JP4023199B2 - 顔料分散油性インクによって画像が印刷された印刷物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、屋外広告看板等のインクジェット印刷に適用可能な顔料分散油性インク用インクジェット受理層樹脂組成物、被記録材、及びそれを用いた印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、無版印刷が可能であり、低騒音性、高密度記録性、フルカラー対応などの利点から急速に普及が進んでおり、家庭用のみならず、看板などの業務広告用途にも広範囲に利用されている。
特に近年では、顔料インクが従来の染料インクと比較して耐光性が向上するため、顔料インクを用いた屋外広告用プリンタの需要が著しく伸びており、これに伴い顔料インクの需要も伸びている。
【0003】
しかしながら、これらの顔料インクは顔料を水等に分散させているものであるため、印刷された画像は耐水性に乏しく、印刷物を広告等として屋外に掲示する場合は、通常、印刷面を透明フィルムでラミネーションする必要がある。
そこで近年では、画像の耐水性が良好で、ラミネーション工程が不要であるという利点を有する顔料を有機溶剤に分散させた顔料分散油性インクと、該顔料分散油性インク用のプリンタ(以下、顔料分散油性インクジェットプリンタという)が開発された。
【0004】
通常、インクジェット用被記録材において、コーティングや含浸などの方法で基材の上に設けられたインク受理層が、インクによる印刷のにじみやはじきを防止し、発色性に優れる高精細な印刷画像を与える。
そこで、シリカ、カオリン、クレーなどの無機顔料とポリビニルアルコール、澱粉、ポリウレタンなどの水溶性高分子バインダーとを含むインク受理層樹脂組成物を塗布してインクジェット用被記録材を得る方法(特開昭59−185690号公報、特開平4−219267号公報、特開平5−294057号公報及び特開平10−181189号公報等)が提案されている。
このようなインクジェット用被記録材は、インクの主溶媒である水を効率よく吸収するべく設計されたものであるため、顔料分散油性インクの溶媒である有機溶剤を効率よく吸収するとは言い難く、その結果、上記インクジェット用被記録材に顔料分散油性インクジェットプリンタを用いて印刷しても、高精細で発色性に優れた画像は得られないという問題があった。
【0005】
一方、顔料分散油性インク用インクジェットプリンタは、上記のようなインク受理層を有する被記録材を用いなくとも基材上に画像を形成できるとされているが、現実的にはインク受理層を有さない未処理の被記録材への印刷では高精細で発色性に優れた画像は得られない。
【0006】
このため、顔料分散油性インク用インクジェットプリンタでの印刷に適したインクジェット用被記録材及びそれを可能とするインクジェット受理層樹脂組成物の開発が望まれている。
そこで、クレーなどの吸油性無機顔料と尿素ホルマリン樹脂などの有機顔料と水性接着剤とからなる塗工層を有する塗工シート(特開昭64−24785号公報)や、シリカと接着剤とからなる組成物を塗布してなる塗工シート(特開平1−255580号公報)が提案されているが、これらの技術は、実質的に従来の水系インクジェットプリンタ用の被記録材と変わらず、顔料分散油性インクを用いた場合には高精細な画像は得られない。また、顔料と特定の熱可塑性樹脂とからなる樹脂組成物を塗布した油性インクジェット記録シート(特開平10−250219号公報、特開平10−250220号公報、特開平10−264503号公報、特開平11−286166号公報、特開平11−286167号公報)が提案されている。
しかし、これらの従来技術では、インク受理層の熱可塑性樹脂として具体的にポリウレタン樹脂エマルジョンを使用した例が開示されておらず、また、上記記録シートは実質上油溶性染料インクによる印刷用であり、顔料分散油性インク用インクジェットプリンタでは高精細な画像が得られないなどの欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、顔料分散油性インク用インクジェットプリンタで高精細、且つ発色性に優れた画像が印刷された印刷物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、特定のポリウレタン樹脂エマルジョンを含有する樹脂組成物及び被記録材が上記課題を解決し、高精密且つ発色性に優れた画像を印刷した印刷物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、分子中にポリカーボネート鎖及び/又はポリエステル鎖を有するポリウレタン樹脂エマルジョンを含んでなり、該ポリウレタン樹脂エマルジョンを乾燥して得られる厚さ200±20μmの皮膜が、メチルイソブチルケトン中液温25℃で24時間浸漬されたときの該皮膜の面積膨潤率が150〜1000%の範囲である顔料分散油性インク用インクジェット受理層樹脂組成物を基材上に塗工し、乾燥して得られたインクジェット被記録材に、顔料分散油性インクを用いて画像が印刷された印刷物に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明を実施するにあたり、必要な事項を具体的に以下に述べる。
