JP4299983B2 - 反射体制御原子炉 - Google Patents

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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却材に浸されている炉心の周囲に配設した中性子反射体を移動領域の内部で上下動させることにより炉心からの中性子の漏洩を調整して炉心の反応度を制御する反射体制御原子炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、反射体制御原子炉においては、冷却材に浸されている炉心の周囲に配設した中性子反射体を移動領域の内部で上下動させることにより、炉心からの中性子の漏洩を調整して炉心の反応度を制御しているが、その一般的な構造を図29〜図32を用いて説明する。
【0003】
図29に示した反射体制御原子炉1においては、冷却材としての液体ナトリウムで満たされた原子炉容器2の中心部に位置する炉心3の周囲に、環状の中性子反射体4および中性子遮蔽体5が同心状に配設されている。中性子反射体4は、コアバレル6および隔壁7によって形成された環状の移動領域8の内部で上下動することができる。
【0004】
一方、原子炉容器2内の上部に配設された電磁ポンプ9から下方に吐出される液体ナトリウムは、中性子遮蔽体5の周囲を通過して下部プレナム10に流下した後、炉心3を含む集合体領域11内を上昇する際に加熱されて高温となり上部プレナム12に上昇する。上部プレナム12内における高温の液体ナトリウムは、図示されない熱交換器に導かれてその熱が除去された後、電磁ポンプ9の吸い込み側に戻る。
【0005】
中性子反射体4は、移動領域8内を上方に流れる液体ナトリウムから受ける流体力(流体圧力、流体抵抗、粘性力)および浮力と重力とのバランスにより、移動領域8の内部を上下動する。電磁ポンプ9の吐出圧が上昇すると液体ナトリウムから受ける流体力が増加するので、中性子反射体4は移動領域8の内部を上昇する。
【0006】
移動領域8の内部を上方に移動した中性子反射体4は、コアバレル6の表面に吸着している駆動機構13によって図30に示したように保持され、上下方向に位置決めされる。中性子反射体4が炉心3の周囲に保持されているときには、炉心3における核分裂によって放出された中性子が中性子反射体4によって反射されて炉心3に向かうので、連鎖的に核分裂を継続させて反射体制御原子炉1の出力を維持することができる。
【0007】
これに対して、電磁ポンプ9が停止して液体ナトリウムの循環が失われると、中性子反射体4が液体ナトリウムから受ける流体力が消失して中性子反射体4に作用する重力が勝るため、中性子反射体4は液移動領域8の内部で降下する。中性子反射体4が液移動領域8の内部で降下して炉心3の下方に位置するときには、炉心3から放出された中性子が中性子遮蔽体5に吸収されるため、反射体制御原子炉1の作動は停止する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の反射体制御原子炉1においては、図31および図32に示したように、中性子反射体4は円周方向に複数の部分に分割されている。
【0009】
これにより、中性子反射体4が移動領域8の内部で上下動するときに中性子反射体4が傾斜すると、その上端若しくは下端の隅角部がコアバレル6および隔壁7の表面と擦れるため、中性子反射体4が移動領域8の内部でスムーズに上下動しない場合があった。
【0010】
そこで本発明の目的は、上述した従来技術が有する問題点を解消し、中性子反射体が移動領域の内部でスムーズに上下動できる反射体制御原子炉を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する請求項1に記載の手段は、冷却材に浸されている炉心の周囲に配設した中性子反射体を移動領域の内部で上下動させることにより前記炉心からの中性子の漏洩を調整して前記炉心の反応度を制御する反射体制御原子炉において、
前記中性子反射体が、その側面の上部及び下部に周方向に突出する突出部を備えたことを特徴とする。
【0012】
すなわち、冷却材で満たされた移動領域の内部を中性子反射体が上下動する際には、移動領域の内壁面と中性子反射体の側面との間の隙間が冷却材の流路となる。このとき、中性子反射体に設けた突出部が流路を狭めているので、突出部には冷却材から受ける流体抵抗や流体圧力および粘性力等の流体力が著しく作用する。これにより中性子反射体は、上下方向および前後左右方向に振動することなく移動領域の内部をスムーズに上下動(浮上若しくは沈下)することができる。また、移動領域の内壁面と突出部の先端との間の隙間が狭いので、突出部を備えない場合に比較して、移動領域の内部における中性子反射体の傾斜量が小さくなる。これにより中性子反射体は、その隅角部が移動領域の内壁面に引っかかることなく、かつ移動領域の内壁面と突出部の先端面との摺動によって案内されつつ、移動領域の内部をスムーズに上下動することができる。さらに、移動領域の内壁面との間の隙間を狭めるために、突出部の先端のみを高い精度で加工すればよいから、中性子反射体の側面全体を加工する場合に比較して中性子反射体の製造コストを大幅に低減することができる。
【0013】
請求項2に記載の手段は、請求項1に記載の反射体制御原子炉において、前記突出部が、前記中性子反射体の側面に沿って水平方向に連続して延びることを特徴とする。
【0014】
すなわち、水平方向に延びるように突出部を配設すると突出部が延びる方向と冷却材が流れる方向とが直交するから、突出部には冷却材から受ける流体圧力、流体抵抗および粘性力等の流体力が著しく作用する。これにより、中性子反射体は上下方向および前後左右方向に振動することなく移動領域の内部をスムーズに上下動することができる。なお、一つの突出部を中性子反射体の上端部若しくは下端部にのみ設けたり、互いに平行に延びる複数の突出部を中性子反射体の側面全体に分散させて設けたりすることができる。
