JP4295351B2 - 磁気転写用マスター担体および磁気記録媒体フォーマット方法 - Google Patents

磁気転写用マスター担体および磁気記録媒体フォーマット方法 Download PDF

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Description

本発明は、垂直磁気記録媒体に対して磁気転写法によりサーボ情報を書き込むのに使用することのできるマスター担体、および、磁気転写法を利用して垂直磁気記録媒体をフォーマットするための方法に関する。
コンピュータシステムにおける情報処理量の増大に伴い、ハードディスクなどの記憶装置を構成する磁気記録媒体に対しては、記憶容量の増大化が要求される。そのような要求に応え得る媒体として、近年、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体が注目を集めている。
図29および図30は、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体の一例である磁気ディスク200を表す。図29は、磁気ディスク200の記録面の構成を示す平面図であり、図30は、磁気ディスク200の積層構成を表す。
磁気ディスク200は、図30に示すように、基板201と、記録磁性層202と、軟磁性層203と、中間層204と、保護膜205とからなる積層構造を有する。記録磁性層202は、垂直磁化膜であり、磁化方向の変化として所定の信号が記録され得る部位である。このような記録磁性層202は、磁気ディスク200の記録面を構成する。軟磁性層203は軟磁性材料よりなる。中間層204は、非磁性材料よりなり、記録磁性層202および軟磁性層203を磁性的に分離するためのものである。保護膜205は、記録磁性層202を外界から物理的および化学的に保護しつつ、記録再生用の磁気ヘッドに対する媒体表面の潤滑性を確保するためのものである。
磁気ディスク200の記録面を構成する記録磁性層202には、図29に示すような同心円状の複数の情報トラック210(一部省略)が磁気的に構成されている。また、記録磁性層202は、その膜面広がり方向において、サーボゾーン202Aおよびユーザデータゾーン202Bに区画されている。サーボゾーン202Aは、磁気ディスク200に対する記録再生用の磁気ヘッドを目標の情報トラック210に対して位置決め制御するための所定のサーボ情報が記録されている領域である。ユーザデータゾーン202Bは、各情報トラック210内にてユーザデータが書換え可能に記録され得る部位である。
このような磁気ディスク200の製造においては、まず、基板201上に、軟磁性層203、中間層204、記録磁性層202、および保護膜205が、順次形成される。これらは、各々、例えばスパッタリング法により所定材料を成膜することにより形成される。次に、記録磁性層202に対してサーボ情報が記録されてサーボゾーン202Aが形成される。
サーボ情報の記録手法の一つとして、磁気転写法が知られている。図31は、磁気ディスク200の製造過程において、従来の磁気転写法によりサーボ情報を記録する場合の、一連の工程を表す。本方法においては、まず、図31(a)に示すように、磁気ディスク200の記録磁性層202を初期磁化する。具体的には、所定方向に初期磁化磁界H1を印加することにより、記録磁性層202の磁化方向を一様に揃える。図の簡潔化の観点より、図31においては、磁気記録媒体200について、基板201および記録磁性層202以外を省略する。次に、図31(b)に示すように、磁気転写用のマスター担体300と磁気ディスク200とを重ね合わせる。マスター担体300は、基板301と、この上にパターン形成された磁性材パターン302とを有する。磁性材パターン302は、高透磁率を有する例えば軟磁性材料からなる。また、磁性材パターン302は、磁気ディスク
200の記録磁性層202に記録すべき所望のサーボ情報に対応するパターン形状を有する。次に、図31(c)に示すように、磁性材パターン302のパターン形状を記録磁性層202に対して磁気的に転写する。具体的には、上述の初期磁化磁界H1とは逆方向の転写磁界H2をマスター担体300とともに磁気ディスク200に印加することにより、記録磁性層202において磁性材パターン302に対向する箇所の磁化方向を反転させる。このようにして、記録磁性層202においてサーボ情報が記録されてサーボゾーン202Aが形成される。従来の磁気転写法については、例えば下記の特許文献1や特許文献2に記載されている。
特開平10−320768号公報 特開2003−173513号公報
サーボ情報が記録されてサーボゾーン202Aが形成された後、磁気ディスク200に対してユーザデータを記録することが可能となる。具体的には、ライトヘッド素子を具備する所定の磁気ヘッドを、サーボ情報を利用して磁気ディスク200の記録面(記録磁性層202)に対して位置決め制御しつつ、当該磁気ヘッドにより、サーボゾーン202A間のユーザデータゾーン202Bに対して所定のデータを記録することが可能となる。
上述の従来の磁気転写法によりサーボ情報が書き込まれた磁気ディスク200のユーザデータゾーン202Bに対し、ユーザデータを記録して情報トラック210を形成すると、図32に示すように、ユーザデータゾーン202Bには、磁化方向が一様に揃っているトラック間部211が生ずる。図32は、磁気ディスク200の径方向の、即ち、情報トラック210を横断する方向の、磁気ディスク200の部分断面を表す。ユーザデータにより構成される各情報トラック210の間では、記録磁性層202の磁化方向は、上述の磁気転写法における初期磁化の方向に維持されているのである。トラック間部211が一様に初期磁化方向に磁化されているため、媒体表面付近には、当該トラック間部211に由来する比較的に強い磁界が形成される。磁気ディスク200の再生時には、この磁界は、非信号磁界(外乱磁界)として記録再生用の磁気ヘッドRWに作用し、当該磁気ヘッドRWの読み取り動作に影響を与える。具体的には、トラック間部211に由来する非信号磁界は、磁気ヘッドRWに搭載されている読取り用のリードヘッド素子に作用し、当該リードヘッド素子から出力される再生信号に影響を与えてしまう。磁気ディスク200においては、このようにトラック間部211に由来する非信号磁界が強いために、良好な再生特性を得るのが困難である。
本発明は、このような事情の下で考え出されたものであって、再生時においてリードヘッド素子に対して作用する非信号磁界の弱い垂直磁気記録媒体を製造するのに適した磁気転写用マスター担体および磁気記録媒体フォーマット方法を提供することを、目的とする。
本発明の第1の側面によると、垂直磁気異方性を有する記録磁性層を備える磁気記録媒体に対して磁気転写法により書き込みを行うための磁気転写用マスター担体が提供される。この磁気転写用マスター担体は、記録磁性層にサーボ情報を記録するための第1磁性材パターンを有するサーボゾーン対応部と、記録磁性層にダミー信号を形成するための第2磁性材パターンを有するユーザデータゾーン対応部と、を備える。本発明において、サーボゾーン対応部とは、磁気記録媒体の記録磁性層ないし記録面においてサーボゾーンへと形成される箇所に対向するための部位であり、ユーザデータゾーン対応部とは、記録磁性層ないし記録面においてユーザデータゾーンへと形成される箇所に対向するための部位で
ある。また、磁性材パターンは、磁性材料よりなるパターン形状であって、表面が平坦な基材上に磁性材料を成膜した後に当該磁性膜をパターニングして形成される磁性膜パターンや、表面に所定の凹凸形状を有する基材上に磁性材料を成膜した場合に当該磁性膜に生ずる凸パターンを、含む。
このような磁気転写用マスター担体は、垂直磁気異方性を有する記録磁性層を備える磁気記録媒体をフォーマットする際に使用することができる。本磁気転写用マスター担体を使用して行う垂直磁気記録媒体のフォーマット方法は、例えば初期磁化工程と、重ね合わせ工程と、転写工程とを含む。初期磁化工程では、磁気記録媒体に対して第1方向に磁界を印加することによって記録磁性層を第1方向に初期磁化する。重ね合わせ工程では、上述の構成を有する磁気転写用マスター担体と磁気記録媒体とを、第1および第2磁性材パターンと記録磁性層とが対向するように重ね合わせる。転写工程では、磁気転写用マスター担体とともに磁気記録媒体に対して第1方向とは逆の第2方向に転写磁界を印加することにより、記録磁性層において第1磁性材パターンに対向する箇所を第2方向に磁化して当該記録磁性層にサーボ情報を記録し、且つ、記録磁性層において第2磁性材パターンに対向する箇所を第2方向に磁化して当該記録磁性層にダミー信号を形成する。
このようなフォーマット方法によると、垂直磁気記録媒体の記録磁性層におけるユーザデータゾーンにて、磁気転写用マスター担体の第2磁性材パターンに対応するダミー信号が形成されるので、ユーザデータゾーンの磁化方向が非一様である垂直磁気記録媒体を得ることができる。第2磁性材パターンを適宜に設定することにより、ユーザデータゾーンに対して所望のダミー信号を形成することができる。ダミー信号は、例えば、所定の細かさの非周期的なランダムパターンで形成してもよいし、所定の小周期の周期的なパターンで形成してもよい。このようなユーザデータゾーンに対して磁気ヘッドによりデータを記録すると、ユーザデータゾーンにおける情報トラックと情報トラックの間には、磁化方向が非一様である部位が生ずることとなる。トラック間部の磁化状態が非一様であるため、トラック間部に由来して媒体表面付近に形成される非信号磁界は、トラック間部の磁化方向が一様である例えば上述の磁気ディスク200の表面付近に形成される非信号磁界よりも、弱い。このように、本発明の第1の側面の磁気転写用マスター担体を使用して上述のようにフォーマットされた垂直磁気記録媒体においては、再生時にリードヘッド素子に対して作用する非信号磁界は弱いのである。再生時にリードヘッド素子に対して作用する非信号磁界が弱い垂直磁気記録媒体は、良好な再生特性を得るうえで好適である。
