給量が繊維絡合体空隙量の60%未満の場合、繊維絡合体の高分子弾性体分散液供給側とその反対側での含浸量が異なり、繊維絡合体内部での高分子弾性体分散液の分布が不均一となるため、該繊維絡合体からなる人工皮革基体を人工皮革に仕上げた場合、皮革様の風合いに劣り、さらにスエード調人工皮革に仕上げた場合の表面感が劣ったものとなる。一方、100%を越える場合、繊維絡合体内部での高分子弾性体分散液の分布は均一であるが、供給過剰のため繊維絡合体の高分子弾性体分散液供給面と反対の面から該高分子弾性体水分散液が溢れ、接するローラーなどの含浸設備を汚染するのみならず繊維絡合体の不必要な部分にまで高分子弾性体水分散液が付着してしまい、工程通過性や作業性に問題を生じる。
そして前記した含浸方法は、繊維絡合体が含浸直前に繊維絡合体厚みの40〜99%の間隙で圧縮されることが好ましく、70〜98%であることがより好ましい。繊維絡合体厚みの40%よりも強く圧縮されている場合、繊維絡合体と含浸装置の摩擦抵抗が大きく繊維絡合体の走行を阻害し、所定の速度で繊維絡合体が走行できないことから、繊維絡合体長さ方向における均一で安定な含浸が困難になる。また繊維絡合体厚みの99%を越える弱い圧縮では、繊維絡合体への高分子弾性体水分散液供給面から液が洩れやすく、含浸具周囲が汚染されてしまい、また所定量供給された高分子弾性体水分散液が全て浸透できないことから高分子弾性体含浸量が計算による使用予定量より不足してしまう傾向がある。従って圧縮の間隙は広すぎても、狭すぎても均一で安定な含浸が困難な結果となる。なお含浸後に繊維絡合体を圧縮する場合、水溶性高分子が溶出することで高分子弾性体水分散液を汚染し、また極細繊維発生型繊維を構成する水溶性高分子成分が過剰に溶出すると水難溶性高分子成分が直接露出し易い傾向にあり、高分子弾性体水分散液中の高分子弾性体が極細繊維を直接把持し、得られる人工皮革の風合いが硬く劣ったものとなることから、含浸直前に繊維絡合体を圧縮し圧縮された状態にて含浸することが必要である。なお、供給された高分子弾性体水分散液が繊維絡合体内部へ浸透し所定量含浸したものに加え繊維絡合体供給面に過剰に付着することで表面層を形成してしまう場合には、繊維絡合体の出口にエッジを設けることによって、該表面層を除去することも可能である。
また前記した含浸方法は、高分子弾性体水分散液が浸透する時間を確保できれば生産速度を低下させなくとも処理が可能である。好ましくは2m/min以上であり、より好ましくは2〜10m/minであればよい。2m/min未満では高分子弾性体水分散液の浸透は充分可能であるが、処理速度が遅いことから生産性が低下してしまい、また10m/minを越える場合、浸透時間によっては供給された高分子弾性体水分散液を全て浸透しきれない場合が生じ、所定量の含浸が困難な場合を生じる懸念がある。また、含浸は可能であっても凝固乾燥が不十分となる懸念があり、これらが払拭されれば10m/分以上での処理も可能である。
また含浸される高分子弾性体水分散液は、高分子弾性体:極細繊維絡合体=5:95〜60:40の質量比となるように付与することが好ましい。人工皮革として仕上げる場合、高分子弾性体は繊維を結束するバインダーとしての効果を得るものであり、5質量%未満の場合、バインダー効果を充分満足できず、また60質量%を越える場合、前述した効果が得られるものの、引裂強力、引張強力などの物性が劣り、また風合いが固く劣ったものとなる。
極細繊維発生型繊維からなる繊維絡合体へ高分子弾性体水分散液を含浸した後、極細繊維および高分子弾性体の非溶剤であり且つ抽出除去成分の溶剤である処理液で抽出除去成分を除去し、極細繊維発生型繊維を極細化する。
