JP4287009B2 - 連続アンローダのブルドーザ吊上装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、掻取部の側方にブルドーザを吊下するようにした連続アンローダのブルドーザ吊上装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
連続アンローダ1は、図8に示すように、垂直方向に配置されたエレベータ部2とその下端から水平方向に延出された掻取部3とにバケットコンベヤ4を無端状に巻き掛け、これを循環駆動させて掻取部3にて掻き取った船倉5内のバラ物6(石炭、鉄鉱石等)をエレベータ部2にて上方に搬送して揚荷するものである。
【0003】
ところで、上記連続アンローダ1においては、船倉5内の隅部のバラ物を全て掻き取ることは困難である。このため、掻取部3の近傍にブルドーザを吊り下げてこれを埠頭7から船倉5内に搬入し、ブルドーザと共同してバラ物6を掻き取る(底浚いする)ことが行われている。
【0004】
従来、ブルドーザの船倉5内への吊り込みは、▲1▼作業員がブルドーザ用のスリングワイヤを掻取部3に取り付け、吊り込み終了後は取り外す方式が知られている。また、▲2▼大型の連続アンローダでは、エレベータ部2の両側に吊上用ワイヤロープを仕込んでおき、吊上げ時にはそのロープを所定位置まで下げて掻取部3の下方にブルドーザを吊下する方式が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、▲1▼の方式では、ワイヤ着脱作業が煩雑である。特に、スリングワイヤは、ブルドーザが重いためそれに応じて太く重く、これを手作業で着脱することは負担が大きい。また、▲2▼の方式では、掻取部3の下方にブルドーザを吊下するため、埠頭7から船倉5へブルドーザを吊り込むときには、船の甲板8を越える際にブーム9を余分に持ち上げなければならない。
【0006】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、作業員の負担が小さくブームを余分に持ち上げる必要のない連続アンローダのブルドーザ吊上装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく創案された本発明は、垂直方向に配置されたエレベータ部とその下端から水平方向に延出された掻取部とにバケットコンベヤを無端状に巻き掛けてなる連続アンローダのブルドーザ吊上装置であって、上記エレベータ部に設けられ上下方向に沿った格納状態と側方に展開した展開状態とに切換可能なリンク機構と、該リンク機構にその格納・展開のための力点部に位置して設けられた支持金具と、該支持金具上に着座・離間される連結金具と、該連結金具の上部に接続された巻取ワイヤと、該巻取ワイヤの巻取・繰出を行うウィンチと、上記連結金具の下部に接続された吊下ワイヤと、該吊下ワイヤに設けられ上記巻取ワイヤをウィンチによって所定量巻き取ったとき上記支持金具に当接するストッパ部とを備えたものである。
【0008】
本発明によれば、リンク機構が側方に展開した状態において、ウィンチで巻取ワイヤを所定量巻き取ると、連結金具および吊下ワイヤ並びにストッパ部が上昇し、ストッパ部が支持金具に当接する。そして、さらにウィンチで巻取ワイヤを巻き取ると、支持金具がリンク機構の格納・展開のための力点部に位置しているため、上昇するストッパ部によってリンク機構の力点部に格納方向の力が加わり、リンク機構が上下方向に沿った格納状態とされる。よって、ブルドーザを吊下しない通常の掻取状態において、リンク機構が邪魔になることはない。
【0009】
その格納状態で、ウィンチから巻取ワイヤを繰り出すと、上記ストッパが下降するため、ストッパによって格納状態に保持されていたリンク機構が側方に展開される。そして、さらにウィンチから巻取ワイヤを繰り出すと、連結金具が支持金具上に載置される。この状態で吊下ワイヤにブルドーザを接続すれば、ブルドーザは掻取部の側方に吊下されるため、埠頭から船倉へブルドーザを吊り込むときの船の甲板を越える際、ブームを余分に持ち上げる必要はない。
【0010】
また、このときブルドーザの荷重は、巻取ワイヤに加わることなく、支持金具およびリンク機構に加わる。よって、巻取ワイヤは吊下ワイヤおよび連結金具の自重を支持するのみとなり、細くてよい。他方、吊下ワイヤは、ブルドーザの自重を支持するため、太い。このように、細い巻取ワイヤをウィンチで巻取って、太い吊下ワイヤを昇降させているため、ウィンチを小型化でき、装置全体を軽量コンパクトに構成できる。
【0011】
