JP4291543B2 - セメント用抗菌・防カビ剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はセメント用抗菌・防カビ剤に関する。さらに詳しくは、耐水性、耐アルカリ性に優れた抗菌・防カビ効果を有するセメント用抗菌・防カビ剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、セメントおよびコンクリート等に関しては、施工当初のpHが12程度の強アルカリであるためカビや藻類が発生しにくいことと、使用される部位があまり美観を要求されないこと、汚れても洗浄すればよいという考えにより抗菌・防カビ剤が使用されるケースは少なかった。しかし、昨今衛生に関する関心が高まり、浴室、トイレ、流し等の水回り関連製品やガーデニング関連製品について抗菌・防カビ効果の期待が高まっている。
これらのニーズに応えるべく抗菌性ゼオライト化合物、4級アンモニウム塩(ジデシルジメチルアンモニウムクロライドなど)、有機ヨード系抗菌・防カビ剤(4−クロルフェニル−3−ヨードプロパルギルホルマール、3−ヨード−2−プロペニルブチルカーバメートなど)、有機窒素硫黄系抗菌・防カビ剤(ベンゾチアゾール、2,4−チアゾリルベンズイミダゾールなど)などが検討されている。(特開昭61−232253号公報、特開平10−203903号公報など)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、有機ヨード系抗菌・防カビ剤、有機窒素硫黄系抗菌・防カビ剤はアルカリ性になると分解して抗菌・防カビ性が低下する問題があり、また、分解の際アルデヒドが発生するため安全性にも問題がある。従来の4級アンモニウム塩は安全性は高いが水に溶けやすいため、抗菌・防カビ効果の持続性がなく、また塩素を含有しているためセメント、モルタル、コンクリート等を劣化させるなど安定性の問題があり、抗菌性ゼオライトは抗菌性に劣りまた変色の問題もある。
本発明の目的は、抗菌・防カビ効果に優れ、かつ水で溶出されることがなく、抗菌・防カビ効果の持続性にも優れるセメント用抗菌・防カビ剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、一般式(1)で表される4級アンモニウム塩(A)からなることを特徴とするセメント用抗菌・防カビ剤
1234+・X- (1)
(式中、 1 2 3 4 + はジメチルジデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウム及びジメチルテトラデシルベンジルアンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種のアンモニウム、X-は超強酸のアニオンを表す。)
;該抗菌・防カビ剤を含有させてなるセメント、モルタルまたはコンクリート組成物;並びに、該組成物を硬化させてなるモルタル、コンクリートまたはセメント成形体である。
【0005】
【発明の実施の形態】
一般式(1)におけるR1およびR2は炭素数1〜22(好ましくは1〜14)の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基など)を表す。
直鎖の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ヤシ油アルキル基、オレイル基などが挙げられ、分岐の炭化水素基としては、イソプロピル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
【0006】
3は炭素数が1〜22(好ましくは1〜18)の直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基または炭素数が7〜22(好ましくは7〜15)のアラルキル基を表す。直鎖もしくは分岐の脂肪族炭化水素基としては、前記例示したものが挙げられ、芳香脂肪族炭化水素基としては、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基などが挙げられる。
【0007】
4は炭素数8〜22(好ましくは10〜18)の直鎖また分岐の脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基など)を表す。
直鎖の脂肪族炭化水素基としては、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ヤシ油アルキル基、オレイル基などが挙げられ、分岐の脂肪族炭化水素基としては、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
【0008】
