JP4290959B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定量の液体現像剤を表面に担持して回転する塗布部材を用いて、該塗布部材の表面に担持された液体現像剤を、該液体現像剤が塗布される被塗布部材の表面に塗布する液体現像剤の塗布方法及び塗布装置、像担持体上に形成した静電潜像を、塗布部材により被塗布部材としての現像剤担持体に塗布された液体現像剤により可視像化する現像装置、並びに該現像装置を用いた複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成装置として高粘度で高濃度の液体現像剤を使って、像担持体の表面に形成した静電潜像を可視像化する画像形成装置が知られている(例えば、特開平7−152254号公報、特開平7−209922号公報、特開平7−219355号公報等)。
この種の画像形成装置においては、まず、像担持体としての感光体の表面を、帯電手段により均一に帯電し、次いで、光書込手段により画像データにしたがって感光体の表面を露光して、該感光体の表面に静電潜像を形成する。そして、該感光体の表面に形成した静電潜像を、現像装置により現像して可視像化する。
上記現像装置は、現像ローラや現像ベルト等からなる現像剤担持体の表面に、貯蔵タンクに貯蔵した液体現像剤を、均一な厚さで薄層状に塗布するための液体現像剤の塗布装置を備えている。現像剤担持体は、上記感光体の表面に近接して配置されており、該現像剤担持体と該感光体との近接部である現像領域において、塗布装置により現像剤担持体の表面に塗布された液体現像剤が、上記感光体の表面に接触する。これにより、液体現像剤薄層中のトナーにより、感光体上の静電潜像が可視像化されて、該感光体上にトナー像が形成される。上記現像領域を通過した後の、現像剤担持体上に残留している液体現像剤は、ブレード等のクリーニング部材により除去されて、貯蔵タンクに回収される。
このようにして、上記感光体上に形成されたトナー像は、転写紙やOHPシート等の転写材上に転写される。その後、トナー像が定着装置により転写材上に定着されることにより、該転写材上に画像が形成される。尚、転写材へのトナー像の転写時に、感光体上に残留したトナーは、感光体クリーニング手段により除去される。
【0003】
上記液体現像剤としては、絶縁性液体であるキャリア液中に、樹脂及び顔料からなる固形分を分散したもの、例えば、ジメチルポリシロキサンオイル等の絶縁性液体からなる現像液溶媒中に、顕像化粒子であるトナーを高濃度に分散した50〜10,000mPa・Sの高粘度の液体現像剤が用いられる。この液体現像剤が上記感光体の表面に接触することにより、該液体現像剤中の帯電したトナーが絶縁性液体中を静電気の力によって移動して、感光体上の静電潜像を現像する。従って、液体現像剤としては、トナーの移動距離が短いほど現像効率が向上する。
そのため、現像剤担持体上には、液体現像剤のミクロン単位の薄層を形成し、この薄層化された液体現像剤を感光体に接触させて上記静電潜像を現像することが望ましい。このことは、特に50〜10,000mPa・Sの高粘度の液体現像剤を用いる場合により顕著である。
このように、上記静電潜像を液体現像剤の薄層によって現像する場合には、該薄層の厚さによって濃度が決定される。このため、上記現像装置においては、その現像剤担持体上に液体現像剤の均一な薄層を形成することが重要となる。
そこで、この種の現像装置においては、上記現像剤担持体上に液体現像剤を塗布するための塗布部材として、例えば、特開平11−265122号公報に示すように、表面に規則的な凹部が形成された塗布ローラ(アニロクスローラ)を有する液体現像剤の塗布装置が用いられている。即ち、この塗布装置においては、まず、その塗布ローラの表面に液体現像剤が担持される。そして、この塗布ローラの表面に担持された余剰の液体現像剤が、該塗布ローラの表面に接触して該塗布ローラの表面に担持される液体現像剤の塗布量を規制する塗布量規制部材としてのドクタブレードにより除去される。これにより、塗布ローラの表面に担持される液体現像剤量が計量される。このようにして計量された液体現像剤が、現像剤担持体上に直接転写塗布されることにより、上記現像装置の現像剤担持体上に、液体現像剤の均一な液体現像剤薄層が形成されるようになる。
【0004】
前記、従来の液体現像剤の塗布装置は、その塗布ローラにより、現像装置の現像剤担持体(現像ローラ)上に液体現像剤を直接転写塗布するように構成されている。このため、この塗布装置を使用した現像装置においては、塗布ローラと現像剤担持体との接触回転により、該塗布ローラの表面に施された規則的な彫刻によって、現像剤担持体の表面が削られ易く、該現像剤担持体の消耗や損傷が著しくなる。
従って、この種の塗布装置を使用する現像装置における現像剤担持体としての現像ローラや現像ベルトに対しては、
▲1▼上記感光体との接触により所定の現像ニップを形成できる低硬度のものであること。
▲2▼少なくとも表面が、バイアス印加可能な導電性を有する材料で構成されていること。
▲3▼少なくとも表面が、上記塗布ローラとの摺擦による耐磨耗性の高い機械的強度を有していること。
▲4▼少なくとも表面が、クリーニングブレードとの摺擦による耐磨耗性の高い機械的強度を有していること。
▲5▼上記感光体に対して液体現像剤を均一塗布できる平滑性を有していること。
▲6▼液体現像剤の絶縁性液体により、ローラが必要以上に膨潤しないこと。
等の諸特性が要求される。
このように、この種の塗布装置を使用する現像装置においては、その現像剤担持体としての現像ローラや現像ベルトに対して要求される仕様が厳しいため、該現像ローラや現像ベルトの選択の幅が狭く、高耐久の現像剤担持体を作ることが困難であった。特に、この現像剤担持体に対する上記要求特性のうち、▲3▼、▲4▼で示した項目が、該現像剤担持体の耐久性に係わっており、該現像剤担持体並びに画像形成装置の寿命を決定している。
しかしながら、従来の現像剤担持体では、例えば、現像ローラの表面に導電性PFAチューブを被覆したものでも、その耐久寿命が50,000枚程度であった。
そこで、現像ローラへの接触部材によるハザードを低減するために、塗布ローラと現像ローラと間に中間ローラを設けて該中間ローラを介し塗布する構成とした。
即ち、所定量の液体現像剤を表面に担持して回転する塗布部材を用いて、該塗布部材の表面に担持された液体現像剤を、該液体現像剤が塗布される被塗布部材の表面に塗布する液体現像剤の塗布方法において、上記塗布部材の表面に接触して該塗布部材の表面との接触面が該塗布部材の表面と同方向且つ等速で移動し、しかも上記被塗布部材の表面に接触して該被塗布部材の表面との接触面が該被塗布部材の表面と逆方向に移動する中間塗布部材の表面に、上記塗布部材の表面に担持された液体現像剤を塗布し、該中間塗布部材の表面に塗布された液体現像剤を、上記被塗布部材の表面に塗布するようにした。
この液体現像剤の塗布方法においては、例えば、上記塗布部材としての塗布ローラ(塗布ベルトでもよい)の回転により、該塗布ローラの表面に所定量の液体現像剤が担持される。この塗布ローラの表面に担持された液体現像剤は、該塗布ローラの表面に接触して該塗布ローラの表面との接触面が該塗布ローラの表面と同方向且つ等速で移動する上記中間塗布部材としての中間ローラ(中間ベルトでもよい)の表面に塗布される。そして、この中間ローラの表面に塗布された液体現像剤は、例えば、上記被塗布部材として現像ローラや現像ベルトの表面に塗布される。
ここで、上記中間ローラは、現像ローラや現像ベルトの表面との接触面が該現像ローラや現像ベルトの表面と逆方向に移動する。このように、この塗布方法においては、上記塗布ローラの表面に担持された液体現像剤が、上記中間ローラを介して、上記現像ローラ等に塗布される。従って、該現像ローラ等に対して塗布ローラが直接接触することがないので、該塗布ローラと該現像ローラ等との接触回転による該現像ローラ等の消耗や損傷が回避されるようになる。
【特許文献1】