また、上記リンク機構は、その全長が所定範囲で伸縮し一端がエレベータ部にピン接続された伸縮リンクと、当該伸縮リンクの他端とエレベータ部との間に夫々ピン接続されたアームとを有し、自重によって展開状態となるものであり、上記支持金具は、当該アームにピンを介して回動自在に取り付けられていることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基いて説明する。
【0013】
図8に示すように、連続アンローダ1は、埠頭7を岸壁10に沿って走行する走行部11と、走行部11に旋回自在かつ俯仰自在に取り付けられたブーム9と、ブーム9の先端部に支持フレーム12を介して鉛直軸廻りに回動自在に垂下されたエレベータ部2と、エレベータ部2の下端部から水平方向に延出された掻取部3と、エレベータ部2および掻取部3に無端状に巻き掛けられたバケットコンベヤ4とを備えている。
【0014】
船倉5内のバラ物6(石炭、鉄鉱石等)は、掻取部3のバケットコンベヤ4で掻き取られ、エレベータ部2で上方に搬送されて上部スプロケット13および反転スプロケット14で反転され、ブーム9内に設けられた図示しないコンベヤで移送されて埠頭7に揚荷される。ブーム9の反対側の端部には、カウンタウェイト15が取り付けられている。
【0015】
掻取部3の詳細を図1および図2に示す。図示するように、エレベータ部2には、バケットコンベヤ4を囲繞するように、エレベータケーシング16が設けられている。エレベータケーシング16の上部には、上記上部スプロケット13および反転スプロケット14が設けられている。そして、エレベータケーシング16の下部には、掻取部3を吊下支持する支持リンク機構17が、平行リンク機構18を介して吊り下げられている。
【0016】
平行リンク機構18は、エレベータケーシング16の下部に設けられた基礎ブラケット19に夫々ピン20、21を介して取り付けられた第1レバー22および第2レバー23と、第1レバー22と第2レバー23とにピン24、25を介して接続された保持レバー26とからなり、各ピン20、21、24、25を結ぶ直線が平行となっている。かかる平行リンク機構18は、第1レバー22を昇降シリンダ27によってピン20廻りに回動させることにより、保持レバー26が昇降する。
【0017】
保持レバー26には、上記支持リンク機構17が吊下されている。支持リンク機構17は、保持レバー26にピン24を介して取り付けられたメインリンク28と、メインリンク28の略中央部にピン29を介して取り付けられたサブリンク30と、サブリンク30と保持レバー26との間に夫々ピン31、25を介して取り付けられたステーリンク32とからなり、メインリンク28と保持レバー26との間に作動シリンダ33が介設されている。
【0018】
この構成によれば、作動シリンダ33を収縮させると、メインリンク33の先端部に取り付けられた先端スプロケット34と、サブリンク30の先端部に取り付けられた根元スプロケット35とが、その間隔を狭めつつ下降する。逆に、作動シリンダ33を伸長させると、先端スプロケット34と根元スプロケット35とがその間隔を広げつつ上昇する。また、昇降シリンダ27を伸縮させると、支持リンク機構17が全体的に昇降する。
【0019】
このような連続アンローダ1には、図1および図2に示すように、エレベータ部2(エレベータケーシング16)の側部に位置させて、本実施形態にかかるブルドーザ吊上装置36が設けられている。ブルドーザ吊上装置36は、エレベータケーシング16の下部・側部に設けられ、上下方向に沿った格納状態(図7参照)と側方に展開した展開状態(図2および図5参照)とに切換可能なリンク機構37を有する。
【0020】
リンク機構37は、その全長が所定範囲で伸縮し一端がエレベータケーシング16にピン38で接続された伸縮リンク39と、伸縮リンク39の他端とエレベータ部16との間に夫々ピン40、41で接続されたアーム42とを有し、自重によって展開状態となるものである。アーム42は、図3にも示すように、エレベータケーシング16の下部に設けられたブラケット43に、ピン41を介して取り付けられている。
【0021】
アーム42の先端中央部にはブラケット44が設けられており、このブラケット44に上記伸縮リンク37がピン40を介して取り付けられている。他方、上記伸縮リンク39は、上端がエレベータ部16のブラケット45にピン38で接続され長手方向に沿った長穴46を有する第1リンク47と、下端がアーム42のブラケット44にピン40で接続され長穴46に挿通される2本のピン48a、48bを有する第2リンク49とを有する。
【0022】
