JP4299559B2 - 船外機のアームの取付金具および同取付構造 - Google Patents

船外機のアームの取付金具および同取付構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、漁船、モーターボート、ヨットなどの主に小型船舶の船体の船尾(トランサム)に装着される船外機のブラケット部に、操舵用シリンダ装置本体のピストンロッドを支持するアームを取り付けるための取付金具および取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の船外機は、本体をブラケット部の略鉛直な操舵軸を中心に水平方向に旋回させることにより小型船舶を操舵するが、この操舵は運転席の操舵用ハンドルを回転することによりプッシュプルケーブルを介して機械的に行ったり、油圧シリンダを介して油圧力にて行ったりするのが一般的である。
【0003】
ピッシュプルケーブルで船外機本体を左右に旋回させる場合は、ブラケット部のチルト軸に沿ったガイドチューブの一側にプッシュプルケーブルのアウターケーブルを取り付け、インナーケーブルをガイドチューブの他側から取り出して船外機本体に接続する。また片持ち式の油圧シリンダ装置で船外機本体を左右に旋回させる場合にもブラケット部のガイドチューブの一側に油圧シリンダ装置の一端を取り付け、ピストンロッドの先端と船外機本体の操舵レバーとをリンクで接続する。ただし、これらはインナーケーブルによる押し引き力やリンクに作用するモーメントに制限があるため、比較的馬力の小さな船外機に適用される。
【0004】
一方、船外機の馬力が大きくなると、両端を一対のアーム間に支持したピストンロッドに沿ってシリンダ装置本体が左右に移動して船外機本体を操舵する、両端支持式の油圧シリンダ装置が用いられる。この場合はブラケット部のガイドチューブの両側に、油圧シリンダ装置のピストンロッドを支持する左右一対のアームがそれぞれ取り付けられる。
【0005】
こうした背景の下に各メーカーの船外機において、そのブラケット部のガイドチューブの一方(通常は右舷側)の外周面には7/8インチのネジ部(外ネジ)を設けるよう統一されているが、ガイドチューブの他方の外周面については7/8インチのネジ部、20mmのネジ部などと、メーカーごとにネジ部の外径が異なっている。したがって、ガイドチューブの一方への取り付けは、プッシュプルケーブルおよび片持ち式シリンダ装置の場合はそれらの一端にあらかじめ7/8インチのネジ部に適合した筒状ナットを備えているので円滑に行える。これに対して両側支持式のシリンダ装置の場合、片方のアームについては7/8インチのネジ部に適合した筒状ナットを備えた取付金具を用いてガイドチューブの一方に取り付けられるが、他方のアームのガイドチューブの反対側への取り付けには、メーカーごとに適合する取付金具をあらかじめ購入しておく必要があって非常に不便な上、取付金具の購入に日数がかかったり、取付金具が合わなかったりすることがあった。
【0006】
つまり、上記した両側支持式のシリンダ装置では、図8に示すように、シリンダ装置本体16を挿通するピストンロッド15を左右一対のアーム13の先端部間に設け、アーム13の基端部側を船体に固定したブラケット部11のチルト軸位置を貫通するガイドチューブ12の両側にそれぞれ上下方向に旋回可能に取り付け、船外機本体40の操舵用レバー41の先端をシリンダ装置本体16にリンク42を介して接続している(たとえば、特許文献1参照)。なお、図8に示すアームの取付構造では、アーム13の基端側の取付用穴(軸受穴)13aに嵌着され、ナット34で締め付けてアーム13を旋回自在に枢着する枢支部32を一体に備えた筒状ナット31を用いてそれぞれガイドチューブ12の端部のネジ部12a・12bに螺着することにより、アーム13を取り付けている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−331997号公報(段落番号0017〜0019、図1〜図3)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、ガイドチューブの一側にのみプッシュプルケーブルを連結したり、シリンダ装置の一端を固定したりする場合には、ガイドチューブの一側のネジ部の外径が統一されているために不都合がない。しかし、ガイドチューブの両側にアームをそれぞれ取り付ける場合は、他方のガイドチューブにおけるネジ部の外径が船外機のメーカーによって異なるため、メーカーが決まってから専用の取付金具を発注しなければならず、取付金具の購入に日数がかかったり、購入する取付金具に間違いが生じたりしていた。
