JP4298270B2 - 電子ビーム加工機 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,真空状態において,被加工物に溶接,熱処理又は表面処理等の電子ビーム加工を行う電子ビーム加工機に関する。
【0002】
【従来技術】
電子ビーム加工機においては,真空状態において被加工物に電子ビームを照射して,溶接,熱処理又は表面処理等の電子ビーム加工を行う。
例えば,図7に示すごとく,被加工物8を収容する加工室92と,加工室92に収容した被加工物8に電子ビームを照射する電子銃923と,上記加工室92内の真空引きを行うための真空装置93とを有する電子ビーム加工機9がある。
【0003】
そして,この電子ビーム加工機9においては,加工室92における被加工物8を入れ替え,真空装置93により加工室92内の真空引きを行い,この真空引きが完了した後に,上記電子銃923により被加工物8に電子ビームを照射して電子ビーム加工を行う。
なお,電子ビーム加工機9についての先行技術文献としては,適当なものが見つからなかったため記載を省略する。
【0004】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来の電子ビーム加工機9においては,被加工物8の入替え及び加工室92の真空引きを行っている間は電子ビーム加工を行うことができない。すなわち,従来の電子ビーム加工機9においては,実加工時間である電子ビームを照射している時間と,上記被加工物8の入替えや真空引きを行っている非加工時間とを加えた時間が加工の1サイクルのサイクルタイムとなっている。そのため,生産性を向上させるためには,上記非加工時間を短縮することが必要であるが,上記従来の電子ビーム加工機9の構造ままでは,上記非加工時間の短縮は難しく,電子ビーム加工を行うためのサイクルタイムを短縮することが困難である。
【0005】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,電子ビーム加工のサイクルタイムを短縮することができる電子ビーム加工機を提供しようとするものである。
【0006】
【課題の解決手段】
参考発明は,真空状態において被加工物に電子ビームを照射して電子ビーム加工を行う電子ビーム加工機において,
該電子ビーム加工機は,上記被加工物を収容する複数の加工室と,該加工室に収容した被加工物に電子ビームを照射する電子銃と,上記加工室内の真空引きを行うための真空装置とを有しており,
上記電子銃は,上記各加工室の気密状態を維持しながら該各加工室の間を移動可能に設けてあり,
上記真空装置は,上記各加工室の真空引きをそれぞれ別個に行うことができるよう構成してあり,
上記被加工物を収容した上記加工室へ上記電子銃が移動している間に,当該加工室の真空引きを開始できるよう構成してあることを特徴とする電子ビーム加工機にある
【0007】
本発明の電子ビーム加工機は,複数の加工室を有している。そのため,いずれかの加工室において電子ビーム加工を行っている間には,他の加工室においては,上記被加工物の入替え等を行うことができる。そのため,非加工時間としての被加工物の入替え等は,いずれかの加工室において実加工時間としての電子ビーム加工中に行うことができる。これにより,電子ビーム加工のサイクルタイムにおいて,非加工時間が占める割合を減少させることができる。
【0008】
また,上記電子銃は,電子ビーム加工前の被加工物を収容した加工室に移動することができ,かつこの移動は,当該加工室の気密状態を維持しながら行うことができる。そのため,非加工時間としての上記被加工物を収容した加工室へ電子銃が移動している間においても,当該加工室の真空引きを開始することができる。これによっても,電子ビーム加工のサイクルタイムにおいて,非加工時間が占める割合を減少させることができる。
【0009】
なお,上記真空装置は,各加工室の真空引きをそれぞれ別個に行うことができるため,いずれの加工室に上記電子銃が移動している間においても,いずれの加工室に対しても電子銃の移動中に真空引きを開始することが可能である。
そのため,いずれの加工室に対しても,1つの被加工物に電子ビーム加工を行う1サイクル中における上記被加工物の入替え及び真空引き等の非加工時間を短縮することができる。
それ故,本発明の電子ビーム加工機によれば,電子ビーム加工のサイクルタイムを短縮することができる。
【0010】
