JP4285284B2 - 潜堤 - Google Patents

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Description

本発明は、浅場造成や護岸工事等において水底に構築される潜堤に関する。
浅場造成や護岸工事等では、造成資材(例えば、水底に敷設した砂)の流出防止、ケーソン用のマウンドの設置など様々な目的で水底に潜堤が構築される。一般に、このような潜堤は1個200kg程度の天然砕石をマウンド状に積み上げて構築される場合が多く、また、潜堤マウンド内部に人頭大程度の大きさの石を所謂あんこ材として用いる場合もある。また、近年では、良質で大きな天然石の入手が困難になりつつあることから、人頭大程度の大きさの天然石を蛇篭に入れて潜堤を構築することもある。
港湾や河口などの沿岸水域の水底では、有機性浮泥の堆積によって水底がヘドロ化するという問題があり、当然、水底に潜堤を設置した場合にはその潜堤上部にもヘドロが堆積し、底質・水質環境の悪化の一因となる。
このような問題に対して、潜堤以外の水底については覆砂などの方法が有効であるが、潜堤は大きな石を積み上げた構築物であるため、そのような方法を採ることはできない。したがって、潜堤上に堆積するヘドロの問題を解決する有効な方法はないのが実情である。
従来、路盤材等の土木用資材として粒径が20〜50mm程度の塊状の製鋼スラグが製造されており、特許文献1には、このような塊状の製鋼スラグを用いて潜堤を構築することが示されている。製鋼スラグは、鉄鋼製造プロセスで生成する各種スラグのなかでも、特に高い底質・水質浄化作用を有することが知られている。すなわち、製鋼スラグは、(1)スラグに含まれるCaOによって水中の燐が吸着・固定され、水の富栄養化が抑制される、(2)同じくCaOが水中に溶出することによって水中のpHが高められ、硫化水素を発生させる硫酸還元菌の活動が抑制される、(3)スラグに含まれるCaO、Feによって水中の硫化水素が固定される、などの作用が高度に得られる特徴がある。このような製鋼スラグの特性を利用して、例えば、特許文献2には製鋼スラグを水質・底質浄化材として用いる技術が示されている。
特開2002−238401号公報 特開平3−4988号公報
上記特許文献2に示される製鋼スラグの高い水質浄化作用からして、製鋼スラグをヘドロが堆積する水底に設置すれば、スラグ粒子間の間隙は硫化水素や栄養塩が少なく溶存酸素が多い環境になり、有機性浮泥を分解・捕食する生物の生存に好適な環境が形成されるものと考えられる。したがって、本発明者らの推定によれば、特許文献1に示すような塊状の製鋼スラグによる潜堤を構築することにより、製鋼スラグ自体による高い水質浄化作用に加えて、潜堤内部(スラグ間隙)に多様な生物の生存に好適な環境が形成され、それらの生物相による有機物の分解・捕食、窒素や燐の固定、酸素の供給等を通じて有機性浮泥の分解作用や水質浄化作用が得られ、その結果として、潜堤上でのヘドロの堆積も抑制できるものと考えられた。
しかしながら、本発明者らが行った実験の結果、意外にも、従来製造されている粒径20〜50mm程度の塊状スラグで構築された潜堤では、製鋼スラグ自体による上述のような水質浄化作用が十分に得られず、また、潜堤内部での生物相の形成やこれに伴うヘドロの堆積抑制効果も殆ど得られないことが判った。すなわち、この潜堤では、従来の天然石による潜堤と同じく、比較的短期間のうちに潜堤全体がヘドロに覆われてしまう結果となり、スラグ間隙内での生物相の形成も殆ど見られなかった。
また、粒径20〜50mm程度の塊状スラグで構築された潜堤は、潮流、波浪、消波ブロック等のような構造物の載加といった外的作用によって、スラグの流出や潜堤の崩壊等の問題が発生しやすく、また、それら外的作用が加わらない場合でも、塊状スラグに着生する海藻類の浮力によって、スラグが浮遊流出してしまうという問題があることが判明した。
