JP4289800B2 - 予混合圧縮自着火エンジン及びその起動運転方法 - Google Patents

予混合圧縮自着火エンジン及びその起動運転方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸気路から燃焼室に新気を吸気し、前記燃焼室に形成された混合気を圧縮自着火させて燃焼させる予混合圧縮自着火エンジンに関し、特に、このような予混合圧縮自着火エンジンの起動させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、自然着火を積極的に利用する圧縮自着火エンジンのコンセプトが話題になっている。この種の予混合圧縮自着火エンジンは、ディーゼルエンジンのパティキュレートを防止する目的でも開発が進められている。着火形式は、ディーゼルエンジンと同様に、断熱圧縮を利用した自然着火形式であるが、圧縮空気中に燃料を噴射するのではなく、主には、火花点火式のエンジンの様に空気(酸素含有ガスの一例)と燃料の予混合気を燃焼室に形成し、圧縮によって自然着火燃焼させ、クランク軸の回転を続ける。
この手法をガスエンジンに適用すれば、圧縮比を増大させ、高い効率を得ることが可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この種の予混合圧縮自着火エンジンとしては、起動運転時に燃焼室温及び燃焼室壁温を昇温させる有効な暖機技術がなく、久しく要望されていた。
予混合圧縮自着火エンジンでは、断熱圧縮による温度上昇によって燃料の自己着火を用いて燃料を燃焼させるが、燃焼室温及び燃焼室壁温がある一定の温度に達していないとこの自己着火は確実に起こらない。このため、起動時に予混合圧縮自着火エンジンを安定して運転するためには、ある一定時間の暖機運転を行って前記燃焼室温及び燃焼室壁温を昇温させる必要がある。ところが、上述した従来の予混合圧縮自着火エンジンを備えた内燃機関によれば、有効な暖機技術がないため、スムーズな予混合圧縮自着火エンジンの起動を行うことができなかった。
【0004】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、予混合圧縮自着火エンジンの起動をスムーズに行うことができる技術を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔構成1〕
本発明に係る予混合圧縮自着火エンジンは、請求項1に記載したごとく、前記新気を加熱可能な加熱手段と、
排ガス再循環率を調整可能な排ガス再循環率調整手段と、
入力された運転開始指令に基づいて運転を開始するに、前記加熱手段により前記燃焼室に吸気される前記新気を暖機温度に加熱すると共に前記排ガス再循環率調整手段により前記排ガス再循環率を第1設定値に設定する第1運転と、前記加熱手段の加熱量を低下させると共に前記排ガス再循環率調整手段により前記排ガス再循環率を前記第1設定値よりも大きい第2設定値に設定する第2運転とを記載の順に行う起動運転手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る予混合圧縮自着火エンジンの起動運転方法は、請求項8に記載したごとく、前記予混合圧縮自着火エンジンの運転を開始させる起動運転方法であって、
前記新気を暖機温度に加熱すると共に排ガス再循環率を第1設定値に設定する第1運転を行って前記予混合圧縮自着火エンジンを運転する第1運転工程を実行し、
後に、前記予混合圧縮自着火エンジンの運転状態の検知結果に基づいて、第1運転を、前記新気に対する加熱量を低下させると共に前記排ガス再循環率を前記第1設定値よりも大きい第2設定値に設定する第2運転に切り換えて、前記予混合圧縮自着火エンジンを運転する第2運転工程を実行することを特徴とする。
尚、本願における排ガス再循環率とは、1サイクルにおいて新気に再循環される排ガス量の燃焼室容量に対する割合である。
【0006】
〔作用効果〕
即ち、本構成の予混合圧縮自着火エンジンは、入力された運転開始指令に基づいてエンジンの運転を開始するものであって、運転を開始するに、前記起動運転手段が働き、前記加熱手段及び前記排ガス再循環率調整手段を適切に働いて、スムーズに運転を開始するものである。
詳しくは、起動運転手段は、起動運転初期において、加熱手段により、予混合圧縮自着火エンジンにおける燃焼室温及び燃焼室壁温がある一定の温度に達していない状態でも、燃焼室において混合気が圧縮自着火することができるように、新気を暖機温度に加熱して燃焼室に形成される混合気を例えば50℃から250℃程度に昇温させる第1運転を行って、燃焼室において、昇温された混合気を圧縮自着火させて燃焼させる第1運転工程を行う。そして、起動運転手段は、起動運転後期において、燃焼室温及び燃焼室壁温が、例えば加熱手段を停止させたりして加熱手段の加熱量を低下させたときでも、燃焼室で混合気を圧縮自着火させることができる程度に昇温されたときに、前記第1運転を前記第2運転に切り換え、加熱手段の加熱量が低下され温度低下した混合気を圧縮自着火させて燃焼させる第2運転工程を行う。
【0007】