【0013】
先ず、本発明の顔料分散油性インク用インクジェット受理層樹脂組成物(以下インクジェット受理層樹脂組成物という)について説明する。
本発明のインクジェット受理層樹脂組成物は、ポリウレタン樹脂エマルジョンを含んでなり、該ポリウレタン樹脂エマルジョンを構成するポリウレタン樹脂は、分子中にポリカーボネート鎖及び/又はポリエステル鎖を有する。
分子中にポリカーボネート鎖及び/又はポリエステル鎖を有するポリウレタン樹脂エマルジョンを用いることにより、本発明のインクジェット受理層樹脂組成物を塗布してなるインクジェット被記録材にインクジェットプリンタで印刷すると高精細な画像を得ることが出来る。
【0014】
ポリウレタン樹脂エマルジョン粒子の平均粒子径は、特に制限されないが、ポリウレタン樹脂エマルジョンの保存安定性や本発明のインクジェット受理層樹脂組成物を塗布してなるインク受理層の透明性、印刷光沢性、ポリウレタン樹脂エマルジョンの保存安定性等の観点から、1.0μm以下であることが好ましい。
【0015】
本発明のインクジェット受理層樹脂組成物で使用するポリウレタン樹脂エマルジョンは、該エマルジョンを乾燥して得られる厚さ200±20μmの皮膜の面積膨潤率が150〜1000%の範囲であることが好ましい。
本発明でいう面積膨潤率とは、該ポリウレタン樹脂エマルジョンを乾燥して厚さ200±20μmの皮膜を得た後、この皮膜を25℃のメチルイソブチルケトン中に24時間浸漬したときの、浸漬前の皮膜面積に対する浸積後の皮膜面積が膨潤した割合をいう。ここで乾燥の方法としては、加熱乾燥、風乾、常温乾燥等が挙げられる。
【0016】
かかる皮膜の面積膨潤率の数値は、後記実施例に記載の測定方法で得られる数値を下式に挿入して求めることができる。
【0017】
面積膨潤率(%)=(24時間浸漬後の皮膜面積÷浸漬前の皮膜面積×100)−100
【0018】
皮膜の面積膨潤率が、150%以上であるポリウレタン樹脂エマルジョンをインクジェット受理層用樹脂組成物に用いることにより、顔料分散油性インクの溶媒に対し膨潤率が高いインク受理層が得られるため、良好な画像を印刷することができる。また、皮膜の面積膨潤率が、1000%以下であるポリウレタン樹脂エマルジョンを用いることにより、インク受理層の、顔料分散油性インクの溶媒に対する過度の膨潤を防止し、にじみのない良好な画像を得ることができる。
【0019】
本発明のインクジェット受理層樹脂組成物で使用するポリウレタン樹脂エマルジョンは、該ポリウレタン樹脂エマルジョンを乾燥して得られるフィルムの引張破壊ひずみが550%以上であることが好ましい。
このようなポリウレタン樹脂エマルジョンは、結晶性が低く、且つ高分子量の皮膜を形成しており、顔料分散油性インクの溶媒に対して、より速やかに膨潤するインク受理層が得られるため、より良好な画像を印刷することができる。
【0020】
本発明で使用するポリウレタン樹脂エマルジョンを構成するポリウレタン樹脂のポリイソシアネート単位は、特に制限されないが、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、3,3'−ジクロロ−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。これらのポリイソシアネートは、それぞれ単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記ポリウレタン樹脂エマルジョンを構成するポリウレタン樹脂のポリイソシアネート単位の中でも、脂肪族系ポリイソシアネート及び/又は脂環族系ポリイソシアネートが好ましい。脂肪族系ポリイソシアネート及び/又は脂環族系ポリイソシアネートを使用することにより、該ポリウレタン樹脂エマルジョンを乾燥して得られる皮膜のメチルイソブチルケトンに対する面積膨潤率を150〜1000%の範囲にすることが出来る。
また、脂肪族系ポリイソシアネート及び/又は脂環族系ポリイソシアネートの使用は、本発明の顔料分散油性インク用インクジェット受理層樹脂組成物を用いた被記録材及び印刷物の耐光性の面からも好ましい。
【0021】