したがって本発明の目的は、製鋼スラグ自体が有する水質浄化作用が有効に発揮されるとともに、内部に多様な生物の生存に好適な環境が形成され、それら生物の定着・活動を通じてさらなる水質浄化作用とヘドロの堆積抑制効果が得られ、しかも波浪等の外的作用や着生海藻類の浮力等によるスラグの流失が防止され、長期間にわたって安定した構造を維持することができる潜堤を提供することにある。
本発明者らは、上述した従来の塊状スラグを用いた潜堤において所望の作用効果が得られなかった原因とその解決手段について検討を行い、その結果、以下のような知見を得た。
(a) 従来製造されている粒径20〜50mm程度の塊状スラグで構築された潜堤はスラグ間隙(スラグ塊間の間隙)が小さいため、沈降してきた有機性浮泥がスラグ間隙に入ってスラグ表面に付着してしまうと、水流(潮流、波浪による水流)等によって再度流されることは少ない。このため、スラグ間隙内で一旦スラグ表面に付着した有機性浮泥はスラグ表面に留まり、その上にさらに新たな有機性浮泥が堆積することになる。このようにスラグ間隙内に堆積した有機性浮泥は、スラグとの間でポゾラン反応を起こすことによってさらに強固にスラグに付着し、流動性が極めて小さくなる。この結果、スラグ間隙内に堆積した有機性浮泥は、潮流や波浪などによって洗い流されることなく間隙内に留まるため、スラグ間隙内は生物の住めない環境となりやすい。このような現象は、特に製鋼スラグのように反応性の強いスラグでは顕著であり、さらに粒径が比較的小さいスラグでは、潮流や背面土圧といった外力により、潜堤を構成するスラグが締め固まってスラグ間隙がより小さくなることもある。以上のような理由により、従来の塊状スラグで構築された潜堤は、短期間のうちに潜堤全体がヘドロで覆われてしまい、このため製鋼スラグ本来の水質浄化作用が十分に発揮されず、また、スラグ間隙中にも生物の生存に好ましい環境が形成されないため、生物相も定着しない。
(b) これに対して、粒径20〜50mmよりも相当程度大きいスラグ塊を主体とした所定の粒度構成を有する製鋼スラグを用いて潜堤を構築した場合には、スラグ間隙内での有機性浮泥の固着・堆積が抑えられるため、製鋼スラグ本来の水質浄化作用が有効に発揮されるとともに、内部(スラグ間隙)に多様な生物の生存に好適な環境が形成され、それら生物の定着・活動を通じてさらなる水質浄化作用とヘドロの堆積抑制効果が得られる。すなわち、このような潜堤では大塊のスラグによって大きなスラグ間隙が形成され、かつ潮流や背面土圧などの外力を受けても十分なスラグ間隙が確保される。このため、沈降してきた有機性浮泥がスラグ間隙中に入り込んでも、水流(潮流、波浪による水流)等の作用によって洗い流され、スラグ間隙内に堆積する量は従来の塊状スラグによる潜堤に較べてかなり少なくなり、潜堤が短期間のうちにヘドロで覆われることがない。このため潜堤内部で製鋼スラグ本来の水質浄化作用が有効に発揮されるとともに、スラグ間隙が生物の生存に好適な硫化水素が少なく溶存酸素が多い環境となるため、多様な生物相(好気性微生物、ベントス、小魚類・甲殻類、藻類など)が定着し、製鋼スラグ自体の水質浄化作用に加えて、これらの生物相による有機物の分解・捕食、窒素や燐の固定、生物による酸素の供給等によって有機性浮泥の分解作用や水質浄化作用が得られ、その結果として、潜堤上でのヘドロの堆積も抑制される。但し、過剰に大きいスラグ塊を主体とした製鋼スラグで潜堤を構築した場合には、こんどはスラグ塊そのものの上面に有機性浮泥が堆積してヘドロ層が形成されてしまうため、使用する製鋼スラグには最適な粒度条件がある。
(c) また、上記のような所定の粒度構成を有する製鋼スラグにより構築された潜堤は、粒径20〜50mm程度の塊状スラグを用いた潜堤に比べて、波浪等の外的作用や着生した海藻類による浮力等に対する構築資材(スラグ塊)の安定性が格段に向上し、このためそれらの作用によるスラグの流失や潜堤の崩壊が適切に防止され、長期間にわたって安定した構造を維持することができる。
本発明は、以上のような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下のとおりである。
