この発明は、軸部と、この軸部と一体的に形成された拡径部と、この拡径部の中央に配置された溶着用突起と、この溶着用突起と拡径部との間に配置された溶融拡大部によって構成されたプロジェクション溶接用ボルトおよびその溶接方法に関するものである。
上述のように軸部,拡径部,溶融拡大部,溶着用突起を備えたプロジェクションボルトを鋼板部品に溶接することは、特開2004−174559号公報に開示されている。また、同様のことは特開平7−223078号公報にも開示されている。
特開2004−174559号公報 特開平7−223078号公報
上述の特許文献に開示されている技術は、なだらかな傾斜面から形成されたテーパ状の溶着用突起を鋼板部品に押し付けて溶接電流を通電するものである。ここで考察されていることは、溶着用突起で加圧された箇所の鋼板部品の厚さが通電前に薄くなってその箇所の溶着性が良好になることや、前記テーパ部分の傾斜角度によって良好な溶着部分(ナゲット)が得られることである。
上述の先行技術においては、適正な溶接品質を確保するために、特許文献1では、鋼板部品の厚さを通電前に薄くすることを要件にしている。しかしながら、鋼板部品の厚さを塑性加工のようにして薄くするためには、加圧力の制御を精密に行う必要があり、高い制御技術が必要になる。また、特許文献2では、テーパ角度の選定を行うことを要件にしている。しかしながら、テーパ角度が主要な因子になって溶接品質が左右されるので、テーパ角度を厳密に設定する必要がある。
本発明は、上記の問題点を解決するために提供されたもので、プロジェクションボルトの頭部形状を溶接時の溶融形態との相関で設定することにより、良好な溶接品質が確保できるプロジェクション溶接用ボルトおよびその溶接方法を提供することを目的とする。
問題を解決するための手段
請求項1記載の発明は、雄ねじが形成された軸部と、この軸部と一体的に形成され軸部の直径よりも大径とされた円形の拡径部と、前記軸部とは反対側の拡径部中央に配置された円形の溶着用突起と、前記拡径部の外周部と前記溶着用突起の基部とを前記外周部側が低くなる傾斜面で接続することによって形成された溶融拡大部とによって形成され、溶着用突起の体積は溶融拡大部の体積よりも小さく設定されており、前記拡径部の直径が8〜14mmに設定されているとともに、前記溶融拡大部の傾斜面の傾斜角度が5〜14度に設定され、前記溶着用突起の体積に対する前記溶融拡大部の体積の比が1.3〜2.0に設定されていることにより、溶着用突起を溶融させる熱量によって溶融拡大部を急速に溶融することが抑制され、溶着用突起の溶融部分をへて徐々に溶融拡大部へ伝熱され、溶融拡大部の溶融が徐々に進行するように構成したことを特徴とするプロジェクション溶接用ボルトである。
発明の効果
上記のボルトを鋼板部品などに溶接する際には、円形の溶着用突起が鋼板部品に加圧され、その後、溶接電流が通電される。この通電にともなうジュール熱の発生によって溶着用突起とそれに接触している鋼板部分が溶融を開始し、溶着用突起の溶融が完了すると、それに引き続いて溶融拡大部の溶融に移行する。そして、溶融拡大部の溶融範囲が所定の状態になる時期に溶接電流の通電が停止され、溶接が完了する。
そこで、溶着用突起の体積は溶融拡大部の体積よりも小さく設定されているので、溶着用突起を溶融させる熱量によって溶融拡大部を急速に溶融することが抑制される。つまり、継続的に発生するジュール熱が溶着用突起の溶融部分をへて徐々に溶融拡大部へ伝熱され、溶融拡大部の溶融が徐々に進行するようになる。したがって、溶融拡大部における溶融部の拡大が適正な速度で進行するので、通電終了の時期を正確に設定することができる。すなわち、所定値に設定された通電サイクル数によって、溶融終了時点が正確に制御できる。これにより、溶融部の大きさすなわちナゲットの大きさを溶接強度の確保にとって適正化することが容易に行えるのである。
このように、溶融拡大部の溶融範囲が正確に設定されることにより、拡径部の厚さが過剰溶融によって薄くなることがなく、所期の設計強度どおりに設定されて、鋼板部品などに対する軸部の溶接強度が適正に確保できる。