特に抽出除去する場合、環境問題の点から熱水、アルカリ液などの水系溶媒で抽出除去成分を除去して極細繊維発生型繊維を極細化する方法が好ましい。特に熱水抽出する場合は、熱水温度として60〜100℃の温度が好ましく、80〜95℃がより好ましい。60℃未満では水溶性高分子の除去に時間を要することから熱水温度は高いほど好ましい。しかし100℃を越える温度を付与した際、樹脂と繊維の結束がゆるみ易く、樹脂が有する繊維把持性の低下が懸念されるため100℃以下の範囲が好ましい。また必要に応じて所望の厚みに加圧加熱処理や分割スライス処理などで厚みあわせを行う。また、極細繊維発生型繊維を極細化する前あるいは後に、少なくとも一面をバフィング処理等の起毛処理を施し、極細繊維を主体とした極細繊維立毛面を形成させてスエード調人工皮革としてもよい。またその場合、必要により、揉み柔軟化処理、逆シールのブラッシングなどの仕上げ処理を行うことができる。
本発明において、得られるスエード調人工皮革の密度は0.50〜0.85g/cmであることが重要である。密度が0.50g/cmより小さい場合には、引裂強度などの物性が劣ることとなり、また密度が0.85g/cmより大きい場合には、柔軟性に劣り、風合いが悪化する。好ましくは、0.53〜0.80g/cmの範囲である。従来の人工皮革の密度は0.3〜0.45g/cmの範囲であり、本発明の人工皮革は非常に高いと言え、この密度が高いことが本発明の人工皮革に天然皮革に告示した風合いや充実感、ドレープ性、優れた機械的物性をもたらす。
本発明のスエード調人工皮革は、必要に応じて樹脂層を付与して、銀付き調あるいは半銀付き調の人工皮革とすることもできる。また、表面を加熱し、平滑面に押圧することにより不織布表層部を溶融して樹脂層とすることもできる。表面に付与する樹脂としては、ポリウレタンやアクリルで代表される弾性重合体が好適に用いられる。また、得られる銀付き調人工皮革の物性を損なわない範囲で極少量の染料あるいは少量の顔料を用いて着色処理を行っても良い。また、必要に応じて、本発明の人工皮革を上層に使用し、編物あるいは編物を下層となるよう貼り合わせたり、あるいは、本発明の立毛調人工皮革を上層に使用し、該立毛調人工皮革を構成する繊維とは異種の繊維からなる層を下層となるよう貼り合わせたりしても構わない。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお以下の実施例、比較例中に記載されている性能測定などの評価は以下の方法で行なった。
[引裂強力測定]
たて10cm×よこ4cmの試験片を切り取り短編の中央によこの辺と直角に5cmの切れ目をいれ、各切片をチャックに挟み引張試験機で10cm/minの速度で引裂く。引裂き最大荷重を求め、あらかじめ求めた試験片の厚みで除した値を引裂強力値とする。そして、試験片3個の平均値で表す。
[耐光性堅牢度測定]
人工皮革表面にキセノンアークランプを100時間照射(ブラックパネル温度:83℃、積算照射照度:20MJ、水スプレー無し)した後の変色度についてJIS L0804に規定する変退色グレースケールを用いて号判定を行い、その号判定を級として判定した。
カーボンブラックを0.5質量%添加したイソフタル酸10モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(融点234℃)を島成分とし、エチレン単位10モル%含有し、けん化度98.4モル%、融点210℃のポリビニルアルコール共重合体(株式会社クラレ製 エクセバール)を海成分とし、質量比を海/島=30/70とした64島の海島繊維を複合紡糸した後、延伸することで単糸繊度5.5dtex、密度1.27g/cmの繊維を得た。該繊維の顔料残存率は99質量%であった。この繊維を捲縮処理した後51mmへカットし、カード処理することで目付120g/mの短繊維ウエブを作成した。
次に、上記をポリマー構成で質量比を海/島=40/60とした36島の海島繊維を複合紡糸し、ローラープレート方式で通常の条件により延伸することで単糸繊度2.3dtex、密度1.23g/cmの繊維を得た。該繊維の顔料残存率は99質量%であった。この繊維を撚数500T/mの条件で織密度105×84本/inch、目付120g/mの平織物を作成した。
上記ウエブ2枚とスクリムを積層した後1500パンチ/cmの条件でニードル処理し、190℃の乾熱収縮により20%面積収縮し、175℃の熱プレスを行うことで目付け501g/cm、見掛け密度0.76g/cm、厚み0.66mmの繊維絡合体を得た。この繊維絡合体における織編物繊維の表面露出度は2.0%であった。
