JP4285632B2 - 巨大磁気抵抗およびスピン分極トンネルを有する化合物、その製造および使用方法 - Google Patents

巨大磁気抵抗およびスピン分極トンネルを有する化合物、その製造および使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、磁気電子回路で使用するのに適している化合物に関する。
磁気電子回路は、磁気抵抗効果およびスピン分極電子を使用する、または将来これらを使用する電子構成部材を含む電子回路の新しい分野である。その磁気抵抗特性により、このような化合物は、とりわけ、磁界センサとして使用することができる。関連する「磁気抵抗特性」は、外部磁界による電気抵抗(磁気抵抗)の変化である。室温で起こるスピン分極トンネルにより、このような化合物は、また、磁気ランダム・アクセス・メモリ(MRAM)およびスピン・トランジスタを製造する際に、基本的な形成ブロックとして使用することもできる。「スピン分極トンネル」は、トンネルの確率がそのスピン分極に依存する電子のトンネル(ポテンシャル障壁の量子力学的透過)と定義される。
磁界センサは、例えば、コンピュータの外部記憶装置として使用されるハードディスク・ドライブの磁気ヘッド上で使用される。従来の磁気ヘッドは、コイル内に誘起される電流による磁界の強さおよび方向を検出する。しかし、記録密度が増大すると、1つのビットを記録するのに使用することができるスペースが少なくなり、合成磁界が次第に弱くなる。このような弱い外部磁界を検出するには、従来の技術では製造できない超高感度磁界センサが必要になる。巨大磁気抵抗(GMR)またはトンネル磁気抵抗(TMR)を使用する超高感度磁界センサは周知のものである((1999年発行の)Physikalische Blätter 55(3)、53〜56ページ掲載の、S.Mengelの「Innovationspotential Magnetoelektronik」参照)。約200℃で磁気抵抗効果を示す磁界センサは、自動車産業で使用されている。酸化マンガンのような化合物の巨大磁気抵抗(CMR)を使用すれば、数段階大きい効果を達成することができるが、このようなアプローチは、それによる磁界応答が低いために技術的関心の対象になっていない。
GMRおよびTMRをベースとするデバイスは、非常に改善されたMRAM用の基本的な形成ブロックである。MRAMは、半導体メモリの利点(高速アクセス)と磁気材料の利点(高い記憶密度)の両方を併せ持っている。さらに、読出しプロセスが非破壊的であり、磁気メモリは不揮発性である。磁気メモリは、丈夫であり、外部電源を必要としないし、照射にも耐える。
原則的には、磁気電子効果を使用すれば、新しいタイプの設計を有する電子回路用の磁気的に切替え可能なスピン・トランジスタを製造することができる。この場合、TMRデバイスおよび/またはハイブリッド磁気半導体デバイスは、トランジスタ回路を構成するために使用することができる。スピン電界効果トランジスタ(スピンFET)は、通常の金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)より構造が簡単であり、その両方の状態(トランスコンダクティング状態および非トランスコンダクティング状態)は不揮発性である。多値論理デバイスは、磁気金属化学元素を半導体化学元素に結合することにより構成することができる((1998年発行の)VDI−Technologiezentrum掲載の、G.BayreutherおよびS.Mengelの、「Magnetoelektronik,Grundlagenforschung−Zukunfts−technologie?」参照)。高いスピン分極を有する金属または半金属は、TMRデバイスまたはスピン・トランジスタを製造する場合には非常に有利な選択である。ハイブリッド磁気材料半導体構造は、光学系で使用される偏光子−検光子の組合わせに類似している、電荷担体のスピンに対する偏光子−検光子の組合わせは、磁気フィルムにより構成することができるというアイデアに基づいている。合成ハイブリッド・デバイスの抵抗は、その2つの電極の磁化の相対的方向により変化する。しかし、そうするためには、最初に、半導体層を通してスピン分極電荷担体を注入することにより、スピン分極電流を供給し、次に、検光子が到着することができるように、十分長い距離にわたって、これらの電流のスピン分極を保持しなければならない。後者の要件はすでに達成されているが、室温で(70%を超える)高いスピン分極を有する酸化していない金属材料についての報告はまだない。
磁界センサおよび磁界データ記憶装置に対する磁気抵抗材料の重要性は、近年よく分かってきたし、そのような材料はすでに商業的に重要な意味を持つようになってきている。GMR効果を示す製品を製造するのに適している材料は、3d金属、すなわち、不完全な3d軌道関数を有する金属を含む材料を、事実上排他的に含む。何故なら、このような材料は、必要な磁気特性を有し、シリコン処理技術と密接な互換性を持っているからである。その磁気抵抗効果の大きさ、その最大動作温度(合成磁界センサの動作温度)、磁界感度等のようなその主要な特性は、過去数年間の間に改善されたが、すべての使用分野をカバーする最適な解決法はまだ見つかっていない。
上記GMR効果は、多層システムで発生する。最も簡単な場合には、このような多層システムは、例えば、クロム・フィルムのような非磁気材料により分離されている一対の鉄のフィルムのような一対の磁気フィルムからなる。1987年に発見されたGMR効果は、おそらく、外部インタフェース効果(多相システムの場合)であると思われる(ドイツ特許DE−A 38 20 475参照)。一対の鉄のフィルムが、クロム・フィルムにより強磁性的に結合している場合には、どのような場合でもこのようなシステムの抵抗は低い。何故なら、そのスピンを変えないで、電子が一方の鉄のフィルムから他方の鉄のフィルムへ移動するからである。一方、2枚の鉄のフィルムのスピンが、非強磁性的に結合している場合には、このようなシステムの抵抗は高い。「強磁性」は、一般的に、電子のスピンがキュリー温度より低い温度の場合、相互に平行に整合している集合的磁気として定義される。「反強磁性」は、電子のスピンが臨界温度(ネール温度)より低い温度の場合、相互に逆平行に整合してる集合的磁気として定義される。その鉄のフィルム間で測定した逆平行結合多層システムの抵抗は、外部から磁界を加えると有意に低くなる。外部磁界は、磁界方向に沿って、両方の鉄のフィルムのスピンを強制的に強磁性整合させる。この効果は、室温で最大10%のMR効果を達成するのに使用することができる。GMR効果は、現在すでに工学的適用段階にあり、特に、(マインツのIBMにおいて)ハードディスク・ドライブの読出しヘッド用の磁界センサを製造する場合には、工学的適用段階にある。