換言すると、溶融拡大部の溶融部の拡大速度が速い場合には、通電終了のタイミングを溶融部の大きさの度合いに適合させて迅速かつ正確に行う必要があるので、通電制御を高精度のもとで実施しなければならず、この通電制御が少しでも狂うと溶融拡大部の溶融範囲に大きく影響することになる。つまり、所定値に設定された通電サイクル数を適正な溶融範囲に適合させることが困難になる。また、溶着用突起の体積が溶融拡大部の体積よりも大きく設定されていると仮定したら、溶着用突起の溶融熱量で溶融拡大部の溶融が急速に進行するため、上述のような適確な通電制御が困難になり、溶接品質が低下することになる。すなわち、溶融拡大部の溶融が溶着用突起からの大きな熱量によって急速に進行するので、溶融拡大部の溶融が拡径部にまで過剰に進行し、拡径部の厚さがこの溶融によって小さくなり、鋼板部品などに対する軸部の溶接強度が低下し、所定の溶接品質が確保できなくなる。
本発明は、上述のようにして、溶着用突起の体積と溶融拡大部の体積との相関性に基づく溶融状態の原則を見極めて、良好な溶接品質を確保するものである。
前記溶着用突起の体積に対する前記溶融拡大部の体積の比が、1.3〜2.0である。
前記の比が1.3未満になると、溶融拡大部の体積が溶着用突起の体積に対して過小になり、溶着用突起の溶融部分による溶融拡大部の溶融が急速に拡大し、前述の通電制御が行いにくくなったり、拡径部の厚さが低減するような過剰溶融が発生したりする。また、前記の比が2.0を超えると、溶融拡大部の体積が溶着用突起の体積に対して過大になり、溶着用突起の溶融部分による溶融拡大部の溶融が著しく低速で拡大し、そのために溶融範囲が小さくなって溶接強度が低下したり、溶接時間が長くなり生産性が低下したりする。したがって、上述の比が1.3〜2.0に設定されることにより、良好な品質のボルト溶接が確保できる。
請求項2記載の発明は、前記溶着用突起の体積と前記溶融拡大部の体積の和に対する拡径部の体積の比が、2.0〜4.0である請求項1記載のプロジェクション溶接用ボルトである。
前記溶着用突起と前記溶融拡大部との合計体積部分を溶融する熱量は、拡径部の溶融状態に大きく影響する。この合計体積部分が拡径部の体積に対して大きすぎると、すなわち前記の比が2.0未満になると、拡径部の厚さが低減すような過剰溶融が発生し、鋼板部品などに対する軸部の溶接強度が低下し、所定の溶接品質が確保できなくなる。また、この合計体積部分が拡径部の体積に対して小さすぎると、すなわち前記の比が4.0を超えると、拡径部の方へ溶融熱が奪われる状態になり、そのために溶融拡大部の溶融範囲が小さくなって健全なナゲットが得られず、やはり鋼板部品などに対する軸部の溶接強度が低下し、所定の溶接品質が確保できなくなる。したがって、上述の比が2.0〜4.0に設定されることにより、良好な品質のボルト溶接が確保できる。
請求項3記載の発明は、前記軸部の直径に対する拡径部の直径の比が、1.7〜2.5とされている請求項1または請求項2記載のプロジェクション溶接用ボルトである。
鋼板部品などに対する適正な溶着部分(ナゲット)は、溶接強度などから見て、拡径部全域またはそれをわずかに下回る程度である。このようなことから、拡径部の直径が溶着部分であると見なして、軸部との相対関係を設定している。そこで、前記の比が1.7未満になると、各部に溶接されるボルトの溶接強度としては、不十分になる事例が多くなるので、軸部の直径に対する拡径部の直径の比として相応しくない。また、前記の比が2.5を超えると、拡径部の直径が大きくなりすぎて拡径部全域またはそれに近い溶着部分を確保することが困難になる。それは、溶融範囲が大きくなるので、過剰溶融が懸念されるからである。さらに、拡径部が大きくなると近隣の構造物との干渉関係が生じるので、好ましくない。したがって、上述の比が1.7〜2.5に設定されることにより、良好な品質のボルト溶接が確保できる。
前記拡径部の直径が、8〜14mmである。
拡径部の直径が8〜14mmとされたボルトであるから、溶接時のジュール熱がわずかに変わるだけで溶融状態が大きく変化する。すなわち、ボルト自体が小物部品であるから、ジュール熱による溶融状態が敏感に変化する。このような状況下にあって、上述のような各部の体積関係を設定することにより、所期の溶接品質が確保できる。なお、8〜14mmとされた拡径部の直径であるから、それにともなって軸部の直径が設定され、さらに、拡径部の厚さを所要の寸法にすることによって、溶着用突起や溶融拡大部の体積も設定される。
請求項4記載の発明は、前記溶着用突起の端面に溶着用突起の外周側が低くなる傾斜面が形成されている請求項1〜請求項3のいずれかに記載のプロジェクション溶接用ボルトである。
このような傾斜面が形成されているので、鋼板部品などに加圧したときの初期の電流密度が大きくなり確実な溶融開始が得られる。そして、溶着用突起の溶融範囲が傾斜面にそって徐々に進行するので、溶融が確実に行われる。
