以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機の正面図である。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を指示固定する遊技機用枠(ガラス扉枠)20とから構成されている。遊技盤2は、ガイドレールによって囲まれたほぼ円形状の遊技領域を形成している。
遊技盤2の遊技領域のほぼ中央位置には、2つの液晶表示器4L、4Rが設けられている。液晶表示器4L、4Rは、それぞれ特別図柄表示部11L、11Rにおける特別図柄の変動表示に合わせて、例えば左、中及び右の3つの表示領域で「0」〜「9」までの飾り図柄を変動表示させ、特別図柄表示部11L、11Rに特図ゲームの表示結果が導出されるタイミングで、導出された表示結果に対応した表示結果を導出させるものである。例えば、それぞれに対応する特別ゲームの結果が後述する通常大当たりとなるときには、偶数の同一種類の飾り図柄を3つ揃えて停止させ、後述する確率変動大当たりとなるときには、奇数の同一種類の飾り図柄を3つ揃えて停止させる。
液晶表示器4L、4Rは、また、特別図柄表示部11L、11Rにおいて特別図柄が変動表示されている間、様々な演出表示を行う。演出表示として、左、中及び右の表示図柄を時間差で順番に停止させるものとするが、最終停止までに2つの領域で同一の種類の飾り図柄が揃って停止させたリーチ表示態様を表示するものがある。また、液晶表示器4L、4Rは、後述する確率変動状態にあるときに背景の画像の色を変化させたり、特別図柄表示部11L、11Rの対応しない方で大当たりとなることが決まっている場合に特定演出を行ったりもする。これらの表示については、特図ゲームの実行とともにさらに詳しく後述する。
液晶表示器4Lの下方位置には、電動チューリップ型役物(普通電動役物)6Lを兼用する特別図柄始動口(スタートチャッカ)5Lが配設されている。遊技盤2の左下には、7セグメントLED表示器により構成され、そのうちで発光されるセグメントの選択により「0」〜「9」までの数字を特別図柄として変動表示させる特別図柄表示部11Lが設けられている。特別図柄表示部11Lに「3」が導出された場合には通常大当たりとなり、「7」が導出された場合には確率変動大当たりとなる。特別図柄表示部11Lの右側には、特別図柄表示部11Lに対応した特図ゲームの始動入賞の保留記憶数を表示する保留記憶表示部10Lが設けられている。
特別図柄始動口5Lに遊技球が入賞する(始動入賞する)ことによって始動条件が成立し、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの結果及び変動表示時間を決定するための乱数の抽出が行われる。先に通過した遊技球に基づく保留記憶がなくなると開始条件が成立し、この開始条件の成立によって特図ゲームの結果及び変動表示時間が決定され、特別図柄表示部11Lにおいて特別図柄の変動表示が開始される。そして、決定された変動表示時間を経過すると結果が導出される。なお、特別図柄始動口5Lの遊技球の通過は、最大4つまで保留記憶され、その数が保留記憶表示部10Lに表示される。
液晶表示器4Rの下方位置には、電動チューリップ型役物(普通電動役物)6Rを兼用する特別図柄始動口(スタートチャッカ)5Rが配設されている。遊技盤2の右下には、7セグメントLED表示器により構成され、そのうちで発光されるセグメントの選択により「0」〜「9」までの数字を特別図柄として変動表示させる特別図柄表示部11Rが設けられている。特別図柄表示部11Rに「3」が導出された場合にも通常大当たりとなり、「7」が導出された場合にも確率変動大当たりとなる。特別図柄表示部11Rの左側には、特別図柄表示部11Rに対応した特図ゲームの始動入賞の保留記憶数を表示する保留記憶表示部10Rが設けられている。
特別図柄始動口5Rに遊技球が入賞する(始動入賞する)ことによって始動条件が成立し、特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの結果及び変動表示時間を決定するための乱数の抽出が行われる。先に通過した遊技球に基づく保留記憶がなくなると開始条件が成立し、この開始条件の成立によって特図ゲームの結果及び変動表示時間が決定され、特別図柄表示部11Rにおいて特別図柄の変動表示が開始される。そして、決定された変動表示時間を経過すると結果が導出される。なお、特別図柄始動口5Rの遊技球の通過は、最大4つまで保留記憶され、その数が保留記憶表示部10Rに表示される。
特別図柄始動口5L、5Rの下側には、大当たり発生時にソレノイド等を駆動することで開放動作を行う大入賞口(第1種特別電動役物:アタッカ)8が配設されている。大入賞口8は、特別図柄表示部11L、11Rのいずれの結果により大当たりとなった場合でも、大当たり制御としての開放動作を行う。大当たり制御は、一定期間の開放の間に遊技球が大入賞口8の内部の特定領域(図示せず)を通過することを条件として次のラウンドの開放動作を行い、この開放動作を最大15ラウンド行うものである。また、特別図柄表示部11L、11Rのいずれの結果により確率変動大当たりとなった場合でも、次に大当たりとなる確率を通常遊技状態よりも高くする確率変動状態に制御される。
液晶表示器4Lのさらに左側には、遊技球の通過により普図ゲームを開始させるための通過ゲート7Lが設けられている。特別図柄表示部11Lの上側には、通過ゲート7Lへの遊技球の通過によって開始する普図ゲームの結果を○または×で示す普通図柄表示部12Lが設けられている。普通図柄表示部12Lの普図ゲームの結果が当たりとなった場合には、電動チューリップ型役物6Lが一定期間開放状態とされる。
液晶表示器4Rのさらに右側には、遊技球の通過により普図ゲームを開始させるための通過ゲート7Rが設けられている。特別図柄表示部11Rの上側には、通過ゲート7Rへの遊技球の通過によって開始する普図ゲームの結果を○または×で示す普通図柄表示部12Rが設けられている。普通図柄表示部12Rの普図ゲームの結果が当たりとなった場合には、電動チューリップ型役物6Rが一定期間開放状態とされる。
通過ゲート7L、7Rの遊技球の通過も、それぞれ最大4つまで保留記憶されるが、この保留記憶の数は表示されない。また、通過ゲート7Lの下側であって普通図柄表示部12Lの上側、通過ゲート7Rの下側であって普通図柄表示部12Rの上側には、遊技球の通過によって賞球が払い出される入賞口9(9L、9R)が設けられている。さらに、遊技盤2の最下部には、いずれの入賞口5L、5R、8、9にも入賞しなかった遊技球を回収するためのアウト口3が設けられている。遊技盤2の左右には、装飾ランプ13(13a〜13d)が設けられている。
ガラス扉枠20には、遊技領域を囲むようにして複数の遊技効果LED14(14a〜14e)が設けられている。また、ガラス扉枠20の上部左右側には、スピーカ15(15L、15R)が設けられている。特図ゲームの実行や大当たり制御に同期して、またはこれらとは独立した制御により、遊技効果LED14が発光し、スピーカ15から音声が出力される。
ガラス扉枠20の遊技領域の下側には、遊技領域に打ち出す遊技球を供給するための打球供給皿21が設けられている。その下側には、打球供給皿21への払い出しができなくなった賞球を払い出すための余剰球受皿22が設けられている。その右側には、遊技領域に遊技球を打ち出す発射モータ(図示せず)を駆動するための打球操作ハンドル23が設けられている。また、パチンコ遊技機1の左側には、プリペイドカードを挿入し、遊技球の貸し出しを受けるためのプリペイドカードユニット200(図2参照)が設けられている。
図2は、パチンコ遊技機1の制御回路の構成を示すブロック図である。パチンコ遊技機1の制御回路は、電源基板100、遊技制御基板101、演出制御基板102、及び払出制御基板104に大きく分けられる。電源基板100は、商用電源を所定の電圧に変換する電源回路が搭載されており、パチンコ遊技機1の各部に動作電力を供給する。
遊技制御基板101は、パチンコ遊技機1における遊技の進行全体の流れを制御するためのメイン側の制御基板であり、CPU(Central Processing Unit)111、RAM(Random Access Memory)112、ROM(Read Only Memory)113及びI/O(Input/Output)ポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる基本回路110を搭載している。また、遊技制御基板101は、スイッチ回路131、ソレノイド回路132、情報出力回路133及びアドレスデコード回路134を搭載している。
CPU111は、計時機能、タイマ割り込み機能、及び乱数発生機能を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する制御を行うと共に、パチンコ遊技機1の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート114は、基本回路110に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。基本回路110は、特別図柄表示部11L、11R、普通図柄表示部12L、12R、保留記憶表示部10L、10Rに接続されており、これらを直接制御する。例えば、特別図柄表示部11L、11Rの制御は、発光させるセグメントの選択により表示される数字(特別図柄)を変動させることにより行われるものである。
スイッチ回路131は、通過ゲート7Lを通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ37L、特別図柄始動口5Lを通過した遊技球を検出するための始動口スイッチ35L、通過ゲート7Rを通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ37R、特別図柄始動口5Rを通過した遊技球を検出するための始動口スイッチ35R、大入賞口8を通過した遊技球を検出するためのカウントスイッチ38、大入賞口8の特定領域を通過した遊技球を検出するためのVカウントスイッチ30、及び入賞口9を通過した遊技球を検出するための入賞口スイッチ39に接続されている。
また、球払出装置105に貯留された遊技球が満タンになっていることを検出する満タンスイッチ53、球払出装置105に遊技球の貯留がなくなったことを検出する球切れスイッチ52、及び球払出装置105が払い出した賞球をカウントするための賞球カウントスイッチ51にも接続されている。スイッチ回路131は、各スイッチ37L、35L、37R、35R、38、30、39、53、52及び51から出力されてくる信号を、I/Oポート114を介してCPU111に入力させる。
ソレノイド回路132は、電動チューリップ型役物6Lを駆動するためのソレノイド45L、電動チューリップ型役物6Rを駆動するためのソレノイド45R、大入賞口8の開閉を駆動するためのソレノイド48、及び大入賞口8内の内部にあり、遊技球を特定領域に寄せるためのシーソー(図示せず)を駆動するためのソレノイド40に接続されている。ソレノイド回路132は、I/Oポート114から出力される制御信号に基づいて、ソレノイド40、45及び48に駆動制御信号(励磁信号)を出力する。
情報出力回路133は、I/Oポート114から出力された制御信号に基づいて、大当たりの発生中を示す大当たり情報、確率変動状態(特図ゲーム及び普図ゲームにおける当選確率を高くする状態)にあることを示す確変情報、特別図柄表示部11Lにおいて実行中の特図ゲームに関する情報である第1変動情報、特別図柄表示部11Rにおいて実行中の特図ゲームに関する情報である第2変動情報、支払われた賞球に関する情報である賞球情報等の各種情報を、パチンコホール(遊技店)の管理コンピュータ等の外部コンピュータに対して出力する。
アドレスデコード回路134は、CPU111から出力されたアドレス信号を入力し、デコードする。デコードした結果、CPU111の制御対象がRAM112、ROM113及びI/Oポート114のいずれであるかを選択するための信号を、CPU111に出力する。
払出制御基板104は、球払出装置105とプリペイドカードユニット200とに接続されており、遊技球の貸し出しのために必要な情報をプリペイドカードユニット200との間でやりとりし、また、球払出装置105に貸し出された遊技球または入賞により賞球として払い出される遊技球を払い出させるための制御回路を備えている。
演出制御基板102は、パチンコ遊技機1における演出の実行を制御するためのサブ側の制御基板であり、遊技制御基板101の基本回路110と同様なCPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる基本回路120を搭載している。基本回路120は、遊技効果LED14(14a〜14e)、装飾ランプ13(13a〜13d)に接続されており、これらを制御する。
演出制御基板102は、また、それぞれCPU121からの指令に基づいて、液晶表示器4Lに表示させる画像を描画するためのビデオプロセッサ(VDP)125Lと、液晶表示器4Rに表示させる画像を描画するためのビデオプロセッサ(VDP)125Rと、スピーカ15から出力する音声を再生するためのオーディオプロセッサ(ADP)126とを搭載している。
次に、特別図柄表示部11L、11Rにおける特図ゲームの実行と、その結果に基づく遊技状態の制御、さらには特図ゲームに合わせて実行される液晶表示器4L、4Rにおける飾り図柄の変動表示について説明する。
