JP2001278863A - ピリチオン含有組成物の変色防止または改善方法および変色が防止された組成物 - Google Patents

ピリチオン含有組成物の変色防止または改善方法および変色が防止された組成物

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JP2001278863A
JP2001278863A JP2001017048A JP2001017048A JP2001278863A JP 2001278863 A JP2001278863 A JP 2001278863A JP 2001017048 A JP2001017048 A JP 2001017048A JP 2001017048 A JP2001017048 A JP 2001017048A JP 2001278863 A JP2001278863 A JP 2001278863A
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pyrithione
boric acid
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acid compound
ion
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Takatsugu Narita
登次 成田
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Yoshitomi Fine Chemicals Ltd
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Yoshitomi Fine Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピリチオンに起因する変色を効果的に防止ま
たは改善する方法、およびピリチオンに起因する変色が
防止され組成物を提供すること。 【解決手段】 ピリチオンにホウ酸のアンモニウム塩お
よび金属塩(ただし亜鉛塩を除く)から選ばれる少なく
とも一種のホウ酸化合物を接触させることを特徴とする
ピリチオンに起因する変色を防止または改善する方法、
およびピリチオンにホウ酸のアンモニウム塩および金属
塩(ただし亜鉛塩を除く)から選ばれる少なくとも一種
のホウ酸化合物を加えることによって得られる組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピリチオン含有組
成物の変色を防止または改善する方法および変色が防止
されたピリチオン含有組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ピリチオン(ピリジン−2−チオール−
N−オキサイド)は、微生物を殺す作用(以下抗微生物
性ともいう)を有する化合物として知られている。
【0003】なかでも、ナトリウムピリチオン(1−ヒ
ドロキシ−2−ピリジンチオンのナトリウム塩、ナトリ
ウム ピリジン−2−チオール−N−オキサイド、また
は2−ピリジンチオール−1−オキサイド ナトリウム
塩とも称される)は、抗微生物性に優れ、例えば切削油
などの金属工作液、潤滑液、化粧品、香料などに使用さ
れている。
【0004】また亜鉛ピリチオン(亜鉛 ピリジン−2
−チオール−N−オキサイド、またはビス〔1−ヒドロ
キシ−2(H)−ピリジンチオネート〕亜鉛とも称され
る)も優れた抗微生物性を有し、プラスティック、塗
料、接着剤、化粧品、香料、金属工作液などに殺微生物
剤や保存剤として、特に毛髪用化粧品にフケ防止剤とし
て加えられるほか、船舶用塗料の防汚剤としても使用さ
れている。
【0005】ピリチオンは市販されているものもある
し、ナトリウムピリチオンは、例えば、米国特許第31
59640号に記載された方法によって、また、亜鉛ピ
リチオンは、例えば米国特許第2809971号に記載
された方法によって製造することもできる。
【0006】ところで、ピリチオン含有組成物に、第2
鉄イオンあるいは第2銅イオンが痕跡量でも存在する
と、青色、灰色、紫色、緑色などに変色することが知ら
れている。組成物の変色は、最終製品の審美的観点やそ
の他の点から望ましいものではない。