磁気抵抗は、磁界が存在する場合、および磁界が存在しない場合のシステムの抵抗の百分率による変化を示すパラメータである。「負の磁気抵抗」は、外部磁界が存在しない場合の電気抵抗に対する、外部磁界が存在する場合の電気抵抗の減少である。「百分率による磁気抵抗」の2つの異なる定義が一般に使用されている。本発明の場合に使用する「百分率による磁気抵抗」MRの定義は、磁界が存在する場合のデバイスの抵抗と、磁界が存在しない場合の抵抗との間の違いを、磁界が存在しない場合の抵抗で割ったものである。その最大値は100%である。もう1つの定義(例えば、ドイツ特許DE−A 38 20 475で使用されている)は、巨大磁気抵抗(GMR)効果の場合に使用される。この場合、「百分率による磁気抵抗」MRは、磁界が存在しない場合のデバイスの抵抗と磁界が存在する場合のその抵抗との間の違いを磁界が存在する場合のその抵抗で割ったものとして定義される。その最大値は、大きいが一定していない。
上記TMR効果は、一対の磁気フィルムの間にサンドイッチ状に挟まれている絶縁フィルムをベースとしている。この絶縁フィルムが十分薄い場合には、電子は、合成ポテンシャル障壁を通過して、一対の磁気フィルム間を電流が流れることができる。トンネルの確率は、スピンに依存し、そのため、そのスピンの逆平行磁化の場合のそれと比較すると、磁気トンネル形成接触フィルム内のスピンの平行磁化の場合には、磁気抵抗が高くなる。排他的にスピン分極電子を含む材料は、大きな効果を示す。トンネルの確率は、スピンに依存するので、式、MR=P/(1−P)の観点から見ると、磁気抵抗MRは、すべてのスピンPが、同じ分極を持った場合に最大になる。しかし、上記磁気抵抗は、化学元素および化学元素の薄いフィルム内だけで測定することができる。
1993年に、いくつかの化合物で大きな磁気抵抗が発見された。酸化マンガンでの「巨大磁気抵抗」(CMR)効果の発見((1993年発行の)Phys.Rev.Lett.71の2331ページに掲載された、R.von Helmold,J.Wecker,B.Holzapfel,L.SchulzおよびK.Samwerの論文参照)は、世界中の注目を集めた。何故なら、外部磁界が掛けられた場合のその抵抗の変化が、化学元素からなる上記多層システムのものよりも遥かに大きかったからである。CMR効果は、内部効果(化学的化合物内で起こる効果)であり、極度に大きい抵抗の変化は、キュリー温度Tにおける金属−絶縁体転移の抑制によるものである。「キュリー温度」は、この温度より低い温度では、「強磁性整合」とも呼ばれる、近傍の原子のそれらの上のスピン・モーメントの平行整合を含む自発磁化が起こる臨界温度であると定義される。Tを超える温度においては、スピンは、ランダムな方向を向いていて、CMR効果を示す化合物は、絶縁体(半導体)である。Tより低い温度においては、これらは強磁性金属である。CMR効果は、最初、La1−xSrMnOのような混合原子価酸化マンガンについて測定された。CMRの場合に発生する負のMRは、発生するスピンの向きの混乱が低減するためである。発生する導電率は、Mn3+サイトおよびMn4+サイト間のe電子の「ホッピング」によるのであり、この「ホッピング」は、2つのマンガン原子の磁気モーメントが、強磁性の場合のように、相互に平行に整合した場合だけに起こる。金属−絶縁体転移は、キュリー温度で起こる。磁界が掛けられている場合には、「ホッピング」の確率は、強磁性整合の度合いが増大するにつれて増大し、抵抗は低減する。それ故、この効果は、通常、キュリー温度において最大になる。CMR効果の工学的適用も、実行可能と思われているが、最大の効果は、通常、読出しヘッドの動作温度内の温度でではなく、室温より低い温度で起こる。磁界感度も、依然として低く、シリコン・ウェーハ上の構成部材のエピタキシャルな成長の問題は依然として未解決のままである。
多結晶のCMR効果を示す化合物の多結晶のサンプル、または非常に稠密なペレットおよびCrOは、いわゆる「粉末磁気抵抗」(PMR)効果を示す((1999年発行の)J.Magn.Magn.Mat.200の24〜43ページ掲載の、A.GuptaおよびJ.Z.Sunの、「磁気酸化物内のスピン分極の移動および磁気抵抗」参照)。そのキュリー温度の遥か下の温度で、これらの化合物は、フェルミ・エネルギーのところで電子の大きな分極を示し、そのため、(4Kおよび0.1Tで20%の)弱い磁界内で大きな磁気抵抗を示す結晶粒界を有するサンプルになる。これらの全体がスピン分極した電子のうちのあるものだけが、異なる整合スピンを有する隣接結晶粒の状態になる。絶縁酸化物フィルムは、恐らく、トンネル障壁を形成する。それ故、その測定抵抗は高かった。外部磁界は、すべてのスピンを整合させ、その抵抗を低減する。何故なら、その伝導電子は、近傍の結晶粒を通過できるからである。しかし、今迄知られているすべての化合物は、室温で注目に値するような効果を持っていない。すべてのこのような化合物も酸化物であるので、これらのデバイスをウェーハに転写する(transfer)とき問題が発生する。室温での最大の効果(1Tで6%;(1998年発行の)Nature395、677ページ掲載の、K.I.Kobayashiの論文参照)は、SrFeMoOで測定されたものである。高いスピン分極を有する金属材料および、例えば、Al、MgO、またはCrのような酸化物、MgFのようなフッ化物のような絶縁材料または少なくとも半導体材料、またはポリスチレン、ポリエチレン、エポキシ樹脂等のようなポリマーまたはオリゴマーのようないくつかの他の絶縁化合物または化合物半導体からなる複合材料は、そのPMR効果のために、磁気電子回路で使用するのに適しているものと思われる。絶縁材料は、金属粒子の短絡を防止し、おそらく、トンネル障壁としての働きをするものと思われる。
