JP4298040B2 - 電源装置及びこれを用いた磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、磁場発生等に用いられる電源装置及びこれを用いた磁気共鳴イメージング装置に係わり、特にその大電力、高精度を要求される静磁場、傾斜磁場、高周波磁場の発生に必要な各種電源に好適な電源装置及びこれを用いた磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)に関する。
【0002】
【従来の技術】
MRI装置は、静磁場中に置かれた検査対象に高周波磁場をパルス状に印加し、検査対象から発生する核磁気共鳴信号を検出し、この検出信号をもとにスペクトルや画像を再構成するものであり、MRI装置には磁場発生コイルとして静磁場を発生する超電導或いは常電導コイル、静磁場に重畳される傾斜磁場を発生するための傾斜磁場コイル、さらに高周波磁場を発生するための高周波コイルが備えられている。これら磁場発生コイルは所定の磁場強度の磁場を発生するために印加電流の大きさとタイミングを制御するための電源装置を備えている。このようなMRI装置では、静磁場や傾斜磁場や高周波磁場の磁場強度が最終的に得られる画像上のノイズや撮像時間に大きく影響し、短時間で診断に有用な画像を得るためにはMRI装置の磁場電源として高精度の大電流電源が必要となっている。これは、傾斜磁場の場合、この傾斜磁場発生コイルに流す電流は最大400A程度に達し、更にその精度は0.4mA程度を要求される。これを単純に計算すると、1/1,000,000の精度(ディジタルのビット数で20ビット)が要求される。
【0003】
このように、磁場電源装置にはますます高精度のものが要求され、特に磁場発生コイルに流れる電流の時間的変化などが画質に悪影響を与えないようにする必要がある。
このような要求に対して、以下のような(1),(2)を行っている。
【0004】
(1)大電流化
図7に従来の磁気共鳴イメージング装置における静磁場発生用や傾斜磁場発生用などの磁場発生用の電源装置として、特にここでは傾斜磁場発生用の電源装置を例にその構成を示す。
1’は傾斜磁場電源装置、2は負荷である傾斜磁場コイル、3は傾斜磁場コイルに電流を流すための電流指令値を傾斜磁場電源装置に出力するシーケンサを示す。傾斜磁場コイル2はX,Y,Z軸用の傾斜磁場を発生させるためのコイル21,22,23から構成される。
傾斜磁場電源装置1’は、スイッチング電源を用いた電流アンプ11〜13から構成され、シーケンサ3からの目標電流値と等しい電流を傾斜磁場コイル2のX,Y,Z軸用の傾斜磁場を発生させるためのコイル21,22,23に供給する。
【0005】
図8は前記傾斜磁場電源装置のスイッチング電源を用いた電流アンプの一例である。
電流アンプ11は、傾斜磁場コイル21に流れる電流を検出する電流検出器41と、この電流検出器41からの検出電流値とシーケンサ3からの目標電流値を入力し、前記傾斜磁場コイルに流れる電流と目標電流値とが一致するようにスイッチング電源30への指令電圧を出力するフィードバック制御回路42と、この指令電圧をパルス幅変調(PWM)信号に変換し、前記スイッチング電源30のスイッチング素子をオン,オフ動作させる信号を作成するPWM発生回路43’と、このPWM発生回路43’の出力信号を入力し、前記傾斜磁場コイルに電流を供給するスイッチング電源30とから構成される。
【0006】
スイッチング電源30は、直流電源39と、フルブリッジ構成のスイッチング素子、ここでは電界効果型トランジスタ(MOSFET)31〜34と(MOSFET31〜34と逆並列に接続されたダイオードも含む)、これらのスイッチング素子で構成された電力変換回路の出力電圧を平滑し、傾斜磁場コイルに流す電流のリップル電流を低減させるためのリアクトル35,36とコンデンサ37,38によって構成される。このような構成の傾斜磁場電源装置の大電流化を図る場合は、特開平8−211139号公報に開示されているように、図8のスイッチング電源を複数組並列に接続する等の方法をとっている。
【0007】
(2)高精度化
