ところが、近接センサーは被検出物体により受光器に入光される光を遮光しなければならないので近接センサーの近傍での操作となり、例えば、照明器具を点消灯する場合には照明器具の近傍まで行って受光器に手をかざす必要がある。一方、赤外線照射形のリモコンを用いて照明器具の点消灯を行うには、ある一定の距離を離れていても点消灯の操作を行うことができる。
本発明の目的は、被検出物体により受光器に入光される光量が変化したとき応動すると共に赤外線照射形のリモコンからの送信信号によっても応動する近接センサー装置、照明器具及び配線器具を提供することである。
請求項1の発明に係わる近接センサー装置は、光信号を発信する投光器と;前記投光器から発信された光信号の物体からの反射波及びリモコンからの送信波を受信する受光器と;前記受光器で受信した信号が前記投光器からの反射波であるか否かを判定し前記投光器からの反射波であるときはその反射波を通過させ、前記受光器で受信した信号が前記リモコンからの送信波でありその送信波に含まれるコード信号が自己を示すコード信号であるか否かを判別し自己を示すコード信号であるときは前記リモコンからの送信波を通過させる受信信号判別手段と;前記受信信号判別手段を通過した前記反射波または前記送信波が入力されると出力レベルを反転させる出力手段と;前記出力手段の出力信号に基づいて負荷の入切信号を出力する駆動回路と;を備えたことを特徴とする。
本発明及び以下の発明において、特に指定しない限り用語の定義及び技術的意味は以下による。近接センサー装置は、投光器からの光信号が被検出物体により反射した反射波またはリモコンからの送信波が受光器に入力されたときに負荷の入切を行うものである。すなわち、人が投光器に手をかざしたときの反射波、またはリモコンからの送信波が受光器に入力されたときに負荷の入切信号、すなわち動作・不動作の制御信号を出力するものである。負荷とは、例えば、照明器具のランプ、洗面台やトイレの水栓等であって、要するに動作・不動作の制御の対象となるものである。
投光器は光信号を発信するものであり、例えば、一定レベルのパルス信号を一定の周波数で発信する。例えば、赤外発光ダイオードで構成され、発振手段の一定周波数のパルス信号で赤外発光ダイオードは一定レベルの光信号を出力する。また、リモコンは例えば赤外線照射形のリモコンであり、リモコンが操作されたときに、予め定めたリモコンモード信号を一つの送信波として送信するものであり、リモコンモード信号には自己を識別するための識別信号や動作・不動作の指令信号が含まれる。
受光器は投光器から発信された光信号の被検出物体からの反射波、またはリモコンからの送信波を受信するものであり、例えば、フォトトランジスタやフォトダイオードで構成され、被検出物体からの反射波やリモコンからの送信波を受信したときに動作し電気信号に変換する。
受信信号判別手段は、投光器からの反射波及びリモコンからの送信波を識別して、被検出物体により反射された投光器からの反射波やリモコンからの送信波のみを通過させるものである。例えば、受光器で受信した信号が投光器からの反射波であるか否かの識別は、投光器から光信号が発信されている状態であり、受光器の受信信号の周波数が投光器から発信された光信号の周波数と同じであるか否かで判定される。そして、投光器から光信号が発信されている状態で、受光器の受信信号の周波数が投光器から発信された光信号の周波数と同じである場合には、投光器からの反射波であると判定しその反射波を通過させる。
また、受光器で受信した信号がリモコンからの送信波であるか否かの判定は、受光器で受信した信号がリモコンからの送信波と同じ周波数であり、その送信波に含まれるコード信号が自己を示すコード信号であるか否かで判定される。そして、受光器で受信した信号がリモコンからの送信波と同じ周波数であり、自己を示すコード信号を含むときはリモコンからの送信波であると判定しその送信波を通過させる。
出力手段は、受信信号判別手段を通過した反射波または送信波が入力されると出力レベルを反転させる。例えば、受信信号判別手段の出力信号がlowレベルに立ち下がる時点(受光器に被検出物体からの反射波またはリモコンからの送信波が入力された時点)を検出し出力レベルを反転させる。受光器に被検出物体からの反射波またはリモコンからの送信波が入力された時点でhighレベルの信号を出力したときは、次の受光器に反射波またはリモコンからの送信波が入力された時点ではlowレベルの信号を出力し、その次の時点ではhighレベルの信号を出力し、以下同様に、受光器に被検出物体からの反射波またはリモコンからの送信波が入力された時点でhighレベルの信号とlowレベルの信号とを交互に出力する。このように、出力手段は被検出物体からの反射波またはリモコンからの送信波が入力されると出力レベルを反転させる。