特別図柄始動口5Lに遊技球が始動入賞した場合には、後述する各種乱数が抽出され、RAM112に設けられた保留記憶の記憶領域に順に保留記憶される(最大4つまで)。先の始動入賞に基づく特図ゲームが全て終了していると、保留記憶された各種乱数に基づいて特図ゲームの結果(ハズレ、通常大当たりまたは確率変動大当たり)と変動表示時間が決定され、特別図柄表示部11Lにおいて特図ゲームが開始される。決定された変動表示時間を経過したときに、特別図柄表示部11Lに特図ゲームの結果が導出される。
また、特別図柄始動口5Rに遊技球が始動入賞した場合にも、後述する各種乱数が抽出され、RAM112に設けられた保留記憶の記憶領域に順に保留記憶される(最大4つまで)。先の始動入賞に基づく特図ゲームが全て終了していると、保留記憶された各種乱数に基づいて特図ゲームの結果(ハズレ、通常大当たりまたは確率変動大当たり)と変動表示時間が決定され、特別図柄表示部11Rにおいて特図ゲームが開始される。決定された変動表示時間を経過したときに、特別図柄表示部11Rに特図ゲームの結果が導出される。
特別図柄表示部11L、11Rのいずれの結果が大当たりとなった場合でも、大入賞口8を開放状態とする大当たり制御が行われる。また、特別図柄表示部11L、11Rのいずれの結果が確率変動大当たりとなった場合でも、大当たり制御の終了後に確率変動状態に制御され、これ以降に開始される特別図柄表示部11L、11Rのいずれにおける特図ゲームでも、大当たりの確率が通常遊技状態よりも高められることとなる。一方、特別図柄表示部11L、11Rのいずれの結果が通常大当たりになった場合でも、大当たり制御の終了後には通常遊技状態に制御されることとなる。つまり、確率変動状態は、特別図柄表示部11L、11Rのいずれの通常大当たりによっても終了させられることとなる。
特別図柄表示部11L、11Rにおける特図ゲームの実行は、それぞれ特別図柄始動口5L、5Rへの遊技球の始動入賞に基づいて互いに独立して行われるため、例えば、特別図柄表示部11Lの特図ゲームの結果により大当たりが発生して大当たり制御に移行していても、特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの実行が未だ終了していない場合もある。この場合、大当たり制御の実行中には、特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの実行時間の計測が中断されるものとなり、大当たり制御の実行が終了したときに再び実行時間の計測が再開され、計測された実行時間が決定された変動表示時間となったときに終了する。特別図柄表示部11L、11Rを逆とした場合も同様である。
特別図柄表示部11Lの特図ゲームの結果が確率変動大当たりであった場合には、大当たり制御の終了後に確率変動状態に制御されることとなるが、特別図柄表示部11Lに確率変動大当たりが導出される前の通常遊技状態にあるときに特別図柄表示部11Rで開始した特図ゲームが、該確率変動大当たりが導出されるまでに終了できるとは限らない。また、特別図柄表示部11Lの特図ゲームの結果が通常大当たりであった場合には、大当たり制御の終了後に通常遊技状態に制御されることとなるが、特別図柄表示部11Lに通常大当たりが導出される前の確率変動状態にあるときに特別図柄表示部11Rで開始した特図ゲームが、該通常大当たりが導出されるまでに終了できるとは限らない。
このため、特別図柄表示部11Rで特図ゲームを開始するときには、特別図柄表示部11Lに大当たりが導出されるかどうかを判断し、大当たりが導出されると判断した場合には、特別図柄表示部11Lで実行されている特図ゲームの変動残り時間が特図ゲームの最短実行時間(ハズレとなるときも大当たりとなるときも同じ)よりも短いかどうかを判定する。特別図柄表示部11Lに大当たりが導出されないか変動残り時間が最短実行時間よりも長ければ、現在の遊技状態に応じた確率に基づいて、特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの結果を決定するものとなる。
一方、特別図柄表示部11Lに大当たりが導出されるまでの変動残り時間が最短実行時間よりも短ければ、そのときの遊技状態に関わらず、特別図柄表示部11Lに表示される大当たりの種類に対応した遊技応対に応じた確率に基づいて、特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの結果を決定するものとなる。特別図柄表示部11Lに大当たりが導出されて変動残り時間が最短実行時間よりも長いときには、なお、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの変動表示時間として、当該変動残り時間よりも長い時間が決定されることはない。特別図柄表示部11L、11Rを逆とした場合も同様である。
液晶表示器4L、4Rにおいては、それぞれ特別図柄表示部11L、11Rにおける特図ゲームの実行に合わせて飾り図柄が変動表示され、特図ゲームの結果の導出に合わせて表示結果が導出されるものとなる。演出制御基板102のCPU121が飾り図柄の表示制御を行うため、特別図柄表示部11L、11Rにおいて特図ゲームが開始するときには、その結果及び変動表示時間を示す第1、第2特図ゲームコマンドがそれぞれ演出制御基板102に送信され、特別図柄表示部11L、11Rに特図ゲームの結果が導出されたときには、第1、第2確定コマンドがそれぞれ演出制御基板102に送信される。
演出制御基板102のCPU121は、第1、第2特図ゲームコマンドを受信したときには、それぞれ液晶表示器4L、4Rにおける飾り図柄の変動表示パターンを該コマンドが示す変動表示時間に応じて決定し、液晶表示器4L、4Rに導出させる飾り図柄の表示結果が該コマンドが示す特図ゲームの結果に応じて決定する。そして、決定した変動表示パターンに従って飾り図柄を変動表示させ、決定した飾り図柄を導出させるものとするが、特別図柄表示部11L、11Rにおいて特図ゲームの実行時間の計測が中断されている場合には、飾り図柄の変動表示についての実行時間の計測も中断されるものとなる。この中断を行うため、特別図柄表示部11L、11Rにおける特図ゲームの実行時間の計測が中断されたとき及び再開されたときには、それぞれ第1、第2中断コマンド及び第1、第2再開コマンドが演出制御基板102に送信される。
また、液晶表示器4L、4Rにおいては、特別図柄表示部11L、11Rのように単に図柄を変動表示させて結果を導出するだけではなく、飾り図柄の変動表示以外にも様々な演出が行われるものとなる。このような演出として、遊技状態に応じて液晶表示器4L、4Rの背景の色を変化させるものがある。すなわち、通常遊技状態の確率に基づいて特図ゲームの結果が決定されているときには、対応する液晶表示器4L、4Rの背景が白色に設定され、確率変動状態の確率に基づいて結果が決定されているときには、対応する液晶表示器4L、4Rの背景が青色に設定される。
また、演出制御基板102のCPU121が現在の遊技状態を把握できるようにするため、特別図柄表示部11L、11Rにおける特図ゲームのいずれかで大当たりが発生して大当たり制御が開始されるときには大当たり開始コマンドが、通常遊技状態に基づく大当たり制御が終了するときには非確変大当たり終了コマンドが、確率変動状態に基づく大当たり制御が終了するときには確変大当たり終了コマンドが、それぞれ演出制御基板102に送信されるものとなる。
さらに、特別図柄表示部11L、11Rにおいて未だ実行中の特図ゲームの結果が大当たりとなることが決定されている場合、すなわち液晶表示器4L、4Rに導出される飾り図柄の表示結果も大当たりとなることが決定されている場合に、他方の液晶表示器4R、4Lで飾り図柄の変動表示が開始されるときには、大当たりが決定されていることを示す特定予告演出が実行される場合がある。特定予告演出は、飾り図柄の変動表示の開始時に特定のキャラクタ図柄を液晶表示器4L、4Rに表示させることにより行うものとなる。例えば、液晶表示器4Rにおいて特定予告演出が実行されたときには、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの結果として大当たりが導出されるものとなる。
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における遊技動作について説明する。以下の説明では、パチンコ遊技機1の遊技動作として実際に行われている動作であっても、本発明とは直接的な関わりがない動作については、説明を省略している場合があるものとする。
図3は、遊技制御基板101の基本回路110内のCPU111が実行する処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1の電源が投入されると、図3(a)に示すメイン処理が実行されることとなる。メイン処理では、まず初期設定処理が行われる(ステップS11)。初期設定処理では、後述する割り込み処理を実行するタイミングを規定するタイマ割り込み時間(例えば、2msec)をCPU111に設定する処理が行われる。これにより、電源投入等によるリセット後、最初の割り込み処理が実行されるタイミングを規定するための計時が開始される。また、初期設定処理においては、種々のタイマをセットするための処理も行われる。
初期設定処理が終了すると、この電源投入前に生じた電源エラーによる電源遮断時における状態のバックアップがされていないかどうかを判定する(ステップS12)。電源遮断時における状態のバックアップがされていれば、バックアップされていた状態を復元して、電源エラーの前の状態に復帰する(ステップS13)。そして、復帰した電源エラーの前の状態からの処理を継続して行う。
電源遮断時における状態のバックアップがされていなければ、RAM112を初期化すること、及び各種フラグの初期化などの処理が行われる(ステップS14)。次に、演出制御基板102、払出制御基板104などのサブ基板などに初期コマンドを送信し、これらのサブ基板の状態を初期化させる(ステップS15)。
サブ基板の初期化が行われると、特別図柄表示部11L、11Rで実行される特図ゲームの表示結果及び変動表示時間を決定するための各種乱数(大当たり決定用乱数、停止図柄決定用乱数、変動表示時間決定用乱数)を更新する乱数更新処理が行われる(ステップS16)。ステップS15でサブ基板の初期化が終了した後には、ステップS16の処理が無限ループで繰り返して実行されることとなる。この間に設定したタイマ割り込み時間が到来してタイマ割り込みが入る毎に、図3(b)のタイマ割り込み処理が実行され、タイマ割り込み処理が終了すると、再度ステップS16の無限ループの処理が実行されることとなる。
タイマ割り込み処理では、まずゲートスイッチ37L、37R、カウントスイッチ38、Vカウントスイッチ30等の状態を入力し、各入賞口や通過ゲートに対する入賞があったか否かを判定するスイッチ処理を行う(ステップS21)。なお、始動口スイッチ35L、35Rによる始動入賞の判定は、後述する特別図柄プロセス処理において行っている。次に、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断を行い、その結果に応じて必要ならば警報を発生させる等の処理を含むエラー処理を行う(ステップS22)。
次に、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS23)。この第1特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄プロセスフラグに従って、始動口スイッチ35Lにより特別図柄始動口5Lへの遊技球の通過が検出されたかを判定し、通過した場合には、上記した各種の乱数を抽出する処理が含まれる。そして、抽出した乱数の値に従って、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの結果及び変動表示時間を決定する処理が含まれる。また、決定した結果及び変動表示時間に応じて特別図柄表示部11Lにおいて特別図柄を変動表示させ、表示結果を導出させる処理も含まれる。さらに処理結果に応じて特別図柄コマンドを生成する処理も含まれる。第1特別図柄プロセス処理の詳細については、後述する。
次に、第1普通図柄プロセス処理を行う(ステップS24)。この第1普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示部12Lにおける普図ゲームにおいて普通図柄を所定の順序で制御するための第1普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。第1普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
第1特別図柄プロセス処理及び第1普通図柄プロセス処理が終了すると、ステップS16と同様に、上記した各種乱数を更新する乱数更新処理が行われる(ステップS25)。つまり、第1特別図柄プロセス処理及び第1普通図柄プロセス処理と、次に説明する第2特別図柄プロセス処理及び第2普通図柄プロセス処理との間で、各種乱数の値が更新されることとなる。
ステップS25の乱数更新処理が終了すると、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。この第2特別図柄プロセス処理では、第2特別図柄プロセスフラグに従って、始動口スイッチ35Rにより特別図柄始動口5Rへの遊技球の通過が検出されたかを判定し、通過した場合には、上記した各種の乱数を抽出する処理が含まれる。そして、抽出した乱数の値に従って、特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの結果及び変動表示時間を決定する処理が含まれる。また、決定した結果及び変動表示時間に応じて特別図柄表示部11Rにおいて特別図柄を変動表示させ、表示結果を導出させる処理も含まれる。さらに処理結果に応じて特別図柄コマンドを生成する処理も含まれる。なお、第2特別図柄プロセス処理は、第1特別図柄プロセス処理と同様の処理によって行われる。