【0007】化粧品、香料、塗料、接着剤、コーキング
剤、シーラントなどには、色彩による特定の効果を得る
ために、着色料が添加される場合が多い。このような製
品に添加剤(例えば、抗微生物剤)として加えられる組
成物が、白または無色からかけ離れた色であると、その
色が最終製品の色に影響を及ぼし、所望の色が得られな
い支障がある。
【0008】ところで、ピリチオン含有組成物の変色
は、組成物中に含まれるピリチオンと第2鉄イオンある
いは第2銅イオンが反応して青色や緑色など着色した沈
殿物、言いかえれば別の化合物に変化することによって
起こると考えられている。すなわち、ピリチオン含有組
成物が変色するということは、抗微生物作用をもつピリ
チオンの組成物中の含有量が低下することになり、該組
成物の抗微生物作用が低下することになる。
【0009】従来よりピリチオン含有組成物の変色を防
止する各種の提案がなされている。例えば、米国特許第
4957658号公報や同第4818436号公報に
は、塗料および機能液(例えば金属工作液)に、1−ヒ
ドロキシエタン−1,1−ジスルホン酸のアルカリ金属
塩またはアルカリ土類金属塩を添加することが記載され
ている。これらの特許公報は、変色に対して良好な解決
法を提供してはいるものの、経済的な点および効果の持
続性の点で望ましいものとはいえない。
【0010】他の例として、米国特許第4161526
号公報には、有機力ルボン酸または無機酸の亜鉛塩、水
酸化亜鉛、酸化亜鉛あるいはこれらの混合物を約0.0
1〜約1重量%を含有するピリチオン含有組成物が開示
されている。この組成物は皮膚または毛髪に使用するた
めのもので、白色ないしクリーム色を呈していることが
開示されている。
【0011】また、特表平10−513211号公報に
は、ピリチオンを含有する塗料、接着剤、コーキング
剤、シーラントなどのピリチオン含有組成物に、第2鉄
イオンまたは第2銅イオンが共存することによって生じ
る変色を防止する方法が記載されている。この方法は、
ピリチオン含有組成物と、変色を防止するのに必要な量
(組成物全重量の10〜90ppm)の有機酸の亜鉛塩
(例えば酢酸亜鉛)、無機酸の亜鉛塩(例えば硫酸亜鉛
および塩化亜鉛)、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、あるいはこ
れらの組み合わせとを接触させることからなる。
【0012】これらの組成物は、組成物中に存在するピ
リチオン、ピリチオン塩またはジピリチオンから夾雑物
(すなわち鉄ピリチオンや銅ピリチオン)が生成するこ
とによって生じる変色を防止するのに効果的であると言
われている。
【0013】しかし、添加される亜鉛化合物はその殆ど
が水溶性なので、当該組成物の使用時あるいは使用後の
廃棄時に、環境中へ亜鉛化合物が流出し、環境を汚染す
る可能性がある。
【0014】また、ここで問題にしている第2鉄イオン
または第2銅イオンの存在下でピリチオンに起因して起
こる変色は、ピリチオンと鉄あるいは銅イオンが反応す
ることによって生成する、着色した不溶性鉄ピリチオン
または不溶性銅ピリチオンの沈殿の生成よるものと考え
られる。この鉄ピリチオンまたは銅ピリチオンはピリチ
オン含有組成物を変色させるばかりでなく、該組成物中
の抗微生物作用をもつピリチオンを、該作用を持たない
鉄ピリチオンあるいは銅ピリチオンに変えてしまうの
で、組成物の抗微生物作用をも減少させてしまう。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ピリ
チオンに起因する変色を効果的に防止または改善する方
法を提供することである。より詳細には、第2鉄イオン
および/または第2銅イオンの共存下におけるピリチオ
ンが存在することに起因する変色を効果的に防止または
改善することである。また、第2鉄イオンおよび/また
は第2銅イオンが存在しても変色しないピリチオン含有
組成物を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者は鋭意研究した結果、ピリチオンにホウ酸
のアンモニウム塩または金属塩(ただし亜鉛塩を除く)
を接触させた場合、第2鉄イオンまたは第2銅イオンが
存在しても変色を防止または改善できるばかりでなく、
抗微生物作用も低減することがないことを初めて発見し