発明は,真空状態において被加工物に電子ビームを照射して電子ビーム加工を行う電子ビーム加工機において,
該電子ビーム加工機は,上記被加工物を収容する複数の加工室と,該加工室に収容した被加工物に電子ビームを照射する電子銃と,上記加工室内の真空引きを行うための真空装置とを有しており,
上記電子銃は,上記各加工室の気密状態を維持しながら該各加工室の間を移動可能に設けてあり,
上記真空装置は,上記各加工室の真空引きをそれぞれ別個に行うことができるよう構成してあると共に,上記被加工物を収容した上記加工室の真空引きを行う粗引き用真空装置と,上記電子ビーム加工を行っている上記加工室の真空引きを行う加工用真空装置とを有していることを特徴とする電子ビーム加工機にある(請求項)。
【0011】
本発明の電子ビーム加工機もまた,それぞれ別個に真空引きが可能な複数の加工室を有しており,上記電子銃は各加工室に移動して電子ビーム加工を行う。そのため,上記第1の発明と同様にして,本発明の電子ビーム加工機によっても,電子ビーム加工のサイクルタイムを短縮することができる。
【0012】
さらに,本発明の真空装置は,上記粗引き用真空装置と上記加工用真空装置とを有している。
そして,上記粗引き用真空装置を作動させることにより,電子ビーム加工を行っていない加工室,すなわち電子ビーム加工前の被加工物を収容した後の加工室に対しても,真空引きを行うことができる。
【0013】
また,上記被加工物を収容した後の加工室に対して,上記電子ビーム加工を行う際には,粗引き用真空装置とは別個に設けた上記加工用真空装置によって真空引きを行う。そのため,粗引き用真空装置によってある程度の真空度に粗引きされた状態に対して,上記加工用真空装置によってさらに高真空度に真空引きを行うことができる。そのため,短時間で,電子ビーム加工を行うのに適した高真空状態を形成することができる。
【0014】
そのため,本発明の電子ビーム加工機によれば,用途の異なる2種類の真空装置を用いることによって,真空引きを行う種々の条件の違いに対しても柔軟にこれに対応することができる。
それ故,本発明によっても,電子ビーム加工機のサイクルタイムを短縮することができる。
【0015】
また,上記加工用真空装置は,上記電子銃が電子ビーム加工前の加工室へ移動している間に,当該加工室の真空引きを開始してもよい。この場合には,一層短時間で高真空状態を形成することができる。
また,上記粗引き用真空装置は,上記電子銃が電子ビーム加工前の加工室へ移動している間も,当該加工室の真空引きを継続していてもよい。この場合には,例えば,電子銃が移動する際に,真空度が下がってしまうことを容易に防止することができる。
【0016】
また,上記加工用真空装置は,粗引き真空装置によって真空引きを行った真空度が低下するのを抑制するために真空引きを行うこともできる。この場合には,粗引き真空装置によって,電子ビーム加工を行うのに適した真空状態を形成し,加工用真空装置によって,電子ビーム加工を行っている加工室の真空度が低下してしまうことを防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
発明において,上記電子ビーム加工としては,例えば,焼入れ,焼戻し,焼ならし(調質)等の熱処理,溶接,表面処理等がある。
参考発明において,上記真空装置は,上記各加工室の真空引きを行う共通の真空ポンプと,該真空ポンプと上記各加工室とを接続する真空引き通路と,該真空引き通路に配設され,真空引きを行う加工室を選択する排気バルブとを有していることが好ましい
この場合には,上記排気バルブにより真空引きを行う加工室を選択し,上記共通の真空ポンプにより,上記選択を行った加工室の真空引きを行うことができる。そのため,各加工室毎に真空ポンプを設ける必要がなく,上記電子ビーム加工機の構造を簡単にすることができる。
【0018】
また,上記真空引き通路には,上記被加工物の入れ替えを行う加工室を大気圧状態に戻すための給気バルブが配設してあることが好ましい
この場合には,上記給気バルブによって,上記電子ビーム加工を行った後の加工室を迅速に大気圧状態に戻すことができる。そして,当該加工室における被加工物の入れ替えを素早く開始することができる。
【0019】