しかし、起動運転手段が第1運転から第2運転に切り換えるときに、単に加熱手段の加熱量を低下させると、燃焼室に形成される混合気の温度が急に低下するので、第2運転を開始した直後において混合気を充分に圧縮自着火させることができない場合があり、予混合圧縮自着火エンジンの運転状態が急変し、失火や運転停止の原因となる。そこで、本構成の予混合圧縮自着火エンジンにおいては、新気に高温の排ガスを再循環させると共に、その排ガス再循環率を調整可能な排ガス再循環率調整手段が設けられており、さらに、起動運転手段は、前記第1運転を行って第1運転工程を行うときには、排ガス再循環率を小さめの第1設定値に設定して、後に加熱手段の加熱量を低下させて前記第2運転を行って第2運転工程を行うときには、排ガス再循環率を、前記加熱量の低下を補って混合気の温度を適当なものに維持することができる程度の第2設定値に切り換えるように構成されている。
このように構成することで、起動運転手段が、加熱手段の加熱量を低下させて第2運転を開始するときに、加熱手段の加熱量低下による混合気の温度低下を、排ガス再循環率の増加により緩和することで、充分に混合気を圧縮自着火させることができ、切り換え時の失火や運転停止を防止することができる。
よって、簡単な構成で第1運転工程から第2運転工程への切り換えをスムーズに行って運転を開始することができる予混合圧縮自着火エンジン及びその起動運転方法を実現できる。
【0008】
〔構成2〕
本発明に係る予混合圧縮自着火エンジンは、請求項2に記載したごとく、上記構成1の予混合圧縮自着火エンジンの構成に加えて、前記排ガス再循環率調整手段が、前記燃焼室に設けられた排気弁の閉時期調整により、前記燃料室における排ガス残留率を調整して、前記排ガス再循環率を調整する手段であることを特徴とする。
【0009】
〔作用効果〕
エンジンは、排気行程において排気弁の閉時期を上死点に対して進角させることで、排気弁が閉となった以降に排気路に排出されるはずであった排ガスの一部を燃焼室に残留させ、次の吸気行程においてこの残留した排ガスを新気に再循環させる排ガス再循環を行うことができる。
そして、本構成の予混合圧縮自着火エンジンの排ガス再循環率調整手段を、上死点に対して進角して閉じられる排気弁の閉時期を調整して、新気に再循環される排ガスの燃焼室における残留率、即ち排ガス再循環率を調整するように構成することができる。このように構成した排ガス再循環率調整手段は、簡単な構成で実現できるうえに、排ガス再循環率を変化させるときに、排気弁の閉時期を調整した次の吸気行程における排ガス再循環率を調整可能であるため、瞬時に排ガス再循環率を変更可能であるので、本構成の予混合圧縮自着火エンジンにおいて起動運転手段が第1運転から第2運転に切り換えるときに、加熱手段の新気に対する加熱量低下に追従させて、排ガス再循環率を第1設定値から第2設定値に変化させることができ、排ガス再循環率変化の遅れによる動作不良等を防止することができる。
【0010】
また、逆に、エンジンは、排気行程において排気弁の閉時期を上死点に対して遅角させることで、排気路に排出された排ガスの一部を、吸気行程初期に再度燃焼室に吸気して、吸気行程においてその吸気した排ガスを新気に再循環させる排ガス再循環を行うことができ、排ガス再循環率調整手段を、上死点に対して遅角して閉じられる排気弁の閉時期を調整して排ガス再循環率を調整するように構成することができるが、このように構成した場合は、排気路内の脈動等により燃焼室に再度吸気する排ガスの量を正確に調整することが困難となるので、、排気弁の閉時期を上死点に対して進角させるように構成して、排ガスを残留させて排ガス再循環を行うほうが好ましい。
【0011】
〔構成3〕
本発明に係る予混合圧縮自着火エンジンは、請求項3に記載したごとく、前記新気を加熱可能な加熱手段と、
前記燃焼室の実圧縮比を調整可能な実圧縮比調整手段と、
入力された運転開始指令に基づいて運転を開始するに、前記加熱手段により前記燃焼室に吸気される前記新気を暖機温度に加熱すると共に前記実圧縮比調整手段により前記実圧縮比を第1設定値に設定する第1運転と、前記加熱手段の加熱量を低下させると共に前記実圧縮比調整手段により前記実圧縮比を前記第1設定値よりも大きい第2設定値に設定する第2運転とを記載の順に行う起動運転手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る予混合圧縮自着火エンジンの起動運転方法は、請求項9に記載したごとく、予混合圧縮自着火エンジンを、入力された運転開始指令に基づいて起動させる起動運転方法であって、
前記新気を暖機温度に加熱すると共に前記燃焼室の実圧縮比を第1設定値に設定する第1運転を行って前記予混合圧縮自着火エンジンを運転する第1運転工程を実行し、
後に、前記予混合圧縮自着火エンジンの運転状態の検知結果に基づいて、前記第1運転を、前記新気に対する加熱量を低下させると共に前記実圧縮比を前記第1設定値よりも大きい第2設定値に設定する第2運転に切り換えて、前記予混合圧縮自着火エンジンを運転する第2運転工程を実行することを特徴とする。
【0012】
〔作用効果〕
即ち、本構成の予混合圧縮自着火エンジンは、前述の構成と同様に、入力された運転開始指令に基づいて運転を開始するものであって、運転を開始するに、前記起動運転手段が働き、前記加熱手段及び前記実圧縮比調整手段を適切に働いて、スムーズに運転を開始するものである。
詳しくは、起動運転手段は、起動運転初期において、加熱手段により新気を暖機温度に加熱する第1運転を行って第1運転工程工程を行い、起動運転後期において、加熱手段による新気に対する加熱量を低下させる前記第2運転に切り換えて第2運転工程を行う。