次に、第2普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。この第2普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示部12Rにおける普図ゲームにおいて普通図柄を所定の順序で制御するための第2普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。第2普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。なお、第2普通図柄プロセス処理は、第1普通図柄プロセス処理と同様の処理によって行われる。
次に、特別図柄コマンド処理を行う(ステップS28)。この特別図柄コマンド処理は、第1特別図柄プロセス処理または第2特別図柄プロセス処理において各種のコマンドが生成されていれば、これを基本回路110から演出制御基板102へ伝送する処理である。
次に、情報出力回路133を介して確変情報、大当たり情報、第1変動情報、第2変動情報、賞球情報等の情報を外部に出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。情報出力処理の詳細については後述する。次に、ソレノイド45、48、40を励磁制御するための制御信号をソレノイド回路132に出力するソレノイド出力処理を行う(ステップS30)。次に、基本回路110から払出制御基板104に賞球個数信号と賞球可能信号とを送信して、賞球の払出指令を行うための賞球処理を行う(ステップS31)。
次に、保留記憶処理を行う(ステップS32)。この保留記憶処理は、例えば、特別図柄始動口5L、5Rに遊技球の入賞があったときに、それぞれについてRAM112に保存している保留記憶数を増加させ、特別図柄表示部11L、11Rにおいて特別図柄の変動が開始されたときに、それぞれの保留記憶数を減少させる。そして、現在の保留記憶数を保留記憶表示部10L、10Rに表示させる。このステップS32の処理が終了すると、前述したステップS16の無限ループの処理に戻る。
次に、ステップS23の第1特別図柄プロセス処理について詳細に説明する。図4は、ステップS23の第1特別図柄プロセス処理を詳細に示すフローチャートである。第1特別図柄プロセス処理では、まず、始動口スイッチ35Lによる特別図柄始動口5Lへの遊技球の通過の検出(いわゆる始動入賞)を確認し、始動入賞があった際に、各種の抽選用の乱数の抽出処理を含む入賞確認処理を行う(ステップS100)。
より詳細に説明すると、特別図柄始動口5Lへの遊技球の通過が始動口スイッチ35Lにより検出された場合、大当たり決定用乱数、停止図柄決定用乱数及び変動表示時間決定用の乱数を抽出し、RAM112に設けられた4つの保留記憶の記憶領域のうちで、未だ各種乱数の記憶されていない最も上位の領域に抽出した乱数を記憶する。各種乱数の記憶されていない記憶領域がなければ、その始動入賞は無効となる。また、各記憶領域に記憶された各種乱数は、次に説明するように新たな特図ゲームが開始したときに、1つずつ上位の領域にシフトして記憶されるものとなる。
入賞確認処理が終了した後、特図ゲーム及び特図ゲームで大当たりとなった場合の制御状態を示す第1特別図柄プロセスフラグ(RAM112に設定)に従って、第1特別図柄通常処理(ステップS101)、第1特別図柄変動処理(ステップS102)、第1特別図柄停止処理(ステップS103)、第1大入賞口開放開始処理(ステップS104)、第1大入賞口開放中処理(ステップS105)、第1大当たり終了処理(ステップS106)のうちのいずれかの処理を行う。なお、全く保留記憶がされていなかった状態で最初の始動入賞があったときには、第1特別図柄プロセスフラグの値は、第1特別図柄通常処理を実行するものに設定されている。
図5は、ステップS101の第1特別図柄通常処理を詳細に示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理では、第2特別図柄プロセス処理によりRAM112に第2大当たり実行中フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS201)。第2大当たり実行中フラグが設定されていれば、特別図柄表示部11Rの大当たりに基づく大当たり制御を行う場合であり、特別図柄表示部11Lにおいて特図ゲームを実行することがないので、そのまま第1特別図柄通常処理を終了する。
第2大当たり実行中フラグが設定されていなければ、特別図柄表示部11Lの特図ゲームに対して特別図柄始動口5Lの遊技球の通過に基づく始動入賞により抽出された乱数の記憶された保留記憶の記憶領域がないかどうか、すなわち保留記憶数が0となっているかどうかを判定する(ステップS202)。保留記憶数が0となっていれば、特別図柄表示部11Lにおいて特図ゲームを実行できる条件が成立していないので、そのまま第1特別図柄通常処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、保留記憶の4つの記憶領域のうちで最も上位の記憶領域(保留記憶数=1の記憶領域)に記憶されている大当たり決定用乱数、停止図柄決定用乱数及び変動表示時間決定用乱数を読み出す(ステップS203)。また、2番目以降の記憶領域に記憶されている各種乱数を、それぞれ1つずつ上位の記憶領域にシフトして記憶させる(ステップS204)。
次に、第2特別図柄プロセス処理によりRAM112に第2大当たりフラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS205)。第2大当たりフラグが設定されているときには、特別図柄表示部11Rで結果を大当たりとする特図ゲームが実行されており、この特図ゲームの変動表示時間から第2特別図柄プロセス処理で計測する変動実行時間を減算した変動残り時間が特図ゲームの最短実行時間よりも短いかどうかを判定する(ステップS206)。
特図ゲームの結果の最短実行時間よりも短いときには、特別図柄表示部11Rで実行中の特図ゲームについて決定されている確定図柄により通常大当たりとなるか確率変動大当たりとなるかを調べる。ここで通常大当たりとなれば、読み出した大当たり決定用乱数の値に応じてROM113に記憶された通常遊技状態用の大当たり判定テーブルを参照し、確率変動大当たりとなれば、読み出した大当たり決定用乱数の値に応じて確率変動状態用の大当たり判定テーブルを参照し、大当たり判定を行う(ステップS207)。そして、ステップS209の処理に進む。
また、ステップS205で第2大当たりフラグが設定されていないとき、またはステップS206で変動残り時間が特図ゲームの最短実行時間よりも長いときには、RAM112に確変フラグが設定されてなく通常遊技状態に制御されていれば、読み出した大当たり決定用乱数の値に応じてROM113に記憶された通常遊技状態用の大当たり判定テーブルを参照し、大当たり判定を行う(ステップS208)。そして、ステップS209の処理に進む。
なお、ステップS207またはS208で大当たり判定を行う場合、例えば、大当たり決定用乱数の値が0〜630の値をとり、0と315が大当たり判定値として通常遊技状態用の大当たり判定テーブルに登録されている場合、これを参照して大当たり判定を行うときには、抽出した大当たり決定用乱数の値が0または315であれば大当たりと、それ以外の値であればハズレと判定されることとなる。また、確率変動状態用の大当たり判定テーブルでは、例えば0、52、104、156、208、262、315、367、419、471、523、575が大当たり判定値として登録されているものとなる。
ステップS209では、ステップS207またはS208の大当たり判定の結果、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの結果を大当たりとすることが決定されたかどうかを判定する。大当たりとならなければ、そのままステップS211の処理に進む。大当たりとなれば、RAM112に第1大当たりフラグを設定して(ステップS210)、ステップS211の処理に進む。
ステップS211では、大当たり判定の結果と読み出した停止図柄決定用乱数の値に応じて、特図ゲームの結果として特別図柄表示部11Lに導出させる図柄の種類(大当たりとするときは「3」または「7」、「3」が決定されれば通常大当たりで、「7」が決定されれば確率変動大当たり)を決定する。さらに、大当たり判定の結果と読み出した変動表示時間決定用の乱数の値に応じて、特別図柄表示部11Lに特図ゲームの結果を導出させるまでの変動表示時間を決定する。但し、ステップS206で変動残り時間が特図ゲームの最短実行時間よりも長いと判定されたときには、今回の特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの変動表示時間として、当該変動残り時間よりも短いものを選択することはない(ステップS212)。
さらに、少なくとも特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの結果をハズレ、通常大当たり、確率変動大当たりのいずれにするか、特図ゲームの結果を大当たりとするか否かの判定に用いた大当たり判定用テーブルの種類、特図ゲームの結果が導出されるまでの変動表示時間を特定可能な第1特図ゲームコマンドを生成して、RAM112の所定の領域に設定する(ステップS213)。この第1特図ゲームコマンドは、次にステップS28の特別図柄コマンド処理が実行されるときに、演出制御基板102に送信されるものとなる。
その後、第1特別図柄プロセスフラグの値をステップS102の第1特別図柄変動処理を行わせるものとして、RAM112に設定する(ステップS214)。これにより、次のタイマ割り込みに基づく第1特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄変動処理が行われるものとなる。そして、第1特別図柄通常処理を終了する。
図6は、ステップS102の第1特別図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。第1特別図柄変動処理では、まず特別図柄表示部11Lにおいて特別図柄を変動表示させる(ステップS301)。次に、第2特別図柄プロセス処理によりRAM112に第2大当たりフラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS302)。第2大当たりフラグが設定されていなければ、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの実行を中断させることはないので、ステップS307の処理に進む。
第2大当たりフラグが設定されていれば、RAM112に第1中断フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS303)。第1中断フラグが設定されていなければ、さらに第2特別図柄プロセス処理によりRAM112に第2大当たり実行中フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS304)。第2大当たり実行中フラグが設定されていなければ、特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの結果が大当たりとなることが決定されていても未だ変動中の状態にあって、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの実行を中断させることはないので、ステップS307の処理に進む。
第2大当たり実行中フラグが設定されていれば、特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの実行を中断させる必要があるので、RAM112に第1中断フラグを設定する(ステップS305)。また、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの実行が中断されたことを示す第1中断コマンドを生成して、RAM112の所定の領域に設定する(ステップS306)。この第1中断コマンドは、次にステップS28の特別図柄コマンド処理が実行されるときに、演出制御基板102に送信されるものとなる。そして、第1特別図柄変動処理を終了する。また、ステップS303で第1中断フラグが設定されていた場合には、特図ゲームの実行が中断している状態であるので、そのまま第1特別図柄変動処理を終了する。
ステップS307では、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの変動実行時間を計測する。この計測は、例えば決定された変動表示時間に対応した値を初期値としてRAM112に設けられた変動実行時間計測用のカウンタに設定し、この処理が行われる度に、当該カウンタの値を1ずつ減算することにより行う。その結果として、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの変動表示時間が終了したかどうか(上記の例では、カウンタの値が0となったかどうか)を判定する(ステップS308)。変動表示時間が終了していなければ、そのまま第1特別図柄変動処理を終了する。