また,発明においては,上記粗引き用真空装置は,粗引き用真空ポンプと,該粗引き用真空ポンプと上記各加工室とを接続する粗引き用通路と,該粗引き用通路に配設され,上記粗引き用真空ポンプにより真空引きを行う加工室を選択する粗引き用排気バルブとを有しており,上記加工用真空装置は,加工用真空ポンプと,該加工用真空ポンプと上記各加工室とを接続する加工用通路と,該加工用通路に配設され,上記加工用真空ポンプにより真空引きを行う加工室を選択する加工用排気バルブとを有していることが好ましい(請求項)。
【0020】
この場合には,上記粗引き用排気バルブにより電子ビーム加工前の加工室を選択し,上記共通の粗引き用真空ポンプにより,上記選択を行った加工室の真空引きを行うことができる。また,上記加工用排気バルブにより電子ビーム加工を行う加工室を選択し,上記共通の加工用真空ポンプにより,上記選択を行った加工室の真空引きを行うことができる。
そのため,各加工室毎に粗引き用真空ポンプ及び加工用真空ポンプを設ける必要がなく,上記電子ビーム加工機の構造を簡単にすることができる。
【0021】
また,上記粗引き用通路又は上記加工用通路には,上記被加工物の入れ替えを行う加工室を大気圧状態に戻すための給気バルブが配設してあることが好ましい(請求項)。
この場合には,上記給気バルブによって,上記電子ビーム加工を行った後の加工室を迅速に大気圧状態に戻すことができる。そして,当該加工室における被加工物の入れ替えを素早く開始することができる。
【0022】
【実施例】
以下に,図1〜図6を用いて本発明の電子ビーム加工機にかかる実施例につき説明する。
参考例
図1,図2に示すごとく,本例の電子ビーム加工機1は,真空状態において被加工物8に電子ビームを照射して電子ビーム加工を行う。電子ビーム加工機1は,上記被加工物8を収容する複数の加工室21,22と,各加工室21,22にそれぞれ収容した被加工物8に電子ビームを照射する電子銃23と,各加工室21,22内の真空引きを行うための真空装置3とを有している。
【0023】
上記電子銃23は,各加工室21,22の気密状態を維持しながら各加工室21,22の間を移動可能に設けてある。また,上記真空装置3は,各加工室21,22の真空引きをそれぞれ別個に行うことができるよう構成してある。
そして,電子ビーム加工機1は,上記被加工物8を収容した加工室21又は22へ上記電子銃23が移動している間に,当該加工室21又は22の真空引きを開始できるよう構成してある。
【0024】
以下に,これを詳説する。
本例の被加工物8は,自動変速機のプラネタリキャリアである。また,本例においては,上記被加工物8に対して溶接加工を行う。
また,図1,図2に示すごとく,本例においては,第1加工室21と第2加工室22との2つの加工室があり,上記電子銃23は,電子銃移動装置24によって各加工室21,22の間で往復移動可能になっており,各加工室21,22において交互に電子ビーム加工を行う。
また,各加工室21,22と,電子銃23,真空引き通路7及び回転装置26との間,各加工室21,22同士の間等には,各加工室21,22の気密性を保つためのパッキンが配設されている。
【0025】
上記真空装置3は,各加工室21,22の真空引きを行う共通の真空ポンプ4と,この真空ポンプ4と各加工室21,22とを接続する真空引き通路7と,この真空引き通路7に配設され,真空引きを行う加工室21又は22を選択する排気バルブとを有している。この排気バルブは,第1加工室21に設けた第1排気バルブ51と,第2加工室22に設けた第2排気バルブ52とよりなる。そして,各排気バルブ51,52の開閉により真空引きを行う加工室21又は22を選択し,上記共通の真空ポンプ4により,上記選択を行った加工室21又は22の真空引きを行うことができる。
【0026】
また,上記真空引き通路7には,被加工物8の入れ替えを行う加工室21又は22を大気圧状態に戻すための給気バルブが配設してある。この給気バルブは,第1加工室21に設けた第1給気バルブ61と,第2加工室22に設けた第2給気バルブ62とよりなる。そして,各給気バルブ61,62によって,上記電子ビーム加工を行った後の加工室21又は22を迅速に大気圧状態に戻すことができる。
【0027】
また,各加工室21,22内には,それぞれ被加工物8の載置を行う載置治具25が設けてある。また,各載置治具25は各回転装置26によって回転可能である。そして,本例では,各回転装置26によってそれぞれ被加工物8を回転させ,この被加工物8の外周部を上記電子銃23の照射位置に順次移動させることにより,被加工物8の外周部の全周に電子ビーム加工を行う。
【0028】