本発明の第1の側面において、好ましくは、磁気記録媒体は磁気ディスクであり、第2磁性材パターンは複数の線パターンを含む。この場合、複数の線パターンは、磁気ディスクの周方向に対応する方向に各々が延び、且つ、磁気ディスクの径方向に対応する方向に並列する。これに代えて、複数の線パターンは、磁気ディスクの径方向に対応する方向に各々が延び、且つ、磁気ディスクの周方向に対応する方向に並列してもよい。これらのような構成は、周期的なダミー信号を形成するうえで好適である。
本発明の第2の側面によると、垂直磁気異方性を有する記録磁性層を備える磁気記録媒体をフォーマットするための方法が提供される。この方法は、初期磁化工程と、重ね合わせ工程と、転写工程と、光照射工程とを含む。初期磁化工程では、記録磁性層に対して第1方向に磁界を印加することによって当該記録磁性層を第1方向に初期磁化する。重ね合わせ工程では、サーボゾーン対応部およびユーザデータゾーン対応部を含み、当該サーボゾーン対応部およびユーザデータゾーン対応部にわたって広がる第1面ならびに当該第1面とは反対の第2面を有する透光性基材と、サーボゾーン対応部およびユーザデータゾーン対応部にわたって透光性基材における第1面の側に設けられ且つサーボ情報を記録するための凸パターンをサーボゾーン対応部において有する磁性材層と、を備える磁気転写用マスター担体と、磁気記録媒体とを、磁性材層および記録磁性層が対向するように重ね合
わせる。転写工程では、磁気転写用マスター担体とともに磁気記録媒体に対して第1方向とは逆の第2方向に転写磁界を印加することにより、記録磁性層において凸パターンに対向する箇所を第2方向に磁化して当該記録磁性層にサーボ情報を記録する。本工程にて、サーボ情報が記録されたサーボゾーンと、ユーザデータゾーンとが、記録磁性層に生ずることとなる。光照射工程では、透光性基材を介して磁性材層に向けて光を照射することにより、記録磁性層においてユーザデータゾーン対応部に対向する箇所(ユーザデータゾーン)を、記録磁性層においてサーボゾーン対応部に対向する箇所(サーボゾーン)よりも高温に加熱する。本工程では、光照射により磁性材層が加熱され、当該磁性材層から記録磁性層に熱が伝達される。
このようなフォーマット方法によると、光照射工程において、光の照射強度を適宜調節することによって、記録磁性層におけるサーボゾーンの磁化方向を変化させずに(即ち、記録磁性層に既に記録されているサーボ情報を変化させずに)、記録磁性層におけるユーザデータゾーンに適度な熱揺らぎを生じさせて当該ユーザデータゾーンの磁化方向を非一様化することができる。このように磁化方向が非一様化されたユーザデータゾーンに対して磁気ヘッドによりデータを記録すると、ユーザデータゾーンにおける情報トラックと情報トラックの間には、磁化方向が非一様である部位が生ずることとなる。トラック間部の磁化状態が非一様であるため、トラック間部に由来して媒体表面付近に形成される非信号磁界は、トラック間部の磁化方向が一様である例えば上述の磁気ディスク200の表面付近に形成される非信号磁界よりも、弱い。このように、本発明の第2の側面によると、再生時にリードヘッド素子に対して作用する非信号磁界の弱い垂直磁気記録媒体を得ることができる。このような垂直磁気記録媒体は、良好な再生特性を得るうえで好適である。
本発明の第2の側面において、好ましくは、転写工程では、記録磁性層においてユーザデータゾーン対応部に対向する箇所の磁化方向を第2方向に反転させ、且つ、光照射工程では、転写磁界より低強度の磁界を第1方向に印加しつつ光を照射する。このような構成は、光照射工程における光照射強度を低減するうえで好適である。
好ましくは、透光性基材の第1面は、サーボ情報に対応する凸パターンをサーボゾーン対応部において有する。この場合、凸パターンの最短ピッチをPとし、透光性基材の屈折率をnとし、光照射工程における照射光の波長をλとすると、当該λは、λ≦P×nを満たすのが好ましい。すなわち、そのような波長λの光を出射し得る光源を採用するのが好ましい。ここで、凸パターンの最短ピッチPは、サーボ情報の最短ピッチに相当する。これらの構成によると、光照射工程において、透光性基材のサーボゾーン対応部では第1面にて照射光の回折現象が生じ、照射光の一部は、透光性基材の第1面から第2面の側へと反射する。そのため、光照射工程において、サーボゾーン対応部における磁性材層は、ユーザデータゾーン対応部における磁性材層よりも、昇温しにくい。したがって、これらの構成は、光照射工程にて、記録磁性層においてユーザデータゾーン対応部に対向する箇所を、記録磁性層においてサーボゾーン対応部に対向する箇所よりも高温に加熱するうえで、好適である。
好ましくは、磁気転写用マスター担体は、更に、サーボ情報に対応するパターン形状を有してサーボゾーン対応部における透光性基材および磁性材層の間に設けられた遮光層を備える。この場合、好ましくは、磁気転写用マスター担体は、更に、遮光層および磁性材層の間に設けらた断熱層を備える。これらの構成によると、光照射工程において、サーボゾーン対応部における磁性材層は、ユーザデータゾーン対応部における磁性材層よりも、昇温しにくい。したがって、これらの構成は、光照射工程にて、記録磁性層においてユーザデータゾーン対応部に対向する箇所を、記録磁性層においてサーボゾーン対応部に対向する箇所よりも高温に加熱するうえで、好適である。
好ましくは、磁気転写用マスター担体は、更に、ユーザデータゾーン対応部における透光性基材および磁性材層の間に設けられた低反射層を更に備える。当該低反射層は、照射光が基材の第2面の側に反射されるのを低減する機能を有する。このような構成によると、光照射工程において、透光性基材のユーザデータゾーン対応部では、低反射層にて照射光は反射されにくく、磁性材層に対して光エネルギが効率よく伝わり当該磁性材層は加熱されやすい。したがって、このような構成は、光照射工程にて、記録磁性層においてユーザデータゾーン対応部に対向する箇所を、記録磁性層においてサーボゾーン対応部に対向する箇所よりも高温に加熱するうえで好適である。
本発明の第3の側面によると、垂直磁気異方性を有する記録磁性層を備える磁気記録媒体に対して磁気転写法によりサーボ情報を書き込むための、サーボゾーン対応部とユーザデータゾーン対応部とを含む磁気転写用マスター担体が提供される。この磁気転写用マスター担体は、サーボゾーン対応部およびユーザデータゾーン対応部にわたって広がり且つサーボゾーン対応部においてサーボ情報に対応する凸パターンを有する第1面、並びに当該第1面とは反対の第2面、を有する透光性基材と、サーボゾーン対応部およびユーザデータゾーン対応部にわたって透光性基材における第1面の側に設けられ、且つ、サーボゾーン対応部においてサーボ情報に対応する凸パターンを有する、磁性材層と、を備える。このような構成の磁気転写用マスター担体は、本発明の第2の側面のフォーマット方法における磁気転写用マスター担体として使用することができる。
本発明の第3の側面において、好ましくは、第1面は、ユーザデータゾーン対応部におけるサーボゾーン対応部との境界において熱緩衝用の凸パターンを有する。このような構成は、例えば上述の第2の側面の磁気記録媒体フォーマット方法での光照射工程において、ユーザデータゾーンからサーボゾーンへの熱移動を抑制するうえで好適である。
好ましくは、ユーザデータゾーン対応部における透光性基材および磁性材層の間に介在する低反射層を更に備える。このような構成は、例えば上述の第2の側面の磁気記録媒体フォーマット方法の光照射工程において、ユーザデータゾーンをサーボゾーンよりも高温に加熱するうえで好適である。
本発明の第4の側面によると、垂直磁気異方性を有する記録磁性層を備える磁気記録媒体に対して磁気転写法によりサーボ情報を書き込むための、サーボゾーン対応部とユーザデータゾーン対応部とを含む磁気転写用マスター担体が提供される。この磁気転写用マスター担体は、サーボゾーン対応部およびユーザデータゾーン対応部にわたって広がる第1面、並びに当該第1面とは反対の第2面、を有する透光性基材と、サーボゾーン対応部およびユーザデータゾーン対応部にわたって透光性基材における第1面の側に設けられ、且つ、サーボゾーン対応部においてサーボ情報に対応する凸パターンを有する、磁性材層と、ユーザデータゾーン対応部における透光性基材および磁性材層の間に介在する低反射層と、を備える。このような構成の磁気転写用マスター担体は、本発明の第2の側面のフォーマット方法における磁気転写用マスター担体として使用することができる。
本発明の第5の側面によると、垂直磁気異方性を有する記録磁性層を備える磁気記録媒体に対して磁気転写法によりサーボ情報を書き込むための、サーボゾーン対応部とユーザデータゾーン対応部とを含む磁気転写用マスター担体が提供される。この磁気転写用マスター担体は、サーボゾーン対応部およびユーザデータゾーン対応部にわたって広がる第1面、並びに当該第1面とは反対の第2面、を有する透光性基材と、サーボゾーン対応部およびユーザデータゾーン対応部にわたって透光性基材における第1面の側に設けられ、且つ、サーボゾーン対応部においてサーボ情報に対応する凸パターンを有する、磁性材層と、サーボ情報に対応するパターン形状を有してサーボゾーン対応部における透光性基材および磁性材層の間に設けられた遮光層と、を備える。このような構成の磁気転写用マスタ
ー担体は、本発明の第2の側面のフォーマット方法における磁気転写用マスター担体として使用することができる。
本発明の第5の側面において、好ましくは、遮光層および磁性材層の間に設けられた断熱層を更に備える。このような構成は、例えば上述の第2の側面の磁気記録媒体フォーマット方法の光照射工程において、ユーザデータゾーンをサーボゾーンよりも高温に加熱するうえで好適である。
図1〜図3は、本発明の第1の実施形態に係る磁気転写用のマスター担体X1を表す。図1は、マスター担体X1の平面図であり、図2は、図1の部分拡大図である。また、図3は、マスター担体X1の部分断面図である。