第2リンク49は、図1に示すように、第1リンク46を挟むように配置された一対の細長い板体50、50と、それら板体50、50の上部の間に長穴46を貫通して掛け渡された2本のピン(上側ピン48aと下側ピン48b)とからなる。かかる第2リンク49は、その板体50の下部が図3に示すようにアーム42のブラケット44を挟み、それらを貫通するピン40によってブラケット44に取り付けられている。
【0023】
下側ピン48bは、図5および図6に示すようにリンク機構37が展開状態のとき、長穴46の下端部に当接して第2リンク49に加わる荷重を支持する。他方、上側ピン48aは、図6から図7に移行するとき、第1リンク47と第2リンク49とが、下側ピン48b廻りに「く字状」に折れてしまうのを未然に防止する。なお、これら2本のピン48a、48bの代りに同等の長さを有するキーでもよい。
【0024】
かかるリンク機構37には、その格納・展開のための力点部52に位置して、支持金具51が設けられている。本実施形態において力点部52とは、図2および図3並びに図5にも示すように、アーム42に接続される伸縮リンク39の取付ピン40の近傍部分である。かかる力点部52には、回転軸(ピン53)が水平に貫通されており、そのピン53の両端部には、支持金具51がそれぞれ回動自在に取り付けられている。
【0025】
支持金具51は、図4に示すように、略直方体形状に形成された一対の支持ブロック体54、54と、各支持ブロック体54を所定間隔を隔てて連結する連結板55と、連結板55に取り付けられ内部に上記ピン53が貫通されるカラー56とを有する。かかる支持金具51は、ピン53廻りに自在に回動することになる。支持金具51の各支持ブロック体54の上面には、後述する連結金具57が着座・離間する。
【0026】
支持金具51の各支持ブロック体54には、後述する吊下ワイヤ58の挿通穴59がそれぞれ形成されている。各挿通穴59の上下端は、吊下ワイヤ58の通過時の抵抗を減少するために、テーパ状に形成されている。また、支持金具51の連結板55の上部には、連結金具57の着座位置を決める一対のブラケット60、60が設けられている。ブラケット60、60は、連結金具57の薄板部61を左右から挟み、その着座位置を一意に決定する。
【0027】
連結金具57は、支持金具51上に着座・離間されるものであり、略立方体形状に形成された一対の着座ブロック体62、62と、各着座ブロック体62を所定間隔を隔てて連結する薄板部61とを有する。かかる連結金具57は、その着座ブロック体62が上記支持ブロック体54に着座・離間され、着座時に薄板部61が上記ブラケット60、60に挟まれて着座位置が一意に決定される。
【0028】
連結金具57の薄板部61の上部の中央には、巻取ワイヤ63が取り付けられるブラケット64が設けられている。巻取ワイヤ63は、図1および図2に示すウィンチ65によって、巻取・繰出がなされる。ウィンチ65は、エレベータケーシング16の上部に設けられたフレーム66に取り付けられており、巻取ワイヤ63の巻取・繰出により、連結金具57を昇降させて支持金具51に対して着座・離間させる。
【0029】
連結金具57の各着座ブロック体62、62には、図4にも示すように、吊下ワイヤ58、58が夫々取り付けられている。各吊下ワイヤ58は、その心線がバラされてブロック体62に強固に結合されており、支持金具51の挿通穴59にそれぞれ挿通されている。吊下ワイヤ58は、ブルドーザ67を吊下できる強度を有し、太く重い。他方、巻取ワイヤ63は、連結金具57および吊下ワイヤ63を吊下できる強度であり、細く軽い。
【0030】
各吊下ワイヤ58、58の下端部には、図4に示すように、ブルドーザ67が接続されるシャックル68と支持金具51に当接されるストッパ部69とがそれぞれ設けられている。ストッパ部69は、相互にスライド自在に重合された上部有底円筒体70および下部有底円筒体71と、それらの内部に収容されたコイルバネ72とを有し、吊下ワイヤ58に取り付けられた位置決め部材73によってその下端位置が固定されている。
【0031】
ストッパ部69は、巻取ワイヤ63をウィンチ65によって巻取るに従って上昇し、所定量巻き取ったとき図6に示すように支持金具51(支持ブロック体54)の下面に当接してその際の衝撃を弱め、以降さらに巻取ワイヤ63をウィンチ65によって巻取るに従って図7に示すように支持金具51を持ち上げてリンク機構37を格納状態とする。このとき、支持金具51はピン53廻りに回動する。
【0032】
以上の構成からなる本実施形態の作用を述べる。
【0033】