ドイツ特許DE−A 38 20 475 (1999年発行の)Physikalische Blätter 55(3)、53〜56ページ掲載の、S.Mengelの、「Innovationspotential Magnetoelektronik」という記事 (1998年発行の)VDI−Technologiezentrum掲載の、G.BayreutherおよびS.Mengelの、「Magnetoelektronik,Grundlagenforschung−Zukunfts−technologie?」という記事 (1993年発行の)Phys.Rev.Lett.71の2331ページに掲載された、R.von Helmold,J.Wecker,B.Holzapfel,L.SchulzおよびK.Samwerの論文 (1999年発行の)J.Magn.Magn.Mat.200の24〜43ページ掲載の、A.GuptaおよびJ.Z.Sunの、「磁気酸化物内のスピン分極の移動および磁気抵抗」という記事 (1998年発行の)Nature395、677ページ掲載の、K.I.Kobayashiの記事 (1998年発行の)J.Mater.Chem.8、787ページ掲載の、C.Felser,R.Seshadri,A.LeistおよびW.Tremelの論文 J.Inorg.Mater.2(Raveau Commemorative Volume,2000)677ページ掲載のC.FelserおよびR.Seshadriの論文 (1992年発行の)Phys.Rev.B46の261ページ掲載の、P.BrunoおよびC.Chappertの論文 (1951年発行の)Phys.Rev.82の403ページ掲載のC.Zenerの論文 (1995年)オックスフォード大学出版局発行のG.Burdettの「固体内での化学結合」という記事 (1998年発行の)J.Mater.Chem.8の787ページ掲載の、C.Felser,R.Seshadri,A.LeistおよびW.Tremelの論文 (1999年発行の)J.Mater.Chem.9の459ページ掲載の、C.FelserおよびR.Seshadriの論文 (1999年発行の)J.Mater.Chem.9の459ページ掲載の、C.Felser,K.ThiemeおよびR.Seshadriの論文 (1999年発行の)J.Solid State Chem.147の19ページ掲載の、C.Felser,K.Ahn,R.K.Kremer,R.SeshadriおよびA.Simonの論文 (1998年発行の)J.Magn.Mat.177の599ページ掲載の、Hedinの論文 (1991年発行の)材料情報協会、ASMインターナショナル出版の「金属間相に対する結晶学データのピアソンのハンドブック」(Pearson’s Handbook of Crystallographic Data for Intermetallic Phases)という記事 (1976年)ベルリンおよびニューヨークのWalter de Gruyter Verlag発行のR.C.Evansの、「Einführung in die Kristallchemie」の276ページの表13.1 (1976年)、ベルリンおよびニューヨークのWalter de Gruyter Verlag発行の、276ページ掲載の、R.C.Evansの、「Einführung in die Kristallchemie」という記事
本発明が対象とした問題は、GMR効果またはTMR効果に基づいていて、約1ギガビット/cmの記録密度を達成することができる現在使用しているハードディスク・ドライブの場合には、ハードディスク・ドライブ上でもっと高い記録密度(最大8ギガビット/cm)を達成することができる入手可能な材料を製造することである。関連する材料は、TMRデバイスとして使用することができ、またスピン電子回路で使用することができるように、室温で高いスピン分極を示すものでなければならない。自動車産業で磁界センサとして使用する場合には、室温より高い温度での高い磁気抵抗を持つことが必要である。
それ故、結合した場合、下記の特性を持つ材料の開発が待望されている。
− GMR効果を持つ多層システムの有利な特性、すなわち、
・高い磁界感度
・読出しヘッドの動作温度での大きな効果
・広い温度範囲における安定した効果
− CMR効果を持つ化合物の有利な特性、すなわち、
・絶縁材料および高いスピン分極を示す金属材料からなるバルク材料または複合材料で極度に大きい効果。この効果はGMR効果の場合のように、介在フィルムの厚さに大きく依存してはならない。
・スピン電子回路で使用する場合、室温にできるだけ近い温度での高いスピン分極
本発明は、GMR効果およびCMR効果の有利な特性を相互に結合し、室温で高いスピン分極を有する入手可能な化合物を製造する。その磁気抵抗は、係数約3だけGMRシステムおよびTMRシステムの磁気抵抗を超える一方で、酸化マンガンの磁界感度より優れた磁界感度を供給する。ハードディスク・ドライブ上で使用するGMR効果またはTMR効果をベースとするセンサの場合には、約1ギガビット/cmの記録密度を達成することができ、本発明の化合物は、もっと高い記録密度(最大10ギガビット/cm)を達成することができ、複合材料(本発明の化合物、および絶縁材料、または少なくとも半導体材料からなる粒状材料)の場合には、80%(磁界が存在しない場合、またはその飽和磁化の700%の場合、その抵抗の80%)の磁気抵抗効果が測定された。
