JP4293428B2 - 検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透光性または半透光性を有する有色の筒状体の筒部に遮光性の内容物を充填した供試体を検査する検査装置に係り、特に筒状に形成されたクッキーまたはビスケットにクリーム類を充填した供試体(食品)の検査に好適な検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から筒状に焼き上げたクッキーまたはビスケットの一端側からその内部にクリーム類(例えばチョコレートクリームやカスタードクリーム等)を充填した食品(菓子)が製造され、販売されている。このような菓子(供試体)の製造時における製品の検査項目としては、筒状に焼き上げたクッキーまたはビスケットに形成された筒部の状態(例えば、孔の有無、孔の形状、孔の個数)の検査(形成状態検査)と、筒部に充填されたクリーム類が所定の位置まで充填されているかどうかの検査(充填状態検査)とがある。
【0003】
この種の検査は、一般的に検査員が目視で行う検査手法がとられる一方、画像処理を利用した材料(食品)検査装置による検査も行われている。ちなみに、画像処理を利用した検査装置は、次のように構成される。すなわち、この検査装置は、原理的には図1に示すように、この筒状体1aの端面1b側を照明する白色光源2aを設け、この白色光源2aによって照明される筒状体1aの端面1b側をモノクロカメラ3で撮像するように構成されている。このとき、筒状体1aの周囲は、白色光源2aから照明される光により明るくなる一方、筒状体1aの筒部1cは、白色光源2aの光が該筒部1cの内部に到達しないため該筒部1cに暗部が形成される。ちなみに、筒状体1aが正常に焼き上げ形成された場合、この筒部1cには一つの孔が形成されている。このため図2(a)に示すようにモノクロカメラ3には、筒部1cの領域に一つの暗部4が存在するものとして撮像される。尚、モノクロカメラ3によって撮像される領域の背景7は、白色光源2aによって照明がなされているので明部(白色)となる。
【0004】
他方、筒状体1aの焼き上げ形成に異常があり、例えば筒部1cに二つの孔が形成された場合、図2(b)に示すようにモノクロカメラ3には、筒部1cの領域に二つの暗部4が存在するものとして撮像される。勿論、筒部1cに二つ以上の孔が形成された場合は、筒状体1aの焼き上げ形成の異常(不良)であり、上述したようにモノクロカメラ3には、筒部1cに形成された孔の数だけの暗部が撮像される。
【0005】
このように従来の検査装置は、モノクロカメラ3によって撮像された孔の数を、例えば画像処理等の手段を用いて数えることで、筒状体1aの焼き上げ状態を検査するものである。つまり、筒状体1aの筒部1cにおける形成状態の検査は、白色光源2aの照明によって検査対象物の周囲を明るくした状態で筒部1cの暗部4を検査するようになっている。
【0006】
一方、筒状体1aに充填される内容物の充填状態検査は、原理的には図3に示すように、筒状体1aの端面1b側の近傍側面に白色光源2bが発する光を照射すると共に、モノクロカメラ3によって筒状体1aの端面1b側を撮像して行う。具体的にこの充填状態の検査は、例えばクリーム類等が筒状体1aの筒部1cに充填される場合、このクリーム類が該筒部1cの所定の位置まで充填されているかどうかを判定するものである。
【0007】
このように構成された内容物の充填状態検査に適用される白色光源2bは、半透過性を有するクラッカーまたはビスケット(筒状体1a)を透過する光度を有している。そして、この白色光源2bが発する光を照射された筒状体1aの端面1b側から筒部1cの内部を観測すると、例えば筒部1cに充填されるクリーム類等の内容物5が、所定の位置まで充填されている場合、該クリームの光の透過率が悪いため、モノクロカメラ3によって筒状体1aの筒部1cの内部は、図4(a)に示すように暗部4として撮像される。また、筒状体1aの側面1eによって白色光源2bが発する光が反射される反射光8がモノクロカメラ3より撮像される。尚、この場合、モノクロカメラ3によって撮像される領域の背景7は、白色光源2bが筒状体1aを透過する光を観測するため周囲を暗くしているので暗部(黒色)となる。
【0008】
