JP4297975B2 - クライオポンプのパージおよび低真空化による再生方法、クライオポンプおよび制御装置 - Google Patents

クライオポンプのパージおよび低真空化による再生方法、クライオポンプおよび制御装置 Download PDF

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Description

発明の背景
現在利用されているクライオゼニック真空ポンプ、別名クライオポンプは、一般的な設計原理に基づくものである。通常4から25Kの範囲で作動する低温アレイが、主ポンプ面である。この面が通常60から130Kの温度範囲で運転される高温輻射シールドに囲まれることにより、低温アレイは外部からの輻射が遮蔽されている。上記の輻射シールドは一般にハウジングを備え、主ポンプ面と減圧すべきワークチャンバとの間に位置する正面アレイを除いて、このハウジングは密閉された構造を持つ。
上記のクライオポンプの動作に当たっては、水蒸気のような高沸点ガスは正面アレイ上で凝縮する。これに対し、低沸点ガスは正面アレイを通過して輻射シールドの中の空間に入り、低温アレイ上で凝縮する。低温アレイの温度以下の温度で機能する木炭、又は分子ふるい(モレキュラーシーブmolecular sieve)のような吸着剤でコートされた表面も又、この空間内に設けられることにより、水素のような沸点の極めて低いガスを取り除くことが出来る。ガスがこの様に凝縮し、および/又はポンピング表面に吸着されることによりワークチャンバの中は真空にされる。
閉回路クーラーにより冷却されるシステム内ではクーラーは通常2段式冷凍機であり、その内の低温フィンガーは輻射シールドの背面又は側面に沿って延びている。クライオクーラーには、一般には高圧ヘリウム冷媒がコンプレッサアセンブリからの高圧ラインを通して送り込まれる。クーラーのディスプレーサの駆動用モータへの電力も、通常、コンプレッサ、又はコントローラアセンブリを通して供給される。
クライオクーラーの最も温度の低い第2の段の低温端は低温フィンガーの先端部に位置する。主ポンプ面、別名クライオパネルは、低温フィンガーの第2の段の最低温端においてヒートシンクに接続されている。このクライオパネルは第2の段のヒートシンクの周りに設けられて、それに接続されている単なる金属プレート、又はカップ、又は金属バッフルのアレイを用いることが出来る。この第2の段のクライオパネルも、又低温吸着剤を支持する。
輻射シールドは冷凍機の第1の段の最低温端においてヒートシンク、又はヒートステーションに接続される。シールドは第2の段のクライオパネルを取り囲んでこれを輻射熱から守る。正面アレイは輻射シールドへ取り付けることにより、又は米国特許第4,356,810号に開示されているようにサーマルストラットを通して第1の段のヒートシンクにより冷却される。
数日又は数週間の使用後、クライオパネル上に凝縮したガスおよび特に吸着されたガスはクライオポンプを飽和させ始める。再生手順が実施されることにより、クライオポンプを昇温させてガスを放出し、システムからガスを除去しなければならない。ガスが蒸発するにつれてクライオポンプの中の圧力は上昇し、ガスはレリーフバルブを通して排出される。再生中クライオポンプはしばしば暖かい窒素ガスを用いてパージされる。窒素ガスはクライオパネルの昇温を加速し、又クライオポンプから水蒸気および他の気体をフラッシュするのに役立つ。一般にパージガスに窒素が用いられるのは、それが比較的不活性であり、又水蒸気を一切含まないことによる。窒素ガスは通常ボンベから供給ラインおよびクライオポンプに接続されたパージバルブを通じて供給される。
クライオポンプがパージされた後には低真空排気(rough pump)されることにより、クライオポンプ面と低温フィンガーの周りを真空にすることになり、ガス伝導による伝熱作用は抑制され、従ってクライオクーラーは正常な動作温度に冷却される。低真空化用ポンプ(roughing pump)は一般的に機械式ポンプであり、流体用ラインを介してクライオポンプに取り付けられた低真空化用バルブ(roughing value)に接続されている。
