JP4286122B2 - カード用オーバーシート及びカード - Google Patents

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Description

本発明は、磁気カード、ICカード等のカードに使用されるオーバーシートとそのオーバーシートを用いたカードに関し、特に、カード表面に昇華転写印刷を施すことが可能なカード用オーバーシートとカードに関する。
近年、例えばクレジットカード、メンバーズカード、社員証等のカードは、所有者以外の不正使用を防止する目的で、所有者の顔写真等の画像をカード表面にフルカラー印刷で設けることが多くなってきた。顔写真等は個人情報であるので、カード形状になった後でカード表面に印刷等により形成されることが多い。
昇華転写方式の印刷は、小型で保守性、信頼性に優れており、また、顔写真等のように高解像性や高階調性が要求される場合には好適であることから、カード表面への印刷に採用される。昇華転写印刷の原理は、微小な発熱体(サーマルヘッド)とプラテンロールとの間を、昇華性染料を含む染料層を設けた耐熱性フィルム(以下「インキリボン」と称す)と受像体となるシートを圧接させながら走行させ、サーマルヘッドの瞬間的な高温加熱によりインキリボンの染料層から染料が昇華し、シートに拡散溶解することにより着色する。
なお、通常の昇華転写印刷用のインキリボンは、ポリエステルフィルム等の耐熱性基材の片面に染料層が形成されたものであり、ポリアセタール等がバインダー樹脂として使用されている。一般に、昇華転写印刷に用いられるシートの印刷受像部分は、染料との親和性及びインキリボンの染料層との高温圧接後の離型性が必要とされる。
ところでカードは、一般的に、コアシートと称される白色樹脂シートに印刷を施した後、印刷層を保護するため両面にオーバーシートと称される透明樹脂シートを被せ、熱プレスを行って積層体を形成し、次に、形成された積層体に打抜き加工等が施されてカード形状に形成される。必要に応じて、カードにはエンボス加工が施されたり、表面に印刷が施されたりする。ポリ塩化ビニル樹脂(以下「PVC」と称すこともある)は、印刷適性、エンボス加工適性等に優れるため、コアシートやオーバーシート等のカードの材料として使用されてきた。
ところが、ダイオキシン等の環境問題が懸念されることから、近年においては非PVC系材料への代替が強く望まれるようになった。カード分野におけるPVCの代替材料として、ポリエステル系樹脂が検討されてきた。PVCは昇華転写印刷に対しては印刷適性があるので、PVC製カードには問題なく印刷をすることができるが、ポリエステル樹脂は、インキリボンの染料層との親和性が高く、サーマルヘッドの熱によってインキリボンと融着が起こり、印刷装置内でジャミングが発生して印刷できなかった。
この問題を解決するために、ポリエステル系樹脂シートに溶剤コートによって受像層を設けることが検討されてきたが、ポリエステル系樹脂シートは溶剤に対する耐性が低く、シート表面が膨張収縮を起こしてカールを生じた。また、溶剤コートして設けた受像層は、シートの物性低下によってエンボス加工時に割れが生じるという欠点があり、ポリエステル系樹脂でPVC並のカード加工適性を得ることは難しかった。
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、環境問題を発生することがなく、昇華転写印刷においてインキリボンに対する離型性を備え、通常のカード製造に必要とされるプレス加工適性やエンボス加工適性を有し、さらには受像層を形成した後にカールが発生しないカード用オーバーシート及びこのオーバーシートを用いたカードを提供することにある。
以上の課題を解決するため、本発明のカード用オーバーシートは、透明なシート基材の片面に受像層を有するカード用オーバーシートであって、該シート基材が、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、又はポリエステル系樹脂とポリカーボネートとのポリマーアロイを主成分とし、該受像層が水性ポリウレタン樹脂を主成分とする一液型の溶液を用いて形成されることを特徴とする。
ここで、前記水性ポリウレタン樹脂の軟化点は80℃以上であることが好ましい。
また、前記水性ポリウレタン樹脂組成物は、イオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂であることが好ましい。
イオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂は、(a)ポリイソシアネート化合物、(b)高分子量ポリオール、及び、(c)親水性基と2個以上の活性水素を有する化合物、から得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー中和物を、(e)水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の鎖伸長剤を用いて、水中で鎖伸長して得られるアニオン性ポリウレタン樹脂であることができる。
また、イオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂は、(a)ポリイソシアネート化合物、(b)高分子量ポリオール、(c)親水性基と2個以上の活性水素とを有する化合物、及び、(d)鎖延長剤、から得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー中和物を、(e)水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の鎖伸長剤を用いて、水中で鎖伸長して得られるアニオン性ポリウレタン樹脂であることが好ましい。
あるいは、前記イオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂は、(a)ポリイソシアネート化合物、(b)高分子量ポリオール、及び、(f)ニトリロ基を有する低分子量ポリオール又は低分子量ポリアミン、から得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー4級化物を、(e)水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の鎖伸長剤を用いて、水中で鎖伸長して得られるカチオン性ポリウレタン樹脂であることができる。
また、イオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂は、(a)ポリイソシアネート化合物、(b)高分子量ポリオール、(f)ニトリロ基を有する低分子量ポリオール又は低分子量ポリアミン、及び、(d)鎖延長剤、から得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーの4級化物を、(e)水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の鎖伸長剤を用いて、水中で鎖伸長して得られるカチオン性ポリウレタン樹脂であることが好ましい。
本発明のカードは、少なくとも一方の面の最外層に、上記カード用オーバーシートのいずれか1つを有することを特徴とする。