本発明は、下記の理論的考察に基づいている。成分として3d金属を含む金属間化合物は、上記要件を満足する。何故なら、このような化合物は、金属多層システムおよび金属−絶縁体転移を示す化合物の両方の必要な特性を同時に持つことができるからである。読出しヘッドの動作温度範囲内の温度において最大の効果を達成するためには、これらのキュリー温度が引き続き室温(23℃)を超えると有利である。室温でのスピン分極トンネル、およびPMR効果に対しては、300℃を超えるキュリー温度が有利である。本発明の化合物は、調査した温度範囲、すなわち、400Kまでの温度内で事実上温度に依存しない効果を示す。
CMR効果に対する物理的基礎を記述している理論的モデルを理解していれば、上記要件プロファイルに適合する化合物を合成する際に役に立つ。ある化合物が、絶縁体、すなわち、偶数の価電子を含む材料なのか、または金属、すなわち、奇数の価電子を有する材料であるのかは推定するしかない。ある3d金属または4f金属がある化合物の成分である場合には、その磁気に関するステートメントは、固体状態のこれら原子間の距離から推測することができる。このような化合物の結晶構造、その価電子の濃度、およびその電子特性および磁気特性の間にある関係があるので、このような推定を行うことができる。
「価電子濃度」は、関連する式単位の原子当りの価電子の数として定義される。「価電子」は、最後の閉じた不活性ガス殻の外側の化学元素の軌道内の電子として定義される。遷移金属の場合には、その価電子は、s電子、p電子およびd電子であり、ランタニドの場合にはf電子である。
固体の電子構造は、そのバンド構造により記述することができ、現在は、十分な精度で計算することができる。「バンド構造」は、分子のエネルギー準位の固体に似ている。固体の電子構造は、光電子放出分光法のような分光学的方法で測定することができる。
上記電子および磁気特性を持つ周知の化合物の電子構造の系統的研究により、初めて、「スペクトル」(fingerprint)により巨大磁気抵抗を有する化合物を合成するための最初の方法を定式化することができた((1998年発行の)J.Mater.Chem.8、787ページ掲載の、C.Felser,R.Seshadri,A.LeistおよびW.Tremelの論文、およびJ.Inorg.Mater.2(Raveau Commemorative Volume,2000)677ページ掲載のC.FelserおよびR.Seshadriの論文参照)。
上記Fe−Cr−Feシステム内のGMR効果も、クロムの電子構造、およびスピン密度波(以下に説明する)および鉄の磁気に基づいて説明することができる((1992年発行の)Phys.Rev.B46の261ページ掲載の、P.BrunoおよびC.Chappertの論文参照)。
酸化マンガンの巨大磁気抵抗、CMR効果を説明するために、「二重交換」(「二重ツェナー交換」)機構((1951年発行の)Phys.Rev.82の403ページ掲載のC.Zenerの論文参照)が、通常参照される。しかし、説明のためのこのアプローチは、混合原子価酸化マンガンだけにしか適用できない。一般的な理論はない。
GMR効果の主要な原因であるスピン密度波は、高温超伝導の恐らく原因として議論の対象になっている((1995年)オックスフォード大学出版局発行のG.Burdettの「固体内での化学結合」参照)。しかし、CMR効果を示す超伝導銅酸塩(cuprate)および酸化マンガンは、構造的に相互に関連している。スピン密度波は、1998年までは巨大磁気抵抗の一因であると考えられていた((1998年発行の)J.Mater.Chem.8の787ページ掲載の、C.Felser,R.Seshadri,A.LeistおよびW.Tremelの論文参照)。スピン密度波は、酸化マンガンの珍しい電子構造によるものである。バンド構造計算に基づくこれらの化合物の電子構造の計算により、所与の化合物が、スピン密度波を示すかどうかを認識することができる。理論的には、固体の電子構造の三次元プロットを表示するには、3つの空間座標(運動量空間内)およびエネルギーを含む四次元プロットが必要である。三次元表示を行うための1つの手段は、等エネルギー面、すなわち、エネルギーが一定の面(運動量空間内)を使用する手段である。非占有状態から占有状態を分離する等エネルギー面は、フェルミ面であり、関連するエネルギーはフェルミ・エネルギーである。電子構造のこの表現の下で、スピン密度波は、等エネルギー面上の平行な面として識別することができる。その結晶構造およびその価電子濃度が対称的であるために、酸化マンガンは、その電子構造にこのような「スペクトル」を示す。CMR効果を示す磁気酸化マンガンも、追加の局所的磁気モーメントを示す。「局所的磁気モーメントを示す化合物」は、ペアになっていない電子を有する化合物、臨界温度Tより低い温度で、そのスピンが磁気的に整合している常磁性化合物として定義される。マンガン酸塩内の局所的磁気モーメントは、一部が満たされた電子殻、この場合は、半分がマンガンの満たされたt2g殻によるものである。
反強磁性配置の形成は、化合物の場合には、固体の磁気原子間の距離に対するスピン密度波(そのバンド構造の結果)の波長の比率により行うことができる。この「スペクトル」、すなわち、スピン密度波は、負の磁気抵抗を示す超伝導体および磁気システム内で観察されてきた。超伝導化合物の電子構造から得た知識およびモデルの一貫した適用によりGdI内のCMR効果が予測され、以後の実験により確認された((1999年発行の)J.Mater.Chem.9の459ページ掲載の、C.FelserおよびR.Seshadriの論文、(1999年発行の)J.Mater.Chem.9の459ページ掲載の、C.Felser,K.ThiemeおよびR.Seshadriの論文、(1999年発行の)J.Solid State Chem.147の19ページ掲載の、C.Felser,K.Ahn,R.K.Kremer,R.SeshadriおよびA.Simonの論文参照)。GdIは、290Kで強磁性状に配列され、室温および7Tで、70%の磁気抵抗MRを有するCMR効果を示す。この化合物は、本発明の化合物が合成されるまで室温での世界記録保持者であったが、その化学反応性(上記化合物は、H、HOおよびOと反応する)およびその低い磁界感度のために工学的適用は行われなかった。