再生プロセスのコントロールは、低温フィンガーヒートステーションに接続された温度センサを使用することにより容易となる。クライオポンプには熱電対圧力計も又使用されて来た。再生動作は、クライオクーラーのオン/オフを手動で切り替えて、手動でパージバルブおよび低真空化用バルブをコントロールすることにより制御出来るが、更に巧妙な機構を持つシステムでは独立の再生制御装置が使用される。制御装置からの配線は各センサ、クライオクーラーモータおよび操作されるバルブに接続される。電子制御装置が内蔵されているクライオポンプは米国特許第4,918,930号に開示されている。
通常の再生プロセスには数時間かかり、その間クライオポンプが真空であることを要求される製造プロセス、又は他のプロセスは休止しなければならない。上記の再生プロセスのための時間を短縮するために多大の努力が払われてきた。
発明の概要
本発明によれば、パージバルブを開くことによりクライオポンプにガスパージを施し、クライオポンプからガスを放出するためにクライオポンプのクライオポンプ面を周囲の温度よりも十分に高いレベルまで昇温させることによりクライオポンプは再生される。次に、クライオポンプは上記の高いレベルよりも十分に低い温度にまで冷却され、クライオポンプの低真空化作業および低真空化テスト(rough test)の実施中は上記の低温に保たれる。
好ましくは、クライオポンプ面はヒータにより加熱され、高温パージ中にクライオポンプと低真空化用ポンプとの間に位置する低真空化用バルブを開く。その後、低真空化用バルブが開いた状態に在り、ガスパージが続く間、クライオポンプは冷却されて低温に達する。クライオポンプの冷凍機を起動し、熱の入力を減じることにより、クライオポンプ面の温度は330Kの高温からほぼ周囲の温度である低い温度にまで低下する。その後、上記の低温が維持されている間にパージバルブは閉じられ、低真空化用バルブの開状態に維持されることによりクライオポンプは低温排気のための十分な圧力にまで低真空化される。
本発明の他の構成によれば、クライオポンプが低温下で低真空化が適切に行われたことのテストに合格しない場合には、パージおよび低真空化が同時に行われる。システムは次に再びパージバルブを閉じ、次にクライオポンプの低真空化とテストが行われる。好ましくは、テストに合格しない場合のクライオポンプのパージと低真空化はクライオポンプを起動させて低温化でのみ行う。
【図面の簡単な説明】
本発明の上記およびその他の目的、特徴および利点は、添付の図面に示された本発明の好ましい実施形態の下記の詳述から知ることが出来る。但し、異なる図を通じて同一部分には同一符号が用いられる。図面の寸法は正確ではなく、発明の原理を表現するためには寧ろ誇張されている。
図1は、本発明を具現化するクライオポンプの側面図である。
図2は、電子モジュールおよびハウジングを取り除いた図1のクライオポンプの断面図である。
図3は、図1に対して90°回転した図1のクライオポンプの断面図である。
図4は、電子モジュールにプログラミングされた代表的な従来の再生手順のフローチャートである。
図5Aおよび5Bは、本発明を具現化し、電子モジュールにプログラム化された再生手順のフローチャートである。
好ましい実施形態の詳細な説明
図1には、本発明を具現化するクライオポンプが図示されている。クライオポンプは、減圧されるべきシステムにポンプを取り付けるためのフランジ22を持つ通常の真空容器20を有する。本発明によれば、クライオポンプは容器20の片側端でのハウジング26に電子モジュール24を備える。コントロールパッド28がハウジング26の片側の端部に揺動可能に支持されている。破線30により示されるように、コントロールパッドは見易くするためにピン32の周りに揺動することも可能である。パッドのブラケット34はその反対側端にも孔36を持つことにより、コントロールパッドはクライオポンプが図1とは反対の方向に取り付けられる時に反転されることが出来る。又、反転される際のポンプを支持するために電子ハウジング26の平坦な上面に弾性体の脚部38が設けられている。
図2に示されたように、クライオポンプの大部分は従来どおりである。図2においては、駆動モータ40およびクロスヘッドアセンブリ42をさらすために、ハウジング26は取り外されている。クロスヘッドは、モータ40の回転運動が往復運動に変えられることにより2段式低温フィンガー44におけるディスプレーサを駆動する。各サイクル毎に与圧されてライン46を通して低温フィンガーに導かれたヘリウムガスは膨張し、従って温度が下がることにより低温フィンガーがクライオゼニック温度に維持される。次に、ディスプレーサの熱交換マトリックスにより加熱されるとヘリウムはライン48を通して排出される。