た。
【0017】すなわち本発明は、ピリチオンにホウ酸の
アンモニウム塩および金属塩(ただし亜鉛塩を除く)か
ら選ばれる少なくとも一種のホウ酸化合物を接触させる
ことを特徴とするピリチオンに起因する変色を防止また
は改善する方法、およびピリチオンと、ホウ酸のアンモ
ニウム塩および金属塩(ただし亜鉛塩を除く)から選ば
れる少なくとも一種のホウ酸化合物とを含有する組成物
を、鉄および/または銅を含む構造物に被覆することを
特徴とする、鉄および/または銅を含む構造物の変色を
防止または改善する方法に関する。なお、ピリチオンと
はその金属塩も含むものとする。
【0018】また本発明は、ホウ酸のアンモニウム塩お
よび金属塩(ただし亜鉛塩を除く)から選ばれる少なく
とも一種のホウ酸化合物を含有する、第2鉄イオンまた
は第2銅イオンの存在下での変色が防止されたピリチオ
ン含有組成物、ピリチオンにホウ酸のアンモニウム塩お
よび金属塩(ただし亜鉛塩を除く)から選ばれる少なく
とも一種のホウ酸化合物を加えることによって得られる
組成物、およびピリチオンと、ホウ酸のアンモニウム塩
および金属塩(ただし亜鉛塩を除く)から選ばれる少な
くとも一種のホウ酸化合物とを含有する組成物に関す
る。
【0019】さらに本発明は、(1)鉄および/または
銅を含む構造物と、(2)該構造物上に形成された、ピ
リチオンと、ホウ酸のアンモニウム塩および金属塩(た
だし亜鉛塩を除く)から選ばれる少なくとも一種のホウ
酸化合物とを含有する被膜とを有する変色が防止された
構造物に関する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本明細書において「変色」とは、灰色、青色、紫
色、緑色、塗料または塗料基材などの目的組成物の自然
色、または所望する人工色以外のその他の色を指すもの
とする。
【0021】本発明で使用されるピリチオンとしては、
ピリチオン酸およびピリチオン塩が含まれ、塩は抗微生
物作用を有する限り特に限定なく使用できる。好ましい
塩として、例えば、ナトリウムピリチオン、亜鉛ピリチ
オン、チトサンピリチオン、マグネシウムジスルフイド
ピリチオン等が挙げられる。なかでも好ましいものとし
てナトリウムピリチオンおよび亜鉛ピリチオンが、最も
好ましいものとして亜鉛ピリチオンが挙げられる。
【0022】ナトリウムピリチオンには周知の市販製品
があり、また米国特許第3159640号に記載されて
いるように、2−クロロピリジン−N−オキサイドをメ
ルカプトナトリウム(NaSH)および水酸化ナトリウ
ム(NaOH)と反応させることによって製造すること
もできる。
【0023】亜鉛ピリチオンも市販品があり、米国特許
第2809971号に開示されているように、ピリチオ
ン酸またはその可溶性塩を亜鉛塩(例えば、硫酸亜鉛
(ZnSO4))と反応させることによって、亜鉛ピリ
チオンの沈殿物として得ることもできる。
【0024】組成物中のピリチオンの含有量に特に限定
はなく、使用目的などによって適宜決められる。
【0025】本発明で使用されるホウ酸のアンモニウム
塩および金属塩(ただし亜鉛塩を除く)は、一般式:
【0026】xM2O・yB23・zH2
【0027】(式中、Mは、NH4または金属原子(た
だし亜鉛を除く)、xとyは正の整数、zは0あるいは
正の整数を示す)により表されるホウ素原子を中心原子
とする酸素酸の塩である。このなかで、オルトホウ酸
(xが3であり、yが1である)、二ホウ酸塩(xが2
であり、yが1である)、メタホウ酸塩(xが1であ
り、yも1である)、四ホウ酸塩(xが3であり、yが
2である)、五ホウ酸塩(xが2であり、yが5であ
る)、八ホウ酸塩(xが1であり、yが4である)が好
ましい。Mとしてはナトリウム、リチウム、カリウムな
どのアルカリ金属、マグネシウムなどのアルカリ土類金
属およびニッケルが好ましい。ただし亜鉛は除く。zは
特に限定されないが、通常0、4、5、10などが好ま
しい。
【0028】ホウ酸化合物の具体例としては、ホウ酸ア
ンモニウム・8水和物、オルトホウ酸マグネシウム、二
ホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ニッケル、メタホウ酸リチ
ウム、メタホウ酸ナトリウム、メタホウ酸カリウム、メ