本発明によれば、非PVC系のオーバーシート基材であって、昇華転写印刷においてインキリボンや化粧板に対する優れた離型性を備え、通常のカードの製造に必要とされるプレス加工等を行っても剥がれや欠け等が生じることもなく、良好であるオーバーシート基材を提供することができる。また、印刷層を形成した後、カールが生じないオーバーシート基材を提供することができる。また、本発明のオーバーシートを用いて形成すれば、これらすべてについて良好なカードを提供することができる。
発明を実施するための形態
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のカード用オーバーシートは、透明なシート基材の片面に受像層を有する。シート基材は、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、又はポリエステル系樹脂とポリカーボネートとのアロイを主成分とする。
ここで、ポリエステル系樹脂とは、芳香族ジカルボン酸成分とジオール成分との脱水縮合体をいい、その中でも結晶性が低く、プレス融着等の実用上行われる熱加工を行っても結晶化による白濁や融着不良を起こさないものをいう。
本発明に好ましく用いられるジカルボン酸成分の代表的なものとしてはテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。これらの中では、テレフタル酸が特に好適に用いられるが、テレフタル酸の一部を他のジカルボン酸等で置換してもよい。他のジカルボン酸等成分としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ネオペンチル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、p−オキシ安息香酸などが挙げられる。なお、用いられる他のジカルボン酸等成分は、一種でも二種類以上の混合物であってもよく、また、置換される他のジカルボン酸の量も適宜選択することができる。
本発明に好ましく用いられるジオール成分の代表的なものとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらの中では、エチレングリコールが特に好適に用いられるが、エチレングリコールの一部を他のジオール等成分で置換しても良い。他のジオール等成分としては、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロール、メトキシポリアルキレングリコールなどが挙げられる。なお、用いられる他のジオール等成分は、一種でも二種類以上の混合物であってもよく、また、置換される他のジオール等の量も適宜選択することができる。本発明に用いられるポリエステル系樹脂としては、具体的には、テレフタル酸とエチレングリコールとを縮合重合させたポリエチレンテレフタレートがコストの観点から好ましいが、テレフタル酸以外の他のジカルボン酸等成分及び/又はエチレングリコール以外の他のジオール等成分を含んだ共重合ポリエステルを使用することができる。
共重合ポリエステルとしては、ジカルボン酸成分の60モル%以上がテレフタル酸であり、残りのジカルボン酸成分が他のジカルボン酸等成分で置換されたジカルボン酸成分と、ジオール成分の60モル%以上がエチレングリコールで、残りのジオール成分が他のジオール等成分で置換されたジオール成分とを縮合重合させた共重合ポリエステルが挙げられる。本発明におけるポリエステル系樹脂は、ポリエチレンテレフタレートと上記の共重合ポリエステルとの混合物であってもよい。
ただし、共重合ポリエステルを使用する場合には、共重合成分の選択や含有量等によっては、シートのガラス転移温度や引張り弾性率の変化が大きいので注意を要する。
特に好適に使用できる共重合ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートにおけるエチレングリコールの約30モル%を、1,4−シクロヘキサンジメタノールで置換した実質的に非晶性の芳香族ポリエステル樹脂が好ましく、例えば、イーストマンケミカル社製の商品名「PET−G」を商業的に入手することができる。
本発明のシート基材の材料として用いられるポリカーボネートとは、主成分がポリカーボネートである樹脂組成物を意味する。ポリカーボネートに混合することができる樹脂としては、例えば、上記したイーストマンケミカル社製の商品名「PET−G」等が挙げられる。
また、シート基材の材料として用いられる、ポリエステル系樹脂とポリカーボネートとのポリマーアロイとしては、例えばポリエステル系樹脂としてPET−G又はポリブチレンテレフタレート(以下「PBT」と称す)を使用し、これとポリカーボネートとのポリマーアロイが好ましいものとして挙げられる。PBTは、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールとの脱水縮合体であり、ホモポリマーでも共重合体でもよい。共重合体としては、例えばテレフタル酸の一部をイソフタル酸で置換したものが挙げられる。ポリマーアロイのポリエステル系樹脂とポリカーボネートとの組成比は、目的等に応じて適宜設定することができ、使用されるカードの種類や厚さ等を考慮して設計することが望ましい。
シート基材には、必要に応じて、着色剤、滑剤、衝撃吸収剤、フィラー、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、異種ポリマー等を本発明の効果を損なわない範囲内で配合することができる。
本発明においてシート基材が「透明」であるとは、0.1mm厚のシートの全光線透過率が80%以上であることをいう。全光線透過率は、JIS K−7105(1981年版)に基づいて測定される。
シート基材は、例えば押出成形により製造することができ、ポリエステル系樹脂等を押出機に供給し、Tダイより押出し、キャストロールで急冷固化することにより得られる。厚さについては特に限定はなく、例えば30〜150μmの範囲内で選択されることが好ましい。本発明において、シート基材は単層でもよいが、2層以上の積層体でもよい。
本発明のオーバーシートは、上記シート基材の片面に、受像層を有する。ここで、受像層は、水性ポリウレタン樹脂を主成分とする一液型の溶液を用いて形成した層であり、例えば、塗布し、硬化させて形成する。ここで水性とは、水溶性であるか、あるいは乳化剤の非存在下でも乳化分散可能な自己乳化性を有することをいう。
受像層の形成に用いられる水性ポリウレタン樹脂の軟化点は、80℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。軟化点が80℃未満では、昇華転写印刷を施したときに、サーマルヘッドの熱によって融着を起こしたり、印刷適性を著しく低下させたり、熱プレスした後に化粧板から剥離することを難しくしたりすることがある。
水性ポリウレタン樹脂は、イオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂であることが好ましい。イオン性基としては、−COO基、−SO 基、=PO 基などのアニオン性基、=N=基、=P=基などのカチオン性基が挙げられる。これらのなかでも、−COO基、又は、=N=基が好ましい。