[1] 水底に、粒径100mm以上のスラグ塊の割合が60質量%以上、粒径30〜300mmのスラグ塊の割合が95質量%以上である製鋼スラグを積み上げて構築されたことを特徴とする潜堤。
[2] 上記[1]の潜堤において、製鋼スラグを積み上げて構築された潜堤本体を覆う、網の目開きが50〜200mmの流失防止網を備えることを特徴とする潜堤。
[3] 網の目開きが50〜200mmである篭体内に、粒径100mm以上のスラグ塊の割合が60質量%以上、粒径30〜300mmのスラグ塊の割合が95質量%以上である製鋼スラグを充填し、該篭体を水底に複数個並べて又は/及び複数段積み上げて構築されたことを特徴とする潜堤。
[4] 上面が開放し、且つ側面及び底面に水出入り用の開口部が形成されるとともに、該側面及び底面の各面での開口部の合計面積率が20%以上である容器内に、粒径100mm以上のスラグ塊の割合が60質量%以上、粒径30〜300mmのスラグ塊の割合が95質量%以上である製鋼スラグを充填し、該容器を水底に複数個並べて又は/及び複数段積み上げて構築されたことを特徴とする潜堤。
[5]水底に構築された潜堤であって、外側に、下記(a)又は/及び(b)を複数個並べて又は/及び複数段積み上げて構築された潜堤部を有し、その内側に、粒径100mm以上のスラグ塊の割合が60質量%以上、粒径30〜300mmのスラグ塊の割合が95質量%以上である製鋼スラグを積み上げて構築された潜堤部を有することを特徴とする潜堤。
(a)網の目開きが50〜200mmである篭体であって、内部に粒径100mm以上のスラグ塊の割合が60質量%以上、粒径30〜300mmのスラグ塊の割合が95質量%以上である製鋼スラグを充填した篭体
(b)上面が開放し、且つ側面及び底面に水出入り用の開口部が形成されるとともに、該側面及び底面の各面での開口部の合計面積率が20%以上である容器であって、粒径100mm以上のスラグ塊の割合が60質量%以上、粒径30〜300mmのスラグ塊の割合が95質量%以上である製鋼スラグを充填した容器
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの潜堤において、製鋼スラグ中の粒径100mm以上のスラグ塊の割合が80質量%以上であることを特徴とする潜堤。
本発明の潜堤は、大塊スラグを主体とした所定の粒度構成を有する製鋼スラグにより構築されたものであるため、製鋼スラグ本来の水質浄化作用が有効に発揮されるとともに、内部に多様な生物の生存に好適な環境が形成され、それらの生物の定着・活動を通じてさらなる水質浄化作用とヘドロの堆積抑制効果が得られる。また、波浪等の外的作用や着生した海藻類による浮力等に対するスラグ塊の安定性が高く、このためそれらの作用によるスラグの流失や潜堤の崩壊が適切に防止され、長期間にわたって安定した構造を維持することができる。
本発明の潜堤は、水底に、粒径100mm以上のスラグ塊の割合が60質量%以上、好ましくは80質量%以上であって、粒径30〜300mmのスラグ塊の割合が95質量%以上、好ましくは粒径50〜200mmのスラグ塊の割合が95質量%以上の粒度構成を有する製鋼スラグを積み上げて構築されたものである。ここで、本発明が規定する各粒径のスラグ塊は、当該粒径値に相当する目開きの網ふるいを用いてふるい分けした際の“ふるい上”又は“ふるい下”のスラグである。したがって、例えば、粒径100mm以上のスラグ塊とは、目開きが100mmの網ふるいを用いてふるい分けした際の“ふるい上”のスラグ塊のことである。
潜堤に用いる製鋼スラグは、粒径100mm以上のスラグ塊を主体としたものである必要があり、これを下回るような粒径のスラグ塊、特に従来技術のように粒径20〜50mm程度のスラグ塊を主体とする製鋼スラグでは、スラグ塊間の間隙が狭すぎるために、沈降してきた有機性浮泥が一旦スラグ間隙に入り込むと水流等の作用によって洗い流されにくく、しかもスラグとの間でポラゾン反応を起こしてスラグに固着してしまう。このため堆積し続ける有機性浮泥がスラグ間隙を覆ってしまい、潜堤全体が短期間のうちに有機性浮泥によって覆われてしまうことになる。この結果、製鋼スラグ本来の水質浄化作用が十分に発揮されず、また、スラグ間隙中にも生物の生存に好ましい環境が形成されないため、生物相も定着しない。また、製鋼スラグが粒径100mm以上のスラグ塊を含んでいても、その割合が60質量%未満では十分なスラグ間隙が確保されないため、上記と同様の結果となる。
