JP4303433B2 - 系統連系用電力変換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、交流電力系統と連系して動作する電力変換装置に係り、特に電力系統から流入する交流電流を正弦波状に制御することができるようにした正弦波コンバータと呼ばれる電力変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、太陽電池や燃料電池などで発電した直流電力を交流に変換し、電力系統に連系して配電系統に潮流させたり、或いは配電系統から交流電力を取り込み、直流に変換して蓄電池に充電させることにより、電力の有効利用が図れるようにした系統連系用電力変換装置が注目を集めている。
【0003】
ところで、このような電力変換装置には、電力系統に潮流する電流が正確な正弦波形の電流に制御できることが必要で、このため交流電源の位相を検出し、交流電源に同期した位相データを作成して、電力変換装置の主回路部(スイッチング主回路)を制御するようになっている。
【0004】
そこで、この位相データを作成するための位相指令系について、図6により説明すると、この図6に示した位相指令系2では、図7の式(数1)から(数5)に示されているα−β変換と、図8の式(数6)から(数10)に示されているd−q変換演算を用いて位相データを作成する方式の位相指令系2を示したもので、まず電源周波数50Hz又は60Hzを基準周波数ω0_Sとし、これと周波数補正分Δ_ωの加算結果を積算することにより位相データθ1を作成する。
【0005】
そして、この位相データθ1に(+)π/2が加算されることにより位相データθdを生成させ、これによりSIN/COSテーブル11Aが検索され、データsinθd、cosθdが導き出される。そして、これらのデータsinθd、cosθdが、電源電圧データVR_DT、VS_DT、VT_DTと共に、α−β変換/d−q変換ブロック部8に供給され、ここで(数1)から(数10)によるα−β演算とd−q演算を用いて、d軸フィードバック電圧Vd_Fが演算される。
【0006】
従って、このd軸フィードバック電圧Vd_Fの大きさは、位相データθ1と実際の電源電圧の基準位相θRとの位相差により変化し、位相差に応じて正弦のデータを示す。例えば位相差が0のとき、Vd_Fは0となる。そして、位相差が生じたとき、θ1がθRに対して位相遅れの場合は(+)、進み位相では(−)となる。例えば90度遅れなら、電圧のピーク値と同じ正の値となる。
【0007】
よって、このd軸フィードバック電圧Vd_Fが常に0となるように基準値Vd(=0)との比較を行い、この偏差を比例・積分器17で補償することにより周波数補正分Δ_ωを得、これを、上記したように、基準周波数ω0_Sに加算すれば帰還ループが形成され、この結果、位相データθ1は、図9に示すように、θRの180度点から始まり、次の180度点で同期するような位相データに収束する。このとき、位相θdの同期状態も、図9に示すようになる。
【0008】
そこで、次に、この位相指令系2を備えた系統連系用電力変換装置の従来技術における制御回路ついて、図10を用いて説明すると、ここでは、まず有効パワー電流指令系3が直流電源の電圧VP_DATAとその指令値VP_Sを比較し、これらの偏差を比例・積分器24と出力リミッタ25で調節することにより有効パワー分電流指令Iq_sを出力するようになっていて、これを直流ACR系4に供給する。
【0009】
また、この直流ACR系4には、一次遅れソフトフィルタ15から出力される交流出力電流データIR_DT、IT_DTと、SIN/COSテーブル11Cから出力されるデータsinθd、cosθdも入力される。
【0010】
このとき、実際の運用における利便性の見地から、補正データ発生部13を設け、SIN/COSテーブル11Cの検索に使用される位相データθdに、電流制御系位相補正データTHTA_IFによる微小位相が加算できるようにし、これにより、電源の電圧検出と電流検出に際してのフィルタ遅れや、主回路フィルタによる電力変換装置の出力電流の遅れが、必要に応じて補正できるようになっている。
【0011】
そこで、直流ACR系4は、α−β変換/d−q変換ブロック部9により、SIN/COSテーブルCから出力されるデータsinθd、cosθdと、一次遅れソフトフィルタ15から供給される交流出力電流データIR_DT、IT_DTに基づいて、これも上記した位相データ作成時と同様にα−β変換演算とd−q変換演算を行ない、このコンバータ装置の交流出力電流である有効分帰還電流Iq_Fと無効分帰還電流Id_Fの直流量に変換される。