駆動回路は、出力手段の出力信号に基づいて負荷の入切の指令信号を出力するものであり、例えば、出力手段からhighレベルの信号を入力したときに負荷の動作制御信号を出力し、出力手段からlowレベルの信号を入力したときに負荷の切り信号である不動作制御信号を出力する。
なお、出力レベルの反転は必ずしも反射波または送信波が入力される度に反転しなくてもよい。例えば、ある一定期間内に反射波または送信波が連続して入力された場合には出力レベルを反転しないようにする。これは、負荷の入切操作のための信号である反射波または送信波が一定期間内に連続して入力されたときは、その操作信号は入信号または切信号のいずれか一方の信号であると判断でき、出力レベルを反転させない方が適切であるからである。
本発明によれば、被検出物体からの反射波だけでなくリモコンからの送信波も受光器で受信し、受光器で受信されたリモコンからの送信波にも応動可能としたので、リモコン機能付きの近接センサー装置を提供できる。
請求項2の発明に係わる近接センサー装置は、光信号を発信する投光器と;前記投光器から発信された光信号の物体からの反射波及びリモコンからの送信波を受信する受光器と;前記受光器で受信した反射波及びリモコンからの送信波に重畳したノイズを除去するフィルタ回路と;前記フィルタ回路でノイズが除去された反射波及びリモコンからの送信波を増幅する増幅回路と;前記投光器から光信号が出力されているとき前記増幅回路で増幅された反射波を通過させるゲート手段と;前記ゲート手段を通過した反射波を波形整形する波形整形手段と;前記増幅回路で増幅された前記リモコンからの送信波に含まれるコード信号に基づいて自己を示すコード信号があるか否かを判別し予め定めたコード信号があるときは前記リモコンからの送信波を通過させるリモコンコード判別手段と;前記波形整形手段で波形整形された反射波または前記リモコンコード判別手段からの送信波が入力されると出力レベルを反転させる出力手段と;前記出力手段の出力信号に基づいて負荷の入切信号を出力する駆動回路と;を備えたことを特徴とする。
本発明は、請求項1の発明における受信信号判別手段を、フィルタ回路、増幅器、ゲート手段、波形整形手段、リモコンコード判別手段で構成したものである。
フィルタ回路は、発振器の一定周波数と同じ周波数の信号及びリモコンからの送信波の周波数と同じ周波数の信号を通過させるバンドパスフィルタであり、被検出物体により反射された反射波信号及びリモコンからの送信波信号のみを通過させる。これにより、受光器で受信した反射波及びリモコンからの送信波に重畳したノイズを除去する。増幅回路はフィルタ回路でノイズが除去された反射波及び送信波を増幅するものであり、例えば演算増幅回路(OPアンプ)が使用される。
ゲート手段は投光器から光信号が出力されているとき、すなわち発振手段からの一定の周波数のパルス信号が入力されているときに、増幅回路で増幅された反射波を通過させるものであり、アナログ信号をデジタル信号に変換して通過させる。例えば、受光器に被検出物体からの反射波が入力されている間はlowレベルを維持するように動作し、受光器に反射波が入力されていない間はhighレベルを維持するように動作する。これにより、アナログ信号をデジタル信号に変換する。波形整形手段はゲート手段を通過した反射波を示す信号をさらに波形整形するものであり、例えば、受光器に反射波が入力されている間はlowレベルの信号を出力し、受光器に反射波が入力されていない間はhighレベルの信号を出力する。
リモコンコード判別手段は、増幅回路で増幅されたリモコンからの送信波を入力し、リモコンからの送信波に含まれるコード信号に自己を示す予め定めたコード信号があるか否かを判別し、送信波に含まれるコード信号に自己を示す予め定めたコード信号があるときはリモコンからの送信波を通過させる。
出力手段は波形整形手段で波形整形された被検出物体からの反射波を示す信号、またはリモコンコード判別手段からの送信波が入力されると出力レベルを反転させるものであり、波形整形手段の出力信号がlowレベルに立ち下がる時点(受光器に被検出物体からの反射波またはリモコンからの送信波が入力された時点)を検出し、出力レベルを反転させる。受光器に被検出物体からの反射波またはリモコンからの送信波が入力された時点でhighレベルの信号を出力したときは、次の受光器に反射波またはリモコンからの送信波が入力された時点ではlowレベルの信号を出力し、その次の時点ではhighレベルの信号を出力し、以下同様に、受光器に被検出物体からの反射波またはリモコンからの送信波が入力された時点でhighレベルの信号とlowレベルの信号とを交互に出力する。