【0015】
請求項に記載の手段は、請求項1に記載の反射体制御原子炉において、前記中性子反射体が、その上端部にその他の部分よりも密度の低い部分を有することを特徴とする。
【0016】
すなわち、中性子反射体の上端部に密度の小さい部分を設けると、中性子反射体の上端部にはその他の部分よりも大きな浮力が作用する。これにより、中性子反射体が移動領域の内部を上下動するときの姿勢を安定させてその傾斜を防止できるから、中性子反射体は移動領域の内壁面に引っかかったり姿勢の乱れに伴う振動を発生させたりすることなく移動領域の内部をスムーズに上下動することができる。なお、密度の小さい部分を形成するために、中性子反射体の上端部に中空部を設けたりその他の部分よりも密度の小さい部材を充填したりすることができる。
【0017】
上記の課題を解決する請求項に記載の手段は、請求項1に記載の反射体制御原子炉において、前記中性子反射体が、その下端部にその他の部分よりも密度の高い部分を有することを特徴とする。
【0018】
すなわち、中性子反射体の下端部に密度の大きい部分を設けると、中性子反射体の下端部にはその他の部分よりも大きな重力が作用する。これにより、中性子反射体が移動領域の内部を上下動するときの姿勢を安定させてその傾斜を防止できるから、中性子反射体は移動領域の内壁面に引っかかったり姿勢の乱れに伴う振動を発生させたりすることなく、移動領域の内部をスムーズに上下動することができる。なお、密度の高い部分を形成するために、中性子反射体の下端部に錘等、その他の部分よりも密度の高い部材を充填することができる。
【0019】
請求項に記載の手段は、請求項1に記載の反射体制御原子炉において、前記中性子反射体が、前記冷却材が通過可能な上下方向に貫通して延びる貫通流路と、前記貫通流路内で上下動可能な可動部材とを有することを特徴とする。
【0020】
すなわち、移動領域の下部から上方に向かって圧送される冷却材の圧力変動(脈動)を、冷却材が貫通流路内の可動部材を上下動させるときに生じるエネルギの消費や流体抵抗等によって吸収することができる。これにより、冷却材の圧力変動に伴う中性子反射体の上下方向の振動を防止して、中性子反射体を移動領域の内部においてスムーズに上下動させることができる。なお、貫通流路の入口および出口に絞り部を設けることにより、冷却材がこれらの絞り部を通過する際に圧力損失が生じるようにして、脈動減衰効果をより一層高めることもできる。
【0021】
請求項に記載の手段は、請求項1に記載の反射体制御原子炉において、前記中性子反射体が、前記移動領域の内壁面上を転動して前記中性子反射体の上下動を案内する、前記中性子反射体に回転自在に軸支された案内車輪を備えることを特徴とする。
【0022】
すなわち、移動領域の内壁面と中性子反射体の側面との間には、冷却材の流路となる隙間が存在するため、移動領域の内部を上下動するときに中性子反射体が傾斜して内壁面に引っかかることがある。このとき、中性子反射体に回転自在に支持された案内車輪が内壁面上を転動することにより、中性子反射体の傾斜や中性子反射体と内壁面との接触および中性子反射体の前後左右方向の振動を防止できるから、中性子反射体を移動領域の内部においてスムーズに上下動させることができる。また、案内車輪が回転するときに生じる摩擦力により、中性子反射体に上下方向の振動が生じることを防止することができる。なお、案内車輪は、中性子反射体に生じる傾斜を最小とするために、中性子反射体の上端部および下端部に設けることが好ましい。
【0023】
請求項に記載の手段は、請求項1に記載の反射体制御原子炉において、前記中性子反射体が、前記中性子反射体の下端部に開口して前記冷却材を受け入れる受入口と、前記中性子反射体の側面に開口して前記受入口から受け入れた前記冷却材を前記内壁面に向かって排出する排出口と、前記受入口と前記排出口との間で前記中性子反射体を貫通して延びる貫通流路とを備えることを特徴とする。
【0024】
すなわち、移動領域の下部から上方に向かって圧送される冷却材により中性子反射体が移動領域の内部で上昇するとき、および中性子反射体が移動領域の内部を降下するときには、中性子反射体の下方にある冷却材が受入口を介して貫通流路内に流入するとともに、排出口から移動領域の内壁面に向かって排出される。これにより、移動領域の内壁面と中性子反射体の側面との間の隙間内に冷却材を供給して、移動領域の内壁面と中性子反射体との接触を防止できるから、中性子反射体を移動領域の内部においてスムーズに上下動させることができる。
【0025】
請求項に記載の手段は、請求項1に記載の反射体制御原子炉において、前記中性子反射体を上下方向に貫通する貫通孔内に挿入されて前記中性子反射体の上下動を案内する案内軸を備えることを特徴とする。
【0026】
すなわち、中性子反射体を案内軸によって案内しつつ移動領域の内部を上下動させることができるから、移動領域の内壁面と中性子反射体との接触を防止して、中性子反射体を移動領域の内部においてスムーズに上下動させることができる。
【0027】
請求項に記載の手段は、請求項1に記載の反射体制御原子炉において、前記中性子反射体を磁力によって上下方向に変位させる前記中性子反射体の周囲に配設された電磁石と、前記電磁石を駆動して上下方向に変位させる電磁石駆動機構と、を備えることを特徴とする。
【0028】