第1の段のヒートステーション50は、冷凍機の第1の段52の低温端に取り付けられている。同様に、ヒートステーション54は、第2の段56の低温端に取り付けられている。適切な温度センサエレメント58および60がヒートステーション50および54の背面に取り付けられている。
主ポンプ面は、ヒートシンク54に取り付けられたクライオパネルアレイ62である。このアレイは米国特許第4,555,907号に開示された複数のディスクを備える。低温吸着剤が非凝縮性ガスを吸着するためにアレイ62の保護された表面に施されている。
カップ形状の輻射シールド64が第1の段のヒートステーション50に取り付けられている。低温フィンガーの第2の段は上記の輻射シールドにおける開口を通じて延びている。この輻射シールド64は主クライオパネルアレイを背後および両側にまで取り囲むことにより輻射による主クライオパネルアレイの昇温を最小に抑える。輻射シールドの温度は、ヒートシンク50の40Kの低いレベルから、減圧されたチャンバに対する開口68の隣接部の130Kの高いレベルに跨る。
正面クライオパネルアレイ70は、主クライオパネルアレイのための輻射シールド、並びに水蒸気のような高沸点ガスのためのクライオポンプ面としての両方の役割を果たす。このパネルはスポーク状のプレート74により結合された同心状のルーバ(louver)およびシェブロン(chevron)72の円形状アレイを備える。このクライオパネル70の形態は円形状、同心状の構成部品に限定される必要はないが、低沸点ガスの主クライオパネルへの通路を提供しつつ輻射シールドおよび高温クライオポンプパネルとして動作するように設置されるのがよい。
図2に図示されているのは、電気加熱ユニットを気密的にシールするチューブを備えるヒータアセンブリ69である。加熱ユニットは第1の段をヒーターマウント71を通して加熱し、又第2の段をヒーターマウント73を通して加熱する。
図1および図3に図示されたように、圧力レリーフバルブアセンブリ76はエルボ78を通して真空容器20に連結されている。圧力レリーフバルブアセンブリ76は米国特許第5,137,050号に開示されたような標準大気圧レリーフバルブ75を備える。バルブは、クライオポンプハウジングの内部圧力が大気圧より1〜2psi高くなった時に開く。
図3に示されたモータと電子ハウジング26の他の側面にはクライオポンプチャンバの内部と低真空化用ポンプ88をエルボ90により接続する電動低真空化用バルブ86が設けられている。エルボ90を通って延び、それに取り付けられているのはパージガスをパージガス源84から電動パージバルブ80を通して供給するパージガスチューブ82である。パージガスは通常暖かい60psiの窒素であり、チューブ82を通して輻射シールド64内の第2の段の領域内に吹き込まれることにより再生を容易にする。
冷凍機モータ40、クライオポンプヒータアセンブリ69、パージバルブ80および低真空化用バルブ86はすべて電子モジュールによりコントロールされる。又、モジュールは温度センサ58および60により検出された温度および圧力センサ(図示せず)により感知された圧力をモニタリングする。
従来の完全な再生プロセスは図4に示されている。クライオゼニック冷凍機は100において停止され、パージバルブ80が102において開かれることによりクライオポンプを昇温させ、パージする。ヒータも又104において起動されることにより、昇温プロセスを加速する。
第2の段が約310Kの高温に達すると、システムは110において60から90分のような予め設定された時間にわたり108において延長パージを続ける。112においてパージバルブが閉じられ、次に114において低真空化用バルブが開かれる。次にクライオポンプは75又は100ミクロントールのような予め定められたベース圧力に低真空化される。低真空化プロセス中、クライオポンプがベース圧力まで低真空化するのに十分清浄であるかを確かめるために、116の低真空化テストに際して圧力がモニタリングされる。クライオポンプ面上の過剰な凝縮物が低真空排気プロセスを遅らせるため、予め定められた時間内にベース圧力に到達し得なくなることは、クライオポンプが凝縮物を完全に除去されていないことの証拠である。