JP4288870B2 - 樹脂被覆シームレス缶 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂被覆シームレス缶に関するもので、より詳細には優れた耐食性、耐衝撃性を有する樹脂被覆シームレス缶に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、側面無継目缶(シームレス缶)としては、アルミニウム板、ブリキ板或いはティンフリースチール板等の金属素材を、絞りダイスとポンチとの間で少なくとも一段の絞り加工に付して、側面に継ぎ目の無い胴部と該胴部に継ぎ目無しに一体に接続された底部から成る円筒状カップに形成し、次いで所望により、前記胴部に、しごきポンチとダイスとの間でしごき加工を加えて、胴部を薄肉化した缶体が知られている(絞り・しごき加工)。
また、前記しごき加工の代わりに、再絞りダイスの曲率コーナ部で曲げ伸ばしによる薄肉化絞り成形を行って側壁部を薄肉化することも既に知られている(絞り・薄肉化絞り成形)。
さらに、前記薄肉化絞り加工時にしごき加工を加えて側壁部を薄肉化する薄肉化絞り成形及びしごき加工も既に知られている(絞り・薄肉化絞り成形及びしごき加工)。
【0003】
また、側面無継目缶の有機樹脂被膜法としては、一般的に広く使用されている成形後の缶に有機塗料を施す方法の他に、成形前の金属素材に予め樹脂フィルムをラミネートする方法が知られており、また、薄肉化絞り成形による缶体の製造に際し、ポリエステル、ビニルオルガノゾル、エポキシ、フェノール、アクリル等の被覆金属板を用いることも知られている。
【0004】
熱可塑性ポリエステルに代表される熱可塑性樹脂フィルムの金属基材に対する被覆方式ついても、非常に多くの提案がされており、例えば、二軸延伸フィルムを直接、或いは接着用プライマー層を介して、金属基板に熱接着により貼り合わせる方式(例えば特開平3−101930号公報、特開平5−4229号公報、特開平6−172556号公報)や、溶融樹脂を金属基体に押し出しコートする方式(特開平10−86308号公報)等が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
樹脂被覆金属板から、絞り・しごき加工、絞り・薄肉化絞り成形、又は絞り・薄肉化絞り成形及びしごき加工(以後これらの加工法を絞り・薄肉化絞り成形及び/またはしごき加工という)により成形されたシームレス缶においては、その加工程度がコストダウンを図るために年々厳しいものとなっており、従来から一般に採用されている二軸延伸フィルムを金属基体に熱接着で積層させた缶用樹脂被覆金属板では、厳しくなる苛酷な加工に追随することが難しくなってきている。
これに対し、金属基体に溶融樹脂を直接押し出しコート、或いは、キャストフィルムをラミネートした缶用樹脂被覆金属板は、前記樹脂が未配向の状態で維持されるため、前記したような苛酷な加工に対する追随性の許容度が大きいので、押し出しコート樹脂被覆金属板が最近用いられるようになってきている。
【0006】
これらの押し出しコート或いは、キャストフィルムをラミネートした熱可塑性樹脂被覆金属板は、絞り成形により円筒状カップに成形され、次いで薄肉化絞り成形及び/又はしごき加工によりハイトが高く、しかも側壁が薄肉化されたシームレス缶に成形される。このシームレス缶では、被覆樹脂層と金属基体との接着界面状態が、缶底部と缶胴部とで大きく相違している。
即ち、缶底部では、加工の程度が厳しくないため、前記接着界面は実質上加工前の樹脂被覆金属板のままの形で温存されており、一方、缶胴部では加工の程度が厳しく、前記接着界面における被覆樹脂層に加工歪みが蓄えられため、前記接着界面において剥離や割れ等の発生が認められる場合があり、金属基体表面の表面処理層の有無に係わらずシームレス缶とした時の耐食性、耐衝撃性を低下させていた。