また、本発明において、該ポリウレタン樹脂エマルジョンを乾燥して得られる皮膜の引張破壊ひずみを550%以上にするためには、直鎖状のポリウレタン樹脂を用いることが好ましく、このためポリイソシアネート単位はジイソシアネートが好ましい。尚、本発明の効果を損なわない範囲で3価以上のポリイソシアネートを併用することもできる。
【0023】
本発明で使用するポリオールとしては、分子中にポリカーボネート鎖及び/又はポリエステル鎖を有するポリウレタン樹脂を得るためには、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールが好ましい。
【0024】
該ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、1,6−へキサンジオール、ジエチレングリコールなどのグリコールとジフェニルカーボネート、ホスゲンとの反応によって得られる化合物等が挙げられる。これらを単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0025】
また、ポリエステルポリオールとしては、後記する低分子量ポリオールとカルボン酸とを脱水縮合反応させることによって得られるポリエステル、又はε−カプロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステル及びこれらの共重合ポリエステル等が挙げられる。
【0026】
該低分子量ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量300〜6,000)、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン及びそれらのアルキレンオキシド付加体等が挙げられる。これらを単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0027】
該カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのヒジロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等が挙げられる。これらを単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0028】
また、上記ポリエステルポリオール単位は、本発明でいう皮膜の面積膨潤率を150〜1000%の範囲にし、皮膜の引張破壊ひずみを550%以上にするためには、非晶性の低分子量ポリオールを用いたポリエステルポリオールであることが好ましい。かかる低分子量ポリオールとしては、炭素数が奇数のものや、分岐構造を有しているものが好ましく、例えば、プロピレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、トリプロピレングリコール等を用いたものが挙げられる。
【0029】
本発明に用いられるポリウレタン樹脂エマルジョンの製造方法としては、従来からよく知られている何れの方法でもよく、親水性基を有さないポリウレタン樹脂を外部乳化剤により、強制的に水性媒体中に分散するという方法もあるが、より好ましい方法として、例えば、次のような方法が挙げられる。
【0030】
方法▲1▼:活性水素含有化合物、及び親水性基含有化合物と、ポリイソシアネートを反応させて得られた親水性基含有ポリウレタン樹脂の有機溶剤溶液又は有機溶剤分散液に、必要に応じて中和剤を含む水溶液を混合してポリウレタン樹脂エマルジョンを得る方法、あるいは、
【0031】
方法▲2▼:活性水素含有化合物、及び親水性基含有化合物と、ポリイソシアネートを反応させて得られた親水性基含有末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに、中和剤を含む水溶液と混合するか、または予めプレポリマー中に中和剤を加えた後水を混合して水に分散させた後、ポリアミンと反応させてポリウレタン樹脂エマルジョンを得る方法、あるいは、
【0032】
方法▲3▼:活性水素含有化合物、及び親水性基含有化合物と、ポリイソシアネートを反応させて得られた親水性基含有末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに、中和剤及びポリアミンを含む水溶液と混合するか、または予めプレポリマー中に中和剤を加えた後ポリアミンを含む水溶液と混合してポリウレタン樹脂エマルジョンを得る方法、などが挙げられる。
【0033】
これらの方法において、活性水素含有化合物として上記のポリカーボ−ネートポリオールや、ポリエステルポリオールを用いることができる。