【0012】
そして、有効分帰還電流Iq_Fは、この直流ACR系4に入力された有効パワー分電流指令Iq_sと比較され、他方、無効分帰還電流Id_Fは基準値Id_s(=0)と比較され、これらの偏差を夫々比例・積分器21と出力リミッタ22で調節した後、電流制御系非干渉補償データ23を加減算することにより、この直流ACR系4において、いわゆる直流ACR方式と呼ばれる電流制御処理が行なわれ、有効電圧指令Vq_sと無効電圧指令Vd_sが出力される。
【0013】
ここで、電流制御系非干渉補償データ23とは、電源協調交流リアクトル37によるインダクタンス値(ωL)に相当するデータのことであり、この電流制御の出力結果である有効電圧指令Vq_sと無効電圧指令Vd_sが電圧指令系5の中にある逆d−q変換2相/3相変換部10に入力される。
【0014】
そして、これら有効電圧指令Vq_sと無効電圧指令Vd_sは、SIN/COSテーブル11Bから供給されるデータsinθd、cosθdと共に逆d−q変換2相/3相変換部10に入力され、ここで、一方では図11に示す式(数11)から(数13)の演算によって逆d−q変換処理され、他方では図12に示す式(数14)から(数19)の演算によって2相/3相変換処理された結果、電力変換装置の出力電圧指令Vu、Vv、Vwが得られることになる。
【0015】
そこで、この出力電圧指令Vu、Vv、Vwをコンバータ装置などの電力変換装置(図示してない)に供給することにより、搬送周波数に応じたPWMデ−タが作成され、電力変換装置の主スイッチング素子がスッチング駆動された結果、電力系統に連系して動作する電力変換装置が得られることになる。
【0016】
ここで、自動変調率計算回路16は、コンバータ起動時、直流電圧の大きさに応じてデータVR_SOを発生し、電圧指令を自動変調する働きをする。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、不平衡電圧の存在について配慮がされているとは言えず、制御精度の低下に問題があった。
【0018】
すなわち、従来技術は、高応答性で電力系統の周波数変動等に対する追従性が良く、ノイズによる誤動作の虞れが少ないという利点がある反面、電力系統の電圧に不平衡が存在した場合には、d軸フィードバック電圧Vd_Fの値が0に収束せず、バイアスを伴った値となり、且つ第2調波のリップル成分を伴ったものとなってしまう。
【0019】
このため、従来技術では、位相データθdの精度が悪化し、前述の電流制御のd−q変換、電圧指令作成の逆d−q変換に影響を与え、コンバータ装置の出力電圧精度悪化の問題が誘発する。
【0020】
また、従来技術では、上記のように電流制御に直流ACR方式を採用している場合、電源電圧不平衡による各相電流のアンバランス状態を相毎の変化として捉えることができず、各相毎の電流補償が困難で、出力電流のアンバランスや歪み率が増大され、過電流停止などの問題も誘発されてしまう。
【0021】
更に従来技術では、出力電圧指令を作成するために採用されている逆d−q変換理論と2相/3相変換理論が三相平衡条件のもとでしか精度が得られないものになっているため、この点でも電源電圧の不平衡状態によって電流に大きなアンバランスと歪みが生じ、また過電流などの不具合を生じてしまう。
【0022】
ここで、図13は、従来技術において、不平衡状態によってアンバランスになった電流波形の一例を示したもので、このように、従来技術では、電源電圧に不平衡が存在した場合は位相データθdに精度悪化を生じたり、制御原理上(電流制御方式に直流ACR方式用いている)各相毎の電流補償が困難なため、上記した種々の問題が生じてしまうのである。
【0023】
本発明の目的は、連系した電力系統に不平衡があっても制御精度が低下する虞れの無い系統連系用電力変換装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、交流電源と直流電源の間に電源協調用交流リアクトルを介して設置された電力変換部を備え、前記交流電源の位相と同期した位相データを作成して前記電力変換部を制御し、交流電力と直流電力の相互変換を行う系統連系用電力変換装置において、前記交流電源の各相電圧の最大振幅値を加算し、1/3化した値により基準となる電圧の振幅データを作成する手段と、前記基準となる振幅データに対する各相電圧の不平衡分と等価となる振幅比率を作成する手段とを設け、各相の電圧不平衡な電圧検出値を前記各相の振幅比率で除算することにより、振幅値が同じとした各相の修正電圧を位相同期制御回路に入力することで、前記各位相データのずれを修正し、修正された位相データを基に直流ACR系に交流を直流に変換するための位相データとして用いることにより有効電流成分と無効電流成分のぶれを取るようにして達成される。
