JP4296639B2 - 核置換スチレン単位を有する重合体の製造法 - Google Patents

核置換スチレン単位を有する重合体の製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、部分エチルエーテル化ポリ(ヒドロキシスチレン)のような、核−エーテル化スチレン単位を有する重合体の製造法に関するものである。部分エーテル化ポリ(ヒドロキシスチレン)は、例えば、特開平 7-295220 号公報や特開平 10-69082 号公報で、レジスト用の樹脂として知られている。
【0002】
【従来の技術】
核−エーテル化スチレン単位を有する重合体として、ポリ(tert−ブトキシスチレン)が知られている。そして、ポリ(ヒドロキシスチレン)、別名ポリ(ビニルフェノール)は、ポリ(tert−ブトキシスチレン)の加水分解によって製造されることが多く、またその加水分解を不完全な状態で止めることにより、tert−ブトキシスチレン単位とヒドロキシスチレン単位を有する共重合体とすることも知られている。
【0003】
一方、アルコキシスチレンとヒドロキシスチレンの共重合により、両者の共重合体を製造する方法も知られている。例えば、特開平 2-62544号公報には、p−イソプロポキシスチレンとp−ヒドロキシスチレンとの共重合により、両者の共重合体を製造した例が示されている。この方法は、モノマーであるp−イソプロポキシスチレンやp−ヒドロキシスチレンの入手が難しいため、工業的製法として十分満足のいくものとは言い難い。
【0004】
また、ポリ(ヒドロキシスチレン)にハロゲン化アルキルを反応させることにより、ヒドロキシスチレン単位中の水酸基の一部をアルキルエーテル化する方法も知られている。例えば、前記特開平 7-295220 号公報や特開平 10-69082 号公報には、ヨウ化エチルを用いて、ポリ(ヒドロキシスチレン)の水酸基の一部をエチルエーテル化した例が示されている。この方法は、製造時にヨウ化物イオンを発生し、それを廃棄するためには化学的処理が必要となるので、全体的にコストが高くなる。
【0005】
さらに、これらいずれの方法においても、ポリ(ヒドロキシスチレン)中に導入できるアルキル基の種類が制限されるという難点がある。例えば、アルコキシスチレンモノマーから出発する方法では、工業的に入手が容易なアルコキシスチレンモノマーは、現在のところ、事実上tert−ブトキシスチレンだけであり、一方、ヨウ化アルキルを用いる方法でも、工業的に入手可能なヨウ化アルキルには制限がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、ヒドロキシスチレン単位を有する重合体の水酸基に、任意のアルキル基が導入でき、しかも、ヨウ化物イオンなどの廃棄物を発生することがなく、工業的に有利な方法で、核−エーテル化スチレン単位を有する重合体を製造することにある。本発明者らは、かかる目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、ヒドロキシスチレン単位を有する重合体にスルホン酸エステルを反応させることにより、ヒドロキシスチレン単位中の水酸基の少なくとも一部を上記スルホン酸エステルのアルコール部分に対応するエーテル体に変換する方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳しく説明する。本発明において一方の反応原料となるヒドロキシスチレン単位を有する重合体は、ヒドロキシスチレンの単独重合体であるポリ(ヒドロキシスチレン)のほか、ヒドロキシスチレン単位とともに他のビニルモノマーから導かれる単位を有する共重合体であってもよい。共重合体の場合は、ヒドロキシスチレン単位を含めて、二又はそれ以上の単位を有することができる。共重合体の場合であっても、ヒドロキシスチレン単位は、原料重合体のうち50モル%以上を占めているのが適当である。また、ヒドロキシスチレンにおける水酸基の位置は、ビニル基に対するベンゼン環上のo−位、m−位及びp−位のいずれでもよいが、水酸基がビニル基に対してp−位に位置するp−ヒドロキシスチレンであるのが一般的である。
【0009】
ヒドロキシスチレン以外の単位を形成するためのビニルモノマーとしては、ヒドロキシスチレン及び核−エーテル化スチレン以外の芳香族ビニル化合物や不飽和酸エステルなどを挙げることができる。ここでいう芳香族ビニル化合物とは、芳香族環にビニル基が結合した化合物であり、具体的には例えば、スチレン、o−、m−又はp−アセトキシスチレン、o−、m−又はp−プロピオニルオキシスチレン、o−、m−又はp−ピバロイルオキシスチレン、o−、m−又はp−ベンゾイルオキシスチレン、o−、m−又はp−メシルオキシスチレン、o−、m−又はp−フェニルスルホニルオキシスチレン、o−、m−又はp−トシルオキシスチレンなどが包含される。
【0010】