【0009】
本出願の発明者らは、上記したガイドチューブ12の一側部のネジ部の外径はメーカーによって異なっているが、ガイドチューブ12の内径はいずれのメーカーでも全長にわたり16mmと共通していることを知見し、本発明をなすに至った。すなわち、本発明は上述の点に鑑みなされたもので、ガイドチューブの内周面を利用してアームを取り付けるようにすることで、全てのメーカーの船外機に対し取り付け可能なアームの取付金具およびアームの取付構造を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の船外機のアームの取付金具は、船体の船尾に対しブラケット部を介して装着され、操舵軸を中心に水平方向に旋回可能で、前記ブラケット部のチルト軸を中心に上下方向に傾倒可能な船外機、前記ブラケット部の前記チルト軸位置に沿って貫通して設けられるガイドチューブと、このガイドチューブに平行に配置され操舵用シリンダ装置本体を左右方向に摺動自在に備えたピストンロッドと、前記ガイドチューブの両端部に(アームの)基端部を前記ピストンロッドの両端部に(アームの)先端部をそれぞれ跨って前記ガイドチューブと前記ピストンロッドとを相互に平行に取り付けるための左右一対のアームとを備え、前記ガイドチューブの少なくとも一端に前記アームの基端部を取り付けるための取付金具であって、
前記ガイドチューブ内にその一端開口より一端部側を緩挿可能で、かつ前記アームの基端部を貫通する取付用穴に固定可能な固定具を他端部に備え、前記一端部側に半径方向に機械的に拡縮する複数の摺接部材を周方向に間隔をあけて設けるとともに、複数の摺接部材を拡縮するための操作部を他端部側に設けたことを特徴とする。
【0011】
上記構成を有する本発明の取付金具によれば、いずれの船外機メーカーでもそのブラケット部のガイドチューブ内に挿入でき、挿入した状態で複数の摺接部材をガイドチューブから突出している他端部側の操作部を操作し、複数の摺接部材を拡径させることによってガイドチューブの内周壁に圧接させて固定する。また同取付金具の他端部を前記アームの取付用穴に緩挿して固定具にて固定する。したがって、従来のように船外機メーカーごとにガイドチューブの一端のネジ径を調べて、専用の取付金具を発注する必要がなくなり、簡単にかつ確実にアームの取り付けができ、船外機に操舵装置を効率よく装着できる。
【0012】
請求項2にかかる船外機のアームの取付金具は、船体の船尾に対しブラケット部を介して装着され、操舵軸を中心に水平方向に旋回可能で、前記ブラケット部のチルト軸を中心に上下方向に傾倒可能な船外機、前記ブラケット部の前記チルト軸位置に沿って貫通して設けられるガイドチューブと、このガイドチューブに平行に配置され操舵用シリンダ装置本体を左右方向に摺動自在に備えたピストンロッドと、前記ガイドチューブの両端部に(アームの)基端部を前記ピストンロッドの両端部に(アームの)先端部をそれぞれ跨って前記ガイドチューブと前記ピストンロッドとを相互に平行に取り付けるための左右一対のアームとを備え、前記ガイドチューブの少なくとも一端に前記アームの基端部を取り付けるための取付金具であって、
前記ガイドチューブ内にその一端開口より緩挿可能で、かつ前記アームの基端部を貫通する取付用穴に緩挿可能な円筒状の支持パイプと、この支持パイプ内に摺動自在に嵌挿され、同支持パイプの少なくとも一端から雄ネジ部を突出する中心棒体とを備え、前記支持パイプの前記ガイドチューブ内に緩挿される位置に複数の各球体収容穴を円周方向に間隔をあけて穿設し、各球体収容穴に球体の一部を半径方向に出入り自在に収容するとともに、前記中心棒体の前記球体対応位置に前記雄ネジ部と反対側端部方向に漸次拡径するテーパー部を設け、前記支持パイプを前記ガイドチューブ内に緩挿するとともに前記支持パイプの一端部を前記アームの取付用穴に緩挿して雄ネジ部の突出端部にナットを螺合し前記支持パイプの開口端に係止した状態で前記ナットを締め付けることにより、前記各球体をその収容穴より半径方向外方へ突出させ、前記ガイドチューブ内周壁に球体を圧接して固定するようにしたことを特徴としている。
