JP4297606B2 - 高速アドレス・シーケンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体デバイスに関し、より詳細には、特にフラッシュ・メモリ・デバイスなどの不揮発性半導体メモリデバイスなどの半導体デバイスに対する高速アドレス・シーケンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
フラッシュ・メモリ・デバイスは一般的に、アドレス・シーケンサ、行および列デコーダ、検知増幅器(sense amplifier)、書込増幅器(write amplifier)、および、メモリ・セル配列を備えている。フラッシュ・メモリ・デバイスの一例は米国特許第5,490,107号に記述されているが、その開示内容は言及したことにより本明細書中に援用する。メモリ・セル配列は、行および列の形態で配置された複数のメモリ・セルを含む。各メモリ・セルは、単一ビットの情報を保持し得る。メモリ・セル配列におけるひとつのメモリ・セル列は、ビット・ラインに共通接続される。而して列デコーダはアドレス・シーケンサと協働してビット・ラインを選択する。同様に、メモリ・セル配列のひとつの行に配置された各メモリ・セルはワード・ラインに共通接続される。而して行デコーダはアドレス・シーケンサと協働してワード・ラインを選択する。行および列デコーダおよびアドレス・シーケンサは協働して個々のメモリ・セルもしくは一群のメモリ・セルを選択する。
【0003】
フラッシュ・メモリ・デバイスのメモリ・セル配列における各メモリ・セルは一般的に、メモリ・セル・ブロックと称される下位配列にグループ化される。各メモリ・セル・ブロックは、検知増幅器および書込増幅器に結合される。書込増幅器(W/A)は情報を記憶すべく、選択されたメモリ・セルに一群の所定電圧を印加する。この動作は、プログラム動作もしくは書込み動作と称される。同様に、選択されたメモリ・セルに印加された一群の所定電圧により、検知増幅器(S/A)は情報を判別かつ読出すことができる。この動作は、読取り動作と称される。
【0004】
読取り動作およびプログラム動作の間においてアドレス・シーケンサは、開始アドレスから開始して終了アドレスで終了する如く、アドレスをひとつずつインクリメントする。アドレスがインクリメントされる毎にアドレスは行および列バッファに夫々供給され、これらのバッファは一時的にアドレスを記憶する。
行および列バッファに記憶されたアドレスは夫々、行および列デコーダに提供される。行デコーダは、そのアドレスに関連するワード・ラインを選択する。また、列デコーダはそのアドレスに関連するビット・ラインを選択する。故に、アドレス・シーケンサならびに行および列デコーダは、関連するワード・ラインおよびビット・ラインを選択することにより、読取り動作もしくはプログラム動作に対して一個以上のメモリ・セルを選択する。
【0005】
各アドレスは複数のアドレス・ビットから成ることから、ひとつのアドレスを生成する上では一般的に複数のアドレス信号を生成することが必要である。各アドレス信号は、そのアドレスのひとつのビットを表す。たとえば21ビットのアドレスでは、21個のアドレス信号を生成する必要がある。複数のアドレス信号を生成すべく、アドレス・シーケンサは複数のアドレス信号生成器を含んでいる。各アドレス信号生成器は、ひとつのアドレス・ビットを表すひとつのアドレス信号を生成する。
【0006】
上記アドレス・シーケンサは典型的には順次的に各アドレス信号を生成し、任意の次続アドレスは先行アドレス信号が生成された後にのみ生成される。換言すると、たとえば、第k番目のアドレス・ビットを表すアドレス信号は、第1番目から第(k−1)番目のアドレス・ビットを表す各アドレス信号の後においてのみ生成されるのが典型的である。同様に、第(k+1)番目のアドレス・ビットを表すアドレス信号は、第1番目から第k番目のアドレス・ビットを表すアドレス信号の後においてのみ生成される。更なる例として、アドレス・ビットA5を表すアドレス信号は、各アドレス・ビットA1、A2、A3およびA4が順次に生成されるまで生成されない。
【0007】
最下位ビットを表すアドレス信号A0を除き、各アドレス信号を生成する間、順次的ゲート遅延(sequential gate delay)が生ずる。ひとつのアドレス信号に伴う順次的ゲート遅延は、そのアドレス信号の生成に伴う全てのゲート遅延の合計である。たとえば、もし順次的ゲート遅延taが各アドレス信号の生成に伴うとすれば、アドレス信号A1の生成の間に生ずる遅延の合計量は少なくともtaである。同様に、アドレス信号A2、A3、A4およびA5の生成の間においては、夫々、少なくとも2ta、3ta、4taおよび5taの合計遅延が生ずる。アドレス信号A0を除き、任意のひとつのアドレス信号の生成は順次的ゲート遅延を必要とすることから、ひとつのアドレスを構成する各アドレス信号の全てを生成する為には、全ての順次的ゲート遅延の合計に等しい遅延が必要となる。たとえば、アドレス信号A0以外の各アドレス信号にはtaの順次的ゲート遅延が伴うとすれば、21ビット・アドレス・システムの全てのアドレス信号を生成するには少なくとも20taの合計遅延時間を費やすが、この合計遅延時間は、第21番目のビットすなわち最上位アドレス・ビットを表すアドレス信号を生成する間に生ずる全ての順次的ゲート遅延の合計に等しい。
【0008】
アドレス・シーケンサは一般的に、略々一定のクロック周波数を有するクロックと同期して作動する。而してクロック周期(clock period)は、そのクロックの2つの連続する立ち上がり縁の間における時間長である。fをHz単位のクロック周波数とすれば、クロック周期は1/f秒である。また、クロック周波数f0で動作するアドレス・シーケンサは一般的にクロック周期1/f0内にアドレス・インクリメントを完了する。
【0009】
故に、アドレス・シーケンサが動作するクロック周期は一般的に、該当アドレスに伴う全ての順次的ゲート遅延の合計により下方限界が定められる。各アドレス信号は一度にひとつずつ順次的に生成されることから、全ての順次的ゲート遅延の合計は、最上位アドレス・ビットを表すアドレス信号を生成する間に生ずる合計遅延に略々等しい。換言すると、1クロック周期内にアドレスをインクリメントする為に該クロック周期は、全ての順次的ゲート遅延の合計以上の長さとされねばならない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
故に各順次的ゲート遅延は、ひとつのアドレスの生成における遅延時間と関連付けられる。ゲート遅延が過剰であれば、任意の所定クロック速度に対するアドレスのサイズを制限してしまう。おそらくは更に重要な点として、ゲート遅延が過剰であれば、システムの動作速度を制限してしまう。
【0011】
たとえば、各アドレス信号に1nsの遅延が伴い、すなわち、ta=1nsであれば、21ビット・アドレス・システムにおいて全てのアドレス信号を生成するには、20nsが必要とされよう。故に、約20nsのクロック周期以内に全ての21個のアドレス信号の生成を完了する為には、斯かるシステムと共に使用され得るクロック周波数の最大値は約50MHzとなる。斯かる制限は、通常的に50MHz以上の周波数のクロックを使用する最近の多くの用途において不都合である。
【0012】
本発明の目的は、より高い周波数のクロックを使用可能とする高速アドレス・シーケンサを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の一実施例は、クロック信号を受信して複数の偶数番および奇数番アドレス信号を生成するアドレス・シーケンサである。上記アドレス・シーケンサは、複数の偶数番アドレス信号生成器を備えている。上記偶数番アドレス信号生成器は上記クロック信号を受信すると共に、上記複数の偶数番アドレス信号のひとつを生成する。上記アドレス・シーケンサは更に、複数の奇数番アドレス信号生成器を備えている。上記奇数番アドレス信号生成器は上記クロック信号を受信すると共に、上記複数の奇数番アドレス信号のひとつを生成する。
【0014】
上記アドレス・シーケンサは更に、複数の偶数番および奇数番トグル論理セルを備えている。該偶数番および奇数番トグル論理セルは夫々、上記複数の偶数番および奇数番アドレス信号のひとつを受信する。上記偶数番および奇数番トグル論理セルは夫々、偶数番および奇数番アドレス信号生成器と組合されている。上記偶数番および奇数番トグル論理セルは、夫々、複数の偶数番および奇数番トグル信号および複数の偶数番および奇数番トグル・アドレス信号を生成する。
【0015】
本発明の別実施例は、複数の偶数番アドレス信号生成器と、複数の奇数番アドレス信号生成器と、複数の偶数番トグル論理セルと、複数の奇数番トグル論理セルと、最終アドレス信号生成器と、を備えたアドレス・シーケンサである。
本発明の更なる別実施例は、上記複数の偶数番および奇数番アドレス信号のひとつであるトリガ信号を出力するアドレス・シーケンサである。
【0016】
本発明の更なる別実施例は、上記複数の偶数および奇数番トグル信号のひとつであるトリガ信号を出力するアドレス・シーケンサである。
本発明の更なる別実施例は、複数の第1および第2トグル論理セルを備えたアドレス・シーケンサである。複数の第1トグル論理セルは直列である。直列とされた複数の第1トグル論理セルの最初のものは、論理“1”を受信する。直列とされた他の第1トグル・セルの各々は、直前の第1トグル論理セルにより生成された第1トグル信号を受信する。複数の第2トグル・セルは直列である。直列とされた複数の第2トグル・セルの最初のものは、直列とされた上記複数の第1トグル論理セルの最後のものにより生成された第1トグル信号を受信する。直列とされた他の第2トグル・セルの各々は、直前の第2トグル論理セルにより生成された第2トグル信号を受信する。
【0017】
本発明の更なる別実施例は、複数の偶数番アドレス信号および複数の奇数番アドレス信号を生成する方法である。クロック信号が受信される。複数の偶数番トグル論理信号は、複数の偶数番トグル論理セルを使用して生成される。上記複数の偶数番トグル論理セルの各々は、上記複数の偶数番トグル信号の内で対応するものを生成する。複数の奇数番トグル信号は、複数の奇数番トグル論理セルを使用して生成される。上記複数の奇数番トグル論理セルの各々は、上記複数の奇数番トグル信号の内で対応するものを生成する。
【0018】
複数の偶数番アドレス信号は、複数の偶数番アドレス信号生成器を使用して生成される。上記複数の偶数番アドレス信号生成器の各々は上記クロック信号と上記複数の奇数番トグル信号のひとつとを受信し、且つ、上記複数の偶数番アドレス信号の内で対応するものを生成する。複数の奇数番アドレス信号は、複数の奇数番アドレス信号生成器を使用して生成される。上記複数の奇数番アドレス信号生成器の各々は上記クロック信号と上記複数の奇数番トグル信号のひとつとを受信し、且つ、上記複数の奇数番アドレス信号の内で対応するものを生成する。
【0019】
本発明の更なる別実施例は、アドレス・シーケンシングを実施する方法である。クロック信号が受信される。上記クロック信号を使用して複数の第1アドレス信号が生成される。上記複数の第1アドレス信号のひとつを使用して、複数の第2アドレス信号が生成される。
本発明の更なる別実施例は、アドレス・シーケンシングを実施する方法である。複数の第1アドレス信号が生成される。上記複数の第1アドレス信号は、複数の偶数番第1アドレス信号および複数の奇数番第1アドレス信号を含む。複数の第2アドレス信号が生成される。上記複数の第2アドレス信号は、複数の偶数番第2アドレス信号および複数の奇数番第2アドレス信号を含む。
【0020】
本発明の更なる別実施例は、複数のメモリ・セルと、複数の列制御トランジスタと、列デコーダ回路と、行デコーダ回路と、列バッファと、行バッファと、内部クロックを受信すると共にアドレス信号を生成して該アドレス信号を上記列バッファおよび上記行バッファに供給するアドレス・シーケンサと、クロック制御回路と、複数の書込増幅器と、複数の検知増幅器と、複数の入力/出力バッファと、ソース電圧源と、デコーダ電圧源と、上記アドレス・シーケンサと、を備えた同期式フラッシュ・メモリである。上記アドレス・シーケンサは、トリガ信号を生成する。上記アドレス・シーケンサは、複数の偶数番トグル論理セルおよび複数の奇数番トグル論理セルを備えている。上記偶数番トグル論理セルは上記奇数番トグル論理セルと構造的に異なっている。
【0021】
【発明の実施の形態】
I.概要
図1には、同期式フラッシュ・メモリが示されている。該同期式フラッシュ・メモリは、クロック制御回路2を有している。該クロック制御回路2は外部クロック信号3を受信すると共に、この外部クロック信号をトリガ信号5と組合せて内部クロック信号7を生成する。アドレス・シーケンサ4は内部クロック信号7を受信すると共に、各アドレスを一定順序に配列して、内部クロック信号7と同期して各アドレス信号を生成する。各アドレス信号は、列バッファ6および行バッファ8に供給される。各アドレス信号は選択的に改変され、列デコーダ回路24および行デコーダ回路26に供給される。上記列デコーダ回路および行デコーダ回路は夫々、列デコード信号および行デコード信号を生成して、読取り動作およびプログラム動作の為にメモリ・セル配列51内の特定のメモリ・セルを選択する。
【0022】
各メモリ・セルはMOSトランジスタと同様の構造を有することから、メモリ・セルは基板上のソース領域およびドレイン領域を有している。基板の間においてメモリは、浮動ゲートおよび制御ゲートを有している。情報は、メモリ・セルに対して一群の所定電圧を印加することにより、メモリ・セル内にすなわち浮動ゲート内に記憶される。同様に、メモリ・セルに印加された一群の所定電圧は、メモリ・セル内に含まれる情報を読み取るべく使用される。
【0023】
メモリ・セル配列51は、複数のメモリ・セル36、38、40、42、44、46、48および50を含んでいる。明確化の為に、メモリ・セル配列51内における各メモリ・セルの部分集合のみが示されている。メモリ・セル36、38、44および46は第1メモリ・セル・ブロックへとグループ化されると共に、メモリ・セル40、42、48および50は第2メモリ・セル・ブロックへとグループ化される。各メモリ・セル・ブロックは、対応する各制御トランジスタを介して、対応する書込増幅器および検知増幅器に結合される。詳細には、各制御トランジスタの各ドレインが書込増幅器および検知増幅器に結合される。たとえば第1列制御トランジスタ28のドレインは、書込増幅器16および検知増幅器18に結合される。