しかし、起動運転手段が第1運転から第2運転に切り換えるときに、単に加熱手段の加熱量を低下させると、燃焼室に形成される混合気の温度が急に低下するので、第2運転を開始した直後において混合気を充分に圧縮自着火させることができない場合があり、予混合圧縮自着火エンジンの運転状態が急変し、失火や運転停止の原因となる。そこで、本構成の予混合圧縮自着火エンジンにおいては、実圧縮比調整手段が設けられており、さらに、起動運転手段は、前記第1運転を行って第1運転工程を行うときには、燃焼室の実圧縮比を小さめの第1設定値に設定して、後に加熱手段の加熱量を低下させて前記第2運転を行って第2運転工程を行うときには、実圧縮比を、前記加熱量の低下を補って混合気を圧縮自着火させることができる程度の第2設定値に切り換えるように構成されている。
このように構成することで、起動運転手段が、加熱手段の加熱量を低下させて第2運転を開始するときに、加熱手段の加熱量低下により圧縮自着火し難い温度に低下した混合気を、実圧縮比の増加により充分に圧縮自着火させることができ、切り換え時の失火や運転停止を防止することができる。
よって、簡単な構成で第1運転工程から第2運転工程への切り換えをスムーズに行って運転を開始することができる予混合圧縮自着火エンジン及びその起動運転方法を実現できる。
【0013】
〔構成4〕
本発明に係る予混合圧縮自着火エンジンは、請求項4に記載したごとく、上記構成3の予混合圧縮自着火エンジンの構成に加えて、前記実圧縮比調整手段が、前記燃焼室に設けられた吸気弁の閉時期調整により、圧縮ストロークを調整して、前記実圧縮比を調整する手段であることを特徴とする。
【0014】
〔作用効果〕
エンジンは、吸気弁の閉時期を下死点に対して遅角又は進角させることで、ピストンは、その吸気弁が閉となった位置から上死点までの圧縮ストロークにおいてでしか混合気を圧縮することができなくなる。
そして、本構成の予混合圧縮自着火エンジンの実圧縮比調整手段を、下死点に対して遅角又は進角して閉じられる吸気弁の閉時期を調整して、ピストンの下死点から上死点までの全ストロークに対する前記圧縮ストローク率を調整して、実際の実圧縮比を調整するように構成することができる。このように構成した実圧縮比調整手段は、簡単な構成で実現できるうえに、過給機等と違って、実圧縮比を瞬時に変更可能であるため、本構成の予混合圧縮自着火エンジンにおいて起動運転手段が第1運転から第2運転に切り換えるときに、加熱手段の新気に対する加熱量低下に追従させて、実圧縮比を第1設定値から第2設定値に変化させることができ、実圧縮比の変化の遅れによる動作不良等を防止することができる。
【0015】
〔構成5〕
本発明に係る予混合圧縮自着火エンジンは、請求項5に記載したごとく、上記構成1から4の予混合圧縮自着火エンジンの構成に加えて、前記予混合圧縮自着火エンジンの運転状態を検知する運転状態検知手段を備え、
前記起動運転手段が、前記運転状態検知手段により前記第2運転が実施可能な前記運転状態を検知したときに、前記第1運転を前記第2運転に切り換えることを特徴とする。
【0016】
〔作用効果〕
本発明の予混合圧縮自着火エンジンの起動運転手段は、前記第1運転を行って第1運転工程を行った後に、前記第1運転を前記第2運転に切り換えて前記通常運転を行うのであるが、この第1運転から前記第2運転へ切り換えるタイミングを適正に判断することが重要である。
そこで、本構成の予混合圧縮自着火エンジンにおいては、前記運転状態検知手段を設けることで、前記予混合圧縮自着火エンジンにおける燃焼室内温度、新気の温度若しくは圧力、排ガスの温度等の運転状態を検知することができ、さらに、起動運転手段は、第1運転を行って第1運転工程を行っているときに、この運転状態検知手段により検知された運転状態が、次に第2運転に切り換えても燃焼室において混合気を圧縮自着火させることができる程度となったことを検知したときに、前記第2運転への切り換えが可能と判断して、第2運転を行い第2運転工程を行う。
よって、簡単な構成で第1運転工程から第2運転工程への切り換えを一層スムーズに行って運転を開始することができる予混合圧縮自着火エンジンを提供できる。
【0017】
〔構成6〕
本発明に係る予混合圧縮自着火エンジンは、請求項6に記載したごとく、上記構成1から5の予混合圧縮自着火エンジンの構成に加えて、前記加熱手段が、前記吸気路において、前記新気に含まれる酸素の一部を利用してバーナ用燃料を燃焼させ、前記新気を加熱するバーナ装置であることを特徴とする。
【0018】
〔作用効果〕
上記のように、加熱手段として、吸気路において、バーナ用燃料を噴出させて燃焼させるバーナ装置を備え、このバーナ用燃料を新気に含まれる酸素の一部を利用して燃焼させ、この燃焼排ガスを新気に混入して新気を加熱することができる。
また、バーナ装置は、吸気路の新気に含まれる酸素の一部を利用してバーナ用燃料を燃焼させるので、燃焼室においては、残部の酸素を利用して、燃料が圧縮自着火燃焼することになる。
よって、加熱手段を簡単に構成することができる。
【0019】
また、加熱手段をバーナ装置として構成する場合は、バーナ装置を、バーナ用燃料を間欠的に燃焼させるパルスバーナ、若しくはバーナ燃料を互いに衝突するように噴出して燃焼させるインパクトバーナとして構成することができる。