すなわち、電磁石駆動機構を用いて電磁石の上下方向位置を変化させることにより、中性子反射体を上下方向に振動させることなく移動領域の内部で上下動させることができる。なお、移動領域の下部から上方に向かって冷却材を圧送するポンプの停止に連動させて電磁石に対する通電を遮断することにより、ポンプの停止に合わせて中性子反射体を降下させることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る反射体制御原子炉の各実施形態を、図1乃至図28を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明においては、同一の部分には同一の符号を用いるとともに、鉛直方向を上下方向、炉心に対する半径方向を前後方向、炉心に対する円周方向を左右方向と言う。
【0030】
第1実施形態
まず最初に図1〜図12を参照し、第1実施形態の反射体制御原子炉およびその変形例について詳細に説明する。
【0031】
本第1実施形態の反射体制御原子炉の構造および動作は、中性子反射体の形状が一部異なる点を除いて、図29〜図32に示した従来の反射体制御原子炉の構造および動作と同一である。そこで、中性子反射体の形状の相違点およびその作用効果について詳細に説明する。
【0032】
図1〜図4に示したように、本第1実施形態の反射体制御原子炉20に用いる中性子反射体21は、その上端部および下端部に、各側面21a,21b,21c,21dに沿って連続して水平に延びる上下一対の突出部22を備えている。そしてこれらの突出部22は、移動領域8を形成するコアバレル6および隔壁7の内壁面に向かって突出し、これらの内壁面と前後一対の側面21a,21dとの間の冷却材の流路23を狭める狭隘部24をそれぞれ形成する。
【0033】
これにより、中性子反射体21が移動領域8の内部を上下動するときには、上下一対の突出部22に流体抵抗や流体圧力および流体粘性力等の流体力が作用するから、中性子反射体21は上下方向および前後左右に振動することなく移動領域8の内部をスムーズに上下動することができる。
【0034】
また、移動領域8の各内壁面と突出部22の先端22aとの間の隙間が狭いので、突出部22を備えない場合に比較して、移動領域8の内部における中性子反射体21の傾斜量を小さくすることができる。これにより、中性子反射体21が移動領域8の内部を上下動するときに中性子反射体21が大きく傾斜し、その端部が移動領域8の内壁面に引っかかることがない。また、突出部22の先端面22aが移動領域8の内壁面と摺動して中性子反射体21の上下動を案内するので、中性子反射体21は移動領域8の内部をスムーズに上下動することができる。
【0035】
また、中性子反射体21の側面に突出部22を設けることなく移動領域8内における中性子反射体21の傾斜量を小さくしようとする場合は、中性子反射体21の側面21a,21bの全体を高い寸法精度で仕上げて移動領域8の内壁面との間の隙間を狭める必要があり、中性子反射体21の製造コストが上昇する。このとき、本第1実施形態の中性子反射体21においては、突出部22の先端面22aのみを高い精度で加工すればよいから、中性子反射体21の製造コストを大幅に低減することができる。
【0036】
図5に示した変形例においては、突出部22の上下面が傾斜面22bとなっている。また、図6に示した変形例においては、突出部22の先端隅角部に面取り22cが施されている。さらに、図7に示した変形例においては、突出部22の先端が湾曲面22dによって丸められている。このように、突出部22の断面形状を適宜設定することにより、突出部22の先端の周囲を流れる冷却材の流れ具合を制御することができるから、突出部22に作用する流体抵抗および流体圧力等の流体力の大きさを自在に制御することができる。
【0037】
図8に示した変形例においては、突出部22の先端面22aに、複数の凹溝25を上下方向に対して傾斜させて凹設している。これにより、突出部22の先端の周囲を流れる冷却材の流れ具合を制御して、突出部22に作用する流体抵抗および流体圧力等の流体力の大きさを自在に制御することができる。なお、凹溝25の数や深さ若しくは傾斜等は必要に応じて適宜変更することができる。
【0038】
第1参考例
図9に示した第1参考例においては、中性子反射体21の上端部にのみ突出部22を設けている。これにより、中性子反射体21が移動領域8の内部を上下動するときには、突出部22に作用する流体力が中性子反射体21の上端部に上向きに作用する。したがって、中性子反射体21の姿勢を安定させて傾斜を防止できるから、中性子反射体21が移動領域8の内壁面に引っかかったり姿勢の乱れに伴う振動が発生したりすることがなく、中性子反射体21を移動領域8の内部でスムーズに上下動させることができる。
【0039】
図10に示した変形例においては、互いに平行に水平方向に延びる複数の突出部22を、中性子反射体21の側面の全体にわたって上下方向に分散させて配設している。これにより、各突出部22に作用する冷却材の流体力の総和は、突出部22を一つだけ設ける場合に比較して大幅に増加する。したがって、中性子反射体21に上下方向および前後左右方向の振動が発生することをより一層確実に防止して、中性子反射体21を移動領域8の内部においてより一層スムーズに上下動させることができる。
【0040】
第2参考例
図11に示した第2参考例においては、移動領域8の内壁面に対向する中性子反射体21の両側面21a,21bの下端部に、前後一対の案内面26がそれぞれ形成されている。すなわち、中性子反射体21が移動領域8の内部を降下するときに、冷却材が案内面26によって案内されて移動領域8の内壁面と中性子反射体21の側面21a,21bとの間の隙間内にスムーズに流入するから、中性子反射体21の下端部の周囲に冷却材の乱流が発生することがない。これにより、中性子反射体21は前後方向および左右方向に振動することなく、移動領域8の内部をスムーズに降下することができる。
【0041】
第3参考例
