JP4299518B2 - インクジェットプリンタのインク補充機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットヘッドに供給するインクを収容した中間パックにインクを繰り返し長時間に亙って補充し続けるのに用いられる、インクジェットプリンタのインク補充機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5に示したような、インクジェットヘッド10をプラテン20上に搭載されたメディア(記録媒体)30上方をメディア30に対して横方向(図の表裏面方向)や縦方向(図の左右方向)に相対的に移動させたり、インクジェットヘッド下面に並ぶノズル12からインク滴をメディア30表面に向けて噴射させたりして、メディア30表面に複数のインクのドットの配列からなる絵図又は文字をプリントするインクジェットプリンタが周知である。
【0003】
このインクジェットプリンタは、各種の捺染模様を、版下を用いずに、布地表面に手軽にプリントできるため、布地捺染用のプリンタに多用されている。
この捺染用のプリンタに、上記インクジェットプリンタが用いられる場合には、該プリンタを用いて、布地の捺染作業が、昼夜を問わずに、継続して長時間に亙って行い続けられる。
その際には、そのインクジェットプリンタのインクジェットヘッド10に、インクが長時間に亙って継続して供給し続けられる。インクジェットヘッド10には、通常、図5に示されたように、プリンタ本体40又はその近くのカートリッジ台56に交換可能に備えられたカートリッジ50のパック52に収容されたインクが、供給チューブ54内等を通して、供給し続けられる。
そのために、そのカートリッジ50の交換が困難な夜間などには、インクジェットヘッド10に供給されるカートリッジのパック52のインクがなくなってしまい、インクジェットプリンタを用いた布地の捺染作業が、中断してしまう事態が発生する恐れが、多分にある。
特に、近時のインクジェットプリンタでは、プリントの高速化が進んで、その単位時間当りのインク消費量が、増大化しつつある。そのために、そのようなインク不足により、捺染作業が中断してしまう事態が多発する恐れがある。
【0004】
このような課題を解消するための手段として、従来より、上記カートリッジのパック52を大型化して、そのパック52に収容されたインク量を増やす方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法では、その大型化されたパック52に収容されたインクが満杯の際と、その大型化されたパック52に収容されたインクが零又は零近くまで減少した際との間で、そのパック52に収容されたインクレベルに大きな開きが生じてしまう。そして、そのパック52に満杯に収容されたインクと、インクジェットヘッドのノズル12内のインクとの水頭値(インクレベル)の差Hが、所望値の−20〜50mmよりも、小さくなり過ぎたり、逆に、そのパック52に収容された零又は零近くまで減少したインクと、インクジェットヘッドのノズル12内のインクとの水頭値の差Hが、所望値の−20〜50mmよりも、大きくなり過ぎたりしてしまう。そして、その大型化されたパック52からインクジェットヘッド10に供給されるインクに過大又は過小の負圧又は正圧が加わってしまう。そして、そのインクジェットヘッドのノズル12からインク滴をピエゾ方式等により適量ずつ安定して的確に噴射できなくなってしまう。
【0006】
また、インク消費量の少ないインクジェットプリンタのユーザにとっては、上記のように、大型化されたパック52が収納された大型のカートリッジ50は、不要であって、そのようなユーザにとっては、パック52と共にカートリッジ50が大型化されると、そのカートリッジ50のコストが嵩んでしまう。
【0007】
そこで、本発明者は、鋭意研究の結果、このような課題を解消するには、カートリッジ50と交換可能なサブカートリッジを備えて、そのサブカートリッジに収納された小型の中間パックに、補充カートリッジに収納された大型の補充パックからインクを補充し続ければ良いことに、想到した。
即ち、そのようにすれば、インクジェットヘッド10にインクを長時間に亙って継続して供給し続ける小型の中間パックのインクレベルが一定値以下に低下する度毎に、補充カートリッジの大型の補充パックからインクを繰り返し補充できることに、想到した。それと共に、その中間パックのインクレベルを常に開きの小さい一定の小範囲内に継続して保持し続けることができることに、想到した。そして、インクジェットヘッドのノズル12内のインクと、該ノズルにインクを供給する中間パックのインクとの水頭値の差Hを、所望値の−20〜50mm以内に常に的確に保ち続けることができることに、想到した。そして、その中間パックからインクジェットヘッド10にインクを過大又は過小の負圧又は正圧を加えずに長時間に亙って継続して安定して供給し続けることが可能となることに、想到した。