このようなパルスバーナ及びインパクトバーナは、燃焼量を変化させる幅(TDR)が、通常の例えばブンゼンバーナと比べて広いので、最適な燃焼量を得ることが容易であり、好都合である。パルスバーナは、バーナ用燃料を間欠的に燃焼させるため、その間欠燃焼時間を変化させることによって広いTDRを取ることができる。インパクトバーナはバーナ用燃料を複数のノズルから噴出して互いに衝突させることにより、その衝突部に渦を発生させ、保炎を容易に行うことができるため、広いTDRを取ることができる。
【0020】
〔構成7〕
本発明に係る予混合圧縮自着火エンジンは、請求項7に記載したごとく、上記構成1から6の予混合圧縮自着火エンジンの構成に加えて、前記起動運転手段が、前記第2運転を行った後に、前記第2運転を行って前記第2設定値に設定された設定対象を、前記第2設定値よりも小さい第3設定値に減少させる第3運転を行う手段であることを特徴とする。
【0021】
〔作用効果〕
本発明の予混合圧縮自着火エンジンにおいて、起動運転手段により第1運転を行って第1運転工程を行った後に、第2運転を行って第2運転工程を行うのであるが、第2運転に切り換えた後においても、予混合圧縮自着火エンジンの暖機が徐々に進行し、そのままだと、燃焼室において混合気が過早着火してノッキング等が発生する虞がある。
そこで、本構成のごとく、起動運転手段により、前記第2運転を行った後に、前記第3運転を行い、暖機の進行につれて、排ガス再循環率又は実圧縮比の設定対象を前記第2設定値から前記第3設定値まで連続的又は段階的に低下させることで、第2運転工程において暖機の進行が止まり安定して運転されるまでに、暖機の進行状態に合わせて排ガス再循環率又は実圧縮比を好ましいものに設定して、エンジンを安定して運転することができる。
尚、第3設定値は、エンジンが完全に暖機されたときにおける排ガス再循環率又は実圧縮比の値である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の予混合圧縮自着火エンジン1に関する実施の形態を図面に基づいて説明する。
本願における予混合圧縮自着火エンジン1は、燃焼室9に吸気される新気を加熱可能な加熱手段3と、加熱手段3を働かせて、吸気弁6及び排気弁5の開閉時期を調整可能な開閉タイミング可変機構4を備えており、加熱手段3及び開閉タイミング可変機構4は夫々制御装置22により制御される。
【0023】
前記予混合圧縮自着火エンジン1は、吸気弁5及び排気弁6を備えたシリンダ7と、このシリンダ7内に収納されるピストン8を備えて構成されている。
このシリンダ7とピストン8との間に形成されている空間が、燃焼室9である。ピストン8は連結棒10によってクランク軸11に接続されており、ピストン8の往復動は連結棒10によってクランク軸11の回転運動として得られる。この構成により、吸気路12内の新気としての混合気は吸気弁5を介し燃焼室9内へ吸気され、圧縮、膨張行程を経た後、排ガスが排気弁6を介して排気路13側へ排気される。
【0024】
また、予混合圧縮自着火エンジン1は、ミキサ15を備えており、ミキサ15は、上流側から供給される空気Aに、天然ガスである燃料Gを遮断弁21及び流量調整弁20を介して供給することで、吸気路12に混合気を形成することができ、制御装置22によって流量調整弁20を制御することで、形成される混合気の空燃比を調整するように構成されている。ミキサ15により形成された混合気は、吸気路12から燃焼室9に吸気される。
【0025】
予混合圧縮自着火エンジン1の動作サイクルは、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程を経て一サイクルを完了する4サイクルエンジンとして構成されている。
通常、4サイクルエンジンは、前記吸気行程においては、吸気弁5のみが開状態とされて、吸気路12内の混合気の吸気が行われる。圧縮行程においては、吸気弁5及び排気弁6が共に閉状態とされピストン8が燃焼室9の容積を減少させる方向に移動し、燃焼室9内において混合気の圧縮が起こる。この圧縮が完了する状態におけるピストンの位置が、上死点と呼ばれ、予混合圧縮自着火エンジン1における混合気の圧縮自着火は、この位置の近傍にピストン8があるタイミングで起こる。膨張行程は、燃焼によって発生する高圧ガスによりピストン8が燃焼室9の容積を増加させる方向に移動する行程である。この行程にあっても、吸気弁5及び排気弁6が共に閉状態とされる。さらに、排気行程においては、排気弁6のみが開状態とされ、ピストン8の燃焼室9内空間を減少させる方向への移動に伴って燃焼室9内の排ガスが排出される。
基本的に予混合圧縮自着火エンジン1も、着火形式が、予混合気を圧縮して、この断熱圧縮に伴って発生される熱による予混合気の自然着火である以外、他のエンジンと変わるところはない。
尚、本実施形態の予混合圧縮自着火エンジン1の仕様は、シリンダのボア径が110mm、ピストン8のストロークが106mm、圧縮比が18となっており、定常運転において、大気圧程度で当量比0.3程度の混合気を圧縮自着火燃焼させ、回転数1200ppm程度でクランク軸11を回転させるように構成されている。
【0026】
さらに、予混合圧縮自着火エンジン1は、加熱手段3としてバーナ装置14を備えており、このバーナ装置14の詳細について図1及び図2に基づいて説明する。
図2に示すように、バーナ装置14は、燃料Gを互いに衝突するように噴出して燃焼させて、保炎を強化するように構成されており、このことによって燃焼量の変化割合(TDR)を大きく取ることができるインパクトバーナである。