ベース圧力に到達するために割り当てられた全時間にわたって待つよりもむしろ圧力の低下速度がモニタリングされ、もし低下速度が1分当たり2%に達しない時には、ベース圧力への減圧のために割り当てられた時間に達する前であっても低真空化テストは不合格と判定される。低真空化テストが不合格となった場合には、パージバルブが108において再び開かれることによりシステムを再パージし、システムは108および110において再処理することにより延長パージを引き続き行う。再パージサイクルの後にパージバルブは112において再び閉じられ、低真空化用バルブが114において開かれることにより低真空化と低真空化テストを続ける。システムが機能を停止しエラーを発信するまでの再パージサイクルの数を制限するために設定されるサイクル数は一般的に20である。
割り当てられた時間内にベース圧力に到達することによりシステムが低真空化テストに合格すると、低真空化用バルブは119において閉じられる。次に、圧力は、120において上昇率テストによりモニタリングされる。昇圧が余りに迅速であることは、クライオポンプ面上の可成りのレベルの凝縮性の物質が引き続き蒸発しているか、又はシステムに漏洩のあることの証拠である。システムが昇温率テストに合格しない時には、114により低真空化用バルブを開くことによりシステムは再処理する。システムは通常10サイクル或いは多くても40サイクルの低真空化ステップの再処理が許されるように予め設定される。
システムが120において昇圧率テストに合格するとヒータは122において停止され、クライオゼニック冷凍機は123において起動される。
内部でのガスの漏出が続くことにより、クライオポンプの内部圧力はクライオポンプが冷却を続けつつある時にも上昇する。この昇圧は再冷却を遅らせ、クライオポンプの再冷却を阻止するのみ十分なまで上昇するに到る。ガスの漏出によるこの昇圧を防止するために、低真空化用バルブ84はベース圧力の近くの限界点の間でサイクル動作を行う。第2の段の温度が124において100Kよりも大きい限り、ベース低真空化圧力よりも例えば10ミクロントールを上回るレベルのような或る設定限界にまで上昇したか否かを調べるために126において圧力がチェックされる。圧力が上記の限界まで高まる時には、低真空化用バルブは、クライオポンプハウジングを排気によりベース圧力に戻すために128において開かれる。これにより圧力は許容レベルに維持され、追加ガスの除去により吸着剤は更に調質されることにもなる。
第2の段の温度が100K以下に低下すると、低真空化用バルブは低真空化用ポンプからの有害な逆流を阻止するために閉状態に保たれ、従って冷却は130において完了する。
基本的な再生プロセスの各種の改変が用途に応じて施されてきた。例えば、クライオポンプ面の330Kの高い温度に到る昇温は凝縮性物質が高温に達するまで蒸発しない状況下では許されて来た。330Kよりも高い温度は従来のクライオポンプに用いられているエポキシへの影響のために好ましくない。パージプロセス中に低真空化用バルブを開くことも用途によっては考えられてきた。
本発明による新規な再生手順が図5Aおよび5Bに図示される。上述のようにクライオゼニック冷凍機は100において停止され、パージバルブは102において開かれ、ヒータは104において起動される。この実施形態では低真空化用バルブが152において開かれる前には、150において4分間のような設定時間にわたりクライオポンプ面は昇温する。システムは、好ましくは約330Kの高温値を認め、それを維持しつつ154においてパージと低真空化を実施する。この高温のパージ/低真空化は156において、例えば60〜90分の設定時間にわたり続けられる。従来の再生手順と異なり、本発明の手順には158において低温のパージ/低真空化が必要である。この低温のパージ/低真空化中、クライオゼニック冷凍機は起動され、システムは冷却される。ヒータはクライオポンプ面が設定点、好ましくは周囲の温度又は295Kよりも下がることを防止する。低温のパージ/低真空化は160において15分のような設定された時間にわたり続けられる。