請求項5記載の発明は、前記溶着用突起の傾斜面の傾斜角度は、5〜14度である請求項4記載のプロジェクション溶接用ボルトである。
前記の傾斜角度が5度未満であると、わずかな加圧変位であっても溶着部分の拡大が急速に進行するので、加圧力の制御が困難となる。また、加圧にともなって電流密度の低下が急速に進行するので、ジュール熱の発生が緩慢になる。また、傾斜角度が14度を超えると、大きな加圧変位であっても溶着部分の拡大進行が緩慢となるので、やはり加圧力の制御が困難となる。さらに、傾斜角度が14度を超えて大きくなると、溶融拡大部の体積に対する溶着用突起の体積が大きくなり、溶融拡大部における適正な溶融拡大が確保しにくくなる。したがって、上述の傾斜角度が5〜14度に設定されることにより、適正な溶着用突起の溶融が得られる。
請求項6記載の発明は、前記溶着用突起の端面に溶着用突起の外周側が低くなる傾斜面が形成され、この傾斜面の中央部に頂部が形成されている請求項1〜請求項5のいずれかに記載のプロジェクション溶接用ボルトである。
溶接時には、尖った形状の頂部が、鋼板部品などに押し付けられて鋼板部品の表面にわずかにめり込むので、初期の通電面積は著しく小さくなり、それによって電流密度を高めることができる。これにより、初期の溶融が確実に開始されそれに引き続いた溶融が進行して、溶着用突起の溶融が適正に行われる。
前記溶融拡大部の傾斜面の傾斜角度は、5〜14度である。
前記の傾斜角度が5度未満であると、わずかな加圧変位であっても溶着部分の拡大が急速に進行するので、加圧力の制御が困難となる。また、加圧にともなって電流密度の低下が急速に進行するので、ジュール熱の発生が緩慢になる。また、傾斜角度が14度を超えると、大きな加圧変位であっても溶着部分の拡大進行が緩慢となるので、やはり加圧力の制御が困難となる。さらに、傾斜角度が14度を超えて大きくなると、溶融拡大部の体積が大きくなり、それにともなって溶融拡大部に対する溶着用突起の体積が相対的に小さくなり、溶融拡大部における適正な溶融拡大が確保しにくくなる。したがって、上述の傾斜角度が5〜14度に設定されることにより、適正な溶融拡大部の溶融が得られる。
請求項7記載の発明は、前記軸部の直径と溶着用突起の基部の直径が、ほぼ同じである請求項1〜請求項6のいずれかに記載のプロジェクション溶接用ボルトである。
溶着用突起が溶融すると、その溶融部分は溶融拡大部へおよぶので、溶融部分の面積は軸部の断面積よりも大きくなる。したがって、溶着部分の引っ張り強度が軸部の引っ張り強度を上回ることとなり、軸部の溶接強度が高いレベルで確保できる。
請求項8記載の発明は、雄ねじが形成された軸部と、この軸部と一体的に形成され軸部の直径よりも大径とされた円形の拡径部と、前記軸部とは反対側の拡径部中央に配置された円形の溶着用突起と、前記拡径部の外周部と前記溶着用突起の基部とを前記外周部側が低くなる傾斜面で接続することによって形成された溶融拡大部とによって形成され、溶着用突起の体積は溶融拡大部の体積よりも小さく設定されており、前記拡径部の直径が8〜14mmに設定されているとともに、前記溶融拡大部の傾斜面の傾斜角度が5〜14度に設定され、前記溶着用突起の体積に対する前記溶融拡大部の体積の比が1.3〜2.0に設定されていることにより、溶着用突起を溶融させる熱量によって溶融拡大部を急速に溶融することが抑制され、溶着用突起の溶融部分をへて徐々に溶融拡大部へ伝熱され、溶融拡大部の溶融が徐々に進行するように構成したプロジェクション溶接用ボルト準備し、前記溶着用突起を厚さ0.6〜2.0mmの鋼板部品に加圧後通電して溶接するものであり、この通電時間は9〜12サイクルに設定されていることを特徴とするプロジェクション溶接用ボルトの溶接方法である。
上記のボルトを鋼板部品に溶接する際には、円形の溶着用突起が鋼板部品に加圧され、その後、溶接電流が通電される。この通電にともなうジュール熱の発生によって溶着用突起とそれに接触している鋼板部分が溶融を開始し、溶着用突起の溶融が完了すると、それに引き続いて溶融拡大部の溶融に移行する。そして、溶融拡大部の溶融範囲が所定の状態になる時期に溶接電流の通電が停止され、溶接が完了する。
このような溶接方法により、前述のように、所定値に設定された通電サイクル数によって、溶融終了時点が正確に制御できる。これにより、溶融部の大きさすなわちナゲットの大きさを溶接強度の確保にとって適正化することが容易に行えるのである。また、拡径部の厚さが過剰溶融によって薄くなることがなく、所期の設計強度どおりに設定されて、鋼板部品などに対する軸部の溶接強度が適正に確保できる。本発明は、上述のようにして、溶着用突起の体積と溶融拡大部の体積との相関性に基づく溶融状態の原則を見極めて、良好な溶接品質を確保する溶接方法である。