一方、筒部1cに所定の位置までクリームが充填されていない場合、上述したように白色光源2bから照射されて該筒状体1aの側面1eを透過した光(透過光)が、モノクロカメラ3によって撮像される[図4(b)]。つまりこの場合は、白色光源2bが筒状体1aの側面1eを照射したとき、該筒状体1aを透過する透過光によって、筒部1cの内壁面1d側が照らし出される。すると、この内壁面1dを照らし出した透過光が乱反射してモノクロカメラ3に到達する。このため筒部1cの内部が明るい状態(白色)としてモノクロカメラ3に撮像される。
【0009】
このようにして行われる内容物の充填状態検査は、筒部1c内部の明暗状態をモノクロカメラ3により観測することで、筒状体1aの筒部1cに充填される内容物の充填状況を検査するものである。つまり、筒状体1aの筒部1cに充填される内容物の充填状態検査は、筒状体1aを透過した光が筒部1cの内壁面で乱反射した光を、モノクロカメラ3によって筒状体1aの端部から撮像して判定するものである。したがって内容物の充填状態検査にあっては、筒部1cの内壁面1dで生じた乱反射光をモノクロカメラ3で観測するため、筒状体1aの周囲を暗くした状態で検査が行われる。
【0010】
尚、上述した筒状体1aの検査は、一般的に製造した食品(菓子)を搬送するベルトコンベアに装填した状態で連続的に行われる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、供試体(筒状体)Sの形成状態および内容物の充填状態の検査を検査作業員が目視によって行う場合、製品の生産タクトが200〜500個/分と多いため、検査作業員の負担が多大となり、検査ミスを生じるという懸念がある。
【0012】
一方、上述したようにモノクロカメラ3を用いた筒状体1aの検査方法にあっては、筒状体1aの形状状態の検査については、周囲を明るくした状態で行う一方、筒状体1aの内部に充填された内容物を検査する充填状態検査については、周囲を暗くした状態で検査を行う。このため、形状状態検査と充填状態検査とを別個に行う必要があり、検査装置の規模が大がかりなものとなるという問題があった。
【0013】
また上述した検査は、コンベアで連続的に搬送される供試体Sを搬送しながら行う検査であるため、モノクロカメラ3の所定位置に筒状体1aを位置付ける必要がある。しかしながら、筒状体1aが工業製品と異なり菓子であるため、該筒状体1aには端面サイズのばらつきや曲がりなどが生じている。このため筒状体1aの曲がりに伴い該筒状体1aを搬送するコンベアの適正な位置(検査位置)に筒状体1aが位置付けされないという問題が生じる。一方、モノクロカメラ3で撮像する撮像タイミング不良等が生じると、モノクロカメラ3で撮像される筒状体1aの撮像画像の位置が変化する。つまり、このため、モノクロカメラ3で撮像された画像の位置変化によって適正な画像処理を行うことが困難であり、正しい検査ができないという問題もあった。
【0014】
或いは、筒状体1a(クラッカーまたはビスケット)が、例えば黄色の場合、白色光源2が発する光で該筒状体1aを照明すると、該筒状体1aを透過した光は黄色になるとともに、該筒状体1aにより反射される反射光も黄色になる。詳しくは図5(a)に示すように白色光源は、光の三原色の青、緑、赤の各成分のエネルギー率がそれぞれ等しく、全体的には平均して一定のエネルギー分布をしている。一方、黄色のクラッカーまたはビスケットについては、図5(b)に示すように黄色部分の透過率および反射率が高い特性を示している。これは、クラッカーまたはビスケット固有の分光特性によるものである。つまり、黄色のクラッカーまたはビスケットには、黄色の波長領域の光を中心として比較的狭い帯状の波長域の光を透過または反射させる光学フィルタ作用が有る為である。
【0015】
このような分光特性を有するクラッカーまたはビスケットに白色光源が発する光(白色光)を照射すると、該クラッカーまたはビスケット固有の分光特性により、図5(c)に示すように該白色光源に含まれる黄色成分(赤色および緑色の合成成分)が強く反射されると共に、図5(d)に示すように黄色成分が最も透過する。
【0016】
