JP4298244B2 - ステント - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管に代表される体内の管状器官の治療に用いられるステントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
体内には血管,胆管,尿管或いは食道等多くの管状器官があり、夫々狭窄や閉塞等の特有の疾患が発生する虞がある。例えば血管の場合、狭窄や閉塞,動脈瘤や静脈瘤等の疾患が生じることがある。特に、動脈瘤は破裂すると大出血を引き起こすという重大な疾患であり、速やかに治療する必要があるため、有効に治療するための種々の器具の開発がなされている。
【0003】
最近では、血管の狭窄部や動脈瘤を治療する際にステントと呼ばれる金属製の円筒状器具が用いられることが多くなっている。例えば、動脈瘤を治療する場合には、特開平07−024072号公報に開示されるようなステントグラフトを用い、このステントグラフトを動脈瘤の内側に留置して該動脈瘤に血液の圧力が作用しないようにしている。
【0004】
ステントは血管の内部を通して患部に送られ、患部に到達した後留置される。ステントを患部に留置する場合、例えば、特開2000−350785号公報に記載されたように、長い筒状に形成され内部にガイドワイヤが挿通されたダイレーターのシースにステントを縮径して挿入し、足の付け根等からガイドワイヤを先にして血管内に導通して患部まで運び、患部に到達したときステントに対する拘束を解除することで行なわれる。拘束から解除されたステントは自力で拡径し、この状態で患部に留置されて血管を保護する機能を発揮する。
【0005】
ステントとして、金属の線材からなるステント主線を予め設定されたジグザグ形状に成形した後、ステント主線の両端部分を接続することでループを形成し、複数のループを直列に配置すると共にストラットを介して接続したものがある。このようなステントでは、ループを接続してステントを形成する際に、ループを構成するステント主線とストラットとの接続部位にパイプを配置してかしめることで互いに接合している。
【0006】
またステント主線どうし及び、ステント主線とストラットの端部を接合してループ及びステントを形成する場合、銀ロウや半田を使用する所謂半田付けがあるが、この接合方法では、人体に有害であり使用することはできない。このため、ステント主線どうし及び、ステント主線とストラットを溶接してループ及びステントを形成することになるが、溶接の際に、熱影響によって溶接部位の組織が変化して強度が低下する虞がある。
【0007】
ステント主線及びストラットがマルテンサイト系ステンレス鋼である場合には、熱処理によって強度を向上させることが出来る。しかしステント主線及びストラットがオーステナイト系ステンレス鋼である場合、熱処理による強度の改善が期待出来ないので、溶接することなくループを形成する場合には、ステント主線の端部を偏平状に成形して突き合わせ、この突き合わせ部に断面が略矩形なパイプを配置してかしめることで、ステント主線を互いに回転不能な状態に拘束してループを形成するようにしている。またステントを形成する場合には、ステント主線とストラットの端部を偏平状に成形して重ね合わせ、この重ね合わせ部に断面が略矩形なパイプを配置してかしめることで、ステント主線とストラットを互いに回転不能な状態に拘束してステントを形成するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く、ステントを構成する際に用いるパイプは、ステント主線とストラットとを接続させる機能のみを有する。即ち、パイプはステント主線の端部どうし及び、又はステント主線とストラットを互いの動きを拘束して接続すること以外の使い道を期待していない。
【0009】
一方、ステント主線及びストラットとしてオーステナイト系ステンレス鋼を用いた場合、生体に対する適合性が良好であり、好ましいステントを構成することが出来る。しかし、ステント主線の端部どうし及び、ステント主線とストラットの端部を溶接してループ及びステントを形成したとき、硬度,強度の不均一がそのまま残留してしまうという問題がある。
【0010】
また、ステント主線の端部どうし及び、ステント主線とストラットを溶接することなくパイプを用いて接続する場合、端部の処理や矩形断面のパイプを形成する必要があるなど、手間がかかるという問題がある。また、特にステント主線の端部どうしを突き合わせて接続し、ループを形成する場合には、ステント主線を冷間線引き加工により硬度を得た場合、ステント主線の硬度とパイプの硬度との間に差が生じて良好な接続を実現し得ないという問題がある。一方、端部どうしを重ねあわせて接続する場合には良好な接続を実現できるが、接合部に厚みが出てしまうという問題がある。
【0011】