【0024】
同様に、各メモリ・セルの各ドレインは各制御トランジスタに結合される。たとえばメモリ・セル36および44の各ドレインは、第1列制御トランジスタ28のソースに結合される。各制御トランジスタの各ゲートは、各デコード済信号ラインを介して列デコーダ回路24に結合される。たとえば第1列制御トランジスタ28および第3列制御トランジスタ30の各ゲートは、列デコーダ回路24からの第1列デコード済信号ライン29へと結合される。
【0025】
書込増幅器および検知増幅器の各対は、対応する入力/出力バッファにも結合される。図1において書込増幅器16および検知増幅器18は入力/出力バッファ12に結合されると共に、書込増幅器20および検知増幅器22は入力/出力バッファ14に結合される。
入力/出力バッファ12および14は更に、外部クロック信号3およびデータ入力/出力バス1に結合される。プログラム動作に先立ち、データ入力/出力バスから到来するプログラム・データは対応する入力/出力バッファ内に外部クロック信号3と同期的に記憶される。次に、プログラム動作が非同期的に実行される。読取り動作の間は、検出もしくは検知されたデータは対応する入力/出力バッファ内に内部クロック信号7と同期的に記憶され、次に、外部クロック信号3と同期的にデータ入力/出力バス1上を転送される。各入力/出力バッファに対する入力転送および出力転送は、同時に実行され得る。これらの同期的転送に依れば、読取り動作およびプログラム動作の両者に対する速度が最大化される。但し、各読取り動作はクロック制御回路2により生成された内部クロック信号7に依存する一方、各プログラム動作は非同期的に実施される。
【0026】
II.クロック制御回路
図1を参照して上述した如く、読取り動作を実施する為には適切なメモリ・セルに対して所定電圧レベルが印加されねばならない。これらの読取り電圧は、ワード・ラインおよびビット・ラインを介して印加される。これらのワード・ラインおよびビット・ラインは本来、所定のライン上における抵抗および静電容量に依る遅延を有している。読取り動作の間において、或るワード・ライン上の最後の群のメモリ・セルから次のワード・ライン上の次の群のメモリ・セルへと遷移が生じる場合、すなわち、境界交差もしくはワード・ライン切替えが生じる場合、これらの遅延は大きくなる。動作用読取り電圧レベルはひとつのワード・ラインから除去されて別のワード・ラインに印加されねばならないことから、同一のワード・ライン上におけるひとつのメモリ・セルから別のメモリ・セルへの読取り動作である限りにおいて、ひとつのワード・ラインに対する読取り動作は2度に亙り生ずることが多い。換言すると、データ検知は外部クロック信号3の1クロック周期よりも長く掛かることがある。
【0027】
データ検知に対して付加的な時間を提供すべく、内部クロック信号7は図2のクロック制御回路2により生成される。該内部クロック信号7は上記外部クロック信号と同期されるが、除外(blocked out)された一個以上のクロック・サイクルを含んでいる。内部クロック信号7を上記アドレス・シーケンサに供給することにより、データI/Oバスに対してクロック・アウト(clock out)されつつあるデータは必要に応じて遅延されて、データ検知に対する更なる時間を許容する。
【0028】
クロック制御回路2は、シフト・レジスタ・アセンブリ100、クロック・トリガ信号生成器130およびクロック・バッファ140を含んでいる。外部クロック信号3およびトリガ信号5が入力されることにより、クロック制御回路2は内部クロック信号7を生成する。シフト・レジスタ・アセンブリ100は外部クロック信号3を使用し、遅延したトリガ信号をクロック・トリガ信号生成器130へと供給する。外部クロック信号3、および、クロック・トリガ信号生成器130により生成されたクロック・トリガ信号27が入力されることにより、上記クロック・バッファは内部クロック信号7を生成する
図3は、シフト・レジスタ・アセンブリ100の一実施例を示している。トリガ信号5は図1に示されたアドレス・シーケンサから生成される。アドレス・シーケンサ4は、アドレスがインクリメントされる毎にトリガ信号5を生成する。トリガ信号5は、インバータ102の入力に結合される。インバータ102の出力は、第1シフト・レジスタ104の入力に結合される。第1シフト・レジスタ104の出力すなわち第1時間遅延トリガ信号L0は、第2シフト・レジスタ106の入力に結合される。第2シフト・レジスタ106の出力すなわち第2時間遅延トリガ信号L1は、第3シフト・レジスタ108の入力に結合される。第3シフト・レジスタ108は、出力として第3時間遅延トリガ信号L2を生成する。シフト・レジスタ104、106および108の各々は、外部クロック3に結合される。図3はシフト・レジスタ・アセンブリ100における3個のシフト・レジスタのみを示しているが、使用されるシフト・レジスタの個数は自由に変更可能なものであり、内部クロック信号7から除外されるべき外部クロック・サイクルの個数に依存する。
【0029】
図4には、図3のシフト・レジスタ・アセンブリ100におけるシフト・レジスタ104、106、108の一実施例が示されている。外部クロック3はインバータ110の入力に結合される。インバータ110の出力は、トランジスタ112のゲートに結合される。トランジスタ112のドレインは、上記シフト・レジスタ104の入力に結合される。トランジスタ112のソースは、インバータ114の入力およびインバータ116の出力に結合される。インバータ114および116は、第1ラッチを構成する。該第1ラッチは外部クロック3の立ち下がり縁と同期的に上記シフト・レジスタの入力を記憶する。
【0030】
インバータ114の出力およびインバータ116の入力は、トランジスタ118のドレインに結合される。トランジスタ118のゲートは、外部クロック3に結合される。トランジスタ118のソースは、インバータ120の入力およびインバータ122の出力に結合される。インバータ120および122は、第2ラッチを構成する。この第2ラッチは、外部クロック3の立ち上がり縁と同期的に上記第1ラッチの内容を記憶する。インバータ120の出力およびインバータ122の入力は相互に結合されて、上記シフト・レジスタの出力すなわち時間遅延トリガ信号を提供する。
【0031】
クロック・トリガ信号生成回路130は、上記シフト・レジスタ・アセンブリ100から生成された時間遅延トリガ信号L0、L1およびL2を受信する。図5においてクロック・トリガ信号生成回路130は、並列な第1、第2および第3の2入力NORゲート132、134および136を含んでいる。第1時間遅延トリガ信号L0は、第1の2入力NORゲート132の第1入力に結合される。第2時間遅延トリガ信号L1は第2の2入力NORゲート134の第1入力に結合されると共に、第3時間遅延トリガ信号L2は、第3の2入力NORゲート136の第1入力に結合される。
【0032】
各2入力NORゲート132、134および136の各第2入力は、夫々、クロック・ブロック信号B1、B2およびB3に結合される。クロック・ブロック信号B1、B2およびB3は典型的には同期式フラッシュ・メモリ・デバイスを作製する前に設定されるが、これらのクロック・ブロック信号は同期式フラッシュ・メモリ・デバイスの動作の間においても設定され得る。クロック・ブロック信号B1、B2およびB3は、内部クロック信号7から除外されるべき外部クロック・サイクルの個数を決定する。
【0033】
たとえば第1クロック・ブロック信号B1がローレベルに設定されると共に第2および第3クロック・ブロック信号B2およびB3がハイレベルに設定されたならば、内部クロック信号7からは1個の外部クロック・サイクルが除外される。また、第1および第2クロック・ブロック信号B1およびB2がローレベルに設定されると共に第3クロック・ブロック信号B3がハイレベルに設定されたなら、内部クロック信号7からは2個の外部クロック・サイクルが除外される。
【0034】
図5はクロック・トリガ信号生成回路130における3個の2入力NORゲートを示しているが、使用される2入力NORゲートの個数は内部クロック信号7から除外されるべきクロック・サイクルの個数のみに依存する。
クロック・トリガ信号生成回路130は、3入力NORゲート138も備えている。上記3個の2入力NORゲートの各出力は、3入力NORゲート138の各入力に結合されている。3入力NORゲート138の出力は上記クロック・トリガ信号生成回路の出力であると共に、図2におけるクロック・バッファ140の入力に結合される。対応するクロック・ブロック信号および対応する時間遅延トリガ信号の両者がローレベルとなったとき、2入力NORゲート132、134および136の各々の出力はハイレベルとなる。各2入力NORゲートの各出力の一個以上がハイレベルとなったとき、3入力NORゲート138の出力はローレベルとなる。3入力NORゲート138のこの出力は、クロック・バッファ140における外部クロック3と組合されたときに上記外部クロック信号のひとつ以上を除外すべく使用されるクロック・トリガ信号である。
【0035】
図6には、図2のクロック・バッファ140が示されている。クロック・バッファの入力、すなわち図5におけるクロック・トリガ信号生成回路の出力は、インバータ142の入力に結合される。インバータ142の出力は、トランジスタ143のドレインに結合される。トランジスタ143のソースは、インバータ146の入力およびインバータ148の出力に結合される。インバータ146および148は、ラッチを構成する。
【0036】
外部クロック3は、インバータ144の入力および2入力NANDゲート150の第1入力に結合される。インバータ144の出力は、トランジスタ143のゲートに結合される。インバータ146の出力およびインバータ148の入力は、2入力NANDゲート150の第2入力に結合される。2入力NANDゲート150の出力は、インバータ152の入力に結合される。
【0037】
クロック・バッファ140の入力すなわちクロック・トリガ信号は、内部クロック信号7が生成される間に何個の外部クロック・サイクルが除外されるべきかに関する情報を含んでいる。クロック・バッファ140の出力は内部クロック信号7であり、これから、一個以上の外部クロック・サイクルが除外される。
図7は、図2乃至図6のクロック制御回路2の動作を要約するタイミング図である。外部クロック信号タイミング82、トリガ信号タイミング84、第1時間遅延トリガ信号86、第2時間遅延トリガ信号88および内部クロック信号タイミング90が示されている。
【0038】
上記各タイミング図から理解される如く、トリガ信号5がハイレベルになるとき、第1時間遅延トリガ信号L0は外部クロック3の立ち上がり縁にてローレベルとなる。第1時間遅延トリガ信号L0がローレベルであるとき、第2時間遅延トリガ信号L1は外部クロック3の立ち上がり縁によりローレベルとなる。時間遅延信号L0およびL1の両者がクロック・ブロック信号B1およびB2を使用して実現されるとき、隣り合う2個のクロック・サイクルは外部クロック3に関して内部クロック信号7から除外される。故に、図7に示された如く、内部クロック信号は外部クロック信号と類似しておりすなわち同期している。但し、内部クロック信号7は2個のクロック・サイクルを欠いている。斯かるクロック・サイクルを除去することにより、読取り動作もしくはデータ検知動作に対する付加的時間が提供される。
【0039】
II.(a)データ・タイミング制御回路
内部クロック信号7は、データ・タイミング制御回路を使用してメモリ・セルからデータ検知すなわちデータ読み取りを行う為に上記各検知増幅器に対し、外部クロック信号に関して更なるクロック・サイクルすなわち付加的時間を提供する。図8は、データ検知信号63を生成するデータ・タイミング制御回路15を示している。データ・タイミング制御回路15は、延長データ回路(extended data circuit)71およびATD回路9に結合される。ATD回路9に対しては、A0信号すなわち上記アドレス・シーケンサからの各アドレス信号の最下位ビットが供給される。上記アドレス・シーケンサは、アドレス・インクリメント毎に、パルスすなわちA信号を生成する。
【0040】
ATD回路9は、p−チャネル・トランジスタ91およびn−チャネル・トランジスタ95を有している。p−チャネル・トランジスタ91のドレインには基準電圧Vccが接続されると共に、p−チャネル・トランジスタ91のソースには抵抗器93が接続される。抵抗器93の他端には、n−チャネル・トランジスタ95のドレイン、コンデンサ97の一端、および、2入力NORゲート99の第1入力が接続される。上記A0信号は、p−チャネル・トランジスタ91およびn−チャネル・トランジスタ95の両者に供給される。これらの2個のトランジスタは協働して、A0信号を反転するインバータとして作用する。たとえばA0信号がハイレベルであればp−チャネル・トランジスタ91はオフとなり且つ上記n−チャネル・トランジスタはオンとなることから、アースへの経路を生成する。故に、n−チャネル・トランジスタ95に接続されたNORゲート99の第1入力は、アースすなわちローレベルへと引張られる。逆に、A0信号がローレベルであれば、p−チャネル・トランジスタ91はオンとなり且つ上記n−チャネル・トランジスタはオフとなることから、Vccへの経路を生成する。故に、n−チャネル・トランジスタ95に接続されたNORゲート99の第1入力は漸進的にVccすなわちハイレベルへと引張られる。
【0041】
NORゲート99への第2入力は、A0信号に結合される。A0信号がローレベルからハイレベルへと遷移する毎に、NORゲート99の出力すなわちATD信号はローレベルとなる、と言うのも、NORゲート99の第1入力はアースに引張られるからである。A0信号がハイレベルからローレベルへと遷移する際に、NORゲート99の第1入力は漸進的にハイレベルへと引張られる。このローレベルからハイレベルへのNORゲート99の第1入力の漸進的な遷移の間、NORゲート99の両入力はローレベルである。故にNORゲート99の出力はハイレベルからローレベルになり、ATD信号に対する立ち上がり縁を生成する。NORゲート99の第1入力が遷移を行いハイレベルとなるまで、上記ATD信号はハイレベルのままである。NORゲート99の第1入力がハイレベルとなれば、上記ATD信号はローレベルとなり、故に、上記ATD信号の立ち下がり縁が生成される。抵抗器93およびコンデンサ97は、生成されるATD信号の時間長すなわちパルス幅を決定する時定数を決定する。上記ATD信号は、データ・タイミング制御回路15に対するひとつの入力を提供する。データ・タイミング制御回路15の他方の入力は、延長データ検知[extended data sense](EXSNS)信号70である。