その間に、非常に改善された新しいモデルが開発された。上記スピン密度波の他に、CMR効果を示す化合物のバンド構造の鞍点も有利である。そのスピン分極バンド構造のその用語の数学的定義と一致する鞍点は、高い状態密度になる。「状態密度」は、指定のエネルギー間隔内に入るエネルギー準位の全数として定義される。フェルミ・エネルギーの(基本セルおよび電子ボルト当りの3つのエネルギーを超える)高い状態密度、非占有状態から占有状態を分離するエネルギーは、電子システムにとって都合の悪いものなので、「電子的不安定性」と呼ばれる。フェルミ・エネルギーにおける2つのタイプの不安定な状態、すなわち、スピン密度波および鞍点は、珍しい電子特性および磁気特性を有する化合物のアース状態特性にとって都合のよいものである。
それ故、巨大磁気抵抗を示す化合物に対する「スペクトル」は、3つの要因、すなわち、鞍点、スピン密度波、および局所的磁気モーメントからなる。鞍点は、明らかに、磁気原子間での強磁性結合になる((1998年発行の)J.Magn.Mat.177の599ページ掲載の、Hedinの論文参照)。一方、スピン密度波は、近傍の原子のスピンの反強磁性配列になる。強磁性結合と反強磁性結合との間のこの競合が、キュリー温度での抵抗の大きな変化の原因であり、そのため、化合物内で起こる巨大磁気抵抗が原因であるように思われる。
フェルミ・エネルギーのところで大きなスピン分極を示す場合には、関連する材料も、特に大きい磁気抵抗効果を示す。「指定のエネルギーのところのスピン分極」は、そのエネルギーのところの2つのスピンの向きに対する状態密度の比として定義される。スピン分極の最大値は1であり(非磁気化合物のスピン分極はゼロである)、PMR効果およびTMR効果の場合の磁気抵抗は、スピン分極に依存し、MR=P/(1−P)の式から考えて最大になる。
さらに、上記の3つの要因(鞍点、スピン密度波、および局所的磁気モーメント)の「スペクトル」の他に、他の要件もまた発生した。不安定な状態は、固体のバンド構造で頻繁に発生するが、実際には、不安定な状態は、フェルミ・エネルギー付近で発生した場合だけ、その電子特性に影響を与える。理論的には、化合物を電子または正孔によりドーピングすることにより、フェルミ・エネルギー内にシフトを発生させることはできるが、多くの場合、実際に発生させるのは難しい。電子回路によりドーピングすることにより、もっと高いエネルギーの方にシフトさせることができ、正孔でドーピングすることによりもっと低いエネルギーの方にシフトさせることができ、そうすることにより、バンド構造の不安定な状態を、フェルミ・エネルギー上に正確に再度位置させることができる。電子によるSrMnOのような化合物のドーピングは、ランタン原子によるストロンチウム原子の対応する部分の置換を含む。それ故、このような置換の唯一の候補は、ドーピングすることができる化合物システム、すなわち、化学元素の種々の組合わせに対して存在し、個々の原子を他の原子で置換することができる化合物システムである。
ホイスラー化合物のような金属間化合物は、下記の要求された先行必要条件に正しく適合する。
− 下記のものからなるそのバンド構造の3要因「スペクトル」
・鞍点
・スピン密度波
・局所的磁気モーメント
− 下記のものを含む半金属の強磁性体であること。
− 可変価電子濃度
− 高度に対称的な構造
− キュリー温度>500K
MR効果の潜在的発生の先行必要条件は下記の通りである。
・高い磁界反応性
・読出しヘッドの動作温度での大きな効果
・広い温度範囲での効果の安定性
・バルク材料または複合材料での極度に大きな効果。この場合、効果はGMR効果の場合のように、介在フィルムの厚さに大きく依存してはならない。
・スピン電子回路へ適用する場合には、室温近い温度での大きなスピン分極
巨大磁気抵抗を示す化合物の場合には、金属間化合物は高い磁界感度を達成するための合理的な選択である。特に、半金属強磁性体は、ホイスラー相で発見される。「ホイスラー相」は、一般式XYZを有する金属間化合物であり、結晶してBiFタイプの構造になる((1991年発行の)材料情報協会、ASMインターナショナル出版の「金属間相に対する結晶学データのピアソンのハンドブック」(Pearson’s Handbook of Crystallographic Data for Intermetallic Phases)参照)。金属間化合物は、下記のものを含む化合物である。
a)2つまたはそれ以上の真の金属(TおよびT
b)1つまたはそれ以上の真の金属、およびBサブグループの1つまたはそれ以上の真の金属
c)Bサブグループの2つまたはそれ以上の金属
この場合、クラス1からクラス3へ遷移すると、その特性は金属的な性格が少なくなり、真の化合物の性格にますます似てくる。Bサブグループの真の金属および化学元素への分類は、(1976年)ベルリンおよびニューヨークのWalter de Gruyter Verlag発行のR.C.Evansの、「Einführung in die Kristallchemie」の276ページの表13.1に基づいて行った。
Figure 0004285632
クラスTに属するランタニドおよびアクチニド。