また、インク消費量の少ないユーザは、カートリッジ50をサブカートリッジに交換せずに、通常のカートリッジ50をそのまま用いて、そのカートリッジの通常の大きさのパック52から該パックに収容されたインクを、通常通り、インクジェットヘッド10に供給できることに、想到した。
そして、カートリッジ50と交換可能なサブカートリッジを備えて、そのサブカートリッジに収納された小型の中間パックに、補充カートリッジに収納された大型の補充パックからインクを繰り返し補充し続ける構造の、インクジェットプリンタのインク補充機構を開発した。
【0008】
即ち、本発明は、カートリッジと交換可能なサブカートリッジを備えて、そのサブカートリッジに収納された小型の中間パックに、補充カートリッジに収納された大型の補充パックからインクを繰り返し補充し続ける構造の、インクジェットプリンタのインク補充機構(以下、インク補充機構という)を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明のインク補充機構は、インクジェットヘッドに供給するインクが収容されたパックが収納されたカートリッジが交換可能に備えられたインクジェットプリンタにおいて、
前記カートリッジと交換可能なサブカートリッジが備えられて、そのサブカートリッジに、前記インクジェットヘッドに供給するインクが収容された中間パックが収納されると共に、その中間パックのインクレベルを検知するレベルセンサが備えられ、さらに、前記中間パックに補充するインクが収容された補充パックが収納された補充カートリッジが交換可能に備えられて、前記中間パックのインクレベルが一定値以下に低下したことを前記レベルセンサが検知した際に、前記補充カートリッジの補充パックから該パックに収容されたインクを中間パックに該パックのインクレベルが一定値に達するまで補充するインク補充手段が備えられたことを特徴としている。
【0010】
このインク補充機構においては、インクジェットプリンタを用いて、布地等のメディア表面に捺染模様等を、長時間に亙って継続してプリントする場合に、
カートリッジを、中間パックが収容されたサブカートリッジに交換できる。そして、そのサブカートリッジの中間パックに収容されたインクを、インクジェットヘッドに供給し続けることができる。
次いで、その中間パックのインクレベルが一定値以下に低下して、それをレベルセンサが検知した際には、インク補充手段により、補充カートリッジの補充パックから該パックに収容されたインクを、中間パックに該パックのインクレベルが一定値に達するまで補充できる。
以下、中間パックのインクレベルが一定レベル値以下に低減する度毎に、同じステップを、補充パックのインクレベルが零又はその近くに低下するまで、繰り返し行うことができる。そして、その補充パックからインクが繰り返し補充される中間パックからインクジェットヘッドにインクを長時間に亙って安定して継続して供給し続けることができる。
その際には、補充パックを大型化して、その補充パックから該パックに収容された充分な量のインクを、中間パックに長時間に亙って安定して繰り返し補充し続けることができる。
また、その際には、中間パックを小型化する等して、その中間パックのインクレベルを、一定の狭い範囲内に常に確実に安定して保持し続けることができる。そして、その中間パックのインクとインクジェットヘッドのノズル内のインクとの水頭値の差Hを、所望の狭い一定の範囲内に安定して保持し続けることができる。そして、そのインクジェットヘッドのノズルからインク滴を常に過不足なく安定して的確に噴射させ続けることができる。
また、補充パックのインクレベルが零又はその近くまで低下した際には、その補充パックが収納された補充カートリッジを、他の新しい補充カートリッジに交換できる。そして、その新しい補充カートリッジの補充パックから該パックに収容されたインクを、上記と同様にして、その新しいカートリッジの補充パックのインクレベルが零又はその近くに低下するまで、中間パックに長時間に亙って安定して繰り返し補充し続けることができる。
【0011】
また、このインク補充機構においては、インクジェットプリンタを用いて、メディア表面に絵図又は文字等を通常の比較的短時間の範囲内でプリントする場合に、
カートリッジをサブカートリッジに交換せずに、そのカートリッジのパックに収容されたインクを、インクジェットヘッドに供給し続けることができる。そして、通常通り、そのカートリッジの通常の大きさのパックに収容された通常量のインクを用いて、メディア表面に絵図又は文字等を通常の比較的短時間の範囲内で継続してプリントできる。
【0012】
