JP2008099995A - ステント及びステントグラフト - Google Patents

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Abstract

【課題】血管壁に対する密着性を向上できるステント及びステントグラフトを提供すること。
【解決手段】径が伸縮自在な略管状のステント20は、軸方向に関して所定幅Wを有するジグザグパターンで折曲されたワイヤ部材で輪状に形成され、互いに直列に配置された複数の環状ユニット21a〜21eと、これら環状ユニット21a〜21e同士を連結する連結部22a〜22dと、を備える。一端に配置された環状ユニット21aは、他端側へと内方に延出する所定長さLの延出部212を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、血管に生じた拡張性病変の治療に使用されるステント及びステントグラフトに関する。
人体の恒常性を保持するために血液の循環を保持する上で、その経路となる動脈系は常に高い血圧にさらされている。そのため、動脈硬化や炎症等に起因して、特に弾性動脈である大動脈領域においては、拡張性病変が発生しやすい。この拡張性病変は、最終的に血圧により破綻し、体内への大出血を引き起こす致命的な疾患である。
拡張性病変の治療方法として、近年、ステントと呼ばれる管状の固定器具を人工血管材料で被覆したステントグラフトを用い、血管内側から動脈瘤への血圧を遮断する方法が、患者に与える負担が小さいことから着目されている。
図6は、従来例に係るステントグラフト900の使用状態を示す図である。
従来使用されているステント910は、径が伸縮自在な略管状の形状であり、互いに直列に配置された複数の環状ユニット911と、これら環状ユニット同士を連結する連結部913と、を備える。環状ユニット911は、軸方向に関して所定幅を有する繰返しパターンで折曲されたワイヤ部材で、輪状に形成されている。このようなステント910がグラフト920で側面を被覆されることで、ステントグラフト900が構成される(例えば、特許文献1参照)。
ステントグラフト900は次のように使用される。
まず、ステントグラフト900を、シース930と呼ばれる鞘状部材に縮径して着脱可能に収容する。次に、シース930に設けられた図示しない操作部を介して操作することで、ステントグラフト900を血管内の患部に送達する。続いて、シース930を脱離させると、ステントグラフト900が展開(即ち、拡径)され、環状ユニット911が所定幅で血管壁に密着する。すると、環状ユニット911を覆うグラフト920が、患部(動脈瘤)への血圧を遮断するので、拡張性病変を治療できることとなる。
特開平3−151983号公報
しかしながら、前述したステント910には次のような問題があった。
シース930がステントグラフト900から脱離され始めると、シース930から部分的に解放されたワイヤ部材が、血流によって下流方向(図6における矢印方向)へと付勢され、血管壁500に対して大きい角度βをなして接触する(図6(a)参照)。すると、展開後のステントグラフト900は歪んで設置され、血管壁500に対する密着性が充分に得られない(図6(b)参照)。
このため、患部への設置後、血流等の影響でステント910が変形することで、設置位置がずれたり、グラフト920と血管壁500との間に間隙が生じ、この間隙を通じて血圧が患部へと印加されたり、といった事態が起こる場合がある。このような場合、拡張性病変を充分に治療することはできない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、血管壁に対する密着性を向上できるステント及びステントグラフトを提供することを目的とする。
本発明者らは、シースから解放された環状ユニットを構成するワイヤ部材の一部を延出させ、シース内に残すように設計することで、ワイヤ部材の血管壁に対する角度を低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 径が伸縮自在な略管状のステントであって、
軸方向に関して所定幅を有する繰返しパターンで折曲されたワイヤ部材で輪状に形成され、互いに直列に配置された複数の環状ユニットと、
前記環状ユニット同士を連結する連結部と、を備え、