【0007】
耐食性は、熱可塑性樹脂被覆金属板から成るシームレス缶においては、一般にアンダー・フィルム・コロージョン(UFC)と呼ばれる被膜下腐食が進行し易い。この腐食はフィルムによるカバレッジが見掛け上安全であるにも係わらず、フィルム層の下の金属基板に腐食が発生する現象であるが、これを防止することが要求される。
【0008】
耐衝撃性は、実際の缶詰製品とした時の耐デント性と呼ばれるものが有り、これは、缶詰製品を落下して、或いは缶詰製品同士が相互に衝突して、缶詰製品に打痕と呼ばれる凹みが生じた場合でも、被覆の密着性、カバレッジが完全に保たれることが要求される。
【0009】
従って、本発明の課題は、金属基体の表面に熱可塑性樹脂を被覆した樹脂被覆金属板から成る樹脂被覆シームレス缶において、耐食性、耐衝撃性に優れた樹脂被覆シームレス缶を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の樹脂被覆シームレス缶は、
金属基体の表面にポリエチレンテレフタレートを含有する未配向のポリエステル樹脂層を被覆した樹脂被覆金属板を用いて、
絞り・曲げ伸ばし及び/またはしごき成形により、
缶胴部の厚みが缶底部の厚みの20乃至85%に薄肉化された樹脂被覆シームレス缶であて、
前記ポリエステル樹脂層を形成するポリエステル樹脂が、固有粘度0.6(dl/g)以上であり、
前記ポリエステル樹脂層が、2層から成り、表層(A)がイソフタル酸含有量15モル%以下のポリエチレンテレフタレート/イソフタレートから成り、下層(B)がイソフタル酸含有量8乃至25モル%で、しかも表層(A)のイソフタル酸含有量よりも多いポリエチレンテレフタレート/イソフタレートから成り、
かつ、
下記(1)式で表される缶胴内面側のポリエステル樹脂層の残留歪みδが10%以下であることを特徴とする。
δ(%)=(ΔV/V0)×100…(1)
但し、V0は缶胴部ポリエステル樹脂層を金属基体から剥離したフリーフィルムの高さ方向の初期長さ、ΔVはV0該当部分をガラス転移点から低温結晶化温度まで加熱した時の変化量である。
【0011】
前記構成により、金属基体表面の表面処理層が割れた場合でも樹脂層との密着性を高めることができ、シームレス缶の被膜下の腐食(UFC)を抑制し、また、被膜の耐衝撃性(耐デント性)を高めるという作用が得られるという効果を有する。
【0016】
【発明の実施の形態】
[樹脂被覆シームレス缶]
図1は、本発明の樹脂被覆シームレス缶の一実施態様を示す概略図である。図2は、本発明に用いる樹脂被覆金属板の参考断面図である。図3は、本発明に用いる他の樹脂被覆金属板の参考断面図である。
図1〜図3において、樹脂被覆シームレス缶10は、樹脂被覆金属板1を、絞り・薄肉化絞り成形及び/又はしごき加工することにより形成され、缶底部11と缶胴部12とから成っている。本発明の樹脂被覆シームレス缶10は、金属基体2の表面にポリエチレンテレフタレートを含有するポリエステル樹脂層3を被覆した樹脂被覆金属板1を、絞り・薄肉化絞り成形及び/又はしごき加工して形成されたものである。
【0017】
また、本発明の樹脂被覆シームレス缶10は、前記のポリエステル樹脂被覆金属板1をポンチとダイスの間で、有底カップ状に絞り、続いて曲げ伸ばし成形による薄肉化絞り成形及び/又はしごき加工して形成されたものである。
前記薄肉化絞り成形及び/又はしごき加工により、カップ側壁部は薄肉化加工され、成形された樹脂被覆シームレス缶10の缶胴部12の熱可塑性樹脂層3は、少なくとも一軸方向に分子配向している。
【0018】
缶胴部12の上端には、所望により形成されるネック部13と、ネック部13を介して形成されるフランジ部14とが形成されている。
