本発明が適用された遊技機の一例であるスロットマシンの実施例を図面を用いて説明すると、図1に示すように、本実施例のスロットマシン1には、外周に複数種の識別情報としての図柄が配列されたメインリール2L、2C、2Rが設けられており、これらメインリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち1つの図柄がスロットマシン1の前面に設けられたメインパネル10に形成された透明な透視窓3から見えるように配置されている。
透視窓3から視認できる各メインリール2L、2C、2Rの領域を、各メインリール2L、2C、2Rに対応させて左可変表示部12L、中可変表示部12C、右可変表示部12Rと呼ぶ。この各可変表示部(領域)12L、12C、12Rからは、各メインリール2L、2C、2Rに描かれた複数の図柄のうち、1つの図柄が表示される。すなわち、本実施例においては、これらメインリール2L、2C、2Rの表面における各可変表示部(領域)12L、12C、12Rが遊技用可変表示面となっている。
各メインリール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ34L、34C、34R(図2参照)によって回転することで、各メインリール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各メインリール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に各メインリール2L、2C、2Rの図柄が1つずつ表示結果として導出表示されるようになっている。
また、メインリール2L、2C、2Rの下方には、サブリール82L、82C、82Rが設けられており、これらサブリール82L、82C、82Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄がスロットマシン1の前面に設けられたサブパネル80に形成された透明な演出用透視窓83から見えるように配置されている。
演出用透視窓83から視認できる各サブリール82L、82C、82Rの領域を、各サブリール82L、82C、82Rに対応させて左演出用可変表示部86L、中演出用可変表示部86C、右演出用可変表示部86Rと呼ぶ。この各演出用可変表示部(領域)86L、86C、86Rからは、各サブリール82L、82C、82Rに描かれた複数の図柄のうち、連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に表示される。すなわち、本実施例においては、これらサブリール82L、82C、82Rの表面における各可変表示部(領域)86L、86C、86Rが演出用可変表示面となっている。
各サブリール82L、82C、82Rは、対応して設けられたサブリールモータ84L、84C、84Rによって回転させることで、各サブリール82L、82C、82Rの図柄が演出用透視窓83に連続的に変化しつつ表示されるとともに、サブリール82L、82C、82Rの回転を停止させることで、演出用透視窓83に各サブリール82L、82C、82Rの3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
また、本実施例では、サブリール82L、82C、82Rに配列された図柄数よりもメインリール2L、2C、2Rに配列された図柄数が少ないうえに、サブリール82L、82C、82Rの図柄よりもメインリール2L、2C、2Rの図柄の方が小さく形成されており、更に、図1に示すように、サブリール82L、82C、82Rの表示領域よりもメインリール2L、2C、2Rの表示領域の方が小さく形成されている。すなわち、本実施例のスロットマシン1では、メインリール2L、2C、2Rの表示結果が、サブリール82L、82C、82Rの表示結果に比較して視認が困難となるように形成されている。
また、本実施例のスロットマシン1には、メダルが投入可能なメダル投入部4、クレジットを用いて賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5及びMAXBETスイッチ6、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、メインリール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6、または1枚BETスイッチ5を操作すれば良い。所定数の賭数が設定されると、設定された賭数に応じて入賞ラインL(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では賭数として最大賭数である3が設定された時点で入賞ラインLが有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。尚、所定数の賭数とは、少なくとも1以上の賭数であれば良い。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各メインリール2L、2C、2Rが回転し、各メインリール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するメインリール2L、2C、2Rの回転が停止し、表示結果が導出表示される。
そして全てのメインリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、賭数に応じて有効化された入賞ラインLに予め定められた図柄の組合せが各メインリール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出穴9(図1参照)から払い出されるようになっている。
また、本実施例のスロットマシン1においては、メインリール2L、2C、2Rの回転に伴って、サブリール82L、82C、82Rも回転し、各サブリール82L、82C、82Rの図柄も連続的に変動する。そして、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rの操作に応じて対応するメインリール2L、2C、2Rの回転が停止し、表示結果が導出されることに伴って、回転が停止したメインリール2L、2C、2Rに対応するサブリール82L、82C、82Rの回転も停止し、表示結果が導出されるようになっている。すなわちサブリール82L、82C、82Rは、各々対応するメインリール2L、2C、2Rと連動して動作するようになっている。
また、メインリール2L、2C、2Rの表示結果として入賞図柄の組合せが入賞ラインに導出された際に、サブリール82L、82C、82Rには、サブリール82L、82C、82Rの表示領域に対して予め定められた演出用入賞ラインに、メインリール2L、2C、2Rの入賞ラインに導出された入賞図柄の組合せに対応する演出用入賞図柄の組合せが当該演出用入賞図柄の組合せ以外の表示結果が導出されるよりも高い割合(例えば99%)で導出されるとともに、メインリール2L、2C、2Rの表示結果としていずれの入賞図柄の組合せも入賞ラインに導出されなかった際に、サブリール82L、82C、82Rには、演出用入賞ラインにいずれかの演出用入賞図柄の組合せが導出されるよりも高い割合(例えば99%)で演出用入賞ラインにいずれの演出用入賞図柄の組合せも導出されないようになっている。すなわちサブリール82L、82C、82Rに導出される表示結果として、高い割合でメインリール2L、2C、2Rに導出された表示結果に対応する表示結果が導出されるようになっている。