一般式(1)における4級アンモニウム基の具体例としては、R3が脂肪族炭化水素基の場合は、たとえば、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、トリメチルヤシ油アルキルアンモニウム、トリメチルオレイルアンモニウム、トリメチル−2−エチルヘキシルアンモニウム、ジメチルエチルドデシルアンモニウム、ジメチルエチルテトラデシルアンモニウム、ジメチルエチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルエチルオクタデシルアンモニウム、ジメチルエチルヤシ油アルキルアンモニウム、ジメチルエチルオレイルアンモニウム、ジメチルエチル−2−エチルヘキシルアンモニウム、メチルジエチルドデシルアンモニウム、メチルジエチルテトラデシルアンモニウム、メチルジエチルヘキサデシルアンモニウム、メチルジエチルオクタデシルアンモニウム、メチルジエチルヤシ油アルキルアンモニウム、メチルジエチルオレイルアンモニウム、メチルジエチル−2−エチルヘキシルアンモニウム、ジメチルジヘキシルアンモニウム、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウム、ジメチルジドデシルアンモニウムが挙げられる。
また、R3が芳香脂肪族炭化水素基の場合は、たとえば、ジメチルデシルベンジルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウム、ジメチルテトラデシルベンジルアンモニウム、ジメチルヘキサデシルベンジルアンモニウム、ジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウム、ジメチルオレイルベンジルアンモニウム、ジメチル−2−エチルヘキシルベンジルアンモニウムが挙げられる。
これらのうち抗菌・防カビ性の観点から好ましいのは、ジメチルジデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウム、ジメチルテトラデシルベンジルアンモニウムである。
【0009】
一般式(1)においてX-で表されるアニオンを構成する超強酸は、Hammettの酸度関数(−H0)が通常11.93以上のもので、プロトン酸、およびプロトン酸/ルイス酸の組み合わせが挙げられる。
プロトン酸の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸などが挙げられる。
プロトン酸/ルイス酸の組み合わせに用いられるプロトン酸としては、ハロゲン化水素(フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素など)が挙げられ、ルイス酸としては三フッ化硼素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化砒素、五フッ化タウリンなどが挙げられる。プロトン酸/ルイス酸の組み合わせは任意であるが、具体例としては、四フッ化硼素酸、六フッ化リン酸、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン、六フッ化砒素、六フッ化タウリンなどが挙げられる。
上記の超強酸のうち、本発明のセメント用抗菌・防カビ剤の抗菌・防カビ効力の持続性と耐アルカリ性の観点から好ましいのは、Hammettの酸度関数(−H0)が12〜100、さらに好ましくは12〜50(トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、四フッ化硼素酸、六フッ化リン酸、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン、六フッ化砒素、六フッ化タウリンなど)である。
【0010】
4級アンモニウム塩(A)としては、上記4級アンモニウム基と上記超強酸で構成されるアニオンX-との任意の組み合わせのものが挙げられる。本発明のセメント用抗菌・防カビ剤においては、これらの4級アンモニウム塩(A)はそれぞれ単独で用いてもよいし、併用でもよい。
これらのうち、抗菌・防カビ効力、効力持続性および耐アルカリ性の観点から好ましいのは、ジメチルジデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウムおよびジメチルテトラデシルベンジルアンモニウムなどの4級アンモニウム基とトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、四フッ化硼素酸、六フッ化リン酸、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン、六フッ化砒素、六フッ化タウリンなどのHammett酸度関数(−H0)が12〜100の超強酸との組み合わせである。
【0011】