変動表示時間が終了していれば、RAM112に第1大当たりフラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS309)。第1大当たりフラグが設定されていなければ、特別図柄表示部11Lにおける今回の特図ゲームの結果が大当たりとはならないので、そのままステップS311の処理に進む。第1大当たりフラグが設定されていれば、特別図柄表示部11Lにおける今回の特図ゲームの結果が大当たりとなり、これに基づいて大当たり制御が開始されることとなるので、RAM112に第1大当たり実行中フラグを設定する(ステップS310)。そして、ステップS311の処理に進む。
ステップS311では、第1特別図柄プロセスフラグの値をステップS103の第1特別図柄停止処理を行わせるものとして、RAM112に設定する。これにより、次のタイマ割り込みに基づく第1特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄停止処理が行われるものとなる。そして、第1特別図柄変動処理を終了する。
図7は、ステップS103の第1特別図柄停止処理を詳細に示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理では、まずステップS208で決定されていた停止図柄を特別図柄表示部11Lに特図ゲームの結果として導出させる(ステップS401)。また、特別図柄表示部11Lに結果が導出された旨を示す第1確定コマンドを生成して、RAM112の所定の領域に設定する(ステップS402)。この第1確定コマンドは、次にステップS28の特別図柄コマンド処理が実行されるときに、演出制御基板102に送信されるものとなる。
次に、RAM112に第1大当たりフラグが設定されているかどうか、すなわち特別図柄表示部11Lにおける今回の特図ゲームの結果が大当たりとなったかどうかを判定する(ステップS403)。第1大当たりフラグが設定されていれば、大当たり制御の開始を示す大当たり開始コマンドを生成して、RAM112の所定の領域に設定する(ステップS404)。この大当たり開始コマンドは、次にステップS28の特別図柄コマンド処理が実行されるときに、第1確定コマンドに続けて演出制御基板102に送信されるものとなる。
次に、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの結果に基づく大当たりの発生に基づいて、これまで確率変動状態に制御されていてRAM112に確変フラグが設定されていたのならば、一旦これを消去する(ステップS405)。また、今回の大当たりが確率変動大当たりであるかどうかを判定する(ステップS406)。今回の大当たりが確率変動大当たりであれば、大当たり制御の終了後に続けて確率変動状態に制御することとなるので、RAM112に確変大当たりフラグを設定して(ステップS407)、ステップS408の処理に進む。今回の大当たりが通常大当たりであれば、大当たり制御の終了後の遊技状態が確率変動状態となることはないので、そのままステップS408の処理に進む。
ステップS408では、第1特別図柄プロセスフラグの値をステップS104の第1大入賞口開放開始処理を行わせるものとして、RAM112に設定する。これにより、次のタイマ割り込みに基づく第1特別図柄プロセス処理では、第1大入賞口開放開始処理が行われるものとなる。そして、第1特別図柄停止処理を終了する。
また、ステップS403で第1大当たりフラグが設定されていなかった場合には、大当たり制御に移行することなく、保留記憶があれば特図ゲームを開始させるものとなるので、第1特別図柄プロセスフラグの値をステップS101の第1特別図柄通常処理を行わせるものとして、RAM112に設定する(ステップS409)。これにより、次のタイマ割り込みに基づく第1特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄通常処理が行われるものとなる。そして、第1特別図柄停止処理を終了する。
ステップS104の第1大入賞口開放開始処理及びステップS105の大入賞口開放中処理では、大入賞口8を一定期間断続的に開放する大当たり制御を行うものとする。この大当たり制御については、本発明とは直接関係がないため、詳細な説明を省略する。大当たり制御の終了条件が成立すると、第1特別図柄プロセスフラグの値をステップS106の第1大当たり終了処理を行わせるものとして、RAM112に設定する。これにより、次のタイマ割り込みに基づく第1特別図柄プロセス処理では、第1大当たり終了処理が行われるものとなる。
図8は、ステップS106の第1大当たり終了処理を詳細に示すフローチャートである。第1大当たり終了処理では、まず、これまで実行中であった大当たり制御を終了させる(ステップS501)。次に、RAM112に確変大当たりフラグが設定されているかどうか、すなわち今回終了した大当たりが特別図柄表示部11Lに確率変動大当たりが導出されたことに基づくものであるかどうかを判定する(ステップS502)。
確変大当たりフラグが設定されていなければ、通常大当たりに基づく大当たり制御が終了した旨を示す非確変大当たり終了コマンドを生成して、RAM112の所定の領域に設定する(ステップS503)。この非確変大当たり終了コマンドは、次にステップS28の特別図柄コマンド処理が実行されるときに、演出制御基板102に送信されるものとなる。そして、ステップS506の処理に進む。
確変大当たりフラグが設定されていれば、RAM112に設定されてる確変大当たりフラグを消去するとともに、この大当たり制御の終了後の遊技状態を確率変動状態とするため、RAM112に確変フラグを設定する(ステップS504)。また、確率変動大当たりに基づく大当たり制御が終了した旨を示す確変大当たり終了コマンドを生成して、RAM112の所定の領域に設定する(ステップS505)。この確変大当たり終了コマンドは、次にステップS28の特別図柄コマンド処理が実行されるときに、演出制御基板102に送信されるものとなる。そして、ステップS506の処理に進む。
ステップS506では、ステップS310でRAM112に設定された第1大当たり実行中フラグを消去する。また、ステップS210でRAM112に設定された第1大当たりフラグを消去する(ステップS507)。さらに第2特別図柄プロセス処理によりRAM112に第2中断フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS508)。第2中断フラグが設定されていなければ、特別図柄表示部11Rにおいて特図ゲームの実行が中断されていることはないので、そのままステップS511の処理に進む。
第2中断フラグが設定されていれば、特別図柄表示部11Rにおいて特図ゲームの実行が中断されているので、この実行を再開させるためにRAM112に設定されている第2中断フラグを消去する(ステップS509)。また、特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの実行を再開させる旨を示す第2再開コマンドを生成して、RAM112の所定の領域に設定する(ステップS510)。この第2再開コマンドは、次にステップS28の特別図柄コマンド処理が実行されるときに、非確変大当たり終了コマンドまたは確変大当たり終了コマンドに続けて演出制御基板102に送信されるものとなる。そして、ステップS511の処理に進む。
ステップS511では、第1特別図柄プロセスフラグの値をステップS101の第1特別図柄通常処理を行わせるものとして、RAM112に設定する。これにより、次のタイマ割り込みに基づく第1特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄通常処理が行われるものとなる。そして、第1大当たり終了処理を終了する。
なお、ステップS26の第2特別図柄プロセス処理は、第1特別図柄プロセス処理と同様に行われるものとなる。第2特別図柄プロセス処理においては、上記した第2特別図柄プロセス処理を第1特別図柄プロセス処理と、特別図柄表示部11L、11Rをそれぞれ特別図柄表示部11R、11Lと、第1××フラグ、第2××フラグをそれぞれ第2××フラグ、第1××フラグと、第1××コマンド、第2××コマンドをそれぞれ第2××コマンド、第1××コマンドと読み替えるものとすればよい。
第2特別図柄プロセス処理におけるステップS100の対応ステップで抽出する大当たり決定用乱数、停止図柄決定用乱数及び変動表示時間決定用乱数は、第1特別図柄プロセス処理で抽出するものと同じである。もっとも、第1特別図柄プロセス処理を終了してから、ステップS25の乱数更新処理を経て値の更新された乱数を抽出しているので、同じタイマ割り込み処理内の第1、第2特別図柄プロセス処理のいずれにおいても大当たり決定用乱数、停止図柄決定用乱数及び変動表示時間決定用乱数を抽出することとなったとしても、抽出される乱数の値は異なることとなる。
次に、ステップS29の情報出力処理について詳しく説明する。情報出力処理では、RAM112に第1大当たり実行中フラグまたは第2大当たり実行中フラグが設定されていれば、大当たり情報(1ビット)をアクティブとして情報出力回路133から外部コンピュータに出力させる。RAM112に確変フラグが設定されていれば、確変情報(1ビット)をアクティブとして情報出力回路133から外部コンピュータに出力させる。ステップS31の賞球処理で賞球の払出指令を行ったときには、賞球個数信号と同じ値を示す賞球情報(4ビット)を情報出力回路133から外部コンピュータに出力させる。
特別図柄表示部11Lにおいて特図ゲームが実行されているときには、その結果を決定するために用いた大当たり判定用テーブル(通常遊技状態用または確率変動状態用)及び特図ゲームの結果(ハズレ、通常大当たりまたは確変大当たり)を示す第1変動情報(3ビット)を情報出力回路133から外部コンピュータに出力させる。特別図柄表示部11Rにおいて特図ゲームが実行されているときには、その結果を決定するために用いた大当たり判定用テーブル(通常遊技状態用または確率変動状態用)及び特図ゲームの結果(ハズレ、通常大当たりまたは確変大当たり)を示す第2変動情報(3ビット)を情報出力回路133から外部コンピュータに出力させる。
なお、情報出力回路133は、ステップS29の情報出力処理により出力した大当たり情報、確変情報、賞球情報、第1変動情報及び第2変動情報を、次のタイマ割り込み処理で情報出力処理が行われるまで、同じ状態で出力し続けるものとする。次のタイマ割り込み処理の際に、パチンコ遊技機1の内部状態が変わっていれば、情報出力回路133から出力される各情報も変化することとなる。
上記のように遊技領域に打ち出された遊技球に基づいて遊技制御基板101のCPU111が特別図柄表示部11L、11Rにおいて特図ゲームを実行するものとしているが、演出制御基板102のCPU121は、特図ゲームの実行に合わせて液晶表示器4L、4Rにおいて飾り図柄を変動表示させるものとしている。また、単なる飾り図柄の変動表示だけではなく、背景色の変化や予告表示などの各種の演出を行っている。
以下、液晶表示器4L、4Rにおいて行われる飾り図柄の変動表示などの表示に関する各種の演出について詳細に説明する。演出制御基板102のCPU121は装飾ランプ13や遊技効果LED14の点灯、スピーカ15からの音声の出力などの表示以外に関わる各種の演出の処理を行っているが、これらに関わる処理の説明については省略する。
図9は、演出制御基板102のCPU121が実行する表示制御処理を示すフローチャートである。表示制御処理では、まず初期化処理が行われる(ステップS51)。この初期化処理では、例えば遊技制御基板101から送られてくる初期化コマンドに基づいて、演出制御基板102の状態、特にRAMに設けられた各種カウンタの値やフラグの設定を初期化する。この初期化処理が終了すると、ステップS52〜S56の無限ループの処理が実行されることとなる。
初期化処理が終了すると、遊技制御基板101から受信した各種コマンドを解析するコマンド解析処理が行われる(ステップS52)。次に、コマンド解析処理で解析したコマンドにより遊技状態を移行させるべき所定の条件が成立していた場合に、演出制御基板102の側で管理する遊技状態も、遊技制御基板101の側で管理する遊技状態と同様に設定する状態設定処理が行われる(ステップS53)。状態設定処理の詳細については、後述する。
状態設定処理が終了すると、第1飾り図柄表示制御プロセス処理を行う(ステップS54)。第1飾り図柄図柄表示制御プロセス処理では、第1特図ゲームコマンドの受信により、特別図柄表示部11Lにおける特別図柄の変動に合わせて液晶表示器4Lにおいて飾り図柄を変動表示させ、その表示結果を導出させるための処理が含まれる。第1飾り図柄表示制御プロセス処理の詳細については、後述する。
第1飾り図柄表示制御プロセス処理が終了すると、変動表示パターン決定用乱数や停止図柄決定用乱数、特定予告抽選用乱数などの各種乱数の値を更新する乱数更新処理を行う(ステップS55)。乱数更新処理が終了すると、第2特図ゲームコマンドの受信により、特別図柄表示部11Rにおける特別図柄の変動に合わせて液晶表示器4Rにおいて飾り図柄を変動表示させ、その表示結果を導出させるための第2飾り図柄表示制御プロセス処理を行う(ステップS56)。第2飾り図柄表示制御プロセス処理が終了すると、ステップS52のコマンド解析処理に戻る。
次に、ステップS53の状態設定処理について詳しく説明する。図10は、ステップS53の状態設定処理を詳細に示すフローチャートである。状態設定処理では、ステップS52のコマンド解析処理の結果、ステップS404(或いは第2特別図柄プロセス処理の対応ステップ)で設定される大当たり開始コマンドを受信していたかどうかを判定する(ステップS601)。