尚、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、メインリール2L、2C、2Rの表示結果として入賞図柄の組合せが入賞ラインに導出された際に、サブリール82L、82C、82Rには、演出用入賞ラインに100%の割合でメインリール2L、2C、2Rの入賞ラインに導出された入賞図柄の組合せに対応する演出用入賞図柄の組合せが導出されるとともに、メインリール2L、2C、2Rの表示結果としていずれの入賞図柄の組合せも入賞ラインに導出されなかった際に、サブリール82L、82C、82Rには、演出用入賞ラインに100%の割合でいずれの演出用入賞図柄の組合せも導出されないようにしても良い。すなわちサブリール82L、82C、82Rに導出される表示結果として、100%の割合でメインリール2L、2C、2Rに導出された表示結果に対応する表示結果が導出されるようにしても良い。
また、本実施例におけるスロットマシン1においては、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作に応じてサブリール82L、82C、82Rの表示結果として、演出用特定表示結果(例えば黒7−黒7−黒7(図1参照))が導出表示されたときに、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特典として、通常よりも多くの有価価値(メダル)の獲得が期待できる遊技状態、例えば、所定の導出条件(例えばメインリール2L、2C、2Rの停止順や停止タイミング等)が満たされることで発生する特定の入賞の発生が許容されたときに、所定の導出条件を満たすストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順が報知される報知遊技状態、いわゆるアシストタイム等が発生するようになっている。
図2は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図2に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90が設けられており、遊技制御基板40によって主に遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御される。
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rが接続されているとともに、メダル投入部4から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ31、メダル払出穴9から払い出されるメダルを検出する払出センサ33、メインリール2L、2C、2Rの基準位置を検出するリールセンサ35が接続されており、これら接続されたスイッチ、センサの検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したリールモータ34L、34C、34Rが接続されているとともに、メダル払出穴9よりメダルを払い出すためのホッパーモータ32が接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、所定の手順で演算を行うCPU、CPUの制御プログラムや各種データテーブル等を格納するROM、必要なデータの書き込み及び読み出しを行うRAMを備えるメイン制御部41、遊技制御基板40に接続されたスイッチ、センサから入力された検出信号が入力されるスイッチ回路42、ホッパーモータ32、リールモータ34L、34C、34Rの駆動制御を行うモータ回路43、割込パルスを定期的にCPUに与えるパルス発生回路44等、が搭載されており、メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続されたスイッチ、センサの検出信号を受けて、ゲームの進行に応じた各種の制御を行う。
演出制御基板90には、サブリール82L、82C、82Rの基準位置を検出するサブリールセンサ85が接続されており、これら接続されたセンサの検出信号が入力されるようになっている。
演出制御基板90には、前述したサブリールモータ84L、84C、84Rが接続されているとともに、演出効果LED52、スピーカ53、54、サブリール82L、82C、82Rを背面から照射するサブリールランプ56が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様のCPU、ROM、RAMを備えるサブ制御部91、演出制御基板90に接続されたセンサから入力された検出信号が入力されるスイッチ回路92、サブリールモータ84L、84C、84Rの駆動制御を行うモータ回路93、演出効果LED52やサブリールランプ56の駆動制御を行うランプ駆動回路94、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路95等、が搭載されており、サブ制御部91は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41から送信されるコマンドや、演出制御基板90に接続されたセンサからの検出信号を受けて、演出を行うための各種の制御を行う。
図3は、スロットマシン1の部分縦断面図であり、図4は、メインリールユニット11の構成を示す斜視図である。図3に示されるように、スロットマシン1は、略箱形状をなす筐体13の前面側が開口されており、この前面を塞ぐことができる前面扉14が、筐体13の前面側の一方側で回動可能に軸支されている。
筐体13内部の略中央部には、複数種の演出用図柄が印刷された透光性を有する帯状のリールシートが外周に巻回されたサブリール82L、82C、82Rを有するサブリールユニット81が設けられている。それぞれのサブリール82L、82C、82Rは、各々に対応して設けられたサブリールモータ84L、84C、84Rによりそれぞれ独立して縦方向に回転(駆動)、停止するように構成されており、各サブリール82L、82C、82Rが回転することにより、演出用可変表示部86L、86C、86Rには前記各種図柄が連続的に変化しつつ表示されるようになっている。
サブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rの後方側には、演出用可変表示部86L、86C、86Rに導出表示される図柄を照射するためのサブリールランプ56からなる複数のバックライト15が配置されており、各々のバックライト15のサブリールランプ56点灯することによって、サブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rを後方から明るく照らし出すことができるようになっている。
サブリールユニット81の上方には、メインリールユニット11を配置可能な空間部16が形成されており、メインリールユニット11が空間部16内に収納できるようになっている。このメインリールユニット11は前面扉14に固着されており、前面扉14の開放と同時に筐体13内の空間部16から引き出すことができるようになっている。メインリールユニット11の後方には遊技制御基板40、演出制御基板90等が収納される主基板ケース17が、筐体13の背面側に固着されている。
