JP4285345B2 - 連続鋳造方法 - Google Patents

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本発明は、浸漬ノズルを用いた鋼の連続鋳造に関するものである。
スラブの連続鋳造において、スラブ幅が広い場合には、鋳型内の流動を安定させることが難しくなることが知られている。底部側面に設けられた対向する2つの吐出孔をそれぞれ鋳型短辺に向けて開孔した浸漬ノズルを用いる通常のスラブ連続鋳造では、浸漬ノズルからの吐出流は斜め下向きに吐出し、短辺近傍で上昇流と下降流とに分かれ、上昇流はメニスカスを短辺からノズルに向かって流れる短辺反転流を形成し、下降流は短辺に沿って下降しつつ一部は鋳型幅中央から上昇する循環流を形成する。
従来、スラブ連続鋳造の鋳型内流動を安定化する技術として、いくつかの試みが成されている。例えば、浸漬ノズル内溶鋼に旋回を付与し、その遠心力を利用して吐出流ひいては鋳型内流動を安定化する技術がある。
特表平11−815291号公報 特開2002−239690号公報
また、浸漬ノズル内に段差や突起を設けて浸漬ノズル内流動を整流化し、吐出流を安定させようとするものがある。
特許第3207793号明細書
また、鋳型内電磁撹拌および電磁ブレーキと単孔浸漬ノズルとを組み合わせて浸漬ノズルからの吐出流に頼ることなく電磁気力により安定した鋳型内流動を形成しようとする技術も知られている。
特許第3096878号明細書 特許第3096879号明細書
このように、従来のスラブ連続鋳造鋳型内の流動安定化技術は、大きく分けて、浸漬ノズルの改善が主体であるものと、電磁気力の活用が主体で、電磁気力が形成する流動を阻害しないよう、必要に応じて浸漬ノズルを改善するもの、の2つに分けられる。
これらの従来技術のうち、電磁気力を利用するものは大きな投資を必要とし、投資に見合った効果を得ることが難しい。また、従来の浸漬ノズル改善技術は、浸漬ノズル内流動を整流化し吐出流を安定させる効果は認められるものの、前記の短辺反転流を安定して形成するという観点からは、まだ検討が不十分であった。
本発明が解決しようとする問題点は、スラブ幅が広い場合における鋳型内流動の安定化には、電磁気力を利用するものは投資に見合った効果を得ることが難しく、また、浸漬ノズルの改善では、鋳型短辺での反転流の安定形成が不十分であるという点である。
本発明の連続鋳造方法は、
スラブ幅が広い場合にも、鋳型内流動を安定化するには、安定な短辺反転流を形成することが重要であるという発明者の知見に基づき、高価な電磁気力に頼らずとも鋳型内流動を安定化するために、
底部近くの側面または側面から底部に回り込む1対の吐出孔が対向してそれぞれ鋳型短辺に向けて開孔した一本の浸漬ノズルの、前記吐出孔から鋳型短辺へ向かって溶鋼を吐出させるスラブの連続鋳造方法において、
両鋳型短辺から浸漬ノズルへ向かう流れがメニスカスで形成され、
鋳型幅をW、メニスカスから浸漬ノズル吐出孔高さ中央までの浸漬深さをD0、吐出流が鋳型1/4幅において最大流速を示す点のメニスカスからの深さをD1、吐出流が鋳型1/4幅において示す最大流速をVとしたとき、
下記(1)式から(4)式を満たし、かつ、水平面上において前記吐出流が鋳型長辺と成す角θが3〜7°であることを最も主要な特徴としている。
2≦W/D0≦10…(1)
2≦W/D1≦6…(2)
D0<D1 …(3)
0.1≦V/〔(W/2)+2・D1+〔{2(D1−D0)}2+(W/2)20.5
≦0.4…(4)
本発明によれば、鋳型内の短辺反転循環流を安定して形成でき、メニスカスにおける気泡や非金属介在物の浮上が阻害されず、波立ちや渦の発生も軽微に抑えられ、適正な鋳型内流動が得られる。そして、その結果、鋳造速度向上や鋳片品質改善効果が期待できるようになる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を用いて説明する。
発明者は、高価な電磁気力に頼らずとも鋳型内流動を安定化する方法について実験と考察を重ねた結果、
(A)鋳型内流動を安定化するには安定した短辺反転流を形成する必要があること、