少なくとも一端に配置された前記環状ユニットは、他端側へと内方に延出する所定長さの延出部を有するステント。
(1)の発明によれば、ステントは以下のように使用される。
まず、ステントの側面をグラフトで被覆した後、シースと呼ばれる鞘状部材に縮径して着脱可能に収容する。次に、シースを操作して、ステントグラフトを血管内の患部に送達する。続いて、シースを脱離させ始めると、一端に配置された環状ユニットがシースから解放される。
ここで、環状ユニットに設けられた延出部は、他端側へと内方に延出してシース内に残る。また、解放された環状ユニットと連結部を介して連結された環状ユニットも、シース内に残る。このため、シースから部分的に解放されたワイヤ部材は、連結部及び延出部に支持されるので、血流によって下流方向へと付勢されても、血管壁に対する角度の上昇が抑制される。
これにより、展開後のステントグラフトは血管壁に対して略平行に設置されるから、血管壁に対する密着性を向上できる。
ここで、所定幅は、ステントが留置される部位における血管の湾曲度、ワイヤ部材の強度等に応じて、適宜設定されてよい。即ち、血管壁の湾曲度が小さい場合、繰返しパターンの幅が大きい程、血管壁との接触面が広がり、ステントの姿勢を安定化できる。一方、血管の湾曲度が大きい場合、繰返しパターンの幅が小さい程、血管壁との非接触面を少なくでき、血管形状への追従性を向上できる。
また、所定長さは、ステントが留置される部位における血管の径、湾曲パターン等に応じて、適宜設定されてよい。
(2) 前記連結部及び前記延出部は、前記環状ユニットにおける各々の設置点を結ぶ図形の重心が、前記ステントの中心軸上となるように配置されている(1)記載のステント。
(2)の発明によれば、シースから部分的に解放されたワイヤ部材は、中心軸上の点が重心となるように設置された連結部及び延出部によって、バランス良く支持される。これにより、ワイヤ部材の血管壁に対する角度の上昇がより抑制されるので、血管壁に対する密着性をより向上できる。
なお、「図形」は、直線でも多角形でもよく、換言すれば、連結部及び延出部の設置点数は特に限定されない。
(3) 1つの前記環状ユニットに対して、前記連結部は2点に設けられている(2)記載のステント。
(3)の発明によれば、環状ユニット同士を2点で連結したので、環状ユニット同士の間における不測のねじれが抑制される。このため、予定通りの姿勢でステントグラフトを患部に設置できる。
また、この発明によれば、シースから部分的に解放されたワイヤ部材は、中心軸上の点が重心となるように設置された連結部及び延出部によって、3点以上で、よりバランス良く支持される。これにより、血管壁に対する密着性をより向上できる。
(4) 前記所定長さは、以下の数式1を満たす(1)から(3)いずれか記載のステント。
L≧R÷cosΘ・・・数式1
(式中、Lは所定長さ、Rは前記ステントが設置される部位における血管直径、Θは前記ワイヤ部材と血管壁とがなす角度として許容される最大の角度である。)
(5) Θは30°である(4)記載のステント。
(4)又は(5)の発明によれば、数式1を満たすように延出部の長さLを設定したので、この延出部で支持されたワイヤ部材と、血管壁とがなす角度は、許容される最大の角度Θを上回らないものとなる。従って、血管壁に対する密着性を所望のレベルにまで向上できる。
ここで、角度Θは、ステントの伸縮性(径方向及び軸方向)、ワイヤ部材の可撓性等に応じて適宜設定されてよいが、発明者の経験上、30°であることが好ましい。
(6) 前記延出部は、前記ステントの中心軸に向かって所定の幅を有する(1)から(5)いずれか記載のステント。
(6)の発明によれば、一端に配置された環状ユニットがシースから解放される際、所定の幅の延出部がシース内に残る。このため、延出部のよじれが抑制されるので、予定通りの姿勢でステントグラフトを患部に設置できる可能性を向上できる。
「所定の幅」は、任意部材で構成された全体形状の幅を指す。なお、「所定の幅」は、延出部の可撓性に応じて適宜設定されてよいが、線状のワイヤ部材が有するような幅を超え、意図的に付加された幅である。
(7) 前記延出部は、ワイヤ部材の両端が前記環状ユニットに接続されたループ状である(6)記載のステント。
(7)の発明によれば、ワイヤ部材の両端が環状ユニットに接続されているので、ワイヤ部材の端部が血管壁に刺さるといった事態を予防できる。