イオン性基として−COO基を有する水性ポリウレタン樹脂としては、(a)ポリイソシアネート化合物、(b)高分子量ポリオール、及び、(c)親水性基と2個以上の活性水素とを有する化合物、から得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーの中和物を、(e)水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の鎖伸長剤を用いて、水中で鎖伸長して得られるアニオン性ポリウレタン樹脂が好ましい。
あるいはまた、イオン性基として−COO基を有する水性ポリウレタン樹脂は、更に(d)鎖延長剤を用いて、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー中和物を形成してもよい。例えば、イオン性基として−COO基を有する水性ポリウレタン樹脂は、(a)ポリイソシアネート化合物、(b)高分子量ポリオール、(c)親水性基と2個以上の活性水素とを有する化合物、及び、(d)鎖延長剤、から得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー中和物を、(e)水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の鎖伸長剤を用いて、水中で鎖伸長して得られるアニオン性ポリウレタン樹脂であることが好ましい。
イオン性基として=N=基を有する水性ポリウレタン樹脂としては、(a)ポリイソシアネート化合物、(b)高分子量ポリオール、及び、(f)ニトリロ基を有する低分子量ポリオール又は低分子量ポリアミン、から得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーの4級化物を、(e)水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の鎖伸長剤を用いて、水中で鎖伸長して得られるカチオン性ポリウレタン樹脂が好ましい。
あるいはまた、イオン性基として=N=基を有する水性ポリウレタン樹脂は、更に(d)鎖延長剤を用いてイソシアネート基末端プレポリマーの4級化物を形成してもよい。例えば、イオン性基として=N=基を有する水性ポリウレタン樹脂は、(a)ポリイソシアネート化合物、(b)高分子量ポリオール、(f)ニトリロ基を有する低分子量ポリオール又は低分子量ポリアミン、及び、(d)鎖延長剤、から得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーの4級化物を、(e)水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の鎖伸長剤を用いて、水中で鎖伸長して得られるカチオン性ポリウレタン樹脂であることが好ましい。
これらのアニオン性ポリウレタン樹脂及びカチオン性ポリウレタン樹脂の製造に用いられる(a)ポリイソシアネート化合物は、特に制限はないが、代表的なものを例示すると、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート(「水添キシリレンジイソシアネート」と表記することもある)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート等が挙げられる。これらの中では、脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートを好適に用いることができ、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及び1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを特に好適に用いることができる。
これらのポリイソシアネート化合物は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明において、(a)ポリイソシアネート化合物と反応する(b)高分子量ポリオールは、重量平均分子量が300〜10,000であることが好ましく、重量平均分子量が500〜5,000であることがより好ましい。このような(b)高分子量ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール等が挙げられる。これらの中では、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオールを好適に用いることができる。これらの高分子量ポリオールは、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量300〜6,000)、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン、及び、これらのアルキレンオキシド付加体等のグリコール成分と、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、及び、これらジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、及び、これらのヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等の酸成分とから、脱水縮合反応によって得られるポリエステルポリオールが挙げられる。また、この他にも、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステルポリオール、及び、これらの共重合ポリエステルポリオールが挙げられる。これらのポリエステルポリオールは、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ショ糖、アコニット糖、トリメリット酸、ヘミメリット酸、リン酸、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリイソプロパノールアミン、ピロガロール、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフタール酸、1,2,3−プロパントリチオール、等の活性水素原子を少なくとも2個有する化合物の1種又は2種以上を反応開始点として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のモノマーを常法により付加重合したもの、又は上記モノマーをカチオン触媒、プロトン酸、ルイス酸等を触媒として開環重合したものが挙げられる。なお、付加重合の形態には特に制限はなく、前記モノマーの1種の単独重合であってもよいし、前記モノマー2種以上のブロック又はランダム重合のいずれであってもよい。さらに、エーテル結合とエステル結合とを有する、ポリエーテルポリエステルポリオールを用いることも可能である。これらのポリエーテルポリオールは、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
ポリカーボネートポリオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等のグリコールと、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、ジフェニルカーボネート、ホスゲンとの反応により得られる化合物が挙げられる。これらのポリカーボネートポリオールは、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