【0042】
EXSNS信号70は、データ延長回路71により生成される。EXSNS信号70の論理状態は、データ延長回路71に対する各入力、すなわち、延長リセットデータ検知[extended reset data sense](RESETEX)信号75および延長セットデータ検知[extended set data sense](SETEX)信号73に依存する。図9の(a)に示されたデータ検知セット・バッファはSETEX信号73を生成すると共に、図9の(b)に示されたデータ検知リセット・バッファはRESETX信号75を生成する。上記データ検知セット・バッファおよびデータ検知リセット・バッファは、各バッファに対する各入力を除き、同一である。データ検知セット・バッファには入力として、上記内部クロック信号および上記トリガ(TRG)信号が供給される。一方、データ検知リセット・バッファは入力として、上記内部クロック信号および上記A0信号を有している。
【0043】
図9の(a)において、内部クロック(INTCLK)信号はNANDゲート901の第1入力およびインバータ903の入力に接続される。インバータ903は、トランジスタ・スィッチ905のゲートに接続される。INTCLK信号がローレベルになるときにトランジスタ・スィッチ905はオンとなる。トランジスタ・スィッチ905がオンであるときに、トランジスタ・スィッチ905のドレインに接続されたインバータ907の出力はトランジスタ・スィッチ905のソースを介してインバータ909および911へと受け渡される。インバータ907に対する入力は上記TRG信号に接続される。インバータ909および911はトランジスタ・スィッチ905のソースからの信号を反転すると共に、この信号をNANDゲート901の第2入力へと供給する。インバータ909および911はまた、基本的に上記TRG信号であるNANDゲート901の第2入力における論理状態を維持するラッチとしても作用する。NANDゲート901の出力は、インバータ913の入力に結合される。インバータ913の出力は、SETEX信号73である。INTCLK信号がローレベルであり且つNANDゲート901の出力がハイレベルであれば、SETEX信号73はローレベルである。
【0044】
INTCLK信号がハイレベルとなると、トランジスタ・スィッチ905はオフとなり且つNANDゲート901の第1入力もハイレベルである。故に、INTCLK信号がハイレベルとなるとき、基本的にTRG信号であるNANDゲート901の第2入力における信号は“クロック”されてSETEX信号73の論理状態を設定する。故に、INTCLK信号がハイレベルとなる前にTRG信号がローレベルであれば、上記SETEX信号もローレベルである。しかし乍ら、INTCLK信号がハイレベルとなる前にTRG信号がハイレベルであれば、SETEX信号はハイレベルとなる。故に、SETEX信号はINTCLKの立ち上がり縁にて且つTRG信号がハイレベルであるときにハイレベルとなり、且つ、SETEX信号はINTCLKの立ち下がり縁にて且つTRG信号がローレベルとなるときにローレベルとなる。
【0045】
前述の如く、図9の(b)におけるデータ検知リセット・バッファは上述した図9の(a)のデータ検知セット・バッファと同様であるが、各バッファに対する入力は異なる。故に、RESETX信号75はSETEX信号と同様の手法で生成される。しかし乍ら、上記A0信号はRESETX信号75の論理状態に影響を与える。故に、INTCLK信号がハイレベルとなるときに、A0信号は“クロック”されてRESETX信号75の論理状態を設定する。INTCLK信号がハイレベルになる前にA0信号がローレベルであれば、RESETX信号もローレベルである。しかし乍ら、INTCLK信号がハイレベルになる前にA0信号がハイレベルであれば、RESETX信号もハイレベルになる。故に、RESETX信号はINTCLKの立ち上がり縁にて且つA0信号がハイレベルであるときにハイレベルとなり、且つ、RESETX信号はINTCLKの立ち下がり縁にて且つA0信号がローレベルとなるときにローレベルとなる。
【0046】
図8に戻ると、RESETX信号75およびSETEX信号73は、データ延長回路71に対する入力として供給される。SETEX信号73は、第1トランジスタ77のゲートおよびインバータ83の入力に結合される。インバータ83の出力は、第2トランジスタ81のゲートに結合される。SETEX信号がハイレベルとなるときに、介在インバータ83により、第1トランジスタ77はオンとなり且つ第2トランジスタ81はオフとなる。第1トランジスタ77のソースはアースに結合されると共に、該第1トランジスタ77のドレインはインバータ85および87に結合される。EXSNS信号70はインバータ87の出力である。インバータ85および87は、ラッチとして作用すると共に、第1トランジスタ77のドレインにおける論理状態を維持する。故に、上記第1トランジスタがオンとなるときに、アースに対する経路が展開されると共にEXSNS信号70はハイレベルとなる。
【0047】
逆に、SETEX信号がローレベルとなるときに、第1トランジスタ77はオフとなり且つ第2トランジスタ81はオンとなる。RESETEX信号75は第3トランジスタ79のゲートに結合される。この第3トランジスタ79は、アースに結合されたソースと、第2トランジスタ81のソースに結合されたドレインとを有している。上記第2トランジスタのドレインはインバータ85および87に結合されると共に、EXSNS信号70を供給する第2ソースとしても作用する。SETEX信号73がローレベルであるときに、RESETEX信号75がハイレベルとなれば、アースに対する経路が展開される。故にEXSNS信号70はアースへと引張られてローレベルとなる。
【0048】
EXSNS信号70はデータ・タイミング制御回路15に供給されると共にATD回路9からのATD信号と組合されてデータ検知信号63を生成する。図8において、データ・タイミング制御回路15における各トランジスタは、前述のATD回路9の各トランジスタと同様に動作する。故に、上記ATD信号を受信するトランジスタ101aおよび101bならびにトランジスタ105aおよび105bはインバータとして作用する。抵抗器103aおよび107aはコンデンサ103b、107bおよび107cと協働してATD回路9の抵抗器93およびコンデンサ97と同様に動作し、すなわち、RC遅延もしくは時定数を生成する。但し、コンデンサ107cの付加により、NORゲート109bの入力が遭遇する遅延は、NORゲート109aの入力にて見られる遅延よりも長い。但し、これらの遅延はEXSNS信号70がハイレベルとなるときにのみ認識可能となる。
【0049】
EXSNS信号70がハイレベルであるとき、NORゲート109bの他の入力がローレベルであればNORゲート109bの出力はハイレベルとなる。もしNORゲート109bの各入力がローレベルであれば、NORゲート109aに結合された構成要素の類似性および各構成要素の相互接続に依り、NORゲート109aに対する各入力もローレベルである。NORゲート109aの各入力がローレベルであれば、NORゲート109aの出力はハイレベルとなる。NORゲート111の各入力でもあるNORゲート109a、109bの出力の両者がハイレベルになると、SNS信号63もハイレベルとなる。
【0050】
同様に、EXSNS信号70がローレベルとなるときに、NORゲート109bの出力はローレベルとなる。NORゲート109aの各入力もローレベルであることから、NORゲート109aの出力はハイレベルとなる。NORゲート111の各入力でもあるNORゲート109a、109bの出力の両者がローレベルであれば、SNS信号63もローレベルとなる。
【0051】
図10において、上記のEXSNS信号、TRG信号、A0信号、ATD信号、SNS信号および内部ならびに外部クロック信号のタイミング図は、これらの信号の相互作用と、データ・タイミング制御回路15の動作とを示している。上記内部クロック信号は上記アドレス・シーケンサに対する入力を提供することから、A0信号はINTCLK信号の状態に依存する。故にA0信号は、INTCLK信号の立ち上がり縁毎に切替わり、すなわち、状態を変更する。ATD回路9からのATD信号は、A0信号の状態に依存して、A0信号の立ち下がり縁にて生成される。ATD信号は、ひとつのアドレスから別のアドレスへの遷移の開始を表す。SNS信号63は、期間TS1およびTS2の間において各検知増幅器がトリガされることによりSNS信号の立ち上がり縁にて各メモリ・セルを読み取る如く、各検知増幅器を制御すべく作用する。図8に関して記述された如く、期間TS1およびTS2の存続時間は、抵抗器107aおよびコンデンサ107b、107cにより制御される。故に、もしデータ検知に更なる時間が必要とされるなら、付加的なキャパシタンスが加えられて期間TS1およびTS2の存続時間を延長する。
【0052】
上記各検知増幅器は、SNS信号の立ち下がり縁にて各メモリ・セルの読み取りを停止すべくトリガされる。標準的な読取り動作に対しては、上記各検知増幅器はメモリ・セルを読み取るべく2つの外部クロック・サイクルが許容されるものとする。図10において、TRG信号がハイレベルであれば、外部クロック信号の立ち上がり縁において、次の内部クロック・サイクルはスキップされる。図7に関して先に示された如く、TRG信号がハイレベルであるとき、境界交差が生ずる。境界交差が生ずるとき、各検知増幅器はデータを読み取る為に付加的な時間を必要とする。上記INTCLK信号は上記アドレス・シーケンサに供給されて各アドレスのインクリメントを制御することから、A0信号はINTCLK信号の立ち上がり縁まで変化しない。もしA0信号が変化しなければ、ATD信号は生成されない。もしATD信号が生成されず且つA0信号が変化しなければ、SNS信号はハイレベルのままであり且つ各検知増幅器は各メモリ・セルからのデータの読み取りを継続する。故に、ひとつの余分な外部クロック・サイクルだけ内部クロック信号を遅延することにより、各検知増幅器には読取り動作を実施する為に付加的時間が提供される。
【0053】
III.デコーダ回路
図1に関して先に示された如く列および行デコーダ6および8は、アドレス・シーケンサ4により生成された各アドレス信号に基づき列および行デコード信号を生成する。分離された高電圧部分および低電圧部分を備えた図11における本発明のデコーダ回路の一実施例は、図1に示された列もしくは行デコーダ回路24、26として使用される。アドレス信号A0・・An-1は、図1に示された行バッファ8もしくは列バッファ6からの入力として提供される。図11においてアドレス選択回路162は、アドレス信号A0・・An-1をゲート電圧供給回路240a、240b、240cおよび240dの各々に提供する前に、必要に応じてアドレス信号A0・・An-1のゼロ個以上を反転する。アドレス信号A0・・An-1が特定のゲート電圧供給回路の選択を示すとき、アドレス信号A0・・An-1のゼロ個以上は反転されることにより、その特定のゲート電圧供給回路に対する全ての信号入力にて“ハイレベル”の論理を付与する。
【0054】
たとえば、全てのアドレス信号A0・・An-1が論理「ロー」であるときにゲート電圧供給回路240aが選択されるべきであれば、ゲート電圧供給回路240aに供給される信号164、166、168および170の全てはアドレス選択回路162にて反転されることから、ゲート電圧供給回路240aの入力に付与される信号164、166、168および170の全ては付与されるときに論理「ハイ」である。別の例として、アドレス信号A0・・An-1の全てが論理「ハイ」であるときにゲート電圧供給回路240dが選択されるべきであれば、ゲート電圧供給回路240dに供給される信号188、190、192および194はいずれもアドレス選択回路162にて反転されないことから、ゲート電圧供給回路240dの入力に付与される信号188、190、192および194の全ては付与されるときに論理「ハイ」である。
【0055】
図12の(A)および図12の(B)は、図11のアドレス・デコーダ回路のゲート電圧選択回路200およびゲート電圧供給回路240a乃至240dとして夫々使用される従来の回路である。図12の(A)は、電圧出力Vppi 203を出力するゲート電圧選択回路200を示している。電圧出力Vppi 203の電圧レベルはVccもしくはVppのいずれかであると共に、読取り信号Rに依存する。該読取り信号Rは、上記同期式フラッシュ・メモリを使用しているシステムにより生成されると共に、読取り動作が必要なときに同期式フラッシュ・メモリ・デバイスに対して供給されるものである。
【0056】
読取り信号Rは、デプレション形N−チャネル・トランジスタ202のゲートに結合される。デプレション形N−チャネル・トランジスタ202のドレインはVccに結合されると共に、デプレション形N−チャネル・トランジスタ202のソースは電圧出力Vppi 203に結合される。読取り信号Rはまた、インバータ210の入力にも結合される。インバータ210の出力は、P−チャネル・トランジスタ208のゲートに結合される。P−チャネル・トランジスタ208のソースは、コモン209に結合される。P−チャネル・トランジスタ208のドレインは、エンハンスト形N−チャネル・トランジスタ204のゲートに結合される。エンハンスト形N−チャネル・トランジスタ204のドレインはVppに結合される。
【0057】
P−チャネル・トランジスタ208のドレインは、デプレション形N−チャネル・トランジスタ206のソースおよびゲートにも結合される。エンハンスト形N−チャネル・トランジスタ204のゲートはP−チャネル・トランジスタ208のドレインに結合される。エンハンスト形N−チャネル・トランジスタ204は厚寸の酸化物層と低導電率とを有する高電圧トランジスタである、と言うのも、それはゲート・プログラム用高電圧Vppを取扱う必要があるからである。
【0058】