駆動回路は、出力手段の出力信号に基づいて負荷の入切の指令信号を出力するものであり、例えば、出力手段からhighレベルの信号を入力したときに負荷の動作制御信号を出力し、出力手段からlowレベルの信号を入力したときに負荷の切り信号である不動作制御信号を出力する。ここで、発振手段、ゲート手段、波形整形手段、出力手段、リモコンコード判別手段は、必要に応じてマイクロプロセッサーで構成することが可能である。
本発明によれば、被検出物体からの反射波だけでなくリモコンからの送信波も受光器で受信し、リモコンコード判別手段により受光器で受信されたリモコンからの送信波にも応動可能としたので、リモコン機能付きの近接センサー装置を提供できる。また、発振手段、ゲート手段、波形整形手段、出力手段は、マイクロプロセッサーで構成可能であり、これらをマイクロプロセッサーで実現した場合には、マイクロプロセッサーのソフトウェアの変更だけでリモコンコード判別手段を追加できるので、新たな部品の追加の必要がなく、リモコン機能付きの近接センサー装置を実現できる。
請求項3の発明に係わる照明器具は、請求項1または2記載の近接センサー装置と;ランプと;前記ランプを点灯する点灯装置を内蔵すると共に前記近接センサー装置を内蔵した照明器具本体と;を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、請求項1または2の近接センサー装置を既存の照明器具に組み込むことにより、リモコン機能付きの照明器具に機能アップすることができる。
請求項4の発明に係わる配線器具は、請求項1または2記載の近接センサー装置と;前記近接センサー装置を内蔵した壁スイッチ本体と;を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、請求項1または2の近接センサー装置を既存の壁スイッチ本体に組み込むことにより、リモコン機能付きの配線器具に機能アップすることができる。
請求項5の発明に係わる配線器具は、請求項4記載の配線器具において、前記近接センサー装置の投光器及び受光器は、前記壁スイッチ本体の前面部に取り付けられ、前記壁スイッチ本体の前面部に取り付けられる通常のスイッチまたはコンセントから離れた位置に取り付けられることを特徴とする。
本発明によれば、壁スイッチ本体の前面部内で近接センサー装置の投光器及び受光器と通常のスイッチやコンセントとを組み合わせて配置する際に、近接センサー装置の投光器及び受光器と通常のスイッチやコンセントとの位置を離すので、通常のスイッチやコンセントに関する作業中に近接センサー装置が誤動作することを防止でき、操作する人が違和感を感じないようにすることができる。
請求項1の発明によれば、被検出物体からの反射波だけでなくリモコンからの送信波も受光器で受信し、受光器で受信されたリモコンからの送信波にも応動可能としたので、リモコン機能付きの近接センサー装置を提供できる。
請求項2の発明によれば、被検出物体からの反射波だけでなくリモコンからの送信波も受光器で受信し、リモコンコード判別手段により受光器で受信されたリモコンからの送信波にも応動可能としたので、リモコン機能付きの近接センサー装置を提供できる。また、発振手段、ゲート手段、波形整形手段、出力手段は、マイクロプロセッサーで構成可能であり、これらをマイクロプロセッサーで実現した場合には、マイクロプロセッサーのソフトウェアの変更だけでリモコンコード判別手段を追加できるので、新たな部品の追加の必要がなく、リモコン機能付きの近接センサー装置を実現できる。
請求項3の発明によれば、請求項2の近接センサー装置を既存の照明器具に組み込むことにより、リモコン機能付きの照明器具に機能アップすることができる。
請求項4の発明によれば、請求項2の近接センサー装置を既存の壁スイッチに組み込むことにより、リモコン機能付きの配線器具に機能アップすることができる。
請求項5の発明によれば、近接センサー装置の投光器及び受光器と通常のスイッチやコンセントとの配置位置を離しているので、通常のスイッチやコンセントに関する作業中に近接センサー装置が誤動作することを防止でき、操作する人が違和感を感じないようにすることができる。
図1は本発明の第1の実施の形態に係わる近接センサー装置11のブロック構成図である。この第1の実施の形態では負荷がランプである場合を示しており、以下、ランプの点消灯を行う場合について説明する。投光器12は一定レベルの光信号を出力する赤外発光ダイオードを有し、発振手段13からの一定の周波数(例えば12kHz)のパルス信号により一定周波数の光信号が出力される。この投光器12からの光信号が被検出物体14例えば人の手に当たり、反射した反射波が受光器15で受信される。受光器15は、例えば、フォトトランジスタやフォトダイオードで構成され光信号を電気信号に変換する。