マスター担体X1は、基材11、磁性材パターン12(図1,2では省略)、および磁性材パターン13(図1では省略)を有し、図1に示すように、複数のサーボゾーン対応部10Aおよび複数のユーザデータゾーン対応部10Bに区画されている。
基材11は、マスター担体X1に要求される剛性を確保するためのものであり、作製目的の磁気ディスクより大きなディスク形状を有する。このような基材11は、例えば、SiやNiよりなる。
各サーボゾーン対応部10Aは、作製目的の磁気ディスクのサーボゾーンを形成するための部位である。サーボゾーン対応部10Aでは、図3に示すように、基材11上に磁性材パターン12が設けられている。磁性材パターン12は、磁気ディスクに書き込むべき所定のサーボ情報に対応するパターン形状を有し、軟磁性材料または強磁性材料よりなる。強磁性材料よりなる場合、磁性材パターン12は、垂直磁気異方性を有し、マスター担体X1の厚み方向に磁化されている。軟磁性材料としては、例えば、パーマロイ、Ni、およびFeCoNiを採用することができる。強磁性材料としては、例えば、FeCoおよびCoCrを採用することができる。サーボ情報には、例えば、サーボクロック、アドレスマーク、および位置検出マークが含まれる。サーボ情報に対応するパターン形状とは、本発明では、サーボ情報を形成するためのポジパターンの形状、または、サーボ情報を形成するためのネガパターンの形状を意味する。このような磁性材パターン12の厚さは、例えば50〜200nmである。
各ユーザデータゾーン対応部10Bは、作製目的の磁気ディスクのサーボゾーン間に形成されるユーザデータゾーンに対応する部位である。ユーザデータゾーン対応部10Bでは、図3に示すように基材11上に磁性材パターン13が設けられている。磁性材パターン13は、磁気ディスクに書き込むべき所定のダミー信号に対応するパターン形状を有し、軟磁性材料または強磁性材料よりなる。強磁性材料よりなる場合、磁性材パターン13は、垂直磁気異方性を有し、マスター担体X1の厚み方向に磁化されている。軟磁性材料としては、例えば、パーマロイ、Ni、およびFeCoNiを採用することができる。強磁性材料としては、例えば、FeCoおよびCoCrを採用することができる。本実施形態では、磁性材パターン13は、図2に示すようなランダムパターンである。ダミー信号とは、作製目的の磁気ディスクにおけるユーザデータゾーンの磁化方向を非一様化するために当該ユーザデータゾーンに形成される磁化パターンである。ダミー信号に対応するパターン形状とは、本発明では、ダミー信号を形成するためのポジパターンの形状、または、ダミー信号を形成するためのネガパターンの形状を意味する。磁性材パターン13の細密性を調節することによって、磁気ディスクに形成されるダミー信号の細密性を調整することができる。このような磁性材パターン13の厚さは、例えば50〜200nmである。
図4は、磁性材パターン13の変形例である磁性材パターン13a,13bを表す。図4(a)に示す磁性材パターン13aは、磁気ディスクの周方向に対応する方向に各々が延び且つ磁気ディスクの径方向に対応する方向に並列する複数の線パターンからなる。図4(b)に示す磁性材パターン13bは、磁気ディスクの径方向に対応する方向に各々が延び且つ磁気ディスクの周方向に対応する方向に並列する複数の線パターンからなる。これらのような構成は、周期的なダミー信号を形成するうえで好適である。磁性材パターン13aの複数の線パターンの並列ピッチや、磁性材パターン13bの複数の線パターンの並列ピッチを、調節することによって、磁気ディスクに形成されるダミー信号の細密性を調整することができる。
図5は、マスター担体X1の製造方法の一例を表す。本方法においては、まず、図5(a)に示すように、スピンコーティング法により基材11上にレジスト膜15’を形成する。レジスト膜15’は、電子線レジスト膜またはフォトレジスト膜である。次に、図5(b)に示すように、レジスト膜15’に対して露光処理および現像処理を施すことにより、レジストパターン15を形成する。次に、例えばスパッタリング法により所定の磁性材料を成膜することによって、図5(c)に示すように、基材11上およびレジストパターン15上にわたって磁性材料膜16を形成する。次に、例えば所定の溶剤を作用させてレジストパターン15を溶解することによって、図5(d)に示すように、レジストパターン15およびその上に存在する磁性材料膜16を除去する。以上のようにして、基材11上に磁性材パターン12,13を形成してマスター担体X1を製造することができる。
図6は、マスター担体X1を使用して行う磁気記録媒体100のフォーマット方法を表す。磁気記録媒体100は、図7に示すように、基板101と、記録磁性層102と、軟磁性層103と、中間層104と、保護膜105とからなる積層構造を有し、垂直磁気記録方式の磁気ディスクとして構成されている。図の簡潔化の観点より、図6においては、磁気記録媒体100について、基板101および記録磁性層102以外を省略する。記録磁性層102は、この層を構成する磁性膜の膜面に対して垂直な方向に磁化容易軸を有して磁化された垂直磁化膜であり、磁化方向の変化として所定の信号が記録され得る部位である。このような記録磁性層102は、磁気記録媒体100の記録面を構成する。軟磁性層103は、高透磁率である軟磁性材料よりなる。中間層104は、非磁性材料よりなり、記録磁性層102および軟磁性層103を磁性的に分離するためのものである。保護膜105は、記録磁性層102を外界から物理的および化学的に保護しつつ、磁気ヘッドに対する媒体表面の潤滑性を確保するためのものである。このような磁気記録媒体100は、例えば、ハードディスク装置内に搭載される媒体として利用される。
本フォーマット方法においては、まず、初期磁化工程において、図6(a)に示すように、磁気記録媒体100に対して第1方向に初期磁化磁界H1を印加することによって記録磁性層102を第1方向に初期磁化する。初期磁化磁界H1は例えば3000〜7000Oeである。次に、重ね合わせ工程において、図6(b)に示すように、マスター担体X1と磁気記録媒体100とを、磁性材パターン12,13と記録磁性層102とが対向するように重ね合わせる。次に、転写工程において、図6(c)に示すように、マスター担体X1とともに磁気記録媒体100に対して第1方向とは逆の第2方向に転写磁界H2を印加することによって、記録磁性層102において磁性材パターン12に対向する箇所を第2方向に磁化して記録磁性層102にサーボ情報を記録し、且つ、記録磁性層102において磁性材パターン13に対向する箇所を第2方向に磁化して記録磁性層102にダミー信号を形成する。転写磁界H2は例えば3000〜7000Oeである。
図8および図9は、このようなフォーマット過程を経た磁気記録媒体100を表す。図8は、磁気記録媒体100の平面図であり、図9は、磁気記録媒体100の部分断面図で
あって、記録磁性層102におけるユーザデータゾーン102Bの磁化状態を表す。磁気記録媒体100の記録磁性層102ないし記録面には、図8に示すように、サーボ情報(図示略)が記録されているサーボゾーン102A、および、ダミー信号(図示略)が形成されているユーザデータゾーン102Bが形成されている。磁気記録媒体100では、図9に示すように、ユーザデータゾーン102Bの磁化方向は、非一様である。
図10は、磁気記録媒体100に対してユーザデータを記録した後の状態を表す。所定のライトヘッド素子を備える磁気ヘッド(図示略)により、記録磁性層102のユーザデータゾーン102Bに所定のデータを記録して情報トラック110を形成すると、ユーザデータゾーン102Bにおける情報トラック110と情報トラック110の間には、磁化方向が非一様であるトラック間部111が生ずることとなる。トラック間部111の磁化状態が非一様であるため、トラック間部111に由来して媒体表面付近に形成される非信号磁界は、トラック間部の磁化方向が一様である例えば上述の磁気ディスク200の表面付近に形成される非信号磁界よりも、弱い。このように、マスター担体X1を使用して行う上述のようなフォーマット方法を採用すると、再生時にリードヘッド素子に対して作用する非信号磁界の弱い垂直磁気記録媒体を得ることができるのである。このような垂直磁気記録媒体は、良好な再生特性を得るうえで好適である。
図11および図12は、本発明の第2の実施形態に係る磁気転写用のマスター担体X2を表す。図11は、マスター担体X2の平面図であり、図12は、マスター担体X2の部分断面図である。
マスター担体X2は、図11に示すように、複数のサーボゾーン対応部20Aおよび複数のユーザデータゾーン対応部20Bに区画されており、図12に示すように、基材21および磁性材層22よりなる積層構造を有する。各サーボゾーン対応部20Aは、作製目的の磁気ディスクのサーボゾーンを形成するための部位である。各ユーザデータゾーン対応部20Bは、作製目的の磁気ディスクのサーボゾーン間に形成されるユーザデータゾーンに対応する部位である。
基材21は、作製目的の磁気ディスクより大きなディスク形状を有する透明基板であり、第1面21Aおよび第2面21Bを有する。第1および第2面21A,21Bは、サーボゾーン対応部20Aおよびユーザデータゾーン対応部20Bにわたる。第1面21Aは、サーボゾーン対応部20Aにおいて、凸パターン21aを有する。凸パターン21aは、磁気ディスクに書き込むべき所定のサーボ情報に対応するパターン形状を有する。凸パターン21aの高さは例えば10〜110nmである。また、基材21は例えばSiO2
(屈折率:約1.5)よりなる。マスター担体X2を使用して行う後述のフォーマット方法の光照射工程における照射光の波長をλとし、基材21の屈折率をnとすると、凸パターン21aの高さは、当該光照射工程での反射光の強度向上の観点より、好ましくはλ(2k−1)/(8n)〔k:正の整数〕である。したがって、λ=266[nm](YAGの4倍波のレーザの波長)であり且つn=1.5である場合、凸パターン21aの高さは、好ましくは例えば66.5nm(k=2)である。