本発明のインク補充機構においては、前記インク補充手段が、前記中間パックのインクレベルが一定値以下に低下したことを前記レベルセンサが検知した際に、前記補充カートリッジをサブカートリッジに対して所定高さに持ち上げて、その補充カートリッジの補充パックから該パックに収容されたインクをサブカートリッジの中間パックに該パックのインクレベルが補充パックのインクレベルとほぼ同一レベルに達するまで両パックのインクレベル差を利用して補充する構造のものであることを好適としている。
【0013】
このインク補充機構にあっては、サブカートリッジに収納された中間パックのインクレベルが一定値以下に低下したことをレベルセンサが検知した際に、インク補充手段により、補充カートリッジをサブカートリッジに対して所定高さに持ち上げることができる。そして、その補充カートリッジの補充パックから該パックに収容されたインクをサブカートリッジの中間パックに該パックのインクレベルが補充パックのインクレベルとほぼ同一レベルに達するまで、両パックのインクレベル差を利用して、補充できる。
その結果、インク補充手段により補充カートリッジをサブカートリッジに対して持ち上げる高さを調整することにより、その補充カートリッジの補充パックからインクをサブカートリッジの中間パックに該パックのインクレベルが一定値となるまで補充できる。
【0014】
また、前記インク補充手段が補充カートリッジをサブカートリッジに対して所定高さに持ち上げる構造の本発明のインク補充機構においては、そのインク補充手段により持ち上げる補充カートリッジの持ち上げ高さ位置を計測して、その計測された補充カートリッジの持ち上げ高さ位置から、その補充カートリッジに収納された補充パックのインクレベルを検出する検出手段が備えられた構造とすることを好適としている。
【0015】
このインク補充機構にあっては、インク補充手段により持ち上げる補充カートリッジの持ち上げ高さ位置を、検出手段により、計測できる。そして、その計測された補充カートリッジの持ち上げ高さ位置から、その補充カートリッジに収納された補充パックのインクレベルを、検出手段により、検出できる。
【0016】
本発明のインク補充機構においては、前記補充パックが収納された2個以上の補充カートリッジが交換可能に備えられて、そのいずれか1つの補充カートリッジの補充パックからインクを前記インク補充手段により前記中間パックに補充し続けて、その1つの補充カートリッジの補充パックのインクレベルが零又はその近くになった際に、次の1つの補充カートリッジの補充パックからインクを前記インク補充手段により前記中間パックに補充し続けるステップを、その交換可能に備えられた2個以上の各補充カートリッジにつき順に繰り返し行うシーケンス制御手段が備えられた構造とすることを好適としている。
【0017】
このインク補充機構にあっては、その交換可能に備えられた2個以上の補充カートリッジのうちの、いずれか1つの補充カートリッジの補充パックからインクをインク補充手段により中間パックに補充し続けて、その1つの補充カートリッジの補充パックのインクレベルが零又はその近くになった際に、シーケンス制御手段により、次の1つの補充カートリッジの補充パックからインクをインク補充手段により中間パックに継続して補充し続けることができる。そして、そのようなステップを、その交換可能に備えられた2個以上の各補充カートリッジにつき、シーケンス制御手段及びインク補充手段により、順に繰り返し行うことができる。そして、その2個以上の補充カートリッジの補充パックに収容されたインクを、次々と継続して長時間に亙って中間パックに補充し続けることができる。
その際には、そのインクレベルが零又は零近くになって、中間パックにインクを補充するのを停止した、空の補充パックが収納された補充カートリッジを、インクジェットプリンタによるプリント作業を停止せずに継続させたままの状態で、他の新しい補充カートリッジに交換できる。そして、その新しい補充カートリッジに次のインク補充の順番が回って来た際に、その新しい補充カートリッジの補充パックから、上記と同様にして、シーケンス制御手段及びインク補充手段により、インクを中間パックに補充し続けることができる。そして、そのインクジェットプリンタを用いたプリント作業を、昼夜を問わず長時間に亙って中断せずに継続して行うことが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1と図2は本発明のインク補充機構の好適な実施の形態を示し、図1はその概略構造説明図、図2は図1の一部拡大図である。以下に、このインク補充機構を説明する。
【0019】
このインク補充機構は、前述と同様な図5に示された構造の、カートリッジ50が交換可能に備えられたインクジェットプリンタに設けられている。
【0020】
このインク補充機構には、カートリッジ50と交換可能なサブカートリッジ60が備えられている。