特開平7−152254号公報
【特許文献2】
特開平7−209922号公報
【特許文献3】
特開平7−219355号公報
【特許文献4】
特開平11−265122号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように中間ローラを用いることにより、塗布ローラが直接、現像ローラに当接しなくなり、現像ローラの磨耗や損傷は低減された。しかしながら、下記のような従来の現像ローラと類似な課題が中間ローラにも生じている。即ち、
▲1▼トナー粒子が研磨材として作用し、中間ローラの表面に磨耗、損傷が発生する。それに起因して、現像ローラ上にトナー薄層スジが発生し、その薄層スジがスジ画像として異常画像になってしまう。
▲2▼塗布ローラ、現像ローラ、クリーニングブレードとの摺擦により、中間ローラの表面が磨耗、損傷してしまう。又、トルクアップ、振動、異音、発熱が発生する。
▲3▼中間ローラを形成する材料は、液体現像剤の絶縁性液体に対して、必要以上に膨潤してはならない。
▲4▼絶縁性の高い液体現像剤をトナー飛散させずに、安定して塗布ローラから供給(塗布)され、安定して現像ローラに供給(塗布)しなくてはならない。
これらの課題に対しては、種々工夫が施され200k枚あるいは300k枚までは解決されているが、さらなる長寿命化には対応できていないのが現状である。
そこで本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、画像形成装置の高寿命化に対応すべく、中間ローラの更なる高寿命化を図り、500k枚まで安定した機能を発現できるように改良した画像形成装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、絶縁性液体であるキャリア液中に、樹脂及び顔料からなるトナーが分散された、粘度が50〜10,000mPa・S、濃度が5〜40%の範囲内の高粘性高濃度の液体現像剤を収容する現像剤収容タンクを有し、該現像剤収容タンクより汲み上げた所定量の液体現像剤を、表面に担持して回転する塗布ローラを用いて、該塗布ローラの表面に担持された液体現像剤を、中間ローラの表面に塗布した後、更に、前記中間ローラと逆方向に回転する現像ローラの表面に塗布し、静電潜像担持体の静電潜像を現像するために、静電潜像担持体に液体現像剤を塗布する画像形成装置において、(イ)前記中間ローラの芯金上には、前記液体現像剤を構成する前記キャリア液の溶解度指数(SP値)から2以上離れている極性ゴムで構成され、粗された表面を有する弾性層が設けられ、(ロ)前記弾性層の表面には、PTFE粒子が分散されているコーティング層が設けられることにより、前記中間ローラの表面が粗されており、(ハ)前記弾性層の表面粗さが前記中間ローラの表面粗さ以上であることを最も主要な特徴とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において中間ローラのコーティング層は、硬化剤によって硬化されていることを主要な特徴とする。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において硬化剤がイソシアネート系の硬化剤であることを主要な特徴とする。
請求項4に記載の発明では、請求項2に記載の発明において硬化剤がメラミン系の硬化剤であることを主要な特徴とする。
請求項5に記載の発明では、請求項1または2に記載の発明において中間ローラのコーティング層の膜厚が10〜30μmであることを主要な特徴とする。
【0007】
請求項6に記載の発明では、請求項1または2に記載の発明において中間ローラの最大静止摩擦係数が0.5以下であることを主要な特徴とする。
請求項7に記載の発明では、請求項1または2に記載の発明において中間ローラの硬度がJIS−Aで30〜70度であることを主要な特徴とする。
請求項8に記載の発明では、請求項1または2に記載の発明において中間ローラの表面方向の電気抵抗(表面抵抗)が1.0E+13Ω以下であることを主要な特徴とする。
請求項9に記載の発明では、請求項1または2に記載の発明において中間ローラの体積方向の電気抵抗(体積抵抗)が1.0E+13Ω以下であることを主要な特徴とする。
請求項10に記載の発明では、請求項1または2に記載の発明において中間ローラ表面層には、導電剤が添加されていることを主要な特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の画像形成装置の実施形態例を示す概略図である。
この画像形成装置は、像担持体として感光体1を備えており、該感光体1のまわりには、帯電器2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、感光体クリーニング装置6等から構成されている作像手段が配設されている。
上記感光体1の材質としてはa−Si(アモルファスシリコン)、OPC等を使用でき、上記帯電器2としては、ローラやチャージャ等の形態のものを使用できる。又、上記露光装置3としては、LEDやレーザー走査光学系等を使用できる。
上記構成の画像形成装置を用いて反転現像により画像を形成する場合について図1を参照しつつ説明する。図1において、上記感光体1は、図示しないモータ等の駆動手段によって、画像形成時に一定速度で矢印方向に回転駆動される。そして、まず、感光体1の表面が上記帯電器2により暗中にて一様に帯電される。次いで、感光体1の表面に上記露光装置3により原稿光像が照射結像される。これにより、感光体1の表面に静電潜像が形成される。その後、静電潜像が現像領域Aを通過する際に、上記現像装置4により該静電潜像が可視像化(現像)されて、感光体1の表面にトナー像が形成される。
上記トナー像は、転写領域Bにて、上記転写装置5の転写ローラ501を通して印加される転写バイアスにより、該転写装置5の中間転写体(ベルト)502上に1次転写される。該中間転写体502上に1次転写されたトナー像は、図示しない2次転写領域において、図示しない2次転写手段により、コピー用紙やOHPシート等の転写材上に2次転写される。そして、トナー像が2次転写された転写材は、図示しない定着装置により該トナー像を定着された後、プリントとして機外に排出される。
一方、上記1次転写後、上記感光体1上に残留した残留電位が、除電ランプ7により除去される。又、1次転写後、感光体1上に残留した残留トナーが、上記感光体クリーニング装置6により除去されて、次の作像に備えられる。尚、上記転写装置5としては、図示の静電ローラによる方法以外の、例えば、コロナ放電による方法、粘着転写法、熱転写法等を用いることができる。又、上記定着装置としては、例えば、熱転写方式、溶剤定着、UV定着、加圧定着等を用いることができる。
【0009】
本実施形態の画像形成装置においては、上記感光体1上の静電潜像を現像する現像剤として、従来、一般的に市販され使用されているIsopar(エクソン、登録商標)をキャリアとした低粘性(1cSt程度)、低濃度(1%程度)の液体現像剤ではなく、高粘性高濃度の液体現像剤を使用している。この現像剤の粘度及び濃度の範囲としては、例えば粘度が50〜10,000mPa・S、濃度が5〜40%のものを用いることが好ましい。上記キャリア液としては、シリコーンオイル、ノルマルパラフィン、IsoparM(エクソン、登録商標)、植物油、鉱物油等の絶縁性が高いものを使用することができる。又、液体現像剤としては、目的に合わせて、揮発性のもの、又は不揮発性のものを選択して使用することができる。更に、液体現像剤のトナーの粒径としては、サブミクロンから6μm程度まで、目的に合わせて選択することができる。本実施形態例においては、キャリアとしてジメチルシロキサンオイルを、トナーとしては平均粒径3〜5μmの液体現像剤を用いた。
【0010】