図8に示した傾斜磁場コイル電流の制御は、電流検出器41により実際の電流を検出し、この実際の電流値がシーケンサ3から出力される目標電流値に一致するようにフィードバック制御回路42で電流フィードバック制御行うが、従来はこれをアナログ式のフィードバック制御回路を用いて行っていた。このため、前記アナログフィードバック制御回路を構成する抵抗やコンデンサ、演算増幅器等の部品の温度変化による特性変化の影響を受けて傾斜磁場電流が変動し、所定の精度が得られないという問題があった。
【0008】
そこで、最近では温度の影響を受けないディジタルフィードバック制御技術を取り入れて、傾斜磁場コイル電流の時間的変化を抑えるようにしている。上記したように、傾斜磁場発生コイルに流れる電流は最大400A程度に達し、更にその精度は0.4mA程度を要求されるので、この1/1,000,000の精度、すなわちディジタルのビット数で20ビットの精度が得られるマイクロコンピュータのハードウェアを構成する。このようなディジタル演算が可能なマイクロコンピュータと、傾斜磁場コイルに流れる実際の電流を検出する電流検出器と、この検出値をディジタル値に変換するA/D変換器と、このA/D変換器の出力と前記傾斜磁場コイルの目標電流値とを一致させるための制御量を演算する演算手段と、この演算手段のディジタル値をアナログ値に変換するD/A変換器とでディジタルフィードバック制御回路を構成し、前記D/A変換器で変換されたアナログ値を図8のPWM発生回路に入力する方法である。このように構成されたディジタルフィードバック制御回路は、A/D変換器の出力からD/A変換器の入力まで、傾斜磁場コイル電流のフィードバック制御系の制御ゲインや応答などの制御定数は全てディジタル値で設定されるので、上記のアナログフィードバック制御方式よりも温度の影響が少なく、安定した出力が得られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図8に示したように、従来のスイッチング電源を用いた傾斜磁場電源装置は、前記スイッチング電源の出力をリアクトルとコンデンサ等からなる平滑回路で平滑して、できるだけ出力電流(傾斜磁場コイル電流)のリップルを低減し、このリップルによって画像にノイズが含まないようにする必要がある。
【0010】
この出力電流のリップルを低減するためには、スイッチング電源のスイッチング周波数を高くすれば良いが、該スイッチング電源に用いるスイッチング素子のスイッチング速度の点から限界があり、図8で用いている電界効果型トランジスタ(MOSFET)31〜34では200KHZ程度、前記電界効果型トランジスタ(MOSFET)よりも許容通電電流の大きい絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)を用いた場合は20KHZ程度であるためにいくらかの電流リップルは存在する。このようなスイッチング周波数でスイッチング電源を動作させても、前記電流リップルによって画像にノイズが混入しないように、前記平滑回路定数やディジタルフィードバック制御系を最適化している。
【0011】
しかしながら、これらの平滑回路定数やディジタルフィードバック制御系を最適化してもスイッチング時のノイズが電流ノイズとして現れる。
この電流ノイズは、直接画像ノイズに悪影響を及ぼすことは少ないが、前記スイッチングノイズには複数の周波数成分が混在し、これらの異なる複数の周波数ノイズが重なることによる低周波モアレなどの発生により画像ノイズを増大させる。
【0012】
また、図7に示したX,Y,Zの3軸の傾斜磁場コイルに電流を供給するスイッチング電源は、それぞれ独自のクロック周波数で動作しており、前記3軸間の同期が取れていない。
このため、それぞれに正確な発振回路によるクロック周波数で動作していたとしても、前記3軸のスイッチング位相のみならずスイッチング周波数の微妙なずれを生じてしまう。このようなスイッチング位相の微妙なずれによって、スイッチングノイズによる影響が他のチャンネルの電流ノイズに影響を与える。
【0013】
この位相のずれはスイッチング周波数のずれとも関連して、いつも一定ではないため、その影響が出るときと出ないときにばらつきが生じ、画像を取る度にノイズレベルの異なる画像となり、診断に支障をきたすと共にFunctional Imagingのように画像の差分を取るような撮像法においては、画像ノイズを一層増大させる。
【0014】