【0034】
上記面積膨潤率を150〜1000%の範囲にし、上記引張破壊ひずみを550%以上にするためには、ポリウレタン樹脂の骨格中にウレア結合が適度に存在することが好ましい。そのためのウレア結合の量としては、ポリウレタン樹脂骨格中のウレタン結合とウレア結合の当量の和に対してウレア結合が当量比で5〜50%の範囲であることが好ましい。かかるウレア結合比のポリウレタン樹脂を得るためには、上記製造方法の内で、方法▲2▼又は方法▲3▼が特に好ましい。
【0035】
本発明で使用するポリウレタン樹脂エマルジョンに親水性基を導入するために用いる原料としては、例えば、分子内に少なくとも1個以上の活性水素原子を有し、且つカルボン酸の塩、スルホン酸の塩、リン酸の塩、4級アンモニウム塩、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、3級アミノ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの官能基を含有する基本的にイオン性を有する化合物、あるいは分子内に少なくとも1個以上の活性水素原子を有し、且つエチレンオキシドの繰り返し単位からなる基、エチレンオキシドの繰り返し単位とその他のアルキレンオキシドの繰り返し単位からなる基を含有するノニオン性の化合物等が挙げられる。これらの親水性基のうち、後記のカチオン性化合物と併用した場合、皮膜の印刷性を向上させるという点から、親水性基としてはアニオン性基が好ましい。
【0036】
かかる親水基含有化合物としては、例えば、2−オキシエタンスルホン酸、フェノールスルホン酸、スルホ安息香酸、スルホコハク酸、5−スルホイソフタル酸、スルファニル酸、1,3−フェニレンジアミン−4,6−ジスルホン酸、2,4−ジアミノトルエン−5−スルホン酸等のスルホン酸含有化合物及びこれらの誘導体又はこれらを共重合して得られるポリエステルポリオール;2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸、ジオキシマレイン酸、2,6−ジオキシ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸等のカルボン酸含有化合物及びこれらの誘導体又はこれらを共重合して得られるポリエステルポリオール;メチルジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、アルキルジイソプロパノールアミン等の3級アミノ基含有化合物及びこれらの誘導体叉はこれらを共重合して得られるポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオール;前記3級アミノ基含有化合物及びこれらの誘導体叉はこれらを共重合して得られるポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオールと、塩化メチル、臭化メチル、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、塩化ベンジル、臭化ベンジル、エチレンクロルヒドリン、エチレンブロムヒドリン、エピクロルヒドリン、ブロムブタン等の4級化剤の反応物;エチレンオキシドの繰り返し単位を少なくとも30重量%以上含有し、ポリマー中に少なくとも1個以上の活性水素を含有する分子量300〜20,000のポリオキシエチレングリコール又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体グリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシブチレン共重合体グリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシアルキレン共重合体グリコール又はそのモノアルキルエーテル等のノニオン基含有化合物又はこれらを共重合して得られるポリエステルポリエーテルポリオールが挙げられ、これら単独で、もしくは組み合わせて使用される。
【0037】
この親水性基がアニオン性基である場合、上記の皮膜の光沢性及び印刷性を向上させるためには、ポリウレタン樹脂エマルジョン中のアニオン性基量が最終的に得られるポリウレタン樹脂固形分100重量部当り、好ましくは0.005〜0.2当量、より好ましくは0.01〜0.1当量の範囲である。ポリウレタン樹脂エマルジョン中のアニオン性基量がかかる範囲にあれば、ポリウレタン樹脂エマルジョンの分散安定性、及び後述するエピクロルヒドリンポリアミド樹脂に対する安定性にも優れる。
【0038】