ブルドーザ67を埠頭7から船倉5に搬入するときには、先ず、図8に示すブーム9を旋回俯仰させて掻取部3を埠頭7上にてブルドーザ67(図示せず)の上方に移動させる。このとき、エレベータケーシング16の下部・側部に設けられたブルドーザ吊上装置36のリンク機構37は、図7に示すように、巻取ワイヤ63が図2に示すウィンチ65によって所定量巻取られ、吊下ワイヤ58のストッパ部69が支持金具51に当接・押圧され、上下方向に沿って格納された状態となっている。
【0034】
次に、図7に示す状態(リンク機構37の格納状態)から図2に示すウィンチ65を繰出方向に回転させる。すると、巻取ワイヤ63は、連結金具57、吊下ワイヤ58およびリンク機構37の重量により引っ張られ、所定の張力を保ちつつウィンチ65から繰り出される。そして、それに応じてストッパ部69も下降し、図6に示すようにストッパ部69に支持されているアーム42が、ピン41廻りに側方に展開される。
【0035】
この結果、リンク機構37は、図6に示すように、エレベータケーシング16の下部側方に張り出すように展開され、展開状態となる。この図7から図6にかけて、吊下ワイヤ58が挿通された支持金具51は、ピン53廻りにアーム42に対して回動する。よって、吊下ワイヤ58は、支持金具53の挿通穴59(図4参照)内を移動する際の抵抗が少なくなり、挿通穴59に対する縺れ絡み等が未然に防止される。
【0036】
すなわち、吊下ワイヤ58は、その下端部に設けられたシャックル68およびストッパ部69が重りとなって所定の張力で張られた状態となり、図7から図6にかけて支持金具51の挿通穴59を略鉛直状態を保持したまま通過する。そして、このとき支持金具51が、吊下ワイヤ58の略鉛直状態を保持するようにピン53廻りに回動する。このため、吊下ワイヤ58は、挿通穴59の上下端がテーパ状に形成されていることと相俟って、縺れや絡みなく支持金具51の挿通穴59内を移動するのである。
【0037】
この際、リンク機構37の伸縮リンク39は、図7の状態(伸縮リンク39の第1リンク47と第2リンク49とが重合してその全長が短くなった状態)から、図6の状態(伸縮リンク39の第1リンク47と第2リンク49とが長手方向に引き離されて全長が長くなった状態)に移行する。そして、図6の状態では、下側ピン48bが長穴46の下端部に当接し、それらによってアーム42に加わる荷重を支持するようになる。
【0038】
以降、さらにウィンチ65を繰出方向に回転させ、巻取ワイヤ63、連結金具57および吊下ワイヤ58を下降させ、図5に示すように、連結金具57を支持金具51上に着座させる(図4参照)。そして、図1および図2に示すように、吊下ワイヤ58の下端部に取り付けたシャックル68にブルドーザ67を接続し、図8に示すブーム9を俯仰させてブルドーザ67を吊り上げ、ブーム9を旋回・俯仰させてブルドーザ67を船倉5内に吊り入れる。
【0039】
このとき、ブルドーザ67の吊下基点となる支持金具51が、図2に示すようにエレベータケーシング16の下部側方に展開されたリンク機構37に設けられているため、ブルドーザ67は掻取部3の側方に吊下される。よって、本実施形態は、図8において、埠頭7から船倉5へブルドーザ67を吊り込むときの船の甲板を越える際、掻取部3を略クリアできる高さだけブーム9を持ち上げれば済み、ブルドーサ67を掻取部3の下方に吊下する従来タイプと比べれば、ブーム9を余分に持ち上げる量が少なくなる。
【0040】
また、このとき(図2のとき)ブルドーザ67の荷重は、巻取ワイヤ63に加わることなく、支持金具51およびリンク機構に加わる。よって、巻取ワイヤ63は連結金具57および吊下ワイヤ58の自重を支持するのみとなり、細くてよい。他方、吊下ワイヤ58は、ブルドーザ67の自重を支持するため、太い。このように、細い巻取ワイヤ63をウィンチ65で巻取って、太い吊下ワイヤ58を昇降させているため、ウィンチ65を小型化でき、装置全体を軽量コンパクトに構成できる。
【0041】
なお、図2に示すリンク機構37は、その展開状態の強度剛性が、ブルドーザ67の荷重に耐え得るように設計されていることは勿論である。具体的には、図2および図5において、ブルドーザ67の重量は、その殆どが下側ピン48bと長穴46の下端部に加わるため、下側ピン48bの剪断強度および長穴46下端部の剪断強度は、ブルドーザ67の重量の耐え得る強度に設計されている。
【0042】
こうして、ブルドーザ67を船倉5内に移動させて船倉5の底面に着床させたならば、吊下ワイヤ58のシャックル68をブルドーザ67から取り外す。その後、このように、リンク機構37が側方に展開した状態において、ウィンチ65を巻取方向に回転させ、巻取ワイヤ63を所定量巻取ると、連結金具57および吊下ワイヤ58が上昇し、図6に示すように吊下ワイヤ58に取り付けたストッパ部69が支持金具51に当接する。