また,各載置治具25及び各回転装置26は,各加工室21,22に対して移動できるよう構成されている。本例においては,被加工物8の入れ替えを行う際には,各加工室21,22に対して各載置治具25及び各回転装置26が下降し,被加工物8の入れ替えができるよう構成されている。
【0029】
以下に,上記電子ビーム加工機1を用いて電子ビーム加工を行う方法,及びこれによる作用効果につき説明する。
まずは,第1加工室21に電子ビーム加工前の被加工物8を収容する。また,真空ポンプ4は常時回転させておく。そして,第1加工室21に被加工物8を収容した後には,第1排気バルブ51を開けて,真空ポンプ4により第1加工室21内の真空引きを行う。
【0030】
次いで,第1加工室21の真空度が電子ビーム加工を行うための目的とする真空度になったら,図1に示すごとく,この第1加工室21において,上記回転装置26により被加工物8を回転させながら上記電子銃23により電子ビーム加工を行う。また,この第1加工室21内で電子ビーム加工を行っているときには,真空ポンプ4により第1加工室21内の真空引きを継続する。
【0031】
一方で,図1に示すごとく,第1加工室21において電子ビーム加工中には,第2加工室22に電子ビーム加工前の被加工物8を収容する。
次いで,第1加工室21内における電子ビーム加工が完了したときには,第1排気バルブ51を閉じると共に第1給気バルブ61を開けて,第1加工室21を大気圧状態に戻す。また,第1加工室21内における電子ビーム加工完了後には,電子銃23を第1加工室21から第2加工室22へと移動させる。
【0032】
そして,この電子銃23が移動している間に,第2排気バルブ52を開けて,真空ポンプ4により第2加工室22の真空引きを開始する。
次いで,第2加工室22の真空度が電子ビーム加工を行うための目的とする真空度になったら,図2に示すごとく,この第2加工室22において,上記回転装置26により被加工物8を回転させながら上記電子銃23により電子ビーム加工を行う。また,この第2加工室22内で電子ビーム加工を行っているときには,真空ポンプ4により第2加工室22内の真空引きを継続する。
【0033】
一方で,図2に示すごとく,第2加工室22において電子ビーム加工中には,第1加工室21においては,電子ビーム加工後の被加工物8を,電子ビーム加工前の他の被加工物8と入れ替える。
そして,以降同様にして,電子銃23が第2加工室22から第1加工室21へと移動している間に,第1排気バルブ51を開けて,真空ポンプ4により第1加工室21の真空引きが開始され,その後,第1加工室21において上記電子ビーム加工が行われる。
【0034】
上記説明を行った電子ビーム加工機1における各工程を模式的なサイクル線図で表すと図3のようになる。同図において,S0は起動時のサイクルを,S1は第2加工室22における加工のサイクルを,S2は第1加工室21における加工のサイクルを示す。また,同図において,収容とは,各加工室21,22に被加工物8を収容すること,真空引きとは,各加工室21,22の真空引きを行うこと,加工とは,被加工物8に電子ビーム加工を行うこと,移動とは,電子銃23が移動すること,入替とは,被加工物8の入替えのことを示す。
【0035】
そして,上記のように,上記電子銃23の移動から第2加工室22又は第1加工室21において電子ビーム加工が完了するまでにかかる時間S1又はS2が電子ビーム加工機1における電子ビーム加工のサイクルタイムとなる。
なお,本例においては,電子銃23の移動中に各加工室21,22の真空引きが完了し,電子銃23が移動した後には,すぐに電子ビーム加工を開始した。一方で,電子銃23の移動が完了した後に,電子ビーム加工を行うための目的とする真空度になるまでしばらく真空引きを行い,その後,電子ビーム加工を開始してもよい。
【0036】
上記のごとく,本例の電子ビーム加工機1は,複数の加工室21,22を有している。そのため,いずれかの加工室21又は22において電子ビーム加工を行っている間には,他の加工室21又は22においては,上記被加工物8の入替え等を行うことができる。そのため,非加工時間としての被加工物8の入替え等は,いずれかの加工室21又は22において実加工時間としての電子ビーム加工中に行うことができる。これにより,電子ビーム加工のサイクルタイムS1,S2において,非加工時間が占める割合を減少させることができる。
【0037】