またステントを患部に留置する術式を行う場合、X線撮影してステントを追跡することが行われる。このため、ステントに金メッキや金箔を貼り付けてX線の不透過部を形成するが、ステントを患部に留置した後、血流の影響を受けてメッキ層や箔類がステントから剥離する虞がある。
【0012】
また血栓が形成された場合、血栓が形成された部分には血栓防止材を投与することが必要となるが、この血栓防止剤をステントから投与し得ると有利である。
【0013】
本発明の目的は、パイプの活用をはかることによって、ステント主線及び、又はストラットの変化した部分を保護し、或いはステント主線,ストラット以外の要素を配置し得るようにしたステントを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係るステントは、ジグザグ状に成形したステント主線の端部を接合して形成したループと、当該ループを直列させて接続するストラットと、を有し、前記ループに於けるステント主線及び/又はストラットの変化した部分にパイプを配置して当該ステント主線に固定し、前記変化した部分は、ステント主線の端部どうし及び/又はステント主線とストラットの端部を溶接することによる熱影響部で粒子が粗大化した部位であることを特徴とするものである。
【0015】
上記ステントに於いて、前記ステント主線の端部を対向させて溶接し、突き合わせた端面を中心とする、組織が粗大化した粒状となり強度が著しく低下した溶接領域、当該溶接領域に隣接し、多少の熱影響を受けて組織が粒状化し強度が低下した領域、当該強度が低下した領域に隣接し、溶接による熱影響を受けることのない領域、のうち、当該熱影響を受けることのない領域間を跨ぐことが可能な長さのパイプを配置し、当該パイプの両端部分をかしめることでステント主線に一体化させ、溶接による熱影響を受けた部位をパイプによって補強したことが好ましい。
【0016】
上記ステントでは、ジグザグ状に成形したステント主線及び、又はストラットの変化した部分にパイプを配置して固定することで、該変化したステント主線及び/又はストラットを補強することが出来る。ステント主線の変化とは、組織の変化を含み、例えばステント主線の端部どうし及び/又はステント主線とストラットの端部を溶接することによる熱影響で粒子が粗大化した部位等の部位にパイプを配置して固定することで、該パイプによって補強することが出来る。
【0017】
またステント主線,ストラットとは異なる要素としての固形物、例えばステント主線或いはストラットに形成したX線不透過部、に対向させてパイプを配置すると共に固定することで、該X線不透過部を構成するメッキや箔の脱落を防止することが出来、且つこれらの物質が脱落した場合であっても、血流に入り込むことがない。
【0018】
また異なる要素としての流動物、例えば血栓防止剤を含む液体,粉体等の薬剤を内部に封入したパイプをステント主線,ストラットに配置して固定することで、封入した薬剤を保持することが出来る。このため、パイプの所定位置に内部に貫通する孔を形成しておくことで、薬剤を浸透させることが出来る。
【0019】
上記の如く、本発明では、パイプに補強機能、物体の流出防止機能、物体の浸透機能等を選択的に付与することで、多目的なステントを構成することが出来る。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、上記ステントの好ましい実施形態について図を用いて説明する。図1は二つのループをストラットによって接続したステントを説明する図である。図2はステント主線の変化としての溶接部の組織を説明する図である。図3は異なる要素の例としてのX線不透過部をパイプによって保護した状態を説明する図である。図4は異なる要素としての薬剤を封入したパイプを取り付けた状態を説明する図である。図5は異なる要素としてのフックをパイプによってステント主線に接続した状態を説明する図である。
【0021】
ステントAは、ステント主線1を予め設定されたジグザグ状に曲げ加工し、両端面を対向させて溶接することでループ2を形成すると共に溶接部にパイプ3を配置して補強し、更に、複数のループ2(本実施例では2つのループ2)を直列に配置して隣接するループ2の間に少なくとも2本のストラット4を配置し、該ストラット4とステント主線1とをパイプ5により接続して構成されている。
【0022】
ステント主線1は、オーステナイト系ステンレス鋼、特に、インプラント用ステンレスとして提供されているSUS316Lからなる線材を用い、この線材を冷間線引き加工することによって組織をファイバー状に伸長させることで加工硬化を発揮させると共に機械的性質を向上させた材料を用いている。このような材料からなるステント主線1では、生体適合性が良好で且つ適度な拡張力を有するため、目的の患部に於いてシースから離脱したとき、元の形状に復帰することが可能である。またこの材料は経年変化に強いため、本実施例のステントAのように溶接部を有する場合には好ましいものである。