次に、本実施形態に係る画像形成装置の特徴部である現像装置4について説明する。この現像装置4は、図1に示すように、内部に液体現像剤Dを収容する現像剤収容タンク401の上方に回転自在に配設された現像ローラ402と、ケーシング410内に回転自在に配設されたスイープローラ403とを備えている。又、この現像装置4は、被塗布部材としての上記現像ローラ402に液体現像剤Dを塗布するための塗布装置を備えている。この塗布装置は、塗布部材としての表面に均一なパターンの彫刻がなされている塗布ローラ404、上記現像ローラ402に液体現像剤Dを塗布する中間塗布部材としての中間ローラ405、液体現像剤Dの攪拌・搬送手段としての攪拌・搬送スクリュー406等で主に構成されている。
又、上記中間ローラ405と上記スイープローラ403とには、夫々金属ブレードもしくはゴムブレードからなるクリーニング部材408、411が備えられている。このクリーニング部材408、411としては、ブレード式のものではなく、ローラ式のものを用いてもよい。
上記塗布装置においては、上記中間ローラ405が、上記塗布ローラ404の表面に接触して該表面上の余分な液体現像剤を除去して、塗布ローラ404の表面に担持される現像剤量を規制するドクタローラとしての役割を兼ねている。そして、この中間ローラ405の表面に、塗布ローラ404に塗布され塗布量規制部材としてのドクタブレード409により計量された液体現像剤が転写される。
又、上記中間ローラ405は、図2に示すように、芯金405aの外周面に弾性体からなる弾性層405bが設けられ、更に該弾性層405bの外周面にコーティング層(滑性層)405cが設けられた構成となっている。この中間ローラ405の弾性層405bの材質としては、キャリア液・現像剤で膨潤したり溶解したりしない材質であればよく、種々の高分子材料を用いることができる。例えば、エピクロルヒドリンゴム、アクリルニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム等の極性ゴムを用いることができる。弾性層405bがキャリア液・現像剤で膨潤したり溶解したりしないようにするためには、弾性層405bの材質と、キャリア液・現像剤の溶解度指数(SP値)が2以上離れていることが望ましい。
【0011】
上記現像ローラ402は、図3に示すように、芯金402aの外周面に弾性体からなる弾性層402bが設けられ、更に該弾性層402bの外周面に導電層402cが設けられた構成となっている。ここで、上記弾性層402bの材質としては、中間ローラ405と同様、キャリア液・現像剤で膨潤したり溶解したりしない材質であればよく、種々の高分子材料を用いることができる。例えば、エピクロルヒドリンゴム、アクリルニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム等の極性ゴムを用いることができる。弾性層402bがキャリア液・現像剤で膨潤したり溶解したりしないようにするためには、弾性層402bの材質と、キャリア液・現像剤の溶解度指数(SP値)が2以上離れていることが望ましい。又、現像ローラ402は、上記感光体1との間で効率的に現像ニップを形成できるようにするために、弾性層402bのゴム硬度が、A型硬度で50度以下であることが望ましい。
上記スイープローラ403は、図3に示す現像ローラ402と同様に芯金、弾性層及び導電層の三層構造となっており、詳しくは、芯金の外周面に弾性体からなる弾性層が設けられ、更に該弾性層の外周面に導電層が設けられた構成となっている。ここで、上記弾性層の材質としてはウレタンゴムを用いることができる。又、スイープローラ403は、上記感光体1との間で効率的に除去ニップを形成できるようにするために、弾性層のゴム硬度が、A型硬度で50度以下であることが望ましい。
尚、上記スイープローラ403の弾性層の材質は、中間ローラ405と同様、キャリア液・現像剤で膨潤したり溶解したりしない材質であればよい。又、スイープローラ403は、その表面が導電性を有し、且つキャリア液・現像剤で膨潤したり溶解したりしない材質であり、その内層にキャリア液・現像剤が接触しないような構成であれば、その内層としての弾性層の材質は、上記導電性・膨潤溶解の制約がなく、弾性を有していればよい。ここで、弾性層が絶縁体である場合には、スイープバイアス電圧を、スイープローラ403の芯金からではなく、それらの表面から印加すればよい。
【0012】
又、上記現像ローラ402及びスイープローラ403と上記感光体1との間で効率的に現像ニップ及び除去ニップを形成する他の方法としては、現像ローラ402及び上記スイープローラ403を剛体とし、感光体1側に弾性層を形成するようにしてもよい。更に、このように感光体1側に弾性を持たせる他の方法として、該感光体1を無端状ベルト部材で構成してもよい。又、上記現像ローラ402及びスイープローラ403には、その表面がRz3μm以下の平滑性を有するように、コーティングもしくはチューブ被覆等の処理が施されている。
図1において、上記現像ローラ402及びスイープローラ403を上記感光体1に対して夫々適当な圧力で当接させると、該現像ローラ402及びスイープローラ403の各弾性層が弾性変形して、感光体1との間に現像ニップ及び除去ニップが形成される。特に、現像ニップが形成されることによって、液体現像剤中のトナーが上記現像領域Aの現像電界により感光体1に対して移動し付着するための、一定の現像時間が確保されるようになる。
又、現像ローラ402及びスイープローラ403と感光体1との当接圧力を調整することにより、各ニップ部における表面移動方向の幅であるニップ幅を調整することができる。これらのニップ幅は、上記現像ローラ402及びスイープローラ403の線速と現像時定数との積よりも大きな幅に設定される。ここで、現像時定数とは、現像量が飽和するまでに要する時間であって、必要最小ニップ幅をプロセス速度で除したものである。例えば、必要最小ニップ幅が3mmでプロセス速度が300mm/secであれば、現像時定数は10msec となる。
上記現像装置4の動作時においては、上記現像ローラ402の表面に、上記塗布装置の塗布ローラ404及び上記中間ローラ405によって、液体現像剤からなる現像剤薄層が形成される。このとき、現像ローラ402上に塗布される液体現像剤の厚みを、現像ローラ402の表面の1cm2当たりに担持されるトナー中の顔料含有分が3μg以上、60μg以下となるように設定した。そこで、現像ローラ402の表面に、3〜10μmの厚みの現像剤薄層を塗布するようにした。
【0013】
この理由は、現像ローラ402の表面に塗布される液体現像剤の塗布厚みが、現像ローラ表面の1cm2当たりに担持されるトナー中の顔料含有分が3μgより小さくなるような厚みでは、十分な量の顔料が上記感光体1上に形成された画像部に移動せず、該画像部の画像濃度が薄くなるおそれがあるからである。又、現像ローラ402の表面の1cm2当たりに担持されるトナー中の顔料含有分が60μgより大きくなるような厚みでは、感光体1上に形成された静電潜像を現像した後の感光体1の地肌部に残留する余剰トナーが多くなり、上記スイープローラ403による余剰トナーの除去が不完全になるおそれがあるからである。
このようにして上記現像ローラ402の表面に形成された現像剤薄層は、上記感光体1と現像ローラ402とにより形成された現像ニップを通過する際に、該感光体1の表面に接触する。これにより、現像剤薄層中のトナーが、感光体1の表面に形成された静電潜像(画像部)に移動して該静電潜像が現像される。即ち、感光体1の画像部では、トナーが感光体1側に移動し、該感光体1の地肌部(非画像部)では、現像バイアス電位と感光体電位とによって形成される電界により、現像ローラ402の表面にトナーが移動して、感光体1の地肌部に該トナーが付着しないようになる。
【0014】