【0013】
上記の構成を有する本発明のアームの取付金具によってアームをガイドチューブの一端部に取り付けるには、図2に示すように、取付金具の先端側の雄ネジ部からナットを取り外し、アームの基端の取付用穴に取付金具の雄ネジ部および支持パイプの先端部分を挿通する。そして、アームの先端側の取付穴をピストンロッドの一端側の雄ネジ部に嵌め込み、固定用ナットを螺合し締め付けることによりピストンロッドの一端にアームの先端側を固定する。同時に、取付金具の基端側をガイドチューブの一端開口より緩挿する。また、取付金具の雄ネジ部をアーム基端の取付用穴に嵌挿し、ナットを雄ネジ部に螺合しておく。この状態で、雄ネジ部に螺合したナットを締め付けていくと、図3に示すように中心棒体は支持パイプに対し先端方向へ移動し、基端側の球体収容穴内の球体は、それぞれテーパー部によって半径方向外方へ押し出され、ガイドチューブの内周壁に圧接される。このようにして、取付金具はその基端側がガイドチューブに内接されて固定されるから、ここでナットをさらに締め付ければ、アームの基端側が取付金具およびガイドチューブに対して固定される。
【0014】
本発明の取付金具によれば、いずれの船外機メーカーでもそのブラケット部のガイドチューブ内に挿入でき、挿入した状態で先端雄ネジ部に螺合されているナットを締め付ければ、支持パイプに対して内装されている中心棒体が先端方向に移動し、球体収容穴内の球体をテーパー部が外方へ押し出すので、複数の球体がガイドチューブに内接され、固定される。これにより、アームの基端側をブラケット部のガイドチューブの一端に取り付けることができる。したがって、従来のように船外機メーカーごとにガイドチューブの一端のネジ径を調べて、専用の取付金具を発注する必要がなくなり、簡単にかつ確実にアームの取り付けができ、船外機に操舵装置を効率よく装着できる。
【0015】
請求項3に記載の船外機のアームの取付構造は、船体の船尾に対しブラケット部を介して装着され、操舵軸を中心に水平方向に旋回可能で、前記ブラケット部のチルト軸を中心に上下方向に傾倒可能な船外機、前記ブラケット部の前記チルト軸位置に沿って貫通して設けられるガイドチューブと、このガイドチューブに平行に配置され操舵用シリンダ装置本体を左右方向に摺動自在に備えたピストンロッドと、前記ガイドチューブの両端部に(アームの)基端部を前記ピストンロッドの両端部に(アームの)先端部をそれぞれ跨って前記ガイドチューブと前記ピストンロッドとを相互に平行に取り付けるための左右一対のアームとを備え、前記ガイドチューブの少なくとも一端に前記アームの基端部を取り付けるための取付構造であって、
前記ガイドチューブ内にその一端開口より緩挿可能で、かつ前記アームの基端部を貫通して旋回可能に枢着された円筒状の支持パイプと、この支持パイプ内に摺動自在に嵌挿され、同支持パイプの少なくとも一端から雄ネジ部を突出する中心棒体とを備え、前記支持パイプの前記ガイドチューブ内に緩挿される位置に複数の各球体収容穴を円周方向に間隔をあけて穿設し、各球体収容穴に球体の一部を半径方向に出入り自在に収容するとともに、前記中心棒体の前記球体対応位置に前記雄ネジ部と反対側端部方向に拡径するテーパー部を設け、前記支持パイプを前記ガイドチューブ内に緩挿するとともに前記支持パイプの一端部を前記アームの基端部に固着し、前記雄ネジ部の突出端部にナットを螺合し前記支持パイプの開口端に係止した状態で前記ナットを締め付けることにより、前記各球体をその収容穴より半径方向外方へ突出させ、前記ガイドチューブ内周壁に球体を圧接して固定するようにしたことを特徴としている。
【0016】