バーナ装置14は、両端が絞られたバーナ燃焼室49を規定し、両端に流入口45と排出口44とを有する筒体43と、流入口45の外周部にフランジ42と、排出口44の外周部にフランジ41とを備えており、フランジ42が内燃機関1において空気Aが流入する側に接続され、フランジ41がミキサ15及び予混合圧縮自着火エンジン1側に接続されている。
【0027】
さらに、バーナ装置14は、制御装置22によって制御される流量調整弁19を介して燃料Gをバーナ燃焼室49に導くための配管部材46と、配管部材46のバーナ燃焼室49における端部にバーナノズル46aと、バーナノズル46aの噴出方向の近傍に火花を発生するスパークロット48とを備えている。そして、制御装置22によって、流量調整弁19を働かせて燃料Gをバーナノズル46に設けられた複数の噴孔(図示せず)からバーナ燃焼室49に互いに衝突させながら噴出させるのと共に、スパークロット48を働かせてこの噴出した燃料Gを着火することで、バーナ燃焼室49においてコンパクトな炎で燃焼させることができる。このバーナ装置14により、吸気路12を流通する空気Aに含有される酸素の一部を利用して燃料Gを燃焼させ、この高温の燃焼排ガスが混入され昇温した空気Aを排出口44から吸気路12に排出することができる。また、このようなインパクトバーナは、通常のバーナ例えばブンゼンバーナと比べて保炎性がよく、燃焼量を変化できる幅(TDR)が大きいため、最適な燃焼量を取ることが容易である。
また、バーナ燃焼室49には、フレームロット47が備えられ、バーナ燃焼室49における火炎を検出して、制御装置22に出力し、バーナ装置14が正常に運転されているかを確認することができる。
【0028】
さらに、予混合圧縮自着火エンジン1は、制御装置22に設けられた排ガス再循環率調整手段22b又は実圧縮比調整手段22cにより制御される開閉タイミング可変機構4を備えており、その制御方法について説明する。
排ガス再循環率調整手段22bは、燃焼室9に吸気される混合気に再循環される排ガスの排ガス再循環率を調整するためのものであり、燃焼室9に設けられた排気弁5の閉時期調整により、燃料室9における排ガス残留率を調整して、排ガス再循環率を調整する手段である。
即ち、予混合圧縮自着火エンジン1の排気行程において、排気弁5の閉時期を、上死点に対して進角させることで、排気弁5が閉となった以降に排気路に排出されるはずであった排ガスの一部を燃焼室9に残留させ、次の吸気行程においてこの残留した排ガスを新気に再循環させることができ、排ガス再循環率調整手段22bは、このように上死点に対して進角して閉じられる排気弁5の閉時期を調整して、排ガスの燃焼室9における残留率、即ち排ガス再循環率を調整するように構成されている。
【0029】
実圧縮比調整手段22cは、燃焼室9の実際の実圧縮比を調整するためのものであり、燃焼室9に設けられた吸気弁6の閉時期調整により、ピストン8の全ストロークに対する圧縮ストローク率を調整して、実圧縮比を調整する手段である。
即ち、吸気弁6の閉時期を、下死点に対して遅角又は進角させることで、ピストン8は、その吸気弁6が閉となった位置から上死点までの圧縮ストロークにおいてでしか混合気を圧縮することができなくなり、実圧縮比調整手段22cは、このように下死点に対して遅角又は進角して閉じられる吸気弁6の閉時期を調整して、ピストン8の下死点から上死点までの全ストロークに対する圧縮ストローク率を調整して、実際の実圧縮比を調整するように構成されている。
【0030】
さらに、予混合圧縮自着火エンジン1の制御装置22には、予混合圧縮自着火エンジン1の運転を開始するための起動運転手段22aが設けられており、この起動運転手段22aは、加熱手段3と、排ガス再循環率調整手段22b及び実圧縮比調整手段22cの少なくとも一方とを制御して、予混合圧縮自着火エンジン1の起動運転を行うように構成されている。
【0031】
〔実施例1〕
次に、起動運転手段22aにより排ガス再循環率調整手段22bを制御する場合における予混合圧縮自着火エンジン1の起動運転方法について、その流れに沿って説明する。
先ず、予混合圧縮自着火エンジン1の運転を開始する前に、制御装置22に運転開始指令が入力される。しかし、その時点において予混合圧縮自着火エンジン1の特に燃焼室壁9aは未だ低温であり、定常運転と同様に常温の予混合気を供給しても、完全に圧縮自着火させることができない。
【0032】
そこで、本発明の予混合圧縮自着火エンジン1においては、制御装置22の起動運転手段22aが、運転開始指令が入力された後に、例えばクランク軸11をセルモータ23により500〜1200rpm程度で回転させながら、バーナ装置14を働かせて、ミキサ15及び燃焼室9側に高温の燃焼排ガスを供給して、予混合圧縮自着火エンジン1を暖機する。このような暖機は、温度センサ16により検知される吸気路12内の温度、即ち吸気路12を流通する温度が所定の値に昇温するまで行われ、たとえば1分程度行われる。尚、本実施形態においてバーナ装置14は、バーナ用燃料Gを、吸気路12内の酸素の一部を利用して当量比0.1〜0.2程度で燃焼させるように構成され、吸気路12内の燃焼排ガスが混入された空気Aの温度は200℃から250℃程度となる。
【0033】
次に、制御装置22の起動運転手段22aは、加熱手段3により混合気を暖機温度に加熱すると共に排ガス再循環率調整手段22bにより排ガス再循環率を第1排ガス再循環率(第1設定値)に設定する第1運転を行う。