前記のようにして形成された樹脂被覆シームレス缶10は、缶胴部12におけるポリエステル樹脂層3が少なくとも一軸方向に分子配向された状態に維持されており、一方、缶底部11におけるポリエステル樹脂層3は無配向の状態に維持されている点に特徴を有する。
なお、本発明の樹脂被覆シームレス缶10は、金属基体2の両面にポリエステル樹脂層3が被覆されているものであってもよい。この場合は、図2に示すような断面構造の金属基体2の両面にポリエステル樹脂層3が被覆されている樹脂被覆金属板1を、絞り・薄肉化絞り成形及び/又はしごき加工して形成される。また、図3に示すような断面構造の内面ポリエステル樹脂層3上層に、さらに内表面層5が形成されているものであっても良い。このような内表面層5は樹脂被覆シームレス缶10の内面側に設けられており、例えば、内容物中の香味成分に対して吸着性の少ない樹脂などが好ましく用いられる。
【0019】
[ポリエステル樹脂層]
本発明の樹脂被覆シームレス缶10においては、缶胴部12における内面側のポリエステル樹脂層3の残留歪み(δ)が10%以下であるという特徴を有する。
前記残留歪み(δ)は密着性阻害要因を規定したものであり、残留歪み(δ)が10%より大きいと、被覆樹脂層と金属基体との接着界面における剥離や割れ等が発生し、耐食性、耐衝撃性が低下するため好ましくない。
即ち、この点について説明すると、前式(1)で定義される缶胴部内面側のポリエステル樹脂層の残留歪み(δ)は、缶胴部ポリエステル樹脂層を金属基体から剥離したフリーフィルムの高さ方向の初期長さ(V0)と、V0該当部分をガラス転移点から低温結晶化温度まで加熱した時の変化量(ΔV)との比を示すものである。
【0020】
本発明の樹脂被覆シームレス缶は、缶胴部内面におけるポリエチレンテレフタレートを含有するポリエステル樹脂層が、缶胴内面側部ポリエステル樹脂層を金属基体から剥離したフリーフィルムの高さ方向の初期長さ(V0)と、V0該当部分をガラス転移点から低温結晶化温度まで加熱した時の変化量(ΔV)との比(δ)を10%以下に維持されている。
このことにより、絞り・薄肉化絞り成形及び/又はしごき加工によって、前記ポリエステル樹脂が一軸方向に分子配向しても、金属基体表面とポリエステル樹脂層の接着界面における密着性阻害要因が取り除かれ、耐食性、耐衝撃性等を向上させることができる点が顕著な特徴である。
即ち、被覆樹脂層と金属基体表面との接着界面における密着性を高め、シームレス缶の被膜下腐食(UFC)を抑制し、また、被膜の耐衝撃性(耐デント性)を高めることが可能となる。
【0021】
前記樹脂被覆シームレス缶の残留歪み(δ)の特性の付与は、加工前の被覆ポリエステル樹脂の配向状態、シームレス缶成形条件、シームレス缶成形後の熱処理等によって施すことができる。
歪み(δ)をコントロールするには、押し出しコート或いはキャストフィルムをラミネートした実質上未配向のポリエステル樹脂被覆金属板を用い、薄肉化絞り成形及び/又はしごき加工でシームレスカップとした後、その缶胴部の被覆樹脂層の加工による歪み(残留応力)を緩和させると共に、分子鎖配向を熱固定する熱処理が必要である。
【0022】
この熱処理は、樹脂被覆層のガラス転移点(Tg)を基準にして、一般にTg+50℃以上、特にTg+100乃至融点(Tm)−5℃の温度範囲で行うのが好ましく、前記温度域よりも低温側では被覆ポリエステル樹脂層の歪みの緩和が不十分となり、後加工性が低下する傾向があり、一方、前記温度域よりも高温側では缶成形時に形成された分子配向が緩和されてしまう傾向が大きくなり、缶胴部の耐食性、耐衝撃性が低下するという問題が生ずるからである。
尚、樹脂被覆層が2層以上の多層の場合、最下層の樹脂被覆層が前記温度範囲となるように熱処理を行うのが好ましい。