請求項3にかかるアームの取付構造は、アームの基端側にあらかじめ上記した請求項1の取付金具が固定されているので、アームに対する取付作業が不要であるという点では相違するが、ガイドチューブの一端に対する取付態様および作用は共通する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる船外機のアームの取付金具および同取付構造について実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1(a)は取付金具の第1実施形態を示す正面図、図1(b)は同中央断面図、図1(c)は図1(b)のc−c断面図である。図2は一方のアームの取付手順を示す平面図、図3は取付金具によるアームの取付構造を示す断面図、図4は左右一対のアームを船外機のガイドチューブの両端に取り付けた状態を示す平面図である。
【0019】
図4に示すように、本実施形態では、船外機40のブラケット部11のチルト軸位置にガイドチューブ12が貫通して設けられ、そのガイドチューブ12の一側部には定格(7/8インチ)のネジ部12aに適合する筒状ナット31をもつ既知の取付金具30を用いてアーム13の基端部が取り付けられている。ガイドチューブ12の他側部(左舷側)は本発明の取付金具1を用いて他方のアーム13の基端部が取り付けられている。ガイドチューブ12の他側部の外周面12bには、保護キャップ(図示せず)を取り付けている。
【0020】
左右一対のアーム13・13の先端部間に、油圧シリンダ装置本体16を摺動自在に支持するピストンロッド15の両端ネジ部15aが取り付けられ、平座金37を介してナット36で締め付けて固定されている。シリンダ装置本体16はピストンロッド15内のピストン部(図示せず)を挟んで左右に摺動自在に装着され、その両側の油圧プラグ19の一方から圧油が供給され、シリンダ装置本体16内の圧油が他方の油圧プラグ20から排出されることにより、シリンダ装置本体16は圧油の排出側へ移動する。
【0021】
一対のアーム13の基端部側は先端側に比べ間隔が狭くなっており、各アーム13・13の2カ所に取付用穴13aが貫通して穿設されている。これらの取付用穴13a内には、円筒状支持具13cが軸受13dを介して旋回自在に内装されている。
【0022】
取付金具1は図2に示すように、円筒状支持パイプ2とこの支持パイプ2内に緩挿された中心棒体3とからなり、本例ではどちらもステンレス鋼で製作されている。支持パイプ2は、基端側がガイドチューブ12の内径d(16mm)より僅かに小さい外径(たとえば15.9mm)からなり、ガイドチューブ12内に緩挿可能であり、先端部分は外径が基端側に比べて僅かに大きく(たとえば16mm)でアーム13の先端軸受穴(取付用穴)13a内の、軸受13dを介して回転自在に支持された円筒状支持具13cに嵌挿可能である。中心棒体3は支持パイプ2より長さが長く、支持パイプ2内に緩挿した状態で支持パイプ2の両端から一部がそれぞれ突出する。中心棒体3の先端部は雄ネジ3aに形成され、この雄ネジ3aは本体3bよりやや小径で、支持パイプ2の先端部2a内は雄ネジ3aに対応してやや内径を縮径している。また、支持パイプ2の先端寄りに平座金のストッパー21を挿通し、先端からアーム13の基端側幅寸法をあけて止めリング22によりストッパー21の基端側への移動を阻止している。さらに、ストッパー21よりやや基端側にゴム製のOリング23を装着している。中心棒体3の基端には、抜止めリング3cを環状溝3dに嵌着している。
【0023】
図3のように、支持パイプ2のガイドチューブ12内に緩挿される部分に本例では長手方向に間隔をあけた2カ所に、4つの球体収容穴2bが円周方向に等間隔にそれぞれ穿設されている。各球体収容穴2bは外向きに穴径が漸次縮径したテーパー穴で、装填された球体4(摺接部材)が抜け落ちないようにしている。なお、後述するが、各球体収容穴2bをストレート穴にし、支持パイプ2の外周面に薄い樹脂テープ24を貼着して球体4の抜け落ちを防止してもよい(図5参照)。
【0024】
中心棒体3の各球体収容穴2bに対応する位置には、それぞれ環状溝3eを設けるとともに、環状溝3eに連続して基端側へ漸次拡径するテーパー部3fをそれぞれ形成している。中心棒体3の雄ネジ部3aには、平座金5、六角ナット6およびUナット7がこの順に取り付けられる。雄ネジ部3a、平座金5、六角ナット6およびUナット7が固定具および操作部材に相当する。