一方、図12に示した第3参考例においては、中性子反射体21の一方の側面21bの下端部にのみ案内面26が形成されている。これにより、中性子反射体21が移動領域8の内部を降下するときに、移動領域8を形成するコアバレル6の内壁面に向かって中性子反射体21を押圧することができる。すなわち、案内面26を設ける位置や大きさ、形状等を適宜設定することにより、移動領域8の内部を降下する中性子反射体21の姿勢を自在に制御することができる。
【0042】
第4参考例
次に図13を参照し、第4参考例の反射体制御原子炉について説明する。
【0043】
第4参考例の反射体制御原子炉の構造および動作は、中性子反射体の形状が一部異なる点を除いて、図29〜図32に示した従来の反射体制御原子炉の構造および動作と同一である。そこで、中性子反射体の形状の相違点およびその作用効果について詳細に説明する。
【0044】
図13に示したように、本第4参考例の反射体制御原子炉30に用いる中性子反射体31は、その各側面31a,31b,31c,31dに沿って互いに平行に、かつ連続して上下方向に延びる複数の突出部32を備えている。
【0045】
このとき、各突出部32が延びる方向と冷却材が流れる方向とが一致するから、冷却材の流れ方向を拘束できるとともに、冷却材の粘性力を各突出部32に大きく作用させることができる。これにより、中性子反射体31は上下方向や前後左右方向に振動することなく、移動領域8の内部をスムーズに上下動することができる。
【0046】
実施形態
次に図14および図15を参照し、第実施形態の反射体制御原子炉およびその変形例について説明する。
【0047】
本第実施形態の反射体制御原子炉の構造および動作は、中性子反射体の形状が一部異なる点を除いて、図29〜図32に示した従来の反射体制御原子炉の構造および動作と同一である。そこで、中性子反射体の形状の相違点およびその作用効果について詳細に説明する。
【0048】
図14に示したように、本第実施形態の反射体制御原子炉40に用いる中性子反射体41は、その上端部に中空部分42を有している。
【0049】
すなわち、中性子反射体41の上端部に密度の小さい部分としての中空部分42を設けると、中性子反射体41の上端部にはその他の部分よりも大きな浮力が作用する。したがって、中性子反射体41の姿勢を安定させて傾斜を防止することができるから、中性子反射体41が移動領域8の内壁面に引っかかったり姿勢の乱れに伴う振動が発生したりすることがなく、中性子反射体41を移動領域8の内部においてスムーズに上下動させることができる。なお、密度の小さい部分を形成するために、中性子反射体41の上端部に中空部分42を設けるほかに、その他の部分よりも密度の小さい部材を充填することもできる。
【0050】
これに対して図15に示した変形例においては、中性子反射体41の下端部に錘43を有している。
【0051】
すなわち、中性子反射体41の下端部にその他の部分よりも密度の大きい部分を形成するために錘43を充填すると、中性子反射体41の下端部にはその他の部分よりも大きな重力が作用する。したがって、中性子反射体41の姿勢を安定させて傾斜を防止することができるから、中性子反射体41が移動領域8の内壁面に引っかかったり姿勢の乱れに伴う振動が発生したりすることがなく、中性子反射体41を移動領域8の内部においてスムーズに上下動させることができる。
【0052】
実施形態
次に図16および図17を参照し、第実施形態の反射体制御原子炉およびその変形例について説明する。
【0053】
本第実施形態の反射体制御原子炉の構造および動作は、中性子反射体の形状が一部異なる点を除いて、図29〜図32に示した従来の反射体制御原子炉の構造および動作と同一である。そこで、中性子反射体の形状の相違点およびその作用効果について詳細に説明する。
【0054】
図16に示したように、本第実施形態の反射体制御原子炉50に用いる中性子反射体51は、上下方向に貫通する貫通流路52と、この貫通流路52の上端部および下端部にそれぞれ配設された絞り部53,54と、貫通流路52内で上下動可能な球状金属製の可動部材55とを有している。
【0055】
すなわち、本第実施形態の反射体制御原子炉50に用いる中性子反射体51においては、移動領域8の下部から上方に向かって圧送される冷却材の圧力変動(脈動)を、冷却材が中性子反射体51の貫通流路52内に入るときおよび出るときに各絞り部53,54において受ける圧力損失と、冷却材が可動部材55を上下動させるときのエネルギ消費および流体抵抗とにより消滅させることができる。これにより、冷却材の圧力変動に伴う中性子反射体51の上下方向の振動を防止して、中性子反射体51を移動領域8内においてスムーズに上下動させることができる。
【0056】
一方、図17に示した変形例においては、中性子反射体51の内部を上下方向に貫通する貫通流路56が、鉛直面で切断したときの断面形状が上方に向かって拡開する形状となっている。
【0057】
すなわち、冷却材の圧力変動が大きくなればなるほど、可動部材55は貫通流路56の上部にまで移動する。このとき、この変形例においては、中性子反射体51に貫設した貫通流路56の内壁面と可動部材55の表面との間の隙間の大きさが上にいくほど広くなる。これにより、可動部材55が貫通流路56の上部に移動すればするほど可動部材55に作用する冷却材の流体力が減少するので、可動部材55が貫通流路56の最上部にまで上昇して貫通流路56の上部開口53を閉鎖することを確実に防止できる。したがって、冷却材の圧力変動が大きい場合でも可動部材55を確実に上下方向に振動させて、冷却材の圧力変動を消滅させることができる。
【0058】
実施形態
次に図18を参照し、第実施形態の反射体制御原子炉について説明する。
【0059】
本第実施形態の反射体制御原子炉の構造および動作は、中性子反射体の形状が一部異なる点を除いて、図29〜図32に示した従来の反射体制御原子炉の構造および動作と同一である。そこで、中性子反射体の形状の相違点およびその作用効果について詳細に説明する。