【0023】
ジグザグ状に成形したステント主線1の端部を対向させて抵抗溶接した場合、図2に示すように、突き合わせた端面を中心とする溶接領域1aでは、組織が粗大化した粒状となり強度が著しく低下する。また領域1bでは多少の熱影響を受けて組織が粒状化しており、強度が低下する。更に、領域1cは溶接による熱影響を受けることのない領域であり、ファイバー状に伸長させた組織が本来有する強度を発揮することが可能である。
【0024】
従って、ステント主線1に於ける溶接部分では、溶接領域1aを中心として領域1bまでの範囲では領域1cと比較して強度が低下することとなり、この部分にパイプ3を配置して補強することで、ループ2の強度を保証することが可能である。即ち、領域1c間を跨ぐことが可能な長さのパイプ3を配置し、該パイプ3の両端部分をかしめることでステント主線1に一体化させ、これにより、溶接による熱影響を受けた部位をパイプ3によって補強することが可能となる。
【0025】
ループ2に於けるステント主線1の溶接領域1a,領域1bの寸法は一義的に決まるものではなく、ステント主線1の径に対応して異なる値となる。しかし、その長さは長大なものではなく、数ミリの単位である。例えば、ステント主線1の径が約0.45mmの場合、領域1a,1bの全長は約0.7mm程度である。従って、パイプ3の長さは約1mm程度以上であれば良いこととなるが、本実施例では、かしめ代を見込んでパイプ3の長さを7mmとし、且つ外径を約0.65mm、内径を約0.46mm程度の丸パイプとしている。
【0026】
パイプ3の材質は特に限定するものではないが、患部に長期間留置されることから、インプラント用ステンレスとして提供されているSUS316Lからなるパイプであることが好ましい。
【0027】
上記の如く、ファイバー状に伸長させた組織を有するオーステナイト系ステンレス鋼をステント主線1とし、このステント主線1の端部を溶接して形成したループ2の溶接部位にパイプ3を配置してかしめることで、該溶接部位を補強することが可能である。
【0028】
ステント主線1とストラット4を接続するパイプ5は、ステント主線1をジグザグ状に成形した後、端部を溶接する以前にステント主線1側に挿通される。このため、パイプ5をステント主線1のジグザグ状の頂部1dを通過させることが必要となり、図3に示すように、長さが頂部1dを容易に通過し得る程度の寸法に設定されることにより、ストラット4との接続部位には夫々複数個(通常は3個程度)のパイプ5が配置される。
【0029】
パイプ5の長さは、通常ステント主線1の径の3倍以下に設定されることが好ましい。本件発明者の実験では、ステント主線1の径を0.45mmとしたとき、パイプ5の長さを0.98mm程度とすることが最も円滑な作業を実現することが可能であり、0.5mmよりも短くした場合、円滑な作業性を確保することが困難となった。
【0030】
ステント主線1とストラット4とは、上記の如く溶接をした後に溶接部位をパイプ5でかしめることも可能であるが、パイプ5のみで接続する場合であっても、ループを形成する場合とは違って端部を重ねあわせて接続するため、良好な接続状態を実現できる。尚、端部を重ねあわせる場合は接合部の厚みが問題になるが、ループを形成する場合のようにステント主線どうしではないので問題になるほどの厚みでは無い。そのため、ステント主線1とストラット4とは、溶接されることなくパイプ5のかしめによって固定される。そしてパイプ5は、外形寸法が約1mm角、内形寸法が約0.7mm角程度に設定されている。尚、溶接をした後にパイプ5でかしめる場合には、複数個のパイプ5のうち上述の溶接領域1a,領域1bにあたる中央部分のパイプはかしめないようにする。
【0031】
ステント主線1にストラット4を接続する場合、上記の如く、両者を溶接によって接続するのではなく、パイプ5によるかしめによって互いに拘束される。この場合、ステント主線1とストラット4の接続部位を互いに断面が四角或いは偏平形状に成形し、両者を重ね合わせた後、断面が四角に成形されたパイプ5を挿通し、ステント主線1,ストラット4,パイプ5を同時にかしめることで、ステント主線1とストラット4を接続することが可能である。
【0032】
従って、予め治療すべき患部の形状に対応させて複数のループ2を形成しておき、これらのループ2を直列に配置すると共に隣接するループ2のステント主線1とストラット4をパイプ5によって接続することで、目的のステントAを構成することが可能である。
【0033】
次に、ステントAにステント主線1,ストラット4とは異なる要素を配置する構成について説明する。
【0034】
先ず、ステントAにステント主線1,ストラット4とは異なる要素としてのX線不透過部6を設ける場合について図3により説明する。このX線不透過部6は、ステント主線1或いはストラット4に金メッキ,金箔を張り付けることで行われる。