ここで、上記感光体1の地肌部に付着したトナーの一部が、現像ローラ402表面まで移動しきれずに、感光体1上に残ると、感光体1上に形成された画像にカブリが生じる。上記スイープローラ403は、このような画像のカブリの原因となるトナー(以下、「カブリトナー」という)をスイープ(掃除)するために設けられている。このスイープローラ403は、図1に示すように、上記感光体1の回転方向の上記現像ローラ402よりも下流側の部位に、該現像ローラ402により感光体1上に現像されたトナー像(現像剤層)を挟むように、感光体1に押圧して設置されている。そして、このスイープローラ403の表面が、感光体1の表面と略等速で接触移動することによって、該感光体1の地肌部のカブリトナーが除去される。
上記静電潜像の現像後の、上記現像ローラ402の表面に残留した残留トナーは、ゴースト防止のために、該現像ローラ402の表面に対して逆方向に接触回転する上記中間ローラ405の表面により除去される。該中間ローラ405により現像ローラ402の表面から除去された残留トナーは、該中間ローラ405の表面に付着する。そして、該中間ローラ405の表面に付着した残留トナーは、該中間ローラ405に当接配置されているブレードからなるクリーニング部材411によって、中間ローラ405の表面から除去される。又、上記スイープローラ403により除去された液体現像剤は、該スイープローラ403のスイープ(掃除)性能維持のために、ブレードからなる上記クリーニング部材408によりスイープローラ403の表面から除去される。
【0015】
このようにして、上記各ローラ402、403、404、405から除去された液体現像剤は、上記現像剤収容タンク401に隣接して設けられた一時貯蔵部412に集められる。この一時貯蔵部412内に集められた液体現像剤は、搬送・撹拌スクリュー413によって、図示しない濃度調整部に送られ、該濃度調整部内でその現像剤濃度が調整された後、上記現像剤収容タンク401に戻されて再使用される。一時貯蔵部412には、攪拌・搬送スクリュー413、図示しない濃度検知手段、図示しない液量検知手段等が配設されており、一時貯蔵部412内に回収された液体現像剤の濃度及び液量を検知している。この検知結果に基づいて、上記濃度調整部で、新しい液体現像剤の補給やキャリアの補給が行われて、回収した液体現像剤の濃度が均一になるように調整される。ここで、現像剤収容タンク401内への液体現像剤の供給量は、該液体現像剤の消費量より若干多くなるように設定されている。これにより、現像剤収容タンク401から溢れた液体現像剤は、上記一時貯蔵部412内へ戻される。このように、液体現像剤は常に循環するようになっている。
【0016】
ところで、上述のような構成の現像装置においては、上記感光体1上に形成される画像濃度は、上記現像ローラ402の表面に塗布された液体現像剤(現像剤薄層)の厚さによって決定される。そこで、本実施形態に係る現像装置においては、上記塗布装置の塗布ローラ404として、例えば、図4に示すような、その表面に均一なパターンの凹部404aが形成されたアニロクスローラを用いている。このようなアニロクスローラは、グラビア印刷に使用されるので、グラビアローラとも呼ばれている。
この塗布ローラ404の表面の凹部404a形状としては、例えば、図5(a)に示すような斜線型、図5(b)に示すようなピラミッド型(四角錐型)、図5(c)に示すような格子型等が考えられる。本実施形態に係る塗布装置においては、転写性の良さ等の理由から斜線型の凹部404aが形成された塗布ローラ404を用いている。このように、該塗布ローラ404として上記アニロクスローラを用いることにより、その表面に担持された液体現像剤の余剰分が上記塗布量規制部材を兼ねている中間ローラ405との接触部で絞り落されることによって、塗布ローラ404の表面に、その凹部404aにより正確に計量された所量の液体現像剤が担持されるようになる。
そして、上記したようにアニロクスローラからなる塗布ローラ404の表面に正確に計量されて担持された液体現像剤が、上記中間ローラ405を介し、上記現像ローラ402の表面に転写されることによって、該現像ローラ402上に、所定量の液体現像剤からなる均一な薄層が形成される。ここで、中間ローラ405は、塗布ローラ404との接触部では該塗布ローラ404の周速と等しく且つ移動方向が同一方向となるように回転し、又、現像ローラ402との接触部では該現像ローラ402の回転方向と反対のリバース方向に回転する。これによって、該現像ローラ402の表面に液体現像剤の均一な厚さの薄層が形成される。
即ち、上記塗布ローラ404から上記中間ローラ405に転写された直後の液体現像剤の薄層は、該塗布ローラ404表面の凹部404aのパターンがそのまま転写された形状になる。そこで、中間ローラ405と現像ローラ402との接触部では、該現像ローラ402の回転方向と逆方向に該中間ローラ405を回転させる。これにより、該中間ローラ405と該現像ローラ402との周速差によって、該現像ローラ402の表面に転移した現像剤薄層が均されるようにして引き伸ばされ、該現像ローラ402の表面に均一な厚さの現像剤薄膜が形成される。
【0017】
ところで、上記アニロクスローラのような表面に凹部404aが形成された塗布ローラ404と上記現像ローラ402とを直接接触させて、該塗布ローラ404の表面に塗布された液体現像剤を、現像ローラ402の表面に塗布するような構成にした場合には、塗布ローラ404の表面の凹部404aにより、現像ローラ402の表面が摺擦されることによって、該現像ローラ402の表面が磨耗、損傷してしまう。
即ち、このような構成の場合には、上記現像ローラ402の表面と上記塗布ローラ404の表面とが、互いに異なる方向に移動することにより、常に塗布ローラ404の表面の凹部404aと大きな周速差を持って接触する。この結果、該周速差による摩擦によって、現像ローラ402の表面が磨耗、損傷されやすい。このため、このような構成の塗布装置では、現像ローラ402の寿命が著しく短くなるという不具合があった。
これに対し、本実施形態に係る塗布装置においては、上述のように、上記塗布ローラ404の表面に塗布された液体現像剤を、上記中間ローラ405を介して、上記現像ローラ402の表面に塗布するように構成されている。これにより、該現像ローラ402と塗布ローラ404とが直接接触することがなくなり、該現像ローラ402の表面が塗布ローラ404の表面の凹部404aにより、磨耗や損傷することがなくなる。
尚、中間ローラ405は、現像ローラ402に対して逆方向に回転しながら接触するが、中間ローラ405の表面には凹凸が形成されていないので、現像ローラ402の表面を傷つけることは少ない。従って、本実施形態に係る塗布装置では、上記現像ローラ402が受ける機械的なストレスが少なくなり、該現像ローラ402の寿命を延ばすことができる。
又、本実施形態に係る塗布装置の中間ローラ405は、上記塗布ローラ404と接触しているが、該中間ローラ405の表面と該塗布ローラ404の表面とは互いに等速で同一方向に回転するので、この塗布ローラ404との接触部に周速差が生じない。従って、中間ローラ405が、塗布ローラ404から受ける機械的なストレスは小さく、中間ローラ405の表面が、塗布ローラ404の表面の凹部404aにより磨耗や損傷されることは少ない。
【0018】
上述したように、上記アニロクスローラからなる塗布ローラ404を使用し、これに塗布量規制部材を当接させて、塗布ローラ404の表面に担持される液体現像剤の塗布量を計量する構成の塗布装置においては、一般的に、塗布量規制部材として、本実施形態に係る塗布装置のようなドクタブレード409を用いたり、ドクタローラを用いたりしている。上記塗布量規制部材として、上記ドクタブレード409を用いた塗布装置の場合には、比較的簡単な構成となるので、塗布装置の小型化に向いている。しかしながらドクタブレード409の塗布ローラ404に対する接触部が磨耗しやすい。又、ドクタブレード409の接触端と塗布ローラ404の表面との間に、液体現像剤に混入した異物が詰り、この現象により該塗布ローラ404の表面に塗布された現像剤薄層に塗布ムラが発生するという問題がある。
これに対し、上記塗布量規制部材として、上記ドクタローラを用いた塗布装置の場合には、該ドクタローラの磨耗が少なく、しかも上記液体現像剤に混入した異物の詰りが少ないという点で、上記ドクタブレードを用いた場合に比較して有利となる。しかし、上記塗布量規制部材としてドクタローラを用いた場合には、塗布装置自体が大型化してしまうという問題がある。