アニオン性ポリウレタン樹脂を製造する際に用いられる(c)親水性基と2個以上の活性水素とを有する化合物としては、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸等のカルボン酸含有化合物を挙げることができる。また、このようなカルボン酸含有化合物として、カルボキシル基を含有するジオールと、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸などのジカルボン酸とを反応させて得られる、ペンダントカルボキシル基を有するポリエステルポリオールを用いることもできる。なお、反応の際には、カルボキシル基を含有するジオールに、カルボキシル基を含有しないジオールを混合してもよい。これらの(c)親水性基と2個以上の活性水素とを有する化合物は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
(c)成分の親水性基により、水性ポリウレタン樹脂に−COO基が導入される。アニオン性ポリウレタン樹脂中のカルボキシル基の含有量は、酸価(以下「AV」と表記することもある)として表すことができ、AVが3〜65mgKOH/gであることが好ましく、6〜40mgKOH/gであることがより好ましい。AVが3mgKOH/g未満であると、乳化が困難になったり、あるいは、乳化安定性が不十分になるおそれがある。AVが65mgKOH/gを超えると、アニオン性ポリウレタン樹脂の耐水性が低下するおそれがある。
カチオン性ポリウレタン樹脂を製造する際に用いられる、(f)ニトリロ基を有する低分子量ポリオール又は低分子量ポリアミンは、重量平均分子量が300未満であることが好ましく、例えば、下記一般式[1]で表される化合物が挙げられる。

HX−R−NR−R−YH [1]

一般式[1]において、X及びYは同一であっても相異なっていてもよく、それぞれ−NH−又は−O−を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアミノアルキル基を表し、R及びRは同一であっても相異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜4のアルキレン基を表す。
このような(f)成分としては、例えば、一般式[1]において、X及びYが−O−であり、Rがアルキル基であるジオールとして、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、N−エチル−N,N−ジエタノールアミン、N−イソブチル−N,N−ジエタノールアミン等が挙げられる。X及びYが−O−であり、Rがヒドロキシアルキル基であるトリオールとして、トリエタノールアミン等が挙げられる。
また、X及びYが−NH−であり、Rがアルキル基であるジアミンとして、メチルイミノビスプロピルアミン、ブチルイミノビスプロピルアミン等が挙げられ、X及びYが−NH−であり、Rがアミノアルキル基であるトリアミンとしては、トリ(2−アミノエチル)アミン等が挙げられる。
これらの(f)成分は、1種を単独で用いることもできるし、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
なお、本発明において、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを製造する際には、(d)鎖延長剤として、低分子量活性水素含有化合物を用いることができる。低分子量活性水素含有化合物とは、分子内に少なくとも2個の活性水素を含有する化合物であり、これを満たす限り特に制限はないが、分子量300以下であることが好ましい。具体的には、前記ポリエステルポリオールの原料として挙げたグリコール成分;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ化合物等の低分子量ポリオール;エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、ヒドラジン類、酸ヒドラジド類、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の低分子量ポリアミンを挙げることができる。これらの(d)鎖延長剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明において鎖伸長剤として用いる(e)水溶性ポリアミン、ヒドラジン又はこれらの誘導体としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヒドラジン、ジ第一級アミン及びモノカルボン酸から誘導されたアミドアミン、ジ第一級アミンのモノケチミン等を挙げることができる。これらの化合物は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることができる。
受像層の形成に用いられるアニオン性ポリウレタン樹脂は、従来公知の方法で製造する得ることができる。例えば、前記(a)成分、(b)成分、(c)成分、及び、場合により(d)成分を用いて、反応温度40〜150℃程度の条件下で、ワンショット法(1段式)又は多段式のイソシアネート重付加反応によりイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーの中和物を得ることができる。反応の際には、必要に応じて、ジブチル錫ジラウレート、スタナスオクトエート、ジブチル錫−2−エチルヘキソエート、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等の反応触媒を単独で、又は、2種以上を組み合わせて添加することができる。また、反応段階において、あるいは、反応終了後に、イソシアネート基と反応しない有機溶剤を添加することができる。このような有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
なお、本発明において「イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー中和物」とは、(c)成分の親水性基(カルボキシル基)を中和させた後に、前記各成分を反応させて得られたもの、又は、前記各成分を反応させてイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを合成した後に、(c)成分の親水性基(カルボキシル基)を中和させたものをいう。ここで、カルボキシル基の中和には塩基が使用されるが、用いられる塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の不揮発性塩基、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−N−プロピルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の第三級アミン類、アンモニア等の揮発性塩基が挙げられる。
次いで、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーの中和物を、水中に乳化分散させ、(e)成分を用いて水中で鎖伸長して高分子量化し、アニオン性ポリウレタン樹脂を得ることができる。