また,上記電子銃23は,電子ビーム加工前の被加工物8を収容した加工室21又は22に移動することができ,かつこの移動は,当該加工室21又は22の気密状態を維持しながら行うことができる。そのため,非加工時間としての上記被加工物8を収容した加工室21又は22へ電子銃23が移動している間においても,当該加工室21又は22の真空引きを開始することができる。これによっても,電子ビーム加工のサイクルタイムS1,S2において,非加工時間が占める割合を減少させることができる。
【0038】
なお,上記真空装置3は,各加工室21,22の真空引きをそれぞれ別個に行うことができるため,いずれの加工室21,22に上記電子銃23が移動している間においても,いずれの加工室21,22に対しても電子銃23の移動中に真空引きを開始することが可能である。
そのため,いずれの加工室21,22に対しても,1つの被加工物8に電子ビーム加工を行う1サイクル中における上記被加工物8の入替え及び真空引き等の非加工時間を短縮することができる。
それ故,本例の電子ビーム加工機1によれば,電子ビーム加工のサイクルタイムS1,S2を短縮することができる。
【0039】
実施例
本例においては,図4,図5に示すごとく,上記真空装置3は,上記被加工物8を収容した第1加工室21又は第2加工室22の真空引きを行う粗引き用真空装置31と,上記電子ビーム加工を行っている第1加工室21又は第2加工室22の真空引きを行う加工用真空装置32とよりなる。
本例においても,第1加工室21と第2加工室22との2つの加工室があり,上記電子銃23は,各加工室21,22の間で往復移動可能になっており,各加工室21,22において交互に電子ビーム加工を行う。
【0040】
また,上記粗引き用真空装置31は,粗引き用真空ポンプ41と,この粗引き用真空ポンプ41と各加工室21,22とを接続する粗引き用通路71と,この粗引き用通路71に配設され,粗引き用真空ポンプ41により真空引きを行う加工室21又は22を選択する粗引き用排気バルブとを有している。この粗引き用排気バルブは,第1加工室21に設けた第1粗引き用排気バルブ511と,第2加工室22に設けた第2粗引き用排気バルブ521とよりなる。そして,各粗引き用排気バルブ511,521の開閉により真空引きを行う加工室21又は22を選択し,上記共通の粗引き用真空ポンプ41により,上記選択を行った加工室21又は22の真空引きを行うことができる。
【0041】
また,上記加工用真空装置32は,加工用真空ポンプ42と,この加工用真空ポンプ42と各加工室21,22とを接続する加工用通路72と,この加工用通路72に配設され,上記加工用真空ポンプ42により真空引きを行う加工室21又は22を選択する加工用排気バルブとを有している。この加工用排気バルブは,第1加工室21に設けた第1加工用排気バルブ512と,第2加工室22に設けた第2加工用排気バルブ522とよりなる。そして,各加工用排気バルブ512,522の開閉により真空引きを行う加工室21又は22を選択し,上記共通の加工用真空ポンプ42により,上記選択を行った加工室21又は22の真空引きを行うことができる。
【0042】
また,上記粗引き用通路71には,上記被加工物8の入れ替えを行う加工室21又は22を大気圧状態に戻すための給気バルブが配設してある。この給気バルブは,第1加工室21に設けた第1給気バルブ61と,第2加工室22に設けた第2給気バルブ62とよりなる。そして,各給気バルブ61,62によって,上記電子ビーム加工を行った後の加工室21又は22を迅速に大気圧状態に戻すことができる。
その他の電子ビーム加工機1の構成は,上記参考例と同様である。
【0043】
以下に,本例の電子ビーム加工機1を用いて電子ビーム加工を行う方法,及びこれによる作用効果につき説明する。
まずは,第1加工室21に電子ビーム加工前の被加工物8を収容する。また,粗引き用真空ポンプ41及び加工用真空ポンプ42は常時回転させておく。そして,第1加工室21に被加工物8を収容した後には,第1粗引き用排気バルブ511を開けて,粗引き用真空ポンプ41により第1加工室21内の真空引きを行う。
【0044】
次いで,第1加工室21内がある程度の真空度になったら,第1粗引き用排気バルブ511を閉じると共に第1加工用排気バルブ512を開けて,加工用真空ポンプ42により第1加工室21内の真空引きを行い,第1加工室21内を電子ビーム加工を行うのに適した高真空状態にする。
【0045】