【0060】
図18に示したように、本第実施形態の反射体制御原子炉60に用いる中性子反射体61は、移動領域8の内壁面上を転動して中性子反射体61の上下動を案内する、この中性子反射体61の側面61a,61bにおいて回転自在に軸支された複数の案内車輪62を有している。
【0061】
すなわち、中性子反射体61に回転自在に支持された案内車輪62が移動領域8の内壁面上を転動することにより、中性子反射体61の傾斜や中性子反射体61と内壁面との接触および中性子反射体61の前後方向および左右方向の振動を防止できる。また、案内車輪62が図示されない支軸の回りに回転するときに生じる摩擦力によって、中性子反射体61に上下方向の振動が生じることを防止できる。これにより、中性子反射体61を移動領域8内においてスムーズに上下動させることができる。
【0062】
実施形態
次に図19および図20を参照し、第実施形態の反射体制御原子炉およびその変形例について説明する。
【0063】
本第実施形態の反射体制御原子炉の構造および動作は、中性子反射体の形状が一部異なる点を除いて、図29〜図32に示した従来の反射体制御原子炉の構造および動作と同一である。そこで、中性子反射体の形状の相違点およびその作用効果について詳細に説明する。
【0064】
図19に示したように、本第実施形態の反射体制御原子炉70に用いる中性子反射体71は、その下端部に開口して冷却材を受け入れる受入口72と、中性子反射体71の側面71a,71bに開口して受入口72から受け入れた冷却材を移動領域8の内壁面に向かって排出する排出口73と、受入口72と排出口73との間で中性子反射体71を貫通して延びる貫通流路74とを有している。
【0065】
すなわち、移動領域8の下部から上方に向かって圧送される冷却材により中性子反射体71が移動領域8内で上昇するとき、および中性子反射体71が移動領域8の内部を降下するときには、中性子反射体71の下方にある冷却材が受入口72を介して貫通流路74内に流入するとともに、排出口73から移動領域8の内壁面に向かって排出される。これにより、移動領域8の内壁面と中性子反射体1の側面71a,71bとの間の隙間内に冷却材を供給して、移動領域8の内壁面と中性子反射体71とが接触することを防止できるから、中性子反射体71を移動領域8の内部においてスムーズに上下動させることができる。
【0066】
図20に示した変形例においては、移動領域8の内壁面に向かって開口する複数の排出口73が上下方向に分散して配設されるとともに、これらの排出口73と受入口72との間で貫通流路75が中性子反射体71を貫通して延びている。これにより、移動領域8の内壁面と中性子反射体1の側面71a,71bとの間の隙間の全体にわたって冷却材を供給し、移動領域8の内壁面と中性子反射体71とが接触することを防止できるから、中性子反射体71を移動領域8の内部においてより一層スムーズに上下動させることができる。
【0067】
実施形態
次に図21を参照し、第実施形態の反射体制御原子炉について説明する。
【0068】
本第実施形態の反射体制御原子炉の構造および動作は、中性子反射体の形状が一部異なる点を除いて、図29〜図32に示した従来の反射体制御原子炉の構造および動作と同一である。そこで、中性子反射体の形状の相違点およびその作用効果について詳細に説明する。
【0069】
図21に示したように、本第実施形態の反射体制御原子炉80に用いる中性子反射体81には、上下方向に貫通する貫通孔82が貫設されている。そして、この貫通孔82内には上下方向に延びる案内軸83が挿通されている。
【0070】
これにより、中性子反射体81を案内軸83によって案内しつつ移動領域8内を上下動させることができるから、移動領域8の内壁面と中性子反射体81との接触を防止して、中性子反射体81を移動領域8内においてスムーズに上下動させることができる。なお、複数の案内軸83によって中性子反射体81の上下動を案内することもできる。
【0071】
第5参考例
次に図22および図23を参照し、第5参考例の反射体制御原子炉について説明する。
【0072】
第5参考例の反射体制御原子炉の構造および動作は、中性子反射体の形状が一部異なる点を除いて、図29〜図32に示した従来の反射体制御原子炉の構造および動作と同一である。そこで、中性子反射体の形状の相違点およびその作用効果について詳細に説明する。
【0073】
図22に示したように、本第5参考例の反射体制御原子炉90に用いる中性子反射体91は、上述した第実施形態における中性子反射体81を水平面で切断して上下方向に複数の部分92,93,94に分割した構造となっている。そして、分割された各部分92,93,94は、それぞれ上下方向に貫通する貫通孔92a,93a,94aを有するとともに、これらの貫通孔には上下方向に延びる案内軸95が挿通されている。これにより、中性子反射体91の各部分92,93,94は、案内軸95によって案内されて移動領域8の内壁面に接触することがないから、移動領域8の内部をスムーズに上下動することができる。
【0074】
一方、中性子反射体91を構成する各部分92,93,94は、鉛直面で切断したときの断面形状が矩形状であるとともに、水平面で切断したときの断面積は上側の部分92が最も大きく、かつ下側の部分94が最も小さい。言い換えると、上側の部分92の底面92aの面積が最も大きく、下側の部分94の底面94cの面積が最も小さい。さらに言い換えると、中性子反射体91を構成する各部分92,93,94の各側面と移動領域8の内壁面との間の隙間は、上側の部分92が最も狭く、下側の部分94が最も広い。
【0075】