カートリッジ50とサブカートリッジ60とは、偏平な方形プラスチック箱体状をしていて、その外径寸法と外形形状とが一致している。そして、そのカートリッジ50又はサブカートリッジ60をプリンタ本体40又はその近くのカートリッジ台56に交換可能にセッテングできる構造をしている。
カートリッジ50には、インクジェットヘッド10に供給するインクが密封状態で収容されたアルミ箔製の中型のパック52が収納されている。それに対して、サブカートリッジ60には、図2に示されたように、インクジェットヘッド10に供給するインクが密封状態で収容されたアルミ箔製の小型の中間パック62が収納されている。そして、上記カートリッジ台56にセッテングされたそれらのカートリッジのパック52又は中間パック62から、該パックのインクを、供給チューブ54内を通して、インクジェットヘッド10に供給できる構造をしている。
サブカートリッジ60には、図2に示されたように、中間パック62のインクレベルを検知するレベルセンサ64が内蔵されている。レベルセンサ64は、中間パック62のアルミ箔外壁の潰れ量を計測する構造をするものが、用いられている。そして、中間パック62のインクが減少して、その中間パック62の外壁が大気圧を受けて押し潰される量から、中間パック62のインクレベルを検知できる構造をしている。このレベルセンサ64には、光センサを用いることも、可能である。
【0021】
さらに、このインク補充機構には、補充カートリッジ70がユニット台76に交換可能に備えられている。補充カートリッジ70には、中間パック62にインクを補充する大量のインクが密封状態で収容されたアルミ箔製の大型の補充パック72が収納されている。補充カートリッジの補充パック72は、補充カートリッジ70をユニット台76にセッティングした状態において、サブカートリッジの中間パック62よりも上方に配置されるように構成されている。そして、補充パック70のインクと中間パック62のインクとに、それらのパックのインクレベル差を利用して、補充カートリッジの補充パック72のインクを、補充チューブ74内を通して、サブカートリッジの中間パック62に補充できる構造をしている。
【0022】
また、このインク補充機構には、中間パック62のインクレベルが一定値以下に低下したことをレベルセンサ64が検知した際に、補充カートリッジの補充パック72から該パックに収容されたインクを中間パック62に該パックのインクレベルが一定値に達するまで補充するインク補充手段80が備えられている。インク補充手段80は、インク補充用の補充チューブ74内中途部を開閉するバルブ82と、該バルブ駆動用のソレノイド84を作動させる電子式の制御回路88等から構成されている。そして、バルブ82をソレノイド84により一定時間開口させて、補充カートリッジの補充パック72から該パックに収容されたインクを、中間パック62に、補充チューブ74内等を通して、補充できる構造をしている。
【0023】
図1と図2に示したインク補充機構は、以上のように構成されていて、このインク補充機構においては、インクジェットプリンタを用いて、布地等のメディア表面に捺染模様等を、長時間に亙って継続してプリントする場合に、
カートリッジ台56にセッティングされたカートリッジ50を、図1に示されたように、小型の中間パック62が収容されたサブカートリッジ60に交換できる。そして、そのサブカートリッジの中間パック62に収容されたインクを、供給チューブ54内等を通して、インクジェットヘッド10に供給し続けることができる。
次いで、その中間パック62のインクレベルが一定値以下に低下して、それをレベルセンサ64が検知した際には、インク補充手段80によりバルブ82を一定時間開いて、補充カートリッジの補充パック72から該パックに収容されたインクを、補充チューブ74内等を通して、中間パック62に該パックのインクレベルが一定値に達するまで、両パックのインクレベル差を利用して、補充できる。
以下、中間パック62のインクレベルが一定レベル値以下に低減する度毎に、同じステップを、補充パック72のインクレベルが零又はその近くに低下するまで、繰り返し行うことができる。そして、その補充パック72からインクが繰り返し補充される中間パック62からインクジェットヘッド10にインクを長時間に亙って安定して継続して供給し続けることができる。
その際には、補充パック72を大型化して、その補充パック72から該パックに収容された大量のインクを、中間パック62に長時間に亙って安定して繰り返し補充し続けることができる。
また、その際には、中間パック62を小型化する等して、その中間パック62のインクレベルを、一定の狭い範囲内に常に確実に安定して保持し続けることができる。そして、その中間パック62のインクとインクジェットヘッドのノズル12内のインクとの水頭値の差Hを、所望の−20〜50mm等の狭い一定の範囲内に安定して保持し続けることができる。そして、そのインクジェットヘッドのノズル12からインク滴を常に過不足なく安定して的確に噴射させ続けることができる。