また、上記スイッチング周波数のずれは、その差によって低周波のノイズを発生し、この低周波ノイズは画像ノイズに大きな影響を与える。
さらに、特開平8−211139号公報に開示されているように、スイッチング電源を複数組並列に接続して傾斜磁場コイル電流の大電流化を図る場合、前記並列接続のスイッチング電源間に生じるわずかな位相ずれが出力電流のリップル増大の大きな要因となる。
【0015】
この場合に出力電流に現われるリップル周波数はスイッチング周波数と等しく、これが直接画像ノイズに影響することは少ないが、前記リップルが増えると全体の電流ノイズレベルが上昇し、画像ノイズの原因となる。したがって、スイッチング電源の並列化を行う場合は、並列化したスイッチング電源間の動作位相のずれによって生じる出力電流のリップルが画像に影響しないようにしなければならない。
【0016】
さらにまた、磁場コイルを分割し、磁場電源装置の並列化を行う場合、該磁場電源装置間の位相のずれは、出力電流リップルの増大に繋がることは少ないが、発生する磁場にノイズがのることは考えられる。例えば、傾斜磁場コイルのZ軸コイルの場合、位相のそろった電流ノイズがある場合は、磁場のオフセット方向に磁場ノイズが発生するが、位相の逆転した電流ノイズがある場合は、磁場の傾斜方向に磁場ノイズが発生する可能性が考えられる。
【0017】
そこで、本発明は、磁場電源装置の電流アンプにスイッチング電源を用いても、低周波ノイズの少ない電源装置を提供し、この電源装置を用いて画像ノイズの少ない磁気共鳴イメージング装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、複数のスイッチング電源を有する電源装置において、前記複数のスイッチング電源を同期動作させるための同期手段を設けることによって達成される。
この同期手段は、前記複数のスイッチング電源のスイッチング動作周波数やこのスイッチング動作周波数を決める信号等との同期をとる手段である。
このように構成することによって、複数のスイッチング電源間の動作位相がずれることによって生じる負荷に流れる電流の前記スイッチング周波数よりも低い周波数のリップルを低減することができる。
【0019】
また、本発明は、上記電源装置を磁気共鳴イメージング装置の磁場発生用の電源装置として用いるものである。上記のような負荷に流れる電流の低周波リップルの小さい電源装置を磁気共鳴イメージング装置の磁場発生用の電源装置、例えば傾斜磁場コイルに電流を供給する傾斜磁場電源装置に用いることによって、前記複数のスイッチングのスイッチング周波数のずれによって生じるX,Y,Z軸間のスイッチングノイズによる影響を少なくすることができ、これによって画像に現れる低周波ノイズが抑制されて高画質の画像とすることができる。
【0020】
また、上記傾斜磁場コイルの大電流化を図るためのスイッチング電源の並列化や、前記大電流化と前記傾斜磁場コイル電流の立ち上がり時間の高速化のための前記スイッチング電源の直列化や直並列化時にも前記複数のスイッチング電源を同期動作させる方法をとることによって、前記複数のスイッチング電源間の位相ずれによって生じるMRI画像に現れる低周波ノイズを低減することができる。
【0021】
さらにまた、商用の交流電源電圧を整流し、この電圧からスイッチング電源を介して前記複数のスイッチング電源の直流電源を得る場合にも、上記の同期動作を行わせることによって低周波ノイズを低減することができる。この場合の同期は前記交流電源電圧との同期をとる方法が有効である。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1に本発明による磁気共鳴イメージング装置における静磁場発生用や傾斜磁場発生用などの磁場発生用の電源装置として、特にここでは傾斜磁場発生用の電源装置を例にその第1の実施例の構成を示す。1は傾斜磁場電源装置、2は負荷である傾斜磁場コイル、3は傾斜磁場コイルに流すべき電流値(目標電流値)を傾斜磁場電源装置に与えるためのシーケンサを示す。傾斜磁場コイル2は、X,Y,Z軸用のコイル21,22,23から構成される。
【0023】
傾斜磁場電源装置1は、それぞれのコイルに対して図4に示した従来と同じスイッチング電源を用いた電流アンプ11,12,13を配し、前記傾斜磁場コイル21,22,23に電流を供給する。 これらの電流アンプ11,12,13は、同期手段10に接続され、それぞれの電流アンプが同期して動作するようになっている。