また不飽和酸エステルとは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和結合を有するカルボン酸の各種エステルであり、具体的には例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、アクリル酸2−オキソ−3−テトラヒドロフリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、メタクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、メタクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、メタクリル酸2−オキソ−3−テトラヒドロフリル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチルなどが包含される。さらには、無水マレイン酸、1,3−ブタジエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、酢酸ビニルなどの不飽和結合を有する各種の化合物も、ヒドロキシスチレン及び核−エーテル化スチレン以外の単位を形成するためのビニルモノマーとすることができる。
【0011】
本発明では、このようなヒドロキシスチレン単位を有する重合体に、スルホン酸エステルを反応させる。ここで用いるスルホン酸エステルは、具体的には、下式(I)で表すことができる。
【0012】
1−SO2O−R (I)
【0013】
式中、R1 は置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル、置換されていてもよいフェニル又は置換されていてもよい炭素数1〜6のアルコキシを表し、Rは環を形成していてもよく、また置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキルを表す。
【0014】
式(I)中のR1 で表されるアルキル及びアルコキシは、炭素数3以上なら直鎖でも分岐していてもよい。また、R1 で表されるアルキル、フェニル及びアルコキシに置換しうる基としては、例えば、炭素数1〜4のアルコキシ、アルキル部分の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル、全炭素数1〜5のアシル、全炭素数1〜5のアシルオキシ、フッ素、塩素などを挙げることができる。アルコキシの具体例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどが包含され、アルコキシカルボニルにおけるアルコキシの具体例も同様であり、またアシルの具体例には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、ピバロイルなどが包含され、アシルオキシにおけるアシルの具体例も同様である。R1 がフェニルである場合、そこに置換しうる基には、以上説明したもののほか、炭素数1〜4のアルキル、ニトロ、シアノ、臭素なども包含される。
【0015】
1 の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、トリフルオロメチル、フェニル、p−トリル、メトキシ、エトキシなどを挙げることができる。これらのなかでも、メチル、p−トリル、メトキシ及びエトキシが好ましく、さらにはp−トリルが一層好ましい。
【0016】
一方、式(I)中のRで表されるアルキルは、直鎖でも分岐していても、またシクロアルキルやシクロアルキルアルキルのように、全体として又は部分的に環を形成していてもよい。このアルキルに置換しうる基としては、先にR1 がアルキルである場合の置換基として例示したものがここでも同様に例示され、その他にフェニルやフェノキシなども、Rで表されるアルキルの置換基となり得る。Rの具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、2−ノルボルニルメチル、ベンジル、2−フェノキシエチルなどを挙げることができる。
【0017】
式(I)で示されるスルホン酸エステル化合物のうち、R1 がアルコキシであるもの、すなわち硫酸ジメチルや硫酸ジエチルのような硫酸ジアルキルは、市販されているので、それをそのまま用いることができる。またその他の化合物は、例えば、下式(Ia)
【0018】
1−SO2Cl (Ia)
【0019】
(式中、R1 は前記の意味を表す)
に相当するスルホン酸クロリドと、下式(Ib)
【0020】
R−OH (Ib)
【0021】
(式中、Rは前記の意味を表す)
に相当するアルコールとから、公知の方法、例えば、 C. S. Marvel and V. C. Sekera, Org. Synth., III, 366 (1955)に記載の方法に準じて、合成することができる。
【0022】