磁性材層22は、軟磁性材料または強磁性材料よりなる。強磁性材料よりなる場合、磁性材層22は、この層を構成する磁性膜の膜面に対して垂直な方向に磁化容易軸を有して磁化された垂直磁化膜である。軟磁性材料としては、例えば、パーマロイ、Ni、およびFeCoNiを採用することができる。強磁性材料としては、例えば、FeCoおよびCoCrを採用することができる。また、磁性材層22は、サーボゾーン対応部20Aにて凸パターン22aを有し、ユーザデータゾーン対応部20Bでは平坦である。凸パターン22aは、磁気ディスクに書き込むべき所定のサーボ情報に対応するパターン形状を有する。磁性材層22の厚さ、および、凸パターン22aの高さは、各々、例えば50〜20
0nmである。
図13は、マスター担体X2の製造方法の一例を表す。本方法においては、まず、図13(a)に示すように、スピンコーティング法により基材21の第1面21A上にレジスト膜25’を形成する。レジスト膜25’は、電子線レジスト膜またはフォトレジスト膜である。次に、図13(b)に示すように、レジスト膜25’に対して露光処理および現像処理を施すことにより、レジストパターン25を形成する。次に、図13(c)に示すように、レジストパターン25をマスクとして基材21に対してエッチング処理を施すことにより、基材21の第1面21Aに凸パターン21aを形成する。エッチング手法としては、例えば反応性イオンエッチング(RIE)を採用することができる。次に、レジストパターン25を除去した後、図13(d)に示すように磁性材層22を形成する。具体的には、例えば所定の溶剤を作用させることによってレジストパターン25を除去した後、例えばスパッタリング法により基材21上に所定の磁性材料を成膜することによって、磁性材層22を形成する。磁性材層22には、基材21の凸パターン21aの凹凸形状に対応して凸パターン22aが形成される。以上のようにして、マスター担体X2を製造することができる。
図14は、マスター担体X2を使用して行う磁気記録媒体100(図7に示す)のフォーマット方法を表す。本フォーマット方法においては、まず、初期磁化工程において、図14(a)に示すように、磁気記録媒体100に対して第1方向に初期磁化磁界H1を印加することによって記録磁性層102を第1方向に初期磁化する。図の簡潔化の観点より、図14においては、磁気記録媒体100について、基板101および記録磁性層102以外を省略する。次に、重ね合わせ工程において、図14(b)に示すように、マスター担体X2と磁気記録媒体100とを、磁性材層22の凸パターン22aと記録磁性層102とが対向するように重ね合わせる。次に、転写工程において、図14(c)に示すように、マスター担体X2とともに磁気記録媒体100に対して第1方向とは逆の第2方向に転写磁界H2を印加することによって、記録磁性層102において凸パターン22aに対向する箇所を第2方向に磁化して記録磁性層102にサーボ情報を記録し、且つ、記録磁性層102においてユーザデータゾーン対応部20Bに対向する箇所を第2方向に磁化する。本工程を経ることによって、磁気記録媒体100にサーボゾーン102Aおよびユーザデータゾーン102Bが生ずることとなる。次に、マスター担体X2の透明な基材21の側から磁性材層22に向けて光(レーザ)を照射することによって、図14(d)に示すように、磁気記録媒体100のユーザデータゾーン102Bの磁化方向を非一様化する。
マスター担体X2の基材21側から磁性材層22に向けて光照射を行うと、サーボゾーン対応部20Aでは、凸パターン21aの凹凸形状に起因して第1面21Aにて照射光の回折現象が生じ、照射光の一部は、基材21の第2面21Bの側へ反射する。ユーザデータゾーン対応部20Bでは、そのような回折現象は生じない。そのため、磁性材層22は、サーボゾーン対応部20Aよりもユーザデータゾーン対応部20Bにて、多くの光エネルギを吸収して高温となる。磁性材層22に蓄積された熱エネルギは、磁気記録媒体100の記録磁性層102に伝達され、記録磁性層102におけるユーザデータゾーン102Bは、サーボゾーン102Aよりも、昇温する。その結果、ユーザデータゾーン102Bの各所にて磁化反転が生じ、ユーザデータゾーン102Bの磁化方向が非一様化することとなる。本工程では、既に記録されているサーボ情報が破壊されないようにサーボゾーン102Aでの昇温を抑えつつ、ユーザデータゾーン102Bの第2方向の一様磁化を熱揺らぎにより撹乱させて当該ユーザデータゾーン102Bにて非一様磁化が生ずるように、照射光の強度および波長を調整する。また、本工程では、光照射ととともに、転写磁界H2より弱い磁界を第1方向に印加してもよい。このような補助的な外部磁界の印加は、より低強度の光照射によってユーザデータゾーン102Bにて磁化反転を生じさせるうえで
、好適である。
基材21における凸パターン21aの凹凸周期(例えば最短ピッチ)をPとし、照射レーザの波長をλとし、基材21の屈折率をnとし、回折光の法線(基材21の厚み方向に平行な仮想線)とのなす角をθとすると、上述の光照射工程において、サーボゾーン対応部20Aでは、(P×n)sinθ=m×λ〔m:正の整数〕の条件式に従って回折現象
が生ずる。(P×n)sinθはいわゆる光路差に相当し、波長λのm倍が当該光路差に等しい箇所に回折光が出現するのである。また、sinθは1以下であり且つmは1以上であるため、上記条件式から、λ≦P×nの場合に回折現象が生じ得ることが理解できよう。したがって、上述の光照射工程では、少なくともλ≦P×nを満たす波長λの光(レーザ)を採用する必要がある。照射レーザとしては、凹凸周期Pに応じて、例えば、YAGの4倍波のレーザ(波長266nm)、ArのSHGレーザ(波長247nm)、およびArF(波長193nm)を採用することができる。加えて、基材21における凸パターン21aの高さの相異によって、回折現象における少なくとも第2面21B側への反射光の強度は変化し、且つ、当該高さがλ(2k−1)/(8n)〔k:正の整数〕に等しい場合に高い反射光強度が得られることが知られているところ、本実施形態においては、凸パターン21aの高さはλ(2k−1)/(8n)〔k:正の整数〕であるのが好ましい。
このようなフォーマット過程を経た磁気記録媒体100の記録磁性層102ないし記録面には、例えば図9に示すように、サーボ情報が記録されているサーボゾーン102A、および、磁化方向が非一様であるユーザデータゾーン102Bが形成される。したがって、所定のライトヘッド素子を備える磁気ヘッド(図示略)により、記録磁性層102のユーザデータゾーン102Bに所定のデータを記録して情報トラック110を形成すると、ユーザデータゾーン102Bにおける情報トラック110と情報トラック110の間には、例えば図10に示すように、磁化方向が非一様であるトラック間部111が生ずることとなる。トラック間部111の磁化状態が非一様であるため、トラック間部111に由来して媒体表面付近に形成される非信号磁界は、トラック間部の磁化方向が一様である例えば上述の磁気ディスク200の表面付近に形成される非信号磁界よりも、弱い。このように、マスター担体X2を使用して行う上述のようなフォーマット方法を採用すると、再生時にリードヘッド素子に対して作用する非信号磁界の弱い垂直磁気記録媒体を得ることができるのである。このような垂直磁気記録媒体は、良好な再生特性を得るうえで好適である。
マスター担体X2においては、図15に示すように、ユーザデータゾーン対応部20Bにおけるサーボゾーン対応部20Aとの境界に、熱緩衝領域20B’を設けてもよい。熱緩衝領域20B’では、基材21の第1面21Aに熱緩衝パターン21bが設けられている。熱緩衝パターン21bは、基材21の側から磁性材層22に向けて光(レーザ)照射が行われる場合に、照射光の回折現象を生じさせるための凹凸形状を有する。マスター担体X2が熱緩衝領域20B’を有する場合、上述のフォーマット方法の光照射工程において、記録磁性層102のユーザデータゾーン102Bにおけるサーボゾーン102Aとの境界の昇温が抑制され、その結果、ユーザデータゾーン102Bからサーボゾーン102Aへの熱伝達が抑制される。したがって、熱緩衝領域20B’を有するマスター担体X2は、上述の光照射工程にてユーザデータゾーン102Bをより高温に加熱するうえで好適である。
図16および図17は、本発明の第3の実施形態に係る磁気転写用のマスター担体X3を表す。図16は、マスター担体X3の平面図であり、図17は、マスター担体X3の部分断面図である。
マスター担体X3は、図16に示すように、複数のサーボゾーン対応部30Aおよび複数のユーザデータゾーン対応部30Bに区画されており、図17に示すように、基材31、低反射層32、および磁性材層33よりなる積層構造を有する。各サーボゾーン対応部30Aは、作製目的の磁気ディスクのサーボゾーンを形成するための部位である。各ユーザデータゾーン対応部30Bは、作製目的の磁気ディスクのサーボゾーン間に形成されるユーザデータゾーンに対応する部位である。
基材31は、作製目的の磁気ディスクより大きなディスク形状を有する透明基板であり、第1面31Aおよび第2面31Bを有する。第1および第2面31A,31Bは、サーボゾーン対応部30Aおよびユーザデータゾーン対応部30Bにわたる。第1面31Aは、サーボゾーン対応部30Aにおいて、凸パターン31aを有する。凸パターン31aは、磁気ディスクに書き込むべき所定のサーボ情報に対応するパターン形状を有する。凸パターン31aの高さは例えば50〜200nmである。このような基材31は例えばSiO2よりなる。
低反射層32は、基材31の側から光(レーザ)が照射された場合に、当該光が基材31の第2面31Bの側へ反射されるのを低減することによって、光エネルギを磁性材層33に効率よく伝えるための部位である。このような低反射層32は例えばSiN(屈折率:約2)よりなる。マスター担体X3を使用して行う後述のフォーマット方法の光照射工程における照射光の波長をλとし、低反射層32の構成材料の屈折率をnとすると、低反射層32の厚さは、λ(2s−1)/(4n)〔s:正の整数〕に等しいか又は近似する値に設定する。低反射層32の厚さは例えば20〜45nmである。また、低反射層32は、サーボゾーン対応部30Aにて凸パターン32aを有し、ユーザデータゾーン対応部30Bでは平坦である。凸パターン32aは、磁気ディスクに書き込むべき所定のサーボ情報に対応するパターン形状を有する。