図4に示されるように、メインリールユニット11には、表面に複数種の遊技用図柄が印刷された透光性を有する帯状のリールシートが外周に巻回されたメインリール2L、2C、2Rが設けられている。各メインリール2L、2C、2Rは、中心部に配置されたリールモータ34L、34C、34Rよって回転可能に軸支されている。それぞれのメインリール2L、2C、2Rは、各々に対応して設けられたリールモータ34L、34C、34Rによりそれぞれ独立して縦方向に回転(駆動)、停止するように構成されており、各メインリール2L、2C、2Rが回転することにより、可変表示部12L、12C、12Rには前記各種図柄が連続的に変化しつつ表示されるようになっている。
各メインリール2L、2C、2Rは、前面が開口された箱体18内部に納められるようになっており、リールモータ34Rが固着されている取付板19Rによって箱体18の内側に固定することができる。箱体18の後面側には、リールモータ34L、34C、34Rを制御するための配線等を中継するための中継基板20が取り付けられている。
また、箱体18の後面側の四隅には、後方に向かって突出した突出片21が形成されており、この突出片21はメインリールユニット11が、空間部16内に収納された際に、主基板ケース17に当接できるようになっている。そのため前面扉14の開閉の際に、メインリールユニット11の後面に取り付けられた中継基板20が、主基板ケース17に衝突して破損することを防ぐことができるようになっている。
箱体18の開口された前面側には、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの周縁を囲む枠状に形成された可変表示枠としてのカバー体22が取付けられている。このカバー体22は、各メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの前面側から該メインリール2L、2C、2Rの前方に配置される透視窓3側に向けて延びるように設けられた上下の壁面23a、23b及び左右側方の壁面により形成される筒状部を有し、この筒状部を介して各メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rを前面に露出させることができるようになっている。
このようにカバー体22が設けられることで、メインリール2L、2C、2Rの表面における可変表示部12L、12C、12Rの領域を特定することができるばかりか、特にカバー体22には上下の壁面23a、23b及び左右側方の壁面により筒状部が形成されていることで、透視窓3を透して可変表示部12L、12C、12Rの領域以外の周辺領域、すなわち、筐体13内部が視認されることが防止されている。
また、この筒状部の上下の壁面23a、23b及び左右側方の壁面の内面を含む本体全体の表面には黒色の艶消し塗装が施されており、外部光を反射し難いようになっている。すなわち、この黒色の艶消し塗装が施されることで、筒状部の上下の壁面23a、23b及び左右側方の壁面(筒状部における内面)が非鏡面形状となり、これにより外部から入射する入射光をメインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rに反射させないように拡散させるための入射光拡散部を構成している。
なお、本実施例においては、可変表示枠としてのカバー体22における筒状部の内面(壁面)にいわゆる艶消し塗装を施すことでカバー体22の表面を非鏡面形状(凹凸面形状)とすることにより前記入射光拡散部を構成していたが、このような入射光拡散部を構成する非鏡面形状は艶消し塗装を施すことにより構成するものに限定されるものではなく、例えばカバー体22の表面自体に非鏡面加工を施すことにより形成することにより構成したり、表面が非鏡面形状に形成されたシート等をカバー体22の表面に貼着すること等により構成するもの等も含まれる。さらに、本実施例のように光を吸収しやすい黒色塗装を施すことで、より外部光の反射を防止することができる。
カバー体22の前面側の下部には、蛍光灯24が配置できるようになっており、この蛍光灯24は白色に塗装された反射板25に取り付けられ、この反射板25を介してカバー体22に固定することができるようになっている。メインパネル10の透視窓3以外の部分は半透明の合成樹脂で形成されており、装飾用の絵柄が印刷できるようになっている。カバー体22に設けられている蛍光灯24は、図3に示されるように、メインリールユニット11の前面に設けられたメインパネル10の下部を照らすことができるので、メインパネル10に印刷された装飾用の絵柄を明るくさせることができる。
図5は、メインリール2L、2C、2Rとサブリール82L、82C、82Rの関係を示す概略図であり、図6は、カバー体22と可変表示部12L、12C、12Rの関係を示す概略図である。図5に示されるように、メインリール2L、2C、2Rの中心に配置される回転軸34は、サブリール82L、82C、82Rに配置されている回転軸84の直上に配置されていおり、メインリール2L、2C、2Rの直径φ1は、サブリール82L、82C、82Rの直径φ2と比較して小さくなるように形成されている(φ1<φ2)。そのため、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rは、サブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rより筐体13の後方側に配置できるようになっている。
スロットマシン1の前方に座った遊技者が遊技を行う際に、想定できる遊技者の前後方向の位置(目線位置を基準とした位置)を垂直な線V0で表し、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの上下方向の中央部P1から上下方向に延びる垂直な線をV1とし、サブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rの上下方向の中央部P2から上下方向に延びる垂直な線をV2とすると、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの位置V1から遊技者の位置V0までの距離L1は、サブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rの位置V2から遊技者の位置V0までの距離L2と比較して長くなるように形成されている(L1>L2)。
平面状のメインパネル10の透視窓3の中央部PAは、平面状のサブパネル80の演出用透視窓83の中央部PBと比較して、遊技者の位置V0に近づくように前方に突出されて設けられており、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの上下方向の中央部P1は、メインパネル10の透視窓3に最も近接するようになっているとともに、サブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rの上下方向の中央部P2は、サブパネル80の演出用透視窓83に最も近接するようになっている。