このためモノクロカメラ3で筒状体1aを撮像すると、透過光と反射光とが同じ波長の光(この場合は明るい部位)として撮像されるため、透過光または反射光の区別を付けることが困難である。したがって、検査精度が悪くなるという問題もあった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、透光性または半透光性を有する有色の筒状体の筒部に遮光性の内容物を充填した供試体を簡易な構成でありながら確実に検査することができる検査装置、特に筒状に形成されたクッキーまたはビスケットにクリーム類を充填した供試体(食品)の検査に好適な検査装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するため、本発明に係る検査装置は、透光性または半透光性を有する有色の筒状体の筒部に遮光性の内容物を充填した供試体を検査する検査装置であって、
前記供試体の端面に所定波長の光を照明する第1の光源と、前記供試体の端面近傍の側面に所定波長の光を照射する第2の光源と、前記供試体の端面側を撮像して該供試体を透過する透過光および前記供試体により反射された反射光の波長情報を含む画像を得るカメラと、このカメラで撮像された画像における波長情報を解析して該画像中に占める特定の波長情報の分布領域およびその面積値を求める画像信号処理部と、この画像信号処理部で得られた特定の波長情報の分布領域およびその面積値から前記供試体の筒状体の形状および該供試体に充填された前記内容物の充填状態をそれぞれ判定する判定部とを備えることを特徴としている。
【0018】
特に、前記所定波長の光は、前記供試体の色に対する補色の光を前記第1および第2の光源が発するものとして構成される。
また、前記判定部は、前記筒部内の領域に占める特定の色成分の前記面積値が所定の閾値以上であり、且つ、前記特定の色成分の分布領域が1つである場合は良品であると判定し、それ以外は不良であると判定するものとして構成される。
【0019】
例えば前記筒状体は、クッキーまたはビスケットであり、前記内容物は、クリーム類から構成される。
したがって、本発明に係る検査装置によれば透光性または半透光性を有する有色の筒状体の筒部に遮光性の内容物を充填した供試体を簡易な構成でありながら確実に検査することができる。特に本発明に係る検査装置は、筒状に形成されたクッキーまたはビスケットにクリーム類を充填した供試体(食品)の検査に好適である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る検査装置について説明する。尚、従来の検査装置と同じ機能を備えている部位に関しては、同符号を付してその説明を省略する。
図6は、本発明に係る検査装置の要部を示す概略構成図である。この図においてSは、検査対象物となる供試体である。この供試体Sは、例えば、クッキーまたはビスケットを筒状体1aとして焼き固めて形成したもので、その一端側からクリーム類(例えばチョコレートクリームやカスタードクリーム等)が内容物として充填される。この供試体Sは、図示しない前工程で製造されて、供試体検査部20に送り込まれ、無端状のコンベア10に装填される。このコンベア10は、供試体Sを後述する供試体検査部20に一つずつ横並びに搬送する役割を担っている。ちなみにコンベア10は、図示しないモータなどにより一方向に連続回転するようになっている。
【0021】
このコンベア10により一つずつ横並びに整列されて搬送された供試体Sは、供試体整列機構11により該供試体Sの端面1bの位置が揃えられる。この供試体整列機構11は、無端状のベルト11aを掛け回したプーリ11bとで構成されている。そして、ベルト11aが図示しない駆動源によりコンベア10の移動速度と等しい速度で回転駆動されるようになっている。このようにして端面1bの位置が揃えられた供試体Sは、コンベア10により搬送されて供試体検査部20に送り込まれる。そして、供試体検査部20は、コンベア10により搬送された筒状体1aの他端面(筒状体1aにクリーム類を注入した一端側の反対側の端面)の状態を検査する。
【0022】
この供試体検査部20には、供試体検査部20の要部構成を示す断面図(図7)および該供試体検査部20の要部構成を表す斜視図(図8)に示すように、供試体Sの他端面1bの周囲を照明する第1の光源(端面部照明光源)21と、この他端面1bの近傍に設けられて該供試体Sの側面1eを照射する第2の光源(側面照明光源)22とが設けられている。そして、この供試体Sの他端面1bの軸方向には、該他端面1bを撮像するカラーカメラ23が設けられている。このカラーカメラ23は、前記光源(21,22)が発した光が、供試体Sを透過する透過光と該供試体Sによって反射された反射光の波長情報(色情報)を含む画像を得るものである。ちなみに、カラーカメラ23のシャッタータイミングは、図示しないエンコーダ等により該カラーカメラ23の撮像領域に供試体Sが到達したときになされるようになっている。