【0025】
このとき、前記直流電源の電圧と、前記電力変換部に対する直流電源の指令値から有効パワー分電流指令を作成する手段と、前記電力変換部の交流出力電流を有効分帰還電流と無効分帰還電流に変換する手段と、前記有効パワー分電流指令が前記有効分帰還電流に収束し、前記無効分帰還電流が零に収束するように補償する電流制御手段と、前記電流制御手段による有効分電圧指令と無効分電圧指令より、前記電力変換部の三相電圧指令を逆変換し演算する手段と、前記振幅比率を前記三相電圧指令に乗算補正する手段とが備えられているようにしても、上記目的を達成することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による系統連系用電力変換装置について、図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0027】
まず、図1は、本発明をPWM方式の電力変換装置に適用してインバータ動作させ、太陽電池44aが発電した直流電力を交流電力に変換して配電系統34に潮流させるようにした場合の一実施形態で、ここで、制御系も含めた電力変換装置全体を1で表わしてあり、電力変換装置の主回路部についてはスイッチング主回路39で示してある。
【0028】
この図1に示した電力変換装置1において、太陽電池44aで発電された直流電力は平滑コンデンサ40に入力され、電力変換装置の主回路部を構成するスイッチング主回路39により交流に変換された後、電源協調交流リアクトル37と高周波リップル除去フィルタ36、絶縁トランス35、それに継電器(接点)46を介して配電系統34に供給されるようになっている。
【0029】
このときの電力変換装置1の制御は、PT(電源電圧検出用の絶縁トランス)14と直流電圧検出器41、それにCT(電流検出用の絶縁トランス)38により検出された情報に基づいて行なわれるが、このとき、絶縁トランス35は必須という訳ではなく、無くてもかまわない。
【0030】
また、このとき、図2に示すように、太陽電池44aに代えて蓄電池44bを設け、蓄電池44bから配電系統34に電力を潮流させるインバータ動作に加えて、配電系統34から蓄電池44bを充電するコンバータとしても動作するようにしても良く、従って、この図2は、本発明の第2の実施形態を示したもので、図1の実施形態は第1の実施形態となる。
【0031】
次に、図3は、本発明の第3の実施形態で、この図3は、電力変換装置1にインバータ装置44cを組合わせ、誘導電動機45を運転するようにした場合の一実施形態で、この場合、平滑コンデンサ40は、動作開始時、初充電電流抑制抵抗47、絶縁トランス35、高周波リップル除去フィルタ36、電源協調交流リアクトル37、電流検出器38、それにスイッチング主回路39の各スイッチング素子に並列に接続されているフリーホイールダイオードを介して、最初に充電される。
【0032】
そして、この充電により電圧が確立した後、継電器46が投入され、スイッチング主回路39のスイッチング制御が開始されることにより、直流電力がインバータ装置44cに供給されるようになり、この結果、このインバータ装置44cによる電動機45の運転が可能になり、回生運転時には、スイッチング主回路39がインバータ動作をする。
【0033】
このときも、電力変換装置1の制御は、PT14と直流電圧検出器41、それにCT38により検出された情報に基づいて行なわれるが、ここでも絶縁トランス35は必須という訳ではなく、無くてもかまわない。
【0034】
次に、これら実施形態の動作について説明する。ここで、上記した第1から第3の各実施形態の何れにおいても、制御方法は基本的には同じで、このとき有効電流指令の極性が電力の向きにより、つまりインバータ動作かコンバータ動作かにより、正になるか負になるかが異なるだけであるから、以下、各実施形態の制御について共通に説明する。
【0035】
ここで、上記実施形態の場合、制御系は何れも同じ構成で、基本的に大きく次の4系統のブロックに分れている。
【0036】