また、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの中央部P1から透視窓3までの間隔DAは、サブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rの中央部P2から演出用透視窓83までの間隔DBより長くなるように形成されている(DA>DB)。そのため、演出用透視窓83からサブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rまでの奥行に比べて、透視窓3からメインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rまでの奥行の方を深くすることができ、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの視認性がサブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rの視認性に比べて低減するようになり、遊技者の視線をメインリール2L、2C、2Rと比較して視認しやすいサブリール82L、82C、82Rに誘導させることができるため、サブリール82L、82C、82Rを主体としたゲーム性を視覚効果によって十分に引き出すことが出来る。
尚、前述したように筐体13内部の背面側の上部には、主基板ケース17の配置されており、主基板ケース17の前方には、メインリールユニット11を収納できる空間部16が形成されている。メインリールユニット11は空間部16内において、メインリールユニット11の後面側に形成された突出片21が主基板ケース17に当接する位置、すなわち、空間部16における最後方位置に寄せて配置されていることで、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rを遊技者の位置V0からより離間させることができ、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの視認性を低減させることができる。
また、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの後方には、バックライト15のような光源が設けられていないとともに、メインリールユニット11の箱体18は、非透光性を有する合成樹脂材にて形成されているとともに、外部からの光を透し難い黒色に塗装されているので、筐体13上面や背面に形成された通気口(図示略)等から筐体13内部に入り込む光が、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの裏側に映り込むことを防ぐことができ、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rを暗くさせることができる。
サブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rの後方にはサブリールランプ56が設けられているので、サブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rを背後から明るくさせることができ、サブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rの演出効果を際立たせることができるとともに、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rが暗くなっていることで、遊技者の視線をサブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rに誘導できるようになっている。
また、前述したメインリールユニット11のカバー体22の下部に設けられている蛍光灯24を点灯させると、メインパネル10の透視窓3以外に配置される装飾用の絵柄が明るく照らし出されるようになるとともに、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rが暗くなっているので、遊技者から可変表示部12L、12C、12Rを見た場合に蛍光灯24の光が逆光となり、可変表示部12L、12C、12Rの視認性がさらに低減するようになる。
更に図5を用いて詳述すると、側面視で円弧状をしているメインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの上下方向の中央部P1の接線に垂直な線(法線)をM1とし、側面視で円弧状をしているサブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rの上下方向の中央部P2の接線に垂直な線(法線)をM2とすると、2つの線(法線)M1とM2は、遊技者の位置V0の後方の遠く離れた位置で交差するようになっている。
メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rにおける図柄の停止領域の中央部(各可変表示部12L、12C、12Rにおける入賞ラインLに対応するの領域)及びサブリール82L、82C、82Rにおける図柄の停止領域の中央部(各演出用可変表示部86L、86C、86Rにおける上、中、下段領域のうちの中段領域)を遊技者が視認するときにおいて、各々を最も視認しやすい位置は各々の図柄の停止領域の中央部(P1とP2)の接線に垂直な線(法線)M1とM2上であり、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの中央部P1の接線に垂直な線M1と、サブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rの中央部P2の接線に垂直な線M2と、が互いに交差する位置が、遊技者の位置V0から離れれば離れるほど、遊技者は両方の可変表示面(可変表示部12L、12C、12R、演出用可変表示部86L、86C、86R)を同時に視認することが困難になる。
このようにメインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rとサブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rが配置されていることで、遊技者は、遊技を行う際に両方の可変表示部(可変表示面)を同時に視認することが困難となるので、例えば遊技者が遊技を行うべく着座したときにおける目線位置がサブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rの中央部P2を通過する法線M2上の所定位置にあるとき、サブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rに比較してメインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rが視認しにくくなる。すなわち、演出用可変表示部86L、86C、86Rを視認しているときにおける可変表示部12L、12C、12Rに表示される図柄の視認が困難となり、可変表示部12L、12C、12Rに表示される図柄の視認性が演出用可変表示部86L、86C、86Rに表示される演出用図柄の視認性に比べて低減することになるため、サブリール82L、82C、82Rを主体とした遊技性を視覚効果によって十分に引き出すことができる。