また、補充パック72のインクレベルが零又はその近くまで低下したことを、補充パック72に付設されたエンドセンサ75等が検知した際には、その補充パック72が収納された補充カートリッジ70を、他の新しい補充カートリッジ70に交換できる。そして、その新しい補充カートリッジの補充パック72から該パックに収容されたインクを、上記と同様にして、インク補充手段80により、その新しい補充カートリッジの補充パック72のインクレベルが零又はその近くに低下するまで、中間パック62に安定して継続して繰り返し補充し続けることができる。
【0024】
また、このインク補充機構においては、インクジェットプリンタを用いて、メディア30表面に絵図又は文字等を通常の比較的短時間の範囲内でプリントする場合に、
図5に示されたように、カートリッジ台56にセッティングされたカートリッジ50をサブカートリッジ60に交換せずに、そのカートリッジのパック52に収容されたインクを、インクジェットヘッド10に供給し続けることができる。そして、通常通り、そのカートリッジの通常の大きさのパック52に収容された通常量のインクを用いて、メディア30表面に絵図又は文字等を通常の比較的短時間の範囲内で継続してプリントできる。
【0025】
このインク補充機構においては、図3に示したように、インク補充手段80を、中間パック62のインクレベルが一定値以下に低下したことをレベルセンサ64が検知した際に、ユニット台76にセッティングされた補充カートリッジ70をカートリッジ台56にセッティングされたサブカートリッジ60に対して、モータ84とラック及びピニオン86、電子式の制御回路88等からなる機構を用いて、所定高さに持ち上げる構造のもとしても良い。そして、その補充カートリッジの補充パック72から該パックに収容されたインクをサブカートリッジの中間パック62に該パックのインクレベルが補充パック72のインクレベルとほぼ同一レベルに達するまで両パック62、72のインクレベル差を利用して補充する構造のものとしても良い。
【0026】
その場合には、サブカートリッジ60に収納された中間パック62のインクレベルが一定値以下に低下したことをレベルセンサ64が検知した際に、インク補充手段80により、補充カートリッジ70をサブカートリッジ60に対して所定高さに持ち上げることができる。そして、その補充カートリッジの補充パック72から該パックに収容されたインクをサブカートリッジの中間パック62に該パックのインクレベルが補充パック72のインクレベルとほぼ同一レベルに達するまで、それらのパック62、72のインクレベル差を利用して、補充できる。
その結果、インク補充手段80により補充カートリッジ70をサブカートリッジ60に対して持ち上げる高さを調整することにより、その補充カートリッジの補充パック72からインクをサブカートリッジの中間パック62に該パックのインクレベルが一定値となるまで補充できる。
【0027】
また、インク補充手段80を、補充カートリッジ70をサブカートリッジ60に対して所定高さに持ち上げる構造とした場合には、同じ図3に示したように、そのインク補充手段80により持ち上げる補充カートリッジ70の持ち上げ高さ位置を計測して、その計測された補充カートリッジ70の持ち上げ高さ位置から、その補充カートリッジ70に収納された補充パック72のインクレベルを検出する検出手段90を備えると良い。検出手段90は、例えば同じ図3に示したように、補充カートリッジ70がセッテングされたユニット台76を昇降自在に支持する台座78に設けた指針92と、該指針を基準にして、ユニット台76の高さ位置を計測するユニット台76に設けた目盛り板94とから構成すると良い。そして、その指針92が指す目盛り板94の目盛り位置から、ユニット台76にセッテングされた補充カートリッジの補充パック72のインクレベルを検出できるようにすると良い。
【0028】
その場合には、インク補充手段80により持ち上げる補充カートリッジ70の持ち上げ高さ位置を、検出手段90により、計測できる。そして、その計測された補充カートリッジ70の持ち上げ高さ位置から、その補充カートリッジ70に収納された補充パック72のインクレベルを、検出手段90により、検出できる。
【0029】