【0024】
図2にX軸の傾斜磁場コイル21に電流を供給する電流アンプ11について、この電流アンプのスイッチング電源30のスイッチング周波数に同期して動作させる回路構成を示す。
【0025】
電流アンプ11は、傾斜磁場コイル21に流れる電流を検出する電流検出器41と、この電流検出器41からの検出電流値とシーケンサ3からの目標電流値を入力し、傾斜磁場コイルに流れる電流値と目標電流値とが一致するようにスイッチング電源30への指令電圧を出力するディジタルフィードバック制御回路42と、この指令電圧を同期手段10からの同期信号に同期したPWM信号に変換し、前記スイッチング電源30のスイッチング素子をオン、オフ動作させるPWM発生回路43と、このPWM発生回路43からの出力信号を入力し前記傾斜磁場コイル21に電流を供給するスイッチング電源30とから構成される。
【0026】
PWM発生回路43は、アナログ回路で構成した例であり、この回路は図3に示すタイミングチャートに基づいて動作する。図3において、同期信号cを同期PWM発生回路43に入力してこの信号cの立ち上がりエッジで微分パルスdを得る。この微分パルスdで前記同期PWM発生回路43で作成されるスイッチング周波数信号(図示省略)に同期した鋸波状波eをリセットする。この鋸波状波eとディジタルフィードバック制御回路42で生成した指令値fとを比較し、指令値f>鋸波状波eのときにPWM信号gを出力して、このPWM信号gをスイッチング電源のスイッチング素子を駆動する信号に増幅して(図示省略)、前記スイッチング素子を駆動制御する。
【0027】
このように、PWM発生回路43からの出力信号は、同期手段10からの同期信号に同期し、前記同期信号は前記スイッチング電源30のスイッチング周波数に同期するように設定しているので、電流アンプ11のスイッチング電源は前記同期信号に同期して動作することになる。
【0028】
このようなスイッチング電源の同期動作を他の傾斜磁場コイル22,23に電流を供給する電流アンプにも適用するもので、同期手段10からの同期信号を傾斜磁場コイル22,23の電流アンプ12、13のPWM発生回路にも入力して、前記電流アンプ12,13のスイッチング電源への指令電圧を前記同期手段10からの同期信号に同期させて前記スイッチング電源を駆動する。これによって、電流アンプ12,13のスイッチング電源も前記同期信号に同期して動作することになる。
【0029】
このように、X,Y,Z軸用の傾斜磁場コイルに接続された3つの電流アンプのスイッチング電源を同一の同期信号に同期して動作させることによって、前記X,Y,Z軸用の電流アンプを構成するスイッチング電源を同一のタイミングで駆動できるので、前記3軸のコイルに流れる3軸間の位相ずれによって生じる傾斜磁場コイル電流のリップル及びスイッチング電源自身が発生するノイズの同期がとれる。
【0030】
次に同期させた場合の効果について述べる。
MRI装置は主に水素原子のNMR信号を検出して画像化している。このNMR信号の共鳴周波数は、静磁場強度が1.5Tの場合は63.8MHz、0.3Tの場合は12.7MHzである。
このように、磁場中の水素原子は、これらの周波数の電波エネルギーを吸収、放出する。RFパルス、受信コイルで受信する信号も、これらの周波数の信号であるため、この周波数のノイズには敏感である。
【0031】
特に、低周波のノイズは、画像を構成する際、64〜256回の傾斜磁場パルスを、数ミリ秒から数秒の間隔を置いて照射して画像を構成するため、各々のパルスに違いがあると、画像ノイズとして現れる。Functional Imagingの様に画像の差分を取るような撮像法においてはさらに低周波(1Hz以下)のノイズも問題となる。
このように、NMR信号の共鳴周波数と同じ周波数のノイズは画像に影響しやすく、また、500Hz以下の低周波ノイズの影響も受けやすい。そこで、スイッチング電源の周波数としては、それらの周波数を避け20kHz〜200kHzでのスイッチングを行っている。
【0032】