タホウ酸マグネシウム、四ホウ酸リチウム、四ホウ酸ナ
トリウム、四ホウ酸カリウム、四ホウ酸三マグネシウ
ム、四ホウ酸ニッケル、五ホウ酸リチウム、五ホウ酸ナ
トリウム、五ホウ酸カリウム、八ホウ酸ナトリウム、八
ホウ酸カリウムなどが挙げられるが、これらに限定され
ない。これらのホウ酸塩の中で、好ましくは無水ホウ酸
ナトリウムおよび四ホウ酸塩、特に好ましくは無水ホウ
酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム・10水和物、四ホ
ウ酸ナトリウム・5水和物および四ホウ酸カリウム・4
水和物である。
【0029】本発明の組成物中のホウ酸化合物の量は特
に限定されず、使用目的によって適宜決められる。ホウ
酸化合物がどのような作用によってピリチオンの変色を
防止、回避または改善しているのか、詳しい作用機構は
判明していないが、おそらくホウ酸イオンが第2鉄イオ
ンまたは第2銅イオンと強力な相互作用により会合状態
を形成することによって第2鉄イオンまたは第2銅イオ
ンとピリチオンが塩を生成するのを妨げているものと考
えられる。したがってホウ酸化合物の量は、存在する第
2鉄イオンおよび/または第2銅イオンと等モル量ある
いはこれ以上であればよい。特に、本発明の組成物中に
ホウ酸イオンを10ppm〜10,000ppm、好ま
しくは100ppm〜5,000ppmの量で配合する
ことによって、組成物の変色は効果的に防止または改善
できる。
【0030】本発明のピリチオン含有組成物で使用され
る溶媒としては、水、有機溶剤が挙げられる。特に水性
組成物であることが好ましい。水性組成物の溶媒として
水道水が用いられてもよい。好ましい溶剤としては、メ
チルイソブチルケトン、キシレン、エチルベンゼン、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール、液体炭化水
素、これらの任意の組み合わせなどが挙げられる。該組
成物は、液体または展延性固形物の形態で使用され、感
染防止剤および保存剤として有用である。
【0031】本発明のピリチオン含有組成物は、各種用
途、例えば、石鹸、シャンプー、皮膚手入れ用薬剤、化
粧品、香料、水性塗料、接着剤、コーキング剤、シーラ
ント、金属加工油、油性塗料、潤滑油、石油燃料、医薬
部外品、住居用洗剤、衣料用洗剤、臨床検査試薬、木材
防黴剤、木材防腐剤、木材保存剤、切り花延命剤、コン
クリート混和剤、界面活性剤などとして使用することが
できる。あるいはピリチオン含有組成物を、プラスティ
ック、織物、不織布地に塗布しても、中に配合してもよ
い。
【0032】本発明のピリチオン含有組成物は、屋内家
庭用塗料、屋外家庭用塗料、工業用塗料、商業用塗料な
どの塗料組成物として使用されることが特に好ましい。
該組成物が、例えば船舶の船体に使用する船舶用塗料と
した場合に、特に有用な結果が得られる。さらにまた、
ピリチオンをアルキッド型屋外用塗料中に配合した場合
にも望ましい結果をもたらす。
【0033】塗料組成物は、樹脂、顔料、および増粘剤
や湿潤剤などの種々の任意の添加剤を含有する。好まし
い樹脂としては、ビニル樹脂、アルキッド樹脂、工ポキ
シ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、これらの組み合わせが挙げられる。これらの樹
脂は、好ましくは、組成物の重量に基づき、約20〜約
80%の量で使用される。
【0034】さらに、塗料組成物の粘度、湿潤力、分散
性、凍結、電気分解、発泡性に対する安定性に好ましい
影響力を及ぼす任意の添加剤を含有してもよい。例え
ば、船舶用塗料は、海洋で塗膜を徐々に剥離させるため
に、膨潤剤を含有していることが多い。こうすることに
よって、海洋水と接触している塗膜の最表面に、常に抗
微生物作用をもつピリチオンが現われる。膨潤剤の例と
しては、天然または合成クレイ、例えばカオリン、モノ
トモリロナイト、ベントナイト、クレイ雲母(白雲
母)、クロライト(ヘクトナイト)等が挙げられる。ま
た、天然または合成ポリマーを包含する膨潤剤、例えば
ポリマーゲルとして市販されているものも挙げられる。
【0035】膨潤および分散剤としては、ポリリン酸ナ
トリウム、低分子ポリ(アクリル酸)の塩、ポリ(エタ
ンスルホン酸)の塩、ポリ(ビニルスルホン酸)の塩、