磁性材層33は、軟磁性材料または強磁性材料よりなる。強磁性材料よりなる場合、磁性材層33は、この層を構成する磁性膜の膜面に対して垂直な方向に磁化容易軸を有して磁化された垂直磁化膜である。軟磁性材料としては、例えば、パーマロイ、Ni、およびFeCoNiを採用することができる。強磁性材料としては、例えば、FeCoおよびCoCrを採用することができる。また、磁性材層33は、サーボゾーン対応部30Aにて凸パターン33aを有し、ユーザデータゾーン対応部30Bでは平坦である。凸パターン33aは、磁気ディスクに書き込むべき所定のサーボ情報に対応するパターン形状を有する。磁性材層33の厚さ、および、凸パターン33aの高さは、各々、例えば50〜150nmである。
図18は、マスター担体X3の製造方法の一例を表す。本方法においては、まず、図18(a)に示すように、基材31の第1面31A上にレジストパターン35を形成する。具体的には、スピンコーティング法により基材31上にレジスト膜(電子線レジストまたはフォトレジスト)を形成した後、当該レジスト膜に対して露光処理および現像処理を施すことにより、レジストパターン35を形成する。次に、図18(b)に示すように、レジストパターン35をマスクとして基材31に対してエッチング処理を施すことにより、基材31の第1面31Aに凸パターン31aを形成する。次に、レジストパターン35を除去した後、図18(c)に示すように低反射層32を形成する。具体的には、例えば所定の溶剤を作用させることによってレジストパターン35を除去した後、例えばスパッタリング法により基材31上に所定材料を成膜することによって、低反射層32を形成する。低反射層32には、基材31の凸パターン31aの凹凸形状に対応して凸パターン32aが形成される。次に、図18(d)に示すように磁性材層33を形成する。具体的には、例えばスパッタリング法により低反射層32上に所定の磁性材料を成膜することによって、磁性材層33を形成する。磁性材層33には、低反射層32の凸パターン32aの凹
凸形状に対応して凸パターン33aが形成される。以上のようにして、マスター担体X3を製造することができる。
図19は、マスター担体X3を使用して行う磁気記録媒体100(図7に示す)のフォーマット方法を表す。本フォーマット方法においては、まず、初期磁化工程において、図19(a)に示すように、磁気記録媒体100に対して第1方向に初期磁化磁界H1を印加することによって記録磁性層102を第1方向に初期磁化する。図の簡潔化の観点より、図19においては、磁気記録媒体100について、基板101および記録磁性層102以外を省略する。次に、重ね合わせ工程において、図19(b)に示すように、マスター担体X3と磁気記録媒体100とを、磁性材層33の凸パターン33aと記録磁性層102とが対向するように重ね合わせる。次に、転写工程において、図19(c)に示すように、マスター担体X3とともに磁気記録媒体100に対して第1方向とは逆の第2方向に転写磁界H2を印加することによって、記録磁性層102において凸パターン33aに対向する箇所を第2方向に磁化して記録磁性層102にサーボ情報を記録し、且つ、記録磁性層102においてユーザデータゾーン対応部30Bに対向する箇所を第2方向に磁化する。本工程を経ることによって、磁気記録媒体100にサーボゾーン102Aおよびユーザデータゾーン102Bが生ずることとなる。次に、マスター担体X3の透明な基材31の側から磁性材層33に向けて光(レーザ)を照射することによって、図19(d)に示すように、磁気記録媒体100のユーザデータゾーン102Bの磁化方向を非一様化する。
マスター担体X3の基材31側から磁性材層33に向けて光照射を行うと、サーボゾーン対応部30Aでは、凸パターン31aの凹凸形状に起因して第1面30Aにて回折現象が生ずる。凸パターン31aにて回折現象を生じさせるための条件については、第2の実施形態における凸パターン21aにて回折現象を生じさせるための条件に関して上述したのと同様である。
加えて、本実施形態では、低反射層32が、ユーザデータゾーン対応部30Bの全体を覆い且つサーボゾーン対応部30Aでは凸パターン32aを有するので、低反射層32の存在に起因する反射光量低減による磁性材層33への光エネルギ伝達効率向上の程度は、サーボゾーン対応部30Aよりもユーザデータゾーン対応部30Bの方が高い。照射光の波長をλとし、低反射層32の屈折率をnとし、低反射層32の厚さをdとすると、上述の光照射工程では、2nd=λ(2s−1)/2〔s:正の整数〕が成立する場合に、基材31の側から照射された光は、低反射層32にて反射しない。仮に、低反射層32における基材31と接する面(面1)にて反射した光(仮想光1)と、低反射層32における磁性材層33と接する面(面2)にて反射して面1を通過した光(仮想光2)とを想定すると、2ndは、これら仮想光1および仮想光2のいわゆる光路差に相当する。半波長λ/2の(2s−1)倍〔奇数倍〕が当該光路差に等しい場合には、仮想光1および仮想光2の干渉により実際の反射光の強度は0となる。反射光の強度が0であることは、着目する照射光の全てが、低反射層32にて反射することなく磁性材層33に至ることを、意味する。実際の反射光の強度が0に近いほど、低反射層32での反射光量は小さい。したがって、本実施形態においては、低反射層32の厚さdは、λ(2s−1)/(4n)〔s:正の整数〕に等しいか又は近似する値に設定されるのである。
凸パターン31aの存在に起因してサーボゾーン対応部30Aで生ずる回折現象、および、低反射層32の存在に起因するユーザデータゾーン対応部30Bでの反射光量低減が、重畳的に作用することによって、磁性材層33は、サーボゾーン対応部30Aよりもユーザデータゾーン対応部30Bにて、多くの光エネルギを吸収して高温となる。磁性材層33に蓄積された熱エネルギは、磁気記録媒体100の記録磁性層102に伝達され、記録磁性層102におけるユーザデータゾーン102Bは、サーボゾーン102Aよりも、
昇温する。その結果、ユーザデータゾーン102Bにて非一様磁化が生ずることとなる。本工程では、既に記録されているサーボ情報が破壊されないようにサーボゾーン102Aでの昇温を抑えつつ、ユーザデータゾーン102Bの第2方向の一様磁化を熱揺らぎにより撹乱させて、当該ユーザデータゾーン102Bにて非一様磁化が生ずるように、照射光の強度および波長を調整する。また、本工程では、光照射ととともに、転写磁界H2より弱い磁界を第1方向に印加してもよい。
このようなフォーマット過程を経た磁気記録媒体100の記録磁性層102ないし記録面には、例えば図9に示すように、サーボ情報が記録されているサーボゾーン102A、および、磁化方向が非一様であるユーザデータゾーン102Bが形成される。したがって、所定のライトヘッド素子を備える磁気ヘッド(図示略)により、記録磁性層102のユーザデータゾーン102Bに所定のデータを記録して情報トラック110を形成すると、ユーザデータゾーン102Bにおける情報トラック110と情報トラック110の間には、例えば図10に示すように、磁化方向が非一様であるトラック間部111が生ずることとなる。トラック間部111の磁化状態が非一様であるため、トラック間部111に由来して媒体表面付近に形成される非信号磁界は、トラック間部の磁化方向が一様である例えば上述の磁気ディスク200の表面付近に形成される非信号磁界よりも、弱い。このように、マスター担体X3を使用して行う上述のようなフォーマット方法を採用すると、再生時にリードヘッド素子に対して作用する非信号磁界の弱い垂直磁気記録媒体を得ることができるのである。このような垂直磁気記録媒体は、良好な再生特性を得るうえで好適である。
図20および図21は、本発明の第4の実施形態に係る磁気転写用のマスター担体X4を表す。図20は、マスター担体X4の平面図であり、図21は、マスター担体X4の部分断面図である。
マスター担体X4は、図20に示すように、複数のサーボゾーン対応部40Aおよび複数のユーザデータゾーン対応部40Bに区画されており、図21に示すように、基材41、低反射層42、および磁性材層43よりなる積層構造を有する。各サーボゾーン対応部40Aは、作製目的の磁気ディスクのサーボゾーンを形成するための部位である。各ユーザデータゾーン対応部40Bは、作製目的の磁気ディスクのサーボゾーン間に形成されるユーザデータゾーンに対応する部位である。
基材41は、作製目的の磁気ディスクより大きなディスク形状を有する透明基板であり、第1面41Aおよび第2面41Bを有する。第1および第2面41A,41Bは、サーボゾーン対応部40Aおよびユーザデータゾーン対応部40Bにわたる。このような基材41は例えばSiO2よりなる。
低反射層42は、サーボゾーン対応部40Aにてパターン42aを有し、ユーザデータゾーン対応部40Bでは平坦である。パターン42aは、磁気ディスクに書き込むべき所定のサーボ情報に対応するパターン形状を有する。低反射層42は、基材41の側から光(レーザ)が照射された場合に、当該光が基材41の第2面41Bの側へ反射されるのを低減することによって、光エネルギを磁性材層43に効率よく伝える機能を有する。このような低反射層42は例えばSiNよりなる。マスター担体X4を使用して行う後述のフォーマット方法の光照射工程における照射光の波長をλとし、低反射層42の構成材料の屈折率をnとすると、低反射層42の厚さは、λ(2s−1)/(4n)〔s:正の整数〕に一致または近似する値に設定する。低反射層42の厚さは例えば8〜25nmである。また、マスター担体X4を使用して行う後述のフォーマット方法の光照射工程における照射光の波長をλとし、基材41の屈折率をnとすると、パターン42aの高さは、当該光照射工程での反射光の強度向上の観点より、好ましくはλ(2k−1)/(8n)(k