式(I)で示されるスルホン酸エステルの適当な具体例としては、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸プロピル、p−トルエンスルホン酸イソプロピル、p−トルエンスルホン酸オクチル、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチルなどを挙げることができる。
【0023】
ヒドロキシスチレン単位を有する重合体にスルホン酸エステルを反応させることにより、ヒドロキシスチレン単位中の水酸基の少なくとも一部が、スルホン酸エステルのアルコール部分に相当するエーテル体へと変換される。例えば、スルホン酸エステルとして前記式(I)で示される化合物を用いた場合は、ヒドロキシスチレン単位の少なくとも一部が、下式(II)で示されるアルコキシスチレン単位へと変換されることになる。
【0024】
Figure 0004296639
【0025】
式中、Rは前記の意味を表す。
【0026】
本発明によるヒドロキシスチレン単位を有する重合体とスルホン酸エステルとの反応は、通常、溶媒中で行われる。ここで用いる反応溶媒は、極性溶媒であるのが好ましく、具体的には例えば、水のほか、アセトンやメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、メタノールやエタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール類などを挙げることができる。これらは、所望により2種以上組み合わせて用いることもできる。反応溶媒として、一般には極性有機溶媒が好ましく用いられる。反応溶媒は、一方の反応原料であるヒドロキシスチレン単位を有する重合体に対して、2〜10重量倍程度用いるのが好ましい。
【0027】
またこの反応は、脱酸剤、すなわちアルカリ性化合物の存在下で行うのが有利である。脱酸剤としては、無機アルカリ及び有機アルカリのいずれも用いることができるが、通常は無機アルカリが好ましく用いられる。無機アルカリとして、具体的には例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどが挙げられ、なかでも、炭酸カリウムが好ましく用いられる。脱酸剤を使用する場合は、スルホン酸エステルに対して1〜3モル倍程度存在させるのが好ましい。
【0028】
そして一般には、ヒドロキシスチレン単位を有する重合体を反応溶媒に溶解又は分散させ、さらに脱酸剤及びもう一方の反応原料であるスルホン酸エステルを加えて、反応が行われる。この反応は大気圧下で行うことができ、また、反応温度は通常、40〜80℃程度であるが、還流温度付近で反応を行うのが有利である。反応時間は、用いるスルホン酸エステルの種類や、重合体へのアルキル基の導入量などによっても変動するが、一般には2〜100時間程度の範囲から選択される。
【0029】
スルホン酸エステルの使用量も、その種類や重合体へのアルキル基の導入量などによって変動するが、一般には、重合体中のヒドロキシスチレン単位に対して0.1〜1.5モル倍程度の範囲から選択される。ヒドロキシスチレン単位に対するスルホン酸エステルの使用量を等モル又はそれより多くし、反応が十分に進むような条件、例えば高い反応温度と長い反応時間を採用すれば、特にスルホン酸エステルにおけるアルコール部分の炭素数が小さい場合は、ヒドロキシスチレン単位中の水酸基をほぼ完全にアルキルエーテル化することができる。ただし、エーテル化された重合体をレジスト用の樹脂として用いる場合は、ヒドロキシスチレン単位をある程度、例えば、重合体全体のうち少なくとも20モル%程度残存させておくのが好ましい。この場合、エーテル化された単位、すなわちアルコキシスチレン単位は、重合体全体のうち10〜60モル%程度となるようにするのが好ましい。
【0030】
本発明の方法は、以上説明したとおり、基本的には、ヒドロキシスチレン単位を有する重合体とスルホン酸エステルとを反応させるものであるが、この反応の際、その目的を損なわない範囲で、他の反応物質を少量存在させておき、ヒドロキシスチレン単位の一部をエーテル体以外の単位に導くこともできる。例えば、スルホン酸エステルとともに、p−トルエンスルホン酸クロリドやメタンスルホン酸クロリドのようなスルホン酸ハライドを少量存在させておけば、ヒドロキシスチレン単位の一部をスルホン酸エステルに対応するエーテル体に、別の一部をスルホン酸ハライドに対応するスルホン酸エステル体に変換することができる。反応によりエーテル体以外の単位を導入する場合、かかる他の単位の導入量は、重合体全体のうち20モル%程度までとするのが適当である。
【0031】
ヒドロキシスチレン単位とスルホン酸エステルとの反応、あるいは任意にさらに他の反応物質を存在させた場合の反応は、必ずしも定量的に進行するとは限らないが、反応後のアルコキシスチレン単位や他の単位の割合は、適当な分析、例えば、核磁気共鳴(NMR)によって決定できる。
【0032】