本発明における4級アンモニウム塩(A)の重量に基づく遊離塩素含量(測定法:イオンクロマトグラフィー)は、該セメント抗菌・防カビ剤を含有してなるセメント、モルタルまたはコンクリート組成物、並びに該組成物を硬化させてなるモルタル、コンクリートまたはセメント成形体の安定性の観点から、好ましくは100ppm以下、さらに好ましくは0〜50ppm、とくに好ましくは0〜10ppmである。
【0012】
4級アンモニウム塩(A)の製造方法としては限定はなく公知の方法でよいが、遊離塩素含量の観点から好ましいのは下記の[I]および[II]の方法、操作上の観点からさらに好ましいのは[II]である。
[I] 4級アンモニウム塩〔例えば、一般式(1)におけるアンモニウム基とクロルアニオンからなる塩〕の水溶液(20〜70重量%)に前記超強酸のアルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)塩を加え(4級アンモニウム塩/超強酸塩の当量比は通常1/1〜1/1.5、好ましくは1/1.05〜1/1.3)、室温で約2時間撹拌混合した水溶液(イ)を下記(i)、(ii)の工程で精製する。
(i) (イ)に金属銀、酸化銀、炭酸銀および有機酸〔炭素数1〜10のカルボン酸(モノ−およびポリカルボン酸など)など〕銀から選ばれる物質(ロ)を、上記4級アンモニウム塩〔一般式(1)におけるアンモニウム基とクロルアニオンからなる塩〕に対し1.1〜1.5当量となる量加え、析出する塩化銀と下層(水層)を分液除去し、さらに上層中の水分を減圧留去した後、減圧乾燥して析出する塩を除去し、アルカリ金属塩および遊離塩素を除去する工程。
(ii) (i)で得られた液にハロゲン化水素水溶液(ハ)を加え70〜80℃で約1時間撹拌混合後、分液処理した下層(水層)を除去し、上層を減圧乾燥して、目的の4級アンモニウム塩を得る、過剰の銀を除去する工程。
[II] 第3級アミンと同当量以上の炭酸ジエステルを溶媒の存在下または非存在下、反応温度80〜200℃、好ましくは100〜150℃で反応させ、前記超強酸を添加し塩交換する。
【0013】
本発明のセメント用抗菌・防カビ剤は、本発明における4級アンモニウム塩(A)そのもの、あるいは(A)の、乳化体、水性分散体、油状体、ペースト状体、粉体および固形体などのいずれの製剤形態でもよく、その形態に応じ、水、溶剤、乳化剤、分散剤、増粘剤、粉末化剤および固形化剤からなる群から選ばれる1種または2種以上の添加剤を加えることができる。
これらの製剤形態のうち、使い易さの観点から好ましいのは乳化体および水性分散体である。
【0014】
溶剤としては、炭素数1〜18の1価アルコール(エチルアルコール、イソプロピルアルコール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールなど)、炭素数2〜18の多価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリンなど)〕、多価アルコール誘導体(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなど)、炭素数4〜18のエーテル(ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、メチルフェニルエーテル、テトラヒドロフランなど)、炭素数2〜18のケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、炭素数2〜25のエステル(蟻酸エチル、蟻酸ブチル、酢酸エチル、アジピン酸ジオクチルなど)などが挙げられる。
【0015】
乳化剤としては界面活性剤が挙げられ、界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤およびアニオン界面活性剤が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、たとえば、アルキレンオキシド(炭素数2〜4)付加型非イオン界面活性剤〔高級アルコール(炭素数8〜18)、高級脂肪酸(炭素数12〜24)または高級アルキルアミン(炭素数8〜24)等に直接アルキレンオキシド[炭素数2〜4、例えばエチレンオキシド(以下EOと略記)、プロピレンオキシド(以下POと略記)、ブチレンオキシドおよびこれらの2種以上の併用]を付加させたもの[分子量158〜数平均分子量(以下Mnと略記)200,000];グリコール類にアルキレンオキシドを付加させて得られるポリアルキレングリコール類(分子量150〜Mn6,000)に高級脂肪酸などを反応させたもの;多価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタンなどの2価〜8価またはそれ以上の多価アルコール)に高級脂肪酸を反応させて得られたエステル化物にアルキレンオキシドを付加させたもの(分子量