即ち、起動運転手段22aは、第1運転において加熱手段3により混合気を暖機温度に加熱するに、バーナ装置14を運転したまま、流量調整弁20を働かせてミキサ15に燃料Gを供給して、吸気路12の燃焼排ガスが混入されて昇温した空気Aに燃料Gを供給して、吸気路12に例えば当量比0.3程度の加熱された混合気を形成する。そして、その加熱された混合気は吸気路12から燃焼室9に吸気される。尚、このときに、起動運転手段22aは、温度センサ16等で混合気の温度を検出しながら、バーナ装置14における燃焼量を制御して、燃焼室9に吸気される混合気の温度を、50℃〜250℃程度、好ましくは150℃〜200℃程度の範囲内の暖機温度に設定する。
さらに、起動運転手段22aは、排ガス再循環率調整手段22bにより排ガス再循環率を第1排ガス再循環率に設定するに、排ガス再循環率調整手段22bにより排気弁5の閉時期を調整して、燃焼室9に残留する排ガスの割合、言換えれば排ガス再循環率を第1排ガス再循環率としての例えば6%程度に設定する。
このように起動運転手段22aにより第1運転を行うことで、燃焼室9には加熱された混合気が供給されるので、燃焼室壁9aが未だ低温状態であっても、燃焼室9においてこの混合気を圧縮自着火燃焼させることができ、クランク軸11の回転を維持しながら、予混合圧縮自着火エンジン1の暖機運転を行うことができ、このような工程を第1運転工程と呼ぶ。
【0034】
次に、制御装置22の起動運転手段22aは、加熱手段3の加熱量を低下させると共に排ガス再循環率調整手段22bにより排ガス再循環率を第1排ガス再循環率よりも大きい第2排ガス再循環率(第2設定値)に設定する第2運転を行う。
即ち、起動運転手段22aは、第2運転において加熱手段3の加熱量を低下させるに、バーナ装置14の燃焼量を、バーナ装置14が停止するまで徐々に低下させる。すると、吸気路12内の混合気の温度は徐々に低下する。
そこで、起動運転手段22aは、排ガス再循環率調整手段22bにより排ガス再循環率を第1排ガス再循環率よりも大きい第2排ガス再循環率に設定するに、排ガス再循環率調整手段22bにより排気弁5の閉時期を調整して、排ガス再循環率を第1排ガス再循環率から第2排ガス再循環率としての例えば20%〜30%程度まで徐々に増加させる。
このように起動運転手段22aにより第1運転の後に第2運転を行うことで、吸気路12から燃焼室9に吸気される混合気の温度が低下しても、排ガス再循環率を増加させて燃焼室9において混合気に再循環させる高温の排ガス量を増加させることで、燃焼室9においてこの混合気を圧縮自着火燃焼させることができ、バーナ装置14を停止した状態である予混合圧縮自着火エンジン1の定常運転にスムーズに移行することができ、このような工程を第2運転工程と呼ぶ。
また、本実施の形態においては、加熱手段3をバーナ装置14として構成し、燃焼室9に吸気される混合気に高温の燃焼排ガスを混入させることで混合気を加熱しているので、上記の第1運転工程においては、第2運転工程における排ガス再循環と同様に、混合気には排ガスが混入されていることになり、この排ガスの混入率は、上記の第2運転工程と同様の20%〜30%程度とされる。よって、上記の第1運転工程から第2運転工程に切り換えても、混合気に供給される排ガスの割合は、ほぼ一定に保たれていることになり、このことによっても燃焼室9における燃焼状態を安定させることができている。
【0035】
このように予混合圧縮自着火エンジン1の起動運転手段22aは、第1運転を行って第1運転工程を行っているときに、燃焼室壁9a等が充分に暖機され、第2運転を行って第2運転工程を行っても、燃焼室において混合気を圧縮自着火させることができる程度の予混合圧縮自着火エンジン1の運転状態を検知したときに、第1運転を第2運転に切り換える。
即ち、予混合圧縮自着火エンジン1の排気路13には、燃焼室9から排出される排ガスの温度を検知する温度センサ17(運転状態検知手段の一例)が設けられ、温度センサ17は、予混合圧縮自着火エンジン1の運転状態としての排ガス温度を検知して、その検知結果を制御装置22に出力するように構成されている。
そして、起動運転手段22aは、温度センサ17により検知される排ガスの温度が低い場合は、燃焼室壁9aの温度等が未だ低温であり第2運転を行っても燃焼室9において充分に混合気を圧縮自着火燃焼させることができないと判断し第1運転を続行し、排ガス温度が例えば250℃程度の所定の値になった時点で、第2運転に切り換えて、第2運転工程を開始するのである。
【0036】
上記のように第2運転工程を開始した予混合圧縮自着火エンジン1においては、その後においても暖機が進行する場合があり、本実施形態の起動運転手段22aは、この暖機の進行に合わせて、排ガス再循環率調整手段22bを調整することができる。
即ち、起動運転手段22aは、第2運転を行った後に、第2排ガス再循環率に設定されている排ガス再循環率を、予混合圧縮自着火エンジン1が完全に暖機されたときにおける排ガス再循環率である第3排ガス再循環率(第3設定値)まで減少させる第3運転を行い、予混合圧縮自着火エンジン1の運転状態を安定したものとすることができる。
【0037】
〔実施例2〕
次に、起動運転手段22aにより実圧縮比調整手段22cを制御する場合における予混合圧縮自着火エンジン1の起動運転方法について、その流れに沿って説明する。