つぎに、本発明のプロジェクション溶接用ボルトおよびその溶接方法を実施するための最良の形態を説明する。
プロジェクション溶接用ボルトの寸法や形状について説明する。
プロジェクション溶接用ボルトの形状は、図1(A)に示されている。このボルト1は、雄ねじが形成された軸部2と、この軸部2と一体的に形成され軸部2の直径よりも大径とされた円形の拡径部3と、前記軸部2とは反対側の拡径部中央に配置された円形の溶着用突起4と、前記拡径部3の外周部と前記溶着用突起4の基部5とを前記外周部側が低くなる傾斜面6で接続することによって形成された溶融拡大部7とによって形成されている。そして、符号8は軸部2の外周面に形成された雄ねじであり、ねじ山は谷部と山部を有している。以下、プロジェクション溶接用ボルトを単にボルトと表現することもある。
なお、このボルト1は鉄製である。そして、前記傾斜面6の傾斜角度は、軸部2の軸線が垂直に交わっている仮想平面との間で形成される角度を意味している。後述の溶着用突起4の端面傾斜角度も、同様である。また、フランジ状の拡径部3と溶融拡大部7と溶着用突起4によってボルト1の頭部が形成されている。
図2は、ボルト1が鋼板部品9に溶接される状態を示す断面図である。可動電極10は、エアシリンダまたは進退出力型の電動モータなど(図示していない)で進退動作をする。その端面中央部に可動電極10の長手方向に受入孔11があけられ、その奥部に永久磁石12が取り付けてある。鋼板部品9は可動電極10と同軸状態で配置された固定電極13上に載置されている。
作業者または供給ロッドによって、軸部2が可動電極10の受入孔11に挿入され、永久磁石12で吸引されてボルト1が可動電極10に保持される。このときには、可動電極10の端面14が拡径部3の裏面に密着している。図2は、ボルト1を保持した可動電極10が進出してきて、溶着用突起4が鋼板部品9に加圧されている状態を示している。この状態で溶接電流が通電されて、鋼板部品9への溶接がなされる。
図1(B)には、実施例の寸法状態などを理解しやすくするために、各部の寸法や傾斜角度が記載されている。この図に示すように、軸部2の直径(山径)は5mm、拡径部3の直径と厚さはそれぞれ10mmと1.5mm、溶着用突起4の基部5すなわち溶着用突起4の付け根部分の直径は5mmである。
したがって、軸部2の直径に対する拡径部3の直径の比は、2.0である。
この実施例では、溶着用突起4の端面に、なだらかな状態の円錐面すなわち傾斜面15が形成され、その中心部に尖端状の頂部16が形成されている。この傾斜面15も溶着用突起4の外周側が低くなっている。
さらに、溶着用突起4の端面の直径は4.5mm、溶着用突起4の基部5からの高さは1.0mm、溶融拡大部7の高さは0.5mm、傾斜面6の傾斜角度θ1は9度、溶着用突起4の傾斜面15の傾斜角度θ2は9度である。
図4は、拡径部3,溶融拡大部7,溶着用突起4の各部分の体積を示すための区分図である。図1に示した寸法や傾斜角度を有するボルト1の各部体積は、拡径部3が117.75mm3、溶融拡大部7が24.53mm3、溶着用突起4が14.80mm3であり、溶着用突起4の体積は溶融拡大部7の体積よりも小さく設定されている。
そして、溶着用突起4の体積に対する溶融拡大部7の体積の比は、1.66である。また、溶着用突起4の体積と溶融拡大部7の体積の和に対する拡径部3の体積の比は、2.99である。そして、溶着用突起4の体積と溶融拡大部7の体積との合計体積は、拡径部3の体積よりも小さく設定されている。
上述の各部寸法から明らかなように、このボルト1はいわゆる小物部品である。このように小物であるから、溶融の進行状態や溶着部分(ナゲット)の大きさなどが溶接品質に大きく影響するのである。
つぎに、このボルト1の溶着現象について説明する。
溶接は前述のように、図2に示す状態で行われる。ここで、相手方部材である鋼板部品9の板厚は、0.8mmである。そして、可動電極10による加圧力すなわち鋼板部品9に対する溶着用突起4の加圧力は、1860Nであり、溶接電流は7800A、初期加圧時間は60サイクル,通電時間は10サイクル,保持時間は30サイクルである。なお、1サイクルは1/60秒である。また、前記加圧力は1800〜2000N、前記溶接電流は7500〜9000A、通電時間は9〜12サイクルの各範囲で溶接することができる。