ところが、複数のスイッチング電源を非同期で動作させると、これらのスイッチング電源のスイッチング周期のわずかな差が低周波ノイズとして現れ、またその低周波ノイズの現われかたや周波数が変動し、このノイズによって再現性のないノイズの多い画像が生成され、診断に支障をきたすことになる。
このようなノイズを低減し、診断に影響しない画像とするためには、X,Y,Z軸のスイッチング電源の同期動作が不可欠である。
【0033】
図4に図1に示す傾斜磁場電源装置の電流アンプを大電流用に対応したものに上記同期方法を適用した本発明の第2の実施例を示す。ただし、この例ではPWM信号をディジタル回路で発生させる場合について示している。
【0034】
電流アンプは近年大電流化が求められ、例えば特開平8−211139号公報に開示されているように、スイッチング電源を並列に接続して大電流化を図っている。ここではX軸用傾斜磁場コイル21の電流アンプ11”に4組のスイッチング電源30a〜30dを並列接続して大電流化を図った例を示す。
【0035】
42’は、電流検出器41からの検出電流値とシーケンサ3からの目標電流値を入力し、傾斜磁場コイルに流れる電流値と目標電流値とが一致するようにスイッチング電源30a〜30dへの指令電圧を出力するディジタルフィードバック制御回路である。
【0036】
43”a〜43”'dは、1個の10bitカウンター(10-bit counter)と、ディジタルフィードバック制御回路42’の出力を一時的に保持するフリップ・フロップ回路等で構成されたバッファ(Buffer)回路と、前記10-bit counterとBufferの出力とを比較する比較回路(Conparator)とで構成され、同期手段10からの同期信号に同期したPWM波形を出力する同期PWM発生回路である。同期PWM発生回路43”aの出力信号は、スイッチング電源30aに、同期PWM発生回路43”bの出力信号はスイッチング電源30bに、同期PWM発生回路43”cの出力信号はスイッチング電源30cに、同期PWM発生回路43”dの出力信号はスイッチング電源30dに入力する。上記同期手段10からの同期信号は、スイッチング電源のスイッチング周期、このスイッチング電源を制御する制御CPUの動作周期等の同期をとるためのこれらの定数倍または定数分の一、商用電源周波数などのうちのひとつ或いは複数の同期クロック信号である。この同期信号は、水晶発振子や商用電源から生成し、ツイストペア線や光ケーブルを通じて各電流アンプに送り、該同期信号はそのままかあるいは分周器やPhase Looked Loop(PLL)等を用いて波形整形し、スイッチング周波数や制御CPUの同期に用いる。
【0037】
スイッチング周期に同期させる場合は、その同期信号のエッジによってカウンタをクリアしたり(図4の43”a〜43”d)、同期PWM発生回路の鋸波のリセット(図2の43)を行う。
CPUの同期をとる場合は、該同期信号からCPU動作クロックを生成する。
このような同期信号で同期を取ることにより、X,Y,Zの3軸の出力電流間や並列化した場合の出力電流の位相ずれや周波数ずれは無くなり、上記の問題に起因する画像ノイズやその変動はなくなる。
【0038】
図5に、図4の同期PWM発生回路43”aの各部の入出力信号のタイミングチャート図を示す。同期手段10からの同期信号aを同期PWM発生回路43”aの10-bit counterに入力し、該同期信号aを分周して鋸波状の信号bを得る。この鋸波状信号bとバッファに保持されたディジタルフィードバック制御回路42’の出力信号とを比較回路(Conparator)で比較してPWM信号を出力し、この信号を所定の値に増幅してスイッチング電源のスイッチ素子を駆動制御する。
【0039】
図6に、図1の傾斜磁場コイル2を2’と2”の2つに分割して、これらの分割した傾斜磁場コイル21’,22’,23’と21”,22”,23”に第1の傾斜磁場電源装置1aと第2の傾斜磁場電源装置1bから前記傾斜磁場コイルに電流を供給する本発明の第三の実施例を示す。
【0040】
この実施例は、それぞれの傾斜磁場電源装置1aと1bに対して同一の同期手段10からの同期信号によって該傾斜磁場電源装置のスイッチング電源の同期動作を図るものである。
また、前記傾斜磁場電源装置の電流アンプの直流電源50にスイッチング電源を用いた場合、このスイッチング電源を用いた直流電源50にも同期信号を入力し、前記電流アンプのスイッチング電源と前記直流電源50のスイッチング電源の同期をとってこれらのスイッチング電源を動作させてノイズ低減を図ることも可能である。