また、リモコン16は例えば赤外線照射形のリモコンであり、リモコン16が操作されたときに、予め定めたリモコンモード信号を一つの送信波として送信する。送信波は所定の周波数(例えば38kHz)のパルス信号列であり、自己装置を識別するための識別信号を示す信号列や負荷の動作・不動作の指令信号を示す信号列が含まれる。受光器15にはリモコン16からの送信波も入力される。
受光器15で受信された被検出物体14からの反射波またはリモコン16からの送信波は受信信号判別手段34に入力され、投光器からの反射波であるか否か及びリモコンからの送信波であるか否かの判定が行われ、被検出物体により反射された投光器からの反射波であるとき、またはリモコンからの送信波であるときは、その反射波や送信波のみを通過させる。
受信信号判別手段34は、投光器12から光信号が発信されている状態であるか否かを発振手段13から動作状態で判定し、投光器12から光信号が発信されている状態で受光器15の受信信号の周波数が投光器12から発信された光信号の周波数と同じであるか否かを判定する。そして、受光器15の受信信号の周波数が投光器12から発信された光信号の周波数と同じである場合には、投光器12からの反射波であると判定しその反射波を通過させる。
また、受信信号判別手段34は、受光器15で受信した信号がリモコン16からの送信波と同じ周波数であるかどうかを判定し、同じ周波数である場合には、その送信波に含まれるコード信号が自己を示すコード信号であるか否かを判定する。そして、受光器15で受信した信号がリモコン16からの送信波と同じ周波数であり、自己を示すコード信号を含むときはリモコン16からの送信波であると判定しその送信波を通過させる。
出力手段21は受信信号判別手段34から反射波またはリモコン16からの送信波を検出すると出力レベルを反転させる。駆動回路23は、出力手段21から出力レベルの反転信号を入力したときは、点灯装置24にランプ25の点消灯信号を出力する。例えば、出力手段21からHighレベルの信号を入力したときは点灯装置24にランプ25の点灯指令を出力し、lowレベルの信号を入力したときは点灯装置24にランプ25の消灯信号を出力する。これにより、最初に投光器12に人が手をかざしたとき、またはリモコン16を操作したときには、点灯装置24には点灯信号が出力され、その状態で、次に人が投光器12に手をかざしたとき、またはリモコン16を操作したときは点灯装置24には消灯信号が出力される。
第1の実施の形態によれば、被検出物体14からの反射波だけでなくリモコン16からの送信波も受光器15で受信し、受光器15で受信されたリモコン16からの送信波にも応動可能としたので、リモコン機能付きの近接センサー装置を提供できる。
図2は本発明の第2の実施の形態に係わる近接センサー装置11のブロック構成図である。この第2の実施の形態は、図1示した第1の実施の形態に対し、受信信号判別手段34を、フィルタ回路17、増幅器18、ゲート手段19、波形整形手段20、リモコンコード判別手段22で構成したものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
受光器15で受信された被検出物体14からの反射波またはリモコン16からの送信波はフィルタ回路17に入力され、フィルタ回路17でノイズが除去される。フィルタ回路17では、発振手段13の一定周波数と同じ周波数(12kHz)の信号からリモコン16からの送信波の周波数と同じ周波数(例えば38kHz)の信号までを通過させる。
人が投光器12に手をかざしたときは、フィルタ回路17には受光器15からの光信号の反射波が入力され、ノイズが除去されて増幅回路18に入力される。一方、リモコン16からの送信波が入力されたときは、フィルタ回路17にはリモコン16からの送信波が入力されノイズが除去されて増幅回路18に入力される。増幅回路18は、フィルタ回路17でノイズが除去された反射波またはリモコン16からの送信波を増幅するものであり、増幅された反射波及びリモコン16からの送信波はゲート手段19及びリモコンコード判別手段22に入力される。
ゲート手段18は発振手段13からの一定の周波数のパルス信号が入力されているときに、増幅回路19で増幅された被検出物体14からの反射波を通過させるものである。すなわち、ゲート手段19には発振手段13からのパルス信号が入力され、発振手段13からのパルス信号が入力されているときに、増幅回路18で増幅された被検出物体14からの反射波を波形整形手段20に通過させる。この場合、ゲート手段18は被検出物体14からの反射波を単に通過させるものではなく、アナログ信号をデジタル信号に変換して通過させる。例えば、受光器15に被検出物体14からの反射波が入力されている間はlowレベルを維持するように動作し、受光器15に反射波が入力されていない間はhighレベルを維持するように動作し、アナログ信号をデジタル信号に変換する。