これに対して、粒径100mm以上のスラグ塊を主体とした、すなわち、そのようなスラグ塊を60質量%以上含んだ製鋼スラグを用いた場合には、スラグ塊間に十分な間隔が確保され、かつ潮流や背面土圧などの外力を受けても十分なスラグ間隙が保持される。このため、沈降してきた有機性浮泥がスラグ間隙内に入り込んでも、水流等の作用によって容易に洗い流れ、したがってまた、スラグとの間でポラゾン反応を起こして固着する有機性浮泥も少ない。この結果、スラグ間隙内での有機性浮泥の堆積が少なく、潜堤がすぐにヘドロで覆われることがない。このため潜堤内部で製鋼スラグ本来の水質浄化作用(先に述べた(1)〜(3)による水質浄化作用)が有効に発揮されるとともに、スラグ間隙中が生物の生存に好適な環境となる。これは、潜堤がヘドロで覆われないためにスラグ間隙と潜堤外部との間で水の交換が良くなされることに加え、製鋼スラグの上記(2),(3)の水質浄化作用によって生物に有害な硫化水素の発生防止及び固定化がなされること、溶存酸素と反応する硫化水素が少ないことによりスラグ間隙中の溶存酸素量が十分に確保されること、によってスラグ間隙内が硫化水素が少なく溶存酸素が多い環境となるためである。このためスラグ間隙内には多様な生物相(好気性微生物、ベントス、小魚類・甲殻類、藻類など)が定着し、製鋼スラグ自体の水質浄化作用に加えて、これらの生物相による有機物の分解・捕食、窒素や燐の固定、酸素の供給等によって有機性浮泥の分解作用や水質浄化作用が得られる。そして、このように有機性浮泥の分解作用が効率的に生じる結果、潜堤上でのヘドロの堆積も抑制されることになる。また、以上のような作用効果をより確実に得るには、粒径100mm以上のスラグ塊の割合は80質量%以上であることが好ましい。
また、本発明が規定する粒度構成の製鋼スラグにより構築された潜堤は、波浪や潮流等の外的作用や着生した海藻類による浮力等に対するスラグ塊の安定性が格段に向上し、それらの作用によるスラグ塊の流失や潜堤の崩壊も適切に防止できる。波浪等の外的作用で流出したり、着生した海藻類の浮力によって浮遊流出しやすいのは、特に粒径30mm未満の製鋼スラグである。これに対して粒径30mm以上のスラグ塊は、波浪等の外的作用や海藻類の浮力に対して或る程度の抵抗力を有しており、また、粒径50mm以上のスラグ塊はより大きな抵抗力を有しており、さらに、粒径100mm以上のスラグ塊は特に大きな抵抗力がある。したがって、粒径30mm以上、好ましくは粒径50mm以上が95質量%以上、粒径100mm以上が60質量%以上という粒度構成であれば、流出するスラグの量を構造体(潜堤)として支障のない最小限に止めることができる。
一方、使用するスラグ塊の粒径が過剰に大きくなると、こんどは個々のスラグ塊上に堆積する有機性浮泥が増大し、潜堤外面のスラグ塊表面に実質的なヘドロ層が形成されてしまう恐れがある。特に、潜堤外面のスラグ塊上に厚さ20mm程度を超えるヘドロが堆積してしまうと、そのヘドロ層から上部の海水に硫化水素や栄養塩が溶出する恐れがあり、このためスラグ塊上に堆積するヘドロ層の厚みは20mm以下に抑える必要がある。ヘドロが20mm以上堆積しないスラグ塊の大きさを、実海域に製鋼スラグ塊を設置する実験を行って調査・検討した結果、粒径が300mm以下のスラグ塊であれば、有機性浮泥がスラグ間隙に入り込む割合が高くなり、スラグ塊上には厚さ20mm以上のヘドロ層が出来にくいことが判った。このため使用するスラグ塊は粒径300mm以下のものが好ましく、実際面では粒径300mmを超えるスラグ塊の割合が5質量%未満であれば、スラグ塊上へのヘドロの堆積は殆んど問題とならなくなる。また、スラグ塊の粒径が200mm以下であれば、スラグ塊上に堆積するヘドロ層の厚みは10mm程度以下となり、より望ましい条件となる。