ポリ(マレイン酸)の塩、およびマレイン酸とエチレン
との共重合体の塩、1−オレフィン(炭素数:3〜1
8)および/またはスチレンなどが挙げられる。
【0036】増粘剤としては、セルロース30誘導体、
例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロースおよびカルボキシメ
チルセルロース、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビ
ニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ
(アクリル酸)の塩、アクリル酸/アクリルアミド共重
合体の塩などが挙げられる。
【0037】組成物の凍結および電気分解に対する安定
性を増大させるために、組成物にジオール化合物、例え
ば、グリコール、プロピレングリコール(1,2)、ブ
チレングリコール(1,2)、これらの共重合体、およ
び(または)エトキシル化化合物を添加することができ
る。例えば、エチレンオキサイドと長鎖アルカノール、
アミン、アルキッドフェノール、ポリ(プロピレングリ
コール)またはポリ(ブチレングリコール)との反応生
成物、あるいはその組み合わせなどを添加することがで
きる。
【0038】塗料組成物の最低薄膜形成温度「ホワイト
ポイント」は、溶剤、例えば、エチレングリコール、
ブチレングリコール、エチレングリコールアセテート、
エチレングリコールジアセテート、ブチレングリコール
ジアセテート、ベンゼン、アルキル化芳香族炭化水素の
添加によって低下させることができる。
【0039】脱泡剤としては、例えば、ポリ(プロピレ
ングリコール)、ポリシロキサン類が適している。
【0040】これら任意の添加剤の総量は、好ましく
は、当該組成物の総重量に基づき20重量%よりも多く
なく、さらに好ましくは約1重量%〜約5重量%であ
る。
【0041】本発明のピリチオン含有組成物は、例え
ば、アクリルラテックスを始めとするラテックス、ラテ
ックスエマルジョン、ロジンエマルジョンなどのエマル
ジョン、非イオン性界面活性剤を始めとする界面活性
剤、分散剤、可塑剤、酸化防止剤、顔料または充填剤
(例えば、炭酸カルシウム)を含有するラテックスタイ
ル接着剤、顔料または充填剤(例えば炭酸カルシウム)
を含有するラテックスコーキングとして使用されること
も可能である。
【0042】本発明のピリチオンを含む組成物は、該組
成物に含有されているホウ酸のアンモニウム塩および/
またはホウ酸の金属塩(ただし亜鉛塩は除く)が第2鉄
イオンおよび/または第2銅イオンに接触しさえすれば
よく、その方法に特別の限定はない。慣用の方法を用い
て、各種構造物の細菌およびカビ類の抑制または改善に
使用することができ、また、噴霧、浸積、ドレンチン
グ、含浸等の慣用の方法により、その抗微生物量で、細
菌またはカビ有機体に、あるいはそれらの構造物に使用
することができる。
【0043】本発明の方法によれば、ピリチオンを含有
する組成物が鉄あるいは銅イオンによって変色すること
を防止するばかりでなく、鉄や銅イオンによって変色し
てしまったピリチオン含有組成物の色をもとの色に近い
色に改善することもできる。またここで「防止」とは変
色するのを完全に防止することはもちろん、変色の度合
いを抑制することも含む。
【0044】
【実施例】本発明を下記の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。該実施例中、別段の記載がない限り、「部」お
よび「%」はそれぞれ、「重量部」および「重量%」で
ある。
【0045】実施例1 トミサイドZ−50(吉富ファインケミカル(株) の商
品名、亜鉛ピリチオン含量48%の水性組成物)4.1
6gおよびホウ砂(四ホウ酸ナトリウム・10水和物)
0.5gを100mlガラス容器にとり、蒸留水を加え
て、ピリチオン分散液1.00g(亜鉛ピリチオン濃
度:2.0%)を得た。次いで、分散液中に100pp
mの第2鉄イオンが含有されるよう塩化第2鉄を添加し
た。ピリチオン分散液の色に変化は認められなかった。
1日間放置後も分散液の色および状態に変化は認められ
なかった。
【0046】色の変化 肉眼により観察した。
【0047】比較例1 4.16gのトミサイドZ−50を100mlガラス容