上述の溶接条件で進行する溶融過程が、図3に示されている。図3(A)は初期の溶融状態を示している。すなわち、溶着用突起4の頂部16が鋼板部品9に加圧されて頂部16が鋼板部品9にわずかにめり込んでいるところへ通電がなされ、このめり込んでいる箇所から溶融が開始される。黒く塗りつぶした箇所がほぼ円形の初期の溶融箇所17である。この溶融箇所17は、溶着用突起4と鋼板部品9の両方の金属が溶融して形成されている。
図3(B)は、加圧と通電がさらに進行し溶着用突起4の溶融が完了して、それに引き続いて溶融拡大部7の溶融が開始されている状態を示している。したがって、溶融箇所17の直径が大きくなっている。このときの溶融箇所17の直径は、約5mmである。
図3(C)は、加圧と通電が最終段階になり、溶融拡大部7の溶融範囲が最大になっている状態を示している。この段階での溶融箇所17の直径は同図(D)に示すように、8.5mmであり、ほぼ拡径部3の直径に近似した値になっている。この溶融箇所17の直径が7.5〜9.5mmの範囲内であれば、本実施例の規模のボルト1として、所定の溶接強度が得られる。
前述のように、溶着用突起4の体積は溶融拡大部7の体積よりも小さく設定されているので、溶着用突起4を溶融させる熱量によって溶融拡大部7を急速に溶融することが抑制される。つまり、継続的に発生するジュール熱が溶着用突起4の溶融部分をへて徐々に溶融拡大部7へ伝熱され、溶融拡大部7の溶融が徐々に進行するようになる。換言すると、溶着用突起4を溶融させる熱量は、溶融拡大部7を溶融させるためには不足であるから、継続的に発生するジュール熱の補充を受けながら溶融拡大部7の溶融が徐々に進行するのである。したがって、溶融拡大部7における溶融部の拡大が適正な速度で進行するので、通電終了の時期を正確に設定することができる。すなわち、所定値に設定された通電サイクル数10によって、溶融終了時点が正確に制御できる。これにより、溶融部の大きさすなわちナゲットの大きさを溶接強度の確保にとって適正化することが容易に行えるのである。
また、溶着用突起4の体積と溶融拡大部7の体積との合計体積は、拡径部3の体積よりも小さく設定され、溶着用突起4の体積と溶融拡大部7の体積の和に対する拡径部3の体積の比は、2.99である。したがって、上記合計体積を溶融する熱量によって、体積の大きなすなわち熱マスの大きな拡径部3を溶融させることが抑制される。したがって、拡径部3の厚さが薄くなるような溶融には至らず、拡径部3の厚さが設計強度の通りに維持され、軸部2の溶接強度が所期の強度値として確保される。
上述のようにして溶着した軸部2を、鋼板部品9を治具などを用いて固定し、軸部2の直径方向にハンマーで叩く衝撃テストを行った結果、軸部2は屈曲変形をしたが、溶着箇所17の部分は剥離などが発生せず、完全な溶着状態が維持されていることが確認された。したがって、十分な溶接強度が確保されていることが認められた。
溶着用突起4の体積に対する溶融拡大部7の体積の比が、1.3未満になると、溶融拡大部7の体積が溶着用突起4の体積に対して過小になり、溶着用突起4の溶融部分による溶融拡大部7の溶融が急速に拡大し、前述の通電制御が行いにくくなったり、拡径部3の厚さが低減すような過剰溶融が発生したりする。また、前記の比が2.0を超えると、溶融拡大部7の体積が溶着用突起4の体積に対して過大になり、溶着用突起4の溶融部分による溶融拡大部7の溶融が著しく低速で拡大し、そのために溶融範囲が小さくなって溶接強度が低下したり、溶接時間が長くなり生産性が低下したりする。したがって、上述の比が1.3〜2.0に設定されることにより、良好な品質のボルト溶接が確保できる。
上述の比は、1.3〜2.0に設定されるが、好ましくは1.5〜1.7であり、最適値は本実施例における1.66である。
前記溶着用突起4と前記溶融拡大部7との合計体積部分を溶融する熱量は、拡径部3の溶融状態に大きく影響する。この合計体積部分が拡径部3の体積に対して大きすぎると、すなわち前記の比が2.0未満になると、拡径部3の厚さが低減すような過剰溶融が発生し、鋼板部品9などに対する軸部2の溶接強度が低下し、所定の溶接品質が確保できなくなる。また、この合計体積部分が拡径部3の体積に対して小さすぎると、すなわち前記の比が4.0を超えると、拡径部3の方へ溶融熱が奪われる状態になり、そのために溶融拡大部7の溶融範囲が小さくなって健全なナゲットが得られず、やはり鋼板部品9などに対する軸部2の溶接強度が低下し、所定の溶接品質が確保できなくなる。したがって、上述の比が2.0〜4.0に設定されることにより、良好な品質のボルト溶接が確保できる。