受像層の形成に用いられるカチオン性ポリウレタン樹脂は、従来公知の方法で得ることができる。例えば、前記(a)成分、(b)成分、(f)成分、及び場合により(d)成分を用いて、反応温度40〜150℃程度の条件下で、ワンショット法(1段式)又は多段式のイソシアネート重付加反応により、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーの4級化物を得る。
本発明において「イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーの4級化物」とは、ウレタンプレポリマー構造中のニトリロ基の一部又は全部が4級化されたものであって、(f)成分のニトリロ基を4級化させた後に、前記各成分を反応させて得られたもの、又は、前記各成分を反応させた後に、(f)成分のニトリロ基を4級化させて得られたものをいう。ニトリロ基の4級化に用いる4級化剤としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロロヒドリン等のエポキシ化合物、ジメチル硫酸、パラトルエンスルホン酸メチル等の硫酸化物、メチルクロライド、エチルクロライド、ベンジルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド等のハロゲン化アルキル類が挙げられる。
イソシアネート重付加反応の際には、必要に応じて、ジブチル錫ジラウレート、スタナスオクトエート、ジブチル錫−2−エチルヘキソエート、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等の反応触媒を単独で、又は、2種以上を組み合わせて添加することができる。また、反応段階において、あるいは、反応終了後に、イソシアネート基と反応しない有機溶剤を添加することができる。このような有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
次に、得られたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーの4級化物を水中に乳化分散させ、(e)成分を用いて水中で鎖伸長して高分子量化し、カチオン性ポリウレタン樹脂を得ることができる。
アニオン性ポリウレタン樹脂及びカチオン性ポリウレタン樹脂の製造において、有機溶剤を用いた場合には、(e)成分を用いて鎖伸長した後、例えば、減圧蒸留などの方法によって有機溶剤を除去することが好ましい。有機溶剤を除去する際には、界面活性剤、例えば、高級脂肪酸塩、樹脂酸塩、長鎖脂肪アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、スルホン化ひまし油、スルホコハク酸エステル等のアニオン界面活性剤、エチレンオキサイドと長鎖脂肪アルコール又はフェノール類との反応生成物等のノニオン界面活性剤等を使用して、乳化性を保持することが好ましい。
メチルエチルケトン(以下「MEK」と略記することもある)、トルエン、酢酸エチル等の溶剤に樹脂等を溶解した溶液(溶剤系塗工用溶液)をシート基材上に塗布することによって受像層を形成する場合には、シート基材が溶剤アタックを受けて膨潤し易い。この膨潤したシート基材を乾燥させると、膨潤していたものが収縮を起こすので、カールが生じたり、シート基材の物性を低下させたりする。ところが、本発明によれば、MEK等の溶剤を使用せずに受像層を設けることができるので、このような問題を生じることがない。
水性ポリウレタン樹脂を主成分とする溶液には、印刷時のリボンとの離型性や、プレス加工時の化粧板からの剥離性を向上させるために、種々の滑り性を調整する物質(滑性物質)をさらに添加することができる。好ましく使用される滑性物質としては、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、有機スルホン酸塩化物、有機カルボン酸化合物等が挙げられる。
また、印刷時におけるインキリボンとの離型性を改良したり、オーバーシート同士のブロッキングを防止するために、無機充填剤を添加することもできる。好ましく使用される無機充填剤としては、シリカ、タルク、炭酸カルシウム等が挙げられる。
本発明における受像層は、水性ポリウレタン樹脂を含む溶液を混合撹拌し、これをシート基材の片面に塗布、乾燥して形成することができる。例えば、水性ポリウレタン樹脂に希釈溶媒を添加して溶液とすることができ、希釈溶媒としては、水、イソプロピルアルコール、エタノール、グリコールエーテル等が好ましく使用される。塗布用溶液は、固形分が10〜40質量%であり、粘度が50〜1,000cpsであることが好ましい。本発明においては、希釈溶媒を用いてこのような固形分含量等になるように調整してもよい。このように塗布用溶液を調整することにより、均一な膜厚の受像層を形成することができる。
塗布用溶液の塗布方法としては、通常の方法を使用することができるが、例えば、グラビアコーターを用いて塗布し、乾燥することが、均一な膜厚を得ることができるので好ましい。
受像層の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1μm〜8μmの範囲内であることが好ましい。膜厚が1μm未満であると、染色性が乏しくなることがあり、8μmより厚いと、プレス後に反りが発生したり、塗布工程において乾燥性が低下しやすいのでライン速度を遅くしなければならず、コストアップにつながりやすい。
本発明のオーバーシートは、少なくとも一方の面にマット加工が施されていることが好ましい。マット加工については特に限定されるものではないが、例えば、表面の10点平均粗さ(Rz)が3〜40μmであるようなマット加工が施されていることが好ましい。Rzが3μm以上であれば、シートを積層して熱プレスを行ったとき、シートとシートとの間や、シートと化粧板との間の空気が抜け難くなることがなく、得られたカードの外観に欠陥が生じることがない。また、Rzが40μm以下であれば、表面に印刷を施すときに、悪影響を与えることがない。
シート表面にマット加工を施したり、艶消し加工等を施す場合には、まず鏡面のシートを形成してから、マットロールや艶消しロールを用いて表面に加工を施しても、あるいはシートの押出成形の際にキャストロールをマットロール又は艶消しロールに変更して押出成形を行うことにより表面に加工を施してもよい。なお、マット加工によって形成されるマット模様等のデザインは適宜決定することができ、美的観点から、あるいは機能的な観点からシートの商品価値を高めることもできる。
一般にカードは、例えば、カードの中層として使用されるコアシート、カードの表面に配置されるオーバーシート等から、また必要に応じて情報を記録するための磁気ストライプテープやICチップ等から構成されており、コアシートにオーバーシートを重ね、熱プレス等によりシート間を融着させた後、カード形状に打抜き加工を施して形成される。本発明においてカード用シートという場合には、カード製造に使用される基材としてのシートを言い、コアシートやオーバーシート等のシートを含むものとする。