この熱処理により、被覆ポリエステル樹脂層の耐熱性が向上すると共に、金属基体への密着性も向上し、更にネックイン加工やフランジ加工等の後加工に対する加工性、或いは耐フレーバー性も向上する。
【0023】
なお、ポリエステル樹脂の結晶化には、大別して熱結晶化と配向結晶化があり、本発明の樹脂被覆シームレス缶のポリエステル樹脂層は、前記の後者の結晶化特性を主に持つことが特徴である。
すなわち、缶胴部上部のポリエステル樹脂層は、シームレス缶成形時に高度に配向結晶化されるとともに、その後行う熱処理により、粗大なラメラ型結晶を生起することなく、耐熱性、耐衝撃性及び耐腐食性に優れた特性を付与させることができる。
前記熱処理操作は、シームレス缶成形時に生じた缶耳部を切断するトリミングの前、或いは後に行う。
【0024】
必要な熱処理時間は、缶成形時において缶胴部の被覆ポリエステル樹脂層に形成される分子配向の程度によっても相違するが、一般には短時間で十分であり、具体的には1乃至10分間の間で行うことが好ましい。
本発明においては、熱処理後のシームレス缶は徐冷しても良いし、急冷しても良い。
本発明の樹脂被覆シームレス缶の缶内面側の缶胴部12においては、加工により分子配向が生じ、一方、缶底部11では、加工の程度が厳しくないため、缶底部の被覆樹脂層は未配向の状態のままであり、金属基体2表面と被覆樹脂層3との接着界面は、実質上樹脂被覆金属板のままの形で温存されているのである。
この結果、被覆樹脂層と金属基体との接着界面の密着性を維持し、シームレス缶の被膜下腐食(UFC)を抑制し、また、被膜の耐衝撃性(耐デント性)を高めるという作用効果が得られる。
【0025】
本発明の樹脂被覆シームレス缶10は、絞り成形し、続く曲げ伸ばしによる薄肉化絞り成形及び/又はしごき加工により、缶胴部12の厚みが缶底部11の厚みの20乃至85%、好ましくは40乃至80%の厚みとなるように薄肉化されていることが好ましい。
20%未満の厚みである場合は、缶胴部12内面のポリエステル樹脂層に十分な分子配向を付与させることができないと考えられるからであり、85%を超える厚みである場合は実質的に薄肉化が達成できないからである。
【0026】
本発明の絞り・薄肉化絞り成形及び/又はしごき加工で形成される樹脂被覆シームレス缶10の缶胴部12のポリエステル樹脂層3には、二種類の分子配向が形成されている。
第一のものは、絞り・薄肉化絞り成形及び/又はしごき加工に際してポリエステル樹脂分子が塑性流動に伴って缶軸(缶ハイト)方向に配向するものであり、これは繊維配向に近いものである。
第二のものは、しごき加工特有のものであり、特許第2970459号公報に記載されているように、ポリエステル分子のベンゼン環面がフィルム面に平行に近い状態で配向するものである。
これらの分子配向は、いずれも樹脂被覆シームレス缶の諸特性、特にデント性、耐食性の向上に寄与する。
【0027】
本発明において、缶内面側の缶胴部におけるポリエチレンテレフタレートを含有するポリエステル樹脂層の残留歪み(δ)が10%以下になるように熱処理することは既に述べたとおりであるが、熱処理はまた、加工により残留する内部歪みを抑制する作用効果を有する点でも行うことが好ましい。
【0028】
次に、本発明の樹脂被覆シームレス缶に用いられるポリエステル樹脂は、金属基体状に薄いフィルム層を形成するに足る分子量を有するべきであり、その固有粘度(IV)は0.6dl/g以上、特に0.65乃至1.4dl/gの範囲にあるものが望ましい。
固有粘度(IV)が0.6dl/g未満であると、種々の熱処理に耐える耐熱性、シームレス缶への成形加工、その後の後加工に耐える加工性とを有していないからであり、
また、前記数値範囲外のポリエステル樹脂は、十分な機械的特性を有さず、腐食成分へのバリアー性、耐内容物性に欠けるためである。
なお、前記範囲内のポリエステル樹脂は分子量が大きいため、半結晶化時間(τ)が長く、後述する熱結晶化防止の点においても有用である。