上述の比は、2.0〜4.0に設定されるが、好ましくは2.5〜3.5であり、最適値は本実施例における2.99である。
前記溶着用突起4の傾斜面の傾斜角度(テーパ角度)θ2が5度未満であると、わずかな加圧変位であっても溶着部分(溶融箇所17)の拡大が急速に進行するので、加圧力の制御が困難となる。また、加圧にともなって電流密度の低下が急速に進行するので、ジュール熱の発生が緩慢になる。また、傾斜角度θ2が14度を超えると、大きな加圧変位であっても溶着部分の拡大進行が緩慢となるので、やはり加圧力の制御が困難となる。さらに、傾斜角度θ2が14度を超えて大きくなると、溶融拡大部7の体積に対する溶着用突起4の体積が大きくなり、溶融拡大部7における適正な溶融拡大が確保しにくくなる。したがって、上述の傾斜角度が5〜14度に設定されることにより、適正な溶着用突起の溶融が得られる。
上述の傾斜角度θ2は、5〜14度に設定されるが、好ましくは7〜12度であり、最適値は本実施例における9度である。
前記溶融拡大部の傾斜面の傾斜角度θ1は、5〜14度である。この傾斜角度θ1が5度未満であると、わずかな加圧変位であっても溶着部分(溶融箇所17)の拡大が急速に進行するので、加圧力の制御が困難となる。また、加圧にともなって電流密度の低下が急速に進行するので、ジュール熱の発生が緩慢になる。また、傾斜角度θ1が14度を超えると、大きな加圧変位であっても溶着部分の拡大進行が緩慢となるので、やはり加圧力の制御が困難となる。さらに、傾斜角度θ1が14度を超えて大きくなると、溶融拡大部7の体積が大きくなり、それにともなって溶融拡大部7に対する溶着用突起4の体積が相対的に小さくなり、溶融拡大部7における適正な溶融拡大が確保しにくくなる。したがって、上述の傾斜角度が5〜14度に設定されることにより、適正な溶融拡大部の溶融が得られる。
上述の傾斜角度θ1は、5〜14度に設定されるが、好ましくは7〜12度であり、最適値は本実施例における9度である。
また、鋼板部品9の板厚は、0.6〜2.0mmの範囲のものが使用される。このような範囲は、溶着用突起4や溶融拡大部7の溶融量に見合った溶融量が鋼板部品9の側にも発生するので、鋼板部品9の厚さが薄すぎると、鋼板部品9の側に過剰溶融が発生して良好な溶接品質が得られなくなる。また、鋼板部品9の厚さが厚すぎると、鋼板部品9の側の熱マスが大きいために鋼板部品9側に十分な溶融が発生しないので、適正な溶融範囲が確保できず、良好な溶接品質が得られなくなる。
上述の板厚は、0.6〜2.0mmの範囲に設定されるが、好ましくは0.7〜1.5mmであり、最適値は本実施例における0.8mmである。
加圧力を小さく制御して、固定電極やバック電極を採用せずに、可動電極に保持されたボルトを鋼板部品に押し付けるだけで溶着することも可能である。
さらに、図1(C)に示すように、頂部16の形成を止めて、中央部に円形の小さな平坦面18を設けた場合でも、良好な溶接をすることができる。
以上に説明した実施例の作用効果を列記すると、つぎのとおりである。
溶着用突起4の体積は溶融拡大部7の体積よりも小さく設定されているので、溶着用突起4を溶融させる熱量によって溶融拡大部7を急速に溶融することが抑制される。つまり、継続的に発生するジュール熱が溶着用突起4の溶融部分をへて徐々に溶融拡大部7へ伝熱され、溶融拡大部7の溶融が徐々に進行するようになる。換言すると、溶着用突起4を溶融させる熱量は、溶融拡大部7を溶融させるためには不足であるから、継続的に発生するジュール熱の補充を受けながら溶融拡大部7の溶融が徐々に進行するのである。したがって、溶融拡大部7における溶融箇所17の拡大が適正な速度で進行するので、通電終了の時期を正確に設定することができる。すなわち、所定値に設定された通電サイクル数10によって、溶融終時点が正確に制御できる。これにより、溶融箇所17の大きさすなわちナゲットの大きさを溶接強度の確保にとって適正化することが容易に行えるのである。
このように、溶融拡大部7の溶融範囲が正確に設定されることにより、拡径部3の厚さが過剰溶融によって薄くなることがなく、所期の設計強度どおりに設定されて、鋼板部品9に対する軸部2の溶接強度が適正に確保できる。