さらに、サブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rは、遊技者が視認しやすいように若干上向きに傾斜されて設けられており、このサブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rの中央部P2の接線に垂直な線M2と、遊技者の位置V0が交差する点P0を遊技者の視点(目線位置)P0と想定すると、遊技者の視点P0とメインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの図柄の停止領域の中央部P1を結ぶ直線(遊技者の視線)E1と、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの中央部P1の接線に垂直な線M1との間の角度θが大きくなるほど、遊技者はメインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rを視認し難くなる。
さらにカバー体22は、前方の透視窓3に向けて延びるように形成される上下の壁面23a、23b及び左右の壁面を備えることで、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rを視認できる範囲が狭まるとともに、図5に示されるように、想定されている遊技者の視点P0からメインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの図柄の停止領域の中央部P1を結ぶ直線(遊技者の視線)E1がカバー体22の下方の壁面23bに重なることになる。すなわち、遊技者が視点P0からメインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの図柄の停止領域の中央部P1を視認する際の視線が遮蔽面としての壁面23bにより遮蔽されることになるため、サブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rを最も視認しやすい中央部P2の接線に垂直な線(法線)M2上にある視点P0からのメインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの視認が困難となる。よって、演出用可変表示部86L、86C、86Rを視認しているときにおける可変表示部12L、12C、12Rに表示される図柄の視認が困難となり、可変表示部12L、12C、12Rに表示される図柄の視認性が演出用可変表示部86L、86C、86Rに表示される演出用図柄の視認性に比べて低減することになるため、サブリール82L、82C、82Rを主体とした遊技性を視覚効果によって十分に引き出すことができる。
また、カバー体22は、図6の拡大図に示されるようにメインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの周囲を囲む枠状に形成されており、メインリール2L、2C、2Rに複数配列されている1つの図柄の上下方向の幅αは、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの上下方向の幅βより小さくなるように形成されている(α<β)。そのため、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rに1つの図柄が表示されたときに、表示された図柄の上下に配置される図柄の半分程度は、遊技者が視認できるようになっている。
カバー体22の開口された前端の上下方向の幅γは、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの上下方向の幅βより広くなるように形成されている(β<γ)。そのため外部から入射した外部光が、カバー体22の上下の壁面23a、23b及び左右の壁面に反射してメインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rに到達し、可変表示部12L、12C、12Rを明るく照らしてしまう虞があるが、前述したようにカバー体22の壁面23a、23bの表面は黒色の艶消し塗装されていることで、外部から入射した光は反射し難くなり、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12R(遊技用可変表示面)を極力暗くさせることができるので、可変表示部12L、12C、12Rの視認性を低減させることができる。
また、カバー体22の上下の壁面23a、23b及び左右の壁面は、側面視で円弧状をなすメインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの上下の端縁辺の接線に垂直な線(法線)S1、S2に対して所定角度θの開きをもって可変表示部12L、12C、12R側に傾斜するように設けられているので、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの視認できる上下方向の範囲の幅を狭くすることができる。
さらに、カバー体22は上下の壁面23a、23b及び左右の壁面にて形成される筒状部を有し、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12R(可変表示面)から透視窓3までの空間がこの筒状部により覆われているため、可変表示部12L、12C、12Rへの外部光の進入が遮断され、さらにこの筒状部は所定の長さを有しているため、カバー体22の前端開口から進入する外部光がメインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rに到達しにくくなり、筒状部の内面が暗くなるため、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rが明るくなって視認性が向上されることを効果的に防止される。
以上説明してきたように、本発明の実施例としてのスロットマシン1は、サブリールユニット81により多彩なゲーム性を演出することができるとともに、サブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rよりもメインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rの方が遊技者の位置V0から離間されることで、メインリール2L、2C、2Rの可変表示部12L、12C、12Rに表示される表示結果の視認性が、サブリール82L、82C、82Rの演出用可変表示部86L、86C、86Rに表示される表示結果の視認性に比べて低減するようになり、サブリールユニット81による演出効果を際立たせることができるため、サブリールユニット81を主体とした遊技性を視覚効果によって十分に引き出すことができる。
また、本実施例のスロットマシン1では、サブリール82L、82C、82Rが、メインリール2L、2C、2Rに連動して動作するとともに、サブリール82L、82C、82Rには、メインリール2L、2C、2Rの表示結果に対応する表示結果が高い割合で導出されるようになっている。更に、サブリール82L、82C、82Rは、入賞が付与される入賞を発生させるか否かを示す表示結果(入賞態様)を導出表示させるためのメインリール2L、2C、2Rに比較して、図柄の変動表示態様や導出表示を行う上で制約を受けずに比較的自由な表示結果を導出表示することができるため、サブリール82L、82C、82Rを用いることにより多彩なゲーム性を演出することができる。