本発明のカードは、コアシートの少なくとも一方の面に本発明のオーバーシートを積層して製造することができる。例えば、白色コアシートの表面にシルクスクリーン印刷、オフセット印刷等によって印刷を施し、形成された印刷面に本発明のオーバーシートを受像層が外側となるように被せ、また必要に応じてコアシートの他方の面にもオーバーシートを受像層が外側となるように被せ、仮貼りした後、化粧板に挟み込み、熱プレスして積層体を形成する。また、コアシートの他方の面に積層されるオーバーシートは、受像層を設けてないシート基材を用いることもできる。この層構成を図1に示す。図1において、オーバーシート3は、シート基材1の片面に受像層2を有するシートであり、カード製造においては、受像層2が外側に配置されて積層される。オーバーシート3とコアシート4とシート基材5とをこの順に重ねてプレスすることによりカード用積層体が形成される。得られた積層体を打抜き刃でカード形状に打抜きカード6を形成することができる。
コアシートとしては、非晶性のポリエステル系樹脂を主成分とするシートを使用することができるが、オーバーシートと一体化が可能なものであれば、特に限定されることなく使用することができる。ただし、環境保護の観点からは、PVC以外の樹脂であることが好ましい。
ICカードの場合には、コアシートはアンテナコイルやICチップ等の凹凸を吸収することができる材料であることが好ましく、加熱加圧プレスにより変形するものが好ましい。例えば、加熱、加圧等によって変形する熱可塑性樹脂が好ましく使用される。好ましく使用される熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、PC樹脂等の汎用プラスチックが挙げられる。本発明においては、コアシートとして、これらの熱可塑性樹脂の1種類又は2種類以上を主成分とするフィルムやシートが好ましく使用される。
またコアシートの材料として、耐熱性が良好なエンジニアリングプラスチックを使用することもできる。エンジニアリングプラスチックとしては、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられ、これらの1種類又は2種類以上を主成分とするフィルムやシートが好ましく使用される。ただし、ガラス転移温度(Tg)、融解温度等が高過ぎる材料では、加熱プレス加工の際に、可逆性記録層やICチップ等の劣化や破壊を引き起こすことも想定されるので、加熱温度を考慮して適当なガラス転移温度を有する材料を選択することが好ましい。
またコアシートの材料として、熱硬化性樹脂を使用することもできる。この場合には、熱硬化性樹脂が室温で柔らかい状態のままICチップ等を配置したシートとオーバーシート等を重ねて加熱プレスし、硬化させる。このようにして、ICカードを作製することができる。ここで使用される熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
なお、熱プレスの際の融着性、耐熱性等の材料設計の観点からは、熱圧着基材を構成する主成分の樹脂と同一の樹脂を使用することが望ましい。
本発明において、オーバーシートとコアシート等を一体化する方法については特に限定されるものではないが、例えば、熱融着、接着剤等を用いる方法等が挙げられる。本発明においては、熱融着により一体化することが好ましい。なお、オーバーシートに、予め磁気テープを貼っておいてもよい。
以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
なお、合成例及び比較合成例における固形分及び軟化点は下記に示す方法により求めた。
(固形分)
固形分とは、試料を105℃で3時間乾燥させた後の残存重量率を意味する。
(軟化点)
合成例で得られた水性ポリウレタン樹脂の水分散物を用いて、厚さ300μmのポリウレタン樹脂フィルムを作製した。ただし、作製にあたっては、25℃及び65%RHの条件下で2日間放置して自然乾燥させ、次いで、110℃で30分間熱処理を行った。動的粘弾性測定装置(Seiko Instruments Inc.製 「EXSTAR6000 DMS6100」)を用い、昇温速度5℃/分、周波数10Hzの条件下で、作製したポリウレタン樹脂フィルムの動的粘弾性を測定した。得られたチャートにおいて、ゴム領域から溶融状態に至る変曲点に該当する温度を外挿し、この温度を水性ポリウレタン樹脂の軟化点とする。
合成例1(水性ポリウレタン樹脂の水分散物A)
撹拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、ポリブチレンテレフタレートジオール(平均分子量2,000)174.8g、エチレングリコール4.0g、2,2−ジメチロールブタン酸16.9g、ジブチル錫ジラウレート0.001g、及び、メチルエチルケトン120gを加え、均一に混合した。次いで、これに、イソホロンジイソシアネート84.4gを加え、80℃で5時間反応させて、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。このウレタンプレポリマー中の遊離イソシアネート基の含有量は、固形分に対して2.4質量%である。
得られたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン11.5gを加えて中和した後、水520gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液に、イソホロンジアミン3.9g及びジエチレントリアミン6.3gを添加して2時間撹拌した。これを、減圧条件下で、2時間かけて50℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、水性ポリウレタン樹脂の水分散物Aを得た。
この水分散物Aの固形分は36質量%であった。また、水性ポリウレタン樹脂中の、2,2−ジメチロールブタン酸由来の酸価(AV)は22mgKOH/gであり、軟化点は125℃であった。なお、本合成例における組成比及び上記各種官能基含有量を表1に示した。
合成例2(水性ポリウレタン樹脂の水分散物B)
合成例1で用いたものと同様な反応装置に、ポリテトラメチレングリコール(平均分子量1,400)160.8g、1,4−ブタンジオール3.5g、2,2−ジメチロールプロピオン酸15.4g、ジブチル錫ジラウレート0.001g、及び、メチルエチルケトン120gを加え、均一に混合した。次いで、これに、2,2’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート100.3gを加え、80℃で5時間反応させ、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。このウレタンプレポリマー中の遊離イソシアネート基の含有量は、固形分に対して2.4質量%であった。
得られたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン11.6gを加えて中和した後、水520gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液に、イソホロンジアミン3.9g及びジエチレントリアミン6.3gを添加して2時間撹拌した。減圧条件下に、2時間かけて50℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、水性ポリウレタン樹脂の水分散物Bを得た。