すなわち、中性子反射体91を構成する各部分92,93,94のうち、上側の部分ほど移動領域8の内壁面との間の隙間が狭いから、移動領域8の下部から上方に向かってポンプで圧送される冷却材から受ける流体力は、最も上側の部分92が最も大きく、最も下側の部分94が最も小さい。これにより、冷却材をポンプで圧送して中性子反射体91を上昇させるときには、ポンプで圧送する冷却材の流量を制御することにより、各部分92,93,94のうち上からいくつまで上昇させるかを制御することができる。具体的には、移動領域8の下部から上方に向かってポンプで圧送する冷却材の流量を少なくすることにより上側の部分92のみを上昇させ、流量をやや増加することにより上側の部分92および中央部分93を上昇させ、流量を最大限に増加することにより全ての部分92,93,94を上昇させることができる。
【0076】
また、中性子反射体91が移動領域8の内部を降下するときには、下側の部分ほど冷却材から受ける流体抵抗が小さい。これにより、ポンプ圧送による冷却材の供給を停止して中性子反射体91を降下させるときには、下側の部分ほど降下しやすいから、中性子反射体91の全体をスムーズに降下させることができる。さらに、上下方向に複数の部分に分割された中性子反射体91の各部分92,93,94は、中性子反射体を一体に形成した場合よりも上下方向の寸法がそれぞれ小さいから、移動領域8の内部で傾斜しても前後方向の変位量が小さく、移動領域8の内壁面に接触しにくい。これにより、中性子反射体91の全体を移動領域8の内部においてスムーズに上下動させることができる。
【0077】
なお、図23に変形例として示したように、上下方向に延びる案内軸95による上下動の案内を除くこともできる。
【0078】
第6参考例
次に図24および図25を参照し、参考例の反射体制御原子炉について説明する。
【0079】
第6参考例の反射体制御原子炉の構造および動作は、中性子反射体の形状が一部異なる点を除いて、図29〜図32に示した従来の反射体制御原子炉の構造および動作と同一である。そこで、中性子反射体の形状の相違点およびその作用効果について詳細に説明する。
【0080】
図24に示したように、本第6参考例の反射体制御原子炉100においては、移動領域8が、鉛直面で切断したときの断面の形状が上方に向かってテーパ状に拡開する形状となっている。すなわち、コアバレル6および隔壁7が鉛直軸に対して所定の傾斜角で傾斜し、かつ上方ほどコアバレル6と隔壁7との間の間隔が拡がるようになっている。
【0081】
また、中性子反射体101の前後一対の側面101a,101bは、移動領域8の対向する内壁面に対してそれぞれ平行に延びている。さらに、前後一対の側面101a,101bの上端部には、移動領域8の内壁面に向かって突出する突出部102が配設されている。
【0082】
これにより、中性子反射体101が移動領域8の内部を上方に移動するに連れて、移動領域8の内壁面と中性子反射体101の前後一対の側面101a,101bとの間の隙間が広くなるから、移動領域8の下部から上方に向かってポンプ圧送される冷却材から中性子反射体101が受ける流体力の大きさは、中性子反射体101が移動領域8の内部を上方に移動するにつれて徐々に小さくなる。したがって、移動領域8の下部から上方に向かってポンプ圧送する冷却材の流量を制御することにより、移動領域8の内部における中性子反射体101の上下方向位置を連続的に制御して、炉出力を連続的に制御することができる。
【0083】
このとき、中性子反射体91の両側面101a,101bの上端部に設けた突出部102に冷却材からの流体力が上向きに作用するので、中性子反射体101の姿勢を安定させることができる。また、移動領域8の内壁面の傾斜に合わせて中性子反射体101の前後一対の側面101a,101bを下方に向かって傾斜させているから、中性子反射体101が移動領域8の内壁面に引っかかることがなく、中性子反射体101を移動領域8の内部でスムーズに降下させることができる。
【0084】
図25に示した変形例においては、中性子反射体103の下端部に冷却材の流れを案内する案内面104が形成されている。これにより、移動領域8の下部から上方に向かって流れる冷却材の流れを、移動領域8の内壁面と中性子反射体103の前後一対の側面103a,103bとの間に案内することができるから、中性子反射体103の下端部の周辺に冷却材の乱流が発生することを防止して、中性子反射体103の姿勢をより一層安定させることができる。
【0085】
第7参考例
次に図26を参照し、第7参考例の反射体制御原子炉について説明する。
【0086】
第7参考例の反射体制御原子炉の構造および動作は、中性子反射体の形状が一部異なる点を除いて、図29〜図32に示した従来の反射体制御原子炉の構造および動作と同一である。そこで、中性子反射体の形状の相違点およびその作用効果について詳細に説明する。
【0087】
図26に示したように、本第7参考例の反射体制御原子炉110においては、移動領域8が、鉛直面で切断したときの断面形状が下方から上方に向かって段階的に拡開する形状となっている。すなわち、コアバレル6がそれぞれ鉛直方向に延びる壁面6a,6b,6cによって階段状に形成されており、かつ隔壁7もまたそれぞれ鉛直方向に延びる壁面7a,7b,7cによって階段状に形成されている。そして、互いに対向する壁面6aと壁面7aとの間の間隔が最も狭く、壁面6cと壁面7cとの間の間隔が最も広くなっている。
【0088】
一方、中性子反射体111は、互いに平行に延びる前後一対の側面111a,111bを有するとともに、その下端部には冷却材の流れを案内する案内面112が設けられ、かつ前後一対の側面111a,111bの上端部には突出部113が設けられている。
【0089】
これにより、中性子反射体111が互いに対向する壁面6aと壁面7aとの間に位置するときに移動領域8の内壁面と中性子反射体111の側面との間の隙間が最も狭く、中性子反射体111が互いに対向する壁面6cと壁面7cとの間に位置するときに移動領域8の内壁面と中性子反射体111の側面との間の隙間が最も広くなる。すなわち、移動領域8の内壁面と中性子反射体111の側面との間の隙間の大きさは、移動領域8内における中性子反射体111の上下方向位置に応じて段階的に変化する。