上記読取り信号Rは、読取り動作の間においてハイレベルになる。読取り信号Rがハイレベルであるとき、N−チャネル・トランジスタ202はオンとなり且つ該トランジスタ202のソースにおける電圧はVccに近くなる。故に、電圧出力Vppi 203はVccに近くなる。読取り信号Rがハイレベルであるとき、インバータ210の出力はローレベルとなる。インバータ210の出力がローレベルとなるとき、上記P−チャネル・トランジスタはオンとなり、略々アース電位がデプレション形N−チャネル・トランジスタ206のゲートおよびソースに供給される。略々アース電位はエンハンスト形N−チャネル・トランジスタ204のゲートにも付与されて該トランジスタをオフとすることにより、該トランジスタが電圧出力Vppi 203に対してVppを供給するのを防止する。
【0059】
読取り信号Rがプログラム動作の間においてローレベルとなるとき、デプレション形N−チャネル・トランジスタ202はオフとされることにより、該トランジスタが電圧出力Vppi 203に対してVccを供給するのを防止する。読取り信号Rがローレベルであるときに、インバータ210の出力はハイレベルとなることから、P−チャネル・トランジスタ208をオフとする。エンハンスト形N−チャネル・トランジスタ204はオンとされると共に、プログラム・ドレイン電圧Vppが電圧出力Vppi 203に供給される。
【0060】
列デコーダ回路24および行デコーダ回路26は共に、ひとつの出力毎にひとつとして、図12の(B)の複数のゲート電圧供給回路220を備えている、と言うのも、各ゲート電圧供給回路は必要な電圧を、特定の列制御トランジスタに対し又は各メモリ・セルの特定行に対して供給するからである。
ゲート電圧供給回路220において、アドレス選択回路162からの各信号は、入力信号としてNANDゲート222に入力される。NANDゲート222の出力は、N−チャネル・トランジスタ224のドレインおよびN−チャネル・トランジスタ230のゲートに結合される。N−チャネル・トランジスタ224のゲートはVccに結合される。N−チャネル・トランジスタ224のソースは、P−チャネル・トランジスタ226のソースおよびP−チャネル・トランジスタ228のゲートに結合される。
【0061】
P−チャネル・トランジスタ226および228の各ドレインは、Vppi入力端子225および227に夫々結合される。Vppi入力は、ゲート電圧選択回路200により供給される。P−チャネル・トランジスタ226のゲート、P−チャネル・トランジスタ228のソースおよびN−チャネル・トランジスタ230のドレインは、ゲート電圧供給回路220の出力電圧231に結合される。N−チャネル・トランジスタ230のソースは、コモン229に結合される。
【0062】
特定のゲート電圧供給回路220が選択されないとき、NANDゲート222に対する入力信号I0・・In-1の少なくともひとつは論理「ロー」である。NANDゲート222に対する少なくともひとつの入力が論理「ロー」であるとき、NANDゲート222の出力は論理「ハイ」である。NANDゲート222の出力が論理「ハイ」であるとき、N−チャネル・トランジスタ230はオンとなり、出力電圧231をコモン229の略々アースまで引き下げる。出力電圧231がローレベルに引張られるときにP−チャネル・トランジスタ226はオンとされ、P−チャネル・トランジスタ228のゲートに論理「ハイ」電圧を供給することから、該P−チャネル・トランジスタ228が出力電圧231にて高電圧を供給するのを防止する。故に、ゲート電圧供給回路220は自身が選択されなければ読取り動作もしくはプログラム動作に対して出力電圧を供給しない。
【0063】
特定のゲート電圧供給回路220が選択されたとき、入力信号I0・・In-1の全ては論理「ハイ」であると共にNANDゲート222の出力は論理「ロー」である。N−チャネル・トランジスタ230のゲートにローレベル論理が付与されると該N−チャネル・トランジスタ230はオフとされることから、出力231はローレベルに引張られない。NANDゲート222の出力からの論理「ロー」は、N−チャネル・トランジスタ224を介してP−チャネル・トランジスタ228のゲートに付与される。P−チャネル・トランジスタ228はオンとなると共に、Vppi 227の電圧レベルに依存して、出力231をハイレベルからVppもしくはVccへと引張る。
【0064】
トランジスタ226、228および230はVppを取扱わねばならないことから、それらは厚寸の酸化物層および比較的に低い導電率を有する高電圧トランジスタである。Vccが通常より低いとき、P−チャネル・トランジスタ228の導電率は実際に低くなり、低速の読取り動作に帰着する。その結果、Vppi 203に対してVccを供給するトランジスタ202は大きくなければならない。
【0065】
図13において、本発明のゲート電圧供給回路240の一実施例は、別体の高電圧部分および別体の低電圧部分を有して示されている。上記ゲート電圧供給回路の低電圧部分は、高速切替を必要とする動作を実施する。ゲート電圧供給回路240においては、該ゲート電圧供給回路240が選択されたときにNANDゲート242は、従来の回路のNANDゲート222と同一様式にて入力信号を受信する。
【0066】
NANDゲート242の出力243は、N−チャネル・トランジスタ248のゲート、インバータ246の入力およびN−チャネル・トランジスタ252のドレインに結合される。インバータ246の出力247は、N−チャネル・トランジスタ250のドレインに結合される。N−チャネル・トランジスタ250のゲートは、N−チャネル・トランジスタ248のソースおよびN−チャネル・トランジスタ252のソースに結合される。N−チャネル・トランジスタ250のソースは、上記ゲート電圧供給回路の出力電圧260に結合される。読取り信号Rは、インバータ244の入力に供給される。インバータ244の出力は、トランジスタ252のゲートに付与される。上記トランジスタ248および250は、0Vのスレッショルド電圧を有する低電圧N−チャネル・トランジスタである。N−チャネル・トランジスタ250は、上記高電圧部分を上記低電圧部分から分離すべく使用される。
【0067】
特定のゲート電圧供給回路が選択されないとき、NANDゲート242の出力243はハイレベルであり、故に、インバータ246の出力247はローレベルである。N−チャネル・トランジスタ248はオンとなることから、N−チャネル・トランジスタ250はオンとなり且つノード249はハイレベルとなる。故に、インバータ246からのローレベル出力は上記特定のゲート電圧供給回路の出力として出力される。上記ゲート電圧供給回路のローレベル出力がインバータとして動作するトランジスタ254および256のゲートに付与されたとき、P−チャネル・トランジスタ254はオンとなってP−チャネル・トランジスタ258のゲートにVppiを付与し、且つ、N−チャネル・トランジスタ256はオフとなる。結果として、P−チャネル・トランジスタ258はオフとなり且つVppiは出力260に供給されない。
【0068】
特定のゲート電圧供給回路が選択されたとき、NANDゲート242の出力243はローレベルであることから、インバータ246の出力247はハイレベルである。読取り信号Rがハイレベルであり読取り動作を示すとき、インバータ244の出力はローレベルであり、N−チャネル・トランジスタ252をオフとする。出力260は、ハイレベルからVppiに引張られる。
【0069】
N−チャネル・トランジスタ250のチャネル・キャパシタンスの故に、N−チャネル・トランジスタ250のゲートのノード249はハイレベルに結合され、N−チャネル・トランジスタ250の高導電率を維持する。インバータ246は高導電率トランジスタにより形成されることから、出力260は強く駆動され、読み取りに対する高速動作に帰着する。これに加え、インバータ246はハイレベル出力を生成することにより、Vppi電圧を低下させない。故に、図12の(A)におけるゲート電圧選択回路のデプレション形N−チャネル・トランジスタ202は、Vppiにおける一切の電圧低下を補償すべく大型である必要は無い。
【0070】
特定のゲート電圧供給回路が選択されると共に読取り信号Rがローレベルであることからプログラム動作を示しているとき、インバータ244の出力はハイレベルであることから、N−チャネル・トランジスタ252をオンとする。N−チャネル・トランジスタ248は、ノード249がローレベルに引張られるにつれて、漸進的にオフとなる。読取り動作に関して上述された如く、出力260はハイレベルからVppiへと引張られる。しかし乍らN−チャネル・トランジスタ248はオフとなることにより、上記ゲート電圧供給回路の高電圧部分から該ゲート電圧供給回路の低電圧部分を分離するバッファとして作用する。故に、プログラム電圧、すなわち、読取り電圧と比較して高電圧が、ゲート電圧供給回路の低電圧部分に影響せずに出力260に供給される。
【0071】
IV.アドレス・シーケンサ
図1に示された如く、アドレス・シーケンサ4はクロック制御回路2からの内部クロック信号7を受信する。上記アドレス・シーケンサは、トリガ信号5をクロック制御回路へと供給する。上記アドレス・シーケンサはまた、各アドレス信号を列バッファ6および行バッファ8に供給する。これに加えて上記アドレス・シーケンサは、最下位アドレス・ビットを表すアドレス信号A0をATD回路9に供給する。
【0072】
アドレス・シーケンサ4は、アドレスを順次にインクリメントする。アドレスの順次的インクリメントの各々は、内部クロック信号7の立ち上がり縁と同期される。アドレス・シーケンサ4により生成されるアドレスは、各アドレス信号をコンパイルしたものである。各アドレス信号は、一連のトグル信号を使用してアドレス・シーケンサ4により個別に生成される。
【0073】
図14は、本発明のアドレス・シーケンサ300(a)の実施例のブロック図である。上記アドレス・シーケンサは、一連のアドレス信号生成器である。各アドレス信号生成器は、アドレス信号A0、A1、・・An-1を生成する。図14においては明確化の為に、アドレス信号A0、A1およびAn-1を生成しているアドレス信号生成器のみが示されている。故に図14に示された如く、第1アドレス信号生成器304はアドレス信号A0を生成する。同様に、第2アドレス信号生成器308は第2アドレス信号A1を生成する。最後に、第nアドレス信号生成器312は、第nアドレス信号An-1を生成する。
【0074】
アドレス信号生成器304は、偶数番アドレス信号を生成する偶数番アドレス信号生成器である。アドレス信号生成器308は、奇数番アドレス信号を生成する奇数番アドレス信号生成器である。
上記各アドレス信号生成器は、クロック信号変化に基づいて入力信号をクロック・アウトするラッチすなわちシフト・レジスタとして作用する。上記各アドレス信号生成器は2個のラッチを含み、第1のラッチに対してはクロック信号を反転した信号が供給されると共に第2のラッチに対してはクロック信号が供給される。故に、各アドレス信号生成器には差分的クロック信号が供給される。差分的クロック信号は、内部クロック信号7および反転内部クロック信号7aから成る。反転内部クロック信号は、内部クロック信号をインバータ302に通過させることにより形成される。入力信号はクロック信号の立ち上がり縁時に第1ラッチにクロック入力され、且つ、入力信号はクロック信号の立ち上がり縁時に第2ラッチにクロック入力される。
【0075】
アドレス信号生成器304、308および312には、夫々、2入力XORゲート303、307および311により供給された入力信号が供給される。第1アドレス信号生成器に対して入力信号を供給するXORゲート303の第1入力は、論理“1”に結合される。XORゲート303の第2入力は、第1アドレス信号生成器304の出力すなわちアドレス信号A0に結合される。故に、クロック信号の立ち上がり縁毎に、アドレス信号A0は論理“0”と論理“1”との間でトグルされる。
【0076】
アドレス信号A0は、NANDゲート322の第1入力にも結合される。NANDゲート322の第2入力は、論理“1”に結合される。故にNANDゲート322の出力は、アドレス信号A0の反転である、第1トグル信号の反転Tgl(0)バーを提供する。故に、XORゲート303およびNANDゲート322は、偶数番アドレス信号生成器304に組合された偶数番トグル論理セルを表す。換言すると、偶数番アドレス信号生成器304に組合されたトグル論理セルは、第1トグル信号の反転Tgl(0)バーを生成する。
【0077】
NANDゲート322により供給される第1トグル信号の反転Tgl(0)バーは、インバータ324を介してXORゲート307の第1入力に結合される。インバータ324は上記入力をXORゲート307を介してアドレス信号生成器308に供給する。第1トグル信号の反転Tgl(0)バーは、NORゲート328の第1入力にも供給される。アドレス信号生成器308により生成されたアドレス信号A1は、XORゲート307の第2入力に対し、且つ、インバータ326を介してNORゲート328の第2入力に対し、結合される。故に、アドレス信号A1はアドレス信号A0が1であり且つアドレス信号A1が0であるときに1へと移行し、且つ、アドレス信号A1はアドレス信号A0が1でありアドレス信号A1も1であるときに0へ移行する。換言すると、アドレス信号A1はアドレス信号A0が1であるときには常にトグル動作を行う。
【0078】
NORゲート328の出力は、第2トグル信号Tgl(1)である。故に、アドレス信号生成器308に組合されたトグル論理セルは、奇数番トグル信号である第2トグル信号Tgl(1)を生成する。アドレス信号生成器308に組合されたトグル論理セルは、XORゲート307、インバータ324、326およびNORゲート328により表される奇数番トグル論理セルである。
【0079】
XORゲート311の第1入力は、第(n−1)トグル信号Tgl(n-2)に結合される。XORゲート311の第2入力は、アドレス信号生成器312により生成されたアドレス信号An-1に結合される。アドレス信号生成器312は、最上位アドレス・ビットを表す上記アドレス信号を生成する。インバータ330は、アドレス信号生成器312が反転トグル信号を反転する奇数番アドレス信号生成器であることを示している。但しアドレス信号生成器312は、各アドレス信号により表されるアドレス・ビットの個数に依存して偶数番アドレス信号生成器となることもある。アドレス信号生成器312が偶数番アドレス信号生成器である場合、インバータ330は存在しない。