【0019】
ところで、上記中間ローラ405の表面は、上記塗布ローラ404の表面に対して、該塗布ローラ404の回転軸方向に沿うように一様に接触させることが望ましい。従って、中間ローラ405としては、前述したような弾性層405bを備えている必要がある。更に、中間ローラ405に上記塗布量規制部材としての機能を持たせるには、該中間ローラ405が、ある一定以上の圧力で上記塗布ローラ404に接触する必要がある。即ち、本実施形態に係る塗布装置では、上記塗布ローラ404の凹部404aの容積によって、該塗布ローラ404への液体現像剤の塗布量が決定される。
しかしながら上記塗布量規制部材としての上記中間ローラ405の塗布ローラ404に対する接触圧力が不十分であると、該塗布ローラ404の凹部404a以外の表面と上記中間ローラ405の表面との間を液体現像剤が通り抜けてしまうことがある。
従って、中間ローラ405の塗布ローラ404に対する接触圧力が不十分な場合には、該塗布ローラ404に塗布される液体現像剤の塗布量が、該塗布ローラ404の凹部404aの容積によって決められた塗布量にならず、適正な濃度の画像を形成できなくなってしまう。尚、この塗布ローラ404の凹部404a以外の表面と上記中間ローラ405の表面との間を通り抜ける液体現像剤の量は、該中間ローラ405及び塗布ローラ404の周速や、液体現像剤の粘度等によっても変化する。例えば、高粘度の液体現像剤ほど、該液体現像剤の通り抜けが顕著になる。このため、例えば、作像環境の温度変化等により、液体現像剤の粘度が変化することによって、上記塗布ローラ404への液体現像剤の塗布量がばらついて不安定になってしまう。
そこで、本実施形態に係る塗布装置においては、上記中間ローラ405の上記塗布ローラ404に対する接触圧力を0.2MPaに設定し、該中間ローラ405の塗布ローラ404に対する接触圧力を十分に大きくして、該塗布ローラ404に塗布される液体現像剤量を効率的に規制する規制部材(ドクタローラ)としての機能を中間ローラ405に持たせている。
【0020】
又、上記塗布ローラ404及び上記中間ローラ405は、理想的には断面が真円で、回転振れがないローラであることが望ましい。しかしながら、この種のローラの機械的な精度には限界がある。そこで、本実施形態の塗布装置における中間ローラ405においては、その弾性層405bにより上記回転振れを吸収して、中間ローラ405の外周面が、塗布ローラ404の外周面に対して常に安定して接触するようにしている。
上記中間ローラ405の弾性層405bのゴム硬度は、A型硬度で70度以下であることが望ましい。即ち、中間ローラ405の弾性層405bのゴム硬度が、70度よりも大きい場合には、該中間ローラ405の表面を、上記塗布ローラ404の表面に対して一様に接触させることが困難となる。ここで、中間ローラ405の表面を塗布ローラ404の表面に対して無理に接触させると、中間ローラ405の弾性層405bの変形に要するエネルギーが大きくなるため、この荷重を受ける中間ローラ405の芯金405aを必要以上に太く強固にしなければならない。又、中間ローラ405の弾性層405bのゴム硬度が、30度以下の低硬度の場合には、該中間ローラ405に上記塗布量規制部材としての機能を持たせるために必要となる接触圧力を得ることが難しく、該中間ローラ405の弾性層405bを大きく変形させる必要があるので、該中間ローラ405の寿命を低下させる問題がある。
そこで、本実施形態に係る塗布装置においては、その中間ローラ405の弾性層405bのゴム硬度を、A型硬度で34〜56度のものを使用した。このような中間ローラ405の弾性層405bとしては、エピクロルヒドリンゴム、アクリルニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴムのような材料を使用することができる。ところが、これらゴム材料は一般的に摩擦係数が大きいため、中間ローラ405の弾性層405bと上記被塗布部材としての現像ローラ402との接触部において、非常に大きな摩擦抵抗を生んでしまう。このような摩擦抵抗は、中間ローラ405及び現像ローラ402の駆動系の負担(トルクアップ)、振動、異音、発熱を発生させるだけでなく、中間ローラ405及び現像ローラ402の寿命を著しく低下させてしまう。
【0021】
従って、図2に示したように、上記中間ローラ405の表面に、低摩擦部材からなるコーティング層(滑性層)405cを設けている。該コーティング層(滑性層)405cは、例えば、PTFE、PFA、ETFEなどのフッ素樹脂を、上記弾性層405bの外周面にコーティングしたり、これらの樹脂でできたチューブを被覆したりして形成される。しかしながら、コーティングにおいては、フッ素樹脂の溶融温度が高いために、弾性層がダメージを受けるために制約が多く、チューブにして被覆するのが一般的である。又、他の低溶融温度の樹脂に分散して潤滑剤として使用することも多い。
上記中間ローラ405の最大静止摩擦係数(μ)を求める方法として、オイラーベルト法を採用した。詳述するに図6に示すように、PETフィルム(t=0.1)11をローラ12に載置して、一方に0.98N(100g重)の重り13を取付け、他方からデジタルプッシュプルゲ−ジ14でPETフィルム11を引っ張り、このPETフィルム11が動き出した時のデジタルプッシュプルゲ−ジ14の値を読む。この時の値をF(N)とすると最大静止摩擦係数μ=[In(F/0.98)]/(π/2)が求まる。
中間ローラ405の表面方向の電気抵抗測定方法としては、図7に示す方法を採用した。この際、測定機15として抵抗計R8340A(アドバンテスト社製)を用い、測定条件を印加電圧:100V、印加時間:30秒とした。図中16は中間ロール405に軸方向に表面接触して接片として作動する接触部材である。
中間ローラ405の体積方向の電気抵抗測定方法としては、図8に示す方法を採用した。この際、測定機として抵抗計R8340A(アドバンテスト社製)を用い、測定条件を印加電圧:100V、印加時間:30秒とした。図中18は中間ローラ405の両軸端部分に配置されこれら軸端部分に所要の荷重(500g)を作用せしめる荷重器であり、19は中間ローラ405の表面と軸方向に渡り接触して接片として作動し且つ中間ローラ405の支持をも行う支持部材である。
【0022】
以下、実施例・比較例に基づき、本発明の実施形態をより詳しく説明する。
実施例や比較例で使用したローラの試作について述べる。
弾性層としては、以下2水準を成形した。
▲1▼<弾性層E(以下Eと称する)>
φ16mmのSUS芯軸の周囲に、下記組成Aの弾性層をプレス成形(150℃×20min)した。その後、研削加工により、φ24mmに調整した。
エピクロルヒドリンゴム(ダイソー):100重量部
炭酸カルシウム:30重量部
加硫促進剤:3重量部
イオウ:1重量部
▲2▼<弾性層U(以下Uと称する)>
φ16mmのSUS芯軸の周囲に、カーボンブラックを分散したポリオール(住友バイエルウレタン)とイソシアネート(コロネートT−65)を用いて1ショット法にてウレタンエラストマーの弾性層を成形した。その後、研削加工により、φ24mmに調整した。
コーティング層としては、以下2水準を使用した。
▲1▼<ウレタン樹脂(PTFE分散)(エムラロン345:日本アチソン)(以下Emと称する)>
弾性層の周囲にスプレーコート法によりコーティング層を形成し、130℃×1hrで焼成した。コーティング層厚は20μmとした。
▲2▼<導電性ウレタン樹脂(PTFEおよびカーボンブラック分散)(エムラロン345
E:日本アチソン)(以下EmEと称する)>
弾性層の周囲にスプレーコート法によりコーティング層を形成し、130℃×1hrで焼成した。コーティング層厚は20μmとした。
硬化剤としては、以下5水準を使用した。
