JP4303383B2 - シールド掘進機のカッタビット交換方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カッタビットを地中作業のみで機内側から交換できるシールド掘進機のカッタビット交換方法に係り、特に、機長の短縮化を図ったシールド掘進機のカッタビット交換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シールド掘進機は、筒体状に形成されたシールドフレーム内を仕切る隔壁に設けられたカッタによって切羽を掘削しつつ、シールドフレーム内にてセグメントを組み立ててトンネル壁を構築し、そのトンネル壁に反力をとる推進ジャッキによってシールドフレームを前進させ、地山を舟食い虫の如く掘進するものである。かかるシールド掘進機によって長距離施工を行う場合、カッタのカッタビットが摩耗限界に至る前に、摩耗したカッタビットを交換する必要がある。
【0003】
従来、カッタビットの交換は、掘進経路の途中に地上から中間立坑を設け、そこにシールド掘進機を導いて中間立坑内にて交換する方式や、カッタ前方の地山を地上からの薬剤注入や凍結等によって地盤改良して地山の自立と止水とを確保した後、作業員が隔壁から外に出て固められた地山を手掘りして交換作業を行う方式等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの方式の場合には、掘進経路の途中にて地上からの中間立坑の構築や薬剤注入等の地上作業が必要となるため、地上の交通状況等によっては不可能な場合がある。また、掘進経路が大深度の場合や海底を掘進する場合には、上記地上作業は実際上不可能となる。また、中間立坑の構築や薬剤注入等による地盤改良は、相当の工事期間およびコストが必要となり、繰り返し行うことが困難である。
【0005】
そこで、これらの課題をクリアすべくカッタビットを地中作業のみで機内側から交換するようにした技術として、隔壁をシールドフレーム内にて後退させると共に、これにより生じたカッタ前方の切羽空間に泥水を充填して切羽を安定させ、次いで切羽空間に発泡樹脂液を充填して泥水と置換させ、発泡樹脂液を発泡・硬化させてカッタ前方に発泡樹脂液による固化壁を形成し、その内側にてカッタビットを交換するようにした方式が提案されている(特開平8-144697号公報)。
【0006】
しかし、この方式の場合、シールドフレームに対して隔壁を後退させるのみでその前方に発泡樹脂液の固化壁を形成するスペースを得ているので、固化壁の厚さを切羽の土圧・水圧に対して万全な厚さに設定すると、シールドフレーム内における隔壁の後退量が大きくなってシールドフレームが長くならざるを得ず、地山の土質・掘進深度等によっては、シールド掘進機の機長が実工事には許容できないぐらい異常に長くなってしまうことも考えられる。
【0007】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、カッタビットを地中作業のみで機内側から交換でき、固化壁の厚肉化と機長の短縮化とを両立できるシールド掘進機のカッタビット交換方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係るシールド掘進機のカッタビット交換方法は、後胴と、該後胴に、前方に移動可能に設けられた前胴と、該前胴の板厚部内に収容され、前方に出没する貫入フードと、上記前胴の内部に前後方向に移動可能に設けられた隔壁と、該隔壁に設けられ切羽を掘削するカッタとを備えたシールド掘進機のカッタビット交換方法であって、上記後胴の地山に対する位置を動かすことなく上記前胴を上記後胴に対して前方に移動させて上記カッタで切羽を掘削した後、上記前胴を上記後胴に近付けつつ上記貫入フードを上記前胴から前方に突出させることで、上記貫入フードの地山に対する位置を動かさずに上記前胴を後退させ、上記前胴を後退させる際、上記カッタから固化剤を前方に噴出して該固化剤によって上記貫入フードの内方に固化壁を形成し、その後、上記隔壁を上記前胴の内部にて後方に移動させることで、上記隔壁に設けた上記カッタと上記固化壁との間に作業空間を形成し、該作業空間にて上記カッタのカッタビットを交換するようにしたものである。