次にグレー水分散顔料(大日本インキ化学工業株式会社製 RyudyeWグレー)とエーテル系ポリウレタン水分散エマルジョン (日華化学株式会社製 エバファノールAP−12)を顔料/エマルジョン=1.8/100の固形分質量比に混合し、濃度40質量%、粘度20cpoise、密度1.02g/cmの高分子弾性体水分散液を得た。
含浸設備としてリップコーター設備(株式会社ヒラノテクシード製 リップダイレクト方式)を用い、高分子弾性体水分散液の密度1.02g/cm、繊維構成樹脂の密度1.26g/cm、繊維絡合体の見掛け密度0.76g/cm、繊維絡合体の厚み0.66mm、高分子弾性体水分散液塗布幅170cm、走行速度2.5m/minの条件にて算出された繊維絡合体空隙量1373cm/minの80%に相当する量の高分子弾性体水分散液を極細繊維化された繊維絡合体/高分子弾性体=78.5/21.5の質量比となるように含浸した。高分子弾性体水分散液含浸後、160℃の熱風乾燥機で3分30秒間加熱凝固乾燥した。その後、両サイド5cmの未含浸個所をカットし、90℃の熱水でポリビニルアルコール共重合体成分を抽出することで人工皮革基体を得た。得られた人工皮革基体はシワ、伸びの発生が無く良好な外観であり、皮革様の均一な風合いや優れた物性を有する人工皮革基体であった。
次に分散染料として住友化学株式会社製Sumikaron UL染料のYellow 3RF 0.24owf%、Red GF 0.34owf%、Blue GF 0.70owf%とアンチフェードMC−500(明成化学株式会社製)、2owf%、ディスパーTL(明成化学株式会社製)1g/Lを用い130℃高圧染色を行った。得られた人工皮革は短繊維繊度0.067dtex、織編物繊度0.043dtexであり、密度が0.65g/cmであった。また灰色の発色性に優れ、引裂強力1.13kg/100g、耐光性堅牢度4級と物性に優れ、かつスエード感、ドレープ性などの風合いに優れたものであった。
実施例1の短繊維の単糸繊度を3dtex、海/島=40/60とし、その他は実施例1と同様の操作を行った。その結果、得られた人工皮革は短繊維繊度0.031dtexであり、密度が0.67g/cmであった。また灰色の発色性に優れ、引裂強力1.20kg/100g、耐光堅牢度4級と物性に優れ、かつスエード感、ドレープ性などの風合いに優れたものであった。
実施例1の織編物の単糸繊度を4.6dtex、海/島=30/70とし、その他は実施例1と同様の操作を行った。その結果、得られた人工皮革は織編物繊度0.099dtexであり、密度が0.64g/cmであった。また灰色の発色性に優れ、引裂強力1.10kg/100g、耐光堅牢度4級と物性に優れ、かつスエード感、ドレープ性などの風合いに優れたものであった。
実施例1の短繊維および織編物に添加されているカーボンブラック含有量を2.5質量%とし、分散染料として住友化学株式会社製のYellow 3RF 2.0owf%、Red GF 2.0owf%、Blue GF 6.0owf%とアンチフェードMC−500(明成化学株式会社製)、2owf%、ディスパーTL(明成化学株式会社製)1g/Lその他は実施例1と同様の操作を行った。その結果、得られた人工皮革は黒色の発色性に優れ、引裂強力0.80kg/100g、耐光堅牢度4級と物性に優れ、かつスエード感、ドレープ性などの風合いに優れたものであった。
実施例1の短繊維と織編物からなる繊維絡合体の密度を0.87g/cmとし、その他は実施例1と同様の操作を行った。その結果、得られた人工皮革は密度が0.75g/cmであった。また発色性に優れ、引裂強力1.30kg/100g、耐光堅牢度4級と物性に優れ、かつスエード感、ドレープ性などの風合いに優れたものであった。
実施例1のニードル処理を2500パンチ/mとすることで織編物の表面露出度を13.6%とし、その他は実施例1と同様の操作を行った。その結果、得られた人工皮革は密度が0.72g/cmであった。また発色性に優れ、引裂強力1.25kg/100g、耐光堅牢度4級と物性に優れ、かつスエード感、ドレープ性などの風合いに優れたものであった。