また、本実施例では、サブリール82L、82C、82Rに配列された図柄数よりもメインリール2L、2C、2Rに配列された図柄数を少なく、かつサブリール82L、82C、82Rの図柄よりもメインリール2L、2C、2Rの図柄の方を小さく形成することで、メインリール2L、2C、2Rの表示結果が、サブリール82L、82C、82Rの表示結果に比較して視認がより困難となるように形成されており、サブリール82L、82C、82Rによるゲーム性を際立たせることができるため、サブリールユニット81を主体とした遊技性を視覚効果によって十分に引き出すことができる。
さらに本発明を、前述したように、1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、遊技用可変表示装置(メインリール2L、2C、2R)の表示結果が導出表示されたときに1ゲームが終了し、該遊技用可変表示装置の表示結果に応じて前記所定の遊技価値(メダル等)が付与される入賞が発生可能とされ、遊技者の操作により前記遊技用可変表示装置及び前記演出用可変表示装置(サブリール82L、82C、82R)の表示結果を導出させるための導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、前記導出操作手段の操作を含む導出条件が成立(ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作)したときに前記演出用可変表示装置の表示結果を導出させる制御を行う演出用導出制御手段(サブ制御部91)と、前記演出用可変表示装置の表示結果として演出用特定表示結果(例えば「黒7−黒7−黒7」)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特典(アシストタイム)を付与する特典付与手段(サブ制御部91)と、を備えるスロットマシン1に適用することで、遊技者が導出操作手段の操作を行うことにより演出用可変表示装置の表示結果として演出用特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特典が付与されることがあることで、遊技者は演出用可変表示面に演出用特定表示結果が導出表示されることを期待して遊技を行うようになり、すなわち、演出用可変表示面に対する遊技者の注目度が高まるため、演出用可変表示装置を主体とした遊技性を十分に引き出すことができる。
また、本実施例のように、演出用可変表示装置が、演出用図柄が配列された演出用表示帯(リールシート)を移動させることにより演出用可変表示面の表示態様を変動させるとともに、該演出用表示帯の移動を停止させることにより前記演出用可変表示面に表示結果を導出表示させるリール式の可変表示装置であることで、演出用可変表示装置を安価に製造することができる。
図7は、本発明の変形例としてのメインパネル60とサブパネル61の関係を示す概略図である。この図に示されるように、メインリールユニット62の後面側に形成された突出片63が、筐体64の背面側に当接されており、メインリールユニット62は、筐体64内部の最も奥に配置されている。
平面状のメインパネル60の透視窓65の上下方向の中央部PA’から上下方向に延びる垂直な線をV3とし、平面状のサブパネル61の演出用透視窓66の上下方向の中央部PB’から上下方向に延びる垂直な線をV4とすると、メインパネル60の透視窓65の位置V3から遊技者の位置V0’までの距離L3は、サブパネル61の演出用透視窓66の位置V4から遊技者の位置V0’までの距離L4と比較して長くなるように形成されている(L3>L4)。そのため、メインパネル60の透視窓65は、サブパネル61の演出用透視窓66と比較して、遊技者の位置V0’から離れるようになっている。
更に、メインリール67の可変表示部68の上下方向の中央部P1’から透視窓3までの間隔DA’は、サブリール69の演出用可変表示部70の上下方向の中央部P2’から演出用透視窓66までの間隔DB’より長くなるように形成されている(DA’>DB’)。そのため、メインリール67の可変表示部68の視認性が、サブリール69の演出用可変表示部70の視認性に比べて低減するようになるので、遊技者はサブリール69の演出用可変表示部70による演出効果に基づいて遊技を行うようになる。
また、メインリール67の可変表示部68の視認性をサブリール69の演出用可変表示部70の視認性より低減させるためには、前述したようにメインリール67の可変表示部68が、サブリール69の演出用可変表示部70より後方に配置されてなくてもよく、少なくとも想定される遊技者の視点P0’からメインリール67の可変表示部68の中央部P1’を見た距離EAが、遊技者の視点P0’からサブリール69の演出用可変表示部70の中央部P2’を見た距離EBより長くなるように(EA>EB)、メインリール67の可変表示部68及びサブリール69の演出用可変表示部70を配置すればよい。
次に、図8には、本発明が適用された遊技機の他の一例としてのパチンコ機の遊技盤が示されている。遊技盤206は、図示しないパチンコ機の本体に着脱自在に取付けられており、該遊技盤206の前面にはガラス扉枠が開閉自在に設けられている。遊技盤206の下方には、図示しない打球供給皿から溢れた余剰の景品球を貯留する余剰球受皿が設けられると共に、打球を発射する操作ハンドルが設けられている。
遊技盤206の前面には遊技領域207が設けられており、この遊技領域207の中央付近には、遊技用可変表示装置としての特別図柄用可変表示器209と、普通図柄用可変表示器210と、演出用可変表示装置としての演出図柄用可変表示器216が設けられている。
特別図柄用可変表示器209は、7セグメントLEDよりなる特別図柄用可変表示面209aからなる1つの図柄表示エリアに、遊技用識別情報としての「特別図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば「F」または「7」)が変動表示可能とされている。普通図柄用可変表示器210は、「○」と「×」とからなる2つの表示エリアが交互に点灯することで変動表示可能とされている。
演出図柄用可変表示器216は、液晶表示器よりなる演出図柄用可変表示面216aに設けられた3つの図柄表示エリアに、演出用識別情報としての複数種類の演出用識別情報(例えば「1〜12」)が各々変動表示可能とされている。
また、本第2実施例のパチンコ機においては、特別図柄用可変表示器209の変動表示の開始に伴っての演出図柄用可変表示器216の演出用図柄も連続的に変動する。そして、特別図柄用可変表示器209の変動表示が停止して特別図柄用可変表示面209aに遊技用表示結果が導出されることに伴って、演出図柄用可変表示器216の変動表示も停止して、前記遊技用表示結果に応じた演出用表示結果が演出図柄用可変表示面216aに導出されるようになっている。すなわち演出図柄用可変表示器216は特別図柄用可変表示器209と連動して動作するようになっている。