また、潜堤に対して潮流や波浪等の外力が特に大きく作用するような水域では、スラグ塊の流出を防止するため、上述した粒度構成を有する製鋼スラグを積み上げて構築した潜堤本体を、網の目開きが50〜200mmの流失防止網で覆うことが好ましい。
ここで、流失防止網の目開きが200mm超では、本発明で使用するスラグ塊の粒度構成からして、波浪等の外的作用や着生した海藻類の浮力によるスラグ流出の防止効果が十分でなく、一方、目開きが50mm未満では、流失防止網に付着する海藻類、珪藻類、貝類、付着動物等の付着物によって網が目詰まりを起こし、その上にヘドロ層が形成されてしまう。目開きが50mm以上であれば、網に海藻類等の付着物が付着しても、網の開口部(残存目開き量)が十分に確保されるので、その開口部を通じて沈降してきた有機性浮泥がスラグ間隙まで到達することができる。
また、本発明の潜堤は、上述したような粒度構成(粒径100mm以上のスラグ塊の割合が60質量%以上、好ましくは80質量%以上であって、粒径30〜300mmのスラグ塊の割合が95質量%以上)を有する製鋼スラグを、網の目開きが50〜200mmの篭体(例えば、蛇篭など)に充填し、この篭体を水底に複数個並べた又は/及び複数段積み上げて構築してもよい。
製鋼スラグの粒度構成の限定理由及び好ましい条件は先に述べたとおりであり、また、篭体の網の目開きの限定理由は、先に述べた流失防止網の目開きと同様である。
また、本発明の潜堤は、上面が開放し、且つ側面及び底面に水出入り用の開口部が形成された容器に上述したような粒度構成(粒径100mm以上のスラグ塊の割合が60質量%以上、好ましくは80質量%以上であって、粒径30〜300mmのスラグ塊の割合が95質量%以上)を有する製鋼スラグを充填し、この容器を複数個並べ又は/及び複数段積み上げて構築してもよい。製鋼スラグの粒度構成の限定理由及び好ましい条件は先に述べたとおりである。
図1は、潜堤の構成部材となるスラグ塊が充填された容器の一実施形態を示すもので、1は箱形の容器、2はその内部に充填されたスラグ塊、3は容器の側部に形成された開口部であり、容器底部にも同様の開口部(図示せず)が形成してある。容器の材質は任意であるが、剛性やコスト等の面で鋼製容器が特に好ましい。
潜堤は、このようにスラグ塊2が充填された容器1を複数個並べ又は/及び複数段積み上げて構築されるものであり、このようにして構築された潜堤は、波浪や潮流などの外的作用に対して特に安定な構造となる。
容器1の形状は直方形、円筒形など任意であるが、上面が開放し且つ側面及び底面に水出入り用の開口部3を形成したものであることが必要である。単に上面が開放しただけの容器では、内部にスラグ塊を充填しても、容器内外での水の交換が殆どないため、容器内の底面側の水から無酸素化してしまい、そこにヘドロが溜まると製鋼スラグ本来の水質浄化作用が短期間に失われ、これに伴い生物の生存に好適な環境も形成されなくなる。これに対して、容器1の側面及び底面に適当な水出入り用の開口部3を設けることにより、容器内外での水の交換が効果的になされ、このため製鋼スラグ本来の水質浄化作用が得られるとともに、生物の生存に好適な環境も形成される。
また、開口部3を通じた水の交換を適切に生じさせるためには、側面及び底面の各面における開口部の合計面積率が20%以上であることが必要である。各々の面での開口部3の合計面積率が20%未満では、容器内外での水の交換が不十分となる。また、水の交換をより効果的生じさせるには、側面及び底面の各々の面での開口部3の合計面積率が50%以上であることが好ましい。
また、開口部3は大きい方が水の交換には有利であるが、あまり大き過ぎるとスラグの流出を生じるため好ましくない。一方、個々の開口部3の大きさがあまりに小さ過ぎると、付着生物などによって目詰まりを起こすおそれがある。以上の観点から、個々の開口部3の径(但し、開口部の形状が円形以外の場合には、長辺及び短辺若しくは長径及び短径の長さ)は、容器側面では50〜200mm、望ましくは90〜200mm、容器底面では10〜50mm、望ましくは10〜30mm程度とすることが好ましい。