【0029】
本発明において、缶胴部におけるポリエステル樹脂層を少なくとも一軸方向に配向した状態に維持するには、ポリエステル樹脂として分子配向可能な樹脂を使用し、シームレス缶への加工も缶胴部の樹脂層に少なくとも一軸方向の配向が残存するように行うのが良い。
【0030】
このため、金属基体の缶内面側に積層されているポリエステル樹脂層には、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート、更にはポリエチレンナフタレート等のホモポリエステルを使用することが好ましい。
しかし、前記ポリエステル樹脂層の到達し得る最高結晶化度を下げることが、熱結晶防止、更には耐衝撃性や加工性の点で望ましい。
このため、原料ポリエステル中にエチレンテレフタレート以外の共重合エステル単位を導入することが好ましい。この共重合エステル単位の導入は、共重合を行うことで可能である。
更にポリマーブレンド、或いは多層とすることによっても可能である共重合ポリエステルでは、ホモポリエステルに比してシームレス缶への成形時に生じる一軸配向を緩和させる傾向がある。
【0031】
本発明に用いるポリエステル樹脂層は多層の樹脂層から成っていても良く、表層がイソフタル酸含有量15モル%以下のポリエチレンテレフタレート/イソフタレートから成り、下層がイソフタル酸含有量8乃至25モル%で、しかも表層のそれよりも多いポリエチレンテレフタレート/イソフタレートであることが望ましい。
このような2層とすることにより、金属基体との密着性、高加工性、耐食性、耐衝撃性、耐フレーバー吸着性等が付与される。
【0032】
また、本発明の樹脂被覆シームレス缶は、缶胴部上部のポリエステル樹脂層の、密度法による結晶化度が20乃至55%の範囲にあることが好ましい。
結晶化度が20%未満であると、金属基体との密着性、耐食性、耐衝撃性が劣り、内容物のフレーバー成分の吸着量が増える傾向にあり、シームレス缶として、好ましくない。
一方、55%を超えると、金属基体との密着性に劣り、また加工時にポリエステル樹脂層に割れが入る可能性が大になるからである。
密度法による結晶化度(Xc)は、一般的に下記式(2)で表される。
Xc=[dc(d−da)]/[d(dc−da)]×100…(2)
(2)式中、dcは完全結晶層の密度=1.455g/cm3であり、
daは完全非晶層の密度=1.335g/cm3であり、
dは試料の密度(g/cm3)である。
【0033】
ポリエステル樹脂層には、それ自体公知の樹脂用配合剤、例えば立体障害性フェノール類等の酸化防止剤、非晶質シリカ等のアンチブロック剤、二酸化チタン(チタン白)等の顔料、各種帯電防止剤、滑剤等を公知の処方に従って配合することができる。
【0034】
[樹脂被覆金属板]
次に、本発明の樹脂被覆シームレス缶に用いられる樹脂被覆金属板について図1〜3を用いて説明する。
本発明の樹脂被覆シームレス缶10に用いる樹脂被覆金属板1は、未配向のポリエステル樹脂層3を金属基体2に積層したものである。
未配向のポリエステル樹脂層を用いる理由は、溶融樹脂の押し出しコート法や未延伸フィルム(キャストフィルム)のラミネート法を用いることによって、少ない工程数で、しかも安価に樹脂被覆金属板を製造できるためである。
更に、樹脂被覆金属板1上に形成されたポリエステル樹脂層3が未配向状態であるため、絞り・薄肉化絞り成形及び/またはしごき加工性に優れており、缶胴部12を高度に薄肉化することができ、また、シームレス缶10のハイトを大きくすることも容易であるからである。
また、従来缶用途に用いられていた二軸延伸フィルムを用いないのは、加工が難しくコストアップにつながるという理由からである。
【0035】