そして,第1加工室21に高真空状態を形成したら,図4に示すごとく,この第1加工室21において,上記回転装置26により被加工物8を回転させながら上記電子銃23により電子ビーム加工を行う。また,この第1加工室21内で電子ビーム加工を行っているときには,加工用真空ポンプ42により第1加工室21内の真空引きを継続する。
【0046】
一方で,図4に示すごとく,第1加工室21において電子ビーム加工中には,第2加工室22に電子ビーム加工前の被加工物8を収容する。さらに,第1加工室21において電子ビーム加工中に,第2粗引き用排気バルブ521を開けて,粗引き用真空ポンプ41により第2加工室22内の真空引きを行う。
次いで,第1加工室21内における電子ビーム加工が完了したときには,第1加工用排気バルブ512を閉じると共に第1給気バルブ61を開けて,第1加工室21を大気圧状態に戻す。また,第1加工室21内における電子ビーム加工完了後には,電子銃23を第1加工室21から第2加工室22へと移動させる。
【0047】
そして,この電子銃23が移動している間に,第2粗引き用排気バルブ521を閉じると共に第2加工用排気バルブ522を開けて,加工用真空ポンプ42により第2加工室22の高真空引きを開始する。そして,図5に示すごとく,電子銃23が第2加工室22に移動した後には,この第2加工室22において,上記回転装置26により被加工物8を回転させながら上記電子銃23により電子ビーム加工を行う。また,この第2加工室22内で電子ビーム加工を行っているときには,加工用真空ポンプ42により第2加工室22内の高真空引きを継続する。
【0048】
一方で,図5に示すごとく,第2加工室22において電子ビーム加工中には,第1加工室21においては,電子ビーム加工後の被加工物8を,電子ビーム加工前の他の被加工物8と入れ替える。そして,その後は,同様にして,上記第1加工室21の粗引き,電子銃23が第2加工室22から第1加工室21へと移動している間における第1加工室21の高真空引きの開始等を行う。
【0049】
上記説明を行った電子ビーム加工機1における各工程を模式的なサイクル線図で表すと図6のようになる。同図において,S0は起動時のサイクルを,S1は第2加工室22における加工のサイクルを,S2は第1加工室21における加工のサイクルを示す。また,同図において,粗引きとは,粗引き用真空装置31によって各加工室21,22の真空引きを行うこと,高真空引きとは,加工用真空装置32によって各加工室21,22の真空引きを行うことを示し,その他の収容,加工,移動,入替については上記参考例と同様である。
そして,上記のように,上記電子銃23の移動から第2加工室22又は第1加工室21において電子ビーム加工が完了するまでにかかる時間S1又はS2が電子ビーム加工機1におけるサイクルタイムとなる。
【0050】
上記のごとく,本例の電子ビーム加工機1もまた,それぞれ別個に真空引きが可能な複数の加工室21,22を有しており,上記電子銃23は各加工室21,22に移動して電子ビーム加工を行う。そのため,上記参考例と同様にして,本例の電子ビーム加工機1によっても,電子ビーム加工のサイクルタイムS1,S2を短縮することができる。
【0051】
さらに,本例の真空装置3は,上記粗引き用真空装置31と上記加工用真空装置32とを有している。そして,粗引き用真空装置31を作動させることにより,電子ビーム加工を行っていない加工室21又は22,すなわち電子ビーム加工前の被加工物8を収容した後の加工室21又は22に対しても,真空引きを行うことができる。
【0052】
また,上記被加工物8を収容した後の加工室21又は22に対して,上記電子ビーム加工を行う際には,粗引き用真空装置31とは別個に設けた加工用真空装置32によって真空引きを行う。そのため,粗引き用真空装置31によってある程度の真空度に粗引きされた状態に対して,加工用真空装置32によってさらに高真空度に真空引きを行うことができる。そのため,短時間で,電子ビーム加工を行うのに適した高真空状態を形成することができる。
【0053】
そのため,本例の電子ビーム加工機1によれば,用途の異なる2種類の真空装置31,32を用いることによって,真空引きを行う種々の条件の違いに対しても柔軟にこれに対応することができる。
また,本例では,上記加工用真空装置32は,上記電子銃23が電子ビーム加工前の加工室21又は22へ移動している間に,この加工室21又は22の真空引きを開始している。そのため,一層短時間で高真空状態を形成することができる。