本発明の予混合圧縮自着火エンジン1においては、運転開始指令が入力された後に、上記の実施例1と同様に、例えばクランク軸11をセルモータ23により回転させながら、バーナ装置14を働かせて、燃焼排ガスを燃焼室9に供給して予混合圧縮自着火エンジン1を暖機する。
【0038】
そして、制御装置22の起動運転手段22aは、加熱手段3により混合気を暖機温度に加熱すると共に実圧縮比調整手段22cにより実圧縮比を第1実圧縮比(第1設定値)に設定する第1運転を行う。
即ち、起動運転手段22aは、上記の実施例1と同様に、第1運転において加熱手段3により燃焼室9に吸気される混合気を暖機温度に加熱する。さらに、起動運転手段22aは、実圧縮比調整手段22cにより実圧縮比を第1実圧縮比に設定するに、実圧縮比調整手段22cにより吸気弁6の閉時期を調整しピストン8の圧縮ストロークを調整して、実圧縮比を第1実圧縮比に調整する。また、本実施例においては、第1実圧縮比は、吸気弁6を下死点位置に対して充分遅く閉じることで、ピストン8が全ストロークにおいて圧縮するときの圧縮比に対して低くめに設定される。
このように起動運転手段22aにより第1運転を行うことで、予混合圧縮自着火エンジン1の暖機運転を行うことができ、このような工程を第1運転工程と呼ぶ。
【0039】
次に、制御装置22の起動運転手段22aは、上記の実施例1と同様に、第1運転を行って第1運転工程を行っているときに、温度センサ17により検知される排ガス温度が例えば250℃程度の所定の値になった時点で、加熱手段3の加熱量を低下させると共に実圧縮比調整手段22cにより実圧縮比を第1実圧縮比よりも大きい第2実圧縮比(第2設定値)に設定する第2運転を行う。
即ち、起動運転手段22aは、第2運転において加熱手段3の加熱量を低下させるに、バーナ装置14の燃焼量を、バーナ装置14が停止するまで徐々に低下させる。すると、吸気路12内の混合気の温度は徐々に低下する。
そこで、起動運転手段22aは、実圧縮比調整手段22cにより実圧縮比を第1実圧縮比よりも大きい第2実圧縮比に設定するに、実圧縮比調整手段22cにより吸気弁5の閉時期を調整して、実圧縮比を第1実圧縮比から、第2実圧縮比としての、ピストン8が全ストロークにおいて圧縮するときの圧縮比程度まで徐々に増加させる。
このように起動運転手段22aにより第1運転の後に第2運転を行うことで、吸気路12から燃焼室9に吸気される混合気の温度が低下しても、実圧縮比を増加させて燃焼室9の混合気を充分に圧縮することで、燃焼室9においてこの混合気を圧縮自着火燃焼させることができ、バーナ装置14を停止した状態である予混合圧縮自着火エンジン1の第2運転工程にスムーズに移行することができ、このような工程を第2運転工程と呼ぶ。
【0040】
また、この実施例2においても、起動運転手段22aは、第2運転を行った後に、第2実圧縮比に設定されている実圧縮比を、予混合圧縮自着火エンジン1が完全に暖機されたときにおける実圧縮比である第3実圧縮比(第3設定値)まで減少させる第3運転を行い、予混合圧縮自着火エンジン1の運転状態を安定したものとすることができる。
【0041】
〔別実施の形態〕
〈1〉 本願の予混合圧縮自着火エンジンに使用できる燃料としては、都市ガスが好適であるが、ガソリン、プロパン、メタノール、水素等、任意の燃料を使用することができる。
【0042】
〈2〉 燃焼室に形成される混合気は、燃料とこの燃料が燃焼するための酸素を含有する酸素含有ガスを混合したものであり、例えば、酸素含有ガスとして空気を使用することが一般的である。
【0043】
〈3〉 上記の実施の形態例においては、所謂、4サイクルエンジンに関連して説明したが、本願は、2サイクルエンジンにおいても適応可能である。
【0044】
〈4〉 上記の実施の形態において、燃焼室9に混合気を形成するに、ミキサ15において空気Aと燃料Gとを混合して、吸気路12に形成された混合気を燃焼室9に吸気する構成を示したが、別に、燃焼室に燃料を直接噴射する燃料噴射弁を備え、吸気路からは空気のみを吸気し、吸気行程若しくは圧縮行程初期において燃料を噴射して燃焼室に混合気を形成し、この予混合気を圧縮して自着火させるように構成することもできる。
【0045】
〈5〉 上記の実施の形態において、排気路13に排出された排ガスの運動エネルギを利用して吸気路12の新気を過給するターボ式過給機を備える場合においては、このターボ式過給機の運転状態は、運転開始時からの経過、言い換えれば暖機の経過に伴って、起動初期から徐々に過給圧を増加させるような状態となるので、本発明の予混合圧縮自着火エンジンの起動運転手段を、このターボ式過給機の過給圧の増加をも考慮して、加熱手段3による新気の加熱量、排ガス再循環率調整手段22aにより設定される排ガス再循環率、又は実圧縮比調整手段22cにより設定される実圧縮比等を、予混合圧縮自着火エンジン1の運転状態が安定したものとなるように、制御するように構成することが好ましい。
【0046】
〈6〉 なお、運転状態検出手段としては、排ガスの温度を検知する温度センサ17の他に、燃焼室9内の圧力を検出する圧力センサや、燃焼室壁9aの温度を検出する温度センサや、シリンダ7等を冷却するための冷却水温度を検出する温度センサ等や、ターボ式過給機を設けた場合は、新気の温度若しくは圧力を検出するセンサ等とすることができる。そして、起動運転手段は、第1運転により第1運転工程を行っているときに、これらのセンサにより検出された予混合圧縮自着火エンジンの運転状態が、第2運転に切り換えて第2運転工程を行うことができる状態となった時点で、第2運転に切り換えて第2運転工程を行うように構成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す予混合圧縮自着火エンジンの概略構成図