本発明に使用する分子中にポリカーボネート鎖及び/又はポリエステル鎖を有するポリウレタン樹脂エマルジョンは、上記の公知の製造方法において、ポリオールとしてポリカーボ−ネートポリオール及び/又はポリエステルポリオールを用いて製造することができるが、ポリカーボネートポリオールを用いて上記の製造方法等で製造したポリウレタン樹脂エマルジョンと、ポリエステルポリオールを用いて上記の製造方法等で製造したポリウレタン樹脂エマルジョンを混合して使用してもよい。
【0039】
また、上記ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールの他に、本発明のインクジェット受理層樹脂組成物の物性を損なわない範囲内で、これら以外のポリオールを使用することができる。上記以外のポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリブタジエン系等のポリオレフィンポリオール等が挙げられる。
本発明で使用可能なポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ショ糖、アコニット糖、トリメリット酸、ヘミメリット酸、燐酸、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリイソプロパノールアミン、ピロガロール、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフタール酸、1,2,3−プロパントリチオール等の活性水素原子を少なくとも2個有する化合物の1種または2種以上を開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のモノマーの1種または2種以上を常法により付加重合したものが挙げられる。
【0040】
また、ポリカーボネート鎖及び/又はポリエステル鎖を有するポリウレタン樹脂エマルジョンは、ポリカーボネート鎖及びポリエステル鎖を有していないポリウレタン樹脂エマルジョンを併用することもできる。この場合、ポリカーボネート鎖及び/又はポリエステル鎖を有するポリウレタン樹脂エマルジョンの使用量は、より高精細な画像を得るという点で、全ポリウレタン樹脂エマルジョンに対し、固形分換算で好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
【0041】
また、本発明で使用するポリウレタン樹脂エマルジョンの不揮発分含有率としては、該ポリウレタン樹脂エマルジョンの粒子径や安定性等の点から、好ましくは5〜70重量%であり、より好ましくは10〜60重量%の範囲である。
尚、本発明において不揮発分含有率とは、ポリウレタン樹脂エマルジョンの初期重量に対し、ポリウレタン樹脂エマルジョンを107℃にて2時間保持した後の残存分重量の割合(重量%)を意味する。
【0042】
本発明のインクジェット受理層樹脂組成物には、更に、無機質充填剤を含有させることが好ましい。かかる無機質充填剤としては、例えば、無定形合成シリカ、天然ケイ酸、クレー、タルク、炭酸カルシウム、ケイソウ土、カオリン、焼成カオリン、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、表面処理されたカルシウムやシリカ等が挙げられる。これら無機質充填剤を含有させることにより、顔料分散油性インクの吸収性を向上させることができる。これら無機質充填剤の中でも、品質の均質性(粒子径や細孔径など)、水性媒体への良好な分散性などの点から無定形合成シリカが好ましい。
【0043】
無機質充填剤の使用量は、特に制限されないが、本発明のインクジェット受理層樹脂組成物中に固形分換算で、1〜90重量%の範囲が好ましく、より好ましくは20〜80重量%の範囲である。かかる範囲で無機質充填剤を使用することによって、樹脂組成物としての安定性、顔料分散油性インクの吸収性、インク受理層の強度をよりバランス良く達成することができる。
【0044】
更に、本発明のインクジェット受理層樹脂組成物には、エピクロルヒドリンポリアミド樹脂を含有させることが好ましい。エピクロルヒドリンポリアミド樹脂は、ジエチレントリアミンの如き多官能ポリアミンとアジピン酸の如き多塩基酸を縮合させて得られたポリアミドポリアミンに、エピクロルヒドリンを付加反応させて得られるものであり、一般に湿潤紙力増強剤として知られているものである。この樹脂はその分子内に反応性のアゼチジニウム環を有したカチオン性の水溶性樹脂であるが、そのイオン性により必須成分であるポリウレタン樹脂エマルジョンと緩やかな凝集体を形成し、その結果、顔料分散油性インクの吸収性を向上させ、印刷物の発色を鮮明にすることができる。
【0045】