(8) (1)から(7)いずれか記載のステントと、このステントの側面を被覆するグラフトと、を備えるステントグラフト。
(8)の発明によれば、(1)から(7)の発明と同様の効果が得られる。
本発明によれば、一端に配置された環状ユニットがシースから解放された際、環状ユニットに設けられた延出部は、他端側へと内方に延出してシース内に残る。また、解放された環状ユニットと連結部を介して連結された環状ユニットも、シース内に残る。このため、シースから部分的に解放されたワイヤ部材は、連結部及び延出部に支持されるので、血流によって下流方向へと付勢されても、血管壁に対する角度の上昇が抑制される。これにより、展開後のステントグラフトは血管壁に対して平行に設置されるから、血管壁に対する密着性を向上できる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係るステント20の全体斜視図である。図2は図1の側面図であり、図3は図1の底面図である。
<ステント>
ステント20は全体として略管状であり、その直径rが伸縮自在である。このステント20は、互いに直列に配置された複数の環状ユニット21a〜21eと、互いに隣接する環状ユニット21a〜21e同士を連結する連結部22a〜22dと、を備える。
〔環状ユニット〕
環状ユニット21a〜21eは、輪状のワイヤ部材で形成され、このワイヤ部材は、軸方向AXに関して所定幅Hを有する繰返しパターンで折曲されている。この繰返しパターンは、略一定の間隔で位置する屈曲部211a〜211eにおいて、略一定の角度でワイヤ部材が屈曲されて形成されたジグザグパターンである。
屈曲部211a〜211eの各々の間に介在する介在部214a〜214eは、特に限定されないが、本実施形態では略直線状である。
幅Hは、大きすぎると、血管壁に対するステント20の追従性が悪化する一方、小さすぎると、ステント20の径拡張力が不充分となる。このようなことを踏まえつつ、幅Hは、ステント20が留置される部位における血管の湾曲度、ワイヤ部材の強度等に応じて、適宜設定されてよい。即ち、血管壁の湾曲度が小さい場合、幅Hが大きい程、血管壁との接触面が広がり、ステント20の姿勢を安定化できる。一方、血管の湾曲度が大きい場合、幅Hが小さい程、血管壁との非接触面を少なくでき、血管形状への追従性を向上できる。大動脈瘤の治療に使用される場合、幅Hは、7mm以上25mm以下であってよい。
また、直径rは、ステント20が留置される部位における血管径等に応じて適宜設定されてよい。大動脈瘤の治療に使用される場合、自然状態における直径rは、通常50mm以上60mm以下であってよい。
屈曲部211a〜211eの個数は、後述するようにステント20の中心軸CTの屈曲角度を精密に調整できるよう、適宜設定されてよい。例えば、V字構造(1個の屈曲部及びこの屈曲部を挟む2個の介在部をあわせた構造)の数は、環状ユニット21a〜21eの順に、交互に奇数、偶数となるように設定できる。これにより、ステント20が屈曲された際でも、隣接する環状ユニット21a〜21eは、対向するV字構造同士が接触することがないので、重なり合うことができる。よって、血管の湾曲度が大きい部位にも対応できることとなる。なお、V字構造の数は、7個以上12個以下であることが好ましい。
ワイヤ部材としては、特に限定されず、通常使用されている、SUS316L等のステンレス鋼、Ti−Ni合金等の超弾性合金、チタン、チタン合金、タンタル、タンタル合金、プラチナ、プラチナ合金、タングステン、タングステン合金等の金属で構成されていてよい。
また、これら金属で形成された環状ユニットは、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等の生体適合性高分子材料、この高分子材料にヘパリン、ウロキナーゼ等の生理活性物質が固定された材料、高分子材料にアルガトロバン、シラスタゾール、塩酸サルボグレラート等の抗血栓成分が混合された材料等で、表面が被覆されていてよい。
環状ユニット21a〜21eの製造方法としては、特に限定されず、例えば、線状のワイヤ部材の1箇所以上を、溶接、ロウ止め、かしめ等の公知の手法で接合することで、全体として環状とすればよい。
[延出部]