大当たり開始コマンドを受信していれば、大当たり制御の開始となるので、RAM122に大当たり中フラグを設定する(ステップS602)。また、RAM122に確変フラグが設定されていれば、大当たり制御の開始により一旦確変状態が終了する(確変大当たりであれば、大当たり制御の後直ぐに確率変動状態に制御される)ので、これを消去する。確変フラグが設定されていなければ、そのままの状態としておく(ステップS603)。そして、状態設定処理を終了する。
大当たり開始コマンドを受信していなければ、ステップS52のコマンド解析処理の結果、ステップS505(或いは第2特別図柄プロセス処理の対応ステップ)で設定される確変大当たり終了コマンドを受信していたかどうかを判定する(ステップS604)。確変大当たり終了コマンドを受信していれば、RAM122に設定された大当たり中フラグを消去し(ステップS605)、RAM122に確変フラグを設定する(ステップS606)。そして、状態設定処理を終了する。
確変大当たり終了コマンドも受信していなければ、ステップS52のコマンド解析処理の結果、ステップS503(或いは第2特別図柄プロセス処理の対応ステップ)で設定される非確変大当たり終了コマンドを受信していたかどうかを判定する(ステップS607)。非確変大当たり終了コマンドを受信していれば、RAM122に設定された大当たり中フラグを消去する(ステップS608)。そして、状態設定処理を終了する。非確変大当たり終了コマンドも受信していなければ、そのまま状態設定処理を終了する。
次に、ステップS54の第1飾り図柄表示制御プロセス処理について詳しく説明する。図11は、ステップS54の第1飾り図柄表示制御プロセス処理を詳細に示すフローチャートである。第1飾り図柄表示制御プロセス処理では、第1表示制御プロセスフラグ(演出制御基板102のRAMに設定)に従って、第1特図ゲームコマンド受信待ち処理(ステップS701)、第1飾り図柄変動開始処理(ステップS702)、第1飾り図柄変動中処理(ステップS703)、第1飾り図柄停止処理(ステップS704)、第1大当たり表示処理(ステップS705)、第1大当たり遊技中処理(ステップS706)のうちのいずれかの処理を行う。なお、全く保留記憶がされていなかった状態で最初の始動入賞があったときには、第1表示制御プロセスフラグの値は、第1特図ゲームコマンド受信待ち処理を実行するものに設定されている。
図12は、ステップS701の第1特図ゲームコマンド受信待ち処理を詳細に示すフローチャートである。ステップS52のコマンド解析処理の結果、ステップS213で設定される第1特図ゲームコマンドを受信していたかどうかを判定する(ステップS801)。第1特図ゲームコマンドを受信していなければ、そのまま第1特図ゲームコマンド受信待ち処理を終了する。
第1特図ゲームコマンドを受信していれば、変動表示パターン決定用乱数及び停止図柄決定用乱数を抽出し、抽出した乱数の値と当該第1特図ゲームコマンドが示す特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの結果及び変動表示時間に基づいて、液晶表示器4Lにおける飾り図柄の変動表示パターン及び最終的に導出する停止図柄を決定する(ステップS802)。
また、受信した第1特図ゲームコマンドにより特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの結果が大当たりとなるかどうかを判定する(ステップS803)。特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの結果が大当たりとなる場合には、RAM122に第1大当たりフラグを設定して(ステップS804)、ステップS805の処理に進む。特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの結果が大当たりとならない場合には、そのままステップS805の処理に進む。
ステップS805では、受信した第1特図ゲームコマンドにより特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの結果の決定(大当たり判定)のために用いた大当たり判定用テーブルが、通常遊技状態用のものか確率変動状態用のものであるかを判定する。通常遊技状態用のものであれば、液晶表示器4Lの背景色を白に設定する(ステップS806)。そして、ステップS808の処理に進む。特別遊技状態用のものであれば、液晶表示器4Lの背景色を青に設定する(ステップS807)。そして、ステップS808の処理に進む。
ステップS808では、第1表示制御プロセスフラグの値をステップS702の第1飾り図柄変動開始処理を行わせるものとして、RAM122に設定する。これにより、次の第1飾り図柄表示制御プロセス処理では、第1飾り図柄変動開始処理が行われるものとなる。そして、第1特図ゲームコマンド受信待ち処理を終了する。
図13は、ステップS702の第1飾り図柄変動開始処理を詳細に示すフローチャートである。第1飾り図柄変動開始処理では、まず第2飾り図柄表示制御プロセス処理によりRAM122に第2大当たりフラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS901)。第2大当たりフラグが設定されていなければ、特別図柄表示部11Rにおいて実行されている特図ゲームの結果が大当たりとなることはなく、特定予告を行うことはないので、そのままステップS905の処理に進む。
第2大当たりフラグが設定されていれば、特別図柄表示部11Rにおいて実行されている特図ゲームの結果及び液晶表示器4Rにおける変動表示の表示結果が大当たりとなる場合であるので、特定予告抽選用乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいてその旨を特定演出により予告するか否かを決定する特定予告抽選を行う(ステップS902)。その抽選の結果として、特定予告を行うものとしたかどうかを判定する(ステップS903)。特定予告を行わない場合には、そのままステップS905の処理に進む。
特定予告を行う場合には、例えば液晶表示器4Lの飾り図柄の背景の画像として特定のキャラクタ図柄を表示させることで、特別図柄表示部11Rにおいて実行されている特図ゲームの結果が大当たりとなることを示す特定予告演出を行う(ステップS904)。そして、ステップS905の処理に進む。ステップS905では、液晶表示器4Lにおいて左、中及び右の飾り図柄の変動表示を開始させる。
次に、第1表示制御プロセスフラグの値をステップS703の第1飾り図柄変動中処理を行わせるものとして、RAM122に設定する(ステップS906)。これにより、次の第1飾り図柄表示制御プロセス処理では、第1飾り図柄変動中処理が行われるものとなる。そして、第1飾り図柄変動開始処理を終了する。
図14は、ステップS703の第1飾り図柄変動中処理を詳細に示すフローチャートである。第1飾り図柄変動中処理では、まず、RAM122に第1中断フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS1001)。第1中断フラグが設定されていなければ、ステップS52のコマンド解析処理の結果、ステップS306で設定される第1中断コマンドを受信していたかどうかを判定する(ステップS1002)。
第1中断コマンドを受信していなければ、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの実行が中断されていることはないので、そのままステップS1007の処理に進む。第1中断コマンドを受信していれば、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの実行が中断されたものとなるので、RAM122に第1中断フラグを設定する(ステップS1003)。そして、ステップS1006の処理に進む。
ステップS1001で第1中断フラグが設定されていた場合、ステップS52のコマンド解析処理の結果、第2特別図柄プロセス処理のステップS510の対応ステップで設定される第1再開コマンドを受信していたかどうかを判定する(ステップS1004)。第1再開コマンドを受信していなければ、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの実行は中断されたままということなので、そのままステップS1006の処理に進む。第1再開コマンドを受信していれば、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの実行が再開されたものとなるので、第1中断フラグを消去して(ステップS1005)、ステップS1007の処理に進む。
ステップS1006では、液晶表示器4Lにおける左、中及び右のそれぞれの飾り図柄について、現在の変動表示の状態を継続させる。例えば、仮停止している飾り図柄については、そのまま仮停止した状態を継続させる。変動表示されている飾り図柄については、そのまま変動表示を継続させる。そして、第1飾り図柄変動中処理を終了する。
ステップS1007では、例えばCPU121の内部タイマを用いて飾り図柄の変動表示の開始からの変動実行時間を計測する。次に、ステップS802で決定した変動表示パターンについて現在の変動実行時間に応じた画像を液晶表示器4Lに表示させて、飾り図柄の変動表示を行う(ステップS1008)。さらに、ステップS1007で計測した変動実行時間により第1特図ゲームコマンドで示す変動表示時間が終了したかどうかを判定する(ステップS1009)。変動表示時間が終了していなければ、そのまま第1飾り図柄変動中処理を終了する。
変動表示時間が終了していれば、第1表示制御プロセスフラグの値をステップS704の第1飾り図柄停止処理を行わせるものとして、RAM122に設定する(ステップS1010)。これにより、次の第1飾り図柄表示制御プロセス処理では、第1飾り図柄停止処理が行われるものとなる。そして、第1飾り図柄変動中処理を終了する。
ステップS704の第1飾り図柄停止処理では、特別図柄表示部11Lにおいて特図ゲームの結果が導出されたことを示す第1確定コマンドが送られてくるので、これを受信したときにステップS802で決定した停止図柄を飾り図柄の変動表示の結果として液晶表示器4Lに表示させる。この結果が大当たりであれば、第1表示制御プロセスフラグの値をステップS705の第1大当たり表示処理を行わせるものとし、ハズレであれば、第1表示制御プロセスフラグの値をステップS701の第1特図ゲームコマンド受信待ち処理を行わせるものとして、RAM122に設定する。
ステップS705の第1大当たり表示処理及びステップS706の第1大当たり遊技中処理では、大当たり制御の実行に合わせた大当たり演出用の画像を液晶表示器4Lに表示させるものとなる。大当たり演出については、本発明と直接的な関わりがないため、詳細な説明を省略する。大当たり制御の終了に伴って大当たり演出も終了することとなると、第1表示制御プロセスフラグの値をステップS701の第1特図ゲームコマンド受信待ち処理を行わせるものとして、RAM122に設定する。
なお、ステップS56の第2飾り図柄表示制御プロセス処理は、第1飾り図柄表示制御プロセス処理と同様に行われるものとなる。第2飾り図柄表示制御プロセス処理においては、上記した第2飾り図柄表示制御プロセス処理を第1飾り図柄表示制御プロセス処理と、特別図柄表示部11L、11Rをそれぞれ特別図柄表示部11R、11Lと、液晶表示器4L、4Rをそれぞれ液晶表示器4R、4Lと、第1××フラグ、第2××フラグをそれぞれ第2××フラグ、第1××フラグと、第1××コマンド、第2××コマンドをそれぞれ第2××コマンド、第1××コマンドと読み替えるものとすればよい。
第2飾り図柄表示制御プロセス処理におけるステップS802及びS902の対応ステップで抽出する変動表示パターン決定用乱数、停止図柄決定用乱数、特定予告抽選用乱数は、第1飾り図柄表示制御プロセス処理で抽出するものと同じである。もっとも、第1図柄表示制御プロセス処理を終了してから、ステップS55の乱数更新処理を経て値の更新された乱数を抽出しているので、同一周回ループ内の第1、第2飾り図柄表示制御プロセス処理のいずれにおいても同一種類の乱数を抽出することとなったとしても、抽出される乱数の値は異なることとなる。
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における大当たりの発生と、それに基づく特図ゲームの実行との関係について具体例を用いて説明する。
図15は、大当たりの発生と特図ゲームの実行についての第1の例を示すタイミングチャートである。この図において、斜線の付された特図ゲームは、確率変動状態の確率に基づいて結果が決定されたものであることを示す。この例では、初期状態として考えるタイミングt0において通常遊技状態(非確変状態)にあるものとし、特別図柄表示部11L及び特別図柄表示部11Rにおいてハズレの結果となることが決定されている特図ゲームが実行中であるものとする。また、いずれの保留記憶も途切れることがないものとする。
タイミングt1において特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームがハズレで終了し、次の特図ゲームが開始される。この特図ゲームは、特別図柄表示部11Lにおいて実行中の特図ゲームが終了するタイミングt2よりも後のタイミングt3において終了するが、タイミングt2において終了する特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの結果がハズレとなるので、現在の遊技状態である通常遊技状態の確率に基づいて結果が決定されるものとなる。ここでの結果は、ハズレに決定されたものとする。