パージバルブは次に162において閉じられ、システムは冷凍機とヒータを用いて約295Kの温度に維持されつつ、予め設定されたベース圧力に向かって低真空化される。従来の低真空化テストは164において実施され、不合格となった場合には低真空化用バルブは166において閉じられる。パージバルブは次に168において開かれ、先行の手順と異なり再処理中パージと低真空化を同時に行うために低真空化用バルブは170において開かれる。好ましくは、再パージ/低真空化は158においてほぼ周囲の温度下で行われる。システムは予め設定された、好ましくは約10回のサイクルに達するまで再パージ/低真空化を行うことが出来る。
システムが164において低真空化テストに最終的に合格すると、低真空化用バルブは172において閉じられ、システムは尚約295Kのまま174において昇圧率をテストされる。上記のように、システムが昇圧率テストに合格しない時には、低真空化用バルブは176において開かれ、低真空化テストが反復される。この再低真空化中はパージバルブは閉じたままに保たれる。何故ならば、木炭吸着剤が十分な窒素を吸着して昇圧率が許容値に到達することを妨げるからである。低真空化テストからの再処理は、予め設定された数、好ましくは約40のサイクルに限定される。
システムが昇圧率テストに合格するとヒータは178において停止され、システムは冷却を始める。上述のように、圧力は第2の段の温度が100Kのように予め設定された温度に達するまで、必要となる低真空化用バルブの開放により124、126および128においてベース圧力の設定限界内に保たれる。冷却は130において完了する。
パージ動作中の低真空排気によりクライオポンプ面上の凝縮性物質はより効果的にこれらの面から除去され、ヒータを使用した場合、パージガスにより通常与えられる熱エネルギーは、クライオポンプ面の加熱には必要でない。パージバルブを通る流量を絞ることにより、下流圧力には無関係に一定の流量、好ましくは約2scfmが得られる。この様にして、パージ中の低真空排気により、システムにパージガスを余分に導くことはない。
イオン注入システムに見られるフォトレジスト、又はその副産物のような扱いの困難な物質の除去には高いパージ/低真空化温度が役立ち、好ましくは310Kよりも高く、さらに好ましくは約330Kよりも高い。先行の再生手順においては、延長パージにおける低真空排気の際に高温のみを使用すれば、イオン注入装置のように困難な環境下では低真空化テストに予め設定されたサイクル数の範囲内で合格できない結果を招く。低真空化テスト中にクライオポンプ面をほぼ周囲の温度に冷却すれば、水のような凝縮性物質は引き続き蒸発されてシステムから取り除かれるが、イオン注入プロセスからのフォトレジストのような困難な物質は、高温のパージ/低真空化中に既に除去されるのでない限り、クライオポンプパネルに留まることがある。低真空化テストおよび昇圧率テスト中の温度は、フォトレジスト副産物のような物質のガス漏出を抑制しつつ水を引き続き蒸発させるために290Kから300Kの範囲の値に選ばれて来た。選ばれた特定の温度値は、再生により得られる清浄度と再生に要する時間の両者を勘案した結果生まれたものである。上記の特定のパラメータを用いた場合に、イオン注入装置における再生時間は手動操作を用いた場合の8時間以上から自動化による4時間以下に短縮されている。
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば形態および細部に関して各種の変更を請求の範囲に記載の発明の思想から逸脱することなしに行うことが出来るものと理解される。例えば、排気されるガスおよび物質並びにシステムの要求によって、各種の高い或いは低いレベルの温度および他のパラメータを選ぶことが出来る。高温から周囲の温度への冷却中はシステムはパージを行わずに低真空化することが出来るが、高温から適度な温度で引き続き十分に蒸発される場合には、パージにより蒸発ガスの排出は容易となる。本発明はウォータポンプのような単段クライオポンピングシステムにも用いることが出来る。

Claims (45)

  1. 凝縮性物質および除去の困難な物質を除くことによりクライオポンプを再生する方法であって、
    (i)クライオポンプにガスパージを施すためにパージバルブを開き、クライオポンプから前記除去の困難な物質を放出するのに十分な高温にクライオポンプ面を昇温させる工程と、
    (ii)クライオポンプに前記除去の困難な物質を留めつつ、クライオポンプから前記凝縮性物質を放出するのに十分な低温にクライオポンプを冷却する工程と、
    (iii)前記パージバルブを閉じる工程と、
