JP4293002B2 - 多層配線板の製造方法 - Google Patents
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(1)配線パターンと、該配線パターン上に形成された導体ポストからなる電気的接続用
導体部Iと、該導体ポストの先端表面に形成された半田層を有する接続層と、前記導体ポストに対応して配設された層間接続用ランドからなる電気的接続用導体部IIを有する被接続層とを、ネガ型感光性接着剤層を介して半田接合させてなる多層配線板の製造方法であって、該接続層の半田層が形成された面、または、該被接続層の層間接続用ランドが形成された面に、該ネガ型感光性接着剤層により接着剤層を形成し、該接着剤層の半田接合する領域を除いて活性エネルギー線を照射し、該ネガ型感光性接着剤を架橋反応させることを特徴とする多層配線板の製造方法、
(2)前記ネガ型感光性接着剤層は、フラックス作用を有する熱硬化性樹脂組成物を含む、(1)に記載の多層配線板の製造方法。
(3)前記接続層と被接続層とを位置合わせして積層し、前記半田層を形成する半田の融点以上の温度に加熱して半田接合する工程を含む(1)または(2)に記載の多層配線板の製造方法。
(4)前記半田接合は、前記半田層を形成する半田の融点以上の温度に加熱して、該半田層の高さを変動させることにより行うものである(3)に記載の多層配線板の製造方法。(5)前記半田接合は、所定の圧力で加圧された状態で行われるものである(3)または(4)に記載の多層配線板の製造方法。
(6)(1)ないし(5)のいずれかに記載の多層配線板の製造方法により作製されたことを特徴とする多層配線板。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。図1は、本発明の実施形態である多層配線板の製造方法の例を説明するための図で、図1(g)は得られる多層配線板の構造を示す断面図である。
感光接着剤層の厚みとしては、加熱前に半田層105と層間接続用ランド107とが非接触に保たれるような厚みが好ましく、一部が接触するような厚みであっても良い。
前記半田接合において、前記半田層を形成する半田の融点以上の温度に加熱して、該半田層を溶融し、前記接着剤層における半田層の高さを変動させることにより行うことが好ましい。
この方法について、半田接合時の加熱前後の半田層105の形状を示す断面図である図2を用いて説明すると、加熱前の半田層105は、めっきにより形成されたままの形状であるが、加熱後の半田層105aは、溶融半田の表面張力により凸形状、更には最安定なドーム形状になり、加熱前の半田層105と加熱後の半田層105aの高さの差、すなわち、半田溶融前後の半田層の高さ変動を生じさせるものである。図1(f)〜(g)の工程においては、このような半田溶融前後の半田層の高さ変動を利用することにより、略無加圧の状態であっても半田接合を実現できる。
このとき、感光性接着剤108は、ネガ型の感光性を有しており、紫外線などの活性エネルギー線を照射することで、照射部分の光硬化反応が進行するため、照射部分は半田接合時の温度において流動性が抑制される。一方、感光性接着剤108の未照射部分は光反応が起こらないため半田接合温度において粘度が低下することになる。即ち、図1(e)に示すように、予め、接続用ランド107以外の領域を照射しておくことにより照射部分は硬化が進んでいるため、加圧状態でも接着剤層がサイドフローして基板周辺にはみ出したり、基板表面に回り込んだりすることがないため、より安定した多層配線板が成形できる。一方、半田バンプは溶融した半田の表面張力により凸形状になろうとする時に、溶融半田の頂点が層間接続用ランドに点接触するとともに、その接触点から同心円状に半田が濡れ広がって半田接合が実現される(図1(g))。このとき、未照射部分の接着剤層は粘度が低下するが、加圧状態においても照射部分が接着剤層の厚みを維持するため未照射部分は略無加圧の状態となり、半田の変形および被接続用ランドへの接触、濡れ広がりを阻害することなく良好な半田接合を実現することができる。
本発明においては、接着剤層108に、半田層105の半田の溶融に必要な表面清浄化機能であるフラックス作用を有する接着剤を用いることにより、半田層105の半田は、フラックス剤を塗布することなく、加熱工程により溶融することができる。
未照射部の接着剤層の粘度は50Pa・s以下であることが好ましい。50Pa・sより高いと、半田層105の凸形状の形成、ならびに、層間接続用ランド107と接触、および、半田のぬれ広がりを阻害して、十分な半田接合が行われない恐れがある。
本発明における最も重要な点は、半田溶融及び半田接合の工程において、半田溶融前後の半田層の高さ変動により層間接続を行うものであり、更には、加熱時の接続層および被接続層の反りやうねりによる接着剤層の厚みばらつきを抑制でき、かつ、積層物に適度な圧力をかけても接着剤層の積層体周辺へのフローアウトや表面への接着剤の周り込みなどを引き起こすことなく、良好な半田接合部を得ることである。
本発明において用いる好ましい接着剤樹脂組成物は上記各成分を適宜配合し混合することにより得ることができる。また、前記好ましい接着剤組成物には必要に応じて、保存安定性のために紫外線防止剤、熱重合防止剤、更には、可塑剤、硬化促進剤などの添加剤を添加できる。
[感光性接着剤ワニスの調整]