【0035】
ステント主線1の一部にX線不透過部6を形成するに際し、ジグザグ状に成形された長い線の一部に金メッキ,金箔を施工ことは困難な技術に属する。しかし、比較的短く、且つ略直線状のストラット4の端部にメッキ或いは箔を施工することは比較的容易である。このため、本実施例では、ストラット4の端部に於ける所定長さ範囲(パイプ5によって被覆し得る程度の長さ)に金メッキを施してX線不透過部6を形成している。
【0036】
X線不透過部6は、X線造影によってステントAの位置を確実に把握し得る仕様であれば良く、詳細を限定するものではない。本件発明者の実験では、ステント主線1の径を0.45mm、ストラット4の径を0.35mmとしたとき、厚さ2μmの金メッキを長さ3.5mm〜4mmの範囲で形成したとき、X線造影で確実に位置を把握することが可能であった。
【0037】
この場合、パイプ5の長さを約1mmとし、5個〜6個のパイプ5を連接させて配置すると共にかしめることで、X線不透過部6を被覆すると共にステント主線1とストラット4を接続することが可能である。
【0038】
そしてループ2をストラット4によって接続する際に、ステント主線1にX線不透過部6を形成したストラット4の端部を添わせ、これらに複数のパイプ5を挿通してかしめることで、X線不透過部6をパイプ5によって被覆することが可能となり、患部にステントAを留置したとき、X線不透過部6が直接血流に晒されることがない。
【0039】
このため、ステントAを大動脈に留置した場合であっても、金メッキや金箔が剥離することがなく、且つ剥離したとしても、パイプ5を通過して血管内に入り込むことがない。従って、剥離した金メッキや金箔が血栓の原因となることを防止することが可能である。
【0040】
尚、X線不透過部6が形成されているストラット4をループ2を構成するステント主線1に接続する場合、ステントAを患部に到達させる経路に於けるX線造影によって確実に把握し得るように、ループ2の頂部1dの近傍であることが好ましい。
【0041】
次にステント主線1,ストラット4とは異なる要素として、液体や粉体からなる流体状の剤(例えば薬剤、流状体8)を配置する場合について図4により説明する。細い血管では血栓が生じ易いため、通常は外部から血栓防止剤を投与するが、ステントAから投与し得ると有利である。
【0042】
本実施例では、比較的長いパイプ7を形成し、このパイプ7の内部に流状体8を封入してステント主線1に配置している。流状体8は予め患者や術式に応じて最適な薬剤等が選択されてパイプ7に封入されている。またパイプ7の所定位置(例えば端面、或いは側面)には極めて小さい穴7aが形成されており、該穴7aを通って流通する血液によって血流に溶解し得るように構成されている。
【0043】
パイプ7が比較的長く形成されるため、ステント主線1をジグザグ状に成形した後、該パイプ7を配置したとき、頂部1dを通過することが困難である。このため、パイプ7はステント主線1の溶接部の近傍に於ける直線部分に配置される。特に、パイプ7の容積を大きくするために、ステント主線1を図に示すように、半円形を含む形状に成形しておき、この成形部にパイプ7を配置することが好ましい。またパイプ7は両端部をかしめることで、ステント主線1に固定される。
【0044】
上記の如く構成されたステントAでは、目的の患部に留置されたとき、矢印a方向の血液の流れに伴って一部の血液が上流側の穴7aからパイプ7の内部に入り込み、内部に封入された流状体8としての薬剤を溶解する。そして薬剤を溶解した血液は、パイプ7の下流側の穴7aから流出して主たる血流に合流することで、薬剤を投与することが可能となる。
【0045】
上記の如く、薬剤に代表される液体や粉体からなる流状体8を封入したパイプ7をステント主線1に配置して固定することで、ステントAを患部に留置したとき、該患部を流れる血液を含む体液の流れによって流状体8を溶解すると共に、体液中に投与することが可能である。この場合、注射等の特別な輸液を行うことなく、目的の薬剤等を投与することが可能となる。
【0046】
次に、ステント主線1,ストラット4とは異なる要素として、ステントAを患部に留置する際にシースを通して配置したガイドワイヤ10に引っかけるフック11を配置する場合について図5により説明する。
【0047】
フック11は、ダイレーター14に形成された切欠14aに引っ掛けられて、該ダイレーター14を患部に固定した後、シース13を後退させる際にシース13に収容されたステントAを排出する機能を有するものであり、ストラット4と同様にオーステナイト系ステンレス鋼の線材を利用して形成されている。
【0048】