器にとり、蒸留水を加えて、ピリチオン分散液100g
(亜鉛ピリチオン濃度:2.0%)を得た。次いで、分
散液中に100ppmの第2鉄イオンが含有されるよう
塩化第2鉄を添加した。ピリチオン分散液の色は青色に
変化した。1日間放置した後に、青黒色の沈殿の生成が
認められた。
【0048】実施例2 4.16gのトミサイドZ−50を100mlガラス容
器にとり、蒸留水を加えて、ピリチオン分散液100g
(亜鉛ピリチオン濃度:2.0%)を得た。次いで、分
散液中に100ppmの第2鉄イオンが含有されるよう
塩化第2鉄を添加した。ピリチオン分散液の色は青色に
変化した。次いで、ホウ砂(四ホウ酸ナトリウム・10
水和物)0.5gを添加し、撹拌を続けたところ、撹拌
開始後5分後に変色は解消し、ピリチオン分散液の色は
白色に戻った。
【0049】実施例3 特表平10−513211号公報に記載されている実施
例を参考にして、トミサイド Z−50および四ホウ酸
ナトリウム・10水和物を含有する白色塗料試料を調製
した。塗料試料中の亜鉛ピリチオン濃度が640pp
m、ホウ酸イオン濃度が9000ppmとなった。次い
で、試料中に100ppmの第2鉄イオン濃度が含有さ
れるように塩化第2鉄を添加した。1ケ月間放置した後
もこの試料は帯青色に変色しなかった。
【0050】実施例4 特表平10−513211号公報に記載されている実施
例を参考にして、白色塗料試料を調製し、その中に、ト
ミサイドZ−50を、塗料試料中の亜鉛ピリチオン濃度
が640ppmとなるように添加した。次いで試料中に
100ppmの第2鉄イオン濃度となるように塩化第2
鉄を添加した。1日間放置した後に、この試料は帯青色
に変色していた。この時点で、試料中に100ppmの
四ホウ酸カリウムが含有されるように添加し、この試料
を6分間混合した。さらに1分間撹拌した後に、この試
料は白色になり、帯青色は認められなかった。
【0051】比較例2 特表平10−513211号公報に記載されている実施
例に従い、亜鉛化合物の効果について検証するために、
実施例3の四ホウ酸カリウムの代わりに、硫酸亜鉛を使
用する以外は、実施例3と全く同じ操作を行った。帯青
色は薄くはなったが、完全には消失しなかった。
【0052】実施例5 トミサイドS(吉富ファアインケミカル(株)の商品
名、ナトリウムピリチオン含量40%の水溶液)5.0
0gおよびホウ砂1.0gを100mlガラス容器にと
り、蒸留水を加えて、ナトリウムピリチオン溶液100
g(ナトリウムピリチオン濃度:2.0%)を得た。次
いで、溶液中に100ppmの第2鉄イオンが含有され
るように塩化第2鉄を添加した。ナトリウムピリチオン
溶液の色に変化は認められなかった。1日間放置後も溶
液の色および状態に変化は認められなかった。
【0053】比較例3 特表平10−513211号公報に記載されている亜鉛
化合物の効果について検証するために、実施例5のホウ
砂の代わりに、硫酸亜鉛を使用する以外は、実施例5と
全く同じ操作を行った。硫酸亜鉛の添加時に溶液は白濁
し、亜鉛ピリチオンが生成した。更に塩化第2鉄を添加
すると、液の色は青色に変化した。1日間放置後、灰色
の沈殿物が認められた。
【0054】
【発明の効果】化粧品、香料、塗料、接着剤、コーキン
グ剤、シーラント、金属加工油、潤滑油、石油燃料、医
薬部外品、洗剤、臨床検査試薬、木材防黴剤、木材防腐
剤、木材保存剤、切り花延命剤、コンクリート混和剤、
界面活性剤などに含有される第2鉄イオンまたは第2銅
イオンの濃度が10ppmを超える場合であっても、存
在する鉄イオンまたは銅イオンと等モル量またはそれ以
上のホウ酸のアンモニウム塩および/または金属塩(た
だし亜鉛塩を除く)あるいはその混合物を該組成物に配
合することによって、ピリチオンと結合した鉄ピリチオ
ンおよび/または銅ピリチオンの生成による変色が効果
的に防止または改善できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 C09K 15/32 C09K 15/32 A Z

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピリチオンにホウ酸のアンモニウム塩お
    よび金属塩(ただし亜鉛塩を除く)から選ばれる少なく