【0025】
次に、上記の構成からなる本例の取付金具1を用いて左舷側アーム13を取り付ける態様を図2〜図4に基づいて説明する。
【0026】
取付金具30は上記のとおり公知の構造で、図4に示すようにガイドチューブ12の右舷側端部のネジ部12aに螺合する筒状ナット31の一端に対し、アーム13基端の軸受穴13a(の円筒状支持具)に嵌挿可能に縮径した枢支軸32を一体に備えており、この枢支軸32の先端に雄ネジ部33を一体に連結し、この雄ネジ部33をアーム13の基端側軸受穴13aに嵌挿して雄ネジ部33に螺合するUナット34によりアーム13の側壁に平座金35を当接させて締め付け、アーム13を上下方向に旋回可能に取り付けている。また、アーム13の先端部には、取付穴13bにピストンロッド15の雄ネジ部15aを挿通し、平座金37を介してナット36を螺合し締め付けることによりピストンロッド15の一端を固定している。
【0027】
この状態で、図3に示すように、取付金具1の雄ネジ部3aの平座金5、六角ナット6およびUナット7を取り外し、左舷側のアーム13の基端の軸受穴(取付用穴)13a(の円筒状支持具13c)に取付金具1の雄ネジ部3aを挿通してアーム13の側壁にストッパー21を当接するとともに、アーム13の先端側の取付穴13bをピストンロッド15の左舷側の雄ネジ部15aに嵌め込む。そして、平座金37を介してナット36を螺合し締め付けることによりピストンロッド15の左舷側にアーム13の先端側を固定する。
【0028】
このとき、取付金具1の基端側をガイドチューブ12内に緩挿する。また、取付金具1の雄ネジ部3aをアーム13基端の軸受穴13aに嵌挿し、平座金5を介して六角ナット6およびUナット7をこの順に螺合し、Uナット7は緩めた状態にしておく。
【0029】
この状態で、雄ネジ部3aに螺合している六角ナット6を締め付けていくことにより、中心棒体3は支持パイプ2に対し先端方向へ移動し、基端側の2カ所に位置する球体収容穴2b内の4個の球体4は、それぞれテーパー部3fによって半径方向外方へ押し出され、ガイドチューブ12の内周壁に圧接される。
【0030】
この結果、取付金具1は基端側がガイドチューブ12に内接されて固定されるから、ここでUナット7を締め付ければ、アーム13の基端側が取付金具1およびガイドチューブ12に対して固定される。
【0031】
そこで、船外機40の操舵レバー41の先端をシリンダ装置本体16の一端側に、リンク42を介して接続する。さらに、油圧ホース(図示せず)を油圧プラグ19・20に接続する。
【0032】
以上のようにして船外機の取付作業が完了するので、たとえば船外機のエンジンを始動し、シリンダ装置本体16の一方へ圧油を供給すると、シリンダ装置本体16がピストンロッド15に沿って移動し、リンク42を介して船外機本体40が旋回して操舵される。また、エンジンの停止した後、船外機本体40をチルトアップすれば、左右のアーム13の先端側がガイドチューブ12の位置のチルト軸を中心に船体内の下方へ降下する。
【0033】
図5〜図7は本発明にかかる取付金具の他の実施形態を示すものである。本実施形態の取付金具1は、次の点が上記実施形態の取付金具1と相違する。すなわち、図5に示すように、球体収容穴2bをストレート穴とし、その周囲に球体4が脱落しないように薄い樹脂(ポリエステルなど)テープ24を貼着した。これらのテープ24の部位は、ガイドチューブ12内に挿入されるようにするための目印の役目をもたせるために金属色などに着色している。また、ストレート穴2bにして、加工を容易にしている。さらに、ガイドチューブ12の開口と支持パイプ2の隙間から海水等が浸入するのを防止するOリング23(図1)を省いて構造を簡単にしている。さらにまた、中心軸体3の先端部外周面に段差を設けずに雄ネジ部3aを形成し、支持パイプ2の先端側内周面に内径を縮小した段差部を設けず、支持パイプ2の内径を全長にわたり同一にしている。その他の構成および本実施形態の取付金具1’を用いたアーム13の取り付け作業は上記実施形態と共通するので、説明を省略し、共通の部材には同一の符号を用いて図面に示す。
【0034】