【0080】
アドレス信号生成器312は最上位ビットを表すアドレス信号An-1を生成することから、アドレス信号生成器312は最終アドレス信号を生成する最終アドレス信号生成器である。従って、最終アドレス信号がアドレス信号生成器312により生成されたなら、生成されるべき更なるアドレス信号は無い。故に、アドレス信号生成器312は偶数番もしくは奇数番トグル論理セルのいずれとも組合されない、と言うのも、任意の特定のアドレス信号生成器に組合されたトグル論理セルは、該特定のアドレス信号生成器により生成されたアドレス信号により表されるアドレス・ビットよりも上位のビットを表すアドレス信号を生成すべく使用されるからである。
【0081】
上記アドレス・シーケンサはまた、図2乃至図7に関して前述された如く内部クロック信号のクロック・サイクルの阻止を開始すべく、クロック制御回路2に対してトリガ信号5を供給する。本発明の一実施例において、トリガ信号5はトグル信号のひとつである。上記トリガ信号は、第5トグル信号Tgl(4)であり得る。
【0082】
他の実施例において、トリガ信号5はフラッシュ・メモリ・デバイスの他の動作の開始もしくは操作の為に生成される。別実施例においては、アドレス信号A0−An-1に対してトリガ信号生成器が結合される。アドレス信号A0−An-1を使用することによりトリガ信号生成器はトリガ信号5を生成する。
図15の(c)は、各アドレス信号を生成する間に生ずる遅延経路を形成する、直列に接続された各論理ゲートを示している。各論理ゲートは、アドレス信号A0を除き、各アドレス信号に順次的ゲート遅延が伴う場合に順次的ゲート遅延を引き起こす。換言すると、各アドレス信号に伴う順次的ゲート遅延は、そのアドレス信号に伴うゲート遅延の合計である。最下位アドレス・ビットを表すアドレス信号A0を除き、全てのアドレス信号には順次的ゲート遅延が伴う。
【0083】
故に、各アドレス信号を生成する間に生ずる遅延経路における合計遅延は、そのアドレス信号に伴う順次的ゲート遅延と、そのアドレス信号により表されるアドレス・ビットよりも下位の各アドレス・ビットを表す他の各アドレス信号に伴う全ての順次的ゲート遅延と、の合計である。たとえば、アドレス信号A1を生成する間に生ずる遅延経路における合計遅延は、そのアドレス信号A1に伴う順次的ゲート遅延であり、且つ、アドレス信号Akを生成する間に生ずる遅延経路における合計遅延は、アドレス信号A1乃至Akに夫々伴う順次的ゲート遅延の合計である。
【0084】
図15の(c)において、NANDゲート412の第1入力はトグル信号Tgl(k-1)である。NANDゲート412の出力は、NORゲート414の第1入力に結合される。NANDゲート418の出力は、NORゲート420の第1入力に結合される。NORゲート420の出力は、NANDゲート424の第1入力に結合される。
【0085】
NANDゲート412、418および424の各第2入力は夫々、組合された(不図示の)各アドレス信号生成器からのアドレス信号Ak、Ak+2およびAk+4に結合される。NORゲート414および420の第2入力は夫々、インバータ416および422により夫々反転されたアドレス信号Ak+1およびAk+3に結合される。
【0086】
該実施例においてNORゲート遅延は、NANDゲート遅延に略々等しい。故にたとえば、NORゲートもしくはNANDゲートの遅延がTanであれば、21ビット・アドレスの第21番目のアドレス信号の生成に伴う順次的ゲート遅延は、J=20 x Tanである。
遅延の合計量は概略的にひとつのクロック周期以内に生じるべきであることから、クロック周期はJ秒により下方限界を定められる。故に、クロック周波数は(1/J)Hzにより上方限界を定められる。アドレス・シーケンサの遅延経路におけるゲート遅延の個数を減少することにより、メモリ・デバイスは更に高い周波数クロックで動作し得る。
【0087】
完全を期す為、図15の(a)は偶数番アドレス信号生成器371の一実施例を示している。アドレス信号生成器371に対する入力として、XORゲート372の出力トグル・アドレス信号が供給される。アドレス信号生成器371に対する入力は、トランジスタ374のドレインに供給される。XORゲート372の第1入力はトグル信号Tgl(k-1)に結合されるとと共に、XORゲート372の第2入力はアドレス信号生成器371により生成されるアドレス信号Akに結合される。
【0088】
トランジスタ374のゲートは、反転クロック信号CLKバーに結合される。トランジスタ374のソースは、インバータ378および380から成る第1ラッチに結合される。該第1ラッチの出力は、トランジスタ382のドレインに結合される。トランジスタ382のゲートは、クロック信号CLKに結合される。トランジスタ382のソースは、インバータ384および386から成る第2ラッチに結合される。該第2ラッチの出力は、生成されたアドレス信号Akである。
【0089】
偶数番アドレス信号生成器371において、入力は、クロック信号CLKの立ち下がり縁、すなわち、反転クロック信号CLKバーの立ち上がり縁に同期して、上記第1ラッチにクロック入力される。而して第1ラッチの内容は、クロック信号CLKの立ち上がり縁に同期して上記第2ラッチにクロック入力される。上記第2ラッチの内容は上記偶数番アドレス信号生成器の出力を形成するが、これは上述のアドレス信号Akである。
【0090】
同様に完全を期す為、図15の(b)は奇数番アドレス信号生成器391の一実施例を示している。奇数番アドレス信号生成器391の構造は、偶数番アドレス信号生成器371と類似している。但しインバータ392がXORゲート394の第1入力に結合されて、トグル信号の反転Tgl(k-1)バーを反転する。
図14および図15の(a)乃至図15の(c)に示された各論理ゲートは、次のブール式により表され得る。偶数番アドレス信号、すなわちkが偶数番であるとき、ブール式は:
【0091】
【数1】
Figure 0004297606
【0092】
故に、図14および図15の(a)乃至図15の(c)に関して上述された本発明の実施例においては、各トグル信号はひとつのアドレス信号が生成される間に使用される。換言すると、各トグル信号と各アドレス信号との間には概略的に1対1の対応がある。もし各トグル信号が一個以上のアドレス信号を生成すべく使用されるのであれば、生成されるトグル信号の個数は減少され得る。換言すると、各トグル信号と各アドレス信号との間に1対2(又はそれ以上)の対応があれば、同一数のアドレス信号を生成する上では更に少ないトグル信号が使用される。
【0093】
ふたつの実施例において生成されるアドレス信号の個数が同一であるとすれば、1個のトグル信号を使用して2個のアドレス信号が生成されるという実施例においては、1個のトグル信号を使用して1個のアドレス信号が生成されるという実施例と比較して、トグル信号の個数は半分に減少される。更に、トグル論理セルの個数も半分に減少される、と言うのも、1個のトグル論理セルが1個のトグル信号を生成するからである。而して、各トグル論理セルの各論理ゲートは各アドレス信号の遅延経路内に在ることから、トグル論理セルの個数が半分に減少される場合には、各アドレス信号の生成に伴う順次的ゲート遅延におけるゲート遅延の量は概略的に半分に減少される。
【0094】
図16の(a)および図16の(b)は夫々、各トグル信号が2個のアドレス信号の生成の間に使用されるという実施例の奇数番および偶数番アドレス信号生成器を示している。図16の(a)は、XORゲート432の出力トグル・アドレス信号、クロック信号CLKおよび反転クロック信号CLKバーに結合された奇数番アドレス信号生成器431を示している。奇数番アドレス信号生成器431の構造は、図15(b)に示された奇数番アドレス信号生成器391の構造と類似している。XORゲート432の各入力は、トグル信号Tgl(2(m-1))、および、奇数番アドレス信号生成器431により生成されたアドレス信号A(2m-1)に結合される。
【0095】
図16の(b)は、XORゲート456の出力トグル・アドレス信号、クロック信号CLKおよび反転クロック信号CLKバーに結合された偶数番アドレス信号生成器451を示している。偶数番アドレス信号生成器451は、図15の(a)における偶数番アドレス信号生成器371と類似している。XORゲート456の第1入力は、偶数番アドレス信号生成器451により生成されたアドレス信号A(2m)に結合される。XORゲート456の第2入力は、インバータ454の出力に結合される。インバータ454の入力は、NANDゲート452の出力に結合される。NANDゲート452の各入力は、トグル信号Tgl(2(m-1))およびアドレス信号A(2m-1)に結合される。故に、1個のトグル信号Tgl(2(m-1))が2個のアドレス信号A(2m-1)およびA(2m)を生成する間に使用される。
【0096】
同様に、該実施例における他のトグル信号の各々は、2個のアドレス信号を生成する間に使用される。たとえば、トグル信号T(2m)はアドレス信号A(2m+1)およびアドレス信号A(2m+2)を生成すべく使用され、且つ、トグル信号T(2(m+1))はアドレス信号A(2m+3)およびA(2m+4)を生成すべく使用される。故に、生成されるトグル信号の個数は2の係数で減少される。図16の(c)は、直列に接続されて遅延経路を形成すると共に順次的ゲート遅延を引き起こすゲート・ロジックを示している。3入力NANDゲート482の各入力は、トグル信号Tgl(2(m-2))、アドレス信号A(2m-2)およびアドレス信号A(2m-1)に夫々結合される。NANDゲート482の出力は、インバータ484の入力に結合される。インバータ484の出力は、2個のアドレス信号A(2m-1)およびA(2m)を生成する間に使用されるトグル信号Tgl(2(m-1))である。
【0097】
トグル信号Tgl(2(m-1))は3入力NANDゲート486の入力に結合されるが、該NANDゲート486の他の2個の入力はアドレス信号A(2m-1)およびA(2m)に夫々結合される。NANDゲート486の出力はインバータ488の入力に結合されるが、該インバータ488の出力すなわちトグル信号Tgl(2m)は、次の3入力NANDゲート490に直列に結合される。故に、3入力NANDゲートの各々には、1個のトグル信号および2個のアドレス信号が供給される。
【0098】
図16に関して記述された実施例において、使用されるNANDゲートおよびインバータの個数は(n−1)/2である。これは、第1アドレス信号の生成には何らの順次的ゲート遅延が伴わず、且つ、各トグル論理セルは2個のアドレス信号を生成すべく使用されるからである。故に、21ビット・アドレス・システムにおける第21番目のアドレス信号を生成する為には、Tan=Tai=1nsとして、一連のトグル論理セルに依る順次的ゲート遅延は10×(Tan+Tai)すなわち20nsである。
【0099】
図16の(a)乃至図16の(c)に示された各論理ゲートは、ブール式(3)、(4)および(5)により表される:
【0100】
【数2】
Figure 0004297606
【0101】
式(3)は、図16の(b)の偶数番アドレス信号生成器451を示している。信号Tgl(2(m-1))(T−1)およびA(2m-1)(T−1)は夫々、時間Tの直前の時間T−1において選択されたトグル信号Tgl(2(m-1))、および、第(2m−1)番目のアドレス・ビットを表すアドレス信号である。換言すると、時間T−1および時間Tの間の時間差は概略的に、クロック信号CLKの1クロック周期である。信号Tgl(2(m-1))(T−1)およびA(2m-1)(T−1)は、NANDゲート452およびインバータ454により協働してANDされる。
【0102】
インバータ454の出力はXORゲート456にて、時間T−1における第(2m)番目のアドレス・ビットを表すアドレス・ビットであるA(2m)(T−1)と共にXORされる。XORゲート456の出力は、クロック信号CLKから次のクロック・サイクルへの立ち下がり縁時に、インバータ462および464から成る第1ラッチにクロック入力される。第1ラッチの出力は、クロック信号CLKの立ち上がり縁時に、インバータ468、470から成る第2ラッチにクロック入力される。故に、クロック信号の立ち下がり縁および立ち上がり縁(1個のクロック・サイクルもしくは1個のクロック周期)の後、時間T−1における信号Tgl(2(m-1))(T−1)およびA(2m-1)(T−1)の組合せは、時間Tにおける第A(2m)番目のアドレス・ビットを表すアドレス信号A(2m)(T)としての出力である。
【0103】
式(4)は、図16の(a)の奇数番アドレス信号生成器431を表している。信号Tgl(2(m-1))(T−1)およびA(2m-1)(T−1)は、式(3)に見られる対応信号と同一である。式(3)において、これらの信号は、時間Tにおける第A(2m)番目のアドレス・ビットを表すアドレス信号A(2m)(T)を生成すべく使用される。式(4)において、信号Tgl(2(m-1))(T−1)およびA(2m-1)(T−1)は、時間Tにおける第A(2m-1)番目のアドレス・ビットを表すアドレス信号A(2m-1)(T)を生成すべく使用される。故に、時間T−1において生成されたトグル信号Tgl(2m-1)(T−1)は、時間Tにおけるアドレス信号A(2m)(T)およびA(2m-1)(T)の両者を生成すべく使用される。
【0104】
式(5)は、偶数番トグル信号Tgl(2m)(T−1)がブール演算により奇数番トグル信号Tgl(2m-1)(T−1)からでは無く別の偶数番トグル信号Tgl(2(m-1))(T−1)から生成されることを表している。Tgl(2m-1)(T−1)はA(2m-1)(T−1)によりANDされたTgl(2m-1)(T−1)に等しいことを認識することにより、式(5)は、mが正の整数、1、2、3などとすればTgl(2m-1)(T−1)の生成をバイパスする手法を提供する。故に、全ての奇数番トグル信号すなわちTgl(1)、Tgl(3)、Tgl(5)などの生成が回避される。結果として、各トグル信号を生成する間に生ずるゲート遅延の数は半分に減少され、故に、各アドレス信号の生成の間に生ずる順次的ゲート遅延の存続時間は半分に減少される。
【0105】
上述の各実施例において、遅延の合計量は1クロック周期により上方限界を定められる。この結果、クロック信号の立ち上がり縁がアドレス信号生成器の出力としての各アドレス信号をクロック・アウトする前に、全てのアドレス信号を生成することが許容される。