BiFタイプの立方構造の特徴は、4つの入れ子状のfcc格子である。XおよびYは、通常、遷移金属(上記表のT)である。Yは、通常、希土類元素であり、Zは非磁気金属または非金属(サブグループBまたはBの元素)である。その磁気行動、磁気光学カー効果により、ホイスラー相は技術的に重要なものになる。それ故、大部分の周知のホイスラー相の磁気特性は、どちらかといえば、今迄深く研究されてきた。特に、その強磁性キュリー温度および磁気モーメントはよく知られている。しかし、その導電率のようなその電子特性は今迄ほとんど研究されなかった。最近発見された半導体非磁気FeVAlを除けば、今迄に分かったすべてのホイスラー化合物、すなわち、数百の個々の相は金属である。いくつかの強磁性ホイスラー化合物は、半金属強磁性体の特徴であるバンド構造を有する。その立方構造の高度の対称性は、電子的不安定性を引き起こすために好都合であることが分かっている。ホイスラー相は、比較的広い範囲の価電子濃度にわたって存在するが、このことは、必要に応じて、電子または正孔でドーピングした場合、何も問題がないことを意味する。今迄磁気化合物はどちらかといえば、徹底的に研究されてきたので、未知の新しいまたはドーピングされた化合物のキュリー温度は、既知の化合物の強磁性キュリー温度から推定することができる。今迄の種々のホイスラー化合物に対するバンド構造の計算は、このクラスの化合物は、そのままの状態で上記基準に適合するか、またはその元素組成を変化させることにより、その価電子濃度を適当に調整した場合、上記基準に適合することを示している。その式単位の1つの原子当り6.95±0.5、好適には、6.95±0.2、特に好適には、6.95±0.1、より好適には、6.95±0.02の価電子を含む価電子濃度の場合には、関連する不安定性(鞍点およびスピン密度波)は、そのフェルミ・エネルギーのところに発生した。ホイスラー化合物の他の不安定性は、その式単位の1つの原子当り5.5±0.5、6.95±0.5、好適には、5.5±0.2、特に好適には、5.5±0.1、より好適には、5.5±0.02の価電子を含む価電子濃度のところ、およびその式単位の1つの原子当り7.13±0.5、好適には、7.13±0.2、特に好適には、7.13±0.1、より好適には、7.13±0.02の価電子を含む価電子濃度のところで発生する。
周知のホイスラー化合物は、どんな条件の下でも、特にすべての補助的条件(例えば、読出しヘッドに適用可能な範囲内のキュリー温度)の下で、このような価電子濃度(VEC)を示さないので、既知の化合物をドーピングしなければならない。この場合、そのバンド構造は、ドーピングにより変化しないで、そのフェルミ・エネルギーだけがシフトすると仮定した(「硬いバンド・モデル」仮定)。実際、上記理論に基づいて合成したホイスラー化合物、CoCr0.6Fe0.4Al(VEC=6.95)、CoCr0.6Fe0.4Ga(VEC=6.95)、およびCoCr0.2Mn0.8Al(VEC=6.95)は、その後で、予想した巨大磁気抵抗を示した。行ったその電子特性の調査は、すでに仮定したように、本発明の化合物CoCr0.6Fe0.4Al、CoCr0.6Fe0.4Ga、およびCoCr0.2Mn0.8Alは、GMR効果の有利な特性(高い磁界感度)およびCMR効果の有利な特性(化合物での大きな効果)の両方を持っていることを示した。本発明のホイスラー相は、亜マンガン酸塩の磁気抵抗特性と同じ程度の巨大磁気抵抗(「巨大磁気抵抗効果」(CMR効果))、および多層システムの磁界感度と同じ高さの磁界感度(「巨大磁気抵抗効果」(GMR効果))を示す。効果の測定は、多結晶サンプル上で行ったので、スピン分極はほぼ100%であったと結論することができる。本発明の他の化合物としては、例えば、CoMn0.8Cr0.2AlおよびCoMn0.8Cr0.2Gaがあるが、両方に対してVEC=6.95であり、また、CoMnGe0.5Ga0.5、CoMnSi0.5Al0.5、CoMnSn0.5In0.5、CoMn0.5Cr0.5Si、CoMn0.5Fe0.5Al、CoMn0.5Fe0.5Ga、CoMn0.5Fe0.5In、FeCoGe0.5Ga0.5、およびFe2.5Co0.5Gaがあるが、これらすべてに対してVEC=7.13である。
それ故、本発明の化合物は、式単位あたり少なくとも2つの化学元素を含み、室温で、0.1T当り5%を超える、特に、0.1T当り10%を超える、好適には、0.1T当り20%を超える、およびより好適には、0.1T当り70%を超える磁界感度を有する負の磁気抵抗を示す。酸化物を混合すると、PMR効果が増大する。本発明の好適な化合物は、好適には、構造上の欠陥を少し含むか全然含んでいない立方対称性を示す金属間化合物である。「構造上の欠陥」は、違いが10%未満、特に5%未満、好適には、2%未満である格子パラメータとして定義される。さらに、化合物がホイスラー相に属している場合には、有利であることがわかっている。本発明の化合物は、フェルミ・エネルギー付近で電子的な不安定性(鞍点、スピン密度波、および局所的磁気モーメント)を示す。「フェルミ・エネルギー付近の不安定性」は、±0.5電子ボルト程度、好適には、±0.2電子ボルト程度、特に好適には、±0.1電子ボルト程度、より好適には、±0.02電子ボルト程度だけフェルミ・エネルギーから異なる不安定性として定義される。CMR効果およびGMR効果の両方を示す本発明の化合物が、室温(23℃)を超える温度でその効果を示すなら、それは有利である。このような化合物の特徴は、その式単位の原子当り6.95±0.5、好適には、6.95±0.2、特に好適には、6.95±0.1、より好適には、6.95±0.02の電子の価電子濃度である。ホイスラー化合物の他の不安定性、およびそれ故、他の好適なVECは、式単位の原子当り5.5±0.5、好適には、5.5±0.2、特に好適には、5.5±0.1、より好適には、5.5±0.02の電子の価電子濃度のところで、およびその式単位の原子当り7.13±0.5、好適には、7.13±0.2、特に好適には、7.13±0.1、より好適には、7.13±0.02の電子の価電子濃度のところで観察される。特定の化合物の最適化価電子濃度は、正確なバンド構造の計算から決定することができる。それ故、最適な特性は、現在まで、化合物CoCr0.6Fe0.4Al、CoCr0.6Fe0.4Ga、およびCoCr0.2Mn0.8Alに対し計算され、観察もされている。サンプル計算として、コバルトは9の価電子を持ち、元素クロムは6の価電子を有し、鉄は8の価電子を有し、およびアルミニウムは3の価電子を有する。CoCr0.6Fe0.4Alの化学量論的組成は、式単位当り(2×9)+(0.6×6)+(0.4×8)+3=27.8価電子を生じ、その後の4による除算により原子当り6.95価電子を生じる。これらの価電子は、室温(23℃)を超えるキュリー温度に対する局所的磁気モーメントを示す。