本発明に用いる樹脂被覆金属板1は、金属基体2に分子配向可能なポリエステル樹脂層3を未延伸の状態で熱接着させることにより製造される。
即ち、シームレス缶10の缶内面側のポリエステル樹脂層3の残留歪みδを10%以下にするためには、ポリエステル樹脂層3を実質上未配向の状態でラミネートすることが重要となる。
以下、樹脂被覆金属板1を形成する金属基体2、ポリエステル樹脂層3について説明する。
【0036】
本発明に用いる樹脂被覆金属板1の断面構造の一例を示す図2において、樹脂被覆金属板1は、金属基体2と少なくとも缶内面側に位置するポリエステル樹脂層3とからなっている。
また、樹脂被覆金属板1には外面被膜4が形成されていることも好ましく、この外面被膜4はポリエステル樹脂層3と同様のものであっても良いし、また、通常の缶用塗料や樹脂フィルムであっても良い。
【0037】
樹脂被覆金属板の断面構造の他の例を示す図3において、缶内面となる側のポリエステル樹脂層3の上に内表面層5を設けることも好ましい。
例えば、内面表層が、内容物中の香味成分に対して吸着性の少ない、テレフタル酸成分やイソフタル酸成分から誘導されたポリエステル乃至コポリエステルであり、下層が、金属基体に対する接着性に優れたイソフタル酸などの共重合量の多いコポリエステルであることが好ましい。
【0038】
本発明に用いる樹脂被覆金属板1は、前記ポリエステル樹脂層3を溶融状態で金属基体2上に押し出しコートして、熱接着させることにより製造することができる。
また、別の製造方法としては、予め製膜されたポリエステル樹脂の未延伸フィルム(キャストフィルム)を金属基体2上に熱接着させることによっても製造することができる。
本発明に使用するポリエステル樹脂層3の厚みは、全体として2乃至60μm、特に3乃至40μmの範囲にあるのが金属の保護効果、加工性の点で好ましい。
また、必要に応じて、接着剤、接着用プライマーを用いても良い。
【0039】
[金属基体]
金属基体としては、各種表面処理鋼板やアルミニウム等の軽金属板を使用することができる。
表面処理鋼板としては、冷圧延鋼板を焼鈍後二次冷間圧延し、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッケルメッキ、ニッケル錫メッキ、電解クロム酸処理、クロム酸処理等の表面処理の一種または二種以上行ったものを用いることができる。
好適な表面処理鋼板の一例は、電解クロム酸処理鋼板であり、特に10乃至200mg/m2の金属クロム層と、1乃至50mg/m2(金属換算)のクロム酸化物層を備えたものであり、このものは、樹脂被膜や塗膜などとの密着性に優れており、耐腐食性にも優れている。
表面処理鋼板の他の例は、0.5乃至11.2g/m2の錫メッキ量を有する硬質ブリキ板である。このブリキ板の上層には、金属クロム換算で、クロム量が1乃至30mg/m2となるようなクロム酸処理或いはクロム酸/リン酸処理が行われていることが望ましい。
更に、他の例としては、アルミニウムメッキ、アルミニウム圧接等を施したアルミニウム被覆鋼板も用いることができる。
【0040】
軽金属板としては、アルミニウム板やアルミニウム合金板を使用することができる。耐食性と加工性との点で優れるアルミニウム合金板は、Mn:0.2乃至1.5重量%、Mg:0.8乃至5重量%、Zn:0.25乃至0.3重量%、及びCu:0.15乃至0.25重量%、残部がALの組成を有するものが好ましい。
これらの軽金属板の上層にも、金属クロム換算でクロム量が20乃至300mg/m2となるようなクロム酸処理或いはクロム酸/リン酸処理が施されていることが望ましい。軽金属板に対する表面処理は、水溶性フェノール樹脂を併用して行うこともできる。
【0041】