    とも一種のホウ酸化合物を接触させることを特徴とする
    ピリチオンに起因する変色を防止または改善する方法。
  2. 【請求項2】 ピリチオンとホウ酸化合物との接触が、
    第2鉄イオンおよび/または第2銅イオンの存在下で行
    われる請求項1記載の変色の防止または改善方法。
  3. 【請求項3】 ピリチオンとホウ酸化合物との接触が、
    第2鉄イオンおよび/または第2銅イオンの存在下で行
    われ、ピリチオンとホウ酸化合物との反応生成物が存在
    している状態で行われる請求項1記載の変色の防止また
    は改善方法。
  4. 【請求項4】 ホウ酸イオンの量が、第2鉄イオンおよ
    び/または第2銅イオンと等モル量あるいはそれ以上で
    ある請求項2記載の変色の防止または改善方法。
  5. 【請求項5】 ホウ酸化合物が、無水ホウ酸ナトリウ
    ム、四ホウ酸ナトリウム・5水和物、四ホウ酸ナトリウ
    ム・10水和物および四ホウ酸カリウム・4水和物から
    なる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載
    の変色の防止または改善方法。
  6. 【請求項6】 ピリチオンと、ホウ酸のアンモニウム塩
    および金属塩(ただし亜鉛塩を除く)から選ばれる少な
    くとも一種のホウ酸化合物とを含有する組成物を、鉄お
    よび/または銅を含む構造物に被覆することを特徴とす
    る、鉄および/または銅を含む構造物の変色を防止また
    は改善する方法。
  7. 【請求項7】 ホウ酸のアンモニウム塩および金属塩
    (ただし亜鉛塩を除く)から選ばれる少なくとも一種の
    ホウ酸化合物を含有する、第2鉄イオンまたは第2銅イ
    オンの存在下での変色が防止されたピリチオン含有組成
    物。
  8. 【請求項8】 ピリチオンにホウ酸のアンモニウム塩お
    よび金属塩(ただし亜鉛塩を除く)から選ばれる少なく
    とも一種のホウ酸化合物を加えることによって得られる
    組成物。
  9. 【請求項9】 ピリチオンと、ホウ酸のアンモニウム塩
    および金属塩(ただし亜鉛塩を除く)から選ばれる少な
    くとも一種のホウ酸化合物とを含有する組成物。
  10. 【請求項10】 第2鉄イオンおよび/または第2銅イ
    オンを含有する請求項8または9記載の組成物。
  11. 【請求項11】 ピリチオンとホウ酸化合物との反応生
    成物を含有する請求項7、8または9記載の組成物。
  12. 【請求項12】 ホウ酸イオンの量が第2鉄イオンおよ
    び/または第2銅イオンと等モル量あるいはそれ以上で
    ある請求項7または10記載の組成物。
  13. 【請求項13】 ホウ酸イオンの量が、組成物全重量に
    対して10〜10,000ppmである請求項7、8ま
    たは9記載の組成物。
  14. 【請求項14】 ホウ酸化合物が、無水ホウ酸ナトリウ
    ム、四ホウ酸ナトリウム・5水和物、四ホウ酸ナトリウ
    ム・10水和物および四ホウ酸カリウム・4水和物から
    なる群から選ばれる少なくとも1種である請求項7、8
    または9記載の組成物。
  15. 【請求項15】 組成物が、化粧品、香料、水性塗料、
    接着剤、コーキング剤、シーラント、金属加工油、油性
    塗料、潤滑油、石油燃料、医薬部外品、住居用洗剤、衣
    料用洗剤、臨床検査試薬、木材防黴剤、木材防腐剤、木
    材保存剤、切り花延命剤、コンクリート混和剤または界
    面活性剤である請求項7、8または9記載の組成物。
  16. 【請求項16】 組成物が、鉄および/または銅を含む
    構造物の被覆用組成物である請求項7、8または9記載
    の組成物。
  17. 【請求項17】 (1)鉄および/または銅を含む構造
    物と、(2)該構造物上に形成された、ピリチオンと、
    ホウ酸のアンモニウム塩および金属塩(ただし亜鉛塩を
    除く)から選ばれる少なくとも一種のホウ酸化合物とを
    含有する被膜とを有する変色が防止された構造物。
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