本発明の好適な化合物、CoCr0.6Fe0.4Al、CoCr0.6Fe0.4Ga、およびCoCr0.2Mn0.8Alは、半金属強磁性体であり、そのためその測定した効果が特に高いのである。室温で、0.1T当り10%を超える、特に0.1T当り20%を超える、好適には、0.1T当り50%を超える、より好適には、0.1T当り80%を超えるPMR効果を示す本発明の複合材料は、本発明の化合物と、例えば、後者の15%±15%、好適には、15%±10%、特に好適には、15%±5%、より好適には、15%±2%のモル分率を含む混合物のAlのような絶縁材料とからなる粒状材料である。磁界が存在しない場合のその抵抗の最大80%、またはその飽和磁化の最大700%の範囲内の磁気抵抗効果が、上記材料に対して測定されている。この効果は、その幅が50℃を超える、特に100℃を超える、好適には、200℃を超える、より好適には、400℃を超える広い温度範囲で安定している。すなわち、効果は、この温度範囲内で50%未満、特に20%未満、より好適には、10%未満しか変動しない。エポキシ樹脂またはポリマーのような他の材料に埋設されているバルク材料の形をしている場合もあるし、粒状フィルムの形をしている場合もあるこれらの材料は、「そのまま(as is)」磁気電子回路で使用するために、磁界センサとして使用することができる。
バルク材料または複合材料の形の本発明の化合物は、下記の効果を示す。
− 大きな負の磁気抵抗(MRが10%を超える、好適には、20%を超える、特に好適には、80%を超える(磁界が存在しない場合のその抵抗の最大80%、またはその飽和磁化の最大700%))。それ故、この負の磁気抵抗は、GMRシステムに対するものよりも遥かに大きい。
・室温を超える温度において(好適には、読出しヘッドの通常の動作温度範囲、すなわち、約25℃〜55℃において)、
− 100℃を超える、好適には、200℃を超える、特に好適には、400℃を超える幅を持つ広い温度範囲にわたる大きな磁気抵抗効果
− (0.1T当り10%を超える、好適には、0.1T当り20%を超える、特に好適には、0.1T当り70%を超える)大きな磁界感度
− 室温における(0.1T当り5%を超える、好適には、0.1T当り20%を超える、特に好適には、0.1T当り50%を超える)PMR効果
− (50℃までの、好適には、80℃までの、特に好適には、100℃までの)熱分解に対する高い抵抗力、および高い化学的安定性(HO、Oおよび特に好適には、酸およびアルカリに対する抵抗力)
− シリコン処理技術との互換性
− 磁気電子回路でのその広い適応性を供給するための、フェルミ・エネルギーのところでの(60%を超える、好適には、70%を超える、特に好適には、90%を超える)高いスピン分極
本発明の化合物は、2つまたはそれ以上の化学元素から生成することができる。その場合、関連する化学元素のタイプおよび量は、合成化合物が、その格子定数が、10%以下、好適には、5%以下、特に好適には、2%以下だけ異なるように、立方体の結晶に結晶するように選択される。第一の近似に対して、その立方形の対称性は、関連する原子の原子半径の比率により決まる((1976年)、ベルリンおよびニューヨークのWalter de Gruyter Verlag発行の、R.C.Evansの、「Einführung in die Kristallchemie」の276ページ参照)。理想的には、関連する化学元素および化学量論は、結果として得られる化合物がホイスラー相に属するように選択される。選択された化学元素は、フェルミ・エネルギーの近くで、すなわち、±0.5電子ボルト、好適には、±0.2電子ボルト、特に好適には、±0.1電子ボルト以内の近傍で、電子的不安定性(鞍点、スピン密度波)を示さなければならない。そうでない場合には、化合物は、その理論的に計算した電子構造により、電子または正孔で有利にドーピングしなければならない。選択した化学元素の組合わせは、6.95±0.5、好適には、6.95±0.2、特に好適には、6.95±0.1、より好適には、6.95±0.02の価電子濃度を有する化合物を生じるように選択しなければならない。もう1つの価電子濃度は、式単位の原子当り5.5±0.5、好適には、5.5±0.2、特に好適には、5.5±0.1、より好適には、5.5±0.02、および7.13±0.5、好適には、7.13±0.2、特に好適には、7.13±0.1、より好適には、7.13±0.02の価電子である。結果として得られる化合物が、局所的磁気モーメントおよび室温を超えるキュリー温度を持っていれば有利である。これらの合成化合物から、そのフェルミ・エネルギーのところでだけ、1つのスピンの向きに対して状態濃度を持つこれらの化合物である半金属強磁性体である化合物が選択される。
例に基づいて、以下に本発明をさらに詳細に説明する。
<例>
関連する化合物をその化学量論により関連する化学元素から合成した。測定した量を圧力によりペレットに形成し、アーク溶接機により不活性ガスの雰囲気内で約30秒間溶融した。サンプルを均質化するために、このプロセスを数回反復することが好ましい。結果として得られる重量の損失は、通常、5%未満であった。短時間高温でサンプルを焼き戻すと有利であることが分かっている。5日間、真空中で800℃で焼き戻した石英アンプル(quartz ampoule)のサンプルの効果は低減していた。しかし、その結晶性構造のそのX線回折パターンは変化していなかった。外部磁界の存在する状態で、また外部磁界が存在しない状態で、電気抵抗を測定してその磁気抵抗特性を調査した。サンプルの電気抵抗のこれらの測定は、4点法により、オックスフォード・インストルメンツ社のヘリウム低温槽内で行い、300K〜4Kの温度範囲をカバーした。磁界0と磁界8Tに対してR(T)曲線を記録した。−8Tから+8Tの範囲の磁界を掛けて、選択した温度において、その電気抵抗のB磁界依存性を測定した。乳鉢により溶融した球状サンプルをすりつぶし、その電気抵抗の行動を調査する前に、5メートルトンの力を加えて、厚さ約1mm、直径8mmのペレット内に圧入した。
例1:CoCr0.6Fe0.4Al