【0090】
一方、移動領域8の下部から上方に向かってポンプ圧送される冷却材から中性子反射体111が受ける流体力の大きさは、中性子反射体111が移動領域8の内部を上方に移動するにつれて段階的に小さくなる。したがって、移動領域8の下部から上方に向かってポンプ圧送する冷却材の流量を制御することにより、移動領域8の内部における中性子反射体111の上下方向位置を連続的に制御して、炉出力を連続的に制御することができる。
【0091】
具体的に説明すると、冷却材の流量を少なくすることにより、中性子反射体111を壁面6aと壁面7aとの間に位置させることができる。冷却材の流量を増やすことにより、中性子反射体111を壁面6bと壁面7bとの間に位置させることができる。冷却材の流量をさらに増やすことにより、中性子反射体111を壁面6cと壁面7cとの間に位置させることができる。
【0092】
また、中性子反射体111の両側面111a,111bの上端部に設けた突出部113に冷却材からの流体力が上向きに作用するので、中性子反射体111の姿勢を安定させることができる。また、移動領域8の下部から上方に向かって流れる冷却材の流れを、中性子反射体111の下端部に設けた案内面112によって、移動領域8の内壁面と中性子反射体111の前後一対の側面111a,111bとの間に案内することができるから、中性子反射体111の下端部の周辺に冷却材の乱流が発生することを防止して、中性子反射体111の姿勢をより一層安定させることができる。さらに、中性子反射体111の下端部に案内面112を設けたので、移動領域8の内壁面の段差部に中性子反射体111が引っかかることがない。
【0093】
実施形態
次に図27および図28を参照し、第実施形態の反射体制御原子炉について説明する。
【0094】
図27に示した本第実施形態の反射体制御原子炉120の構造は、図29に示した従来の反射体制御原子炉1の構造と異なっている。すなわち、原子炉容器121の下方が細くなっており、炉心3の周囲に環状に配設される中性子遮蔽体5が、原子炉容器121の外部に位置している。また、原子炉容器121の表面と中性子遮蔽体5との間には、中性子反射体122を磁力によって上下方向に変位させるための電磁石123が、中性子反射体122と半径方向に対向するように原子炉容器121の周囲に環状に配設されている。そして、この電磁石123は、ボールねじおよび電動モータを用いた電磁石駆動機構124と制御装置125とによって、上下方向に自在に昇降させることができるようになっている。さらに、中性子反射体122が上下動する移動領域8の下端は閉鎖され、電磁ポンプ9が循環させている冷却材の流れが移動領域8の内部に入り込まないようになっている。
【0095】
この様な構造を有する本第実施形態の反射体制御原子炉120によれば、電磁石駆動機構124を用いて電磁石123の上下方向位置を変化させることにより、電磁石123の磁力が捕捉している中性子反射体111を移動領域8の内部で上下動させることができる。このとき、移動領域8の内部には冷却材の流れが存在しないから、中性子反射体122を上下方向に振動させることなく移動領域8内で上下動させることができる。
【0096】
なお、原子炉容器121の内部で冷却材を循環させる電磁ポンプ9の作動停止に連動して、電磁石123に対する通電を制御装置125が遮断することにより、電磁ポンプ9の停止に合わせて中性子反射体122を移動領域8の内部で降下させることができる。
【0097】
これに対して、図28に示した変形例においては、移動領域8の下端に冷却材受入口8aが設けられており、電磁ポンプ9によって原子炉容器121内を循環している冷却材が移動領域8の内部に入り込み、中性子反射体111の上昇動作に寄与するようになっている。
【0098】
以上、本発明に係る反射体制御原子炉の各実施形態について詳しく説明したが、本発明は上述した実施形態によって限定されるものではなく、種々の変更が可能であることは言うまでもない。例えば、図16に示した第実施形態の中性子反射体51の側面に、図4に示した第1実施形態の中性子反射体21の突出部22を設けることができる。
【0099】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の反射体制御原子炉によれば、移動領域の内部で中性子反射体をスムーズに上下動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1実施形態の反射体制御原子炉に用いる中性子反射体の一つを示す斜視図。
【図2】 本発明に係る第1実施形態の反射体制御原子炉の要部を模式的に示す水平断面図。
【図3】 図2中に示したA−A破断線に沿った縦断面図。
【図4】 図1に示した中性子反射体の動作を模式的に示す要部縦断面図。
【図5】 図1に示した中性子反射体の変形例を示す要部拡大縦断面図。
【図6】 図1に示した中性子反射体の変形例を示す要部拡大縦断面図。
【図7】 図1に示した中性子反射体の変形例を示す要部拡大縦断面図。
【図8】 図1に示した中性子反射体の変形例を示す要部拡大斜視図。
【図9】 第1参考例の中性子反射体の動作を模式的に示す要部縦断面図。
【図10】 図1に示した中性子反射体の変形例の動作を模式的に示す要部縦断面図。
【図11】 第2参考例の中性子反射体の動作を模式的に示す要部縦断面図。
【図12】 第3参考例の中性子反射体の動作を模式的に示す要部縦断面図。
【図13】 第4参考例の反射体制御原子炉に用いる中性子反射体の一つを示す全体斜視図。
【図14】 本発明に係る第実施形態の反射体制御原子炉に用いる中性子反射体の動作を模式的に示す要部縦断面図。