【図2】図1に示す予混合圧縮自着火エンジンに設けられたバーナ装置の拡大断面図
【符号の説明】
1 予混合圧縮自着火エンジン
3 加熱手段
4 開閉タイミング可変機構
5 吸気弁
6 排気弁
7 シリンダ
8 ピストン
9 燃焼室
9a 燃焼室壁
10 連結棒
11 クランク軸
12 吸気路
13 排気路
14 バーナ装置
16 温度センサ
17 温度センサ(動作状態検出手段)
22 制御装置
22a 起動運転手段
22b 排ガス再循環率調整手段
22c 実圧縮比調整手段

Claims (9)

  1. 吸気路から燃焼室に新気を吸気し、前記燃焼室に形成された混合気を圧縮自着火させて燃焼させる予混合圧縮自着火エンジンであって、
    前記新気を加熱可能な加熱手段と、
    排ガス再循環率を調整可能な排ガス再循環率調整手段と、
    入力された運転開始指令に基づいて運転を開始するに、前記加熱手段により前記燃焼室に吸気される前記新気を暖機温度に加熱すると共に前記排ガス再循環率調整手段により前記排ガス再循環率を第1設定値に設定する第1運転と、前記加熱手段の加熱量を低下させると共に前記排ガス再循環率調整手段により前記排ガス再循環率を前記第1設定値よりも大きい第2設定値に設定する第2運転とを記載の順に行う起動運転手段とを備えた予混合圧縮自着火エンジン。
  2. 前記排ガス再循環率調整手段が、前記燃焼室に設けられた排気弁の閉時期調整により、前記燃料室における排ガス残留率を調整して、前記排ガス再循環率を調整する手段である請求項1に記載の予混合圧縮自着火エンジン。
  3. 吸気路から燃焼室に新気を吸気し、前記燃焼室に形成された混合気を圧縮自着火させて燃焼させる予混合圧縮自着火エンジンであって、
    前記新気を加熱可能な加熱手段と、
    前記燃焼室の実圧縮比を調整可能な実圧縮比調整手段と、
    入力された運転開始指令に基づいて運転を開始するに、前記加熱手段により前記燃焼室に吸気される前記新気を暖機温度に加熱すると共に前記実圧縮比調整手段により前記実圧縮比を第1設定値に設定する第1運転と、前記加熱手段の加熱量を低下させると共に前記実圧縮比調整手段により前記実圧縮比を前記第1設定値よりも大きい第2設定値に設定する第2運転とを記載の順に行う起動運転手段とを備えた予混合圧縮自着火エンジン。
  4. 前記実圧縮比調整手段が、前記燃焼室に設けられた吸気弁の閉時期調整により、圧縮ストロークを調整して、前記実圧縮比を調整する手段である請求項3に記載の予混合圧縮自着火エンジン。
  5. 前記予混合圧縮自着火エンジンの運転状態を検知する運転状態検知手段を備え、
    前記起動運転手段が、前記運転状態検知手段により前記第2運転が実施可能な前記運転状態を検知したときに、前記第1運転を前記第2運転に切り換える手段である請求項1から4の何れか1項に記載の予混合圧縮自着火エンジン。
  6. 前記加熱手段が、前記吸気路において、前記新気に含まれる酸素の一部を利用してバーナ用燃料を燃焼させ、前記新気を加熱するバーナ装置である請求項1から5の何れか1項に記載の予混合圧縮自着火エンジン。
  7. 前記起動運転手段が、前記第2運転を行った後に、前記第2運転を行って前記第2設定値に設定された設定対象を、前記第2設定値よりも小さい第3設定値に減少させる第3運転を行う手段である請求項1から6の何れか1項に記載の予混合圧縮自着火エンジン。
  8. 吸気路から燃焼室に新気を吸気し、前記燃焼室に形成された混合気を圧縮自着火させて燃焼させる予混合圧縮自着火エンジンにおいて、入力された運転開始指令に基づいて前記予混合圧縮自着火エンジンの運転を開始させる起動運転方法であって、
    前記新気を暖機温度に加熱すると共に排ガス再循環率を第1設定値に設定する第1運転を行って前記予混合圧縮自着火エンジンを運転する第1運転工程を実行し、
    後に、前記予混合圧縮自着火エンジンの運転状態の検知結果に基づいて、第1運転を、前記新気に対する加熱量を低下させると共に前記排ガス再循環率を前記第1設定値よりも大きい第2設定値に設定する第2運転に切り換えて、前記予混合圧縮自着火エンジンを運転する第2運転工程を実行する予混合圧縮自着火エンジンの起動運転方法。
  9. 吸気路から燃焼室に新気を吸気し、前記燃焼室に形成された混合気を圧縮自着火させて燃焼させる予混合圧縮自着火エンジンを、入力された運転開始指令に基づいて起動させる起動運転方法であって、
    前記新気を暖機温度に加熱すると共に前記燃焼室の実圧縮比を第1設定値に設定する第1運転を行って前記予混合圧縮自着火エンジンを運転する第1運転工程を実行し、
    後に、前記予混合圧縮自着火エンジンの運転状態の検知結果に基づいて、前記第1運転を、前記新気に対する加熱量を低下させると共に前記実圧縮比を前記第1設定値よりも大きい第2設定値に設定する第2運転に切り換えて、前記予混合圧縮自着火エンジンを運転する第2運転工程を実行する予混合圧縮自着火エンジンの起動運転方法。
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