250〜Mn30,000);高級脂肪酸アミドにアルキレンオキシドを付加させたもの(分子量200〜Mn30,000);多価(2価〜8価またはそれ以上)アルコールアルキル(炭素数3〜60)エーテルにアルキレンオキシドを付加させたもの(分子量120〜Mn30,000);ポリプロピレングリコール(Mn500〜5,000)にEOを付加させたもの(Mn1,000〜30,000)[プルロニック型非イオン界面活性剤]など〕、および多価アルコ−ル(炭素数3〜60)型非イオン界面活性剤〔多価アルコール脂肪酸(炭素数3〜60)エステル、多価アルコールアルキル(炭素数3〜60)エーテル、脂肪酸(炭素数3〜60)アルカノールアミドなど〕などが挙げられる。
【0016】
両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤[高級アルキルアミン(炭素数12〜18)のプロピオン酸(塩)など]、ベタイン型両性界面活性剤[アルキル(炭素数12〜18)ジメチルベタイン、アルキル(炭素数12〜18)ジヒドロキシエチルベタインなど]、硫酸エステル(塩)型両性界面活性剤[高級アルキル(炭素数8〜18)アミンの硫酸エステル(塩)、ヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステル(塩)など]、スルホン酸(塩)型両性界面活性剤[ペンタデシルスルフォタウリン、イミダゾリンスルホン酸(塩)など]、リン酸エステル(塩)型両性界面活性剤[グリセリン高級脂肪酸(炭素数8〜22)エステル化物のリン酸エステル(塩)など]などが挙げられる。
【0017】
アニオン界面活性剤としては、たとえば、カルボン酸(炭素数8〜22の飽和または不飽和脂肪酸)またはその塩、カルボキシメチル化物の塩[炭素数8〜16の脂肪族アルコールおよび/またはそのEO(1〜10モル)付加物などのカルボキシメチル化物の塩など]、硫酸エステル塩[高級アルコール硫酸エステル塩(炭素数8〜18の脂肪酸アルコールの硫酸エステル塩など)など]、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩[炭素数8〜18の脂肪酸アルコールのEO(1〜10モル)付加物の硫酸エステル塩]、硫酸化油(天然の不飽和油脂または不飽和のロウをそのまま硫酸化して中和した塩)、硫酸化脂肪酸エステル(不飽和脂肪酸の低級アルコールエステルを硫酸化して中和した塩)、硫酸化オレフィン(炭素数12〜18のオレフィンを硫酸化して中和した塩)、スルホン酸塩[アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸ジエステル型、α−オレフィン(炭素数12〜18)スルホン酸塩、イゲポンT型など]およびリン酸エステル塩[高級アルコール(炭素数8〜60)リン酸エステル塩、高級アルコール(炭素数8〜60)EO付加物リン酸エステル塩、アルキル(炭素数4〜60)フェノールEO付加物リン酸エステル塩など]が挙げられる。
上記の両性界面活性剤およびアニオン界面活性剤における塩としては、アルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウムなど)塩、アンモニウム塩、アルキルアミン(炭素数1〜20)塩およびアルカノールアミン(炭素数2〜12、例えばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン)塩などが挙げられる。
【0018】
分散剤としてはMnが1,000〜100,000の分散剤、たとえばナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物(Mn1,000〜10,000)、ポリスチレンスルホン酸塩〔アルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)塩など〕(Mn1,000〜100,000)、ポリアクリル酸塩〔アルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)塩など〕(Mn)2,000〜50,000)、カルボキシメチルセルロースおよびポリビニルアルコールなど;増粘剤としては天然高分子(カラギーナン、デンプンなど)、半合成高分子{メチルセルロース(Mn5,000〜100,000)、可溶性デンプン、アルギン酸塩〔アルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)塩など〕など}、合成高分子〔ポリビニルアルコール(Mn1,000〜50,000)、ポリビニルピロリドン(Mn1,000〜50,000)など〕、無機物(ベントナイト、コロイダルアルミナなど)など;粉末化剤としては可溶化デンプン、シクロデキストリン、カルボキシメチルセルロース(Mn5,000〜100,000)など;固形化剤としてはポリエチレングリコール(Mn1,000〜50,000)、ロウ類(カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、ミツロウ、ラノリンなど)炭素数15以上の炭化水素(パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックスなど)、炭素数12〜22の高級脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸など)、炭素数12〜22の高級アルコール(セチルアルコール、ステアリルアルコールなど)などが挙げられる。