    (iv)このパージバルブが閉じた状態で低温を維持しつつクライオポンプを低真空化し、低真空化テストを実施する工程とを備え、
    前記工程(i),(ii)または(iv)のいずれかで、低真空化用ポンプに接続された低真空化用バルブを開くクライオポンプの再生方法。
  2. 請求項1において、前記冷却工程が、
    前記ガスパージを施し続け、クライオポンプを前記低温に冷却している間に低真空化用ポンプに接続された低真空化用バルブを開く工程を備えたクライオポンプの再生方法。
  3. 請求項2において、前記クライオポンプの冷凍機を起動することにより前記クライオポンプを前記低温に冷却するクライオポンプの再生方法。
  4. 請求項1において、前記高温下で前記ガスパージを施している間に低真空化用ポンプに接続された低真空化用バルブが開かれ、その後、前記ガスパージを施し続け、且つクライオポンプを前記低温に冷却している間に低真空化用バルブを開状態に維持するクライオポンプの再生方法。
  5. 請求項4において、前記高温は約330Kであり、前記低温はほぼ周囲の温度であるクライオポンプの再生方法。
  6. 請求項4において、さらに、前記クライオポンプが前記低真空化テストに合格しない時には、パージと低真空化をクライオポンプに同時に施し、次に再び前記パージバルブを閉じ、クライオポンプを低真空化して低真空化テストを実施する工程を備えたクライオポンプの再生方法。
  7. 請求項6において、前記低真空化テストに合格しない場合のクライオポンプのパージおよび低真空化は、低温においてのみ行われるクライオポンプの再生方法。
  8. 請求項7において、前記低真空化テストに合格しない場合の前記低温下でのパージおよび低真空化は、クライオポンプの冷凍機を起動しながら行われるクライオポンプの再生方法。
  9. 請求項8において、前記高温は約330Kであり、前記低温はほぼ周囲の温度であるクライオポンプの再生方法。
  10. 請求項1において、さらに、
    前記パージガスを高温下で供給している間に低真空化用ポンプに接続された低真空化用バルブを開く工程を備えたクライオポンプの再生方法。
  11. 請求項10において、前記クライオポンプがその冷凍機により低温に冷却され、ほぼ周囲の温度に維持されるクライオポンプの再生方法。
  12. 請求項11において、前記クライオポンプがほぼ周囲の温度に冷却される際に、前記パージバルブが開状態に維持され、前記低真空化用バルブが開状態に維持されているクライオポンプの再生方法。
  13. 請求項1において、
    クライオポンプが前記低真空化テストに合格しない場合には、
    クライオポンプにパージと低真空化同時に施し、
    パージを停止し、再びクライオポンプを低真空化してテストを行う工程とを備えたクライオポンプの再生方法。
  14. 請求項13において、前記低真空化テストに合格しない場合には、前記クライオポンプのパージおよび低真空化がほぼ周囲の温度下で行われるクライオポンプの再生方法。
  15. 請求項13において、前記低真空化テストに合格しない場合には、前記パージおよび低真空化の間にクライオポンプの冷凍機が起動されるクライオポンプの再生方法。
  16. クライオポンプの再生方法であって、
    クライオポンプのクライオポンプ面を周囲の温度よりも十分に高い温度にまで昇温させ、クライオポンプにガスパージを施すためにパージバルブを開き、パージガスを高温下で供給している間に低真空化用ポンプに接続された低真空化用バルブを開く工程と、
    パージバルブおよび低真空化用バルブを開いた状態に保ちつつクライオポンプの冷凍機を起動し、クライオポンプをほぼ周囲の温度レベルの低温にまで冷却する工程と、
    パージバルブを閉じ、クライオポンプをベース圧力に低真空排気するためにクライオポンプを低温に維持しつつ低真空化用バルブを開状態に維持する工程と、
    クライオポンプを低真空排気しつつ低真空化テストを実施し、クライオポンプがテストに合格しない場合には低真空化用バルブを開状態に保ちつつパージバルブを再び開くことにより、クライオポンプを低温下で再パージし低真空化する工程とを備えたクライオポンプの再生方法。
  17. クライオポンプチャンバと、
    このクライオポンプチャンバにパージガスを施すためのパージバルブと、
    前記クライオポンプチャンバを低真空化用ポンプに接続するための低真空化用バルブと、