(B)短辺反転流とは、図1に示すように、浸漬ノズル1の吐出孔1aから斜め下に向けて吐出し、鋳型短辺2aに沿った下降流を形成する吐出主流3が駆動する循環流であること、
(C)循環流である短辺反転流4は、鋳型長辺2b側から見た形状(鋳型長辺面に平行な断面形状)が円に近いほど安定して形成されること、
(D)循環流である短辺反転流4を安定して形成するには、その循環領域の大きさに見合った適正な吐出主流3の流速が必要であること、
という結論に達した。
そして、発明者は、前記結論を以下のようなパラメータに表した本発明を成立させた。
すなわち、本発明の連続鋳造方法は、
両鋳型短辺から浸漬ノズルへ向かう流れがメニスカスで形成され、
鋳型幅をW、メニスカスから浸漬ノズル吐出孔高さ中央までの浸漬深さをD0、吐出流が鋳型1/4幅において最大流速を示す点のメニスカスからの深さをD1、吐出流が鋳型1/4幅において示す最大流速をVとしたとき、
前記結論の(C)に対応するパラメータである前記(1)式から(3)式と、前記結論の(D)に対応するパラメータである前記(4)式を満たし、かつ、水平面上において前記吐出流が鋳型長辺と成す角θが3〜7°であることを主要な特徴としている。
以下に各パラメータ式が表す意味を説明する。
(1)式は、浸漬ノズルから鋳型短辺までの距離(ノズル径を無視すると概ねW/2)に対し、ノズル吐出孔の浸漬深さを一定の範囲に規定するものである。
この(1)式の値が10を超える場合には、ノズル吐出孔の浸漬深さが浅すぎ、浸漬ノズル近傍において短辺反転循環流が形成される領域の深さが不足するので、浸漬ノズル近傍のメニスカス流速が停滞しがちとなり好ましくない。
逆に、(1)式の値が2を下回るほど深くノズルを浸漬させても短辺反転循環流を安定して形成する効果は小さく、また、無用に浸漬ノズルが長くなって浸漬ノズルのコストが上昇するだけで操業性が悪化し好ましくない。
(2)式は、前記浸漬ノズルから鋳型短辺までの距離に対し、吐出流が鋳型1/4幅において最大流速を示す点のメニスカスからの深さを一定の範囲に規定するもので、本発明の根幹をなすものである。
この(2)式の値が2のとき、鋳型長辺側から見た短辺反転循環流形成領域の形状は正方形に近くなり、その結果、鋳型長辺側から見た短辺反転循環流の形状が円に近付き、鋳型内流動が最も安定する。
なお、このとき、(1)式の値も同じく2であれば、鋳型長辺側から見た短辺反転循環流形成領域の形状は、ノズル径を無視すると正方形となり、その結果、鋳型長辺側から見た短辺反転循環流の形状も最も円に近付くが、前述の通り(1)式の上限値10までの範囲であれば(2)式を満たすことの効果は大きくは損なわれない。
この(2)式の下限値が短辺反転循環流の形成に理想的とされる2であるのは、これよりも吐出流を鋳型深く導くことは不要である上、メニスカスまで上昇する間に短辺反転循環流の温度が低下し、メニスカスの温度が低下するので、潤滑剤であるモールドパウダーの溶融やメニスカスにおける気泡や非金属介在物の浮上分離を阻害するという悪影響が生じるからである。
このようなメニスカス温度低下の弊害を避けるべく、前記(2)式の値は上限値の6まで上昇させても構わない。このとき、鋳型長辺側から見た短辺反転循環流は相当に横長となるが、発明者による実験ではこの上限値を超えない範囲であれば短辺反転循環流の安定性は十分に保たれた。
一方、(2)式の値が6を超えると、鋳型長辺側から見た短辺反転循環流形成領域が横長になり過ぎるので、短辺反転循環流が不安定となり、自励振動したりいくつかの渦流に分かれたりする傾向が顕著となるので、好ましくない。
この(2)式において、短辺反転循環流形成領域の形状を規定するのに、浸漬ノズルの吐出孔から吐出される吐出流の上下方向の角度(いわゆる吐出角度)を用いずに、吐出流が鋳型1/4幅において最大流速を示す点のメニスカスからの深さを用いるのは以下の理由による。
発明者が行った水モデル実験や計算機シミュレーションの結果から明らかとなったのは、吐出流の吐出角度は、鋳型内流動や吐出流が含有する気泡の影響を受けて鋳型1/4幅に到達するまでに大きく変化することがある、ということである。