このエピクロルヒドリンポリアミド樹脂の市販品としては、日本PMC(株)製の「WS525」、「WS535」や「WS570」(いずれも商品名)、住友化学工業(株)製の「スミレーズレジン」(商品名)等が挙げられる。
エピクロルヒドリンポリアミド樹脂の使用量としては、特に制限はないが、ポリウレタン樹脂エマルジョンの樹脂固形分100重量部に対し、10〜500重量部の範囲が好ましく、50〜200重量部の範囲が特に好ましい。かかる範囲でエピクロルヒドリンポリアミド樹脂を用いることにより、本発明の樹脂組成物の安定性、印刷物の発色性がより優れるものとなる。
【0046】
本発明のインクジェット受理層樹脂組成物には、物性を損なわない範囲で、他の添加剤を配合することができる。かかる添加剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系、ソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル系、脂肪酸ジエタノールアミド系、ショ糖エステル系等のノニオン型炭化水素系界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート系、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等のアニオン型炭化水素系界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩系等のカチオン型炭化水素系界面活性剤、ジメチルアルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アミドベタイン型等の両性炭化水素系界面活性剤、イミダゾリン型ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー等の高分子型炭化水素系界面活性剤、アセチレングリコール系の特殊界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の各種レベリング剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やヒンダードアミン系紫外線吸収剤などの各種紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系、硫黄系等の酸化防止剤などが挙げられる。
これらの添加剤の使用量としては、通常、該樹脂組成物中に固形分換算で、好ましくは0.01〜5重量%の範囲である。これらは単独で使用してもよく2種以上を同時に用いても構わない。
【0047】
本発明のインクジェット受理層樹脂組成物には、更に、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース系樹脂などの水溶性樹脂、アクリル樹脂エマルジョンや合成ゴム系エマルジョンなどを配合することができる。これらの添加量としては、樹脂組成物中に固形分換算で、好ましくは1〜30重量%の範囲である。
【0048】
また、本発明のインクジェット受理層樹脂組成物には、インク受理層の強度や耐久性をより向上させるため、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤などの架橋剤を配合してもよい。これらの添加量としては、樹脂組成物中に固形分換算で、好ましくは0.1〜10重量%の範囲である。
【0049】
本発明のインクジェット受理層樹脂組成物は、該樹脂組成物を各種基材に塗布する際の加工速度を向上するために、更に、アルコール系溶剤やケトン系溶剤等の水溶性溶剤等を配合することができる。これらの水溶性溶剤の使用量としては、樹脂組成物中の溶剤中0.1〜20重量%の範囲であることが好ましい。
【0050】
本発明のインクジェット受理層樹脂組成物は、上記原料を適当な攪拌機、例えば、プロペラ型やディスパー、ホモジナイザー等で攪拌し、充分に混合することにより調製することができる。
【0051】
本発明の顔料分散油性インク用インクジェット被記録材(以下、インクジェット被記録材という)は、基材上に上記で得られるインクジェット受理層樹脂組成物からなるインク受理層を有するものである。
【0052】
本発明のインクジェット被記録材は、例えば、本発明の上記樹脂組成物を基材上に塗工し、その後速やかに乾燥させることにより作製することができる。この場合の乾燥温度は、基材の寸法安定性を考慮し設定すればよく、通常、150℃以下であることが好ましい。
【0053】
基材としては、例えば、紙、板紙、各種合成樹脂フィルム、合成紙、繊維、不織布、スパンボンド、及びこれらの複合体などが挙げられる。
【0054】