【0043】
このとき、ストッパ部69は、図4に示すバネ72が収縮して、当接時の衝撃を緩和する。そして、さらにウィンチ65で巻取ワイヤ63を巻き取ってストッパ部69を上昇させると、支持金具51がリンク機構37の格納・展開のための力点部52に位置しているため、上昇するストッパ部69によってリンク機構37の力点部52に格納方向の力が加わり、図7に示すようにリンク機構37が上下方向に沿った格納状態となる。
【0044】
また、図6から図7にかけて支持金具51がピン53廻りに回動するため、前述したように吊下ワイヤ58の縺れ・絡みが未然に防止される。また、伸縮リンク39の第1リンク47と第2リンク49とが図6の離間状態から図7の重合状態に以降するが、このとき前述したように上側ピン48aによって第1リンク47と第2リンク49とが「く字状」に折れてしまうのが防止される。
【0045】
こうして、ブルドーザ67を吊下しない通常の掻取状態においては、リンク機構37がエレベータケーシング16の上下方向に沿ってコンパクトに格納されるため、通常の掻取状態においてリンク機構37が掻取の邪魔になることはなく、図8に示すハッチ口74と干渉することもない。よって、このようにリンク機構37がコンパクトに格納された連続アンローダ1の掻取部3は、シャックル68から切り離された船倉5内ブルドーザ67と共同し、船倉5内のバラ物6の掻取(底浚い)を行うことができる。
【0046】
また、本実施形態によれば、ウィンチ65の操作一つで、ブルドーザ67を吊下する状態(リンク機構37の展開状態:図1、図2および図5)と、吊下しない状態(リンク機構37の格納状態:図7)とに、切り換えることができるので、作業員の負担が小さく作業が簡略化され、作業時間を大幅に短縮できる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る連続アンローダのブルドーザ吊上装置によれば、次のような優れた効果を発揮できる。
【0048】
(1)ウィンチ操作一つでブルドーザを吊下する状態と吊下しない状態とに切り換えることができるので、作業負担が小さくなる。
【0049】
(2)ブルドーザを掻取部の側方に吊下できるので、吊り込み時にブームを余分に持ち上げる必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す連続アンローダのブルドーザ吊上装置の側面図である。
【図2】図1の II-II線矢示図であり、上記ブルドーザ吊上装置の正面図である。
【図3】図2の III-III線矢示図であり、上記ブルドーザ吊上装置のリンク機構の平面図である。
【図4】上記ブルドーザ吊上装置の支持金具および連結金具の説明図である。
【図5】上記ブルドーザ吊上装置の作動を示す説明図である。
【図6】上記ブルドーザ吊上装置の作動を示す説明図である。
【図7】上記ブルドーザ吊上装置の作動を示す説明図である。
【図8】連続アンローダの全体説明図である。
【符号の説明】
1 連続アンローダ
2 エレベータ部
3 掻取部
4 バケットコンベヤ
36 ブルドーザ吊上装置
37 リンク機構
39 伸縮リンク
42 アーム
51 支持金具
52 力点部
53 ピン
57 連結金具
58 吊下ワイヤ
63 巻取ワイヤ
65 ウィンチ
69 ストッパ部
Claims (2)
- 垂直方向に配置されたエレベータ部とその下端から水平方向に延出された掻取部とにバケットコンベヤを無端状に巻き掛けてなる連続アンローダのブルドーザ吊上装置であって、上記エレベータ部に設けられ上下方向に沿った格納状態と側方に展開した展開状態とに切換可能なリンク機構と、該リンク機構にその格納・展開のための力点部に位置して設けられた支持金具と、該支持金具上に着座・離間される連結金具と、該連結金具の上部に接続された巻取ワイヤと、該巻取ワイヤの巻取・繰出を行うウィンチと、上記連結金具の下部に接続された吊下ワイヤと、該吊下ワイヤに設けられ上記巻取ワイヤをウィンチによって所定量巻き取ったとき上記支持金具に当接するストッパ部とを備えたことを特徴とする連続アンローダのブルドーザ吊上装置。
- 上記リンク機構は、その全長が所定範囲で伸縮し一端がエレベータ部にピン接続された伸縮リンクと、当該伸縮リンクの他端とエレベータ部との間に夫々ピン接続されたアームとを有し、自重によって展開状態となるものであり、上記支持金具は、当該アームにピンを介して回動自在に取り付けられた請求項1記載の連続アンローダのブルドーザ吊上装置。
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