まず、フェノールノボラック(大日本インキ化学工業(株)製、フェノライトTD−2090−60M)の不揮発分70%MEK溶液600g(水酸基当量約4)を2lのフラスコ中に投入し、これにトリブチルアミン1g、およびハイドロキノン0.2gを添加し、110℃に加温した。その中へ、グリシジルメタクリレート284g(2モル)を30分間で滴下した後、110℃で5時間攪拌反応させることにより、不揮発分約80%メタクリロイル基含有フェノールノボラック(メタクリロイル基変性率50%)aを得た。得られたメタクリロイル基含有フェノールノボラックa(メタクリロイル基変性率50%,水酸基当量350)を100g、ビスフェノールF型エポキシ(RE−404S、日本化薬(株)製、エポキシ基当量165)50gと、光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール(チバ・ガイギー社製、イルガキュア651)3gを、シクロヘキサノン60gに溶解し、硬化触媒として2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール0.2gを添加し混合することにより、感光性接着剤ワニスを得た。
銅箔(金属箔101、厚み18μm)、ポリイミド樹脂絶縁膜(絶縁膜102、厚み25μm)からなるフレキシブルプリント配線用基板(住友ベークライト製、A1フレキ)のポリイミド樹脂絶縁膜に、UV−YAGレーザーを用いて、トップ径:45μm、ボトム径が25μmのビア(ビア103)を300個形成した。ビア内部およびビア周辺部を過マンガン酸樹脂エッチング液にて清浄化した後、裏面の銅箔を電解めっき用リード(給電用電極)として電解銅めっきにより、ビアを銅で充填し、銅ポスト(導体ポスト104)を形成した。ここで、銅ポストの直径が45μmとなるよう、電解銅めっきの時間を調整した。次に、銅ポストの表面に、Sn−Ag(2.5%)半田層(半田層105)を電解めっきによって4μmの厚みで形成した。なお、半田の融点はDSCによる測定により221℃であった。また、半田層の先端表面の絶縁膜表面から突出している高さは、10μmであった。次に、銅箔を選択的にエッチングして、配線パターン(配線パターン106)を形成した。以上の工程により、接続層(接続層110)を得ることができた。
一方、厚み12μm銅箔が両面に形成されたFR−5相当のガラスエポキシ両面銅張積層板(住友ベークライト製、ELC)を用い、銅箔表面に配線パターン(図示せず)および層間接続用ランドを選択的に金メッキし、さらに金メッキをエッチングレジストとして銅箔をエッチングして、配線パターンと層間接続用ランドを形成し、被接続層を得ることができた。層間接続用ランドは、位置合わせ許容誤差を考慮して、300μm径とした。
次に、得られた被接続層に対して、バーコートにより、上記で得た感光性接着剤ワニスを、配線パターンが形成された面に塗布後、80℃で20分乾燥し、15μm厚の接着剤層(接着剤層108)を形成した。続いて、層間接続用ランド部分が遮光されるように設計されたマスクを介して、高圧水銀灯照射装置を用い照射量200mJ/cm2で照射した。次に、上述の工程により得られた接続層と被接続層に予め形成されている位置決めマークを画像認識装置により読み取り、両者を位置合わせし、80℃の温度で仮圧着して接続層表面と、相対する被接続層の表面とを接触させて積層体を得た。仮圧着したサンプルを断面観察したところ、半田層と層間接続用ランドとは非接触であり、約15μm程度の間隙(接着剤層)があった。
上記で得た積層体を圧着装置の下部ステージ上に搭載し、上部ステージと搭載した積層体上面の間隙が100〜200μmになるように上下ステージを接近させた。この状態で加熱を開始し、10℃/秒の昇温速度で240℃まで加熱を続け、240℃に到達してから3秒間保持して、1.5kg/cm2で10秒間加圧した。その後、ステージ温度が40℃になるまで冷却して除圧し得られた多層配線板を取り出した。なお、上下ステージのヒーターは住友大阪セメント製のパルスヒーターを使用した。
得られた多層配線版の一部を引き剥がして任意の100バンプのエリア内で基板側に半田の濡れが確認されたところを電気的導通が得られるバンプとし、接合率を算出した。
102 絶縁膜
103 ビア
104 導体ポスト
105 半田層
106 配線パターン
107 層間接続用ランド
108 感光性接着剤層
110 接続層
120 被接続層
130 積層体
Claims (6)
- 配線パターンと、該配線パターン上に形成された導体ポストからなる電気的接続用導体
部Iと、該導体ポストの先端表面に形成された半田層を有する接続層と、前記導体ポストに対応して配設された層間接続用ランドからなる電気的接続用導体部IIを有する被接続層とを、ネガ型感光性接着剤層を介して半田接合させてなる多層配線板の製造方法であって、該接続層の半田層が形成された面、または、該被接続層の層間接続用ランドが形成された面に、該ネガ型感光性接着剤層により接着剤層を形成し、該接着剤層の半田接合する領域を除いて活性エネルギー線を照射し、該ネガ型感光性接着剤を架橋反応させることを特徴とする多層配線板の製造方法。 - 前記ネガ型感光性接着剤層は、フラックス作用を有する熱硬化性樹脂組成物を含む、請
求項1に記載の多層配線板の製造方法。 - 前記接続層と被接続層とを位置合わせして積層し、前記半田層を形成する半田の融点以
上の温度に加熱して半田接合する工程を含む請求項1または2に記載の多層配線板の製造方法。 - 前記半田接合は、前記半田層を形成する半田の融点以上の温度に加熱して、該半田層の
高さを変動させることにより行うものである請求項3に記載の多層配線板の製造方法。 - 前記半田接合は、所定の圧力で加圧された状態で行われるものである請求項3または4
に記載の多層配線板の製造方法。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の多層配線板の製造方法により作製されたことを特徴とする多層配線板。
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