但し、アドレスをインクリメントする毎に全てのアドレス・ビットがローレベルからハイレベルへと又はハイレベルからローレベルへと状態を変更するのでは無い。たとえば、最下位ビットを表すアドレス信号は全てのクロック周期毎にトグルし、最下位ビットの次を表すアドレス信号は1個おきのクロック周期毎にトグルするなどである。
【0106】
もし、クロック周期よりも長い周期を有する信号が、1クロック周期毎にはトグルしない各アドレス信号の幾つかをクロック・アウトすべく使用されたなら、これらのアドレス信号を生成すべく付加的時間が利用可能となる。換言すると、1クロック周期毎にはトグルしないアドレス信号の幾つかが、クロック周期より長い周期を有する信号を使用して生成されるなら、これらのアドレス信号を生成すべく更なる時間が許容される。各アドレス信号は、1クロック周期より長いサイクル時間(周期)を有している。故に、各アドレス信号生成器が夫々のアドレス信号を生成する為の更なる時間を許容すべく、これらのアドレス信号生成器の幾つかに対してクロック信号の代わりにアドレス信号が使用され得る。
【0107】
アドレス信号のサイクル時間は、そのアドレス信号の2個の連続する立ち上がり縁の間における時間長である。アドレスは順次的にインクリメントされることから、上位側のアドレス・ビットを表す各アドレス信号は、下位側のアドレス・ビットを表す各アドレス信号よりも少ない頻度で変化する。故に、上位側のビットを表すアドレス信号のサイクル時間は、下位側のビットを表すアドレス信号のサイクル時間よりも長い。たとえば、アドレス信号A1に対するサイクル時間は、アドレス信号A0に対するサイクル時間よりも長い。実際、A1のサイクル時間はA0のサイクル時間の約2倍である。換言するとアドレス信号A0は、アドレス信号A1の1遷移毎に2回遷移する。
【0108】
アドレス信号A0は、1クロック周期毎にローレベルからハイレベル又はハイレベルからローレベルへと状態が変化する。故に、アドレス信号A0のサイクル時間(周期)は1クロック周期の2倍である。然るに、アドレス信号A0は最下位アドレス・ビットを表すと共にアドレス信号A0のサイクル時間はクロック周期よりも長いことから、他の全てのアドレス信号は内部クロック信号のクロック周期よりも長いサイクル時間を有している。
【0109】
故に、アドレス信号A(m-1)のサイクル時間は、内部クロック信号のクロック周期よりも長い。上記アドレス・シーケンサは一度に1ずつアドレスをインクリメントすることから、下位側のアドレス・ビットは上位側のアドレス・ビットよりも頻繁に更新される。たとえばアドレス信号A0により表されるアドレス・ビットは、アドレス・インクリメント毎に更新される。また、アドレス信号A1により表されるアドレス・ビットは、1回置きのアドレス・インクリメント毎に更新される。一般的に、アドレス信号Amにより表されるアドレス・ビットは、アドレスが2m回だけインクリメントされる毎に更新される。
【0110】
故に、A0を除き、任意のアドレス信号を生成する為の時間は、クロック周期により限界を定められない。換言すると、A0を除く全てのアドレス信号は、生成の為に1クロック周期よりも長い周期を取り得る。故に、アドレス信号Am乃至An-1を生成するクロック信号として、内部クロックの代わりにアドレス信号A(m-1)を供給することにより、アドレスをインクリメントする為の内部クロックとして更に高速の周波数を有するクロックが使用され得る。換言すると、所定アドレス信号により表されるアドレス・ビットよりも上位(more significant)のアドレス・ビットを表するアドレス信号を生成する為にクロック信号の代わりに上記所定アドレス信号が使用されるのであれば、アドレス遷移を完了する上で更に長い周期が利用可能である。
【0111】
図17のアドレス・シーケンサにおいて、各アドレス信号生成器の幾つかに供給されるクロックは、クロック信号の代わりにアドレス信号である。図17は、第1アドレス・シーケンサ部分300bおよび第2アドレス・シーケンサ部分300cを示している。第1アドレス・シーケンサ部分300bにおいては、アドレス信号生成器304b、308bおよび312bに対してクロック信号として内部クロック信号7が供給される。上記内部クロック信号はインバータ302bにより反転されると共に、各アドレス信号生成器に対して反転クロック信号として供給される。
【0112】
XORゲート303bの第1入力は論理“1”に結合される。XORゲート303bの第2入力は、アドレス信号生成器304bの出力すなわちアドレス信号A0に結合される。XORゲート303bの第1入力はNANDゲート305bの第1入力にも結合される。XORゲート303bの第2入力は、NANDゲート305bの第2入力にも結合される。NANDゲート305bの出力は、インバータ306bの入力に結合される。
【0113】
XORゲート303b、NANDゲート305bおよびインバータ306bは、アドレス信号生成器304bに組合されたトグル論理セルを表す。アドレス信号生成器304bに組合されたトグル論理セルは、第1トグル信号Tgl(0)を生成する。同様に、アドレス信号生成器308bに組合されたトグル論理セルは、第2トグル信号Tgl(1)を生成する。アドレス信号生成器308bに組合されたこのトグル論理セルは、XORゲート307b、XORゲート309bおよびインバータ310bにより表される。
【0114】
インバータ306bの出力である第1トグル信号Tgl(0)は、XORゲート307bの第1入力およびNANDゲート309bの第1入力に結合される。アドレス信号生成器308bにより生成されたアドレス信号A1は、NANDゲート309bの第2入力に結合される。NANDゲート309bの出力は、インバータ310bの入力に結合される。インバータ310bの出力は、第2トグル信号Tgl(1)である。XORゲート311bの第1入力は、第(m−1)トグル信号Tgl(m-2)に結合される。XORゲート311bの第2入力は、アドレス信号生成器312bにより生成されたアドレス信号A(m-1)に結合される。
【0115】
図17において、アドレス信号A0乃至A(m-1)は第1アドレス・シーケンサ部分300bにより生成される。アドレス信号Am乃至Anは、第2アドレス・シーケンサ部分300cにより生成される。アドレス信号生成器304c、308cおよび312cは、第1アドレス・シーケンサ部分のアドレス信号生成器304b、308bおよび312bと同様である。同様に、夫々、XORゲート303c、NANDゲート305c、インバータ306c、および、XORゲート307c、NANDゲート309c、インバータ310cから成るトグル論理セルは第1アドレス・シーケンサ部分の各トグル論理セルと同様である。
【0116】
第2アドレス・シーケンサ部分300cのアドレス信号生成器304c、308cおよび312cには、内部クロック信号7の代わりにクロック信号として、上記第1アドレス・シーケンサ部分のアドレス信号A(m-1)が供給される。アドレス信号A(m-1)は第2アドレス・シーケンサ部分のインバータ302cにより反転されると共に、反転クロック信号としてアドレス信号生成器304c、308cおよび312cに供給される。一例として、21ビット・アドレスを生成するアドレス・シーケンサに対し且つmが6であれば、A0乃至A5を生成すべく使用される最初の6個のアドレス信号生成器には、クロック信号として内部クロック信号が供給される。A6乃至A20を生成すべく使用される残りの15個のアドレス信号生成器には、アドレス信号A5がクロック信号として供給される。ひとつのアドレス・ビットを表す任意のアドレス信号は、該アドレス信号により表されるアドレス・ビットよりも上位側のビットを表す各アドレス信号を生成する各アドレス信号生成器に対して、クロック信号として供給され得る。
【0117】
一実施例においては、第2アドレス・シーケンサ部分300cに対するクロック信号としてワード・ライン切替アドレス信号が使用される。図2のクロック制御回路に関して前述された如く、ひとつのワード・ラインの終了から次のワード・ラインの開始への遷移は、境界交差もしくはワード・ライン切替と称される。読取り動作の間、ワード・ライン上のキャパシタンスおよび抵抗に依る遅延は、ワード・ライン切替にて増加される。ワード・ライン切替アドレス信号の遷移は、ワード・ライン切替にて生ずる。故に、ワード・ライン切替アドレス信号がクロック信号A(m-1)として使用される場合には、アドレス・シーケンサに対して利用可能な最大遅延時間が使用される。但し、第2アドレス・シーケンサ部分300cに対しては他のアドレス信号がクロック信号として使用され得る。
【0118】
図17におけるアドレス・シーケンサの実施例を図14および図15の(a)乃至図15の(c)の実施例、又は、図16の(a)乃至図16の(c)の実施例と組合せることにより、高クロック周波数で動作し得るアドレス・シーケンサの実施例が形成される。アドレス・シーケンサの該実施例は、幾つかのアドレス信号生成器に対するクロック信号としてアドレス信号を使用することに加え、偶数番および奇数番アドレス信号生成器に対して異なるトグル論理セルを使用する。
【0119】
V.データ検知
図1に戻ると、検知増幅器18および22は個々のデータ・ラインに結合される。これらのデータ・ラインは、個々のメモリ・ブロックのビット・ラインに結合される。通常、これらのデータ・ラインの初期電圧レベルはゼロである。但し多くの場合にデータ・ラインは、近傍のデータ・ラインにより形成されたキャパシタンスに依り、アース・レベルよりも高い電圧レベルを有している。故に、各データ・ラインに対して所定読取り電圧が印加されると共にS/A 18および22が各メモリ・セルからデータの検知を試行するときに、遅延が見られる。従来、遅延を除去すべく各データ・ラインは分離されており、すなわち、各データ・ラインの間には大きな空間が提供されていた。しかし乍ら、各データ・ライン間に大きな空間を付加すると、メモリ用金型サイズ、すなわち、フラッシュ・メモリ・デバイスにより占有される物理的空間も大きくなる。
【0120】
メモリ用金型サイズを増大せずに遅延を除去する為に、データ・ライン中にはプルダウン・トランジスタが導入される。図18においては、データ・ライン803に対してプルダウン・トランジスタ801が結合される。プルダウン・トランジスタ801のゲートは、リセット信号ライン805に結合される。メモリ・セルを読み取る前に、リセット信号ライン805は短時間に亙りハイレベルとなる。故に上記プルダウン・トランジスタはオンとなり、データ・ラインをアースする。全てのデータ・ラインをアース電圧レベルにて最初にスタートすることにより、各データ・ラインを結合するキャパシタンスならびに個々のデータ・ライン上のキャパシタンスは減少される。故に、各データ・ラインが遭遇する遅延は、メモリ用金型サイズを増大せずに減少される。
【0121】
VI.高電圧比較器
図1に関して示された如く、プログラム動作では、一群の所定電圧が各メモリ・セルに印加される必要がある。図1の高電圧比較器回路54は、メモリ・セルのプログラムを開始するに十分なほど所定電圧が高い正確なタイミングを決定すべく、一群のトランジスタから成る。図19は、図1の高電圧比較器回路54の一実施例を示している。図19における高電圧比較器回路は、ラインAAにおける電圧レベルすなわち所定プログラム電圧がラインBBにおける電圧レベルに対応する瞬間を検出する。ラインRef.における電圧レベルは定常的にハイレベルであるとし、且つ、ラインVppにおける電圧レベルは上昇しつつあるものとする。ラインVppは、Vppトランジスタ181のゲートに結合される。ラインVppの電圧レベルが上昇するにつれてVppトランジスタ181はオンとなり、該Vppトランジスタ181のドレインに結合されたラインBBを低速でVccに引張る。故に、ラインVppにおける電圧レベルが上昇するにつれて、ラインBBにおける電圧レベルも漸進的に上昇する。
【0122】
ラインBBは、BBトランジスタ183およびAAトランジスタ185の各ゲートにも結合される。故に、ラインBBにおける電圧レベルが漸進的に上昇するにつれて、BBおよびAAトランジスタは漸進的にオンとなる。AAトランジスタ185のソースには、基準トランジスタ187のドレインにも結合されたラインAAが結合される。ラインRef.は、基準トランジスタ187のゲートに結合される。ラインRef.に印加されている一定電圧レベルに依り、基準トランジスタ187はオンであることから、ラインAAにおける電圧レベルは電圧Vccに近い。上記AAトランジスタが漸進的にオンとなるにつれて、電圧Vccからはアースへの経路が形成されることから、ラインAAにおける電圧レベルは漸進的に引き下げられる。故に、ラインAAにおける電圧レベルは、ラインBBにおける電圧レベルが漸進的に上昇するにつれて、漸進的に低下する。
【0123】
ラインAAはAAデプレション形トランジスタ167のゲートにも結合されると共に、ラインBBはBBデプレション形トランジスタ169のゲートに結合される。ラインBBにおける電圧レベルが漸進的に上昇するにつれ、AAデプレション形トランジスタ167は漸進的にオンとなる。同様に、ラインAAにおける電圧レベルが漸進的に低下するにつれ、AAデプレション形トランジスタ167は漸進的にオフとなる。BBデプレション形トランジスタ169のソースは、第1のp−チャネル・トランジスタ163および第2のp−チャネル・トランジスタ165の共通接続された各ゲートに結合される。BBデプレション形トランジスタ169がオンとなったなら、アースに対する経路が形成されることにより、第1のp−チャネル・トランジスタ163および第2のp−チャネル・トランジスタ165はオンとなる。
【0124】
ラインVPROKは、AAデプレション形トランジスタ167のソースおよび第2のp−チャネル・トランジスタ165のドレインに結合される。上記第2のp−チャネル・トランジスタがオンとなり且つAAデプレション形トランジスタ167が低速でオフとなるときに、ラインVPROKには電圧Vccに対する経路が供給される。故に、ラインVPROKは急激に上昇する。換言すると、ラインBBにおける電圧レベルが上昇して、低下しつつあるラインAAにおける電圧レベルに対応するときに、ラインVPROKにおける電圧レベルは上昇する。故に、ラインBBにおける電圧レベルがラインAAにおける電圧レベルよりも高くなると直ちに、ラインVPROKにおける電圧レベルは急激に上昇する、と言うのも、該ラインVPROKは電圧Vccに引張られるからである。ラインVPROKは、ラインBBにおける電圧レベルがメモリ・セルのプログラムを開始するに十分なほど高いこと、すなわち、ラインBBにおける電圧レベルがラインAAにおける電圧レベルよりも高いことを表す。故に、所定プログラム電圧すなわちラインBBおよびラインAAにおける電圧レベルがその特定動作電圧レベルを達成したとき、メモリ・セルのプログラミングが直ちに開始される。