波形整形手段20はゲート手段19を通過した反射波を示す信号をさらに波形整形するものであり、受光器15に反射波が入力されている間はlowレベルの信号を出力手段21に出力し、受光器15に反射波が入力されていない間はhighレベルの信号を出力手段21に出力する。
一方、リモコンコード判別手段22は、増幅回路18で増幅されたリモコン16からの送信波を入力し、リモコン16からの送信波に含まれるコード信号に自己を示す予め定めたコード信号があるか否かを判別する。そして、送信波に含まれるコード信号に自己を示す予め定めたコード信号があるときはリモコン16からの送信波を通過させる。ゲート手段19の場合と同様に、リモコンコード判別手段22はリモコン16からの送信波を単に通過させるものではなく、アナログ信号をデジタル信号に変換して通過させる。例えば、受光器15にリモコン16からの送信波が入力されている間はlowレベルを維持するように動作し、受光器15にリモコン16からの送信波が入力されていない間はhighレベルを維持するように動作し、アナログ信号をデジタル信号に変換する。
そして、出力手段21は波形整形手段20で波形整形された反射波を示す信号、またはリモコンコード判別手段22からの送信波の立ち下がりを検出し、波形整形手段20の出力信号またはリモコンコード判別手段22からの送信波がlowレベルに立ち下がる時点を検出し出力レベルを反転させる。これにより、最初に受光器15に反射波またはリモコン16からの送信波が入力されるとhighレベルの信号を出力し、その状態で、次に受光器15に反射波またはリモコン16からの送信波が入力されるとlowレベルの信号を出力する。
駆動回路23は、出力手段21からhighレベルの信号を入力したときは、点灯装置24にランプ25の点灯信号を出力し、出力手段21からlowレベルの信号を入力したときは点灯装置24にランプ25の消灯信号を出力する。これにより、最初に投光器12に人が手をかざしたとき、またはリモコン16を操作したときには、点灯装置24には点灯信号が出力され、その状態で、次に人が投光器12に手をかざしたとき、またはリモコン16を操作したときは点灯装置24には消灯信号が出力される。
ここで、発振手段13、ゲート手段19、波形整形手段20、出力手段21、リモコンコード判別手段22は、ハードウェアで構成しても良いし、マイクロプロセッサーで構成しても良い。これらをマイクロプロセッサーで実現した場合には、マイクロプロセッサーのソフトウェアの変更だけでリモコンコード判別手段22を追加できるので、新たな部品の追加の必要がなく、コストを増加させることなくリモコン機能付きの近接センサー装置11を実現できる。
第2の実施の形態によれば、被検出物体14からの反射波だけでなくリモコン16からの送信波も受光器15で受信し、リモコンコード判別手段22により受光器15で受信されたリモコン16からの送信波にも応動可能としたので、リモコン機能付きの近接センサー装置11を提供できる。また、本来の近接スイッチの機能を有効活用することにより高機能化を図ることができる。
図3は、本発明の第3の実施の形態に係わる照明器具26の外観構成図である。照明器具26の照明器具本体27は、点灯装置24及び第2の実施の形態の近接センサー装置11を内蔵すると共に、透光カバー28の内部にランプ25が装着されている。また、照明器具本体27の側面部には照明選択スイッチ29が設けられ、透光カバー28が設けられた前面部には投光器12及び受光器15が設けられている。受光器15が投光器12からの反射波やリモコン16からの送信波以外の光を極力受信しないように、投光器12及び受光器15は段部30に奥まって設けられている。
照明選択スイッチ29は、AUTO、OFF、ONの3個の状態を選択できるスイッチであり、AUTOは近接センサー装置11による点消灯を可能状態にし、OFFは近接センサー装置11による点消灯を除外してランプを消灯状態にし、ONは近接センサー装置11による点消灯を除外してランプを点灯状態にするスイッチ位置である。
第3の実施の形態によれば、第2の実施の形態の近接センサー装置11を既存の照明器具に組み込むことにより、リモコン機能付きの照明器具に機能アップすることができる。