全重量2グラムのこの化合物を、その化学量論比により、関連化学元素、(Karlsruhe所在のAlfa Metal社の99.8%純度のコバルト、同じくKarlsruhe所在のAlfa Metal社の99.8%純度のクロム、Karlsruhe所在のChempur社の99.99%純度のアルミニウム、およびKarlsruhe所在のAlfa Metal社の99.9%純度の鉄)から合成した。計量した量からペレットを作り、65Aの電流および20Vの電圧で、アーク溶接機により700ミリバールのアルゴン雰囲気内で約30秒間溶融した。サンプルを均質化するために、このプロセスを3回反復して行った。関連重量損失は2%未満であった。製品の純度を、シーメンス社のD5000X線粉末回折計により、Cu−Kα照射によりチェックした。CoCr0.6Fe0.4Al相(a=0.5724nmで、CoCrAl構造と立方対称性を有するホイスラー相)は不純物を含んでいなかった。図1は、0Tに対するそのR(T)曲線を示す。外部磁界が存在しない場合のその電気抵抗対温度グラフは、300Kで広い局所的な最大値を示した。温度が低下すると、その電気抵抗は温度が約150Kになるまで減少し、次に、温度がさらに下がると増大した。これは能動的動作である。
8Tの外部磁界を掛けると、すべての温度でその抵抗は低下し、150Kで急激な遷移を抑制、これにより局所的な最小値が小さくなり、より高い温度の方にシフトした(図1参照)。4Kでのその磁気抵抗の磁界依存性を測定したところ、2Tの磁束密度のところで約10%の負の磁気抵抗が見られ、この負の抵抗は温度の上昇とともに増大し、200Kのところで12%になり、300Kのところで約20%になった(図2参照)。−0.1Tから+0.1Tの範囲で測定を行ったところ、この化合物は、異常に高い磁界感度を示した。0.1Tおよび0.03Tの磁束密度それぞれに対して、20%および10%を超える効果の飽和が見られた。
例2:CoCr0.6Fe0.4Al+10%のモル分率のAl
例1と同じ方法で化合物CoCr0.6Fe0.4Alを作成した。結果として得られた製品を乳鉢で細かく粉砕し、15%のモル分率で、Chempur社の99.9%純度のAlと混合し均質にした。次に、この混合物に圧力を加えてペレットにした。
図3は、295KでのこのサンプルのR(B)測定結果を示す。295Kでその磁気抵抗の磁界依存性を観察したところ、0.1Tでのその飽和磁化の約700%の負の磁気抵抗が見られた。−0.1Tから+0.1Tの範囲内で測定を行ったところ、この化合物は異常に高い磁界感度を示した。0.05Tの磁束密度のところで40%を超える効果の飽和が測定された。
磁界が存在しない場合、および8Tの外部磁界が存在する場合に入手したCoFe0.4Cr0.6Alの抵抗測定(R(B)測定)の結果のグラフ。 −8Tから+8Tの範囲の磁界の存在下での、300Kの温度でのCoFe0.4Cr0.6Alの磁気抵抗測定(MR(B)測定)の結果のグラフ。 −0.1Tから+0.1Tの範囲の磁界の存在下での、295Kの温度でのCoFe0.4Cr0.6Alの抵抗測定(MR(B)測定)の結果のグラフ。

Claims (16)

  1. 面心立方格子型のホイスラー化合物とドーパントとを含む組成を有し、組成式における各化学元素の最後の閉じた不活性ガス殻の外側の軌道内の電子数に各化学元素の組成を乗じた数の合計(価電子濃度)が、前記組成式単位あたり5.5±0.5、6.95±0.5、又は7.13±0.5である化合物。
  2. 前記価電子濃度が6.95±0.5である、請求項1記載の化合物。
  3. フェルミ・エネルギーの近くのバンド構造に鞍点とスピン密度波を有し、該鞍点とスピン密度波とが該フェルミ・エネルギー値±0.5電子ボルトの範囲内に位置する、請求項1または2に記載の化合物。
  4. CMR効果及び/又はGMR効果が、室温(23℃)およびそれより高い温度で発生する、請求項1〜のいずれかに記載の化合物。
  5. 局所的磁気モーメントを有する、請求項1〜のいずれかに記載の化合物。
  6. キュリー温度が室温(23℃)を超える、請求項1〜のいずれかに記載の化合物。
  7. 化学式CoCr0.6Fe0.4Al、CoCr0.2Mn0.8Al、CoCr0.6Fe0.4Ga、CoMn0.8Cr0.2Al、CoMn0.8Cr0.2Ga、CoMnGe0.5Ga0.5、CoMnSi0.5Al0.5、CoMnSn0.5In0.5、CoMn0.5Cr0.5Si、CoMn0.5Fe0.5Al、CoMn0.5Fe0.5Ga、CoMn0.5Fe0.5In、FeCoGe0.5Ga0.5、またはFe2.5Co0.5Gaで表される、請求項1〜のいずれかに記載の化合物。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の化合物の少なくとも1つ、および少なくとも1つの絶縁材料または半導体材料からなる複合材料。
  9. 前記絶縁材料または半導体材料が、前記化合物の量に対して、15%またはそれ以上のモル分率で使用される、請求項に記載の複合材料。
  10. 前記絶縁材料または半導体材料が、酸化物、フッ化物、ポリマーまたはオリゴマーから選択される少なくとも一種である、請求項またはに記載の複合材料。
  11. PMR効果を示し、290Kを超える温度において、0.1T当り10%を超える磁界感度を有する、請求項10のいずれかに記載の複合材料。
  12. PMR効果が、室温(23℃)およびそれ以上の温度で見られる、請求項11に記載の複合材料。
  13. 請求項1〜のいずれかに記載の化合物を、記憶素子上で使用される読出しヘッドを製造するために使用する方法。
  14. 請求項1〜のいずれかに記載の化合物を、磁界センサとして使用する方法。
  15. 請求項1〜のいずれかに記載の化合物を、スピン電子回路で使用する方法。
  16. 請求項1〜のいずれかに記載の化合物を、TMRデバイスを製造するために使用する方法。
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