また、このインク補充機構においては、図3又は図4に示したように、補充パック72が収納された2個以上(図では、2個としている)の補充カートリッジ70を、交換可能にユニット台76等に備えると良い。そして、そのいずれか1つの補充カートリッジの補充パック72からインクをインク補充手段80により中間パック62に補充し続けて、その1つの補充カートリッジの補充パック72のインクレベルが零又はその近くになった際に、次の1つの補充カートリッジの補充パック72からインクをインク補充手段80により中間パック62に補充し続けるステップを、その交換可能に備えられた2個以上の各補充カートリッジ70につき順に繰り返し行うシーケンス制御手段100を備えると良い。シーケンス制御手段100は、同じ図3又は図4に示したように、インク補充手段80の補充チューブ74内中途部を開閉するバルブ82、該バルブ駆動用のソレノイド84、該ソレノイド制御用の電子式の制御回路88等を用いて構成すると良い。
【0030】
その場合には、その交換可能に備えられた2個以上の補充カートリッジ70のうちの、いずれか1つの補充カートリッジの補充パック72からインクをインク補充手段80により中間パック62に補充し続けて、その1つの補充カートリッジの補充パック72のインクレベルが零又はその近くになったことをエンドセンサ75等が検知した際に、シーケンス制御手段100により、その補充パック72に連なる補充チューブ74内中途部をバルブ82により閉じて、次の1つの補充カートリッジの補充パック72に連なる補充チューブ74内中途部のバルブ82を開き、その補充パック72からインクをインク補充手段80により中間パック62に中断なく継続して補充し続けることができる。そして、そのようなステップを、その交換可能に備えられた2個以上の各補充カートリッジ70につき、シーケンス制御手段100及びインク補充手段80により、順に繰り返し行うことができる。そして、その2個以上の補充カートリッジの補充パック72に収容されたインクを、次々と継続して長時間に亙って中間パック62に繰り返し補充し続けることができる。
その際には、そのインクレベルが零又は零近くになって、中間パック62にインクを補充するのを停止した、空の補充パック72が収納された補充カートリッジ70を、インクジェットプリンタによるプリント作業を停止せずに継続させたままの状態で、他の新しい補充カートリッジ70に交換できる。そして、その新しい補充カートリッジ70に次のインク補充の順番が回って来た際に、その新しい補充カートリッジの補充パック72からインクを中間パック62にシーケンス制御手段100及びインク補充手段80により補充し続けることができる。そして、そのインクジェットプリンタを用いたプリント作業を、昼夜を問わず長時間に亙って中断せずに継続して行うことが可能となる。
【0031】
このインク補充機構には、図1、図3又は図4に示したように、中間パック62のインクレベルが零又は零近くになったことを検知するエンドセンサ・インタフェース110等を備えると良い。そして、何らかの原因で中間パック62のインクが無くなったのにも拘わらず、インクジェットプリンタによる布地等への空プリント作業が継続して行われるのを、避けると良い。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインク補充機構によれば、インクジェットヘッドにインクを供給する中間パックのインクレベルが一定値以下に低下する度毎に、補充カートリッジの大型の補充パックからインクを安定して繰り返し補充できる。そして、布地等のメディア表面に、捺染模様等を、昼夜を問わずに長時間に亙って中断せずに継続してプリントすることが可能となる。
それと共に、その中間パックのインクレベルを常に所望の狭い一定の範囲内に継続して保持し続けることができる。そして、インクジェットヘッドのノズル内のインクと、該ノズルにインクを供給する中間パックのインクとの水頭値の差Hを、−20〜50mm以内等に常に的確に保ち続けることができる。そして、そのインクジェットヘッドのノズルからインク滴をピエゾ方式等により常に安定させて噴射させることが可能となる。
また、インク消費量の少ないユーザは、カートリッジをサブカートリッジに交換せずに、カートリッジをそのまま用いて、そのカートリッジの通常の大きさのパックから該パックに収容された通常量のインクを、通常通り、インクジェットヘッドに供給できる。そして、通常通り、インクジェットプリンタを用いて、絵図又は文字等を通常の比較的短時間の範囲内で継続してプリントできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインク補充機構の概略構造説明図である。
【図2】本発明のインク補充機構の一部拡大構造説明図である。
【図3】本発明のインク補充機構の概略構造説明図である。
【図4】本発明のインク補充機構の概略構造説明図である。
【図5】インクジェットプリンタの概略構造説明図である。
【符号の説明】
10 インクジェットヘッド
12 インクジェットヘッドのノズル
30 メディア
50 カートリッジ
52 パック
60 サブカートリッジ
62 中間パック
64 レベルセンサ
70 補充カートリッジ
72 補充パック
80 インク補充手段