例えば、浸漬ノズル吐出孔前面における吐出角度が下向き25°であった吐出流が、吐出孔から数十mm離れたところで強い短辺反転流に押し込まれ下向き30°程度の大きな角度に変わったり、浸漬ノズル吐出孔前面における吐出角度が下向き40°であった吐出流が多くの気泡を含んでおり、その気泡浮上の影響を受けて徐々に上向きに角度を変え鋳型1/4幅近傍ではほぼ水平に流れるといった具合である。
このように、吐出孔における吐出角度は、鋳型内でその角度が変化することがあるので、短辺反転循環流形成領域の形状をこの吐出角度で規定するのは不適当で、吐出流が鋳型1/4幅において最大流速を示す点のメニスカスからの深さというパラメータの方が、鋳型内全体の流動を規定するパラメータとして適当だからである。
(3)式は、ノズル吐出孔の浸漬深さを、吐出流が鋳型1/4幅において最大流速を示す点のメニスカスからの深さよりも、小さくするという意であり、言い換えれば、吐出角度を水平よりも下向きに保つことを示している。吐出角度が上向きになると、鋳型短辺近傍において短辺反転循環流が形成される領域の深さが不足するので、安定した短辺反転循環流が形成され難くなり、好ましくないからである。
(4)式は、短辺反転循環流の大きさに対して吐出流が鋳型1/4幅において示す最大流速Vの比率を適正範囲に規定するものである。図2を用いてその意味を説明する。
(4)式中の〔(W/2)+2・D1+〔{2(D1−D0)}2+(W/2)20.5〕は短辺反転循環流の大きさ、すなわち、浸漬ノズルのノズル径を無視したときの短辺反転循環流形成領域の外周長さを代表する指標である。
上記〔(W/2)+2・D1+〔{2(D1−D0)}2+(W/2)20.5〕のうち、W/2は短辺反転循環流形成領域のメニスカスの長さを示し、2・D1は短辺反転循環流形成領域のノズルに沿った下降長さD0と鋳型短辺に沿った上昇長さD2との和を、〔{2(D1−D0)}2+(W/2)20.5〕は、短辺反転循環流形成領域のうち吐出流5が鋳型短辺に到るまでの斜めの経路の長さを示す。
これらの総和を、短辺反転循環流形成領域の外周長さを代表する指標として、この外周長さに対し、吐出流5が鋳型1/4幅において示す最大流速Vの比率を0.1〜0.4の範囲内に定めたものが前記(4)式である。
この(4)式の値が0.1未満であると、短辺反転循環流の大きさに対して駆動力である吐出流速が小さすぎるので、安定した流動が形成されない。一方、前記(4)式の値が0.4を超えるほど過大であると、短辺反転循環流の大きさに対して駆動力である吐出流速が大きすぎるので、メニスカス6に波立ちや渦が発生しやすく、潤滑剤であるモールドパウダーの巻き込みによる品質欠陥が発生しやすくなる。
このように、前記の(1)式から(4)式を満たすことにより、安定した短辺反転循環流が形成されるのである
なお、上記パラメータの値を確定するのに実際の鋳型内流動を直接計測することは難しいが、Ar等不活性ガスが浸漬ノズル内溶鋼中に吹き込まれていない場合の鋳型内流動は、フルスケール水モデル実験によって十分な精度でシミュレートすることができる。
Ar等不活性ガスが吹き込まれている場合は、その浮力の影響を加味した計算機シミュレーションによって鋳型内流動を再現するか、あるいは、計算機シミュレーションによってAr等不活性ガスの浮力の影響を求めてフルスケール水モデル実験結果を補正することによって、本発明の請求項を形成するパラメータを求めることができる。
また、溶鋼に電磁気力が作用する場合には、電磁気力が作用した後の鋳型内流動を計算機シミュレーションによって再現し、本発明の請求項を形成するパラメータを求めることができる。
発明は、前記の(1)式から(4)式を満たすことに加えて、図3に示すように、水平面上において吐出流5が鋳型長辺2bと成す平均角度θが3〜7°となるように、通常鋳型短辺2aに正対している吐出孔1aをどちらかの鋳型長辺方向に振って設置するのである。