【0125】
VII.結論
故に本発明は、高速アドレス・シーケンサを提供する。NORアーキテクチャに基づく同期式フラッシュ・メモリ・デバイスにおける用途が記述されたが、上記高速アドレス・シーケンサは同様の高速アドレッシングを必要とする任意の半導体デバイスにおける広範囲な用途を有している。特に上記高速アドレス・シーケンサは、NANDアーキテクチャに基づく同期式フラッシュ・メモリ・デバイスにおいても等しく有用である。
【0126】
これに加え、本発明は一定の特定実施例において記述されたが、当業者であれば多くの付加的改変および異形は明らかであろう。従って、本発明は詳細に記述された処とは異なる様に実施され得ることは理解されよう。故に、現在における発明の各実施例は全ての点において例示的であって限定的なものでなく、発明の範囲は上記説明では無く添付の請求の範囲ならびにその均等物により決定される。
(付記1)クロック信号を受信すると共に複数の偶数番アドレス信号および複数の奇数番アドレス信号を生成するアドレス・シーケンサであって、
各々が上記クロック信号を受信して上記複数の偶数番アドレス信号のひとつを生成する、複数の偶数番アドレス信号生成器と、
各々が上記クロック信号を受信して上記複数の奇数番アドレス信号のひとつを生成する、複数の奇数番アドレス信号生成器と、
複数の偶数番トグル信号のひとつと複数の偶数番トグル・アドレス信号のひとつを生成する複数の偶数番トグル論理セルであって、各偶数番トグル論理セルは、上記複数の偶数番アドレス信号生成器のひとつと組合されると共に、上記複数の偶数番アドレス信号生成器のひとつと組合された上記複数の偶数番アドレス信号のひとつを受信する、複数の偶数番トグル論理セルと、
複数の奇数番トグル信号のひとつと複数の奇数番トグル・アドレス信号のひとつを生成する複数の奇数番トグル論理セルであって、各奇数番トグル論理セルは、上記複数の奇数番アドレス信号生成器のひとつと組合されると共に、上記複数の奇数番アドレス信号生成器のひとつと組合された上記複数の奇数番アドレス信号のひとつを受信する、複数の奇数番トグル論理セルと、
を備えて成る、アドレス・シーケンサ。
(付記2)前記クロック信号を受信して最終アドレス信号を生成する最終アドレス信号生成器であって、前記複数の偶数番トグル論理セルのいずれとも且つ前記複数の奇数番トグル論理セルのいずれとも組合されていない最終アドレス信号生成器を更に備えて成る、付記1記載のアドレス・シーケンサ。
(付記3)前記複数の偶数番および奇数番アドレス信号のひとつであるトリガ信号を更に出力する、付記1記載のアドレス・シーケンサ。
(付記4)前記複数の偶数番および奇数番トグル信号のひとつであるトリガ信号を更に出力する、付記1記載のアドレス・シーケンサ。
(付記5)前記複数の偶数番アドレス信号生成器の各々は、前記複数の偶数番トグル・アドレス信号の内で、前記複数の偶数番トグル論理セルの内の対応するものにより生成された偶数番トグル・アドレス信号を受信する、付記1記載のアドレス・シーケンサ。
(付記6)前記複数の奇数番アドレス信号生成器の各々は、前記複数の奇数番トグル・アドレス信号の内で、前記複数の奇数番トグル論理セルの内の対応するものにより生成された奇数番トグル・アドレス信号を受信する、付記1記載のアドレス・シーケンサ。
(付記7)前記各偶数番トグル論理セルおよび前記複数の奇数番トグル論理セルは直列に接続され、
上記複数の偶数番トグル論理セルの各々は、上記複数の奇数番トグル論理セルからの先行奇数番トグル論理セルおよび次続奇数番トグル論理セルに結合される、付記1記載のアドレス・シーケンサ。
(付記8)前記複数の偶数番および奇数番トグル論理セルの前記直列体は、該直列体において論理“1”を受信する最初の偶数番トグル論理セルを含み、
上記直列体における他の全ての偶数番トグル論理セルの各々は、直前の奇数番トグル論理セルにより生成された奇数番トグル信号を受信し、且つ、
上記直列体における上記複数の奇数番トグル論理セルの全ての各々は、上記直列体における直前の偶数番トグル論理セルにより生成された偶数番トグル信号を受信する、付記7記載のアドレス・シーケンサ。
(付記9)前記複数の偶数番アドレス信号生成器の各々は、
前記クロック信号のハイレベルからローレベルへの遷移時に、前記複数の偶数番トグル・アドレス信号のひとつを受信して記憶する第1ラッチと、
上記クロック信号のローレベルからハイレベルへの遷移時に、上記第1ラッチから上記複数の偶数番トグル・アドレス信号のひとつを受信して記憶する第2ラッチと、を備え、
上記第2ラッチは、上記複数の偶数番トグル・アドレス信号のひとつを受信して記憶した後に前記複数の偶数番アドレス信号のひとつを出力する、
付記5記載のアドレス・シーケンサ。
(付記10)前記複数の奇数番アドレス信号生成器の各々は、
前記クロック信号のハイレベルからローレベルへの遷移時に、前記複数の奇数番トグル・アドレス信号のひとつを受信して記憶する第1ラッチと、
上記クロック信号のローレベルからハイレベルへの遷移時に、上記第1ラッチから上記複数の奇数番トグル・アドレス信号のひとつを受信して記憶する第2ラッチと、を備え、
上記第2ラッチは、上記複数の奇数番トグル・アドレス信号のひとつを受信して記憶した後に前記複数の奇数番アドレス信号のひとつを出力する、
付記6記載のアドレス・シーケンサ。
(付記11)クロック信号を受信すると共に複数の第1アドレス信号および複数の第2アドレス信号を生成するアドレス・シーケンサであって、
各々が上記クロック信号を受信して上記複数の第1アドレス信号のひとつを生成する、複数の第1アドレス信号生成器と、
各々が上記複数の第1アドレス信号のひとつを受信して上記複数の第2アドレス信号のひとつを生成する、複数の第2アドレス信号生成器と、
当該複数の第1トグル論理セルの各々が、上記複数の第1アドレス信号生成器のひとつに組合されると共に上記複数の第1アドレス信号生成器の上記組合されたものから上記複数の第1アドレス信号のひとつを受信し、且つ、上記複数の第1トグル信号のひとつおよび複数の第1トグル・アドレス信号のひとつを生成する、複数の第1トグル論理セルと、
当該複数の第2トグル論理セルの各々が、上記複数の第2アドレス信号生成器のひとつに組合されると共に上記複数の第2アドレス信号生成器の上記組合されたものから上記複数の第2アドレス信号のひとつを受信し、且つ、上記複数の第2トグル信号のひとつおよび複数の第2トグル・アドレス信号のひとつを生成する、複数の第2トグル論理セルと、
を備えて成る、アドレス・シーケンサ。
(付記12)前記複数の第1および第2アドレス信号のひとつであるトリガ信号を更に出力する、付記11記載のアドレス・シーケンサ。
(付記13)前記複数の第1および第2トグル信号のひとつであるトリガ信号を更に出力する、付記11記載のアドレス・シーケンサ。
(付記14)前記複数の第1アドレス信号生成器の各々は、前記複数の第1トグル・アドレス信号の内で、前記複数の第1トグル論理セルの内の対応するものにより生成された第1トグル・アドレス信号を受信する、付記11記載のアドレス・シーケンサ。
(付記15)前記複数の第2アドレス信号生成器の各々は、前記複数の第2トグル・アドレス信号の内で、前記複数の第2トグル論理セルの内の対応するものにより生成された第2トグル・アドレス信号を受信する、付記11記載のアドレス・シーケンサ。
(付記16)前記複数の第1トグル論理セルは直列に接続され、
上記複数の第1トグル論理セルの各々は先行第1トグル論理セルに結合され、直列とされた上記複数の第1トグル論理セルの最初のものは論理“1”を受信し、且つ、
直列とされた上記複数の第1トグル論理セルの他の全ての各々は、上記複数の第1トグル論理セルの内で直前の第1トグル論理セルにより生成された第1トグル信号を受信する、
付記11記載のアドレス・シーケンサ。
(付記17)前記複数の第2トグル論理セルは直列に接続され、
上記複数の第2トグル論理セルの各々は先行第2トグル論理セルに結合され、直列とされた上記複数の第2トグル論理セルの最初のものは、直列とされた上記複数の第1トグル論理セルの最後のものにより生成された第1トグル信号を受信し、且つ、
直列とされた上記複数の第2トグル論理セルの他の全ての各々は、上記複数の第2トグル論理セルの内で直前の第2トグル論理セルにより生成された第2トグル信号を受信する、
付記16記載のアドレス・シーケンサ。
(付記18)前記複数の第1アドレス信号生成器の各々は、
前記クロック信号のハイレベルからローレベルへの遷移時に、前記複数の第1トグル・アドレス信号のひとつを受信して記憶する第1ラッチと、
上記クロック信号のローレベルからハイレベルへの遷移時に、上記第1ラッチから上記複数の第1トグル・アドレス信号のひとつを受信して記憶する第2ラッチと、を備え、
上記第2ラッチは、上記複数の第1トグル・アドレス信号のひとつを受信して記憶した後に前記複数の第1アドレス信号のひとつを出力する、
付記14記載のアドレス・シーケンサ。
(付記19)前記複数の第2アドレス信号生成器の各々は、
前記複数の第1アドレス信号のひとつのハイレベルからローレベルへの遷移時に、前記複数の第2トグル・アドレス信号のひとつを受信して記憶する第1ラッチと、
上記複数の第1アドレス信号のひとつのローレベルからハイレベルへの遷移時に、上記第1ラッチから上記複数の第2トグル・アドレス信号のひとつを受信して記憶する第2ラッチと、を備え、
上記第2ラッチは、上記複数の第2トグル・アドレス信号のひとつを受信して記憶した後に前記複数の第2アドレス信号のひとつを出力する、
付記14記載のアドレス・シーケンサ。
(付記20)前記複数の第1アドレス信号生成器は、
複数の偶数番第1アドレス信号生成器と、
複数の奇数番第1アドレス信号生成器とを備え、
上記複数の偶数番第1アドレス信号生成器に組合された前記第1トグル論理セルは、上記複数の奇数番第1アドレス信号生成器に組合されたトグル論理セルとは構造的に異なる、付記11記載のアドレス・シーケンサ。
(付記21)前記複数の第2アドレス信号生成器は、
複数の偶数番第2アドレス信号生成器と、
複数の奇数番第2アドレス信号生成器とを備え、
上記複数の偶数番第2アドレス信号生成器に組合された前記第2トグル論理セルは、上記複数の奇数番第2アドレス信号生成器に組合されたトグル論理セルとは構造的に異なる、付記20記載のアドレス・シーケンサ。
(付記22)前記複数の第1アドレス信号の各々は、前記クロック信号の1クロック周期以内に生成される、付記11記載のアドレス・シーケンサ。
(付記23)前記複数の第2アドレス信号の各々は、前記複数の第2アドレス信号生成器の各々により受信された前記複数の第1アドレス信号のひとつの1サイクル時間以内に生成される、付記11記載のアドレス・シーケンサ。
(付記24)クロック信号を受信する段階と、
複数の偶数番トグル論理セルを使用して複数の偶数番トグル論理信号を生成する段階であって、上記複数の偶数番トグル論理信号の各々は上記複数の偶数番トグル信号の対応するものを生成する、段階と、
複数の奇数番トグル論理セルを使用して複数の奇数番トグル論理信号を生成する段階であって、上記複数の奇数番トグル論理セルの各々は上記複数の奇数番トグル信号の対応するものを生成する、段階と、
複数の偶数番アドレス信号生成器を使用して複数の偶数番アドレス信号を生成する段階であって、上記複数の偶数番アドレス信号生成器の各々は上記クロック信号と上記複数の奇数番トグル信号のひとつとを受信して上記複数の偶数番アドレス信号の内で対応するものを生成する、段階と、
複数の奇数番アドレス信号生成器を使用して複数の奇数番アドレス信号を生成する段階であって、上記複数の奇数番アドレス信号生成器の各々は上記クロック信号と上記複数の偶数番トグル信号のひとつとを受信して上記複数の奇数番アドレス信号の内で対応するものを生成する、段階と、
を備えて成る、複数の偶数番アドレス信号および複数の奇数番アドレス信号を生成する方法。
(付記25)クロック信号を受信する段階と、
上記クロック信号を使用して複数の第1アドレス信号を生成する段階と、
上記複数の第1アドレス信号のひとつを使用して複数の第2アドレス信号を生成する段階と、
を備えて成る、アドレス・シーケンシングを実施する方法。
(付記26)前記複数の第1アドレス信号は複数の偶数番第1アドレス信号および複数の奇数番第1アドレス信号を備えて成る、付記25記載のアドレス・シーケンシングを実施する方法。
(付記27)前記複数の第2アドレス信号は複数の偶数番第2アドレス信号および複数の奇数番第2アドレス信号を備えて成る、付記26記載のアドレス・シーケンシングを実施する方法。
(付記28)行および列を有するメモリ・セル配列として編成された複数のメモリ・セルであって、所定個数の隣接列は1個のメモリ・セル・ブロックを構成すると共に上記メモリ・セル配列は複数のメモリ・セル・ブロックを構成する、複数のメモリ・セルと、
各々が、ひとつのメモリ・セル列に対応し且つ上記対応列における各メモリ・セルの各ドレインに結合された、複数の列制御トランジスタと、
各アドレス信号を受信し、且つ、上記列制御トランジスタの夫々の各ゲートに結合される列デコード信号を生成する、列デコーダ回路と、
各アドレス信号を受信して各行デコード信号を生成する行デコーダ回路であって、行デコード信号は各々がひとつのメモリ・セル行に対応して該対応行における各メモリ・セルの各制御ゲートと結合される、行デコーダ回路と、
各アドレス信号を受信し、各アドレス信号をバッファリングし、且つ、各アドレス信号を上記列デコーダ回路に供給する列バッファと、
各アドレス信号を受信し、各アドレス信号をバッファリングし、且つ、各アドレス信号を上記行デコーダ回路に供給する行バッファと、
内部クロック信号を受信すると共に各アドレス信号を生成して各アドレス信号を上記列バッファおよび上記行バッファに供給するアドレス・シーケンサであって、該アドレス・シーケンサはトリガ信号を生成し、該アドレス・シーケンサは複数の偶数番トグル論理セルおよび複数の奇数番トグル論理セルを備え、上記複数の偶数番トグル論理セルは上記複数の奇数番トグル論理セルとは構造的に異なる、アドレス・シーケンサと、