【0023】
このカラーカメラ23で撮像された波長情報(色情報)は、該色情報に占める特定の波長情報(色情報)の分布領域およびその面積値を求める画像信号処理部24に与えられる。そして詳細は後述するが、この画像信号処理部24で処理された特定の波長情報(色情報b)の分布領域およびその面積値が判定部25に与えられる。この判定部25は、画像信号処理部24で処理された特定の波長情報(色情報)の分布領域およびその面積値とから供試体Sの筒状体1aの形状および該供試体Sに充填されたクリーム類などの内容物の充填状態をそれぞれ判定するものである。
【0024】
ちなみに、上述した本発明に係る検査装置は、1ライン分の検査装置についての記載であって、必要に応じて同一の検査装置を複数設けて構成される。
ここに本発明に係る検査装置が特徴とするところは、第1の光源(端部照明光源)21および第2の光源(側面照明光源)22が発する所定波長の光を供試体Sの補色とした点、およびこれらの光源(21,22)が発した所定波長の光が、供試体Sを透過する透過光と、供試体Sにより反射された反射光の波長情報(色情報)を含む画像をカラーカメラ23で撮影して画像処理する点にある。
【0025】
このような特徴ある本発明に係る検査装置に関してより詳細に説明する。ここでは筒状体1a(クッキーまたはビスケット)の色は黄色を想定している。つまり、第1の光源21および第2の光源22は、筒状体1aの補色である青色光を発光するようになっている。ちなみに、この青色光は、第1および第2の光源(21,22)を青色光源としてもよいし、白色光源に青色成分のみを透過する性質を有する青色フィルタを介して得られる青色光を用いてもかまわない。
また、筒状体1aの筒部1cに充填される内容物は、遮光性のあるチョコレートクリーム(黒色)としている。
【0026】
ちなみに、筒状体1aが黄色であり、該筒状体1aの色に対して補色となる青色の光を照射する場合、青色光源は、図9(a)に示すように光の三原色中、青色成分のエネルギー率が高い分布をしている。一方、黄色のクラッカーまたはビスケットは、図9(b)に示すように黄色部分の透過率および反射率が高い傾向を示している。これは、クラッカーまたはビスケット固有の分光特性によるものである。つまり、黄色のクラッカーまたはビスケットには、黄色の波長領域の光を中心として比較的狭い帯状の波長域の光を透過または反射させる光学フィルタ作用を有することによる。
【0027】
このような分光特性を有するクラッカーまたはビスケットに青色光を照射すると、その反射光には、光源の青色成分の他、該クラッカーまたはビスケット固有の分光特性による黄色の波長成分が含まれる。すると反射光は、図9(c)に示すように青色成分に黄色成分が加わった緑色の光となる。
また、黄色のクラッカーまたはビスケットを透過した青色光は、該クラッカーまたはビスケット固有の分光特性により、図9(d)に示すように黄色の波長成分のみが抽出されて現れる。
【0028】
さて、このような特性を有する筒状体1a(クッキーまたはビスケット)の筒部1cに孔が一つ形成されて、且つ、筒部1cの一端側から遮光性のあるクリーム類(内容物)が正しく充填された供試体Sを本発明に係る材料試験機で試験した際、カラーカメラ23によって得られる画像データを例示しながら説明する。この場合、カラーカメラ23には、図10(a)に示すように第1の光源(端部照明光源)21により、筒状体1aの端面1b側を照らされているので、筒状体1aが存在しない領域(背景)7は青色の色情報(波長情報)が撮像される。また、カラーカメラ23には、第1の光源(端部照明光源)21が発した青色光が筒状体1aの端面1b(クッキーまたはビスケットの部位)に反射された緑色が撮像される。この緑色は、上述したように第2の光源の青色光が黄色の筒状体1aに反射した際、筒状体1aの黄色と光源の青色光とが合成されて緑色になるものである。
【0029】
また、筒状体1aの筒部1cには、遮光性を有するチョコレートクリームが充填されている。このため、第2の光源(側面照明光源)22の光は、端面1b側に到達せず暗部(特定の色成分:この場合は黒色)の領域12としてカラーカメラ23に撮像される一方、該第2の光源により照射された光を筒状体1aの側部で反射した緑色の反射光8が、筒状体1aの側部(上方側)に撮像される。ちなみに正常の場合、カラーカメラ23が撮像した端面1b側の波長情報(色情報)信号において、暗部が占める面積(面積値)は、所定の閾値以上であり、且つ、この特定の色成分(この場合は暗部)が占める分布領域が1つとして撮像される。したがって、この条件を満たす供試体Sは、判定部25によって良品であると判定される。