この水分散物Bの固形分は36質量%であった。水性ポリウレタン樹脂中の、2,2−ジメチロールプロピオン酸由来の酸価(AV)は22mgKOH/gであり、水性ポリウレタン樹脂の軟化点は110℃であった。なお、本合成例における組成比および上記各種官能基含有量を表1に示した。
合成例3(水性ポリウレタン樹脂の水分散物C)
合成例1で用いたものと同様な反応装置に、ポリブチレンテレフタレートジオール(平均分子量2,000)76.8g、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(平均分子量1,000)122.8g、2,2−ジメチロールブタン酸15.9g、ジブチル錫ジラウレート0.001g、及び、メチルエチルケトン120gを加え、均一に混合した。次いで、これに、ヘキサメチレンジイソシアネート64.5gを加え、80℃で5時間反応させ、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。このウレタンプレポリマー中の遊離イソシアネート基の含有量は、固形分に対し、2.4質量%である。
得られたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン10.9gを加えて中和した後、水530gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液にイソホロンジアミン13.7g及びジエチレントリアミン2.4gを添加して2時間撹拌した。減圧条件下に、2時間かけて50℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、水性ポリウレタン樹脂の水分散物Cを得た。
この水分散物Cの固形分は36重量%であった。また、水性ポリウレタン樹脂中の、2,2−ジメチロールブタン酸由来の酸価(AV)は20mgKOH/gであり、軟化点は130℃であった。本合成例における組成比および上記各種官能基含有量を表1に示した。
合成例4(水性ポリウレタン樹脂の水分散物D)
合成例1で用いたものと同様な反応装置に、ポリブチレンテレフタレートジオール(平均分子量2,000)77.8g、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(平均分子量2,000)181.2g、エチレングリコール2.4g、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン11.6g、ジブチル錫ジラウレート0.004g、及び、メチルエチルケトン120gを加え、均一に混合した。次いで、これに、2,2’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート84.8gを加え、80℃で5時間反応させ、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。このウレタンプレポリマー中の遊離イソシアネート基の含有量は、固形分に対して2.1質量%である。
得られたメチルエチルケトン溶液を50℃まで冷却し、ジメチル硫酸12.2gを加え、80℃まで昇温した後2時間攪拌した。これを30℃まで冷却した後、水550gを加えて乳化分散させた。この乳化分散液にイソホロンジアミン14.9gを添加したのち、40℃で2時間撹拌した。減圧条件下に、2時間かけて50℃まで昇温しながら、脱溶剤を行い、水性ポリウレタン樹脂の水分散物Dを得た。
この水分散物Dの固形分は36質量%であった。また、水性ポリウレタン樹脂の軟化点は120℃であった。なお、本合成例における組成比および上記各種官能基含有量を表1に示した。
合成例5(水性ポリウレタン樹脂の水分散物E)
合成例1で用いたものと同様な反応装置に、ポリブチレンテレフタレートジオール(平均分子量2,000)152.2g、ポリプロピレングリコール(平均分子量1,100)25.8g、ポリエチレングリコール(平均分子量600)26.3g、1,4−ブタンジオール1.3g、2,2−ジメチロールプロピオン酸9.4g、ジブチル錫ジラウレート0.001g及びメチルエチルケトン120gを加え、均一に混合した。次いで、イソホロンジイソシアネート65.0gを加え、80℃で5時間反応させ、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。このウレタンプレポリマー中の遊離イソシアネート基の含有量は、固形分に対し1.4質量%であった。
得られたメチルエチルケトン溶液を30℃まで冷却し、トリエチルアミン7.1gを加えて中和した後、水510gを徐々に加えて乳化分散させた。この乳化分散液に水加ヒドラジン60質量%水溶液4.9g及びジエチレントリアミン1.8gを添加して2時間撹拌した。減圧条件下で、2時間かけて50℃まで昇温しながら溶剤を除去し、水性ポリウレタン樹脂の水分散物Eを得た。
この水分散物Eの固形分は36質量%であった。また、水性ポリウレタン樹脂中の、2,2−ジメチロールプロピオン酸由来の酸価(AV)は14mgKOH/gであり、軟化点は74℃であった。なお、本合成例における組成比および上記各種官能基含有量を表1に示した。
Figure 0004286122
合成例1〜5で得られた水性ポリウレタン樹脂の水分散物を、そのまま塗布用溶液として用いて、下記の通り、オーバーシート及びカードを作製した。
実施例1
(オーバーシートの作製)
シート基材として「PET−G」の厚さ0.1mmのシート(商品名「ディアフィクスPG−CHI」、三菱樹脂(株)製)を用意し、このシートの一方の面に、グラビアコーターを用いて、水性ポリウレタン樹脂の水分散物Aを、乾燥後の厚みが3μmとなるように塗布し、80℃で1分間、乾燥させて受像層を形成し、厚み3μmの受像層を有するオーバーシートを作製した。
(カードの作製)
次に、実質的に非結晶性であるポリエステル系樹脂「PETG6763」(イーストマンケミカル社製)が90質量%、酸化チタンが10質量%よりなる配合物を用いて、Tダイ押出し法により厚さ0.56mmの白色コアシートを得た。この白色コアシートの一方の面に、作製したオーバーシートを受像層が外側となるようにして重ね、白色コアシートの他方の面に、厚さ0.1mmの透明の「PET−G」製シート(商品名「ディアフィクス PG−CHI」、三菱樹脂(株)製)を重ねて、温度120℃、シート面圧10kgf/cmで熱プレスを行い、一体化させて厚さ約0.76mmの積層体を形成した。得られた積層体をカード形状に打抜き、カードを作製した。
実施例2
実施例1において、水性ポリウレタン樹脂の水分散物Aの代わりに、水性ポリウレタン樹脂の水分散物Bを用いた以外は実施例1と同様にして、オーバーシートを作製した。
次に、実施例1と同様にしてカードを作製した。
実施例3
実施例1において、水性ポリウレタン樹脂の水分散物Aの代わりに、水性ポリウレタン樹脂の水分散物Cを用いた以外は実施例1と同様にして、オーバーシートを作製した。
次に、実施例1と同様にしてカードを作製した。
実施例4
実施例1において、水性ポリウレタン樹脂の水分散物Aの代わりに、水性ポリウレタン樹脂の水分散物Dを用いた以外は実施例1と同様にして、オーバーシートを作製した。
次に、実施例1と同様にしてカードを作製した。
実施例5
実施例1において、水性ポリウレタン樹脂の水分散物Aの代わりに、水性ポリウレタン樹脂の水分散物Eを用いた以外は実施例1と同様にして、オーバーシートを作製した。