始動入賞口214にパチンコ球が入賞して始動入賞口スイッチ(図示略)で検出されると、特別図柄の変動を開始できる状態であれば、特別図柄用可変表示器209において特別図柄が変動表示を開始するとともに、演出図柄用可変表示器216の変動表示が開始される。そして、その後、特別図柄が停止し、その表示結果が特定の表示態様(例えば「F」または「7」)となった場合に、大当り状態が発生するとともに、演出図柄用可変表示器216の演出図柄用可変表示面216aには、特別図柄の表示態様(「F」または「7」)に対応する演出用図柄の組み合わせ(「7−7−7」)が揃うことになる。このような大当り状態が発生する特定の表示態様は、大当り図柄と呼ばれ、この例では予め複数種類定められている。このように大当り状態が発生した場合には、可変入賞球装置219の開閉板220が開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(例えば30秒間)の経過または打球の所定個数(例えば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了し、その後、遊技者にとって不利な第2の状態となる。第1の状態となっている可変入賞球装置219の大入賞口内に進入した打球が特定入賞領域(Vポケット)に入賞してVカウントスイッチ(図示略)により検出されれば、その回の第1の状態の終了を待って再度開閉板220が開成されて第1の状態となる。この第1の状態の繰返し継続制御は、本実施例では最大15回まで実行可能とされている。このような最大15回実行可能である第1の状態となっている時期は、繰返し継続制御のラウンド(回)と呼ばれる。この例では、繰返し継続制御は、第1ラウンドから最大第15ラウンドまで繰返し実行可能である。
また、特別図柄用可変表示器209の表示結果として停止した特別図柄が、大当り図柄のうち特定の種類の大当り図柄(例えば「F」)である場合には、大当り状態の終了後、通常遊技状態に比べて大当りの発生確率が高い確率変動状態となる。
以上説明したように構成されるパチンコ機においては、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利となる遊技価値としての大当り状態を付与するか否かを示す遊技用可変表示装置としての特別図柄用可変表示器209の特別図柄用可変表示面209aは、特別図柄用可変表示器209の表示結果に対応する演出用表示結果を導出表示させる演出用可変表示装置としての演出図柄用可変表示器216の演出図柄用可変表示面216aに比較して遊技者に対して後方位置に配置されているため、演出図柄用可変表示面216aよりも特別図柄用可変表示面209aの方が遊技者からの距離が遠くなり、特別図柄用可変表示面209aの視認性が演出図柄用可変表示面216aの視認性に比べて低減することになるため、演出図柄用可変表示器216を主体とした遊技性を視覚効果によって十分に引き出すことができる。
このように、本発明にあっては、遊技機の他の一例としてのパチンコ機に適用することも可能であり、適用した場合においては前述の第1実施例と同様の作用・効果が得られることになる。
さらに、図に示されるように、特に演出図柄用可変表示面216aよりも特別図柄用可変表示面209aの方が小さく形成されていることで、特別図柄用可変表示面209aの視認性が演出図柄用可変表示面216aの視認性に比べてより低減することになるため、演出図柄用可変表示器216を主体とした遊技性を視覚効果によって十分に引き出すことができる。
また、特に詳細な図示はしないが、本実施例のパチンコ機においても、平坦面状の特別図柄用可変表示面209a及び平坦面状の演出図柄用可変表示面216aを、特別図柄用可変表示面209a全域を遊技者が最も視認しやすい該特別図柄用可変表示面209aの特別図柄停止領域の中央部に対する垂線と、演出図柄用可変表示面216a全域を遊技者が最も視認しやすい該演出図柄用可変表示面216aの演出用図柄停止領域の中央部に対する垂線と、を遊技者の目線位置で交差しないように構成することで、前述の実施例1と同様に、遊技者は特別図柄用可変表示面209a及び演出図柄用可変表示面216aを同時に視認することが困難になる。すなわち、演出図柄用可変表示面216aを視認しているときにおける特別図柄用可変表示面209aの視認が困難となり、特別図柄用可変表示面209aの視認性が演出図柄用可変表示面216aの視認性に比べて低減することになるため、演出図柄用可変表示器216を主体とした遊技性を視覚効果によって十分に引き出すことができる。
このように本発明にあっては、遊技用可変表示装置の遊技用可変表示面及び演出用可変表示装置の演出用可変表示面が平坦面状に形成されている場合においては、各々の可変表示面を遊技者が最も視認しやすいとされる目線位置は可変表示面の中央部を通る垂線上の所定位置となるため、遊技者の目線位置を、演出用可変表示装置の演出用可変表示面を最も視認しやすい該演出用可変表示面の中央部を通る垂線上の所定位置とした場合には、該目線位置において各々の垂線が交差しないように、遊技用可変表示面及び演出用可変表示面の向きを配置することが好ましい。
すなわち、遊技用可変表示面及び演出用可変表示面を最も視認しやすいとされる目線位置は、前述した実施例1のように可変表示面が側面視円弧状である場合は該可変表示面の中央部を通る法線上となり、実施例2のように可変表示面が側面視直線状、すなわち平坦面状である場合は該可変表示面の中央部を通る垂線上とすることが好ましく、例えば遊技用可変表示面及び演出用可変表示面のうちの一方が側面視円弧状、他方が平坦面状に形成されてなる場合においては、側面視円弧状の可変表示面の法線と平坦面状の可変表示面の垂線とが交差する位置以外の箇所に遊技者の目線位置があればよく、遊技用可変表示面及び演出用可変表示面の形状が異なる場合であっても、遊技用可変表示面の視認性を演出用可変表示面の視認性よりも低減させるような配置位置関係を構成することが出来る。
さらに、上記各実施例においては、遊技用可変表示面及び演出用可変表示面を、遊技用可変表示面全域を遊技者が最も視認しやすい該遊技用可変表示面の中央部を通る垂線(法線含む)と、演出用可変表示面全域を遊技者が最も視認しやすい該演出用可変表示面の中央部を通る垂線(法線含む)とが遊技者の目線位置から離れた位置で交差するように構成されていたが、これら各々の可変表示面の中央部を通る垂線同士が交差しないように遊技用可変表示面及び演出用可変表示面を配置するようにしてもよい。
また、本実施例2においては、所定の遊技価値(賞球や大当り状態)を付与するか否かを示す表示結果を導出表示するための特別図柄用可変表示器209とは別個に設けられた演出図柄用可変表示器216の演出図柄用可変表示面216aに、特別図柄用可変表示器209に導出された表示結果に対応する表示結果を導出することが出来るため、例えば前記所定の遊技価値を付与するか否かを示す表示結果以外の表示結果やリーチ態様等を表示する等の多彩な演出等を、前記所定の遊技価値を付与するか否かを示す表示結果を導出表示するという制約を受けることなく実現出来ることになるため、遊技の興趣が向上する。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