換言すると、溶融拡大部7の溶融箇所17の拡大速度が速い場合には、通電終了のタイミングを溶融箇所17の大きさの度合いに適合させて迅速かつ正確に行う必要があるので、通電制御を高精度のもとで実施しなければならず、この通電制御が少しでも狂うと溶融拡大部7の溶融範囲に大きく影響することになる。つまり、所定値に設定された通電サイクル数を適正な溶融範囲に適合させることが困難になる。また、溶着用突起4の体積が溶融拡大部7の体積よりも大きく設定されていると仮定したら、溶着用突起4の溶融熱量で溶融拡大部7の溶融が急速に進行するため、上述のような適確な通電制御が困難になり、溶接品質が低下することになる。すなわち、溶融拡大部7の溶融が溶着用突起4からの大きな熱量によって急速に進行するので、溶融拡大部7の溶融が拡径部3にまで過剰に進行し、拡径部3の厚さがこの溶融によって小さくなり、鋼板部品9に対する軸部2の溶接強度が低下し、所定の溶接品質が確保できなくなる。
本実施例は、上述のようにして、溶着用突起4の体積と溶融拡大部7の体積との相関性に基づく溶融状態の原則を見極めて、良好な溶接品質を確保するものである。
前記溶着用突起4の体積に対する前記溶融拡大部7の体積の比が、1.3〜2.0である。
前記の比が1.3未満になると、溶融拡大部7の体積が溶着用突起4の体積に対して過小になり、溶着用突起4の溶融部分による溶融拡大部7の溶融が急速に拡大し、前述の通電制御が行いにくくなったり、拡径部3の厚さが低減するような過剰溶融が発生したりする。また、前記の比が2.0を超えると、溶融拡大部7の体積が溶着用突起4の体積に対して過大になり、溶着用突起4の溶融箇所17による溶融拡大部7の溶融が著しく低速で拡大し、そのために溶融範囲が小さくなって溶接強度が低下したり、溶接時間が長くなり生産性が低下したりする。したがって、上述の比が1.3〜2.0に設定されることにより、良好な品質のボルト溶接が確保できる。
前記溶着用突起4の体積と前記溶融拡大部7の体積の和に対する拡径部3の体積の比が、2.0〜4.0である。
前記溶着用突起4と前記溶融拡大部7との合計体積部分を溶融する熱量は、拡径部3の溶融状態に大きく影響する。この合計体積部分が拡径部3の体積に対して大きすぎると、すなわち前記の比が2.0未満になると、拡径部3の厚さが低減すような過剰溶融が発生し、鋼板部品9に対する軸部2の溶接強度が低下し、所定の溶接品質が確保できなくなる。また、この合計体積部分が拡径部3の体積に対して小さすぎると、すなわち前記の比が4.0を超えると、拡径部3の方へ溶融熱が奪われる状態になり、そのために溶融拡大部7の溶融範囲が小さくなって健全なナゲットが得られず、やはり鋼板部品9に対する軸部2の溶接強度が低下し、所定の溶接品質が確保できなくなる。したがって、上述の比が2.0〜4.0に設定されることにより、良好な品質のボルト溶接が確保できる。
前記軸部2の直径に対する拡径部3の直径の比が、1.7〜2.5とされている。
鋼板部品9に対する適正な溶着部分(ナゲット)は、溶接強度などから見て、拡径部3の全域またはそれをわずかに下回る程度である。このようなことから、拡径部3の直径が溶着部分であると見なして、軸部2との相対関係を設定している。そこで、前記の比が1.7未満になると、各部に溶接されるボルトの溶接強度としては、不十分になる事例が多くなるので、軸部2の直径に対する拡径部3の直径の比として相応しくない。また、前記の比が2.5を超えると、拡径部3の直径が大きくなりすぎて拡径部3全域またはそれに近い溶着部分を確保することが困難になる。それは、溶融範囲が大きくなるので、過剰溶融が懸念されるからである。さらに、拡径部3が大きくなると近隣の構造物との干渉関係が生じるので、好ましくない。したがって、上述の比が1.7〜2.5に設定されることにより、良好な品質のボルト溶接が確保できる。
前記拡径部3の直径が、8〜14mmである。
拡径部3の直径が8〜14mmとされたプロジェクション溶接用ボルト1であるから、溶接時のジュール熱がわずかに変わるだけで溶融状態が大きく変化する。すなわち、ボルト1自体が小物部品であるから、ジュール熱による溶融状態が敏感に変化する。このような状況下にあって、上述のような各部の体積関係を設定することにより、所期の溶接品質が確保できる。なお、8〜14mmとされた拡径部3の直径であるから、それにともなって軸部2の直径が設定され、さらに、拡径部3の厚さを所要の寸法にすることによって、溶着用突起4や溶融拡大部7の体積も設定される。
前記溶着用突起4の端面に溶着用突起4の外周側が低くなる傾斜面15が形成されている。
このような傾斜面15が形成されているので、鋼板部品9に加圧したときの初期の電流密度が大きくなり確実な溶融開始が得られる。そして、溶着用突起4の溶融範囲が傾斜面15にそって徐々に進行するので、溶融が確実に行われる。