そして、まず第1のブロックは、電源電圧の入力から、電源と同期した位相データθ1及びθdを作成する位相指令系2で構成され、次に第2のブロックは、直流電圧と、その指令値を比較し、その偏差を比例・積分調整して出力する有効パワー電流指令系3で構成されている。
【0037】
また第3のブロックは、コンバータ装置の交流出力電流を有効帰還電流Iq_Fと無効帰還電流Id_Fの直流量に変換し、これらを第2のブロックから供給される有効パワー電流指令Iq_s及び基準指令Id_s(=0)と比較して電流制御を行う直流ACR系4で構成されている。
【0038】
更に第4のブロックは、第3のブロックから出力される有効電圧指令Vq_Sと無効電圧指令Vd_Sの直流量を三相の電圧指令に変換し、電圧指令Eu、Ev、Ewを出力させる電圧指令系5で構成されている。
【0039】
ここで、まず、これらのブロックにおける各変換部8(図6)、9、10での変換処理は、夫々従来技術と同じである。
【0040】
従って、これらの実施形態が、夫々従来技術と大きく異なっている点は、図1と図2、それに図3から明らかなように、第1のブロックを構成している位相指令系2の前に不平衡修正回路6が付加されている点と、第4のブロックを構成している電圧指令系5の中に不平衡修正補償回路7が付加されている点にある。
【0041】
更に、ここでも、実際の運用における利便性の見地から補正データ発生部12を設け、SIN/COSテーブル11Bの検索に使用される位相データθdに、電圧制御系位相補正データTHTA_PWMが加算でき、これにより位相を微小調整し、電源電圧検出におけるフィルタ遅れや、PWMデ−タの制御周期遅れが必要に応じて補正できるようになっている。
【0042】
ところで、これら図1〜図3の何れの実施形態でも、搬送波発生回路42とPWMパルス信号発生回路43を備えていて、電圧指令系5から出力される電圧指令Eu、Ev、EwがPWMパルス信号発生回路43に供給され、ここで搬送波発生回路42から供給されている鋸歯状波信号を変調することによりPWM信号が生成されるようになっている。そして、このPWM信号によりスイッチング主回路39がスイッチング制御され、インバータ又はコンバータとして必要な動作をすることになる。
【0043】
次に、これら実施形態における不平衡修正回路6と、不平衡修正補償回路7について、図4、図5を用いて説明する。ここで、まず図4は、不平衡修正回路6と不平衡修正補償回路7の詳細を示した図で、図5は、不平衡修正処理回路26の詳細を示した図である。
【0044】
これら図4と図5において、まず電力系統の各相の電源電圧はPT14により低圧化され、この後、A/D変換器31によってデジタル変換され、データVR_AD、VS_AD、VT_ADとなってA/D変換データ取込回路32に取込まれる。そして、この後、ソフトフィルタ33により1次遅れ化され、夫々のデータVR_DATA、VS_DATA、VT_DATAに加工され、不平衡修正回路6に供給される。
【0045】
不平衡修正回路6に入力されたこれらのデータは、一方では不平衡修正処理回路26にそのまま供給されるが、他方、最大値選択回路27にも供給される。そして、最大値選択回路27で各相毎の絶対ピーク値データS_VOLU、S_VOLV、S_VOLWが制御周期毎に検出され、次いで波高値検出回路28により各相の振幅データHC_VOLU、HC_VOLV、HC_VOLWが、電源1周期毎のピーク値として検出された後、同じく不平衡修正処理回路26に供給される。
【0046】
不平衡修正処理回路26では、図5に詳しく示されているように、各相の振幅データHC_VOLU、HC_VOLV、HC_VOLWをそのまま加算し、1/3化して、基準となる振幅データV_AVに加工する。また、これと並行して、各相毎に演算子29Aを乗算する。そして、この乗算結果を振幅データV_AVにより除算し、各相の振幅比率を表わすデータKR、KS、KTに加工する。
【0047】
従って、このときの不平衡修正処理回路26による演算処理の関係式は、次の(数20)、(数21)、(数22)に示す通りになる。
【0048】
VR_DT=VR_DATA/KR…………(数20)
VS_DT=VS_DATA/KS…………(数21)
VT_DT=VT_DATA/KT…………(数22)
これらの振幅比率KR、KS、KTは、一方ではこのまま不平衡修正処理回路26から出力され、各相の振幅比率データ30(図4)として電圧指令系5内の不平衡修正補償回路7に供給される。
【0049】