図5に於いて、ステントAは円筒状のグラフト12が形成されており、シース13の内径に対応させて縮径されると共に、該シース13の内部に収容されている。このシース13には、ダイレーター14が収容され、更にダイレーター14に先端が外部に露出したガイドワイヤ10が収容されている。そして、図示しない手元の操作部で操作することで、ダイレーター14によって先端のループ2を器官に固定し、この状態でシース13を手元に引くことで、ステントAがシース13から排出されて拡張し、患部に留置される。
【0049】
フック11は、オーステナイト系ステンレス鋼からなる1本の線材を屈曲させて両端をステント主線1に添わせると共にパイプ5を配置し、フック11,ステント主線1,パイプ5を同時にかしめることで、ループ2に一体的に取り付けられている。
【0050】
特に、フック11の端部であってステント主線1に添う部分に金メッキ或いは金箔を施工してX線不透過部6を形成しておくことが好ましい。この場合、X線不透過部6をパイプ5によって被覆することが可能である。またフック11をステント主線1に溶接接続した場合、溶接部位をパイプ5でかしめて補強することが可能である。
【0051】
上記の如く、本発明では、ステント主線1及び、又はストラットの変化した部位にパイプ3を配置することで補強することが可能であり、ループ2におけるX線不透過部6が形成されているストラット4,フック11等の固形体を接続する部位にパイプ5を配置することで接続し、且つ該固形体の表面を被覆して保護することが可能である。更に、ステント主線1に流状体8を収容したパイプ7を配置することで、体液に対して流状体8を溶解させることが可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明に係るステントでは、ステント主線及び、又はストラットの変化した部分にパイプを配置して固定することで、該変化したステント主線及び、又はストラットを補強することが出来る。特に、ステント主線の端部を溶接することによる熱影響で粒子が粗大化した部位等の部位にパイプを配置して固定することで、該パイプによって補強することが出来る。
【0053】
またステント主線,ストラットとは異なる要素としての固形物、例えばステント主線或いはストラットに形成したX線不透過部、に対向させてパイプを配置すると共に固定することで、該X線不透過部を構成するメッキや箔の脱落を防止することが出来、且つこれらの物質が脱落した場合であっても、血流に入り込むことがない。
【0054】
また異なる要素としての流動物、例えば血栓防止剤を含む液体,粉体等の薬剤を内部に封入したパイプをステント主線,ストラットに配置して固定することで、封入した薬剤を保持することが出来る。このため、パイプの所定位置に内部に貫通する孔を形成しておくことで、薬剤を浸透させることが出来る。
【0055】
上記の如く、パイプに補強機能、物体の流出防止機能、物体の浸透機能等を選択的に付与することで、多目的なステントを構成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】二つのループをストラットによって接続したステントを説明する図である。
【図2】ステント主線の変化としての溶接部の組織を説明する図である。
【図3】異なる要素の例としてのX線不透過部をパイプによって保護した状態を説明する図である。
【図4】異なる要素としての薬剤を封入したパイプを取り付けた状態を説明する図である。
【図5】異なる要素としてのフックをパイプによってステント主線に接続した状態を説明する図である。
【符号の説明】
A ステント
1 ステント主線
1a 溶接領域
1b,1c 領域
1d 頂部
2 ループ
3 パイプ
4 ストラット
5 パイプ
6 X線不透過部
7 パイプ
7a 穴
8 流状体
10 ガイドワイヤ
11 フック
12 グラフト
13 シース
14 ダイレーター
14a 切欠

Claims (2)

  1. ジグザグ状に成形したステント主線の端部を接合して形成したループと、当該ループを直列させて接続するストラットと、を有し、前記ループに於けるステント主線及び/又はストラットの変化した部分にパイプを配置して当該ステント主線に固定し、前記変化した部分は、ステント主線の端部どうし及び/又はステント主線とストラットの端部を溶接することによる熱影響部で粒子が粗大化した部位であることを特徴とするステント。
  2. 前記ステント主線の端部を対向させて溶接し、突き合わせた端面を中心とする、組織が粗大化した粒状となり強度が著しく低下した溶接領域、当該溶接領域に隣接し、多少の熱影響を受けて組織が粒状化し強度が低下した領域、当該強度が低下した領域に隣接し、溶接による熱影響を受けることのない領域、のうち、当該熱影響を受けることのない領域間を跨ぐことが可能な長さのパイプを配置し、当該パイプの両端部分をかしめることでステント主線に一体化させ、溶接による熱影響を受けた部位をパイプによって補強したことを特徴とする請求項1に記載のステント。
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