図4は、本発明の第4の実施の形態に係わる配線器具31の平面図であり、配線器具31として壁スイッチの場合を示している。図4に示した壁スイッチは、壁スイッチ本体32に2個のスイッチが配置される既存の壁スイッチに対して、一方のスイッチを近接センサー装置に置き換えたものである。
壁スイッチ本体32には、点灯装置24及び第2の実施の形態の近接センサー装置11が内蔵される共に1個の通常のスイッチ33が設けられる。なお、壁スイッチにより点消灯するランプは天井等に設けられる。
すなわち、壁スイッチ本体32の前面部には照明選択スイッチ29が設けられ、さらに投光器12及び受光器15が設けられる。この場合、第3の実施の形態と同様に、受光器15が投光器12からの反射波やリモコン16からの送信波以外の光を極力受信しないように、投光器12及び受光器15は段部30に奥まって設けられている。
また、照明選択スイッチ29は、第3の実施の形態と同様に、AUTO、OFF、ONの3個の状態を選択できるスイッチであり、AUTOは近接センサー装置11による点消灯を可能状態にし、OFFは近接センサー装置11による点消灯を除外してランプを消灯状態にし、ONは近接センサー装置11による点消灯を除外してランプを点灯状態にするスイッチ位置である。
第4の実施の形態によれば、第2の実施の形態の近接センサー装置11を既存の壁スイッチに組み込むことにより、リモコン機能付きの配線器具に機能アップすることができる。
図5は、本発明の第5の実施の形態に係わる配線器具31の平面図であり、配線器具31として3個の通常のスイッチ33が取り付け可能な3モジュールである壁スイッチの場合を示している。すなわち、壁スイッチ本体32に3個の通常のスイッチ33が配置される既存の壁スイッチに対して、サイズが2モジュールである1個の近接センサー装置11を2個の通常のスイッチ33に置き換えて取り付けたものである。
近接センサー装置11はサイズが2モジュールであるため、通常のスイッチ33と組み合わせて近接センサー装置11を壁スイッチ本体32に取り付ける場合には、図5(a)に示すように、近接センサー装置11の上に1個の通常のスイッチ33を取り付ける。あるいは、図5(b)に示すように、近接センサー装置11の下に1個の通常のスイッチ33を取り付ける。
この場合、近接センサー装置11の検知面である投光器11及び受光器15は、2モジュールサイズのうち、通常のスイッチ33から離れた位置の1モジュールサイズ側に取り付けられる。図5(a)では、上側に通常のスイッチ33が取り付けられているので、2モジュールサイズうちの下側の1モジュールサイズ側に投光器11及び受光器15が取り付けられている。同様に、図5(b)では、下側に通常のスイッチ33が取り付けられているので、2モジュールサイズうちの上側の1モジュールサイズ側に投光器11及び受光器15が取り付けられている。
このように、近接センサー装置11の検知面である投光器11及び受光器15が通常のスイッチ33よりも遠い位置になるような構造とする。これにより、通常のスイッチ33を操作する場合に近接センサー装置11の検知面内に手などが入り難い構造としている。
図6は、図5に示した通常のスイッチ33に代えてコンセント35を付けた場合の配線器具の平面図である。コンセント35を付ける場合には、図6に示すように、近接センサー装置11の下にコンセント35を付けるようにすることが望ましい。これは、コンセントに差し込んだプラグの電線が自重により下方に垂れ下がった場合に、近接センサー装置11の検知面内に入り近接センサー装置11が誤動作するおそれがあるので、それを防止するためである。なお、プラグからの配線を留め具で取り付け近接センサー装置11の検知面内に入らないように配線工事をする場合には、近接センサー装置11の上にコンセント35を付けるようにしても良い。
第5の実施の形態によれば、壁スイッチ本体32の前面部内で近接センサー装置11の投光器12及び受光器15と通常のスイッチ33やコンセント35とを組み合わせて配置する際に、近接センサー装置11の投光器12及び受光器15と通常のスイッチ33やコンセント35との位置を離すので、通常のスイッチやコンセントに関する作業中に近接センサー装置11が誤動作することを防止でき、操作する人が違和感を感じないようにすることができる。
11…近接センサー装置、12…投光器、13…発振手段、14…被検出物体、15…受光器、16…リモコン、17…フィルタ回路、18…増幅回路、19…ゲート手段、20…波形整形手段、21…出力手段、22…リモコンコード判別手段、23…駆動回路、24…点灯装置、25…ランプ、26…照明器具、27…照明器具本体、28…透光カバー、29…照明選択スイッチ、30…段部、31…配線器具、32…壁スイッチ本体、33…スイッチ、34…受信信号判別手段、35…コンセント