反応終了後は、必要により水洗して、脱酸剤や生成した塩を除去し、次いで、濃縮や抽出、晶析など、通常の後処理を施すことにより、ヒドロキシスチレン単位の少なくとも一部がアルキルエーテル化された重合体を溶液の形で得るか、又は固体として取り出すことができる。また、反応に用いた溶媒に重合体が溶解した状態の溶液に、レジスト溶剤、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類や炭素数の比較的多いケトン類などを加えて濃縮し、溶剤置換を行うことにより、目的とする重合体をレジスト溶剤溶液の形で得る方法も有効である。
【0033】
このようにして得られるヒドロキシスチレン単位の少なくとも一部がエーテル化された重合体は、重量平均分子量が2,000〜32,000の範囲にあるのが好ましい。また、この重合体の重量平均分子量(Mw )と数平均分子量(Mn )の比(Mw/Mn)で表される分散度は、1.01〜2.0の範囲にあるのが好ましい。ここでいう重量平均分子量及び数平均分子量は、ポリスチレンを標準品として、ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。本発明によるスルホン酸エステルとの反応で重合体の重合度自体が変化することはほとんどないので、上記範囲のなかでもやや下側の重量平均分子量及び分散度を有する原料重合体を用いることにより、エーテル化後の重合体の重量平均分子量及び分散度を上記範囲とすることができる。
【0034】
【実施例】
次に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特にことわらない限り重量基準である。
【0035】
実施例1
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)〔重量平均分子量4,000、分散度1.15〕100部をアセトン400部に溶解し、そこに炭酸カリウム34.51部と硫酸ジメチル15.75部を加えて、還流状態になるまで昇温した。引き続き還流状態を4時間保持した。次にメチルイソブチルケトンを加え、この液を蓚酸水溶液で洗浄し、その後イオン交換水で洗浄した。洗浄後の有機層を290部まで濃縮し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート920部を加え、さらに296部まで濃縮した。この樹脂溶液の固形分含量を加熱重量減少法により求めたところ、29.16%であった。 1H−NMR〔270MHz、(ジメチルスルホキシド)−d6中〕で3.7ppm にブロードなピークを確認し、このピークをメチルプロトンと帰属した。 このメチルプロトンと芳香族プロトンとの積分比から、この樹脂は、p−ヒドロキシスチレン単位とp−メトキシスチレン単位とのモル比が86:14の共重合体であることが確認された。
【0036】
実施例2
炭酸カリウムの量を80.52部に、そして硫酸ジメチルの量を36.74部にそれぞれ変更し、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えた後の濃縮を299部になるまで行い、その他は実施例1に準じた操作を行った。その結果、加熱重量減少法により求めた固形分含量が32.78%の樹脂溶液を得た。 1H−NMR測定から、この樹脂は、p−ヒドロキシスチレン単位とp−メトキシスチレン単位とのモル比が65:35の共重合体であることが確認された。
【0037】
実施例3
実施例1で用いたのと同じポリ(p−ヒドロキシスチレン)100部をアセトン400部に溶解し、そこに炭酸カリウム73.62部と硫酸ジエチル51.33部を加えて、還流状態になるまで昇温した。引き続き還流状態を12時間保持した。次にメチルイソブチルケトンを加え、この液を蓚酸水溶液で洗浄し、その後イオン交換水で洗浄した。洗浄後の有機層を230部まで濃縮し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート670部を加え、さらに351部まで濃縮した。その結果、加熱重量減少法により求めた固形分含量が27.19%の樹脂溶液を得た。 1H−NMR測定から、この樹脂は、p−ヒドロキシスチレン単位とp−エトキシスチレン単位とのモル比が61:39の共重合体であることが確認された。
【0038】
実施例4
実施例1で用いたのと同じポリ(p−ヒドロキシスチレン)100部をアセトン400部に溶解し、そこに炭酸カリウム69.6部、p−トルエンスルホン酸オクチル137.6部及びp−トルエンスルホン酸クロリド19.3部を加えて、還流状態になるまで昇温した。引き続き還流状態を48時間保持した。次にメチルイソブチルケトンを加え、この液を蓚酸水溶液で洗浄し、その後イオン交換水で洗浄した。洗浄後の有機層を230部まで濃縮し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート800部を加え、さらに612部まで濃縮した。その結果、加熱重量減少法により求めた固形分含量が23.20%の樹脂溶液を得た。 1H−NMR測定〔270MHz、(ジメチルスルホキシド)−d6中〕で3.9ppm にブロードなピークを確認し、このピークを酸素原子に結合したメチレンプロトンと帰属した。また、7.3ppm 及び7.6ppm にブロードなピークを確認し、これらのピークをトシル基の芳香族プロトンと帰属した。これらのプロトンとポリ(p−ヒドロキシスチレン)由来の芳香族プロトンとの積分比から、この樹脂は、p−ヒドロキシスチレン単位、p−オクチルオキシスチレン単位及びp−トシルオキシスチレン単位のモル比が57:37:6の共重合体であることが確認された。