さらに、本発明の潜堤は、図2に示すような、外側に上記篭体又は/及び容器からなる潜堤部4aを有し、その内側に製鋼スラグを積み上げた潜堤部4bを有するような構造としてもよく、このような実施形態の潜堤は、特に製鋼スラグを積み上げた潜堤部4bの崩壊や流出が防止できる利点がある。
上記潜堤部4aは、網の目開きが50〜200mmの篭体(例えば、蛇篭など)に上述したような粒度構成(粒径100mm以上のスラグ塊の割合が60質量%以上、好ましくは80質量%以上であって、粒径30〜300mmのスラグ塊の割合が95質量%以上)を有する製鋼スラグを充填したもの、若しくは上面が開放し、且つ側面及び底面に水出入り用の開口部が形成された容器に上述したような粒度構成(粒径100mm以上のスラグ塊の割合が60質量%以上、好ましくは80質量%以上であって、粒径30〜300mmのスラグ塊の割合が95質量%以上)を有する製鋼スラグを充填したもの、又はこれら篭体と容器の両方を、複数個並べ又は/及び複数段積み上げることにより構成される。そして、その内側に、上述したような粒度構成(粒径100mm以上のスラグ塊の割合が60質量%以上、好ましくは80質量%以上であって、粒径30〜300mmのスラグ塊の割合が95質量%以上)を有する製鋼スラグを積み上げ、潜堤部4bを構成する。
潜堤部4aを構成する篭体、容器やその内部に充填される製鋼スラグの条件、潜堤部4bを構成する製鋼スラグの条件は先に述べたとおりである。
図2の実施形態では、製鋼スラグを充填し、複数段積み上げた容器1を矩形状に並べて潜堤部4aを構成し、その内側に製鋼スラグを積み上げて潜堤部4bを構成している。潜堤部4aは、容器1の代わりに先に述べた篭体で構成してもよいし、容器と篭体の両方で構成してもよい。また潜堤部4aは潜堤部4bの外周全体を囲むものであってもよいし、部分的に囲むものであってもよい。
潜堤に使用する製鋼スラグとしては、溶銑予備処理スラグ(脱燐スラグ、脱硫スラグ、脱珪スラグ等)、転炉スラグ(脱炭スラグ)、鋳造スラグ、電気炉スラグ等の1種以上を用いることができるが、これらのスラグ中でも特に転炉スラグ(脱炭スラグ)、脱燐スラグが好適である。
製鋼スラグは、溶融したスラグを急冷して固化させ、これを機械的に破砕して得られるものであるが、凝固時の内部歪みが大きいために破砕時にいびつに割れる性質があり、このためゴツゴツした不定形の形状を有している。このため同じ粒径の自然石に比べて積み上げた際の内部摩擦角が大きく、側方からの外力(例えば、波浪や潮流による外力)に対して安定な潜堤を構築することができる利点がある。また特に、本発明が用いる大塊スラグは破砕処理を繰り返さないため、スラグ形状が角の多いいびつな形状となり、潜堤内でのスラグ間隙が大きくなるという利点がある。
所定の粒度構成を有する製鋼スラグは、溶融スラグを冷却固化後、重機やクラッシングプラント等により適宜な大きさに破砕し、所定のふるい目のふるいを用いて整粒することにより得ることができるが、本発明では、従来製造されているよりも粒径の大きい製鋼スラグ塊とする必要がある。従来、製鋼スラグの冷却固化を行う場合には、固化後の破砕工程を簡略にするため、製鋼スラグをできる限り薄く固化させて、これを破砕しているが、本発明に使用する製鋼スラグの場合には、300mm以上の厚みで製鋼スラグを冷却固化することが望ましい。
なお、製鋼スラグとしては、水和処理、炭酸化処理、エージング処理、水和硬化、炭酸化硬化などを経たものを用いてもよい。
本発明の潜堤は、浅場造成をはじめとする種々の目的で構築される潜堤に適用できる。例えば、浅場を造成する際には、浅場を造成すべき水域を囲むようにして潜堤を構築する。また、その他にも、離岸堤用の潜堤、垂直護岸の前面に構築される潜堤、ケーソンのマウンド用潜堤、内湾の水質浄化用潜堤などの各種潜堤に適用することができる。
本発明の潜堤の寸法や規模は、潜堤を設置する目的等に応じて異なるが、構築物としての安定性、台風などの際の波浪に対する安定性などの面で、例えば、堤体高を3m〜5m程度とする場合に、堤体底端幅を10m〜20m、堤体天端幅を3m〜5m程度とすることが好ましい。