【0009】
本発明によれば、前胴を後胴側に後退させつつ、貫入フードを前胴から前方に突出させることにより、前胴の後退量と貫入フードの突出量とを加算した長さの固化壁の形成スペースが、貫入フードおよび前胴の内部に形成される。そして、その形成スペースに固化剤を噴射することにより固化壁が形成される。ここで、固化壁の厚さは、前胴を後退させつつ貫入フードを前進させているため、それらの相対離間長さとなる。よって、固化壁の厚肉化と機長の短縮化とを両立できる。
【0010】
また、上記作業空間にて上記カッタの上記カッタビットを交換した後、上記隔壁を上記前胴の内部にて前方に移動させて、上記作業空間を消失させ、上記貫入フードを上記前胴の上記板厚部内に引き込み、上記前胴及び後胴を前進させて上記カッタで上記固化壁を掘削するようにしてもよい。
【0011】
また、上記前胴を後退させる際、上記カッタからセメント成分が多い高強度の固化剤を噴射した後にセメント成分が少ない低強度の固化剤を噴射し、上記高強度の固化剤によって切羽側に高強度の固化壁を形成し、上記低強度の固化剤によってカッタ側に低強度の固化壁を形成してもよい。
【0012】
また、上記前胴を後退させる際、上記カッタを回転させながら上記カッタから固化剤を前方に噴出するようにしてもよい。
【0013】
また、上記前胴を後退させる際、上記カッタのみならず上記隔壁からも固化剤を前方に噴出し、この固化剤の注入圧によって上記隔壁を後退させるようにしてもよい。
【0014】
また、上記作業空間にて上記カッタの上記カッタビットを交換した後、上記隔壁を上記前胴の内部にて前方に移動させて、上記作業空間を消失させ、上記前胴を上記後胴に対して前進させつつ、上記貫入フードを上記前胴の上記板厚部内に引き込むことで、上記貫入フードの地山に対する位置を動かすことなく、上記固化壁を上記カッタで掘削するようにしてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を添付図面に基いて説明する。
【0016】
図1(a),(b) に示すように、このシールド掘進機1のシールドフレーム2は、相互に軸方向にスライド自在に重合された前胴3および後胴4とからなる。前胴3と後胴4との間には、前胴3を後胴4に対して前後にスライド移動させる前胴ジャッキ5が設けられている。
【0017】
前胴ジャッキ5は、シールドフレーム2の周方向に所定間隔を隔てて複数配置されており、図1(b) に示すように略フルストローク伸長されたとき前胴3を後胴4に対して屈曲させる中折れジャッキとしても機能する。すなわち、後胴4の先端部には球面軸受6が設けられ、前胴3の後端部には屈曲シール7が設けられているため、図1(b) に示す状態で各前胴ジャッキ5の伸長量を適宜調節すれば、前胴が後胴に対して屈曲する。
【0018】
後胴4の内部には、セグメント8を後胴4内の周方向に沿って組み立てるエレクタ9が設けられている。エレクタ9によって組み立てられたセグメント8はトンネル壁となる。後胴4の内部には、既設セグメント8に反力をとって後胴4を前方へ押し出す推進ジャッキ10が、後胴4の周方向に所定間隔を隔てて複数取り付けられている。推進ジャッキ10と前胴ジャッキ5とは、後胴4の周方向に沿って交互に配置されている。後胴4の後端部には、既設セグメント8との間をシールするテールシール11が設けられている。
【0019】
前胴3の板厚部12内には、切羽側へ出没する貫入フード13が収容されている。貫入フード13は、図2(c),(d) にも示すように、板厚部12内にスライド自在に収容された第1段フード体14と、その内部にスライド自在に収容された第2段フード体15とを有し、テレスコピック状に伸縮する二重フード構造からなる。前胴3の内部には、貫入フード13を前胴3に対して切羽側へ出没移動させるフードジャッキ16が、前胴3の周方向に所定間隔を隔てて複数設けられている。フードジャッキ16は、図2(c),(d) に示すように、複数のロッド片17を直列に継ぎ足して貫入フード13を前進させるものであり、そのジャッキ長さLは極めて短くて済む。