以上に本発明の取付金具について2つの実施形態を示したが、下記のように実施することができる。
【0035】
a) 図示は省略するが、アーム13基端の軸受穴13aに六角ナット6で締め付けて取付金具1・1’を固定するのに代えて、アーム13基端の軸受穴13aにあらかじめ取付金具1の先端部を圧入してアーム13と一体にし、アーム13をピストンロッド15の一端に取り付けて固定する際に、支持パイプ2の基端側をガイドチューブ12内に挿入し、上記と同様の手順でガイドチューブ12に取り付けるようにしてもよい。
【0036】
b) 上記実施形態では、一方のアーム13だけを本発明の取付金具1・1’を用いてガイドチューブ12の一側に取り付ける場合を示したが、左右両方のアーム13をそれぞれ本発明の取付金具1・1’を用いてガイドチューブ12の両側に取り付けられることは言うまでもない。
【0037】
c) 支持パイプ2の基端側の一カ所に設ける球体4および収容穴2bの数は三つでもよく、また球体収容穴2bを設ける位置は二カ所以上が望ましいが、一カ所でも実施可能である。
【0038】
d) 図示は省略するが、球体4に代えて摺接部材を拡径方向にスプリング等で付勢し、この付勢力に抗して操作部材により縮径させてガイドチューブ12内に挿入し、スプリング等で拡径させて内接して固定することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明にかかる船外機のアームの取付金具および取付構造には、次のような優れた効果がある。
【0040】
1)ガイドチューブの内径は全メーカーに共通であることを利用して内周面に圧接される構造の金具を用いてアームを取り付けるようにしたので、全てのメーカーの船外機に対するアームの取り付けが容易かつ確実になる。
【0041】
2)ユーザーが船外機のメーカーや種類を決定してから取付金具を発注していた従来の場合に比べて、アームの取り付けに要する期間が大幅に短縮される。
【0042】
3)操舵装置のメ−カーにとって取付金具を複数種類準備するなどの管理が不要で、取付金具を間違って購入するなどの不手際が解消され、アーム等の取付作業等が効率よく行え、コストダウンが図られる。
【0043】
4)取付金具の構造および取付構造が比較的簡単で、先端部のナットを締め付けるだけでガイドチューブへの取付およびアームの取付を同時に行えるので、作業性がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は取付金具の第1実施形態を示す正面図、図1(b)は同中央断面図、図1(c)は図1(b)のc−c断面図である。
【図2】図1の取付金具を用いた一方のアームの取付手順を示す平面図である。
【図3】図1の取付金具によるアームの取付構造を示す断面図である。
【図4】左右一対のアームを船外機のガイドチューブの両端に取り付けた状態を示す平面図である。
【図5】図5(a)は取付金具の第2実施形態を示す正面図、図1(b)は同中央断面図、図1(c)は図1(b)のc−c断面図である。
【図6】図5の取付金具を用いた一方のアームの取付手順を示す平面図である。
【図7】図5の取付金具によるアームの取付構造を示す断面図である。
【図8】従来の一般的な左右一対のアームを船外機のガイドチューブの両端に取り付けた状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1・1’取付金具
2 支持パイプ
2b球体収容穴
3 中心棒体
3a雄ネジ
3b本体
3e環状溝
3fテーパー部
4 球体
5 平座金
6 六角ナット
7 Uナット
12 ガイドチューブ
12a、12bネジ部
13 アーム
13a取付用穴
13c円筒状支持具
15 ピストンロッド
15aネジ部
16 油圧シリンダ装置本体
24 樹脂テープ

Claims (3)

  1. 船体の船尾に対しブラケット部を介して装着され、操舵軸を中心に水平方向に旋回可能で、前記ブラケット部のチルト軸を中心に上下方向に傾倒可能な船外機、前記ブラケット部の前記チルト軸位置に沿って貫通して設けられるガイドチューブと、このガイドチューブに平行に配置され操舵用シリンダ装置本体を左右方向に摺動自在に備えたピストンロッドと、前記ガイドチューブの両端部に基端部を前記ピストンロッドの両端部に先端部をそれぞれ跨って前記ガイドチューブと前記ピストンロッドとを相互に平行に取り付けるための左右一対のアームとを備え、前記ガイドチューブの少なくとも一端に前記アームの基端部を取り付けるための取付金具であって、