次に、タイミングt2において特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームがハズレで終了し、次の特図ゲームが開始される。この特図ゲームは、特別図柄表示部11Rにおいて実行中の特図ゲームが終了するタイミングt3よりも後のタイミングt4において終了するが、タイミングt3において終了する特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの結果がハズレとなるので、現在の遊技状態である通常遊技状態の確率に基づいて結果が決定されるものとなる。ここでの結果は、確率変動大当たりに決定されたものとする。
さらにタイミングt3において特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームがハズレで終了し、次の特図ゲームが開始される。この特図ゲームは、特別図柄表示部11Lにおいて実行中の特図ゲームが終了するタイミングt4よりも後のタイミングt5とならなければ終了できないものとする。ここで、タイミングt5よりも前のタイミングt4において特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの結果に基づいて大当たりが発生するが、この大当たりは確率変動大当たりであり、大当たり制御の終了後に確率変動状態に遊技状態を移行させるものである。そこで、タイミングt3において開始する特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの結果は、確率変動状態の確率に基づいて決定されるものとなる。
次に、タイミングt4において特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームが確率変動大当たりで終了する。このタイミングt4からは大当たり制御が実行され、大当たり制御が終了すると(タイミングt6)、確率変動状態に移行されるものとする。また、タイミングt4よりも前のタイミングt3において開始した特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの変動実行時間の計測が中断される。計測が中断している間、特別図柄表示部11Rでは特別図柄の変動表示が続けられ、大当たり制御の終了まで結果が導出されることはない。
次に、タイミングt6において大当たり制御が終了したものとする。終了した大当たり制御は、確率変動大当たりに基づくものであるので、このタイミングから確率変動状態に制御されるものとなる。また、大当たり制御が終了したことにより、特別図柄表示部11Lにおいて確率変動状態の確率に基づいて結果が決定されて、新たな特図ゲームが開始される。
また、タイミングt6からは、大当たり制御の終了によって特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの変動実行時間の計測が再開される。その結果が導出されるタイミングt7では確率変動状態にあり、これに応じて確率変動状態の確率に基づいて決定された結果(ここでは、ハズレ)がタイミングt7で導出されるものとなる。タイミングt7において結果が導出されると、特別図柄表示部11Rにおいて確率変動状態の確率に基づいて結果が決定されて、新たな特図ゲームが開始されるものとなる。
図16は、大当たりの発生と特図ゲームの実行についての第2の例を示すタイミングチャートである。この図においても、斜線の付された特図ゲームは、確率変動状態の確率に基づいて結果が決定されたものであることを示す。この例では、初期状態として考えるタイミングT0において確率変動状態にあるものとし、特別図柄表示部11L及び特別図柄表示部11Rにおいて特図ゲームが実行中であるものとする。また、いずれの保留記憶も途切れることがないものとする。
タイミングT1において特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームがハズレで終了し、次の特図ゲームが開始される。この特図ゲームは、特別図柄表示部11Lにおいて実行中の特図ゲームが終了するタイミングT2よりも後のタイミングT3において終了するが、タイミングT2において終了する特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの結果がハズレとなるので、現在の遊技状態である確率変動状態の確率に基づいて結果が決定されるものとなる。ここでの結果は、ハズレに決定されたものとする。
次に、タイミングT2において特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームがハズレで終了し、次の特図ゲームが開始される。この特図ゲームは、特別図柄表示部11Rにおいて実行中の特図ゲームが終了するタイミングT3よりも後のタイミングT4において終了するが、タイミングT3において終了する特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの結果がハズレとなるので、現在の遊技状態である確率変動状態の確率に基づいて結果が決定されるものとなる。ここでの結果は、通常大当たりに決定されたものとする。
さらにタイミングT3において特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームがハズレで終了し、次の特図ゲームが開始される。この特図ゲームは、特別図柄表示部11Lにおいて実行中の特図ゲームが終了するタイミングT4よりも後のタイミングT5とならなければ終了できないものとする。ここで、タイミングT5よりも前のタイミングT4において特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの結果に基づいて大当たりが発生するが、この大当たりは通常大当たりであり、これで確率変動状態が終了させられる。そこで、タイミングT3において開始する特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの結果は、通常遊技状態の確率に基づいて決定されるものとなる。
次に、タイミングT4において特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームが通常大当たりで終了する。このタイミングT4からは大当たり制御が実行されるとともに、確率変動状態が終了する。この大当たり制御の実行により、タイミングT4よりも前のタイミングT3において開始した特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの変動実行時間の計測が中断される。計測が中断している間、特別図柄表示部11Rでは特別図柄の変動表示が続けられ、大当たり制御の終了まで結果が導出されることはない。
次に、タイミングT6において大当たり制御が終了したものとする。ここで、特別図柄表示部11Lにおいて通常遊技状態の確率に基づいて結果が決定されて、新たな特図ゲームが開始される。
また、タイミングT6からは、大当たり制御の終了によって特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの変動実行時間の計測が再開される。その結果が導出されるタイミングT7では通常遊技状態にあり、これに応じて通常遊技状態の確率に基づいて決定された結果(ここでは、ハズレ)がタイミングT7で導出されるものとなる。タイミングT7において結果が導出されると、特別図柄表示部11Rにおいて通常遊技状態の確率に基づいて結果が決定されて、新たな特図ゲームが開始されるものとなる。
以上説明したように、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、2つの特別図柄表示装置11L、11Rを備え、それぞれ別々の特別図柄始動口5L、5Rへの始動入賞に基づいて特図ゲームを行うものとしている。それぞれの特図ゲームの結果は、始動入賞時に抽出された乱数の値と現在の遊技状態に応じて、特図ゲームの開始の際に決定されるものとなっている。また、特別図柄表示部11L、11Rのいずれの特図ゲームの結果が大当たりとなった場合でも同じ大当たり制御を行う。
特別図柄表示部11L、11Rのいずれの特図ゲームの結果が確率変動大当たりとなった場合でも、大当たり制御の終了後に確率変動状態に制御されて、以後に開始されるいずれの特図ゲームの結果も、確率変動状態の確率に基づいて決定される。また、特別図柄表示部11L、11Rのいずれの特図ゲームの結果が通常大当たりとなった場合でも、通常遊技状態に制御されて(確率変動状態に制御されているときには、これが終了して)、以後に開始されるいずれの特図ゲームの結果も、通常遊技状態の確率に基づいて決定される。
ここで、例えば特別図柄表示部11Lの特図ゲームの結果として確率変動大当たりが導出されたときに、それよりも前に通常遊技状態の確率に基づいて結果が決定された特図ゲームが特別図柄表示部11Rにおいて実行されている場合がある。或いは、特別図柄表示部11Lの特図ゲームの結果として通常大当たりが導出されたときに、それよりも前に確率変動状態の確率に基づいて結果が決定された特図ゲームが特別図柄表示部11Rにおいて実行されている場合がある。
このような場合、特別図柄表示部11Rにおいて特図ゲームを開始する際には、特別図柄表示部11Lに導出される結果が通常大当たりか確率変動大当たりかを判定して、該大当たりの種類に対応した大当たり判定用テーブルを用いて、その結果を決定するものとなっている。特図ゲームの結果が導出されるときに開始時とは遊技状態が異なっていても、その導出時の遊技状態の確率に基づいて決定した結果を導出すればよいので、導出時の遊技状態と結果の整合が図られて、その結果が遊技者にとって分かり易くなる。これによって遊技者に不信感を感じさせることもない。
また、特図ゲームの結果が導出される時点における遊技状態の確率に基づいて結果を決定すればよいので、それぞれの特図ゲームの決定も明確に行うことができるようになる。特図ゲームの開始時において導出時の遊技状態を判断し、これに基づいて大当たり判定用テーブルを選択して特図ゲームの結果を決定するので、特図ゲームの実行中に他方の特図ゲームの結果によって遊技状態が変化したとしても、その判断を繰り返して行う必要がない。
また、特別図柄表示部11L、11Rの結果を大当たりとする場合に、これを通常大当たりとするか確率変動大当たりとするかの決定は、停止図柄(「3」か「7」か)の決定により行われるものとなる。この決定は、大当たりとする旨の決定と実質的に同じタイミングで行われるので、大当たりとするか否かの決定と大当たりの種類の決定を効率よく行うことができる。また、停止図柄の種類により大当たりの種類を決定することで、特図ゲームの結果として導出された特別図柄の種類によって、通常遊技状態となるか確率変動状態となるかが遊技者にとって分かり易くなる。
また、例えば特別図柄表示部11Lにおいて大当たりが導出された場合には、大当たり制御が行われることとなるが、この大当たりの導出時において特別図柄表示部11Lにおいて特別図柄の変動表示が実行中である場合もある。この場合、特別図柄表示部11Lへの大当たりの導出に基づく大当たり制御が終了するまで、特別図柄表示部11Rの変動実行時間の計測が中断される。さらに、大当たり制御が終了するまでは、特別図柄表示部11L、11Rにおける特図ゲームのいずれについて保留記憶がされていたり新たな始動入賞があったとしても、新たな特図ゲームが開始することはない。このため、大当たり制御が終了しないうちに新たな大当たりが導出されることがなく、大当たり制御の長期化を防いで射倖性の抑制の担保を図ることができる。
さらに、一方の特図ゲームの結果に基づいて大当たり制御が行われているときに、他方の特図ゲームの結果に基づいて大当たり制御を行わなくてはならない場合がないので、大当たり制御の開始及び終了の制御が複雑化することがない。大当たり制御の開始及び終了は、遊技者にとっても分かり易いものとなる。
また、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1は、特別図柄表示部11L、11Rの他に液晶表示器4L、4Rを備え、特別図柄表示部11L、11Rにおける特図ゲームの実行に合わせて、それぞれ液晶表示器4L、4Rで飾り図柄を変動表示させる。液晶表示器4L、4Rにおける飾り図柄の変動表示は、特別図柄表示部11L、11Rにおける特別図柄の変動表示とは異なり様々な変動表示パターンで実行することが可能であるので、これによって演出効果を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、液晶表示器4L、4Rにおいて飾り図柄を変動表示させるために、遊技制御基板101のCPU111が追加して行わなくてはならないのは、特図ゲームの結果(ハズレ、通常大当たりまたは確変大当たり)と変動表示時間を示すコマンドの送信だけである。飾り図柄の変動表示パターンの決定や表示制御の処理は、演出制御基板102のCPU121が行うものとしている。このため、遊技制御基板101のCPU111その他の回路にかかる負荷を増大させることなく、遊技の興趣を向上させるための複雑な演出を行うことができるようになる。
特別図柄表示部11L、11Rにおける変動実行時間の計測が中断/再開されると、その旨が第1、第2中断コマンド及び第1、第2再開コマンドによって遊技制御基板101から演出制御基板102に通知されるものとなる。この第1、第2中断コマンド及び第1、第2再開コマンドによって、飾り図柄の変動実行時間の計測も中断/再開させることができるので、液晶表示器4L、4Rにおける飾り図柄の変動表示と特別図柄表示部11L、11Rにおける特別図柄の変動表示とにタイミングズレが生じてしまうことがない。