【図15】 図14に示した中性子反射体の変形例の動作を模式的に示す要部縦断面図。
【図16】 本発明に係る第実施形態の反射体制御原子炉に用いる中性子反射体の動作を模式的に示す縦断面図。
【図17】 図16に示した中性子反射体の変形例の動作を模式的に示す要部縦断面図。
【図18】 本発明に係る第実施形態の反射体制御原子炉に用いる中性子反射体の動作を模式的に示す要部縦断面図。
【図19】 本発明に係る第実施形態の反射体制御原子炉に用いる中性子反射体の動作を模式的に示す要部縦断面図。
【図20】 図19に示した中性子反射体の変形例の動作を模式的に示す要部縦断面図。
【図21】 本発明に係る第実施形態の反射体制御原子炉に用いる中性子反射体の動作を模式的に示す要部縦断面図。
【図22】 第5参考例の反射体制御原子炉に用いる中性子反射体の動作を模式的に示す要部縦断面図。
【図23】 図22に示した中性子反射体の変形例の動作を模式的に示す要部縦断面図。
【図24】 第6参考例の反射体制御原子炉に用いる中性子反射体の動作を模式的に示す要部縦断面図。
【図25】 図24に示した中性子反射体の変形例の動作を模式的に示す要部縦断面図。
【図26】 第7参考例の反射体制御原子炉に用いる中性子反射体の動作を模式的に示す要部縦断面図。
【図27】 本発明に係る第実施形態の反射体制御原子炉に用いる中性子反射体の動作を模式的に示す要部縦断面図。
【図28】 図27に示した中性子反射体の変形例の動作を模式的に示す要部縦断面図。
【図29】 従来の反射体制御原子炉の構造を模式的に示す縦断面図。
【図30】 図29の要部を拡大して示す図。
【図31】 図30中に示したC−C破断線に沿った水平断面図。
【図32】 図31中に示した従来の中性子反射体の一つを示す全体斜視図。
【符号の説明】
1 従来の反射体制御原子炉
2 原子炉容器
3 炉心
4 中性子反射体
5 中性子遮蔽体
6 コアバレル
7 隔壁
8 移動領域
9 電磁ポンプ
10 下部プレナム
11 集合体領域
12 上部プレナム
13 駆動機構
20 第1実施形態の反射体制御原子炉
20A 第1参考例の反射体制御原子炉
20B 変形例の反射体制御原子炉
20C 第2参考例の反射体制御原子炉
20D 第3参考例の反射体制御原子炉
21 中性子反射体
22 突出部
23 流路
24 狭隘部
25 凹溝
26 案内面
30 第4参考例の反射体制御原子炉
31 中性子反射体
32 突出部
40 第実施形態の反射体制御原子炉
41 中性子反射体
42 中空部分
43 錘
50 第実施形態の反射体制御原子炉
51 中性子反射体
52 貫通流路
53,54 絞り部
55 可動部材
56 貫通流路
60 第実施形態の反射体制御原子炉
61 中性子反射体
62 案内車輪
70 第実施形態の反射体制御原子炉
71 中性子反射体
72 受入口
73 排出口
74 貫通流路
75 貫通流路
80 第実施形態の反射体制御原子炉
81 中性子反射体
82 貫通孔
83 案内軸
90 第5参考例の反射体制御原子炉
91 中性子反射体
92,93,94 各部分
95 案内軸
100 第6参考例の反射体制御原子炉
101 中性子反射体
102 突出部
103 中性子反射体
104 案内面
110 第7参考例の反射体制御原子炉
111 中性子反射体
112 案内面
113 突出部
120 第実施形態の反射体制御原子炉
121 原子炉容器
122 中性子反射体
123 電磁石
124 電磁石駆動機構
125 制御装置

Claims (9)

  1. 冷却材に浸されている炉心の周囲に配設した中性子反射体を移動領域の内部で上下動させることにより前記炉心からの中性子の漏洩量を調整して前記炉心の反応度を制御する反射体制御原子炉において、
    前記中性子反射体は、その側面の上部及び下部に周方向に突出する突出部を備えたことを特徴とする反射体制御原子炉。
  2. 前記突出部は、前記中性子反射体の側面に沿って水平方向に連続して延びることを特徴とする請求項1に記載の反射体制御原子炉。
  3. 前記中性子反射体は、その上端部にその他の部分よりも密度の低い部分を有することを特徴とする請求項1に記載の反射体制御原子炉。
  4. 前記中性子反射体は、その下端部にその他の部分よりも密度の高い部分を有することを特徴とする請求項1に記載の反射体制御原子炉。
  5. 前記中性子反射体は、前記冷却材が通過可能な上下方向に貫通して延びる貫通流路と、前記貫通流路内で上下動可能な可動部材とを有することを特徴とする請求項1に記載の反射体制御原子炉。
  6. 前記中性子反射体は、前記移動領域の内壁面上を転動して前記中性子反射体の上下動を案内する、前記中性子反射体に回転自在に支持された案内車輪を備えることを特徴とする請求項1に記載の反射体制御原子炉。
  7. 前記中性子反射体は、前記中性子反射体の下端部に開口して前記冷却材を受け入れる受入口と、前記中性子反射体の側面に開口して前記受入口から受け入れた前記冷却材を前記内壁面に向かって排出する排出口と、前記受入口と前記排出口との間で前記中性子反射体を貫通して延びる貫通流路とを備えることを特徴とする請求項1に記載の反射体制御原子炉。
  8. 前記中性子反射体を上下方向に貫通する貫通孔内に挿入されて前記中性子反射体の上下動を案内する案内軸を備えることを特徴とする請求項1に記載の反射体制御原子炉。
  9. 前記中性子反射体を磁力によって上下方向に変位させる、前記中性子反射体の周囲に配設された電磁石と、前記電磁石を駆動して上下方向に変位させる電磁石駆動機構と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の反射体制御原子炉。
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