また、この不平衡修正処理回路26では、1次遅れソフトフィルタ33からそのまま入力されたデータVR_DATA、VS_DATA、VT_DATAに演算子29Bを乗算し、次いでこれら各相毎の値を各相の振幅比率KR、KS、KTで除算し、修正データVR_DT、VS_DT、VT_DTに加工する。
【0050】
そこで、これら修正データを位相指令系2に供給し、図6で説明したようにして処理することにより、電源電圧に不平衡があっても、位相指令系2に入力される電源電圧データVR_DT、VS_DT、VT_DTとしては、常に平衡修正されたデータ、すなわち修正データVR_DT、VS_DT、VT_DTにされ、この結果、例えば電源電圧に10%もの不平衡があっても、位相データに同期ずれや、ぶれが生じる虞れは無くなり、位相データθ1、θdの精度を高くすることができる。
【0051】
図4に戻り、電圧指令系5の中にある不平衡修正補償回路7には、直流ACR指令系4の出力結果である有効電圧指令Vq_Sと無効電圧指令Vd_Sが逆d−q変換2相/3相変換部10で加工して得た電圧指令Vu、Vv、Vwが入力されている。
【0052】
そこで、この不平衡修正補償回路7では、まず、これら各相の振幅比率KR、KS、KTに電圧指令Vu、Vv、Vwを乗算し、次いで演算子29Cを除算した後、−1を乗算して反転をとり、電圧指令Eu、Ev、Ewに加工する。
【0053】
この結果、電源電圧に不平衡があると、この不平衡による電圧の振幅比に応じて各相の電圧指令Eu、Ev、Ewも不平衡状態にされることになる。
【0054】
ここで、−1を掛け反転をとっているのは、位相データθ1を基準位相θRに対して180度差で取り扱っているためである。
【0055】
従って、このときの不平衡修正補償回路7による演算処理の基本関係式は次の(数23)、(数24)、(数25)に示す通りになる。
【0056】
Eu=Vu*KR…………(数23)
Ev=Vv*KS…………(数24)
Ew=Vw*KT…………(数25)
そこで、これら各相の電圧指令Eu、Ev、EwをPWMパルス信号発生回路43に供給してやれば、電源電圧と電力変換装置の出力の間のインピーダンスに現れてしまう差電圧を各相間で等しくすることができ、この結果、電源電圧に不平衡があっても電流が不平衡になるのが抑えられ、歪み率を改善することができる。
【0057】
従って、上記実施形態によれば、例えば電源電圧に10%もの不平衡があっても位相データに同期ずれやぶれが生じる虞れが無くなるので、位相データの精度を高くすることができ、且つ、電源電圧に不平衡があっても電流が不平衡になるのが抑えられるので、歪み率を改善することができ、この結果、連系した電力系統に不平衡があっても制御精度が低下する虞れの無い系統連系用電力変換装置を容易に得ることができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、例えば商用電源の電圧不平衡によって生じる電源電流のアンバランスや、電源電流歪みを小さくすることができ、また装置を過電流停止させない等の効果が得られる。
【0059】
また、本発明によれば、不平衡による直流成分電流が抑えられるので、電源トランスに偏磁現象を発生する虞れがないという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による系統連系用電力変換装置の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明による系統連系用電力変換装置の第2の実施形態を示すブロック図である。
【図3】 本発明による系統連系用電力変換装置の第3の実施形態を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態における不平衡修正回路を含む制御系の一例を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態における不平衡修正回路の詳細を示すブロック図である。
【図6】電力変換装置における位相指令系の一例を示すブロック図である。
【図7】電力変換装置におけるα−β変換式の説明図である。
【図8】電力変換装置におけるd−q変換式の説明図である。
【図9】電力変換装置における位相データの同期状態の一例を示す波形図である。
【図10】従来技術による系統連系用電力変換装置における制御回路の一例を示すブロック図である。
【図11】電力変換装置における逆d−q変換式の説明図である。
【図12】電力変換装置における2相/3相変換式の説明図である。