金属基体の素板厚みは、金属の種類、シームレス缶の用途或いはサイズによっても相違するが、一般に0.10乃至0.50mmの厚みを有するのが好ましく用いられる。中でも、表面処理鋼板の場合は、0.10乃至0.30mmの厚みのものが好ましく、また、軽金属板の場合は、0.15乃至0.40mmの厚みを有するものが好ましい。
【0042】
【実施例】
本発明を、次の実施例を用いてさらに詳細に説明する。
[ポリエステル樹脂被覆シームレス缶の作製]
以下に示すように樹脂被覆シームレス缶を作成した。樹脂の組成等は表1に示した。
【0043】
[実施例1]
押出・製膜装置を用いて、融点(Tm)が220℃のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(PET/IA)樹脂の無延伸フィルムを作製し、250℃に加熱したアルミ合金板(板厚0.3mm、A3004材、クロム酸/リン酸表面処理)の両面に貼り付けて樹脂被覆金属板を作製した。この樹脂被覆金属板から、常法により円板状のブランクを打ち抜いて浅絞りのカップを成形し、さらに常法による再絞り及びしごき加工により缶胴の薄肉化率が60%の樹脂被覆シームレス缶を作製し、前記樹脂融点(Tm)以下の200℃にて熱処理を行った。
【0044】
[実施例2]
実施例1において、融点(Tm)が220℃のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(PET/IA)樹脂をベースとし、PBTをブレンドした無延伸フィルムを作製した以外は、同様の条件で樹脂被覆シームレス缶を作製し、熱処理を行った。
【0045】
[比較例1]
実施例1において、同様の条件で樹脂被覆シームレス缶を作製し、樹脂融点(Tm)以上の240℃にて熱処理を行った。
【0046】
[比較例2]
実施例2において、同様の条件で樹脂被覆シームレス缶を作製し、樹脂融点(Tm)以上の240℃にて熱処理を行った。
【0047】
[比較例3]
実施例1において、融点(Tm)が220℃のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(PET/IA)樹脂の二軸延伸フィルムとし、同様の条件で樹脂被覆シームレス缶を作製した。
しかしながら、加工時に缶胴部でデラミネーションの発生が見られ、缶胴におけるポリエステル樹脂層の密着性、耐デント性、耐腐食性評価にまで至らなかった。
【0048】
[比較例4]
実施例2において、融点(Tm)が220℃のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(PET/IA)樹脂をベースとし、PBTをブレンドした二軸延伸フィルムを用いて同様の条件で樹脂被覆シームレス缶を作製した。
しかしながら、加工時に缶胴部でデラミネーションの発生が見られ、缶胴におけるポリエステル樹脂層の密着性、耐デント性、耐腐食性評価にまで至らなかった。
【0049】
前記実施例及び比較例で作製した樹脂被覆シームレス缶を、以下のような方法で評価した。
【0050】
[加熱変化量測定]
図4に示すように、本発明の樹脂被覆シームレス缶において、金属基材圧延目に対し、0°方向(21)、90°方向(22)において、缶胴部で最もリダクション率の高い部位から幅5mm×長さ15mmのサンプル23を切り出した。各サンプルの缶外面側に相当する部分にフィルムや印刷インキが載っている場合はそれを硫酸にて除去した後、10wt%濃度の塩酸水中で基材のみを溶かした。基材が完全に溶けたら、単離した缶内面側のフィルムを静かに水洗し、乾燥させた。その後、(株)理学社製の熱機械分析装置(Thermo MechanicaL AnaLyzer:TMA)にて測定を行った。測定条件等は以下の通りである。
標点間距離(V0):10mm
サンプルへのプレ荷重:約1000g/mm2
測定温度範囲:35℃〜250℃
昇温速度:10℃/min