また、液晶表示器4L、4Rにおいては、飾り図柄の変動表示が開始される際に、対応する特図ゲームの結果を決定するために用いられた大当たり判定用テーブルに応じて背景色が白または青のいずれかに設定される。この背景色の設定によって、如何なる遊技状態に対応する確率で特図ゲームの結果が決定されているかが遊技者にとって分かり易くなる。
さらに、例えば特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの結果(液晶表示器4Lにおける飾り図柄の変動表示の表示結果)が大当たりとなることが決定されているときであって、その結果が導出される前において、特別図柄表示部11Rにおいて特図ゲームが開始されることもある。特別図柄表示部11Rにおいて特図ゲームが開始すると、液晶表示器4Rにおいても特図ゲームが開始することがあるが、このような場合には所定の割合で特殊演出が行われるようになる。この特殊演出の実行により、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲーム(液晶表示器4Lにおける飾り図柄の変動表示)の結果に対して遊技者に期待感を持たせることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。また、特別図柄表示部11L及び液晶表示器4Lに導出される結果に対する遊技者の関心を、液晶表示器4Rにも向けさせることができるので、互いの連動により遊技の興趣を向上させることができる。
ところで、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの結果を大当たりとするか否か、停止図柄の種類(大当たりの種類)、及び変動表示時間の決定は、大当たり決定用乱数、停止図柄決定用乱数、及び変動時間決定用乱数の値に基づいて行われる。特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの結果を大当たりとするか否か、停止図柄の種類(大当たりの種類)、及び変動表示時間の決定も、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの決定に用いたのと同じ大当たり決定用乱数、停止図柄決定用乱数、及び変動時間決定用乱数の値に基づいて行われる。
もっとも、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの結果等を決定する第1特別図柄プロセス処理と、特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの結果等を決定する第2特別図柄プロセス処理との間において、乱数更新処理が行われて大当たり決定用乱数、停止図柄決定用乱数、及び変動時間決定用乱数の値が更新されるものとなっている。このため、同じタイマ割り込み処理内で特別図柄表示部11L、11Rにおける特図ゲームの結果等の決定が行われることとなっても、その決定に用いられる乱数の値は異なるものとなるので、いわゆる狙い撃ちを極力防ぐことができるようになる。また、特別図柄表示部11L、11Rにおける特図ゲームの結果等の決定のために別々の乱数を用意する必要がないので、これらの決定のために必要なデータ量を最小限に抑えることができる。
また、液晶表示器4Lにおける飾り図柄の変動表示パターン等を決定する第1飾り図柄表示制御プロセス処理と、液晶表示器4Rにおける飾り図柄の変動表示パターン等を決定する第2飾り図柄表示制御プロセス処理との間においても、乱数更新処理が行われて変動表示パターン決定用乱数及び停止図柄決定用乱数の値が更新されるものとなっている。このため、液晶表示器4L、4Rにおける変動表示パターンの決定に対しても、いわゆる狙い撃ちを防ぐことができ、また、その決定のために必要なデータ量も最小限に抑えることができる。
さらに、情報出力回路133から外部コンピュータに、大当たり情報、確変情報、第1変動情報及び第2変動情報、並びに賞球情報が出力されることとなっている。大当たり情報及び確変情報の出力により、パチンコ遊技機1の遊技状態がどのような状態にあるかを外部から監視できるようになる。
また、第1変動情報及び第2変動情報は、実行中の特図ゲームに対して決定されている結果に関する情報だけではなく、その結果の決定に用いた大当たり判定用テーブルが通常遊技状態用のものか確率状態用のものかに関する情報も含むものとなっている。これら第1変動情報及び第2変動情報を外部コンピュータにおいて監視することにより、特別図柄表示部11L、11Rにおいて実行中の特図ゲームにおいて導出されることとなる結果が、如何なる遊技状態に対応した大当たり判定用テーブルを用いて決定されているものであるかを外部から認識できるようになる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記の実施の形態では、特別図柄表示部11Lにおいて特図ゲームを開始させるための特別図柄始動口5Lと、特別図柄表示部11Rにおいて特図ゲームを開始させるための特別図柄始動口5Rとは、それぞれ別個に設けられていた。これに対して、特別図柄表示部11L、11Rに対して共通して設けられた特別図柄始動口に遊技球が通過したときに、特別図柄表示部11L、11Rのいずれかにおいて特図ゲームを開始させるものとすることができる。共通の特別図柄始動口が1つだけ設けられている場合には、例えば、次のように特別図柄表示部11L、11Rへの振り分けを行うことができる。
第1に、特別図柄始動口を遊技球が通過する度に交互に、特別図柄表示部11L、11Rにおいてそれぞれ特図ゲームを実行するための始動入賞があったものとして、その振り分けを行うことができる。この場合には、特別図柄表示部11L、11Rのいずれかに偏ることなく特図ゲームを実行させることができる。また、特別図柄始動口を遊技球が通過したときに、始動入賞を特別図柄表示部11L、11Rのいずれに振り分けるかを抽選によって決定し、その決定結果に応じて始動入賞を記憶させることができる。
また、特別図柄表示部11L、11Rに共通して設けられた特別図柄始動口を遊技球が通過したときに乱数の抽出を行い、該抽出した乱数に基づいて特別図柄表示部11L、11Rにおける特図ゲームの結果を同時に決定してもよい。例えば、抽出した乱数の値が0であれば特別図柄表示部11Lの特図ゲームが大当たり、抽出した乱数の値が1であれば特別図柄表示部11Rの特図ゲームが大当たり、抽出した乱数の値が他の値であればいずれの特図ゲームもハズレと決定することができる。
さらに、特別図柄始動口5L、5Rへの遊技球の通過により特別図柄表示部11L、11Rにおける特図ゲームの結果をそれぞれ決定するものであっても、この場合の決定において用いられるプログラムを共通化することができる。つまり、第1特別図柄通常処理と第2特別図柄プロセス処理のいずれからも共通の大当たり決定用サブルーチンにジャンプするものとし、大当たり判定を行うことができる。停止図柄の決定や変動時間の決定についても同様である。
上記の実施の形態では、特別図柄表示器11L、11Rにおいて特別図柄を変動表示させ、そこに導出された図柄により特図ゲームの結果を示すものとしていたが、これと同時に液晶表示器4L、4Rにおいて飾り図柄を変動表示させ、そこに導出された飾り図柄によっても特図ゲームの結果を示すことができるものとなっていた。液晶表示器4L、4Rの方が遊技者にとって視認しやすいので、遊技者はむしろ液晶表示器4L、4Rに表示される飾り図柄を見て遊技を進めるものと考えられる。そこで、特別図柄表示部11L、11Rを設けることなく、液晶表示器4L、4Rに表示される図柄を飾り図柄として適用するのではなく、特別図柄として適用して、これが直接的に特図ゲームの結果を示すものとしてもよい。この場合の処理は、特別図柄表示部11L、11Rの表示制御が不要となる他は、上記の実施の形態と同じものとして行うことができる。
また、特別図柄表示部11L、11Rにおける特別図柄の変動表示の制御は、遊技制御基板101のCPU111が行うものとするのではなく、演出制御基板102のCPU121が行うものとしてもよい。ここでは、遊技制御基板101の側の処理としては、特別図柄表示部11L、11Rの表示制御が不要となり、演出制御基板102の側の処理としては、第1、第2特図ゲームコマンド及び第1、第2確定コマンドに基づいて、特別図柄表示部11L、11Rにおける表示制御の処理が追加されるものとなる。普通図柄表示部12L、12Rにおける普通図柄の表示制御、保留記憶表示部10L、10Rにおける保留記憶の表示制御も、演出制御基板102のCPU121が行うものとしてもよい。
上記の実施の形態では、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームと特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの結果をそれぞれ大当たりとするか否かを決定するために共通の大当たり決定用乱数と大当たり判定用テーブルを用いていたが、いずれか一方または両方について異なるものを用いるものとしてもよい。異なる乱数を用いる場合には、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲーム用のものと特別図柄表示部11Rにおける特図ゲーム用のものとで、乱数のとり得る値の範囲が異なっていてもよい。異なる大当たり判定用テーブルを用いる場合は、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲーム用のものと特別図柄表示部11Rにおける特図ゲーム用のものとで異なる大当たり判定値を登録しておくものとしてもよい。
上記の実施の形態では、特別図柄表示部11L、11Rにおける特図ゲームの結果を大当たりとすることを決定した場合に、これに続けて行われる停止図柄の決定により確率変動大当たりとするか通常大当たりとするかを決定していた。もっとも、大当たりの種類の決定は、停止図柄の決定とは独立して行うものとすることもでき、その種類を特図ゲームの結果において示すことがなくてもよい。
上記の実施の形態では、特別図柄表示部11L、11Rに確率変動大当たりが導出されたときには、RAM112に一旦確変大当たりフラグを設定し、当該確率変動大当たりに基づく大当たり制御が終了したときに、確変大当たりフラグを消去するとともにRAM112に確変フラグを設定するものとしていた。これに対して、特別図柄表示部11L、11Rに確変大当たりが導出されたときに、そのまま確変フラグを設定するものとしてもよい。この場合、確変大当たりフラグの設定は不要である。
上記の実施の形態では、通常遊技状態であっても結果が導出される前の確率変動大当たりに基づいて確率変動状態用の大当たり判定テーブルを用いて特図ゲームの結果を決定した場合には、液晶表示器4L、4Rのうちで確率変動状態用の大当たり判定テーブルを用いた決定に基づく特図ゲームが実行されている方の背景色を青に設定していた。一方、確率変動状態であっても結果が導出される前の通常大当たりに基づいて通常遊技状態用の大当たり判定テーブルを用いて特図ゲームの結果を決定した場合には、液晶表示器4L、4Rのうちで通常遊技状態用の大当たり判定テーブルを用いた決定に基づく特図ゲームが実行されている方の背景色を白に設定していた。
もっとも、このように現在の遊技状態に対応した色とは異なる背景色が液晶表示器4L、4Rに設定されると、これで大当たりの発生が遊技者に分かってしまうこととなる。そこで、RAM122に確変フラグが設定されているか否かを優先して、現在の遊技状態に対応した背景色を液晶表示器4L、4Rに設定するものとしてもよい。第1、第2再開コマンドにより変動表示時間の計測が再開されるときに、再びRAM122に確変フラグが設定されているか否かを調べて、そのときの遊技状態に対応した背景色を液晶表示器4L、4Rに設定するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、例えば特別図柄表示部11Lにおいて大当たりの決定されている特図ゲームの実行中に特別図柄表示部11Rにおいて特図ゲームを開始させる場合には、特別図柄表示部11Lに結果が導出されるまでの変動残り時間が特図ゲームの最短実行時間よりも短いかどうかを判定し、最短実行時間よりも短ければ、特別図柄表示部11Lに導出される大当たりの種類に応じた大当たり判定用テーブルを用いて、特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの結果を決定するものとしていた。これに対して、特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの結果は、決定時における遊技状態に応じて決定し、特別図柄表示部11Lに大当たりが導出された後に、該大当たりの種類に応じて決定し直すものとしてもよい。
この変形例の処理は、例えば上記の実施の形態における第1(第2)特別図柄通常処理と、第1(第2)大当たり終了処理と、第1(第2)飾り図柄変動中処理とを、以下のように変更することによって実現することができる。ここで、特別図柄表示部11L、11Rにおける特図ゲームの保留記憶の記憶領域としては、現在実行中の特図ゲームの分も保存する領域があり(合計で5つの領域)がある。
図17は、この変形例における第1特別図柄通常処理を示す図である。ステップS204の処理で保留記憶のシフトする際に、ステップS203で読み出した各種乱数を現在実行中の特図ゲームの記憶領域にシフトする処理が含まれる。保留記憶のシフトが終了すると、RAM112に確変フラグが設定されてなく通常遊技状態に制御されていれば、読み出した大当たり決定用乱数の値に応じてROM113に記憶された通常遊技状態用の大当たり判定テーブルを参照し、大当たり判定を行う。また、確変フラグが設定されていて確率変動状態に制御されていれば、読み出した大当たり決定用乱数の値に応じてROM113に記憶された確率変動状態用の大当たり判定テーブルを参照し、大当たり判定を行う(ステップS251)。