【0020】
前胴3の内周部には、筒体状の移動筒体18が軸方向にスライド自在に装着されている。移動筒体18と前胴3の固定金具19との間には、スペーサ20が着脱自在に介設されている。移動筒体18と前胴3との間には、図2(d),図3(e) に示すように、スペーサ20を取り外した後に移動筒体18を前胴3内にて前後移動させるための移動筒体ジャッキ21が介設されている。移動筒体ジャッキ21は、前胴3の周方向に所定間隔を隔てて複数配置されている。移動筒体18には、前胴3の内部を切羽側と坑内側とを仕切る隔壁22が設けられている。隔壁22には、当該隔壁22の前方に形成される土砂取込室23内の土砂を混練するアジテータ24が設けられている。アジテータ24は、モータ24aで駆動される。
【0021】
隔壁22には、切羽を掘削するカッタ25が回転自在に設けられている。カッタ25は、その回転軸26に設けられた外歯ギヤ27がモータ28のピニオン29に噛合されており、モータ28によって回転駆動される。カッタ25の回転軸26の先端部には、カッタスポーク30が放射状に取り付けられている。カッタスポーク30内には、第1段ジャッキ31によって径方向に伸縮される筒体状の支持部32が収容されており、支持部32内には、第2段ジャッキ33によって更に径方向に伸縮される伸縮カッタ34が収容されている。
【0022】
カッタースポーク30内の各部品の寸法・取付位置等は、第1段ジャッキ31および第2段ジャッキ33を共に伸長させたとき、図1(b) に示すように伸縮カッタ34の先端部が前胴3(シールドフレーム2)の外径に合致した位置となり、第1段ジャッキ31および第2段ジャッキ33を共に収縮させたとき、図2(c) に示すように伸縮カッタ34の先端部が前胴3の内径より小さくなってカッタ3のヘッド部分が前胴3内に収容可能になるように設定されている。
【0023】
カッタ25には、図2(d) に示すように、カッタスポーク30から前方に固化剤を噴射する固化剤注入手段35が内蔵されている。固化剤注入手段35は、カッタ25の回転軸26から各カッタスポーク30にかけて形成された固化剤注入通路36と、固化剤注入通路36の端部にロータリジョイント37を介して接続された中間通路38および中間ポンプ39と、中間ポンプ39に夫々バルブ40、41を介して接続された高強度固化剤(セメント成分が多い)の注入ポンプ42および低強度固化剤(セメント成分が少ない)の注入ポンプ43とからなる。これらポンプ42、43は、掘進機1の後方を走行する後方台車に設けられる。
【0024】
固化剤注入手段35は、ポンプ42から高強度固化剤を所定量噴射した後、ポンプ43から低強度固化剤を所定量噴射する。なお、固化剤注入手段35は、カッタ25からその前方に向けてのみならず、隔壁22から土砂取込室23内に向けて固化剤を噴射するものであってもよい。この場合、中間通路38に分岐通路(図示せず)を接続し、その分岐通路の先端を隔壁22に貫通させるようにすればよい。これにより固化剤を、カッタ25の前方の切羽側のみならず、カッタ25の後方の土砂取込室23内にも注入できる。
【0025】
隔壁22には、送泥管44および排泥管45が取り付けられている。即ち、このシールド掘進機1は、送泥管44から隔壁22前方に供給された泥水により切羽を保持しつつ掘削し、その掘削土砂を泥水として排泥管45から排出する泥水式シールドである。なお、スクリューコンベヤによって掘削土砂を排土する土圧式シールドであってもよい。
【0026】
以上の構成からなる本実施形態の作用を述べる。
【0027】
先ず、図1(a) に示すように、前胴ジャッキ5を収縮した状態で所定の位置まで掘進したならば、図1(b) に示すように、カッタ25を回転させながら前胴ジャッキ5を伸長させ、前胴3を後胴4に対して前進させる。次に、図2(c) に示すように、カッタスポーク30内に設けられた第1段ジャッキ31および第2段ジャッキ33を収縮させてカッタ25のヘッド部分の直径を縮め、フードジャッキ16を作動させて貫入フード13をその第1段フード体14の先端部が切羽に当接するまで前進させる。