【0019】
上記添加剤の使用量は、本発明における(A)の重量に基づいて、乳化体、水性分散体、油状体およびペースト状体の場合、水および/または溶剤は通常1,500%以下、好ましくは50〜1,000%、分散剤および増粘剤はそれぞれ通常20%以下、好ましくは0.1〜10%、さらに好ましくは0.2〜5%である。粉体の場合、粉末化剤は通常1,500%以下、好ましくは10〜1,000%、さらに好ましくは30〜500%、固形体の場合、固形化剤は通常1,500%以下、好ましくは10〜1,000%、さらに好ましくは30〜500%である。
【0020】
本発明のセメント用抗菌・防カビ剤には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要によりその他の添加剤として、さらに消泡剤、キレート化剤、pH調整剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、その他のセメント用抗菌・防カビ剤、漂白剤、香料および色素からなる群から選ばれる1種または2種以上の添加剤を加えることができる。
消泡剤としては、シリコーン系(ジメチルポリシロキサンなど)、鉱物油(スピンドル油、ケロシンなど)、金属石鹸(炭素数12〜22、たとえばステアリン酸カルシウムなど)など;キレート化剤としては、アミノカルボン酸(炭素数6〜12、たとえばエチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸)、多価カルボン酸〔マレイン酸、ポリアクリル酸(Mn1,000〜10,000)、イソアミレン−マレイン酸共重合体(Mn1,000〜10,000)など〕、ヒドロキシカルボン酸(炭素数3〜10、たとえばクエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸)、縮合リン酸(トリポリリン酸、トリメタリン酸など)およびこれらの塩〔アルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウムなど)塩、アンモニウム塩、アルキルアミン(炭素数1〜20、たとえばメチルアミン、エチルアミンオクチルアミン)塩およびアルカノールアミン(炭素数2〜12、たとえばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン)塩など〕など;pH調整剤としては、苛性アルカリ(苛性ソーダなど)アミン(モノ、ジおよびトリエタノールアミンなど)、有機酸(クエン酸など)、無機酸(リン酸など)など;難燃剤としては、リン酸エステル系[トリクレジルホスフェート、トリス(2,3ジブロモプロピル)ホスフェートなど]、臭素系(デカブロモビフェニルエーテルなど)、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、ホウ酸塩系(ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウムなど)、水酸化アルミニウム、赤リン、水酸化マグネシウム、ポリリン酸アンモニウム、ヘット酸、テトラブロモビスフェノールAなど;
【0021】
酸化防止剤としては、フェノール系[2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)など];硫黄系[ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート(DLTDP)、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート(DSTDP)など];リン系[トリフェニルホスファイト(TPP)、トリイソデシルホスファイト(TDP)など];アミン系[オクチル化ジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノール、N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミンなど]など;
【0022】