    前記ガイドチューブ内にその一端開口より一端部側を緩挿可能で、かつ前記アームの基端部を貫通する取付用穴に固定可能な固定具を他端部に備え、前記一端部側に半径方向に機械的に拡縮する複数の摺接部材を周方向に間隔をあけて設けるとともに、複数の摺接部材を拡縮するための操作部を他端部側に設けたこと
    を特徴とする船外機のアームの取付金具。
  2. 船体の船尾に対しブラケット部を介して装着され、操舵軸を中心に水平方向に旋回可能で、前記ブラケット部のチルト軸を中心に上下方向に傾倒可能な船外機、前記ブラケット部の前記チルト軸位置に沿って貫通して設けられるガイドチューブと、このガイドチューブと平行に配置され操舵用シリンダ装置本体を左右方向に摺動自在に備えたピストンロッドと、前記ガイドチューブの両端部に基端部を前記ピストンロッドの両端部に先端部をそれぞれ跨って前記ガイドチューブと前記ピストンロッドとを相互に平行に取り付けるための左右一対のアームとを備え、前記ガイドチューブの少なくとも一端に前記アームの基端部を取り付けるための取付金具であって、
    前記ガイドチューブ内にその一端開口より緩挿可能で、かつ前記アームの基端部を貫通する取付用穴に緩挿可能な円筒状の支持パイプと、この支持パイプ内に摺動自在に嵌挿され、同支持パイプの少なくとも一端から雄ネジ部を突出する中心棒体とを備え、
    前記支持パイプの前記ガイドチューブ内に緩挿される位置に複数の各球体収容穴を円周方向に間隔をあけて穿設し、各球体収容穴に球体の一部を半径方向に出入り自在に収容するとともに、前記中心棒体の前記球体対応位置に前記雄ネジ部と反対側端部方向に漸次拡径するテーパー部を設け、
    前記支持パイプを前記ガイドチューブ内に緩挿するとともに前記支持パイプの一端部を前記アームの取付用穴に緩挿して雄ネジ部の突出端部にナットを螺合し前記支持パイプの開口端に係止した状態で前記ナットを締め付けることにより、前記各球体をその収容穴より半径方向外方へ突出させ、前記ガイドチューブ内周壁に球体を圧接して固定するようにしたこと
    を特徴とする船外機のアームの取付金具。
  3. 船体の船尾に対しブラケット部を介して装着され、操舵軸を中心に水平方向に旋回可能で、前記ブラケット部のチルト軸を中心に上下方向に傾倒可能な船外機、前記ブラケット部の前記チルト軸位置に沿って貫通して設けられるガイドチューブと、操舵用シリンダ装置本体を左右方向に摺動自在に備えたピストンロッドと、前記ガイドチューブの両端部に基端部を前記ピストンロッドの両端部に先端部をそれぞれ跨って前記ガイドチューブと前記ピストンロッドとを相互に平行に取り付けるための左右一対のアームとを備え、前記ガイドチューブの少なくとも一端に前記アームの基端部を取り付けるための取付構造であって、
    前記ガイドチューブ内にその一端開口より緩挿可能で、かつ前記アームの基端部を貫通して旋回可能に枢着された円筒状の支持パイプと、この支持パイプ内に摺動自在に嵌挿され、同支持パイプの少なくとも一端から雄ネジ部を突出する中心棒体とを備え、
    前記支持パイプの前記ガイドチューブ内に緩挿される位置に複数の各球体収容穴を円周方向に間隔をあけて穿設し、各球体収容穴に球体の一部を半径方向に出入り自在に収容するとともに、前記中心棒体の前記球体対応位置に前記雄ネジ部と反対側端部方向に拡径するテーパー部を設け、
    前記支持パイプを前記ガイドチューブ内に緩挿するとともに前記支持パイプの一端部を前記アームの基端部に固着し、前記雄ネジ部の突出端部にナットを螺合し前記支持パイプの開口端に係止した状態で前記ナットを締め付けることにより、前記各球体をその収容穴より半径方向外方へ突出させ、前記ガイドチューブ内周壁に球体を圧接して固定するようにしたこと
    を特徴とする船外機のアームの取付構造。
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