▲1▼シランカップリング系硬化剤3wt%(以下シラ3wt%と称する)
▲2▼シランカップリング系硬化剤5wt%(以下シラ5wt%と称する)
▲3▼イソシアネート系硬化剤5wt%(以下イソ5wt%と称する)
▲4▼メラミン系硬化剤5wt%(以下メラ5wt%と称する)
▲5▼硬化剤なし(以下「なし」と称する)
上記した、弾性層、コーティング層、硬化剤を組み合わせ、表1に示す各種ローラを試作した。各種ローラの表面粗さやうねりは、弾性層の研削加工条件を変えて、研削加工後に粗い番手の研磨テープで後加工を行う等して、調整した。
【0023】
実施例や比較例の耐久寿命及び現像ローラへのトナー転移率評価について述べる。図1の液体現像剤塗布装置の中間ローラ405として上記各種ローラを組み込んだ画像形成装置により、連続プリント試験(耐久試験)を普通紙500,000枚(500k枚)迄行った。全てのローラで円周方向にキズが発生していたが、耐久寿命の判断は、中間ローラ405表面に発生したキズが現像ローラ402上のトナー薄層形成に影響を及ぼしているかを50k枚毎に確認し、及ぼしている場合にはその時点を寿命とした。
尚、液体現像剤中のトナーの平均粒径は3〜5μmであり、各種中間ローラ405の表面粗さRzが5μmより大きい場合をトナー平均粒径より大きいとした。又、現像ローラ402には、弾性層Uに導電性PFAチューブ(膜厚50μm:グンゼ製)を被覆したφ24mmローラを用い、又、塗布ローラ404には、斜線型の凹部404aが形成されたφ20mmタイプを用いた。
【表1】
上記、比較例と実施例で、最大静止摩擦係数が最も高くなったのは、比較例2の評価後で0.52だったが、トルクアップ、異音、振動などの不具合は発生していない。それ以外は全て0.5以下だった。又、弾性層Eを用いたものは56度、弾性層Uを用いたものは34度(ともにJIS−A)だった。
【0024】
その他の比較例4〜9について詳述する。比較例4について述べるに、実施例2において、コーティング層の膜厚を8μmにした場合は、400k枚で現像ローラ402上の薄層に乱れが生じていた。中間ローラ405を観察したところ、コーティング層405cの一部が消滅し、弾性層405bが露出しており、その位置とトナー薄層が乱れていた位置は一致していた。
比較例5について述べるに、実施例2において、コーティング層の膜厚を35μmにした場合は、150k枚で現像ローラ402上の薄層に乱れが生じていた。中間ローラ405を観察したところ、コーティング層405cが割れており、その位置とトナー薄層が乱れていた位置は一致していた。
比較例6について述べるに、実施例2において、炭酸カルシウムの充填量を60重量部として、ゴム硬度を75度にした場合は、中間ローラ405上の液体現像剤層がムラ(不均一)になっていた。この現象は塗布ローラ404へのニップ幅が小さくなり、均一当接が不十分となり、液体現像剤の塗布量が不均一になったための現象である。又、ニップ部の圧力が増大したために、トナーの粉砕が起こったり、トルクアップが発生していた。
比較例8について述べるに、弾性層Uに炭素10%減量したPFAチューブ(膜厚50μm)を被覆した中間ローラ405は、表面方向の電気抵抗が5.0E+12Ω、体積方向の電気抵抗が1.0E+13Ωとなった。20k枚評価までの間に、間欠的にトナー飛散が見られた。
比較例9について述べるに、弾性層Uに炭素20%減量したPFAチューブ(膜厚50μm)を被覆した中間ローラ405は、表面方向の電気抵抗が1.0E+13Ω、体積方向の電気抵抗が3.3E+13Ωとなった。評価開始後しばらくすると、トナー飛散が顕在化した。
これらのトナー飛散現象は、液体現像剤及び中間ローラ405の絶縁性が高いため、現像ローラ402との摩擦によって、トナーが帯電してしまったために生じた現象である。それ以外の実施例や比較例では、表面方向の電気抵抗が1.0E+13Ω以下、体積方向の電気抵抗が1.0E+13Ω以下だったため、トナー飛散することなく、塗布ローラ404からの均一な液体現像剤の塗布及び現像ローラ402上に安定したトナー薄層を形成させることが可能であった。
【0025】
次に表1に示されている実施例や比較例について詳細に説明する。実施例1〜6で、耐久寿命が500k枚を達成しているのは実施例2〜5であり、表面粗さRzがトナーの平均粒径5μm以上となっている。しかし表面粗さRz12.0μmの実施例3では、耐久寿命は500k枚ちょうどであり、現像ローラ402へのトナー転移率は80%である。又表面粗さ15.0μmの実施例4では、耐久寿命は500k枚以上であるが、現像ローラ402へのトナー転移率が80%を切る71%となっている。実施例2と比較例1は弾性層の表面粗さRzが異なる。比較例1は表面粗さRz3.5μmの弾性層にコーティングし、表面粗さRz6.8μmを得ており(コーティング層で粗した)、耐久寿命は200k枚である。又寿命時の表面粗さRzは4.0μmであり、3μmほど表面粗さRzが低下している。実施例2は、表面粗さRz9.7μmの弾性層にコーティングし、Rz6.8μmを得ており、耐久寿命は500k枚以上であり、300k枚以上耐久寿命が向上している。又500k枚時点での表面粗さRzは7.3μmであり、表面粗さRzはほとんど変化していない。このことから、請求項1に記載の画像形成装置が提案できる。
実施例1と比較例2は硬化剤添加/未添加の点で異なる。比較例2は硬化剤未添加、表面粗さRz3.1μm、耐久寿命は150k枚である。実施例1は、シランカップリング系の硬化剤を5wt%添加してあり、比較例2と類似の表面粗さRz2.5μmであるが、耐久寿命は200k枚であり、50k枚耐久寿命が向上している。このことから、請求項2に記載の画像形成装置が提案できる。
【0026】
実施例7と実施例8は、夫々実施例3と実施例5と硬化剤種類の点で異なる。実施例3はシランカップリング系の硬化剤を添加してあり、表面粗さRz12.0μm、耐久寿命は500k枚である。実施例7はイソシアネート系の硬化剤を添加してあり、実施例3と類似の表面粗さRz11.6μmであるが、耐久寿命は500k枚以上であり、耐久寿命の向上が見られる。実施例8はイソシアネート系の硬化剤を添加してあり、実施例5よりややトナーの平均粒径に近い表面粗さ5.4μmであるが、耐久寿命は500k枚以上(同等以上)である。これらから、請求項3に記載の画像形成装置が提案できる。
実施例9は実施例3および実施例7と硬化剤種類の点で異なる。実施例3はシランカップリング系の硬化剤を添加してあり、Rz12.0μm、耐久寿命は500k枚である。実施例7はイソシアネート系の硬化剤を添加してあり、Rz11.6μm、耐久寿命は500k枚以上である。実施例9はメラミン系の硬化剤を添加してあり、実施例3及び実施例7と類似のRz11.8μmであるが、耐久寿命は500k枚以上である。実施例3より耐久寿命は向上し、実施例7と同等以上の耐久寿命が見られる。これらから、請求項4に記載の画像形成装置が提案できる。
比較例4及び比較例5と各実施例から、請求項5に記載の画像形成装置が提案できる。実施例1〜11から、うねりWcaについては0.73μm以上が適切と言える。
全ての比較例、実施例で、最大静止摩擦係数が最も高くなったのは、比較例2の評価後で0.52である。しかしトルクアップ、異音、振動などの不具合は発生していない。又それ以外のローラは全て0.5以下である。このことから、請求項6に記載の画像形成装置が提案できる。
比較例6及び比較例7と各実施例から、請求項7に記載の画像形成装置が提案できる。比較例8及び比較例9と各実施例から、請求項8及び請求項9に記載の画像形成装置が提案できる。
実施例11は導電剤が添加されていて、表面粗さRz6.7μmであり、耐久寿命は500k枚以上(同等以上)である。これから、請求項10に記載の画像形成装置が提案できる。
【0027】
以下、技術的根拠について詳述する。本発明の画像形成装置においては、中間ローラ405に当接する部材がいくつかあるために、中間ローラ405の高寿命化、惹いては画像形成装置自体の高寿命化を達成するためには、弾性層405bのみではその機能を十分発揮することができない。従って、弾性層405bとコーティング層(滑性層)405cに分けて、夫々で機能を分離する構成とした。