ステント20の一端に配置された環状ユニット21aは、他端側へと内方に延出する所定長さLの延出部212を有する。この延出部212は、線状のワイヤ部材の両端が環状ユニット21aの屈曲部211aに接続されたループ状である。また、延出部212は、ステント20の中心軸CTに向かって所定の幅Wを有する。この幅Wは、延出部212の強度に応じて、適宜設定されてよい。
延出部212の形状としては、特にループ状には限定されないが、延出部212が血管壁に刺さることを予防するため、尖部や角部のない曲線形状であることが好ましい。また、延出部212は、本実施形態では、線状のワイヤ部材で構成されているが、これに限定されず、幅Wの板状部材であってよい。
延出部212の設置位置としては、特に限定されないが、後述するようにバランス良く環状ユニット21aを支持できる点で、本実施形態のように屈曲部211aとすることが好ましい。また、延出部212の素材は、前述した環状ユニットと同様の素材であってよい。
本実施形態における延出部212の長さLは、以下の数式2を満たす。
L≧R÷cos30°・・・数式2
(式中、Rはステント20が設置される部位における血管直径である。)
延出部212の先端215は、環状ユニット21cと環状ユニット21dとの間に位置する。後述するように、20の中心軸CTは、環状ユニット21cと環状ユニット21dとの間で最も大きく屈曲し、使用時には環状ユニット21cと環状ユニット21dとの間の部分が、血管の屈曲度が最大の部位(通常、動脈瘤の発生部位)に設置されることとなる。即ち、延出部212は、血管の屈曲度が最大の部位に向けて延出することになる。
なお、本実施形態においては、延出部212が環状ユニット21aにのみ設けられているが、他の環状ユニット21b〜21e、とりわけ環状ユニット21aに隣接する環状ユニット21bにも設けられていてよい。これにより、環状ユニット21bは、後述するグラフト30に加え、延出部によっても支持されるので、血管壁に対する角度の上昇がより抑制される。
〔連結部〕
連結部22a〜22dは、ワイヤ部材で構成された直線状であり、環状ユニット21a〜21eの各々の間に2つずつ設けられている。環状ユニット21aにおける連結部22aの設置点である連結基点221は、延出部212の設置点である延出基点213から互いに等しい距離に位置する。これにより、連結基点221及び延出基点213を結ぶ図形は、重心がステント20の中心軸CT上にある二等辺三角形となる。
連結部22a〜22dは、本実施形態においては、介在部214a〜214eと略一直線状となるように、屈曲部211a〜211eに設けられている。ここで、これら連結部22a〜22eの各々は、屈曲部211a〜211eの1個以上(例えば、1個〜4個)をあけて設置される。
この点についてより詳しく説明すると、隣接する環状ユニット21a〜21eの軸同士がなす角度(即ち、ステント20の軸の屈曲角度)は、連結部22a〜22eの各々が挟む角度、即ち、屈曲部211a〜211eの数に比例して大きくなる。本実施形態では、具体的には、連結部22aは2個の屈曲部211a、211bを、連結部22bは2個の屈曲部211b、211cを、連結部22cは3個の屈曲部211c、211dを、連結部22dは2個の屈曲部211d、211eをあけて設置されており、それぞれの屈曲部211a〜211eの数に応じた角度でステント20の中心軸CTは屈曲することとなる。
また、連結部22a〜22dは、本実施形態では、すべて略等しい長さであるが、これに限定されない。連結部22a〜22dの長さは、ステント20の中心軸CTが所望の角度で屈曲するように適宜設定されてよい。
なお、連結部は、環状ユニット21a〜21e同士を連結する機能を有している限りにおいて、その構造は特に限定されない。即ち、本実施形態のように、環状ユニット21a〜21eに接合されたワイヤ部材で構成されていてもよいが、後述する環状ユニット21a〜21eに縫いとめられたグラフト30で構成されてもよい。この場合、グラフト30は連結部としても作用することになる。
その他、ステント20の所望の位置に、必要に応じて、X線不透過部や薬剤収容部を設けてもよい。これらの設置要領については、従来公知の通りでよい(例えば、WO03/097155号パンフレット参照)。また、ステント20の作製方法も、従来公知の方法でよい(例えば、WO03/097155号パンフレット参照)。
<グラフト>