それ故,本例によれば,電子ビーム加工機1のサイクルタイムS1,S2を一層短縮することができる。
【0054】
また,上記加工用真空装置32は,上記電子銃23が電子ビーム加工前の加工室へ移動している間に,当該加工室の真空引きを開始してもよい。この場合には,一層短時間で高真空状態を形成することができる。
また,上記粗引き用真空装置は,上記電子銃が電子ビーム加工前の加工室へ移動している間も,当該加工室の真空引きを継続していてもよい。この場合には,例えば,電子銃が移動する際に,真空度が下がってしまうことを容易に防止することができる。
【0055】
なお,加工用真空装置32は,粗引き真空装置31によって真空引きを行った真空度が低下するのを抑制するために真空引きを行うこともできる。この場合には,粗引き真空装置31によって,電子ビーム加工を行うのに適した真空状態を形成し,加工用真空装置32によって,電子ビーム加工を行っている加工室21又は22の真空度が低下してしまうことを防止することができる。
その他,本例においても,上記参考例と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例における,電子ビーム加工機を示す図で,第1加工室において電子ビーム加工を行っている状態を示す説明図。
【図2】 参考例における,電子ビーム加工機を示す図で,第2加工室において電子ビーム加工を行っている状態を示す説明図。
【図3】 参考例における,電子ビーム加工機のサイクル線図を示す説明図。
【図4】 実施例における,電子ビーム加工機を示す図で,第1加工室において電子ビーム加工を行っている状態を示す説明図。
【図5】 実施例における,電子ビーム加工機を示す図で,第2加工室において電子ビーム加工を行っている状態を示す説明図。
【図6】 実施例における,電子ビーム加工機のサイクル線図を示す説明図。
【図7】 従来例における,電子ビーム加工機を示す説明図。
【符号の説明】
1...電子ビーム加工機,
21...第1加工室,
22...第2加工室,
23...電子銃,
3...真空装置,
31...粗引き用真空装置,
32...加工用真空装置,
4...真空ポンプ,
41...粗引き用真空ポンプ,
42...加工用真空ポンプ,
51...第1排気バルブ,
511...第1粗引き用排気バルブ,
512...第1加工用排気バルブ,
52...第2排気バルブ,
521...第2粗引き用排気バルブ,
522...第2加工用排気バルブ,
61...第1給気バルブ,
62...第2給気バルブ,
7...真空引き通路,
71...粗引き用通路,
72...加工用通路,
8...被加工物,

Claims (3)

  1. 真空状態において被加工物に電子ビームを照射して電子ビーム加工を行う電子ビーム加工機において,
    該電子ビーム加工機は,上記被加工物を収容する複数の加工室と,該加工室に収容した被加工物に電子ビームを照射する電子銃と,上記加工室内の真空引きを行うための真空装置とを有しており,
    上記電子銃は,上記各加工室の気密状態を維持しながら該各加工室の間を移動可能に設けてあり,
    上記真空装置は,上記各加工室の真空引きをそれぞれ別個に行うことができるよう構成してあると共に,上記被加工物を収容した上記加工室の真空引きを行う粗引き用真空装置と,上記電子ビーム加工を行っている上記加工室の真空引きを行う加工用真空装置とを有していることを特徴とする電子ビーム加工機。
  2. 請求項1において,上記粗引き用真空装置は,粗引き用真空ポンプと,該粗引き用真空ポンプと上記各加工室とを接続する粗引き用通路と,該粗引き用通路に配設され,上記粗引き用真空ポンプにより真空引きを行う加工室を選択する粗引き用排気バルブとを有しており,
    上記加工用真空装置は,加工用真空ポンプと,該加工用真空ポンプと上記各加工室とを接続する加工用通路と,該加工用通路に配設され,上記加工用真空ポンプにより真空引きを行う加工室を選択する加工用排気バルブとを有していることを特徴とする電子ビーム加工機。
  3. 請求項1又は2において,上記粗引き用通路又は上記加工用通路には,上記被加工物の入れ替えを行う加工室を大気圧状態に戻すための給気バルブが配設してあることを特徴とする電子ビーム加工機。
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