:正の整数)である。
磁性材層43は、軟磁性材料または強磁性材料よりなる。強磁性材料よりなる場合、磁性材層43は、この層を構成する磁性膜の膜面に対して垂直な方向に磁化容易軸を有して磁化された垂直磁化膜である。また、磁性材層43は、サーボゾーン対応部40Aにて凸パターン43aを有し、ユーザデータゾーン対応部40Bでは平坦である。凸パターン43aは、磁気ディスクに書き込むべき所定のサーボ情報に対応するパターン形状を有する。磁性材層43の厚さ、および、凸パターン43aの高さは、各々、例えば50〜200nmである。
図22は、マスター担体X4の製造方法の一例を表す。本方法においては、まず、図22(a)に示すように、基材41上に低反射層用の材料膜42’を形成する。具体的には、例えばスパッタリング法により、上述の低反射層42を構成するための材料を基材41上に成膜する。次に、図22(b)に示すように、材料膜42’上にレジストパターン45を形成する。具体的には、スピンコーティング法により材料膜42’上にレジスト膜(電子線レジストまたはフォトレジスト)を形成した後、当該レジスト膜に対して露光処理および現像処理を施すことにより、レジストパターン45を形成する。次に、図22(c)に示すように、レジストパターン45をマスクとして材料膜42’に対してエッチング処理を施すことにより、パターン42aを有する低反射層42を形成する。次に、レジストパターン45を除去した後、図22(d)に示すように磁性材層43を形成する。具体的には、例えば所定の溶剤を作用させることによってレジストパターン45を除去した後、例えばスパッタリング法により低反射層42上および基材41上にわたって所定の磁性材料を成膜することによって、磁性材層43を形成する。磁性材層43には、低反射層42のパターン42aの凹凸形状に対応して凸パターン43aが形成される。以上のようにして、マスター担体X4を製造することができる。
図23は、マスター担体X4を使用して行う磁気記録媒体100(図7に示す)のフォーマット方法を表す。本フォーマット方法においては、まず、初期磁化工程において、図23(a)に示すように、磁気記録媒体100に対して第1方向に初期磁化磁界H1を印加することによって記録磁性層102を第1方向に初期磁化する。図の簡潔化の観点より、図23においては、磁気記録媒体100について、基板101および記録磁性層102以外を省略する。次に、重ね合わせ工程において、図23(b)に示すように、マスター担体X4と磁気記録媒体100とを、磁性材層43の凸パターン43aと記録磁性層102とが対向するように重ね合わせる。次に、転写工程において、図23(c)に示すように、マスター担体X4とともに磁気記録媒体100に対して第1方向とは逆の第2方向に転写磁界H2を印加することによって、記録磁性層102において凸パターン43aに対向する箇所を第2方向に磁化して記録磁性層102にサーボ情報を記録し、且つ、記録磁性層102においてユーザデータゾーン対応部40Bに対向する箇所を第2方向に磁化する。本工程を経ることによって、磁気記録媒体100にサーボゾーン102Aおよびユーザデータゾーン102Bが生ずることとなる。次に、マスター担体X4の透明な基材41の側から磁性材層43に向けて光(レーザ)を照射することによって、図23(d)に示すように、磁気記録媒体100のユーザデータゾーン102Bの磁化方向を非一様化する。
本実施形態では、低反射層42が、ユーザデータゾーン対応部40Bの全体を覆い且つサーボゾーン対応部40Aではパターン42aを有するので、低反射層42の存在に起因する反射光量低減による磁性材層43への光エネルギ伝達効率向上の程度は、サーボゾーン対応部40Aよりもユーザデータゾーン対応部40Bの方が高い。
また、本実施形態では、サーボゾーン対応部40Aにおいて、パターン42aの凹凸形状に起因して回折現象を生じさせることができる。パターン42aにて回折現象を生じさせるための条件については、第2の実施形態における凸パターン21aにて回折現象を生じさせるための条件に関して上述したのと同様である。具体的には、パターン42aの凹凸周期(例えば最短ピッチ)をPとし、照射レーザの波長をλとし、パターン42a(低反射層42)の屈折率をnとし、回折光の法線(パターン42aの厚さ方向に平行な仮想線)とのなす角をθとすると、上述の光照射工程において、サーボゾーン対応部40Aでは、(P×n)sinθ=m×λ〔m:正の整数〕の条件式に従って回折現象を生じさせ
ることができる。sinθは1以下であり且つmは1以上であるため、上述の光照射工程では、少なくともλ≦P×nを満たす波長λの光(レーザ)を採用する必要がある。パターン42aの高さの相異によって、回折現象における少なくとも第2面41B側への反射光の強度は変化し、且つ、当該高さがλ(2k−1)/(8n)〔k:正の整数〕に等しい場合に高い反射光強度が得られることが知られているところ、本実施形態においては、パターン42aの高さはλ(2k−1)/(8n)〔k:正の整数〕であるのが好ましい。
ユーザデータゾーン対応部40Bにおける第1面41Aの全体を覆う低反射層42の存在に起因するユーザデータゾーン対応部40Bでの反射光量低減、および、パターン42aの存在に起因してサーボゾーン対応部40Aで生ずる回折現象が、重畳的に作用することによって、磁性材層43は、サーボゾーン対応部40Aよりもユーザデータゾーン対応部40Bにて、多くの光エネルギを吸収して高温となる。磁性材層43に蓄積された熱エネルギは、磁気記録媒体100の記録磁性層102に伝達され、記録磁性層102におけるユーザデータゾーン102Bは、サーボゾーン102Aよりも、昇温する。その結果、ユーザデータゾーン102Bにて非一様磁化が生ずることとなる。本工程では、既に記録されているサーボ情報が破壊されないようにサーボゾーン102Aでの昇温を抑えつつ、ユーザデータゾーン102Bの第2方向の一様磁化を熱揺らぎにより撹乱させて、当該ユーザデータゾーン102Bにて非一様磁化が生ずるように、照射光の強度および波長を調整する。また、本工程では、光照射ととともに、転写磁界H2より弱い磁界を第1方向に印加してもよい。
このようなフォーマット過程を経た磁気記録媒体100の記録磁性層102ないし記録面には、例えば図9に示すように、サーボ情報が記録されているサーボゾーン102A、および、磁化方向が非一様であるユーザデータゾーン102Bが形成される。したがって、所定のライトヘッド素子を備える磁気ヘッド(図示略)により、記録磁性層102のユーザデータゾーン102Bに所定のデータを記録して情報トラック110を形成すると、ユーザデータゾーン102Bにおける情報トラック110と情報トラック110の間には、例えば図10に示すように、磁化方向が非一様であるトラック間部111が生ずることとなる。トラック間部111の磁化状態が非一様であるため、トラック間部111に由来して媒体表面付近に形成される非信号磁界は、トラック間部の磁化方向が一様である例えば上述の磁気ディスク200の表面付近に形成される非信号磁界よりも、弱い。このように、マスター担体X4を使用して行う上述のようなフォーマット方法を採用すると、再生時にリードヘッド素子に対して作用する非信号磁界の弱い垂直磁気記録媒体を得ることができるのである。このような垂直磁気記録媒体は、良好な再生特性を得るうえで好適である。
図24および図25は、本発明の第5の実施形態に係る磁気転写用のマスター担体X5を表す。図24は、マスター担体X5の平面図であり、図25は、マスター担体X5の部分断面図である。
マスター担体X5は、図24に示すように、複数のサーボゾーン対応部50Aおよび複数のユーザデータゾーン対応部50Bに区画されており、図24に示すように、基材51
、遮光層52、および磁性材層53よりなる積層構造を有する。各サーボゾーン対応部50Aは、作製目的の磁気ディスクのサーボゾーンを形成するための部位である。各ユーザデータゾーン対応部50Bは、作製目的の磁気ディスクのサーボゾーン間に形成されるユーザデータゾーンに対応する部位である。
基材51は、作製目的の磁気ディスクより大きなディスク形状を有する透明基板であり、サーボゾーン対応部50Aおよびユーザデータゾーン対応部50Bにわたる。このような基材51は例えばSiO2よりなる。
遮光層52は、サーボゾーン対応部50Aにおいて基材51の側から光(レーザ)が照射された光の一部を遮光して、サーボゾーン対応部50Aにおける磁性材層53の昇温を低減するための部位であり、例えばAl,Agよりなる。また、遮光層52は、磁気ディスクに書き込むべき所定のサーボ情報に対応するパターン形状を有する。遮光層52の厚さは、充分な遮光機能を得るうえでは例えば10〜20nmで足り、マスター担体X5を使用して行う後述のフォーマット方法における転写工程にてサーボゾーン対応部50Aおよびユーザデータゾーン対応部50Bとの間で良好な磁気的コントラストを得る観点より、好ましくは50〜200nmである。
磁性材層53は、軟磁性材料または強磁性材料よりなる。強磁性材料よりなる場合、磁性材層53は、この層を構成する磁性膜の膜面に対して垂直な方向に磁化容易軸を有して磁化された垂直磁化膜である。また、磁性材層53は、サーボゾーン対応部50Aにて凸パターン53aを有し、ユーザデータゾーン対応部50Bでは平坦である。凸パターン53aは、磁気ディスクに書き込むべき所定のサーボ情報に対応するパターン形状を有する。磁性材層53の厚さ、および、凸パターン53aの高さは、各々、例えば50〜200nmである。