図1〜3において破線で示されるグラフト30は、従来公知の材料、例えば、「ダクロン(登録商標)」等のポリエチレンテレフタレート繊維、ポリテトラフルオロエチレン等のフッソ樹脂製のフィルムといった合成樹脂で形成されてよい。
グラフト30内にステント20を挿入することで、ステントグラフト10が作製される。ここで、図4には示していないが、ステント20の直径rは、所定の割合で縮小されることとなる。例えば、自然状態における直径rが40mmのステントを30mmに縮径し、これを直径31mmのグラフト内に挿入できる。
<シース>
図4は、ステントグラフト10がシース40に装着された状態を示す図である。
シース40は柔軟な小径のチューブ状部材で構成され、このシース40の先端部分(図4における左側)にステントグラフト10が着脱可能に挿入される。このとき、ステント20は、環状ユニット21aがシース40の先端側となるように挿入されており、直径rが縮小され、軸方向に伸長されている。
シース40には図示しない操作部に接続されるとともに、シース40の内部には、ステントグラフト10よりも基端側に、図示しない拡径可能なダイレータが収容されている。これにより、外部で操作部を操作してシースを血管内で移動させ、所定位置でダイレータを拡径することで、シースが血管壁に密着する。このような操作部及びダイレータの設置及び使用の要領は、従来公知の通りでよい(例えば、特開2006−130064号公報参照)。ここで、シース40、このシース40に着脱可能に収容されたステントグラフト10、操作部等を備えるセットを、デリバリーシステム11とする。
環状ユニット21a〜21e間のグラフト30は、連結部22a〜22dの間の空間に格納されている。これにより、血管内でステントグラフト10が展開された際、格納されたグラフト30が空間から解放され、血管壁に密着する。ここで、グラフト30が空間に格納されていないと、展開後、血管の湾曲部位におけるグラフト30の長さが不足するため、グラフト30が血管壁から離間し、充分に密着できないおそれがある。
<使用方法>
図5は、ステントグラフト10の使用状態を示す図である。この図5を参照しながら、ステントグラフト10の使用方法を説明する。
まず、デリバリーシステム11を環状ユニット21a側から毛細血管側の血管内に侵入させ、外部の操作部を操ることで、患部へと移動させる。移動は、必要に応じて、ステントX線撮像装置からの画像で、ステントグラフト10の位置を確認しながら行う。
続いて、ステントグラフト10を患部(例えば、動脈瘤の発生部位)が到達すると、連結基点221が大湾側(湾曲部の外側、図5における上側)、延出基点213が小湾側(湾曲部の内側、図5における下側)になる状態で、ダイレータを拡径させる。すると、ダイレータ周囲のシースが血管壁に密着し、ステント20の位置が患部に固定される。この状態で、シース40を基端側(外部側)へと引っ張ると、ステントグラフト10は先端側からシース40から順次解放される。
図5(a)は、ステントグラフト10の初期解放状態を示す図であり、具体的には、環状ユニット21aの一部がシース40から解放されている。このとき、環状ユニット21aに設けられた延出部212は、先端215がシース40内に残り、シース40の端部に係止される。このため、シース40の端部を支点、延出基点213を作用点として、環状ユニット21aが大湾側に付勢されている。
次に、シース40を外部側へと更に引っ張ると、図5(b)、(c)に示されるように、環状ユニット21a、21bが、順次、シース40から解放される。このとき、環状ユニット21aは、拡径しているが、図5(a)と同様に、延出部212によって大湾側に付勢される。このため、環状ユニット21aを構成するワイヤ部材の血管壁500に対する角度αの上昇が抑制されている。
やがて、シース40をステントグラフト10から完全に脱離すると、図5(d)に示されるように、ステントグラフト10は歪むことなく完全に展開し、血管壁500に密着する。これにより、動脈瘤への血流は、グラフト30で阻害されることになる。
<効果>
本実施形態に係るステントグラフト10によれば、以下のような作用効果が得られる。