比較例1
実施例1の短繊維の単糸繊度を5.5dtex、海/島=30/70と同じ条件下、島数のみを5島とし、その他は実施例1と同様の操作を行った。その結果、得られた人工皮革は短繊維繊度0.86dtexであり発色性に優れるものの、風合いに劣ったものであった。
比較例2
実施例1の織編物の繊度を5.5dtex、海/島=30/70、島数を1島としその他は実施例1と同様の操作を行った。その結果、得られた人工皮革は織編物の繊度3.85dtexであり、表面に露出した部位の発色性が高く、全体の発色性に斑が生じ、また風合いに劣ったものであった。
比較例3
実施例1の短繊維の繊維長を135mmとした。その結果、カード通過性が劣るためシート化できず、従って人工皮革としての評価はできなかった。
比較例4
実施例1の短繊維および織編物に添加するカーボン量を10質量%とした。その結果、紡糸工程性に劣り糸の製糸が困難であり、人工皮革としての評価ができなかった。
比較例5
実施例1の短繊維および織編物を構成する繊維に顔料を添加せず、その他は実施例1と同様の操作を行なった。その結果、風合いは優れるものの発色性に劣ったものであったため染料で着色せざるを得ずその結果耐光および摩擦堅牢度に劣るものであった。
比較例6
実施例1の短繊維と織編物からなる繊維絡合体の密度を0.55g/cmとし、その他は実施例1と同様の操作を行った。その結果、得られた人工皮革は密度が0.45g/cmであった。そして発色性に優れるものの引裂強力0.65kg/100gと物性に劣ったものであった。
比較例7
実施例1の織編物の撚数を1500T/mの強撚糸とした以外は実施例1と同様の方法で実施した。その結果、織編物の表面露出度は0.05%であり、得られた人工皮革は密度が0.40g/cmと低く短繊維と織編物の一体感に欠け、また引裂強力0.40kg/100gと物性に劣ったものであった。
比較例8
実施例1の短繊維と織編物の海成分として低密度ポリエチレンを用い、島成分の添加顔料を有機系黒顔料とした以外は実施例1と同様の方法で実施した。その結果、該繊維を有機溶剤で抽出した後の顔料残存率は共に60%であり、得られた人工皮革は発色性の劣ったものであった。

Claims (4)

  1. 短繊維と織編物からなる繊維絡合体および高分子弾性体から構成されており、以下(1)〜(7)を満足することを特徴とするスエード調人工皮革。
    (1)短繊維が平均繊維長18〜110mmかつ単繊維繊度が0.0003〜0.4dtexであること、
    (2)織編物を構成する繊維は、単繊維間にランダムな微捲縮を有し、かつ単繊維繊度は0.0003〜1.6dtexであること、
    (3)短繊維と織編物とが絡合されていること、
    (4)短繊維からなる不織布の、織編物と接する面と反対側の面において、該織編物を構成する各単繊維の表面露出度が0.3〜20%であること、
    (5)スエード調人工皮革の密度が0.50〜0.85g/cmであること、
    (6)短繊維と織編物が水溶性高分子成分と水難溶性高分子成分から構成される極細繊維発生型繊維を極細化して得られる繊維からなること、
    (7)短繊維と織編物を構成する繊維が顔料を0.01〜5質量%含有していること、
  2. 極細繊維発生型繊維を極細化した際の極細繊維中の顔料残存率が90質量%以上である請求項1に記載のスエード調人工皮革。
  3. 極細繊維発生型繊維を構成する水溶性高分子成分が炭素数4以下のオレフィン単位および/またはビニルエーテル単位を1〜20モル%含有し、けん化度90〜99.99モル%である変性ポリビニルアルコールである請求項1または2に記載のスエード調人工皮革。
  4. 織編物を構成する繊維集合体の撚数が10〜650T/mであり、かつ該人工皮革中の織編物占有率が5〜60質量%であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のスエード調人工皮革。
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