液体現像剤のキャリア液は、シリコーンオイル、ノルマルパラフィン、植物油、鉱物油等のオイルを用いるため、弾性層405bは極性ゴムでなければならない。又、極性ゴムとキャリア液のSP値(溶解度パラメーター)は2以上離れていることが望ましい。2以上離れていないと弾性層405bの膨潤あるいは溶解が発生してしまう。
コーティング層405cにはPTFE粒子が分散されていて、摩擦係数を下げる機能を有している。摩擦係数を下げることにより、現像ローラ402とのニップでのトルクアップ、異音、振動を防止することができ、画像形成装置の耐久性が向上する。
中間ローラ405の表面粗さは、該中間ローラ405の寿命(=画像形成装置の寿命)に大きく影響してくる。特に中間ローラ405上の液体現像剤層の厚みが薄くなっている、クリーニングブレードからなるクリーニング部材411との当接位置で、該クリーニング部材411のクリーニングブレードと中間ローラ405間のニップにトナーが介在し、摺擦されると、中間ローラ405表面に円周方向のキズを発生させてしまい、このキズが現像ローラ402上のトナー薄層や感光体1上のトナー薄層に影響を及ぼし、安定したトナー薄層の形成を阻害してしまう。
【0028】
中間ローラ405の表面粗さがトナーの平均粒径より大きいと、上記ニップに入り込んだトナーが中間ローラ405表面上をすり抜けやすくなるため、中間ローラ405表面を磨耗、損傷させにくくなり、円周方向のキズが発生しにくくなる。そしてこのような機能を長期に渡って発現させるには、中間ローラ405の表面粗さを大きく低下させないようにしなければならない。平滑な弾性層405b上に粗らしたコーティング層405cを塗布して、所定の表面粗さを得た場合、コーティング層405cの粗さの山位置は、潰されるように磨耗してしまい、表面粗さの低下は大きい。一方、粗らした弾性層405bに、その表面形状にならうようにコーティング層405cを塗布して、所定の表面粗さを得た場合、コーティング層405cの山位置にかかった押圧は弾性層405bの変形によって、ある程度吸収されるため、ほぼ均一に磨耗が進行していく。そのため表面粗さの変化は小さい。尚、中間ローラ405のうねりも表面粗さと類似に影響してくる。
表面粗さが大きくなるとキズの発生については有効であるが、現像ローラ402へのトナー転移率が低下する(粗さの谷位置に液体現像剤が取りこまれてしまうため)。表面粗さの大きい中間ローラ405で、現像ローラ402上に所定量の液体現像剤層を形成するには、塗布ローラ404と中間ローラ405の回転数を大きくし、中間ローラ405上の塗布量を増やせば、現像ローラ402への供給量を増やすことができるが、機械的な負荷が大きくなるため、避けなければならない。
中間ローラ405表面のキズの発生を、コーティング層405cそのものの強度を高くすることでも対応できる。硬化剤を樹脂成分に対して5wt%以上添加することで、硬化剤未添加時よりも表面層の強度を向上することができる。又、硬化剤をイソシアネート系やメラミン系にすることで、さらに表面層の強度を向上することができる。
【0029】
コーティング層405cの膜厚は、中間ローラ405の経時安定性に影響する。10μm以下の膜厚では、コーティング層405cの磨耗によってコーティング層405cが消滅してしまい、500k枚までに弾性層405b表面が露出してしまう可能性が高い。又、30μm以上の膜厚では、コーティング層405cが割れやすくなってしまい、割れた位置では、現像ローラ402上のトナー薄層が異常となる。いずれも500kまで安定した画像形成装置を提供することはできない。
中間ローラ405の硬度は、塗布ローラ404からの均一な液体現像剤の塗布及び現像ローラ402への均一な液体現像剤の塗布に影響する。即ち、硬度が高すぎると、ニップ幅が狭くなるために、均一な液体現像剤層が形成できない。硬度が低すぎると、中間ローラ405に塗布量規制部材としての機能を持たせるために必要となる接触圧力を得ることが難しくなってしまう。
中間ローラ405の電気抵抗は、絶縁性の液体現像剤を使いこなすために、少なくとも絶縁であってはならない。表面方向の電気抵抗(表面抵抗)が1.0E+13Ωを超えるコーティング層405cを用いると、トナーが摩擦帯電してしまい、トナー飛散が顕在化してしまう。表面抵抗が高いコーティング層405cを用いると、必然的に体積方向の電気抵抗(体積抵抗)も高くなり、体積抵抗が1.0E+13Ωを超えると、トナーの一部が摩擦帯電してしまい、トナー飛散が生じてしまう。
電気抵抗を調整するために、表面層を形成するコーティング層405cに導電剤を添加すれば、電気特性が容易に得られるだけでなく、導電剤の潤滑作用及び補強剤としての効果が現われ、耐久寿命が向上する方向に影響を及ぼすようになる。尚、本発明は、図示し説明した実施の形態例にのみ限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0030】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、静電潜像担持体の静電潜像を現像するために、静電潜像担持体に粘度が50〜10,000mPa・S、濃度が5〜40%の範囲内の高粘性高濃度の液体現像剤を塗布するようにした画像形成装置において用いられる中間ローラは、芯金上に、液体現像剤を構成する前記キャリア液の溶解度指数(SP値)から2以上離れている極性ゴムで構成され、粗された表面を有する弾性層が設けられ、弾性層の表面には、PTFE粒子が分散されているコーティング層が設けられることにより、中間ローラの表面が粗されており、弾性層の表面粗さが中間ローラの表面粗さ以上であるので、トナー粒子が研磨材として作用することによって生じる中間ローラ表面の円周方向のキズに対して、その発生時期を遅らせることが可能となり、またキズが発生した場合にも、そのキズ深さを浅くすることが可能となる。そのため、現像ローラ上のトナー薄層に、中間ローラ表面のキズの影響が発現しにくくなり、安定したトナー薄層を形成できるようになり、500k枚まで安定した画像形成装置を提供できる効果がある。
又、中間ローラの表面粗さRz(10点平均粗さ)を12μm以下にすることにより、中間ローラから現像ローラへのトナー転移率を80%以上の高効率で安定させることが可能となる。そのため、塗布ローラや中間ローラの回転数を必要以上に大きくすることなく、機械的な安定性が得られると共に、現像ローラ上に安定したトナー薄層を形成することができるようになり、500k枚まで安定した画像形成装置を提供できる効果がある。
又、中間ローラのうねりWca(ろ波中心線うねり)が0.73μm以上であるようにしたことにより、トナー粒子が研磨材として採用することにより生じる中間ローラ表面の円周方向のキズに対して、その発生時期を遅らせることが可能となり、またキズが発生した場合にも、そのキズ深さを浅くすることが可能となる。そのため、現像ローラ上のトナー薄層に、中間ローラ表面のキズの影響が発現しにくくなり、安定したトナー薄層を形成できるようになり、500k枚まで安定した画像形成装置を提供できる効果がある。
また、中間ローラ弾性層の表面粗さを中間ローラの表面粗さ以上にすることにより、コーティング層の磨耗による表面粗さの変化を小さく抑えることが可能となる。そのため、請求項1に記載の発明による効果が長期に渡って得られるようになり、500k枚まで安定した画像形成装置を提供できる効果がある。
請求項2に記載の発明によれば、中間ローラのコーティング層は硬化剤によって硬化されていることにより、硬化剤未添加のコーティング層よりもコーティング層そのものの強度が高くなる。そのため耐摩耗性が向上し、磨耗量が少なくなる。又、トナー粒子が研磨材として作用することによって生じる中間ローラ表面の円周方向のキズに対しても、発生数を少なくすることが可能で、そのキズ深さも浅くなる。従って500k枚まで安定した画像形成装置を提供できる効果がある。