外部クロック信号および上記トリガ信号を受信して上記内部クロック信号を生成するクロック制御回路であって、該内部クロック信号は同期的なデータ読取りおよびプログラミングに使用される、クロック制御回路と、
上記複数のメモリ・セル・ブロックのひとつに各々が結合された複数の書込増幅器と、
上記複数のメモリ・セル・ブロックのひとつに各々が結合された複数の検知増幅器と、
外部クロック信号を受信すると共に、上記複数の書込増幅器のひとつおよび上記複数の読取増幅器のひとつと各々が結合された、複数の入力/出力バッファと、
上記複数のメモリ・セルの各ソースに結合されたソース電圧源と、
上記列デコーダ回路および上記行デコーダ回路に結合され、当該フラッシュ・メモリ・デバイスの制御ゲート電圧を供給するデコーダ電圧源と、
を備えて成る、同期式フラッシュ・メモリ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフラッシュ・メモリ・デバイスの最高レベルのブロック図である。
【図2】クロック制御回路の一実施例の最高レベルのブロック図である。
【図3】図2のクロック制御回路のシフト・レジスタ・アセンブリの一実施例のブロック図である。
【図4】図3のシフト・レジスタ・アセンブリにおけるひとつのシフト・レジスタの概略図である。
【図5】図2のクロック・トリガ信号生成回路の一実施例の概略図である。
【図6】図2のクロック・バッファの一実施例の概略図である。
【図7】図2のクロック制御回路を使用した種々の信号間の関係を示すタイミング図である。
【図8】図1のデータ・タイミング回路の一実施例の概略図である。
【図9】(a)は、検知延長セット・バッファ回路の一実施例の概略図、(b)は、検知延長リセット・バッファ回路の一実施例の概略図である。
【図10】図8のデータ・タイミング回路を使用した種々の信号間の相互作用を示すタイミング図である。
【図11】行デコーダ回路および列デコーダ回路の両者として使用されるアドレス・デコーダ回路のブロック図である。
【図12】(A)は、従来のアドレス・デコーダ回路のゲート電圧選択回路、(B)は、従来のアドレス・デコーダ回路の単一ゲート電圧供給回路である。
【図13】本発明の単一ゲート電圧供給回路である。
【図14】本発明のアドレス・シーケンサである。
【図15】(a)は、偶数番アドレス信号に対する本発明の改良されたアドレス信号生成器の一実施例、(b)は、奇数番アドレス信号に対する本発明の改良されたアドレス信号生成器の一実施例、(c)は、本発明のアドレス信号生成器を使用してアドレス信号を生成する為の信号遅延経路である。
【図16】(a)は、奇数番アドレス信号に対するアドレス信号生成器の一実施例、(b)は、偶数番アドレス信号に対するアドレス信号生成器の一実施例、(c)は、図16(a)および図16(b)のアドレス信号生成器を使用してアドレス信号を生成する為の信号遅延経路である。
【図17】本発明のアドレス・シーケンサの一実施例のブロック図である。
【図18】データ検知方式の一実施例のブロック図である。
【図19】高電圧比較器の一実施例の概略図である。
【符号の説明】
4…アドレス・シーケンサ
5…トリガ信号
300a…アドレス・シーケンサ
300b…第1アドレス・シーケンサ部分
300c…第2アドレス・シーケンサ部分
304…第1アドレス信号生成器(偶数番アドレス信号生成器)
308…第2アドレス信号生成器(奇数番アドレス信号生成器)
303…XORゲート
322…NANDゲート
303、322…偶数番トグル論理セル
307、324、326、328…奇数番トグル論理セル
312…アドレス信号生成器(最終アドレス信号生成器)
431…奇数番アドレス信号生成器
451…偶数番アドレス信号生成器
462、464…第1ラッチ
468、470…第2ラッチ

Claims (6)

  1. クロック信号を受信すると共に複数の偶数番アドレス信号および複数の奇数番アドレス信号を生成するアドレス・シーケンサであって、
    各々が上記クロック信号を受信して上記複数の偶数番アドレス信号のひとつを生成する複数の偶数番アドレス信号生成器と、
    各々が上記クロック信号を受信して上記複数の奇数番アドレス信号のひとつを生成する複数の奇数番アドレス信号生成器と、
    複数の偶数番トグル信号のひとつと複数の偶数番トグル・アドレス信号のひとつを生成する複数の偶数番トグル論理セルであって、各偶数番トグル論理セルは、上記複数の偶数番アドレス信号生成器のひとつと組合されると共に、上記複数の偶数番アドレス信号生成器のひとつと組合された上記複数の偶数番アドレス信号のひとつを受信する複数の偶数番トグル論理セルと、
    複数の奇数番トグル信号のひとつと複数の奇数番トグル・アドレス信号のひとつを生成する複数の奇数番トグル論理セルであって、各奇数番トグル論理セルは、上記複数の奇数番アドレス信号生成器のひとつと組合されると共に、上記複数の奇数番アドレス信号生成器のひとつと組合された上記複数の奇数番アドレス信号のひとつを受信する複数の奇数番トグル論理セルと、
    を備え、
    前記複数の偶数番トグル論理セルの各々は、前記複数の偶数番アドレス信号のひとつが入力され前記偶数番トグル信号を出力する第1論理セルを備え、
    前記奇数番トグル論理セルの各々は、前記偶数番トグル信号が入力され前記奇数番トグル信号を出力するとともに、前記第1論理セルとは異なる、第2論理セルを備え
    前記偶数番トグル信号及び前記奇数番トグル信号を伝搬するためのゲート段数がそれぞれ一段であること
    を特徴とする、
    アドレス・シーケンサ。
  2. クロック信号を受信すると共に複数の第1アドレス信号および複数の第2アドレス信号を生成するアドレス・シーケンサであって、
    各々が上記クロック信号を受信して上記複数の第1アドレス信号のひとつを生成する複数の第1アドレス信号生成器と、
    各々が上記複数の第1アドレス信号のひとつを受信して上記複数の第2アドレス信号のひとつを生成する複数の第2アドレス信号生成器と、
    当該複数の第1トグル論理セルの各々が、上記複数の第1アドレス信号生成器のひとつに組合されると共に上記複数の第1アドレス信号生成器の上記組合されたものから上記複数の第1アドレス信号のひとつを受信し、且つ、上記複数の第1トグル信号のひとつおよび複数の第1トグル・アドレス信号のひとつを生成する複数の第1トグル論理セルと、
    当該複数の第2トグル論理セルの各々が、上記複数の第2アドレス信号生成器のひとつに組合されると共に上記複数の第2アドレス信号生成器の上記組合されたものから上記複数の第2アドレス信号のひとつを受信し、且つ、上記複数の第2トグル信号のひとつおよび複数の第2トグル・アドレス信号のひとつを生成する複数の第2トグル論理セルと、
    を備え、
    前記複数の第1トグル論理セルの各々は、前記複数の第1アドレス信号のひとつが入力され前記第1トグル信号を出力する第1論理セルを備え、
    前記第2トグル論理セルの各々は、前記第1トグル信号が入力され前記第2トグル信号を出力するとともに、前記第1論理セルとは異なる、第2論理セルを備え
    前記第1トグル信号及び前記第2トグル信号を伝搬するためのゲート段数がそれぞれ一段であること
    を特徴とする、
    アドレス・シーケンサ。
  3. 複数の偶数番アドレス信号および複数の奇数番アドレス信号を生成するアドレス生成方法であって、
    クロック信号を受信する段階と、
    複数の偶数番トグル論理セルを使用して複数の偶数番トグル論理信号を生成する段階であって、上記複数の偶数番トグル論理信号の各々は上記複数の偶数番トグル信号の対応するものを生成する段階と、
    複数の奇数番トグル論理セルを使用して複数の奇数番トグル論理信号を生成する段階であって、上記複数の奇数番トグル論理セルの各々は上記複数の奇数番トグル信号の対応するものを生成する段階と、
    複数の偶数番アドレス信号生成器を使用して複数の偶数番アドレス信号を生成する段階であって、上記複数の偶数番アドレス信号生成器の各々は上記クロック信号と上記複数の奇数番トグル信号のひとつとを受信して上記複数の偶数番アドレス信号の内で対応するものを生成する段階と、
    複数の奇数番アドレス信号生成器を使用して複数の奇数番アドレス信号を生成する段階であって、上記複数の奇数番アドレス信号生成器の各々は上記クロック信号と上記複数の偶数番トグル信号のひとつとを受信して上記複数の奇数番アドレス信号の内で対応するものを生成する段階と、
    を備えて、
    前記複数の偶数番トグル論理信号の各々は、所定値又は入力される奇数番トグル信号に基づいて偶数番トグル論理セルに含まれる第1論理セルのみを介して偶数トグル信号を隣合う奇数番アドレス信号生成器および奇数番トグル論理セルに供給し、
    前記複数の奇数番トグル論理信号の各々は、入力される偶数番トグル信号に基づいて奇数番トグル論理セルに含まれる、前記第1の論理セルとは異なる第2論理セルのみを介して奇数トグル信号を隣合う偶数番アドレス信号生成器および偶数番トグル論理セルに供給し、
    前記偶数番トグル信号及び前記奇数番トグル信号を伝搬するためのゲート段数がそれぞれ一段であること
    を特徴とするアドレス生成方法。
  4. 行および列を有するメモリ・セル配列として編成された複数のメモリ・セルであって、所定個数の隣接列は1個のメモリ・セル・ブロックを構成すると共に上記メモリ・セル配列は複数のメモリ・セル・ブロックを構成する複数のメモリ・セルと、
    各々が、ひとつのメモリ・セル列に対応し且つ上記対応列における各メモリ・セルの各ドレインに結合された複数の列制御トランジスタと、
    各アドレス信号を受信し、且つ、上記列制御トランジスタの夫々の各ゲートに結合される列デコード信号を生成する列デコーダ回路と、
    各アドレス信号を受信して各行デコード信号を生成する行デコーダ回路であって、行デコード信号は各々がひとつのメモリ・セル行に対応して該対応行における各メモリ・セルの各制御ゲートと結合される行デコーダ回路と、
    各アドレス信号を受信し、各アドレス信号をバッファリングし、且つ、各アドレス信号を上記列デコーダ回路に供給する列バッファと、
    各アドレス信号を受信し、各アドレス信号をバッファリングし、且つ、各アドレス信号を上記行デコーダ回路に供給する行バッファと、
    内部クロック信号を受信すると共に各アドレス信号を生成して各アドレス信号を上記列バッファおよび上記行バッファに供給するアドレス・シーケンサと、
    外部クロック信号および上記トリガ信号を受信して上記内部クロック信号を生成するクロック制御回路であって、該内部クロック信号は同期的なデータ読取りおよびプログラミングに使用されるクロック制御回路と、
    上記複数のメモリ・セル・ブロックのひとつに各々が結合された複数の書込増幅器と、
    上記複数のメモリ・セル・ブロックのひとつに各々が結合された複数の検知増幅器と、
    外部クロック信号を受信すると共に、上記複数の書込増幅器のひとつおよび上記複数の読取増幅器のひとつと各々が結合された複数の入力/出力バッファと、
    上記複数のメモリ・セルの各ソースに結合されたソース電圧源と、
    上記列デコーダ回路および上記行デコーダ回路に結合され、当該フラッシュ・メモリ・デバイスの制御ゲート電圧を供給するデコーダ電圧源と、
    を備え、
    前記アドレス・シーケンサは、
    各々が前記内部クロック信号を受信して上記複数の偶数番アドレス信号のひとつを生成する複数の偶数番アドレス信号生成器と、
    各々が前記内部クロック信号を受信して上記複数の奇数番アドレス信号のひとつを生成する複数の奇数番アドレス信号生成器と、
    複数の偶数番トグル信号のひとつと複数の偶数番トグル・アドレス信号のひとつを生成する複数の偶数番トグル論理セルであって、各偶数番トグル論理セルは、上記複数の偶数番アドレス信号生成器のひとつと組合されると共に、上記複数の偶数番アドレス信号生成器のひとつと組合された上記複数の偶数番アドレス信号のひとつを受信する複数の偶数番トグル論理セルと、
    複数の奇数番トグル信号のひとつと複数の奇数番トグル・アドレス信号のひとつを生成する複数の奇数番トグル論理セルであって、各奇数番トグル論理セルは、上記複数の奇数番アドレス信号生成器のひとつと組合されると共に、上記複数の奇数番アドレス信号生成器のひとつと組合された上記複数の奇数番アドレス信号のひとつを受信する複数の奇数番トグル論理セルと、
    を備え、
    前記複数の偶数番トグル論理セルの各々は、前記複数の偶数番アドレス信号のひとつが入力され前記偶数番トグル信号を出力する第1論理セルを備え、
    前記奇数番トグル論理セルの各々は、前記偶数番トグル信号が入力され前記奇数番トグル信号を出力するとともに、前記第1論理セルとは異なる、第2論理セルを備え
    前記偶数番トグル信号及び前記奇数番トグル信号を伝搬するためのゲート段数がそれぞれ一段であること
    同期式フラッシュ・メモリ。
  5. 前記複数の偶数番トグル論理セルの各々は
    所定値又は入力される奇数番トグル信号に基づいて前記第1論理セルのみを介して偶数トグル信号を隣合う奇数番アドレス信号生成器および奇数番トグル論理セルに供給し、
    前記複数の奇数番トグル論理セルの各々は、
    入力される偶数番トグル信号に基づいて前記第2論理セルのみを介して奇数トグル信号を隣合う偶数番アドレス信号生成器および偶数番トグル論理セルに供給すること
    を特徴とする請求項1に記載のアドレス・シーケンサ。
  6. 前記複数の偶数番トグル論理セルの各々は、
    更に第3論理セルを備え、前記第3論理セルは所定値又は入力される奇数番トグル信号とに基づいて対応する前記偶数番アドレス信号生成器に入力する入力信号を生成し、
    前記奇数番トグル論理セルの各々は、
    更に第4論理セルを備え、前記第4論理セルは入力される偶数トグル信号とに基づいて対応する前記奇数番アドレス信号生成器に入力する入力信号を生成すること
    を特徴とする請求項1又は請求項5に記載のアドレス・シーケンサ。
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