【0028】
次に、図2(d) に示すように、前胴ジャッキ5を収縮させて前胴3を後退させつつ、これに同調させてフードジャッキ16を作動させ、貫入フード13の第2段フード体15の位置を図2(c) の位置に保ちつつ、第1段フード体14と第2段フード体15とを伸長させる。これにより、カッタ25の前方に、前胴3の後退量(前胴ジャッキ5の収縮量)と貫入フード13の前進量(フードジャッキ16のトータル伸長量)とを加算した長さの固化壁46の形成スペースXが、切羽面47と貫入フード13および前胴3の内面とカッタ25の前面とによって区画形成されることになる。
【0029】
そして、その形成スペースXに、前胴3の後退および貫入フード13の前進に応じて、カッタ25を回転させながら固化剤が固化剤注入手段35によってカッタ25から噴射され、固化壁46が形成される。なお、カッタ25のみならず隔壁22からも固化剤を噴射するようにし、固化剤の注入圧によって隔壁22を後退させるようにしてもよい。この場合、隔壁22は、固化剤の注入圧と前胴ジャッキ5の収縮力とによって後退する。また、切羽面47が保持される。
【0030】
詳しくは、固化剤注入手段35は、先ず高強度固化剤用ポンプ42からセメント成分が多い高強度固化剤を所定量噴射した後、低強度固化剤用ポンプ43からセメント成分が少ない低強度固化剤を噴射する。このため、固化壁46は、切羽面47側に高強度固化剤による高強度固化壁46aが形成された後、その上にカッタ25側に位置して低強度固化剤による低強度固化壁46bが形成され、二層構造となる。
【0031】
ここで、双方の固化壁46a、46bのトータルの厚さ(即ちX)は、前胴3を後退させつつ貫入フード13を前進させて両者を相対離間させているため、それらの相対離間長さとなる。よって、地山の土質・掘進深度等に応じて固化壁46の厚さXを切羽面47における土圧・水圧に対して万全な厚さに設定しても、シールド掘進機1の機長が実工事に許容できないぐらい異常に長くなることはない。すなわち、本実施形態によれば、固化壁46の厚肉化と機長の短縮化とを両立できる。
【0032】
これに対し、シールドフレーム2内にて隔壁22を後退させるのみでその前方に固化壁46を形成するスペースXを得ていた先行技術では、固化壁46の厚さを切羽面47での土圧・水圧に対して万全な厚さに設定すると、シールドフレーム2内における隔壁22の後退量が大きくなってシールドフレーム2が長くならざるを得ず、地山の土質・掘進深度等によっては、シールド掘進機1の機長が実工事には許容できないぐらい異常に長くなってしまう場合も考えられるのである。本実施形態では前述の如き理由からこのようなことはない。
【0033】
また、上記貫入フード13は、図2(c),(d) に示すように、テレスコピック状の多重フード機構からなるものであるため、貫入フード13の収縮時の長さY (図1(a) 参照)を伸長時の長さZ(図2(d) 参照)よりも短くできる。よって、これも機長の短縮化に貢献する。また、上記フードジャッキ16は、複数のロッド片17を直列に継ぎ足して貫入フード13を前進させるものであるので、フードジャッキ16のストロークが短くて済み、フードジャッキ16の長さL(図2(c) 参照)が短くなる。よって、これも機長の短縮化に貢献する。
【0034】
また、図2(d) に示すように、高強度固化壁46aと低強度固化壁46bとの二層構造によれば、高強度固化壁46aによって切羽面47の土圧・水圧を押えることができると共に、高強度固化壁46aと低強度固化壁46bとの合計厚さXによって十分な止水厚さを確保できる。即ち、切羽面47での土圧・水圧等の機械的圧力は、高強度固化壁46aによって押えられるものの、切羽面47の地下水は、その水圧により固化壁46が貫入フード13内に接する部分を伝って浸水しようとする。そのため、固化壁46の厚さXを厚くして貫入フード13内に接する部分の長さを長くし、浸透長さを長く稼いでいるのである。また、低強度固化壁46bは、高強度固化壁46aの背後を支持する補強支持壁としても機能する。