ステップS251で大当たり判定がされると、ステップS209の処理に進んで、大当たりとすることが決定されたかどうかを判定するものとなる。その後の処理は、図5の第1特別図柄通常処理と同じである。なお、第2特別図柄通常処理についても、第1特別図柄通常処理と同様に変更すればよい。
図18は、この変形例における第1大当たり終了処理を示すフローチャートである。ステップS508までの処理、及びステップS508で第2中断フラグが設定されていないと判定されたときの処理は、図8の第1大当たり終了処理と同じである。ステップS508で第2中断フラグが設定されていると判定されたときには、まず、図8の第1大当たり終了処理と同様に、RAM112に設定されている第2中断フラグを消去する。
次に、特別図柄表示部11Rにおいて実行されている特図ゲームについて、現在実行中の保留記憶の記憶領域に記憶されている大当たり決定用乱数と停止図柄決定用乱数とを読み出す(ステップS551)。次に、読み出した大当たり決定用乱数を用いて、現在の遊技状態が通常遊技状態であれば通常遊技状態用の大当たり判定用テーブルを用いて、確率変動状態であれば確率変動状態用の大当たり判定用テーブルを用いて、特別図柄表示部11Rにおいて実行されている特図ゲームの結果を大当たりとするか否かを再決定する(ステップS552)。
また、読み出した停止図柄決定用乱数を用いて、特別図柄表示部11Rにおいて実行されている特図ゲームの停止図柄を再決定する(ステップS553)。ここで、ステップS251、S211の対応ステップで決定されたときの遊技状態と遊技状態の変化がなければ、ステップS552、S553でも同じ結果が決定されることとなる。再決定の前も後も大当たりであれば、その大当たりの種類(すなわち、停止図柄の種類)が変えられることはない。また、ここで変動表示時間を再決定することはない。
そして、特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの実行を再開させる旨を示すとともに、特別図柄表示部11Rの特図ゲームについて再決定した結果(ハズレ、通常大当たり、確率変動大当たりの別)と大当たりの決定に用いられた大当たり判定用テーブルの種類を特定可能な第2再開コマンドを生成して、RAM112の所定の領域に設定する(ステップS554)。この第2再開コマンドは、次にステップS28の特別図柄コマンド処理が実行されるときに、非確変大当たり終了コマンドまたは確変大当たり終了コマンドに続けて演出制御基板102に送信されるものとなる。そして、ステップS511の処理に進む。ステップS511の処理は、図8の第1大当たり終了処理と同じである。なお、第2大当たり終了処理についても、第1大当たり終了処理と同様に変更すればよい。
図19は、この変形例における第1飾り図柄変動中処理を示すフローチャートである。この変形例の第1飾り図柄変動中処理では、ステップS1004で第1再開コマンドを受信したと判定されたときの処理が、図14の第1飾り図柄変動中処理とは異なる。第1再開コマンドを受信したときには、第1再開コマンドの示す特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの結果に従って、変動表示パターンと導出させる飾り図柄の種類を再決定する(ステップS1051)。ここで特図ゲームの結果と矛盾する1以上の飾り図柄が既に仮停止している場合には、仮停止している飾り図柄の再変動も決定される変動表示パターンに含まれることとなる。また、RAM112に設定されている第1中断フラグを消去する(ステップS1052)。
次に、受信した第1再開ゲームコマンドにより特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの結果の再決定(大当たり判定)のために用いた大当たり判定用テーブルが、通常遊技状態用のものか確率変動状態用のものであるかを判定する(ステップS1053)。通常遊技状態用のものであれば、液晶表示器4Lの背景色を白に設定する(ステップS1054)。そして、ステップS1007の処理に進む。特別遊技状態用のものであれば、液晶表示器4Lの背景色を青に設定する(ステップS1055)。そして、ステップS1007の処理に進む。ステップS1007からの処理は、図14の第1飾り図柄変動中処理と同じである。
以上説明したように、この変形例によれば、特別図柄表示部11L、11Rにおける特図ゲームの結果は、その開始時における遊技状態に応じて一旦決定される。もっとも、例えば特別図柄表示部11Lに大当たりが導出されたときに特別図柄表示部11Rにおいて特図ゲームを実行中であれば、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの大当たりに基づく大当たり制御の終了後に、特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの結果が再決定される。
特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの結果の再決定は、大当たり制御の終了時点で制御される遊技状態に応じた大当たり判定用テーブルを用いて行うものであるので、特図ゲームの結果が導出されるときに開始時とは遊技状態が異なっていても、その導出時の遊技状態の確率に基づいて決定した結果が導出されるので、導出時の遊技状態と結果の整合が図られて、その結果が遊技者にとって分かり易くなる。これによって遊技者に不信感を感じさせることもない。また、特図ゲームの結果が導出される時点における遊技状態の確率に基づいて結果を決定すればよいので、それぞれの特図ゲームの結果を容易に決定することができるようになる。
なお、この変形例においては、特図ゲームの結果を大当たりとするか否かの決定と、大当たりの種類の決定とは、異なるタイミングで行うものとすることもできる。例えば、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの結果として大当たりが導出されたときに、この大当たりを通常大当たりとするか確率変動大当たりとするかを抽選により決定するものとしてもよい。さらには、大当たり制御が終了するまで(終了時を含む)の任意のタイミングにおいて、特図ゲームの結果が大当たりとなったときに通常大当たりとするか確率変動大当たりとするかを決定するものとしてもよい。
また、大当たり制御の終了時に特別図柄表示部11L、11Rにおいて特図ゲームの実行を再開させる場合に、特図ゲームの結果を再決定して大当たりとなることが決定されたときには、中断する前に決定されていた変動表示時間以上の時間となるように、再開された特図ゲームの変動表示時間も再決定するものとしてもよい。これにより、特別図柄表示部11Lまたは11Rに大当たりが導出されるまでの間に液晶表示器4L、4Rなどで長い時間をかけて種々の演出を行わせることができるようになり、そのような演出により遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、特別図柄表示部11L、11Rにおける特図ゲームの結果を大当たりとするか否かを決定した後に変動表示時間を決定するものとしていた。これに対して、変動表示時間を決定した後に特図ゲームの結果を大当たりとするか否かを決定するものとしてもよい。ここでは、例えば特別図柄表示部11Lにおいて大当たりの決定されている特図ゲームの実行中に特別図柄表示部11Rにおいて特図ゲームを開始させる場合には、決定した変動表示時間を経過するよりも前に特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームが終了するか否かを判定し、特別図柄表示部11Lにおける特図ゲームの方が先に終了する場合であって大当たりで終了する場合には、その大当たりの種類に応じた大当たり判定用テーブルを用いて、特別図柄表示部11Rにおける特図ゲームの結果を決定することができる。
また、液晶表示器4L、4Rの背景色の設定以外の方法により、特別図柄表示部11L、11Rにおける特図ゲームの結果をいずれの遊技状態に応じた確率で決定したかを報知するものとしてもよい。例えばLEDなどにより構成される専用の表示器を設け、この専用の表示器で報知を行ったり、スピーカ15から出力されるBGMなどの音声を変化させることにより報知を行うものとしてもよい。スピーカ15L、15Rのうちの特別図柄表示部11L、11Rに対応した方から、特図ゲームの結果を決定するための確率に応じた音声を出力させるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、例えば特別図柄表示部11Lにおいて実行されている特図ゲームの結果が大当たりとなることが決定されているときに、反対側の特別図柄表示部11Rで新たな特図ゲームが開始されるタイミング、すなわち液晶表示器4Rにおいて飾り図柄の変動表示が開始されるタイミングで、所定の割合で液晶表示器4Rに特定のキャラクタ図柄を表示させることで特定予告演出を実行するものとしていた。もっとも、この特定予告演出の実行は、特別図柄表示部11Lに大当たりの結果が導出されるまでの任意のタイミングで行うものとすることができる。
また、特定予告演出の態様としては、キャラクタ図柄の表示に限るものではなく、飾り図柄の変動開始態様の変化(例えば、左、中及び右の順に変動開始タイミングが遅れる)など他の態様によるものとしてもよい。通常大当たりとなることが決定されているときと、確率変動大当たりとなることが決定されているときとで、特定予告演出の態様を異なるものとしてもよい。或いは、通常大当たりとなることが決定されているときと、確率変動大当たりとなることが決定されているときとで、特定予告演出の態様の選択比率を変えるものとしてもよい。
さらに、特定予告演出は、例えば特別図柄表示部11Lにおいて実行されている特図ゲームの結果が大当たりとなることが決定されていないときでも、大当たりとなることが決定されているときよりも低い所定の割合で液晶表示器4Rにおいて実行するものとしてもよい。この場合、特定予告演出が実行されたからといって必ずしも特別図柄表示部11Lにおいて実行されている特図ゲームの結果が大当たりとなるとは限らないので、特別図柄表示部11L及び液晶表示器4Rに結果が導出されるまで、その結果についての遊技者の興味を持続させることができる。
上記の実施の形態では、特別図柄表示部11L、11Rの一方の結果により大当たりが発生したときに他方で特図ゲームが実行されていたときには、該大当たりに基づく大当たり制御が終了するまで、他方の特図ゲームにおける変動表示時間の計測を中断するとともに、特別図柄を変動表示させたままの状態としていた。これに対して、特別図柄表示部11L、11Rの一方の結果により大当たりが発生したときに他方で実行されていた特図ゲームについては、大当たり制御が終了するまで特別図柄を点滅表示させるなどして仮停止させておくものとしてもよい。ここで仮停止される特別図柄は、最終的な結果として導出される特別図柄と同一であっても異なっていてもよい。
上記の実施の形態では、特別図柄表示部11L、11Rに対応して2つの液晶表示器4L、4Rが設けられており、特別図柄の変動表示に合わせて飾り図柄を変動表示させるものとしていた。しかしながら、飾り図柄を変動表示させる可変表示装置は、液晶表示器のような画像表示装置により構成されるものではなく、例えば外周部に各々が識別可能な複数種類の図柄を描いた3連のドラムによって構成されるものであってもよい。特別図柄表示部11Lの一方に対応する飾り図柄表示部の一方を液晶表示器で構成し、他方をドラムによって構成してもよい。液晶表示器やドラムに表示される図柄を特別図柄とする場合も同様である。
上記の実施の形態では、特別図柄表示部11L、11Rに対応して2つの液晶表示器4L、4Rが設けられており、特別図柄の変動表示に合わせて別々に飾り図柄を変動表示させるものとしていた。これに対して、2つの特別図柄表示部11L、11Rを設けるものとするが、演出制御基板102のCPU121によって制御される液晶表示器は、1つだけであってもよい。
液晶表示器1を1つだけ設けるものとした場合、その表示領域を2つに分割して、上記の実施の形態と全く同じに演出を行うことができる。或いは、液晶表示器の表示領域を分割せず、特別図柄表示部11L、11Rで変動表示されている特別図柄のうちで先に変動表示を停止するものに合わせて、飾り図柄を液晶表示器4において変動表示させるものとしてもよい。或いは、特別図柄表示部11L、11Rにおける特別図柄の変動表示とは独立して画像を液晶表示器において表示し、いずれかの表示結果が大当たりとなるタイミングで、大当たりの発生及び種類の別を示す画像を表示するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式の第1種パチンコ遊技機を例にとって説明したが、液晶表示器等により構成される可変表示装置を有するものであれば、例えば第2種或いは第3種に分類されるパチンコ遊技機や、一般電役機、またはパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であってもよい。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機(CR機)だけでなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機(現金機)にも適用可能することができる。