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系(2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンなど)、サリチレート系(フェニルサリチレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど)、ベンゾトリアゾール系[(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなど]、アクリル系[エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレートなど]など;
【0023】
その他のセメント用抗菌・防カビ剤としては、安息香酸、パラオキシ安息香酸エステル、ソルビン酸、ハロゲン化フェノール(2,4,6−トリブロモフェノールナトリウム塩、2,4,6−トリクロロフェノールナトリウム塩、パラクロロメタキシレノールなど)、有機ヨウ素(4−クロロフェニル−3−ヨードプロパギルホルマール、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンなど)、ニトリル(2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリルなど)、チオシアノ(メチレンビスチアノシアネートなど)、N−ハロアルキルチオイミド(N−テトラクロロエチル−チオ−テトラヒドロフタルイミド、N−トリクロロメチル−チオ−フタルイミドなど)、銅剤(8−オキシキノリン銅など)、ベンツイミダゾール(2−4−チアゾリルベンツイミダゾールなど)、ベンゾチアゾール(2−チオシアノメチルチオベンゾチアゾールなど)、トリハロアリル(3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカルボナートなど)、トリアゾール(アザコナゾールなど)および有機窒素硫黄化合物(スラオフ39など)など;
【0024】
漂白剤としては、次亜塩素酸ソーダ、過酸化水素水、過炭酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウムなど;香料としては天然香料(バラ油、ジャスミン油、ラベンダー油、レモン油、ムスク油など)、合成香料(リモネン、ファルネソール、シトラール、ローズオキサイドなど)など;および色素としては青色1号、黄色4号、赤色2号などが挙げられる。
【0025】
上記その他の添加剤の使用量は、本発明における(A)の重量に基づいて、消泡剤は通常10%以下、好ましくは1〜3%、キレート化剤は通常10〜100%、好ましくは20〜50%、pH調整剤は通常20%以下、好ましくは1〜10%、難燃剤は通常100%以下、好ましくは10〜60%、酸化防止剤、紫外線吸収剤はそれぞれ通常10%以下、好ましくは0.1〜5%、その他のセメント用抗菌・防カビ剤、漂白剤は通常30%以下、好ましくは1〜20%、香料は通常10%以下、好ましくは1〜3%、色素は通常1%以下、好ましくは0.01〜0.3%である。
【0026】
本発明のセメント用抗菌・防カビ剤のうち、乳化体、水性分散体、油状体もしくはペースト状体の製造方法としては、4級アンモニウム塩(A)1〜60部、好ましくは10〜30部を50〜80℃に加熱して溶解し、必要によりエチレングリコール、プロピレングリコールなどの溶剤1〜60部、好ましくは5〜50部および/または上記界面活性剤を1〜60部、好ましくは5〜50部を添加して均一に混合、溶解した後、よく攪拌しながら水を加えて乳化体、水性分散体、油状体もしくはペースト状体とする方法が挙げられる。
粉体もしくは固形体の製造方法としては、4級アンモニウム塩(A)1〜60部、好ましくは10〜30部を50〜80℃に加熱して溶解し、必要によりエチレングリコール、プロピレングリコールなどの溶剤1〜60部、好ましくは5〜50部および/または上記界面活性剤を1〜60部、好ましくは5〜50部を添加して均一に混合、溶解した後、よく攪拌しながら粉末化剤もしくは固形化剤を加えて粉体もしくは固形体とする方法が挙げられる。
本発明のセメント用抗菌・防カビ剤中の(A)の濃度は通常1〜60重量%、好ましくは10〜30重量%である。
【0027】
本発明のセメント用抗菌・防カビ剤を含有させてなるセメント、モルタルまたはコンクリート組成物中の含有量は、セメント重量に基づいて(A)の重量として通常0.005〜20重量%、抗菌・防カビ性と経済性の観点から好ましくは0.01〜5重量%である。
【0028】