次に、実施例1と同様にしてカードを作製した。
実施例6
実施例1において、シート基材をポリカーボネートからなるシート(商品名「FE2000−M01」、三菱エンジニアリングプラスチック社製)に変更した以外は実施例1と同様にして、オーバーシートを作製した。
次に、実施例1と同様にしてカードを作製した。
実施例6
実施例1において、シート基材をポリエステル樹脂とポリカーボネートとのポリマーアロイからなるシート(商品名「ディアフィクスPA−C」、三菱樹脂(株)製)に変更した以外は実施例1と同様にして、オーバーシートを作製した。
次に、実施例1と同様にしてカードを作製した。
比較例1
実施例1において、水性ポリウレタン樹脂の水分散物Aの代わりに、塗布溶液として、トルエン及びメチルエチルケトンの混合溶媒にエチレン−酢酸ビニル共重合体を溶解した溶剤系塗工溶液(商品名「エバーグリップP−71」、アロンエバグリップリミテッド社製)を用い、塗布し、その後、乾燥(80℃で1分間)させた以外は実施例1と同様にして、受像層を有するオーバーシートを作製した。次に、実施例1と同様にしてカードを作製した。
得られた実施例1〜7と比較例1のカード等について、印刷適性及びカールについて下記評価方法により評価を行った。その結果を表2に示す。
評価方法:
(1)印刷適性
カードの表面の受像層に、ニスカ株式会社製のカード用カラープリンタ「PR5300」を用いて、絵柄の昇華転写印刷を行った。このとき、インキリボンに貼り付きが生じたか否かを目視観察して印刷適性の評価を行った。貼り付きがなく印刷適性が良好であったものを記号「○」、実用上は問題なく使用できるがインキリボンとのタック音が発生したものを記号「△」、貼り付きが認められ、装置内でジャミングが発生したものを記号「×」で示した。
(2)シートのカール
オーバーシートの作製において、シート基材に受像層用の塗布用溶液を塗布し、乾燥させた後、200mm角の大きさに切断し、定盤上に常温で1日放置した後、サンプル端部の浮き上がり等を肉眼で観察した。端部に浮き上がりが認められなかったものを記号「○」、サンプルが筒状に丸まってしまったものを記号「×」で示した。
Figure 0004286122
表2から明らかなように、本発明の実施例1〜4及び6〜7のカードは、インキリボンとのタック音が発生することもなく、優れた印刷適性を示し、かつ、カールの評価においても良好な結果を得ることが分かった。また、実施例5のカードは、インキリボンとのタック音は若干生じるものの、ジャミングが発生することもなく、実用可能な印刷適性を示し、カールの評価においても良好であり、実用上問題はほとんど見られないものであった。また、実施例1〜7のカードは、プレス加工適性及びエンボス適性を有し、プレス加工等を行っても剥がれや欠け等が生じることはなかった。一方、比較例1のカードは、カールにおいて望ましくない結果となることが分かった。
したがって、本発明のオーバーシートは印刷適性及びカールの評価すべてが良好なカードを作製するのに適したオーバーシートであることが分かった。
本発明の第1の実施形態に係るカードの層構成を示す図である。
符号の説明
1 シート基材
2 受像層
3 オーバーシート
4 コアシート
5 シート基材
6 カード

Claims (8)

  1. 透明なシート基材の片面に受像層を有するカード用オーバーシートであって、該シート基材が、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、又はポリエステル系樹脂とポリカーボネートとのポリマーアロイを主成分とし、該受像層が水性ポリウレタン樹脂を主成分とする一液型の溶液を用いて形成されることを特徴とするカード用オーバーシート。
  2. 前記水性ポリウレタン樹脂の軟化点が80℃以上であることを特徴とする、請求項1記載のカード用オーバーシート。
  3. 前記水性ポリウレタン樹脂が、イオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカード用オーバーシート。
  4. 前記イオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂が、(a)ポリイソシアネート化合物、(b)高分子量ポリオール、及び、(c)親水性基と2個以上の活性水素とを有する化合物、から得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー中和物を、(e)水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の鎖伸長剤を用いて、水中で鎖伸長して得られるアニオン性ポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項3記載のカード用オーバーシート。
  5. 前記イオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂が、(a)ポリイソシアネート化合物、(b)高分子量ポリオール、(c)親水性基と2個以上の活性水素とを有する化合物、及び、(d)鎖延長剤、から得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー中和物を、(e)水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の鎖伸長剤を用いて、水中で鎖伸長して得られるアニオン性ポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項3記載のカード用オーバーシート。
  6. 前記イオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂が、(a)ポリイソシアネート化合物、(b)高分子量ポリオール、及び、(f)ニトリロ基を有する低分子量ポリオール又は低分子量ポリアミン、から得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーの4級化物を、(e)水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の鎖伸長剤を用いて、水中で鎖伸長して得られるカチオン性ポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項3記載のカード用オーバーシート。
  7. 前記イオン性基を有する水性ポリウレタン樹脂が、(a)ポリイソシアネート化合物、(b)高分子量ポリオール、(f)ニトリロ基を有する低分子量ポリオール又は低分子量ポリアミン、及び、(d)鎖延長剤、から得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーの4級化物を、(e)水溶性ポリアミン、ヒドラジン及びこれらの誘導体から選ばれる少なくとも1種の鎖伸長剤を用いて、水中で鎖伸長して得られるカチオン性ポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項3記載のカード用オーバーシート。
  8. 少なくとも一方の面の最外層に、請求項1から請求項7のいずれかに記載のカード用オーバーシートを有することを特徴とするカード。
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