このように、吐出孔を鋳型長辺方向に振ることによって鋳型内流動がさらに安定化するのである。それは以下のメカニズムによる。吐出孔を鋳型長辺方向に振ることによって吐出流の一部は鋳型長辺の凝固シェルと干渉して減衰する。その減衰作用は流速の約2乗に比例するゲインの高いもので、流速が過大となった場合にそれを減衰し流動を安定化する効果が高い。
したがって、鋳型内流動はさらに安定化するのである。本発明において、水平面上において吐出流が鋳型長辺と成す角を3〜7°に規定するのは、この角度が3°未満ではその効果が不明確であり、7°を超えると、吐出流が凝固シェルを溶解し鋳型内凝固を不均一にする悪影響が顕著となるからである。
吐出流が鋳型長辺と成す角θは、吐出孔側壁が互いに平行な吐出孔の場合には、吐出孔側壁が鋳型長辺と成す角とほとんど一致するが、複雑な吐出孔形状の場合は、吐出孔側壁が鋳型長辺と成す角と一致しないので、フルスケールの水モデル実験や計算機シミュレーションによって吐出流振れ角の平均値を求めると良い。
なお、鋳型内電磁撹拌と底部に下向きの吐出孔を有する浸漬ノズルを組み合わせる場合には、電磁撹拌によって形成される水平面内の回転流が鋳型内流動の主体となり短辺反転循環流の形成は重要ではなくなるので、本発明の重要性は縮減される。
一方で、鋳型内に静磁場を印加し浸漬ノズルからの吐出流を主体とする鋳型内溶鋼流に制動をかける場合には、制動の対象となる鋳型内流動すなわち短辺反転循環流が安定して形成されるという基盤があって初めて、制動した後の鋳型内流動を安定化することができるのであるから、本発明の重要性は損なわれるものではない。
このように、電磁気力を用いて鋳型内流動を制御しようとする場合、本発明の重要性は、吐出流が形成する短辺反転循環流とは異なる流れを主なものとして形成する場合には縮減されるが、吐出流が形成する短辺反転循環流あるいは吐出流そのものを制動して制御しようとする場合には損なわれるものではない。
以下、本発明の効果を確認するために行った実験例について説明する。
下記表1に示すA〜Dは比較例、E,Fは本発明の実施例、下記表2に示すG〜Kは比較例である。
これらはいずれも、一本の浸漬ノズルを用い、浸漬ノズル底部近くの側面または側面から底部に回り込む1対(2つ)の吐出孔を有する、通常のスラブ連続鋳造における例である。
Figure 0004285345
Figure 0004285345
らDは、いずれも前記の(1)式から(4)式のみを満たす比較例である。これらはいずれもメニスカスの鋳型1/4幅において鋳型短辺から浸漬ノズルに向かう流動を形成し、前記の(1)式から(4)式を満たす結果、鋳型内流動安定度が「良」と良好であった。
およびFは、本発明を満たす実施例である。これらはいずれもメニスカスの鋳型1/4幅において鋳型短辺から浸漬ノズルに向かう流動を形成し、前記の(1)式から(4)式を満たす上、互いに平行な吐出孔側壁を鋳型長辺に対しそれぞれ5°および3°振ったので、吐出流速の変動が効果的に抑制され、良好な鋳型内流動安定度を得た。
中でも実施例Fは、これら請求項を満たす上、鋳型幅が比較的狭いので鋳型内流動の変動が生じにくく、さらに前記の(2)式の値が理想値の2に近いので特に安定した鋳型内流動が得られ、鋳型内流動安定度「優」という最も優れた評価を得た。
一方、比較例G〜比較例Kは、水平面上において前記の吐出孔から鋳型短辺へ向かって吐出される吐出流が鋳型長辺と成す角θが3〜7°を外れるのに加え、以下の点が本発明の範囲を外れている。すなわち、比較例Gは、前記の(2)式の値が発明の範囲を外れ、短辺反転循環流形成領域が横長になりすぎたので、安定した短辺反転流が形成されなかった例である。比較例Gでは鋳型幅が1800mmと比較的広いこともあって、鋳型内流動が不安定となり、鋳型内流動安定度「不可」となった。
また、比較例Hは、前記の(1)式から(3)式を満たすので鋳型内流動は安定していたものの、(4)式の値が発明の範囲を超えて大きいので、メニスカスにおける波立ちや渦の発生が激しくなり、実機鋳造におけるモールドパウダーの巻き込み欠陥が発生しやすくなった例である。
また、比較例Iは、前記の(1)式、(2)式の値がいずれも発明範囲の下限値よりも小さいので、浸漬ノズルが無用に長くなって操業性が悪化するとともに、メニスカス温度が低下して気泡や非金属介在物の浮上性が損なわれる条件に陥った例である。