【0039】
実施例5
実施例1で用いたのと同じポリ(p−ヒドロキシスチレン)37部をアセトン148部に溶解し、そこに炭酸カリウム38.31部とp−トルエンスルホン酸シクロヘキシル36.37部を加えて、還流状態になるまで昇温した。引き続き還流状態を48時間保持した。次にメチルイソブチルケトンを加え、この液を蓚酸水溶液で洗浄し、その後イオン交換水で洗浄した。洗浄後の有機層を濃縮し、その後プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート296部を加え、さらに130部まで濃縮した。その結果、加熱重量減少法により求めた固形分含量が30.21%の樹脂溶液を得た。 1H−NMR測定〔270MHz、(ジメチルスルホキシド)−d6中〕で4.2ppm にブロードなピークを確認し、このピークを酸素原子に結合したメチンプロトンと帰属した。 このプロトンと芳香族プロトンとの積分比から、この樹脂は、p−ヒドロキシスチレン単位とp−シクロヘキシルオキシスチレン単位とのモル比が91:9の共重合体であることが確認された。
【0040】
実施例6
実施例1で用いたのと同じポリ(p−ヒドロキシスチレン)40部をアセトン160部に溶解し、そこに炭酸カリウム39.44部とp−トルエンスルホン酸イソプロピル31.40部を加えて、還流状態になるまで昇温した。引き続き還流状態を25時間保持した。次にメチルイソブチルケトンを加え、この液を蓚酸水溶液で洗浄し、その後イオン交換水で洗浄した。洗浄後の有機層を濃縮し、その後プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート320部を加え、さらに130部まで濃縮した。その結果、加熱重量減少法により求めた固形分含量が31.89%の樹脂溶液を得た。 1H−NMR測定〔270MHz、(ジメチルスルホキシド)−d6中〕で4.4ppm にブロードなピークを確認し、このピークを酸素原子に結合したメチンプロトンと帰属した。このプロトンと芳香族プロトンとの積分比から、この樹脂は、p−ヒドロキシスチレン単位とp−イソプロポキシスチレン単位とのモル比が63:37の共重合体であることが確認された。
【0041】
実施例7
炭酸カリウムの量を15.00部、そしてp−トルエンスルホン酸イソプロピルの量を11.95部にそれぞれ変更し、その他は実施例6に準じた操作を行った。その結果、加熱重量減少法により求めた固形分含量が37.28%の樹脂溶液を得た。 1H−NMR測定から、この樹脂は、p−ヒドロキシスチレン単位とp−イソプロポキシスチレン単位とのモル比が87:13の共重合体であることが確認された。
【0042】
実施例8
実施例1で用いたのと同じポリ(p−ヒドロキシスチレン)120部をアセトン480部に溶解し、そこに炭酸カリウム55.2部とp−トルエンスルホン酸エチル40.0部を加えて、還流状態になるまで昇温した。引き続き還流状態を26時間保持した。次にメチルイソブチルケトンを加え、この液を蓚酸水溶液で洗浄し、その後イオン交換水で洗浄し、次いで有機層を濃縮した。 1H−NMR測定から、得られた溶液中の樹脂は、p−ヒドロキシスチレン単位とp−エトキシスチレン単位とのモル比が80:20の共重合体であることが確認された。
【0043】
実施例9
実施例1で用いたのと同じポリ(p−ヒドロキシスチレン)120部をアセトン480部に溶解し、そこに、炭酸カリウム55.2部をイオン交換水110.4部に溶かした水溶液とp−トルエンスルホン酸エチル40.0部を加えて、還流状態になるまで昇温した。以降は実施例8と同様に処理して、樹脂溶液を得た。 1H−NMR測定から、この樹脂は、p−ヒドロキシスチレン単位とp−エトキシスチレン単位とのモル比が81:19の共重合体であることが確認された。
【0044】
実施例10
実施例1で用いたのと同じポリ(p−ヒドロキシスチレン)100部をアセトン400部に溶解し、そこに炭酸カリウム92.02部とp−トルエンスルホン酸エチル66.66部を加えて、還流状態になるまで昇温した。引き続き還流状態を18時間保持した。次にメチルイソブチルケトンを加え、この液を蓚酸水溶液で洗浄し、その後イオン交換水で洗浄した。洗浄後の有機層を230部まで濃縮し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート670部を加え、さらに253部まで濃縮した。その結果、加熱重量減少法により求めた固形分含量が40.43%の樹脂溶液を得た。 1H−NMR測定から、この樹脂は、p−ヒドロキシスチレン単位とp−エトキシスチレン単位とのモル比が61:39の共重合体であることが確認された。