【0030】
次に、筒状体1aの内部に充填されるチョコレートクリームが、充填不足で所定の位置まで充填されていない供試体Sを本発明に係る材料試験機で試験した際、カラーカメラ23によって得られる画像データを例示しながら説明する。この場合、カラーカメラ23には、図10(b)に示すように第1の光源(端部照明光源)21により、筒状体1aの端面1b側を照らされているので、筒状体1aが存在しない領域(背景)7は青色の波長情報(色情報)が撮像される。また、カラーカメラ23には、第1の光源(端部照明光源)21が発した青色光が筒状体1aの端部(クッキーまたはビスケットの部位)に反射された緑色が撮像される。
【0031】
一方、第2の光源(側面照明光源)22の光は、前述したようにチョコレートクリームが充填不足であるので、筒状体1aの側面1eから筒状体1aを透過する。前述したように黄色の筒状体1aは、黄色の波長の光を透過する分光特性を有している。このため筒状体1aの筒部1cは、カラーカメラ23により黄色の透過光(波長情報)が撮像される。また、第2の光源22により照射された光を筒状体1aの側部で反射した反射光8は、緑色の光として筒状体1aの側部(上方側)に観測される。
【0032】
この場合、上述した正常の場合と異なり、カラーカメラ23が撮像した端面1b側の色情報信号、すなわち特定の色成分(この場合は暗部)が占める面積(面積値)は、所定の閾値未満となる。したがって、判定部は、この供試体Sの筒部1cに充填された内容物(チョコレートクリーム)が充填不足であり、不良と判定する。
【0033】
次に筒状体1aに形成される筒部1cが焼き上げ形成の不良により二つ存在する場合であって、この筒部1cの内部に充填されるチョコレートクリームが、所定の位置まで充填されている供試体Sを本発明に係る材料試験機で試験した際、カラーカメラ23により得られる画像データを例示しながら説明する。
この場合、カラーカメラ23には、図10(c)に示すように第1の光源(端部照明光源)21により、筒状体1aの端面1b側を照らされているので、筒状体1aが存在しない領域(背景)7は青色の波長情報(色情報)が撮像される。また、カラーカメラ23には、第1の光源(端部照明光源)21が発した青色光が筒状体1aの端部(クッキーまたはビスケットの部位)に反射された緑色の波長情報(色情報)が撮像される。
【0034】
また、筒状体1aの筒部1cには、遮光性を有するチョコレートクリームが充填されているが、上述したように筒部1cが二つ形成されている。このためカラーカメラ23には、第2の光源(側面照明光源)22の光が端面1b側に到達せず特定の色成分(この場合は暗部)として撮像される一方、該第2の光源により照射された光を筒状体1aの側部で反射した緑色の反射光8が撮像される。
【0035】
このとき、カラーカメラ23には、端面1b側に形成される特定の色成分(この場合は暗部)が占める分布領域は二つあるものとして撮像される。したがって判定部25は、特定の色成分が占める分布領域が二つ以上存在するので供試体Sが不良であると判定する。
次に、筒状体1aに形成される筒部1cが二つ形成され、且つ、該筒状体1aの内部に充填されるチョコレートクリームが、充填不足で所定の位置まで充填されていない供試体Sを材料試験機で試験した際、カラーカメラ23により得られる画像データを例示しながら説明する。この場合、カラーカメラ23には、図10(d)に示すように第1の光源(端部照明光源)21により、筒状体1aの端面1b側を照らされているので、筒状体1aが存在しない領域(背景)7は青色の色情報が撮像される。また、カラーカメラ23には、第1の光源(端部照明光源)21が発した青色光が筒状体1aの端部(クッキーまたはビスケットの部位)に反射された反射光8(緑色)が撮像される。
【0036】