図26は、マスター担体X5の製造方法の一例を表す。本方法においては、まず、図26(a)に示すように、基材51上に遮光層用の材料膜52’を形成する。具体的には、例えばスパッタリング法により、上述の遮光層52を構成するための材料を基材51上に成膜する。次に、図26(b)に示すように、材料膜52’上にレジストパターン55を形成する。具体的には、スピンコーティング法により材料膜52’上にレジスト膜(電子線レジスト膜またはフォトレジスト膜)を形成した後、当該レジスト膜に対して露光処理および現像処理を施すことにより、レジストパターン55を形成する。次に、図26(c)に示すように、レジストパターン55をマスクとして材料膜52’に対してエッチング処理を施すことにより、所定のパターン形状を有する遮光層52を形成する。次に、レジストパターン55を除去した後、図26(d)に示すように磁性材層53を形成する。具体的には、例えば所定の溶剤を作用させることによってレジストパターン55を除去した後、例えばスパッタリング法により低反射層52上および基材51上にわたって所定の磁性材料を成膜することによって、磁性材層53を形成する。磁性材層53には、遮光層52のパターン形状に対応して凸パターン53aが形成される。以上のようにして、マスター担体X5を製造することができる。
図27は、マスター担体X5を使用して行う磁気記録媒体100(図7に示す)のフォーマット方法を表す。本フォーマット方法においては、まず、初期磁化工程において、図27(a)に示すように、磁気記録媒体100に対して第1方向に初期磁化磁界H1を印加することによって記録磁性層102を第1方向に初期磁化する。図の簡潔化の観点より、図27においては、磁気記録媒体100について、基板101および記録磁性層102以外を省略する。次に、重ね合わせ工程において、図27(b)に示すように、マスター担体X5と磁気記録媒体100とを、磁性材層53の凸パターン53aと記録磁性層102とが対向するように重ね合わせる。次に、転写工程において、図27(c)に示すよう
に、マスター担体X5とともに磁気記録媒体100に対して第1方向とは逆の第2方向に転写磁界H2を印加することによって、記録磁性層102において凸パターン53aに対向する箇所を第2方向に磁化して記録磁性層102にサーボ情報を記録し、且つ、記録磁性層102においてユーザデータゾーン対応部50Bに対向する箇所を第2方向に磁化する。本工程を経ることによって、磁気記録媒体100にサーボゾーン102Aおよびユーザデータゾーン102Bが生ずることとなる。次に、マスター担体X5の透明な基材51の側から磁性材層53に向けて光(レーザ)を照射することによって、図27(d)に示すように、磁気記録媒体100のユーザデータゾーン102Bの磁化方向を非一様化する。
マスター担体X5の基材51側から磁性材層53に向けて光照射を行うと、サーボゾーン対応部50Aでは遮光層52が存在するため、サーボゾーン対応部50Aよりもユーザデータゾーン対応部50Bの方が、磁性材層53に対する光照射密度は高い。そのため、磁性材層53は、サーボゾーン対応部50Aよりもユーザデータゾーン対応部50Bにて、多くの光エネルギを吸収して高温となる。磁性材層53に蓄積された熱エネルギは、磁気記録媒体100の記録磁性層102に伝達され、記録磁性層102におけるユーザデータゾーン102Bは、サーボゾーン102Aよりも、昇温する。その結果、ユーザデータゾーン102Bにて非一様磁化が生ずることとなる。本工程では、既に記録されているサーボ情報が破壊されないようにサーボゾーン102Aでの昇温を抑えつつ、ユーザデータゾーン102Bの第2方向の一様磁化を熱揺らぎにより撹乱させて、当該ユーザデータゾーン102Bにて非一様磁化が生ずるように、照射光の強度および波長を調整する。また、本工程では、光照射ととともに、転写磁界H2より弱い磁界を第1方向に印加してもよい。
このようなフォーマット過程を経た磁気記録媒体100の記録磁性層102ないし記録面には、例えば図9に示すように、サーボ情報が記録されているサーボゾーン102A、および、磁化方向が非一様であるユーザデータゾーン102Bが形成される。したがって、所定のライトヘッド素子を備える磁気ヘッド(図示略)により、記録磁性層102のユーザデータゾーン102Bに所定のデータを記録して情報トラック110を形成すると、ユーザデータゾーン102Bにおける情報トラック110と情報トラック110の間には、例えば図10に示すように、磁化方向が非一様であるトラック間部111が生ずることとなる。トラック間部111の磁化状態が非一様であるため、トラック間部111に由来して媒体表面付近に形成される非信号磁界は、トラック間部の磁化方向が一様である例えば上述の磁気ディスク200の表面付近に形成される非信号磁界よりも、弱い。このように、マスター担体X5を使用して行う上述のようなフォーマット方法を採用すると、再生時にリードヘッド素子に対して作用する非信号磁界の弱い垂直磁気記録媒体を得ることができるのである。このような垂直磁気記録媒体は、良好な再生特性を得るうえで好適である。
マスター担体X5においては、図28に示すように、遮光層52および磁性材層53の間に断熱層54を設けてもよい。断熱層54は、遮光層52よりも熱伝導性の低い材料からなる。断熱層54の構成材料としては、例えばSiO2を採用することができる。遮光
層52の厚さが10〜20nmである場合、マスター担体X5を使用して行う上述のフォーマット方法における転写工程にてサーボゾーン対応部50Aおよびユーザデータゾーン対応部50Bとの間で良好な磁気的コントラストを得る観点より、断熱層54の厚さは例えば40〜190nmである。
マスター担体X5が断熱層54を具備する場合、マスター担体X5を使用して行う上述のフォーマット方法の光照射工程において、サーボゾーン対応部50Aに遮光層52が存在するためにサーボゾーン対応部50Aよりもユーザデータゾーン対応部50Bの方が磁性材層53に対する光照射密度は高く、加えて、サーボゾーン102Aにおいて遮光層52から磁性材層53の凸パターン53aへの熱伝導を阻むことができる。そのため、磁性材層53は、サーボゾーン対応部50Aよりもユーザデータゾーン対応部50Bにて、昇温しやすい。したがって、断熱層54を有するマスター担体X5は、マスター担体X5を使用して行う上述の光照射工程においてユーザデータゾーン102Bをより高温に加熱するうえで好適である。
以上のまとめとして、本発明の構成およびそのバリエーションを以下に付記として列挙する。
(付記1)垂直磁気異方性を有する記録磁性層を備える磁気記録媒体に対して磁気転写法により書き込みを行うための磁気転写用マスター担体であって、
前記記録磁性層にサーボ情報を記録するための第1磁性材パターンを有するサーボゾーン対応部と、
前記記録磁性層にダミー信号を形成するための第2磁性材パターンを有するユーザデータゾーン対応部と、を備える磁気転写用マスター担体。
(付記2)前記第2磁性材パターンはランダムパターンを含む、付記1に記載の磁気転写用マスター担体。
(付記3)前記磁気記録媒体は磁気ディスクであり、前記第2磁性材パターンは複数の線パターンを含み、当該複数の線パターンは、前記磁気ディスクの周方向に対応する方向に各々が延び且つ前記磁気ディスクの径方向に対応する方向に並列する、付記1に記載の磁気転写用マスター担体。
(付記4)前記磁気記録媒体は磁気ディスクであり、前記第2磁性材パターンは複数の線パターンを含み、当該複数の線パターンは、前記磁気ディスクの径方向に対応する方向に各々が延び且つ前記磁気ディスクの周方向に対応する方向に並列する、付記1に記載の磁気転写用マスター担体。
(付記5)垂直磁気異方性を有する記録磁性層を備える磁気記録媒体をフォーマットするための方法であって、
前記磁気記録媒体に対して第1方向に磁界を印加することによって前記記録磁性層を前記第1方向に初期磁化するための初期磁化工程と、
前記記録磁性層にサーボ情報を記録するための第1磁性材パターンを有するサーボゾーン対応部、および、前記記録磁性層にダミー信号を形成するための第2磁性材パターンを有するユーザデータゾーン対応部、を含む磁気転写用マスター担体と、前記磁気記録媒体とを、前記第1および第2磁性材パターンと前記記録磁性層とが対向するように重ね合わせるための、重ね合わせ工程と、
前記磁気転写用マスター担体とともに前記磁気記録媒体に対して前記第1方向とは逆の第2方向に転写磁界を印加することにより、前記記録磁性層において前記第1磁性材パターンに対向する箇所を第2方向に磁化して当該記録磁性層にサーボ情報を記録し、且つ、前記記録磁性層において前記第2磁性材パターンに対向する箇所を第2方向に磁化して当該記録磁性層にダミー信号を形成するための、転写工程と、を含む磁気記録媒体フォーマット方法。
(付記6)垂直磁気異方性を有する記録磁性層を備える磁気記録媒体をフォーマットするための方法であって、
前記記録磁性層に対して第1方向に磁界を印加することによって当該記録磁性層を前記第1方向に初期磁化するための初期磁化工程と、
サーボゾーン対応部およびユーザデータゾーン対応部を含み、当該サーボゾーン対応部およびユーザデータゾーン対応部にわたって広がる第1面ならびに当該第1面とは反対の第2面を有する透光性基材と、前記サーボゾーン対応部および前記ユーザデータゾーン対応部にわたって前記透光性基材における前記第1面の側に設けられ且つサーボ情報を記録するための凸パターンを前記サーボゾーン対応部において有する磁性材層と、を備える磁
気転写用マスター担体と、前記磁気記録媒体とを、前記磁性材層および前記記録磁性層が対向するように重ね合わせるための、重ね合わせ工程と、
前記磁気転写用マスター担体とともに前記磁気記録媒体に対して前記第1方向とは逆の第2方向に転写磁界を印加することにより、前記記録磁性層において前記凸パターンに対向する箇所を前記第2方向に磁化して当該記録磁性層にサーボ情報を記録するための、転写工程と、
前記透光性基材を介して前記磁性材層に向けて光を照射することにより、前記記録磁性層において前記ユーザデータゾーン対応部に対向する箇所を、前記記録磁性層において前記サーボゾーン対応部に対向する箇所よりも高温に加熱するための、光照射工程と、を含む磁気記録媒体フォーマット方法。
(付記7)前記転写工程では、前記記録磁性層において前記ユーザデータゾーン対応部に対向する箇所の磁化方向を前記第2方向に反転させ、且つ、前記光照射工程では、前記転写磁界より低強度の磁界を前記第1方向に印加しつつ前記光を照射する、付記6に記載の磁気記録媒体フォーマット方法。