【0035】
ところで、上述の固化壁46は、後述する図4(h) に示すように、カッタビット48を交換した後に、その新品のカッタビット48が装着されたカッタ25で掘削される。ここで、低強度固化壁46bおよび高強度固化壁46aからなる二層構造によれば、低強度固化壁46bは、交換した新品のカッタビット48が装着されたカッタで掘削されるため、新品のカッタビット48の摩耗を出来るだけ抑える機能をも発揮する。すなわち、全部を高強度固化壁46aとすることも考えられるが、これではビット交換直後の新品のカッタビット48が、切羽面47を掘削する前に高強度固化壁46aを掘削することになって摩耗してしまい、交換の効果が小さくなってしまうのである。
【0036】
次に、上記高強度固化壁46aおよび低強度固化壁46bが固化したならば、図2(d) に示すスペーサ20を取り外し、移動筒体ジャッキ21を収縮させ、図3(e) に示すように、カッタ25(隔壁22)をさらに後退させる。これにより、カッタ25の前方に、低強度固化壁46bとの間に位置させて、作業空間49が形成される。その後、シールドフレーム内の作業員50が、隔壁22に形成された図示しないマンホールの蓋を開けてそこを通り、作業空間49に移動する。そして、摩耗したカッタビット48を交換する。
【0037】
次に、図3(f) に示すように、移動筒体ジャッキ21を伸長させてスペーサ20を再び取り付け、カッタ25の位置を図2(d) の位置に戻す。その後、図4(g) に示すように、フードジャッキ16を作動させて貫入フード13を引き込む。そして、図4(h) に示すように、カッタスポーク30内の第1段ジャッキ31および第2段ジャッキ33を伸長させてカッタ25のヘッド部分の直径を拡径する。そして、推進ジャッキ5を伸長させつつカッタ25を回転させ、交換した新品のカッタビット48で掘進を再開する。
【0038】
別の実施形態を図5(f),(g),図6(h),(i) に示す。
【0039】
この実施形態は、シールド掘進機の構造は前実施形態と同様であり、カッタビット48を交換した後、掘進までの作動方法を異ならせたものである。具体的には、この実施形態は、前実施形態における図3(f),図4(g),図4(h) の手順の代りに、図5(f),図5(g),図6(h),図6(i) の手順を用いたものである。
【0040】
図5(f) は、図3(f) と同一の状態である。本実施形態では、この図5(f) の状態からカッタ25を回転させつつ前胴ジャッキ5によって前胴3を前進させ、同時にフードジャッキ16によって貫入フード13を引き込むことにより、図5(g) に示すように、第2段フード体15の位置を図5(f) の位置としたまま固化壁46を掘削してカッタ25を切羽面47まで前進させる。
【0041】
次に、図6(h) に示すように、フードジャッキ16によって貫入フード13の第2段フード体15を後退させ、カッタ25を回転させつつカッタスポーク30内の第1段ジャッキ31および第2段ジャッキ33を伸長させてカッタ25のヘッド部分の直径を広げ、前胴3(シールドフレーム2)の外径に合致させる。このとき、第2段フード体15の外側の固化壁46は回転するカッタ25によって切削される。
【0042】
次に、図6(i) に示すように、推進ジャッキ10を伸長させて後胴4を前進させてエレクタ9によってセクメント8を組み立て、交換した新品のカッタビット48によって掘進を再開する。本実施形態の作用効果は、前実施形態の作用効果と同様である。
【0043】
さらに別の実施形態を図7(a),(b) に示す。
【0044】