前記溶着用突起4の傾斜面15の傾斜角度は、5〜14度である。
前記の傾斜角度θ2が5度未満であると、わずかな加圧変位であっても溶着部分の拡大が急速に進行するので、加圧力の制御が困難となる。また、加圧にともなって電流密度の低下が急速に進行するので、ジュール熱の発生が緩慢になる。また、傾斜角度θ2が14度を超えると、大きな加圧変位であっても溶着部分の拡大進行が緩慢となるので、やはり加圧力の制御が困難となる。さらに、傾斜角度θ2が14度を超えて大きくなると、溶融拡大部7の体積に対する溶着用突起4の体積が大きくなり、溶融拡大部7における適正な溶融拡大が確保しにくくなる。したがって、上述の傾斜角度θ2が5〜14度に設定されることにより、適正な溶着用突起の溶融が得られる。
前記溶着用突起4の端面に溶着用突起4の外周側が低くなる傾斜面15が形成され、この傾斜面15の中央部に頂部16が形成されている。
溶接時には、尖った形状の頂部16が、鋼板部品9に押し付けられて鋼板部品9の表面にわずかにめり込むので、初期の通電面積は著しく小さくなり、それによって電流密度を高めることができる。これにより、初期の溶融が確実に開始されそれに引き続いた溶融が進行して、溶着用突起4の溶融が適正に行われる。
前記溶融拡大部7の傾斜面15の傾斜角度θ1は、5〜14度である。
前記の傾斜角度θ1が5度未満であると、わずかな加圧変位であっても溶着部分の拡大が急速に進行するので、加圧力の制御が困難となる。また、加圧にともなって電流密度の低下が急速に進行するので、ジュール熱の発生が緩慢になる。また、傾斜角度θ1が14度を超えると、大きな加圧変位であっても溶着部分の拡大進行が緩慢となるので、やはり加圧力の制御が困難となる。さらに、傾斜角度θ1が14度を超えて大きくなると、溶融拡大部7の体積が大きくなり、それにともなって溶融拡大部7に対する溶着用突起4の体積が相対的に小さくなり、溶融拡大部7における適正な溶融拡大が確保しにくくなる。したがって、上述の傾斜角度θ1が5〜14度に設定されることにより、適正な溶融拡大部の溶融が得られる。
前記軸部2の直径と溶着用突起4の基部5の直径が、ほぼ同じである。
溶着用突起4が溶融すると、その溶融部分は溶融拡大部7へおよぶので、溶融箇所17の面積は軸部2の断面積よりも大きくなる。したがって、溶着部分の引っ張り強度が軸部2の引っ張り強度を上回ることとなり、軸部2の溶接強度が高いレベルで確保できる。
溶接方法の発明に関する作用効果は、上述のボルトを溶接したときの作用効果と同様である。そして、前述のような形状のプロジェクションボルト1が可動電極10に保持されて鋼板部品9に加圧・通電がなされて溶接されるものであるから、図3およびその説明で述べたような作用効果が確保できる。
そして、前記溶接方法を「雄ねじが形成された軸部と、この軸部と一体的に形成され軸部の直径よりも大径とされた円形の拡径部と、前記軸部とは反対側の拡径部中央に配置された円形の溶着用突起と、前記拡径部の外周部と前記溶着用突起の基部とを前記外周部側が低くなる傾斜面で接続することによって形成された溶融拡大部とによって形成され、軸部の直径に対する拡径部の直径の比が1.7〜2.5とされ、溶着用突起の体積に対する溶融拡大部の体積の比が1.3〜2.0とされ、溶融拡大部の体積と溶着用突起の体積の和に対する拡径部の体積の比が2.0〜4.0とされ、拡径部の直径が8〜14mmとされ、溶着用突起の傾斜面の傾斜角度は5〜14度とされ、溶融拡大部の傾斜面の傾斜角度は5〜14度とされているプロジェクション溶接用ボルトを準備し、前記溶着用突起を厚さ0.6〜2.0mmの鋼板部品に加圧後通電して溶接するものであり、この通電時間は9〜12サイクルに設定されていることを特徴とするプロジェクション溶接用ボルトの溶接方法」なる形態で実施することにより、前述の種々な効果を得て良好な溶接品質が確保できる。
上述のように、本発明によれば、溶着用突起や溶融拡大部などの体積を溶融の進行にとって好ましく設定して、良好な溶接品質が確保されるものである。したがって、自動車の車体溶接工程や家電製品の鋼板溶接工程などにおいて、広く活用できることが期待される。
プロジェクションボルトの各部形状を示す図である。
ボルトが溶接される状態を示す断面図である。
溶融状態を段階的に示す断面図である。
ボルトの各部の体積区分状態を示す図である。
符号の説明
1 プロジェクション溶接用ボルト
2 軸部
3 拡径部
4 溶着用突起
5 基部
6 傾斜面
7 溶融拡大部
9 鋼板部品
10 可動電極
11 受入孔
15 傾斜面
16 頂部
17 溶融箇所