本発明におけるセメントとしてはとくに限定されず、水硬性セメント、気硬性セメントなどが挙げられる。水硬性セメントとしては珪酸カルシウムを主成分とするポルトランドセメント(普通、中庸熱、早強、低熱、耐硫酸塩および白色などのポルトランドセメント)、アルミナセメントなどが挙げられ、ポルトランドセメントに混和剤[AE剤(空気連行剤)、セメント分散剤、防水剤、着色剤、無機質繊維など]を混ぜたセメントとしては高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント、スラグセメント、膨張セメントなどが挙げられる。また、気硬性セメントとしてはキーンスセメントおよびマグネシアセメントなどが挙げられる。
【0029】
本発明のセメント用抗菌・防カビ剤のセメントまたはモルタル、コンクリートなどの配合物への添加方法は特に限定されず、例えばセメントの場合はこれに直接添加、混合して本発明のセメント用抗菌・防カビ剤を含有させてなるセメント組成物とすることができ、モルタルおよびコンクリート配合物の場合は、これらを用いて施工する際、セメント、水および骨材の混合時に添加、混合して本発明のセメント用抗菌・防カビ剤を含有させてなるモルタルおよびコンクリート組成物とすることができる。添加する際は、本発明のセメント用抗菌・防カビ剤は前述したいずれの製剤形態でもよい。
また、モルタルまたはコンクリート配合物を用いて施工後に、施工表面に粉体および固形体状以外の液状の製剤形態の本発明のセメント用抗菌・防カビ剤をスプレー機、ハケなどを用いて塗布してもよい。
【0030】
本発明のセメント用抗菌・防カビ剤を含有させてなるセメント、モルタルまたはコンクリート組成物、並びに該組成物を硬化させてなるモルタル、コンクリートまたはセメント成形体の用途は特に限定されず、建築用材(プレスセメント瓦、石膏ボード、木片セメント板、石綿セメント板、セメント系塗装板、浴室目地など)、土木用材料(河川工事用コンクリート、透水性道路セメントなど)、医療材料(歯科用セメント、外科用セメントなど)などが挙げられる。
【0031】
【実施例】
以下実施例により本発明をさらに説明するが本発明はこれに限定されるものではない。実施例中の%は重量%、部は重量部を示す。
【0032】
製造例1
42%四フッ化硼素酸水溶液87部を30〜60℃に保ちながら、ジメチルジデシルアンモニウムメチルカーボネートの82.5%メタノール溶液200部に2時間で徐々に加えた後、ポリプロピレングリコール(Mn4,000)のEO(365モル)付加物90部を加え、さらに攪拌しながら水200部を徐々に加えて、本発明の抗菌・防カビ剤ジメチルジデシルアンモニウム・四フッ化硼素酸塩31%乳化体(X1)を得た。ジメチルジデシルアンモニウム・四フッ化硼素酸塩の重量に基づく遊離塩素含量は1ppm以下であった。
【0033】
製造例2
42%四フッ化硼素酸水溶液87部を30〜60℃に保ちながら、トリメチルヘキサデシルアンモニウムメチルカーボネートの82.5%メタノール溶液200部に2時間で徐々に加えた後、ポリプロピレングリコール(Mn4,000)のEO(365モル)付加物90部を加え、さらに水200部を徐々に加えて、本発明の抗菌・防カビ剤トリメチルヘキサデシルアンモニウム・四フッ化硼素酸塩35%乳化体(X2)を得た。得られたトリメチルヘキサデシルアンモニウム・四フッ化硼素酸塩の重量に基づく遊離塩素含量は1ppm以下であった。
【0034】
製造例3
42%四フッ化硼素酸水溶液87部を30〜60℃に保ちながら、ジメチルジデシルアンモニウムメチルカーボネートの82.5%メタノール溶液200部に2時間で徐々に加えた後、レボンLD−36[三洋化成工業(株)製、ラウリルジメチルベタイン]250部を加え、さらに水200部を徐々に加えて、本発明の抗菌・防カビ剤ジメチルジデシルアンモニウム・四フッ化硼素酸塩24%乳化体(X3)を得た。得られたジメチルジデシルアンモニウム・四フッ化硼素酸塩の重量に基づく遊離塩素含量は1ppm以下であった。
【0035】
製造例4
42%四フッ化硼素酸水溶液87部を30〜60℃に保ちながら、ジメチルジデシルアンモニウムメチルカーボネートの82.5%メタノール溶液200部に2時間で徐々に加えた後、減圧にしながら60〜100℃でメタノールおよび水を除き、可溶化デンプン200部を加え、スーパーミキサーで攪拌混合して本発明の抗菌・防カビ剤ジメチルジデシルアンモニウム・四フッ化硼素酸塩45%粉体(X4)を得た。得られたジメチルジデシルアンモニウム・四フッ化硼素酸塩の重量に基づく遊離塩素含量は1ppm以下であった。
【0036】
<セメント用抗菌・防カビ剤の抗菌性評価>
実施例1〜4、比較例1〜2
白色セメント100重量部に対し、メチルセルロース0.2重量部を添加した目地基材に、製造例1〜4で得られた抗菌・防カビ剤:X1〜X4およびベンゾチアゾール:Y1、ジメチルジデシルアンモニウムクロライド:Y2をそれぞれジデシルジメチルアンモニウム四フッ化硼素酸塩として1重量部添加した目地材(実施例1〜4、比較例1,2)を作成した。