    凝縮性物質および除去の困難な物質を除くことにより再生処理を制御するようにプログラミングされた電子制御装置であって、
    (i)クライオポンプにガスパージを施すためにパージバルブを開き、クライオポンプから前記除去の困難な物質を放出するのに十分な高温にクライオポンプを昇温させ、
    (ii)クライオポンプに前記除去の困難な物質を留めつつ、クライオポンプから前記凝縮性物質を放出するのに十分な低温にクライオポンプを冷却し、
    (iii)前記パージバルブを閉じ、
    (iv)このパージバルブが閉じた状態で低温を維持しつつクライオポンプを低真空化し、低真空化テストを実施し、
    前記(i),(ii)または(iv)のいずれかで、低真空化用ポンプに接続された低真空化用バルブを開くことにより前記パージガスバルブおよび前記低真空化用バルブをコントロールするための電子制御装置とを備えたクライオポンプ。
  18. 請求項17において、前記制御装置は、
    パージガスを供給し続け、クライオポンプを低温に冷却している間に低真空化用ポンプに接続された低真空化用バルブを開き、
    真空ポンプとして十分に低い圧力にクライオポンプを低真空化するために低真空化用バルブを開状態に維持している間にパージバルブを閉じるようにプログラミングされているクライオポンプ。
  19. 請求項18において、前記制御装置は、前記クライオポンプの冷凍機を起動することによりクライオポンプを低温に冷却するクライオポンプ。
  20. 請求項17において、前記制御装置は、前記ガスパージが高温において実施されている間に低真空化用ポンプに接続された低真空化用バルブを開き、その後、パージガスを供給し続け、クライオポンプを低温に冷却している間に低真空化用バルブを開状態に維持し、
    真空ポンプとして十分に低い圧力にクライオポンプを低真空化するために低真空化用バルブを開状態に維持している間にパージバルブを閉じるようにプログラミングされているクライオポンプ。
  21. 請求項20において、前記高温はほぼ330Kであり、前記低温はほぼ周囲の温度であるクライオポンプ。
  22. 請求項20において、前記クライオポンプが低真空化テストに合格しない場合に、前記制御装置が前記クライオポンプにパージと低真空化を同時に実施し、次に再びパージバルブを閉じ、クライオポンプを低真空化して低真空化テストを行うクライオポンプ。
  23. 請求項22において、前記クライオポンプが最初の低真空化テストに合格しない場合に、前記制御装置が低温下でのみ前記クライオポンプをパージし、低真空化するクライオポンプ。
  24. 請求項23において、最初の低真空化テストに合格しない場合に、前記制御装置は前記クライオポンプの冷凍機を起動させつつ前記低温下でパージと低真空化を行うクライオポンプ。
  25. 請求項24において、前記高温はほぼ330Kであり、前記低温はほぼ周囲の温度であるクライオポンプ。
  26. 請求項17において、前記制御装置は、高温下で前記パージガスを供給している間に低真空化用ポンプに接続された低真空化用バルブを開くようにプログラミングされているクライオポンプ。
  27. 請求項26において、前記制御装置は、前記クライオポンプの冷凍機により前記クライオポンプを低温に冷却し、ほぼ周囲の温度の低温に維持するようにプログラミングされているクライオポンプ。
  28. 請求項27において、前記制御装置は、クライオポンプがほぼ周囲の温度に冷却される時に、前記パージバルブを開状態に維持し、又前記低真空化用バルブを開状態に維持するようにプログラミングされているクライオポンプ。
  29. 請求項17において、
    クライオポンプが前記低真空化テストに合格しない場合には、
    パージガスバルブおよび低真空化用バルブを同時に開くことによりクライオポンプをパージおよび低真空化し、
    パージガスバルブを閉じ、再び低真空排気を行い、クライオポンプをテストすることにより再生処理を制御するクライオポンプ。
  30. 請求項29において、前記低真空化テストに合格しない場合に、前記制御装置は、前記クライオポンプの周囲の温度下でパージと低真空化をコントロールするクライオポンプ。
  31. 請求項29において、前記低真空化テストに合格しない場合に、前記制御装置は、前記パージと低真空化の間にクライオポンプの冷凍機を起動させるクライオポンプ。