一方、前述したように供試体Sは、筒状体1aに充填されるチョコレートクリームが充填不足である。このため第2の光源(側面照明光源)22の光は、筒状体1aの側面1eから該筒状体1aを透過する。この透過光は、前述したように黄色の筒状体1aが有する分光特性により黄色となる。また、上述したようにこの供試体Sには、筒部1cが二つ形成されている。よってカラーカメラ23が撮像する筒部1cの画像には、黄色の透過光(波長情報)の部位が二カ所撮像される。また、カラーカメラ23には第2の光源22により照射された光が筒状体1aの側部で反射した緑色の反射光が筒状体1aの側部(上方側)に撮像される。
【0037】
この場合、カラーカメラ23が撮像した端面1b側の色情報信号は、黄色波長信号の面積がより多く撮像される。すなわち特定の色成分が占める面積(面積値)は、所定の閾値未満となる。また、この黄色が占める分布領域が二カ所存在するので、筒部1cの形成異常であり、判定部25により該筒状体Sは不良であると判定できる。
【0038】
ところで、上述した実施形態においては、筒状体(クッキーまたはビスケット)1aが黄色の材質であるものとして、第1および第2の光源(21,22)のが発する光を該筒状体の色に対して補色となる青色を用いた材料試験装置を例示したが、筒状体1aが黄色以外であっても適用することが可能であることは言うまでもない。
【0039】
例えば、筒状体1aが茶色の材質で形成される場合、この筒状体1aの茶色に対して補色となる緑色の光源を用いて材料試験装置を構成すればよい。この場合、図11(a)に示すように緑色光源は、光の三原色中、緑の成分のエネルギー率が高いエネルギー分布をしている。一方、茶色のクラッカーまたはビスケットは、図11(b)に示すように茶色部分の透過率および反射率が高い傾向を示している。これは、クラッカーまたはビスケット固有の分光特性によるものである。つまり、茶色のクラッカーまたはビスケットには、茶色の波長領域の光を中心として比較的狭い帯状の波長域の光を透過または反射させる光学フィルタ作用がある為である。
【0040】
このような分光特性を有するクラッカーまたはビスケットに光源が発する緑色の光を照射すると、その反射光には、光源の緑色成分の他、該クラッカーまたはビスケット固有の分光特性による茶色成分が現れる。すると図11(c)に示すように緑色成分に赤色成分が加わり、やや黄色みを帯びた緑色光(黄緑色光)となる。
【0041】
一方、筒部1cの内部は、茶色のクラッカーまたはビスケットを透過した緑色光が該クラッカーまたはビスケット固有の分光特性によって、図11(d)に示すように赤色となる。
したがって茶色の筒状体1aであっても、上述したようにカラーカメラ23で撮像された特定の波長情報(色情報)の分布領域およびその面積値を求めることで、筒部1cおよびこの筒部1cに充填される内容物の充填状況および筒部1cに形成される孔の数を判定することができる。
【0042】
かくしてこのように構成された本発明に係る材料試験装置は、供試体Sの色に対して補色となる光を該供試体Sの端部1bおよび該端部の近傍の側部1eに照射し、このとき、供試体Sを透過する透過光または該供試体Sにより反射された反射光の波長情報(色情報)を含む画像をカラーカメラ23により得ている。そして、このカメラ23で撮像された画像における波長情報(色情報)を画像信号処理部24によって解析して該画像中に占める特定の色情報の分布領域およびその面積値を求めている。そして、この画像信号処理部24で得られた特定の波長情報(色情報)の分布領域が0または1つであり、且つその面積値が所定の閾値以上である場合は、判定部25により良品であると判定している。
【0043】
したがって、一台のカラーカメラ23で筒状体1aに形成された端部1bに形成された孔の数と内容物5の充填状態とを一度に検査することができる。このためクッキーまたはビスケットで形成された筒状体1aにクリーム類などを内容物5として充填した食品(菓子)の量産製造工程の検査に適した材料試験装置を構築することができる。
【0044】
また、本発明に係る材料試験装置は、上述したようにカラーカメラ23により撮像された画像における該画像中に占める特定の波長情報(色情報)の分布領域およびその面積により供試体Sの良否を判定している。このため、カラーカメラ23の撮像範囲内に供試体Sの端部があればよく、供試体Sの曲がりやカラーカメラ23のシャッタータイミングがずれたとしても確実に供試体Sの良否を判定することが可能となる。
【0045】