【0031】
請求項3及び4に記載の発明によれば、上記硬化剤がイソシアネート系の硬化剤或いはメラミン系の硬化剤であることにより、コーティング層そのものの強度がより高くなる。そのため耐摩耗性が向上し、磨耗量が少なくなる。又、トナー粒子が研磨材として作用することによって生じる中間ローラ表面の円周方向のキズに対しても、発生数を少なくすることが可能で、そのキズ深さも浅くなる。従って500k枚まで安定した画像形成装置を提供できる効果がある。
請求項5に記載の発明によれば、中間ローラのコーティング層の膜厚が10μm以下の膜厚では、コーティング層の磨耗によって500k枚までにコーティング層が消滅してしまい、弾性層表面が露出しやすくなって500k枚まで安定した画像形成装置を提供することはできず、又30μm以上の膜厚では、コーティング層が割れやすくなってしまい、割れた位置では、現像ローラ上のトナー薄層が異常となって500k枚まで安定した画像形成装置を提供することはできないのに対し、中間ローラのコーティング層の膜厚を10〜30μmとしたことにより、上記不具合が生じることがなく、そのために現像ローラ上に安定したトナー薄層を形成することができる。従って500k枚まで安定した画像形成装置を提供できる効果がある。
【0032】
請求項6に記載の発明によれば、中間ローラの最大静止摩擦係数が0.5以下であることにより、すべり性が向上し耐摩耗性が向上する。又、トルクアップ、異音、振動等の機械的な不具合を防止することが可能となる。従って、500k枚まで安定した画像形成装置を提供できる。
請求項7に記載の発明によれば、中間ローラの硬度がJIS−Aで30〜70度であることにより、下記の不具合が生じることがなく、塗布ローラからの均一な液体現像剤の塗布及び現像ローラへの均一な液体現像剤の塗布が可能となり、従って500k枚まで安定した画像形成装置を提供できる。
30度以下の硬度では、中間ローラに塗布量規制部材としての機能を持たせるために必要な接触圧力を得られにくくなって500k枚まで安定した画像形成装置を提供することはできない。又70度以上の硬度では、塗布ローラへのニップ幅が小さくなるために、均一当接が不十分となり、液体現像剤の塗布量が不均一になるため、中間ローラ上の液体現像剤層がムラになりやすい。硬度が高くなったことにより、ニップ部の圧力が増大するため、トナーの粉砕が起こったり、トルクアップが発生しやすくなって500k枚まで安定した画像形成装置を提供することはできない。
請求項8に記載の発明によれば、中間ローラの表面方向の電気抵抗(表面抵抗)が1.0E+13Ω以下であることにより、絶縁性の高い液体現像剤を用いても、トナーが摩擦帯電することなく、トナー飛散が発生しない。そのため、塗布ローラからの均一な液体現像剤の塗布及び現像ローラ上に安定したトナー薄層を形成することができる。従って500k枚まで安定した画像形成装置を提供できる。
請求項9に記載の発明によれば、中間ローラの体積方向の電気抵抗(体積抵抗)が1.0E+13Ω以下であることにより、絶縁性の高い液体現像剤を用いても、トナーが摩擦帯電することなく、トナー飛散が発生しない。そのため、塗布ローラからの均一な液体現像剤の塗布及び現像ローラ上に安定したトナー薄層を形成することができる。従って500k枚まで安定した画像形成装置を提供できる。
請求項10に記載の発明によれば、中間ローラ表面層には、導電剤が添加されていることにより、請求項8及び請求項9の電気特性を容易に満足させることが可能になる。又、導電剤の潤滑作用及び補強剤としての効果から、トナー粒子が研磨材として作用することによって生じる中間ローラ表面の円周方向のキズに対しても、発生数を少なくすることが可能で、そのキズ深さも浅くなる。従って500k枚まで安定した画像形成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】本発明の画像形成装置における中間ローラの構造を示す縦断面図である。
【図3】本発明の画像形成装置における現像ローラの構造を示す縦断面図である。
【図4】本発明の画像形成装置における塗布ローラの形状を示す正面図である。
【図5】本発明の画像形成装置における塗布ローラ表面の凹部形状を示す説明図である。
【図6】本発明の画像形成装置における中間ローラの最大静止摩擦係数の測定方法を示す説明図である。
【図7】本発明の画像形成装置における中間ローラの表面方向の電気抵抗測定方法を示す説明図である。
【図8】本発明の画像形成装置における中間ローラの体積方向電気抵抗の測定方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 帯電器
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 感光体クリーニング装置
7 除電ランプ
401 現像材剤収容タンク
402 現像ローラ
403 スィープローラ
404 塗布ローラ
404a 凹部
405 中間ローラ
405a 芯金
405b 弾性層
405c コーティング層(滑性層)
406 撹拌・搬送スクリュー
412 一時貯留部
Claims (10)
- 絶縁性液体であるキャリア液中に、樹脂及び顔料からなるトナーが分散された、粘度が50〜10,000mPa・S、濃度が5〜40%の範囲内の高粘性高濃度の液体現像剤を収容する現像剤収容タンクを有し、該現像剤収容タンクより汲み上げた所定量の液体現像剤を、表面に担持して回転する塗布ローラを用いて、該塗布ローラの表面に担持された液体現像剤を、中間ローラの表面に塗布した後、更に、前記中間ローラと逆方向に回転する現像ローラの表面に塗布し、静電潜像担持体の静電潜像を現像するために、静電潜像担持体に液体現像剤を塗布する画像形成装置において、
(イ)前記中間ローラの芯金上には、前記液体現像剤を構成する前記キャリア液の溶解度指数(SP値)から2以上離れている極性ゴムで構成され、粗された表面を有する弾性層が設けられ、
(ロ)前記弾性層の表面には、PTFE粒子が分散されているコーティング層が設けられることにより、前記中間ローラの表面が粗されており、
(ハ)前記弾性層の表面粗さが前記中間ローラの表面粗さ以上である
ことを特徴とする画像形成装置。 - 中間ローラのコーティング層は、硬化剤によって硬化されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 硬化剤がイソシアネート系の硬化剤であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 硬化剤がメラミン系の硬化剤であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 中間ローラのコーティング層の膜厚が10〜30μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 中間ローラの最大静止摩擦係数が0.5以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 中間ローラの硬度がJIS−Aで30〜70度であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 中間ローラの表面方向の電気抵抗(表面抵抗)が1.0E+13Ω以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 中間ローラの体積方向の電気抵抗(体積抵抗)が1.0E+13Ω以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 中間ローラ表面層には、導電剤が添加されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
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