また、比較例Jは、前記の(3)式が発明の範囲を満たさず、メニスカスにおいて浸漬ノズルから両鋳型短辺への逆向きの流れが形成された例である。この流動パターンは、短辺反転循環流を形成する本発明の流動パターンのように吐出流と反転流との干渉が無いので、メニスカス流速は非常に安定するが、(3)式を満たしていないことからもわかるように、吐出孔から斜め上向きに吐出流が沸き上がるので、メニスカスの波立ちが非常に激しく、実鋳造には適さない。
また、比較例Kは、前記の(1)式から(3)式を満たすものの、(4)式の値が発明範囲の下限値よりも小さいので、短辺反転循環流を形成する駆動力が不足し、鋳型内流動が不安定となった例である。
なお、表1および表2における、鋳型内流動安定度とは、フルスケール水モデル実験において、鋳型内1/2厚、1/4幅、メニスカス下50mmにおける鋳型幅方向の流速を鋳型幅方向左右2ヶ所で各15分間測定し、その変動の標準偏差をその平均値で除した値をレベル分けして評価したものである。
前記測定においては、プロペラ式流速計を用い、0.5秒ピッチで測定したデータを2.5秒毎に平均した値を最小単位として標準偏差の算出に用いた。0.5秒ピッチで測定した瞬時値データをそのまま用いないのは、瞬時値は微小な渦の影響で大きく変動することがあるためである。
表1および表2における鋳型内流動安定度が「優」とは前記標準偏差/平均値の値が0.6未満であることを、「良」とは同値が0.6以上、0.7未満であることを、「可」とは同値が0.7以上、0.8未満であることを、「不可」とは同値が0.9以上であることをいう。
発明者の経験上、鋳型内流動安定度が優もしくは良であれば、その浸漬ノズルを実機適用した場合の鋳型内流動は安定しており、湯面の波立ちやレベル変動が小さく、鋳片の表面品質も良好となる。一方、鋳型内流動変動が可もしくは不可の場合には、実機においても鋳型内流動が不安定となりやすく、鋳型内湯面の波立ちやレベル変動が大きくなり鋳片表面品質が悪化する傾向がある。
なお、本発明は上記した実施例に限らないことは勿論であり、本発明の範囲を満たすものであれば、良好な効果を有することを発明者は同様の実験により確認している。
以上の本発明は、底部近くの側面または側面から底部に回り込む1対の吐出孔を有する浸漬ノズルを使用する連続鋳造であれば、湾曲型、垂直型など、どのような方式の連続鋳造であっても適用できる。
吐出主流が駆動する循環流である短辺反転流を説明する図で、(a)は縦断面方向から見た図、(b)は平面方向から見た図である。 短辺反転循環流の大きさに対して吐出流が鋳型1/4幅において示す最大流速比率の適正範囲を説明する縦断面方向から見た図である。 水平面上において吐出流が鋳型長辺と成す平均角度θを説明する平面方向から見た図である。
符号の説明
1 浸漬ノズル
1a 吐出孔
2a 鋳型短辺
5 吐出流
6 メニスカス

Claims (1)

  1. 底部近くの側面または側面から底部に回り込む1対の吐出孔が対向してそれぞれ鋳型短辺に向けて開孔した一本の浸漬ノズルの、前記吐出孔から鋳型短辺へ向かって溶鋼を吐出させるスラブの連続鋳造方法において、
    両鋳型短辺から浸漬ノズルへ向かう流れがメニスカスで形成され、
    鋳型幅をW、メニスカスから浸漬ノズル吐出孔高さ中央までの浸漬深さをD0、吐出流が鋳型1/4幅において最大流速を示す点のメニスカスからの深さをD1、吐出流が鋳型1/4幅において示す最大流速をVとしたとき、
    下記(1)式から(4)式を満たし、かつ、水平面上において前記吐出流が鋳型長辺と成す角θが3〜7°であることを特徴とする連続鋳造方法。
    2≦W/D0≦10…(1)
    2≦W/D1≦6…(2)
    D0<D1 …(3)
    0.1≦V/〔(W/2)+2・D1+〔{2(D1−D0)}2+(W/2)20.5
    ≦0.4…(4)
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