その他、本発明はその要旨を変更しない範囲において種々変形して実施することができる。例えば、棒状の巻きたばこの一端部に設けられたフィルタ部の端部形成状態を検査する検査装置に適用することも可能である。この場合、フィルタ部に用いられる巻紙が、例えば茶色であれば上述した茶色のクッキーまたはビスケットと同様の方法で検査を行うことができる。具体的には、巻紙を貫通する孔がフィルタ部の巻紙に形成されていた場合、茶色の該巻紙が有する固有の分光特性によって、やや黄色みを帯びた緑色光(黄緑色光)の波長をカラーカメラ23によって観測することができ、巻紙に不良(孔)があると判定部25が判定することができる。或いは、巻紙に汚れがある場合、この汚れがカラーカメラ23に例えば黒色の波長情報の光として捉えることができ、該巻紙に不良(汚れ)があると判定することができる。
【0046】
尚、上述した実施形態において光源が発する光を可視光線に限定して説明したが、可視光線以外の光、具体的には紫外線や赤外線などを用いて構成しても勿論よい。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る検査装置によれば、透光性または半透光性を有する有色の筒状体の筒部に遮光性の内容物を充填した供試体を簡易な構成でありながら確実に検査することができる。特に筒状に形成されたクッキーまたはビスケットにクリーム類を充填した供試体(食品)の検査に好適である検査装置を提供できる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】供試体Sの端面側を検査する従来の検査装置の概略構成を示す図。
【図2】図1に示す検査装置に適用されるカメラが撮像した画像を示す図。
【図3】供試体Sの筒部に充填される内容物の充填状態を検査する検査装置の概略構成を示す図。
【図4】図3に示す検査装置に適用されるカメラが撮像した画像を示す図。
【図5】従来の検査装置に適用される白色光源のエネルギー分布と黄色ビスケットの光学特性および該白色光源が黄色ビスケットを反射する反射光と該黄色ビスケットを透過する透過光のエネルギー分布を示す図。
【図6】本発明の一実施形態に係る検査装置の概略構成を示す図。
【図7】図6に示す検査装置の供試体検査部の要部構造を示す図。
【図8】図6に示す検査装置の供試体検査部の要部構造を示す斜視図。
【図9】本発明の一実施形態に係る検査装置に適用される青色光源のエネルギー分布と黄色ビスケットの光学特性および該青色光源が黄色ビスケットを反射する反射光と該黄色ビスケットを透過する透過光のエネルギー分布を示す図。
【図10】本発明の一実施形態に係る検査装置に適用されるカメラが撮像した画像を示す図。
【図11】本発明の別の実施形態に係る検査装置に適用される緑色光源のエネルギー分布と茶色ビスケットの光学特性および該緑光源が茶色ビスケットを反射する反射光と該茶色ビスケットを透過する透過光のエネルギー分布を示す図。
【符号の説明】
10 コンベア
11 供試体整列機構
12 領域
20 供試体検査部
21,22 光源
23 カラーカメラ
24 画像信号処理部
25 判定部
S 供試体
Claims (4)
- 透光性または半透光性を有する有色の筒状体の筒部に遮光性の内容物を充填した供試体を検査する検査装置であって、
前記供試体の端面に所定波長の光を照明する第1の光源と、
前記供試体の端面近傍の側面に所定波長の光を照射する第2の光源と、
前記供試体の端面側を撮像して該供試体を透過する透過光および前記供試体により反射された反射光の波長情報を含む画像を得るカメラと、
このカメラで撮像された画像における波長情報を解析して該画像中に占める特定の波長情報の分布領域およびその面積値を求める画像信号処理部と、
この画像信号処理部で得られた特定の波長情報の分布領域およびその面積値から前記供試体の筒状体の形状および該供試体に充填された前記内容物の充填状態をそれぞれ判定する判定部と
を備えることを特徴とする検査装置。 - 前記所定波長の光は、前記供試体の色に対して補色となるものである請求項1に記載の検査装置。
- 前記判定部は、前記筒部内の領域に占める特定の波長成分の前記面積値が所定の閾値以上であり、且つ、前記特定の波長成分の分布領域が0または1つである場合は良品であると判定し、それ以外は不良であると判定するものである請求項1に記載の検査装置。
- 前記筒状体は、クッキーまたはビスケットであり、前記内容物は、クリーム類である請求項1に記載の検査装置。
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