この時のフィルムの加熱変化量をΔVとし、標点間距離(V0)との比で表し
たものを残留歪み(δ)とした。
結果を、表1に示した。
【0051】
[傷つきレトルト評価]
図5に示すように、缶胴ストレート部長さ(TwL)の中間点24と缶ネック部25の全周にキズ26を入れ、125℃で30分間のレトルト処理をした。
評価方法はキズ26を付けた部分のデラミネーションの発生を目視観察した。
評価結果を表1に示した。
【0052】
[缶胴モデルデント評価]
缶胴ストレート部長さ(TwL)の中間点に直径16mmの鋼球を置き、1kgの円筒状錘を高さ20mmから落下させたときのデントERVを測定した。その結果、デントERVが1.0mA以下で良好な値を示した。
結果を、表1に示した。
【0053】
[クロスカット腐食評価]
図6に示すように、缶胴ストレート部長さ(TwL)の中間点24を中心に、金属基材圧延目に対し、0°方向(21)、90°方向(22)において、長さ30mmのクロスカット27を市販のカッターにて入れた。その後、クエン酸0.002mol/l、クエン酸三ナトリウム0.002mol/l、塩化ナトリウム0.02mol/lのモデル腐食液中に、50℃で2週間浸漬経時した。
評価方法は、腐食状況を目視確認した。
評価結果を表1に示した。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】
本発明の樹脂被覆シームレス缶によれば、缶胴部内面側のポリエステル樹脂層の残留歪みδを10%以下となるように制御することにより、優れた、耐腐食性、耐衝撃性等を有する樹脂被覆シームレス缶とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂被覆シームレス缶の参考図である。
【図2】本発明に用いる樹脂被覆金属板の参考断面図である。
【図3】本発明に用いる他の樹脂被覆金属板の参考断面図である。
【図4】本発明の実施例における評価方法を示す参考図である。
【図5】本発明の実施例における評価方法を示す参考図である。
【図6】本発明の実施例における評価方法を示す参考図である。
【符号の説明】
1: 樹脂被覆金属板
2: 金属基体
3: 熱可塑性樹脂層(ポリエステル樹脂層)
4: 外面被膜
5: 内表面層
10: シームレス缶
11: 缶底部
12: 缶胴部
13: ネック部
14: フランジ部
21: 金属板圧延目に対する0°方向
22: 金属板圧延目に対する90°方向
23: サンプル
24: 中間点
26: キズ
27: クロスカット
Claims (1)
- 金属基体の表面にポリエチレンテレフタレートを含有する未配向のポリエステル樹脂層を被覆した樹脂被覆金属板を用いて、
絞り・曲げ伸ばし及び/またはしごき成形により、
缶胴部の厚みが缶底部の厚みの20乃至85%に薄肉化された樹脂被覆シームレス缶であて、
前記ポリエステル樹脂層を形成するポリエステル樹脂が、固有粘度0.6(dl/g)以上であり、
前記ポリエステル樹脂層が、2層から成り、表層(A)がイソフタル酸含有量15モル%以下のポリエチレンテレフタレート/イソフタレートから成り、下層(B)がイソフタル酸含有量8乃至25モル%で、しかも表層(A)のイソフタル酸含有量よりも多いポリエチレンテレフタレート/イソフタレートから成り、
かつ、
下記(1)式で表される缶胴内面側のポリエステル樹脂層の残留歪みδが10%以下であることを特徴とする樹脂被覆シームレス缶。
δ(%)=(ΔV/V0)×100…(1)
V0:缶胴部ポリエステル樹脂層を金属基体から剥離したフリーフィルムの高さ方向の初期長さ、
ΔV:V0該当部分をガラス転移点から低温結晶化温度まで加熱した時の変化量。
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