例えば、前記実施例1においては、遊技用可変表示装置及び演出用可変表示装置として、それぞれ図柄が配列された表示帯(リールシート)が外周に巻回された回転体(リール)を移動(回転)させることにより可変表示面の表示態様を変動させるとともに、該表示帯の移動を停止させることにより可変表示面に表示結果を導出表示させるように構成されたいわゆるリール式の可変表示装置が適用されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数種の図柄が配列された表示帯が、複数のプーリ等のガイド部材に摺動案内されて移動されることにより図柄を変動表示し、表示帯を停止させることで表示結果を導出表示させるベルト式の可変表示装置を適用してもよいし、あるいは、これらリール式やベルト式のような機械的構造物から構成される可変表示装置だけではなく、実施例2のパチンコ機の特別図柄用可変表示器209や演出図柄用可変表示器216のように、液晶表示器や7セグメント表示器、あるいはEL表示器等の表示装置を適用してもよい。
また、前記実施例1においては、遊技用可変表示装置及び演出用可変表示装置がリールにて構成されているため、各々の可変表示面(リールの表面における可変表示部)は側面視略円弧状に形成されていたが、本発明においては、可変表示面の形状は側面視略円弧状のものに限定されるものではなく、例えば実施例2の7セグメント表示器からなる特別図柄用可変表示器209の特別図柄用可変表示面209aや、液晶表示器からなる演出図柄用可変表示器216の演出図柄用可変表示面216a等により構成される側面視直線状、すなわち、平坦状の可変表示面であってもよい。なお、湾曲変形可能に構成されたEL表示器等により、側面視略円弧状(湾曲状)の可変表示面が構成されていてもよい。
また、前記実施例1では、メインリールユニットのカバー体の前面側にメインパネルの透視窓が配置されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、メインリールの可変表示面とカバー体との間に透光性を有するパネルを配置し、カバー体と透視窓が一体となって形成されてもよい。この場合には、メインリールの可変表示面と透視窓との間隔が、サブリールの演出用可変表示面と演出用透視窓との間隔より狭くなるが、カバー体が可変表示部の縁辺からカバー体の前端まで延びる入射光拡散部が設けられた平面を有することにより、外部からメインリールの可変表示部に到達する光の入射を防止できるので、メインリールの可変表示部を暗くさせることができる。
また、前記実施例1では、メインリールがサブリールの上方に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、メインリールがサブリールの下方に設けられている構成であっても、メインリールの可変表示部が、サブリールの演出用可変表示部よりも遊技者に対して後方位置に配置されている構成であればよい。
また、前記実施例1では、メダル並びにクレジットを使用してゲームを実施可能な通常のスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ球を用いてゲームを行うスロットマシンや、メダルが外部に排出されることなくクレジットを使用して遊技可能な完全クレジット式のスロットマシンにも適用可能であることはいうまでもなく、これらスロットマシンの種別が限定されるものではない。
前記実施例における各要素は、本発明に対して以下のように対応している。
本発明の請求項1は、所定の価値(メダル/パチンコ球)を用いて遊技を実行可能であり、各々が識別可能な複数種類の遊技用識別情報(遊技用図柄)を変動表示可能な遊技用可変表示装置(メインリールユニット11(メインリール2L、2C、2R)/特別図柄用可変表示器209)の遊技用可変表示面(可変表示部12L、12C、12R/特別図柄用可変表示面209a)に導出表示された表示結果によって所定の遊技価値(メダル/パチンコ球、大当り状態)を付与するか否かを示すことが可能な遊技機(スロットマシン1/パチンコ機)であって、
前記遊技用可変表示装置とは別個に設けられ、各々が識別可能な複数種類の演出用識別情報(演出用図柄)を変動表示可能であるとともに、前記遊技用可変表示装置の表示結果として所定の遊技価値を付与する遊技用特定表示結果が導出表示されたときに該遊技用特定表示結果に応じた演出用特定表示結果を前記遊技用可変表示面とは別個に設けられた演出用可変表示面(演出用可変表示部86L、86C、86R/演出図柄用可変表示面216a)に導出表示させる割合が前記演出用特定表示結果以外の表示結果を前記演出用可変表示面に導出させるよりも高い割合で導出表示させる演出用可変表示装置(サブリールユニット81(サブリール82L、82C、82R)/演出図柄用可変表示器216)を備え、
前記遊技用可変表示装置の遊技用可変表示面は、前記演出用表示装置の演出用可変表示面に比較して遊技者に対して後方位置に配置され、
前記遊技用可変表示装置(メインリールユニット11(メインリール2L、2C、2R))の前面側には、前記遊技用可変表示面(可変表示部12L、12C、12R)の周縁を囲む枠状に形成された可変表示枠(カバー体22)が配置されており、
該可変表示枠には、外部から入射する入射光を前記遊技用可変表示面に反射させないように拡散させる入射光拡散部(艶消し黒色塗装)が設けられている。
本発明の請求項2は、所定の価値(メダル/パチンコ球)を用いて遊技を実行可能であり、各々が識別可能な複数種類の遊技用識別情報(遊技用図柄)を変動表示可能な遊技用可変表示装置(メインリールユニット11(メインリール2L、2C、2R)/特別図柄用可変表示器209)の遊技用可変表示面(可変表示部12L、12C、12R/特別図柄用可変表示面209a)に導出表示された表示結果によって所定の遊技価値(メダル/パチンコ球、大当り状態)を付与するか否かを示すことが可能な遊技機(スロットマシン1/パチンコ機)であって、
前記遊技用可変表示装置とは別個に設けられ、各々が識別可能な複数種類の演出用識別情報(演出用図柄)を変動表示可能であるとともに、前記遊技用可変表示装置の表示結果として所定の遊技価値を付与する遊技用特定表示結果が導出表示されたときに該遊技用特定表示結果に応じた演出用特定表示結果を前記遊技用可変表示面とは別個に設けられた演出用可変表示面(演出用可変表示部86L、86C、86R/演出図柄用可変表示面216a)に導出表示させる割合が前記演出用特定表示結果以外の表示結果を前記演出用可変表示面に導出させるよりも高い割合で導出表示させる演出用可変表示装置(サブリールユニット81(サブリール82L、82C、82R)/演出図柄用可変表示器216)を備え、
前記遊技用可変表示装置の遊技用可変表示面は、前記演出用表示装置の演出用可変表示面に比較して遊技者に対して後方位置に配置され、
前記遊技用可変表示装置(メインリールユニット11(メインリール2L、2C、2R))の前面側には、前記遊技用可変表示面(可変表示部12L、12C、12R)の周縁を囲む枠状に形成された可変表示枠(カバー体22)が配置されており、
該可変表示枠は、前記演出用可変表示面(演出用可変表示部86L、86C、86R)の前記演出用識別情報(演出用図柄)の停止領域における中央部(P 2 )に対する垂線(法線M 2 )上の所定位置にある遊技者の目線位置(遊技者の視点P 0 )から前記遊技用可変表示面の前記遊技用識別情報(遊技用図柄)の停止領域における中央部(P 1 )を視認する際の視線(E 1 )を遮蔽するための遮蔽面(壁面23b)を備える。