各目地材100部に水100部を加え均一に練った後、10cm四方のタイルの裏に厚さ2〜3mmとなるように塗り、25℃の水中に7日間浸せきして養生した。7日間の養生の後、抗菌性を日本工業規格で定められた抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果(JIS Z 2801)により評価した。すなわち普通ブイヨン培地を滅菌精製水で500倍希釈した液で菌数を2.5×105〜10×105個/mlとなるように調製した試験菌液を試験片上に0.4ml滴下して、乾かないように上から4cm四方のフィルムをかぶせ温度35±1℃、相対湿度90%以上で24±1時間培養した。その後、試験片とフィルムを10mlのSCDLP培地で洗いだし、その液を速やかに生菌数測定に供して生菌数を求め、下記式により抗菌活性値Rを求めた。
抗菌活性R=Log(ブランクの生菌数/試験片の生菌数)
注;<10は10として計算。
[抗菌活性Rは大きいほど抗菌活性が高いことを示す]
結果を表1に示す。
表1から、本発明の抗菌・防カビ剤(実施例1〜4)は従来のセメント用抗菌・防カビ剤(比較例1、2)より優れた抗菌性を有することがわかる。
【0037】
【表1】
Figure 0004291543
【0038】
<セメント用抗菌・防カビ剤の持続性評価>
実施例1〜4、比較例1,2で得られた抗菌性評価試料を引き続き3ヶ月25℃の水中に浸せきした後、上記試験方法で抗菌性試験を行った。
結果を表2に示す。
表2から、本発明の抗菌・防カビ剤(実施例1〜4)は従来のセメント用抗菌・防カビ剤(比較例1、2)より優れた持続性性を有することがわかる。
【0039】
【表2】
Figure 0004291543
【0040】
【発明の効果】
本発明のセメント用抗菌・防カビ剤は、下記の効果を奏することから極めて有用である。
(1)セメント抗菌・防カビ性に優れるとされる従来のセメント用抗菌・防カビ剤(無機系抗菌剤、4級アンモニウム塩、有機窒素硫黄系抗菌剤など)より優れた抗菌・防カビ性を有し、防腐性をも有する。
(2)該抗菌・防カビ剤を含有するセメント、モルタルまたはコンクリート組成物を硬化させてなるモルタル、コンクリートまたはセメント成形体は長期間水浸せきしたり、流水に曝しても抗菌・防カビ効果の低下が極めて少なく、効果の持続性に優れる。
(3)該抗菌・防カビ剤は雨水等で溶出しにくいため、環境を汚染することがなく、人畜に対する安全性が高い。
(4)実質的に塩素を含有しないため、該抗菌・防カビ剤を含有するセメント、モルタルまたはコンクリート組成物を硬化させてなるモルタル、コンクリートまたはセメント成形体は劣化しにくく、安定性に優れる。
(5)アルカリ性においても分解せず、抗菌・防カビ効果の低下がない。

Claims (10)

  1. 一般式(1)で表される4級アンモニウム塩(A)からなることを特徴とするセメント用抗菌・防カビ剤。
    1234+・X- (1)
    (式中、 1 2 3 4 + はジメチルジデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウム及びジメチルテトラデシルベンジルアンモニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種のアンモニウム、X-は超強酸のアニオンを表す。)
  2. 前記セメントが常温養生で硬化させるものであり、前記抗菌・防カビ剤が耐水性を有する請求項1記載の抗菌・防カビ剤。
  3. (A)の重量に基づく遊離塩素含量が100ppm以下である請求項1または2記載の抗菌・防カビ剤。
  4. 超強酸がHammett酸度関数(−H0)12〜100である請求項1〜3のいずれか記載の抗菌・防カビ剤。
  5. 超強酸がプロトン酸とルイス酸との組み合わせからなる請求項1〜4のいずれか記載の抗菌・防カビ剤。
  6. さらに、水、溶剤、乳化剤、分散剤、増粘剤、粉末化剤および固形化剤からなる群から選ばれる1種または2種以上の添加剤を加えてなる請求項1〜5のいずれか記載の抗菌・防カビ剤。
  7. (A)の乳化体もしくは水性分散体からなる請求項1〜6のいずれか記載の抗菌・防カビ剤。
  8. さらに、消泡剤、キレート化剤、pH調整剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、その他のセメント用抗菌・防カビ剤、漂白剤、香料および色素からなる群から選ばれる1種または2種以上の添加剤を加えてなる請求項1〜7のいずれか記載の抗菌・防カビ剤。
  9. 請求項1〜8のいずれか記載の抗菌・防カビ剤を含有させてなるセメント、モルタルまたはコンクリート組成物。
  10. 請求項記載の組成物を硬化させてなるモルタル、コンクリートまたはセメント成形体。
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