(付記8)前記透光性基材の前記第1面は、前記サーボ情報に対応する凸パターンを前記サーボゾーン対応部において有する、付記6または7に記載の磁気記録媒体フォーマット方法。
(付記9)前記凸パターンの最短ピッチをPとし、前記透光性基材の屈折率をnとし、前記光照射工程における前記光の波長をλとすると、当該λは、λ≦P×nを満たす、付記6から8のいずれか一つに記載の磁気記録媒体フォーマット方法。
(付記10)前記磁気転写用マスター担体は、更に、前記サーボ情報に対応するパターン形状を有して前記サーボゾーン対応部における前記透光性基材および前記磁性材層の間に設けられた遮光層を備える、付記6または7に記載の磁気記録媒体フォーマット方法。
(付記11)前記磁気転写用マスター担体は、更に、前記遮光層および前記磁性材層の間に設けらた断熱層を備える、付記10に記載の磁気記録媒体フォーマット方法。
(付記12)前記磁気転写用マスター担体は、更に、前記ユーザデータゾーン対応部における前記透光性基材および前記磁性材層の間に設けられた低反射層を更に備える、付記6から11に記載の磁気記録媒体フォーマット方法。
(付記13)垂直磁気異方性を有する記録磁性層を備える磁気記録媒体に対して磁気転写法によりサーボ情報を書き込むための、サーボゾーン対応部とユーザデータゾーン対応部とを含む磁気転写用マスター担体であって、
前記サーボゾーン対応部および前記ユーザデータゾーン対応部にわたって広がり且つ前記サーボゾーン対応部において前記サーボ情報に対応する凸パターンを有する第1面、並びに当該第1面とは反対の第2面、を有する透光性基材と、
前記サーボゾーン対応部および前記ユーザデータゾーン対応部にわたって前記透光性基材における前記第1面の側に設けられ、且つ、前記サーボゾーン対応部において前記サーボ情報に対応する凸パターンを有する、磁性材層と、を備える磁気転写用マスター担体。(付記14)前記第1面は、前記ユーザデータゾーン対応部における前記サーボゾーン対応部との境界において、熱緩衝用の凸パターンを有する、付記13に記載の磁気転写用マスター担体。
(付記15)前記ユーザデータゾーン対応部における前記透光性基材および前記磁性材層の間に介在する低反射層を更に備える、付記13または14に記載の磁気転写用マスター担体。
(付記16)垂直磁気異方性を有する記録磁性層を備える磁気記録媒体に対して磁気転写法によりサーボ情報を書き込むための、サーボゾーン対応部とユーザデータゾーン対応部とを含む磁気転写用マスター担体であって、
前記サーボゾーン対応部および前記ユーザデータゾーン対応部にわたって広がる第1面、並びに当該第1面とは反対の第2面、を有する透光性基材と、
前記サーボゾーン対応部および前記ユーザデータゾーン対応部にわたって前記透光性基材における前記第1面の側に設けられ、且つ、前記サーボゾーン対応部において前記サー
ボ情報に対応する凸パターンを有する、磁性材層と、
前記ユーザデータゾーン対応部における前記透光性基材および前記磁性材層の間に介在する低反射層と、を備える磁気転写用マスター担体。
(付記17)垂直磁気異方性を有する記録磁性層を備える磁気記録媒体に対して磁気転写法によりサーボ情報を書き込むための、サーボゾーン対応部とユーザデータゾーン対応部とを含む磁気転写用マスター担体であって、
前記サーボゾーン対応部および前記ユーザデータゾーン対応部にわたって広がる第1面、並びに当該第1面とは反対の第2面、を有する透光性基材と、
前記サーボゾーン対応部および前記ユーザデータゾーン対応部にわたって前記透光性基材における前記第1面の側に設けられ、且つ、前記サーボゾーン対応部において前記サーボ情報に対応する凸パターンを有する、磁性材層と、
前記サーボ情報に対応するパターン形状を有して前記サーボゾーン対応部における前記透光性基材および前記磁性材層の間に設けられた遮光層と、を備える磁気転写用マスター担体。
(付記18)前記遮光層および前記磁性材層の間に設けられた断熱層を更に備える、付記17に記載の磁気転写用マスター担体。
本発明の第1の実施形態に係る磁気転写用マスター担体の平面図である。 図1の部分拡大図であって、磁気転写用マスター担体の周方向に延びる図である。 第1の実施形態に係る磁気転写用マスター担体の部分断面図である。 第1の実施形態に係る磁気転写用マスター担体における第2磁性材パターンの2つの変形例を表す。(a)および(b)は、各々、磁気転写用マスター担体の周方向に延びる部分拡大図である。 第1の実施形態に係る磁気転写用マスター担体の製造方法を表す。 図1の実施形態に係る磁気転写用マスター担体を使用して行う垂直磁気記録媒体のフォーマット方法を表す。 垂直磁気記録媒体の一例である磁気ディスクの積層構成を表す。 本発明に係るフォーマット過程を経た図7の垂直磁気記録媒体の記録面の構成を表す。 本発明に係るフォーマット過程を経た図7の垂直磁気記録媒体の部分断面図である。 図9の垂直磁気記録媒体に対してユーザデータを記録した後の状態を表す。 本発明の第2の実施形態に係る磁気転写用マスター担体の平面図である。 第2の実施形態に係る磁気転写用マスター担体の部分断面図である。 第2の実施形態の磁気転写用マスター担体の製造方法を表す。 第2の実施形態の磁気転写用マスター担体を使用して行う垂直磁気記録媒体のフォーマット方法を表す。 第2の実施形態に係る磁気転写用マスター担体の変形例を表す。 本発明の第3の実施形態に係る磁気転写用マスター担体の平面図である。 第3の実施形態に係る磁気転写用マスター担体の部分断面図である。 第3の実施形態に係る磁気転写用マスター担体の製造方法を表す。 第3の実施形態に係る磁気転写用マスター担体を使用して行う垂直磁気記録媒体のフォーマット方法を表す。 本発明の第4の実施形態に係る磁気転写用マスター担体の平面図である。 第4の実施形態に係る磁気転写用マスター担体の部分断面図である。 第4の実施形態に係る磁気転写用マスター担体の製造方法を表す。 第4の実施形態に係る磁気転写用マスター担体を使用して行う垂直磁気記録媒体のフォーマット方法を表す。 本発明の第5の実施形態に係る磁気転写用マスター担体の平面図である。 第5の実施形態に係る磁気転写用マスター担体の部分断面図である。 第5の実施形態に係る磁気転写用マスター担体の製造方法を表す。 第5の実施形態に係る磁気転写用マスター担体を使用して行う垂直磁気記録媒体のフォーマット方法を表す。 本発明の第5の実施形態に係る磁気転写用マスター担体の変形例を表す。 垂直磁気記録媒体の一例の平面図である。 垂直磁気記録媒体の一例の積層構成を表す。 磁気ディスクの製造過程において従来の磁気転写法によりサーボ情報を記録する場合の一連の工程を表す。 データ記録後の従来の垂直磁気記録媒体の部分断面図である。
符号の説明
X1,X2,X3,X4,X5,300 マスター担体
10A,20A,30A,40A,50A サーボゾーン対応部
10B,20B,30B,40B,50B ユーザデータゾーン対応部
11,21,31,41,51 基材
12,13 磁性材パターン
22,33,43,53 磁性材層
32,42 低反射層
52 遮光層
54 断熱層
100 磁気記録媒体
101,201 基板
102,202 記録磁性層
102A,202A サーボゾーン
102B,202B ユーザデータゾーン

Claims (2)

  1. 垂直磁気異方性を有する記録磁性層を備える磁気記録媒体をフォーマットするための方法であって、
    前記記録磁性層に対して第1方向に磁界を印加することによって当該記録磁性層を前記第1方向に初期磁化するための初期磁化工程と、
    サーボゾーン対応部およびユーザデータゾーン対応部を含み、当該サーボゾーン対応部およびユーザデータゾーン対応部にわたって広がる第1面ならびに当該第1面とは反対の第2面を有する透光性基材と、前記サーボゾーン対応部および前記ユーザデータゾーン対応部にわたって前記透光性基材における前記第1面の側に設けられ且つサーボ情報を記録するための凸パターンを前記サーボゾーン対応部において有する磁性材層と、前記サーボ情報に対応するパターン形状を有して前記サーボゾーン対応部における前記透光性基材および前記磁性材層の間に設けられた遮光層と、を備える磁気転写用マスター担体と、前記磁気記録媒体とを、前記磁性材層および前記記録磁性層が対向するように重ね合わせるための、重ね合わせ工程と、
    前記磁気転写用マスター担体とともに前記磁気記録媒体に対して前記第1方向とは逆の第2方向に転写磁界を印加することにより、前記記録磁性層において前記凸パターンに対向する箇所を前記第2方向に磁化して当該記録磁性層にサーボ情報を記録するための、転写工程と、
    前記透光性基材を介して前記磁性材層に向けて光を照射することにより、前記記録磁性層において前記ユーザデータゾーン対応部に対向する第1箇所を、前記記録磁性層において前記サーボゾーン対応部に対向する第2箇所よりも高温に加熱して、前記第1箇所の磁化方向を非一様化するための、光照射工程と、を含む磁気記録媒体フォーマット方法。
  2. 垂直磁気異方性を有する記録磁性層を備える磁気記録媒体に対して磁気転写法によりサーボ情報を書き込むための、サーボゾーン対応部とユーザデータゾーン対応部とを含む磁気転写用マスター担体であって、
    前記サーボゾーン対応部および前記ユーザデータゾーン対応部にわたって広がる第1面、並びに当該第1面とは反対の第2面、を有する透光性基材と、
    前記サーボゾーン対応部および前記ユーザデータゾーン対応部にわたって前記透光性基材における前記第1面の側に設けられ、且つ、前記サーボゾーン対応部において前記サーボ情報に対応する凸パターンを有する、磁性材層と、
    前記サーボ情報に対応するパターン形状を有して前記サーボゾーン対応部における前記透光性基材および前記磁性材層の間に設けられた遮光層と、を備える磁気転写用マスター担体。
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