【0045】
実施例11
炭酸カリウムの量を69.02部に、そしてp−トルエンスルホン酸エチルの量を50.00部にそれぞれ変更し、さらに還流状態での保持時間を22.5時間とし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えた後の濃縮を270部になるまで行い、その他は実施例10に準じた操作を行った。 その結果、加熱重量減少法により求めた固形分含量が39.09%の樹脂溶液を得た。 1H−NMR測定から、この樹脂は、p−ヒドロキシスチレン単位とp−エトキシスチレン単位とのモル比が71:29の共重合体であることが確認された。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、ヒドロキシスチレン単位を有する重合体を原料として、当該単位の水酸基に各種のアルキル基を導入することができ、しかも、かかるアルキル基が導入された重合体を工業的有利に製造することができる。

Claims (8)

  1. ヒドロキシスチレン単位を有する重合体に、スルホン酸エステルを反応させることにより、ヒドロキシスチレン単位中の水酸基の少なくとも一部を上記スルホン酸エステルのアルコール部分に対応するエーテル体に変換することを特徴とする重合体の製造方法。
    (該スルホン酸エステルは、下式(I)
    −SO O−R (I)
    (式中、R は、無置換の若しくは、炭素数1〜4のアルコキシ、アルキル部分の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル、全炭素数1〜5のアシル、全炭素数1〜5のアシルオキシ、フッ素及び塩素から選ばれる基で置換された炭素数1〜6のアルキルであるか、無置換の若しくは、炭素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、アルキル部分の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル、全炭素数1〜5のアシル、全炭素数1〜5のアシルオキシ、ニトロ、シアノ、フッ素、塩素及び臭素から選ばれる基で置換されたフェニルであるか又は、無置換の若しくは、炭素数1〜4のアルコキシ、アルキル部分の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル、全炭素数1〜5のアシル、全炭素数1〜5のアシルオキシ、フッ素及び塩素から選ばれる基で置換された炭素数1〜6のアルコキシを表す
    Rは、無置換の又は、炭素数1〜4のアルコキシ、アルキル部分の炭素数1〜4のアルコキシカルボニル、全炭素数1〜5のアシル、全炭素数1〜5のアシルオキシ、フェニル、フェノキシ、フッ素及び塩素から選ばれる基で置換された炭素数1〜20のアルキルを表す。
    で示される。
    該ヒドロキシスチレン単位の少なくとも一部は、下式(II)
    Figure 0004296639
    (式中、Rは前記の意味を表す)
    で示されるアルキルエーテル体に変換される。)
  2. 式(I)で表されるスルホン酸エステルが、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、p−トルエンスルホン酸オクチル、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシル、p−トルエンスルホン酸イソプロピル又はp−トルエンスルホン酸エチルである請求項1記載の方法。
  3. Rが、メチル基、エチル基、オクチル基、シクロヘキシル基又はイソプロピル基である請求項1又は2記載の方法。
  4. 極性有機溶媒中で反応を行う請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  5. 脱酸剤の存在下で反応を行う請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  6. 脱酸剤が無機アルカリである請求項に記載の方法。
  7. エーテル体に変換された単位が重合体全体のうち10〜60モル%となるように反応を行う請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  8. エーテル体に変換された単位が重合体全体のうち9〜39モル%となるように反応を行う請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
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