  32. 凝縮性物質および除去の困難な物質を除くことによりクライオポンプの再生をコントロールするようにプログラミングされた電子制御装置であって、
    クライオポンプにガスパージを施すためにパージバルブを開き、クライオポンプから前記除去の困難な物質を放出するのに十分な高温にまでクライオポンプを昇温させるための第1の手段と、
    クライオポンプに前記除去の困難な物質を留めつつ、クライオポンプから前記凝縮性物質を放出するのに十分な低温にクライオポンプを冷却し、クライオポンプを低真空化し、低真空化テストを実施する間この低温を維持する第2の手段とを備え、
    コントローラが(i)前記高温でガスパージを施す間、または(ii)クライオポンプを前記低温に冷却する間いずれかで、低真空化用ポンプに接続された低真空化用バルブを開くようプログラムされた電子制御装置。
  33. 請求項32において、前記第2の手段は、
    前記パージガスを供給し続け、クライオポンプを前記低温に冷却している間に低真空化用ポンプに接続された低真空化用バルブを開く手段と、
    クライオポンプを排気のための十分に低い圧力にまで低真空化するために低真空化用バルブを開状態に維持しつつパージバルブを閉じる手段とを備えた電子制御装置。
  34. 請求項32において、前記第2の手段は、ガスパージが高温下で行われている間に低真空化用ポンプに接続された低真空化用バルブを開き、その後、パージガスを供給し続け、クライオポンプを低温に冷却している間に低真空化用バルブを開状態に維持する手段と、
    クライオポンプを排気のための十分に低い圧力にまで低真空化するために低真空化用バルブを開状態に維持しつつパージバルブを閉じる手段とを備えた電子制御装置。
  35. 請求項34において、前記クライオポンプが低真空化テストに合格しない場合に、前記制御装置は前記クライオポンプにパージと低真空化を同時に施し、次に再びパージバルブを閉じ、クライオポンプを低真空化して低真空化テストを行う電子制御装置。
  36. 請求項35において、前記クライオポンプが最初の低真空化テストに合格しない場合に、前記制御装置が低温下でのみ前記クライオポンプをパージして低真空化を行う電子制御装置。
  37. 請求項36において、最初の低真空化テストに合格しない場合に、前記制御装置は前記クライオポンプの冷凍機を起動させつつ前記低温下でパージと低真空化を行う電子制御装置。
  38. 請求項32において、前記パージガスを高温下で供給している間に低真空化用ポンプに接続された低真空化用バルブを開くようにプログラミングされている電子制御装置。
  39. 請求項38において、前記クライオポンプの冷凍機により前記クライオポンプを低温に冷却し、ほぼ周囲の温度である低温に維持するようにプログラミングされた電子制御装置。
  40. 請求項39において、前記クライオポンプがほぼ周囲の温度に冷却される時に、前記パージバルブを開状態に維持し、前記低真空化用バルブを開状態に維持するようにプログラミングされた電子制御装置。
  41. 請求項32において、
    クライオポンプが前記低真空化テストに合格しない場合には、
    クライオポンプをパージおよび低真空化するためにパージガスバルブおよび低真空化用バルブを同時に開き、
    パージガスバルブを閉じ、再びクライオポンプを低真空化してテストする手段とを備えた電子制御装置。
  42. 請求項41において、前記低真空化テストに合格しない場合に、前記制御装置は、パージおよび低真空化の間にクライオポンプ冷凍機を起動させる電子制御装置。
  43. 請求項13において、前記低真空化テストに合格しない場合に再度行われる低真空化テストが、低真空化バルブを開状態に維持している間に行われるクライオポンプの再生方法。
  44. 請求項29において、前記低真空化テストに合格しない場合に再度行われる低真空化テストが、低真空化バルブを開状態に維持している間に行われるクライオポンプ。
  45. 請求項41において、前記低真空化テストに合格しない場合に再度行われる低真空化テストが、低真空化バルブを開状態に維持している間に行われる電子制御装置。
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