本発明のインクジェット受理層樹脂組成物を上記基材上に塗布する方法としては、公知の方法を用いることができ、特に制限はしない。該塗布方法としては、例えば、エアナイフによる塗布、ブレードによる塗布、ロールコーターによる塗布、グラビアコーターによる塗布、サイズプレス塗工、ゲートロール塗工等が挙げられる。
【0055】
本発明で使用するインク受理層の厚さは、顔料分散油性インクの印刷性の点で、乾燥塗工量が15g/m2以上であることが好ましい。塗工量が15g/m2に満たないと、インク吐出量を最大にした場合、インクがにじみ、高精細な画像を得られない場合がある。
【0056】
本発明の印刷物は、顔料分散油性インク用インクジェット被記録材に、インクジェットプリンタにて画像が印刷されてなる。
本発明の印刷物は、前述の本発明のインクジェット受理層樹脂組成物を用いることにより、高精細で発色性に優れたものとなる。
【0057】
本発明で使用する顔料分散油性インクは、色材である顔料が有機溶剤に分散しているインクである。
【0058】
本発明で使用する顔料は、例えば、無機顔料としては酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック等を、有機顔料としては不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクドリン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等が挙げられる。
【0059】
上記有機溶剤としては、例えば、石油ナフサ系溶剤類、芳香族系石油溶剤、脂肪族系石油溶剤、ナフテン系石油溶剤、脂肪族又は芳香族炭化水素類、ハロゲン系炭化水素類、アルキルアルコール類、ケトン類、ケトンアルコール類、エーテル類、エステル類、可塑剤類等が挙げられる。
【0060】
また、本発明のインクジェット受理層樹脂組成物は、顔料分散油性インクの他、油溶性染料を用いた油性インクにも適用することができる。
【0061】
インクジェットプリンタとしては、連続噴射荷電制御方式によるものとオンデマンド方式によるものとに大別されるが、これらの内で代表的なものとしては、例えば、荷電変調方式、拡散方式、電気機械変換方式、電気熱変換方式、静電吸引方式等によるものが挙げられる。インクジェットプリンタは、各方式によりインクの吐出原理がそれぞれ異なるが、本発明は何れの方法によるプリンタにも用いることができ、特に限定はしない。
【0062】
本発明のインクジェット用被記録材は、顔料分散油性インク用インクジェットプリンタ以外のインクジェットプリンタを用いても印刷物を得ることもできる。
【0063】
本発明の印刷物は、家庭用、営業用の資料等種々の用途に適用することができるが、耐光性に優れるという特性があるので、特に屋外広告用に好ましく適用することができる。
この屋外広告は、デパート等の企業広告や駅のプラットフォームでの時刻表、空港の大型電飾広告等にも利用することができる。
【0064】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、一層、具体的に説明する。以下において、%は、特にことわりのない限り、全て重量基準であるものとする。尚、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。また、本発明で行った測定方法及び調製方法は以下の通りである。
【0065】
[乾燥皮膜のメチルイソブチルケトンに対する面積膨潤率の測定方法]
ポリウレタン樹脂エマルジョンを乾燥して厚さ200±20μmのフィルムを作製し、これを140℃にて5分間、オーブンで加熱した。次に、得られた皮膜を3cm×3cmの正方形の試片とし、液温25℃のメチルイソブチルケトン50ml中に浸漬した。24時間浸漬後の試片の面積(cm2)を測定し、次式に従い、面積膨潤率(%)を算出した。
【0066】
面積膨潤率(%)=(24時間浸漬後の面積÷9×100)−100
【0067】
[乾燥皮膜の引張破壊ひずみの測定方法]
ポリウレタン樹脂エマルジョンを乾燥して厚さ200±20μmのフィルムを作製し、これを140℃にて5分間、オーブンで加熱した。次に、得られた皮膜を4cm×0.5cmの長方形の試片とし、この試片を引張試験機オートグラフAG−1(島津製作所製)を用いて試験速度300mm/分にて引張特性試験を行い、試片が破壊されたときの引張ひずみ(%)を測定した。尚、記載した条件以外はJIS K7161に準じて測定を行った。
【0068】
[顔料分散油性インクの印刷性の評価方法]
実施例及び比較例で得られたインクジェット被記録材にインクジェット記録によるベタ印刷を行い、目視にて印刷画像の外観と、にじみの有無を確認し、以下の基準に従い評価した。
◎:画像が鮮明で、にじみがないもの。