(1)一端に配置された環状ユニット21aがシース40から解放された際、環状ユニット21aに設けられた延出部212は、他端側へと内方に延出してシース40内に残る。また、環状ユニット21aと連結部22aを介して連結された環状ユニット21bも、シース内に残る。このため、シース40から部分的に解放されたワイヤ部材は、連結部22a及び延出部212に支持されるので、血流によって下流方向(図5における矢印方向)へと付勢されても、血管壁500に対する角度αの上昇が抑制される(図6におけるβと比較されたい)。これにより、展開後のステントグラフト10は血管壁500に対して平行に設置されるから、血管壁500に対する密着性を向上できる。
(2)シース40から部分的に解放されたワイヤ部材は、中心軸CT上の点が重心となるように設置された連結部22a及び延出部212によって、バランス良く支持される。これにより、ワイヤ部材の血管壁500に対する角度の上昇がより抑制されるので、血管壁500に対する密着性をより向上できる。
(3)隣接する環状ユニット21a〜21e同士を2点で連結したので、環状ユニット21a〜21e同士の間における不測のねじれが抑制される。このため、予定通りの姿勢でステントグラフト10を患部に設置できる。
また、シース40から部分的に解放されたワイヤ部材は、中心軸CT上の点が重心となるように設置された連結部22a及び延出部212によって、よりバランス良く3点支持される。これにより、血管壁500に対する密着性をより向上できる。
(4)数式2を満たすように延出部212の長さLを設定したので、この延出部212で支持されたワイヤ部材と、血管壁500とがなす角度αは30°を上回らないものとなる。従って、ステントグラフト10が大きく歪むことなく展開されるため、血管壁500に対する密着性を所望のレベルにまで向上できる。
(5)一端に配置された環状ユニット21aがシース40から解放される際、所定の幅Wの延出部212がシース40内に残る。このため、延出部212のよじれが抑制されるので、予定通りの姿勢でステントグラフト10を患部に設置できる可能性を向上できる。
(6)延出部212を構成するワイヤ部材の両端が環状ユニット21aに接続されているので、ワイヤ部材の端部が血管壁500に刺さるといった事態を予防できる。
本発明の一実施形態に係るステントグラフトの全体斜視図である。 図1の側面図である。 図1の底面図である。 前記実施形態に係るステントグラフトがシースに装着された状態を示す図である。 前記実施形態に係るステントグラフトの使用状態を示す図である。 従来例に係るステントグラフトの使用状態を示す図である。
符号の説明
10 ステントグラフト
20 ステント
21a〜21e 環状ユニット
22a〜22d 連結部
30 グラフト
40 シース
211a〜221e 屈曲部
212 延出部
214a〜214e 介在部

Claims (8)

  1. 径が伸縮自在な略管状のステントであって、
    軸方向に関して所定幅を有する繰返しパターンで折曲されたワイヤ部材で輪状に形成され、互いに直列に配置された複数の環状ユニットと、
    前記環状ユニット同士を連結する連結部と、を備え、
    少なくとも一端に配置された前記環状ユニットは、他端側へと内方に延出する所定長さの延出部を有するステント。
  2. 前記連結部及び前記延出部は、前記環状ユニットにおける各々の設置点を結ぶ図形の重心が、前記ステントの中心軸上となるように配置されている請求項1記載のステント。
  3. 1つの前記環状ユニットに対して、前記連結部は2点に設けられている請求項2記載のステント。
  4. 前記所定長さは、以下の数式1を満たす請求項1から3いずれか記載のステント。
    L≧R÷cosΘ・・・数式1
    (式中、Lは所定長さ、Rは前記ステントが設置される部位における血管直径、Θは前記ワイヤ部材と血管壁とがなす角度として許容される最大の角度である。)
  5. Θは30°である請求項4記載のステント。
  6. 前記延出部は、前記ステントの中心軸に向かって所定の幅を有する請求項1から5いずれか記載のステント。
  7. 前記延出部は、ワイヤ部材の両端が前記環状ユニットに接続されたループ状である請求項6記載のステント。
  8. 請求項1から7いずれか記載のステントと、このステントの側面を被覆するグラフトと、を備えるステントグラフト。
JP2006286769A 2006-10-20 2006-10-20 ステント及びステントグラフト Pending JP2008099995A (ja)

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