この実施形態は、貫入フード13が、これまでの実施形態のようにテレスコピック状に伸縮する多重フード機構ではなく、単独のフード体である点のみがこれまでの実施形態と異なり、その他は同様の構成となっているものである。図7(a) は図1(a) に相当し、図7(b) は図3(e) に相当する。本実施形態の作用効果は、前実施形態の作用効果と同様である。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、カッタビットを地中作業のみで機内側から交換でき、固化壁の厚肉化と機長の短縮化とを両立できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示すカッタビット交換方法に用いられるシールド掘進機の側断面図である。
【図2】 上記カッタビット交換方法を表す側断面図である。
【図3】 上記カッタビット交換方法を表す側断面図である。
【図4】 上記カッタビット交換方法を表す側断面図である。
【図5】 別の実施形態を示すカッタビット交換方法に用いられるシールド掘進機の側断面図である。
【図6】 上記カッタビット交換方法を表す側断面図である。
【図7】 更に別の実施形態を示すカッタビット交換方法に用いられるシールド掘進機の側断面図である。
【符号の説明】
1 シールド掘進機
3 前胴
4 後胴
12 板厚部
13 貫入フード
22 隔壁
25 カッタ
35 固化剤注入手段
42 高強度固化剤の注入ポンプ
43 低強度固化剤の注入ポンプ
46 固化壁
46a 高強度固化壁
46b 低強度固化壁
49 作業空間
Claims (6)
- 後胴と、
該後胴に、前方に移動可能に設けられた前胴と、
該前胴の板厚部内に収容され、前方に出没する貫入フードと、
上記前胴の内部に前後方向に移動可能に設けられた隔壁と、
該隔壁に設けられ切羽を掘削するカッタと
を備えたシールド掘進機のカッタビット交換方法であって、
上記後胴の地山に対する位置を動かすことなく上記前胴を上記後胴に対して前方に移動させて上記カッタで切羽を掘削した後、
上記前胴を上記後胴に近付けつつ上記貫入フードを上記前胴から前方に突出させることで、上記貫入フードの地山に対する位置を動かさずに上記前胴を後退させ、
上記前胴を後退させる際、上記カッタから固化剤を前方に噴出して該固化剤によって上記貫入フードの内方に固化壁を形成し、
その後、上記隔壁を上記前胴の内部にて後方に移動させることで、上記隔壁に設けた上記カッタと上記固化壁との間に作業空間を形成し、
該作業空間にて上記カッタのカッタビットを交換する
ことを特徴とするシールド掘進機のカッタビット交換方法。 - 上記作業空間にて上記カッタの上記カッタビットを交換した後、
上記隔壁を上記前胴の内部にて前方に移動させて、上記作業空間を消失させ、
上記貫入フードを上記前胴の上記板厚部内に引き込み、
上記前胴及び後胴を前進させて上記カッタで上記固化壁を掘削する
請求項1に記載のシールド掘進機のカッタビット交換方法。 - 上記前胴を後退させる際、
上記カッタからセメント成分が多い高強度の固化剤を噴射した後にセメント成分が少ない低強度の固化剤を噴射し、
上記高強度の固化剤によって切羽側に高強度の固化壁を形成し、上記低強度の固化剤によってカッタ側に低強度の固化壁を形成した
請求項1又は2に記載のシールド掘進機のカッタビット交換方法。 - 上記前胴を後退させる際、
上記カッタを回転させながら上記カッタから固化剤を前方に噴出する
請求項1〜3のいずれかに記載のシールド掘進機のカッタビット交換方法。 - 上記前胴を後退させる際、
上記カッタのみならず上記隔壁からも固化剤を前方に噴出し、
この固化剤の注入圧によって上記隔壁を後退させる
請求項1〜4のいずれかに記載のシールド掘進機のカッタビット交換方法。 - 上記作業空間にて上記カッタの上記カッタビットを交換した後、
上記隔壁を上記前胴の内部にて前方に移動させて、上記作業空間を消失させ、
上記前胴を上記後胴に対して前進させつつ、上記貫入フードを上記前胴の上記板厚部内に引き込むことで、
上記貫入フードの地山に対する位置を動かすことなく、上記固化壁を上記カッタで掘削する
請求項1に記載のシールド掘進機のカッタビット交換方法。
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