○:画像が鮮明で、にじみが若干あるもの。
△:画像が不鮮明で、にじみが若干あるもの。
×:画像が不鮮明で、にじみが多くあるもの。
【0069】
《実施例1》
ハイドランHW−930[分子中にポリエステル鎖とアニオン基を有し、イソシアネート成分として脂肪族ジイソシアネートを使用したポリウレタン樹脂エマルジョン、乾燥皮膜のメチルイソブチルケトンに対する面積膨潤率170%、乾燥被膜の引張破壊ひずみ600%、大日本インキ化学工業(株)製](A)と、紙力剤WS535[エピクロルヒドリンポリアミド樹脂、日本PMC(株)製](B)と、ミズカシルP−78A[無定形合成シリカ、水澤化学工業(株)製](C)を固形分換算重量比で(A)/(B)/(C)=25/25/50、固形分が20%となるように配合してインクジェット受理層樹脂組成物(Z1)を得た。
【0070】
次に、上記のインクジェット受理層樹脂組成物(Z1)を易接着処理されたポリエステルフィルムであるA−4100[東洋紡(株)製]に塗布し、120℃で3分間加熱し、加熱後の塗布厚が30μmのインクジェット被記録材(M1)を得た。
次に、得られたインクジェット被記録材(M1)に、顔料分散油性インク用のインクジェットプリンタ[ラミレス、武藤工業(株)製]を用いてインクジェット記録を行い、印刷物(P1)を得た。
この印刷物(P1)について、画像特性等の印刷状態を評価した。評価結果を表1に示す。
【0071】
《実施例2》
実施例1で用いた(A)の代わりにハイドランHW−935[分子中にポリカーボネート鎖とアニオン基を有し、イソシアネート成分として脂肪族ジイソシアネートを使用したポリウレタン樹脂エマルジョン、乾燥皮膜のメチルイソブチルケトンに対する面積膨潤率164%、乾燥被膜の引張破壊ひずみ600%、大日本インキ化学工業(株)製]を用い、実施例1で用いた(B)の代わりに紙力剤WS525[エピクロルヒドリンポリアミド樹脂、日本PMC(株)製]を用いた以外は全て実施例1と同様の配合で、インクジェット受理層樹脂組成物(Z2)、被記録材(M2)、印刷物(P2)を得、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0072】
《比較例1》
上記実施例1で用いた(A)の代わりにゴーセノールGH−17R[ポリビニルアルコール、乾燥皮膜のメチルイソブチルケトンに対する面積膨潤率3.3%、乾燥被膜の引張破壊ひずみ220%、日本合成化学(株)製](a)を用い、この(a)とミズカシルP−78A(C)とを固形分換算重量比で(a)/(C)=50/50で、固形分が20%となるように配合して、インクジェット受理層樹脂組成物(Z3)を得、このZ3を用い、実施例1と同様の操作を行い、被記録材(M3)及び印刷物(P3)を得た。この印刷物(P3)について実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
【発明の効果】
本発明の顔料分散油性インク用インクジェット受理層樹脂組成物及び被記録材は、インクジェットプリンタを用いることにより、高精細で鮮明であり、発色性に優れた印刷物を得ることができる。また、本発明の印刷物は、特に耐光性、耐水性に優れるので、屋内のみならず屋外においても使用することができ、例えば、看板などの業務広告用途などに有用である。
Claims (5)
- 分子中にポリカーボネート鎖及び/又はポリエステル鎖を有するポリウレタン樹脂エマルジョンを含んでなり、該ポリウレタン樹脂エマルジョンを乾燥して得られる厚さ200±20μmの皮膜が、メチルイソブチルケトン中液温25℃で24時間浸漬されたときの該皮膜の面積膨潤率が150〜1000%の範囲である顔料分散油性インク用インクジェット受理層樹脂組成物を基材上に塗工し、乾燥して得られたインクジェット被記録材に、顔料分散油性インクを用いて画像が印刷された印刷物。
- 該ポリウレタン樹脂エマルジョンを乾燥して得られる厚さ200±20μmの皮膜の引張破壊ひずみが550%以上である請求項1記載の印刷物。
- 該ポリウレタン樹脂エマルジョンを構成するポリウレタン樹脂のポリイソシアネート単位が、脂肪族系ポリイソシアネート化合物及び/又は脂環族系ポリイソシアネート化合物である請求項1又は2記載の印刷物。
- 前記顔料分散油性インク用インクジェット受理層樹脂組成物中に、更に無機質充填剤を含んでなる請求項1〜3の何れか一項に記載の印刷物。
- 前記顔料分散油性インク用インクジェット受理層樹脂組成物中に、更に、エピクロルヒドリンポリアミド樹脂を含んでなる請求項1〜4の何れか一項に記載の印刷物。
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