【図13】従来技術による電力変換装置において電源電圧に不平衡があった場合の出力電流の一例を示す波形図である。
【符号の説明】
1 電力変換装置(制御ブロックを含む全体))
2 位相指令系
3 有効パワー電流指令系
4 直流ACR系
5 電圧指令系
6 不平衡修正回路
7 不平衡修正補償回路
8 α−β変換/d−q変換ブロック部
9 α−β変換/d−q変換ブロック部
10 逆d−q変換2相/3相変換部
11A、11B、11C SIN/COSテーブル
12 電圧指令系位相補正データ発生部
13 電流制御系位相補正データ発生部
14 PT(電源電圧検出用絶縁トランス)
15 コンバータ出力電流検出部一次遅れソフトフィルタ
16 コンバータ起動時の自動変調率計算回路
17、21、24 比例・積分器
18、22,25 比例・積分器、出力リミッタ
19 基準周波数
20 周波数シフト調整データ
23 電流制御系非干渉補償データ(電源協調交流リアクトル37のインダクタンス値ωL)
26 不平衡修正処理回路
27 最大値選択回路
28 波高値検出回路
29A、29B、29C 演算子(十進数100を表す演算子:D'100)
30 電源電圧波形の各相の振幅比率
31 A/D変換器
32 A/D変換データ取込回路
33 電源電圧検出部1次遅れソフトフィルタ
34 配電系統(配電系統電源)
35 絶縁変圧器
36 高周波リップル除去フィルタ
37 電源協調交流リアクトル
38 CT(電流検出用絶縁トランス:変流器)
39 スイッチング主回路
40 平滑コンデンサ
41 直流電圧検出回路
42 搬送波発生回路
43 PWMパルス信号発生回路
44a 太陽電池
44b 蓄電池装置
44c インバータ装置
45 電動機
46 継電器器
47 初充電電流抑制抵抗
VR,VS,VT 配電系統の電源電圧
VU,VV,VW 電力変換装置の出力電圧
IU_F 電力変換装置のU相電流
IW_F 電力変換装置のW相電流
IR_DATA 電力変換装置のU相電流データ
IT_DATA 電力変換装置のW相電流データ
VP_DATA 電力変換装置の直流電圧データ
VP_直流電圧指令
PWM PWMパルス信号
θd、θ1 指令データ
Vd-F d軸電圧フィードバック
Vq-F q軸電圧フィードバック
VR_S 基準電圧指令
Vu 補正前U相電圧指令
Vv 補正前V相電圧指令
Vw 補正前W相電圧指令
Eu 補正後U相電圧指令
Ev 補正後V相電圧指令
Ew 補正後W相電圧指令
THTA_PWM 電圧指令系位相補償データ
THTA_IF 直流ACR(電流制御系)位相補償データ
Iq_S 有効パワー電流指令
Id_S 無効効パワー電流指令
Iq_F 有効パワー帰還電流
Id_F 無効パワー帰還電流
Vq_S q軸有効電圧指令
Vd_S d軸無効電圧指令
Claims (2)
- 交流電源と直流電源の間に電源協調用交流リアクトルを介して設置された電力変換部を備え、前記交流電源の位相と同期した位相データを作成して前記電力変換部を制御し、交流電力と直流電力の相互変換を行う系統連系用電力変換装置において、
前記交流電源の各相電圧の最大振幅値を加算し、1/3化した値により基準となる電圧の振幅データを作成する手段と、
前記基準となる振幅データに対する各相電圧の不平衡分と等価となる振幅比率を作成する手段と、
を設け、
各相の電圧不平衡な電圧検出値を前記各相の振幅比率で除算することにより、振幅値が同じとした各相の修正電圧を位相同期制御回路に入力することで、前記各位相データのずれを修正し、修正された位相データを基に直流ACR系に交流を直流に変換するための位相データとして用いることにより有効電流成分と無効電流成分のぶれを取ることを特徴とする系統連系用電力変換装置。 - 請求項1に記載の発明において、
前記直流電源の電圧と、前記電力変換部に対する直流電源の指令値から有効パワー分電流指令を作成する手段と、
前記電力変換部の交流出力電流を有効分帰還電流と無効分帰還電流に変換する手段と、
前記有効パワー分電流指令が前記有効分帰還電流に収束し、前記無効分帰還電流が零に収束するように補償する電流制御手段と、
前記電流制御手段による有効分電圧指令と無効分電圧指令より、前記電力変換部の三相電圧指令を逆変換し演算する手段と、
前記振幅比率を前記三相電圧指令に乗算補正する手段とが備えられていることを特徴とする系統連系用電力変換装置。
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