90 検出手段
100 シーケンス制御手段
110 エンドセンサ・インタフェース
Claims (4)
- インクジェットヘッドに供給するインクが収容されたパックが収納されたカートリッジが交換可能に備えられたインクジェットプリンタにおいて、
前記カートリッジと交換可能なサブカートリッジが備えられて、そのサブカートリッジに、前記インクジェットヘッドに供給するインクが収容された中間パックが収納されると共に、その中間パックのインクレベルを検知するレベルセンサが備えられ、さらに、前記中間パックに補充するインクが収容された補充パックが収納された補充カートリッジが交換可能に備えられて、前記中間パックのインクレベルが一定値以下に低下したことを前記レベルセンサが検知した際に、前記補充カートリッジの補充パックから該パックに収容されたインクを中間パックに該パックのインクレベルが一定値に達するまで補充するインク補充手段が備えられ、
前記補充パックが収納された2個以上の補充カートリッジが交換可能に備えられて、そのいずれか1つの補充カートリッジの補充パックからインクを前記インク補充手段により前記中間パックに補充し続けて、その1つの補充カートリッジの補充パックのインクレベルが零又はその近くになった際に、次の1つの補充カートリッジの補充パックからインクを前記インク補充手段により前記中間パックに補充し続けるステップを、その交換可能に備えられた2個以上の各補充カートリッジにつき順に繰り返し行うシーケンス制御手段が備えられ、
前記インク補充手段が補充カートリッジをサブカートリッジに対して所定高さに持ち上げる補充カートリッジの持ち上げ高さ位置を計測して、その計測された補充カートリッジの持ち上げ高さ位置から、その補充カートリッジに収納された補充パックのインクレベルを検出する検出手段が備えられ、
前記検出手段は、前記補充カートリッジがセッテングされたユニット台を昇降自在に支持する台座に設けた指針と、該指針を基準にして、前記ユニット台の高さ位置を計測する前記ユニット台に設けた目盛り板とから構成する
ことを特徴とするインクジェットプリンタのインク補充機構。 - インクジェットヘッドに供給するインクが収容されたパックが収納されたカートリッジが交換可能に備えられたインクジェットプリンタにおいて、
前記カートリッジと交換可能なサブカートリッジが備えられて、そのサブカートリッジに、前記インクジェットヘッドに供給するインクが収容された中間パックが収納されると共に、その中間パックのインクレベルを検知するレベルセンサが備えられ、さらに、前記中間パックに補充するインクが収容された補充パックが収納された補充カートリッジが交換可能に備えられて、前記中間パックのインクレベルが一定値以下に低下したことを前記レベルセンサが検知した際に、前記補充カートリッジの補充パックから該パックに収容されたインクを中間パックに該パックのインクレベルが一定値に達するまで補充するインク補充手段が備えられ、
前記補充パックが収納された2個以上の補充カートリッジが交換可能に備えられて、そのいずれか1つの補充カートリッジの補充パックからインクを前記インク補充手段により前記中間パックに補充し続けて、その1つの補充カートリッジの補充パックのインクレベルが零又はその近くになった際に、次の1つの補充カートリッジの補充パックからインクを前記インク補充手段により前記中間パックに補充し続けるステップを、その交換可能に備えられた2個以上の各補充カートリッジにつき順に繰り返し行うシーケンス制御手段が備えられ、
前記インク補充手段は、インク補充用の補充チューブ内中途部を開閉するバルブと、該バルブ駆動用のソレノイドを作動させる電子式の制御回路から構成され、
前記制御回路が前記バルブの開度を調節して、前記補助パックから前記中間パックへのインク流量を調節する
ことを特徴とするインクジェットプリンタのインク補充機構。 - 前記インク補充手段が、前記中間パックのインクレベルが一定値以下に低下したことを前記レベルセンサが検知した際に、前記補充カートリッジをサブカートリッジに対して所定高さに持ち上げて、その補充カートリッジの補充パックから該パックに収容されたインクをサブカートリッジの中間パックに該パックのインクレベルが補充パックのインクレベルとほぼ同一レベルに達するまで両パックのインクレベル差を利用して補充する構造のものである
ことを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタのインク補充機構。 - 前記指針が指す前記目盛り板の目盛り位置から、前記ユニット台にセッテングされた前記補充カートリッジの前記補充パックのインクレベルを検出する
ことを特徴とする請求項1又は3記載のインクジェットプリンタのインク補充機構。
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