【0041】
さらに、上記傾斜磁場電源装置が商用交流電源4、この例では商用三相交流電源に接続されている場合、この交流電源の相を検出する相検出手段51を設け、該相検出手段51の出力を同期手段10に入力して前記交流電源電圧との同期をとることにより、より低周波ノイズを低減することもできる。
なお、上記電源装置は、出力電流の大電流化を図るために複数のスイッチング電源を並列に接続した場合の例について説明したが、これに限定するものではなく、複数のスイッチング電源を直列及び直並列に接続した場合についても前記複数のスイッチング電源を同期動作させることによって低周波ノイズの低減を図ることができる。
【0042】
前記複数のスイッチング電源を直列接続したものは、その出力電圧を高くすることができるので、出力電流の立ち上がり時間を高速にすることができ、また、直並列に接続したものは、出力電圧を高くして出力電流の立ち上がり時間を高速にすると共に出力電流の大電流化を図ることができるという効果がある。
【0043】
【発明の効果】
以上に説明したように、複数のスイッチング電源を有する電源装置に該複数のスイッチング電源を同期動作させるための同期手段を設けることにより、低周波ノイズを抑制することができ、前記電源装置を磁気共鳴イメージング装置の磁場発生用電源装置に用いることによって、画像ノイズの少ない高画質の磁気共鳴イメージング装置が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電源装置を磁気共鳴イメージング装置の傾斜磁場電源装置に用いた第1の実施例である。
【図2】図1の電源装置の電流アンプにスイッチング電源を用いた回路構成図である。
【図3】磁気共鳴イメージング装置における従来の傾斜磁場発生用電源装置の回路構成図である。
【図4】図3の従来の傾斜磁場発生用電源装置の電流アンプにスイッチング電源を用いた回路構成図である。
【図5】図1に示す傾斜磁場電源装置の電流アンプを大電流用に対応したものに同期方法を適用した本発明の第2の実施例を示す図である。
【図6】図5の同期PWM発生回路の各部の入出力信号のタイミングチャートを示す図である。
【図7】同期PWM発生回路の各部の入出力信号のタイミングチャートを示す図である。
【図8】図1の傾斜磁場コイル2を分割した傾斜磁場コイルに第1の傾斜磁場電源装置と第2の傾斜磁場電源装置から前記傾斜磁場コイルに電流を供給する本発明の第三の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1,1’,1a,1b 傾斜磁場電源装置
2,21,22,23,2’,21’,22’,23’,2”,21”,22”,23” 傾斜磁場コイル
3 シーケンサ
4 商用三相交流電源
10 同期手段
11,12,13 電流アンプ
30,30a〜d スイッチング電源
41 電流検出器
42,42’ フィードバック制御回路
43,43”a〜43”d 同期PWM発生回路
50 直流電源
51 相検出手段
Claims (1)
- 複数種類の傾斜磁場を発生させるための複数の傾斜磁場コイルと、前記複数の傾斜磁場コイルにそれぞれ対応させた複数のスイッチング電源を有する電源装置と、前記複数のスイッチング電源を同期動作させるための同期手段を備えた磁気共鳴イメージング装置において、前記同期手段は1個備えられ、該1個が前記複数のスイッチング電源それぞれに接続して備えられ、前記複数のスイッチング電源は前記1個の同期手段からの制御信号に同期して動作されることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置であって、
前記スイッチング電源は、前記傾斜磁場コイル1種類毎に複数組並列接続されて、前記1個の同期手段は、前記複数の傾斜磁場コイルそれぞれ及び、前記傾斜磁場コイル1種類毎に複数組並列接続されたそれぞれのすべてのスイッチング電源に接続されていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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