本発明の潜堤が構築される水域は、港湾や内海などの沿岸海域だけでなく、河川、河口、湖沼など任意である。
スラグ塊を水底に積み上げて潜堤を構築するには、例えば、ガット船から構築場所にスラグ塊を投入すればよい。また、スラグ塊を積み上げた潜堤本体に流出防止網を設置する場合には、一般に潜水夫等による水中作業が行われる。また、スラグ塊を充填した篭体や容器を積み上げて潜堤を構築する場合には、それらをクレーン船などを用いて吊り下ろし、水底に設置すればよい。
[実施例1]
表1に示す種々の粒度構成を有する製鋼スラグを積み上げることで、潮流及び波浪の影響が比較的小さくヘドロ堆積負荷の大きい海域の海底に、堤体幅約8m、堤体高さ約2m、堤体長さ約5mの潜堤を構築した。なお、各潜堤は同じ海域に近接して構築した。これら潜堤の構築1年後に、波浪や潮流によるスラグの流出・崩壊状況、着生した海藻類の浮力によるスラグの浮遊流出状況、スラグ間隙の目視認知、スラグ間隙内での生物相の定着状況、潜堤上(スラグ上面)でのヘドロの堆積状況を調査した。その調査結果を表1に併せて示す。
各調査項目は下記の基準で評価を行った。
波浪・潮流によるスラグの流出・崩壊状況は、潜堤全体を観察したときに、潜堤としての形状を留めているかどうかで評価した。比較例1−1〜1−3ではスラグの積山としての痕跡はみられたが、高さが1m以下に崩壊しており、潜堤の幅や長さは明確に確認できなかった。
海藻付着によるスラグの浮遊流出状況は、表面に海藻が付着しているスラグ塊の間にスラグ塊が抜けている箇所があるかどうかで評価した。すなわち、海藻がある程度成長して水の抵抗が大きくなると、小径のスラグ塊では自重よりも大きい水の抵抗を受けて流されてしまうので、部分的に海藻のない箇所が生じる。このため、観察によりそのような箇所の有無を調べ、海藻付着によるスラグの浮遊流出の有無を評価した。比較例1−1〜1−3では海藻が付着しているスラグ塊が疎らに存在しており、海藻の生長ととともにスラグ塊が浮遊流出したものと考えられた。
スラグ間隙の目視認知は、潜堤の外観を観察したときにスラグ塊どうしの間隙にヘドロが詰まって間隙として認知できるかどうかで評価し、認知できる場合を“○”、認知できない場合を“×”とした。
スラグ間隙内の生物量は、潜堤の上面中央部に1m四方の範囲を定め、この範囲に生息するゴカイ、小型えび等の付着性生物の個体数を計測した。この範囲内で個体数が10匹以下の場合を“少”、50匹以上の場合を“多”、その中間の個体数の場合を“中”とした。
潜堤上面のヘドロ層厚は、潜堤上面の幅方向、長さ方向でそれぞれ4m間隔の格子点を測定点として定め、それぞれの測定点でヘドロ厚みを測定して平均値を求めた。比較例1−1〜1−3の場合は潜堤の形状がはっきりしないため、当初潜堤を構築した範囲で同様に測定した。比較例1−4ではスラグ塊の大きさが過剰であるため、個々のスラグ上面に堆積するヘドロの厚みが厚くなり、20mmを超えていた。
Figure 0004285284
[実施例2]
粒径30mm以上の割合が98質量%、同50mm以上の割合が95質量%、同100mm以上の割合が60質量%、同200mm以上の割合が1質量%、同300mm以上の割合が0質量%である製鋼スラグを積み上げることで、内湾の潮流及び波浪が激しい海域の海底に、堤体幅約8m、堤体高さ約3m、堤体長さ約27mの潜堤本体を構築した。この潜堤本体の長さ方向を3mずつ区切り、各区画の潜堤本体部分を表2に示す目開きの金属製流出防止網で覆った。この潜堤の構築1年後に、潜堤の崩壊状況、波浪や潮流によるスラグの流出状況、着生した海藻類の浮力によるスラグの浮遊流出状況、スラグ間隙の目視認知、生物が付着した網の残存目開き量(開口部の大きさ)、スラグ間隙内での生物相の定着状況を調査した。その調査結果を表2に併せて示す。
調査項目のうち崩壊の項目は、網からこぼれ出たスラグ塊があるかどうかを目視で観察して評価した。
網の残存目開き(開口径)は、各網の区画内で潜堤上面の幅方向でそれぞれ5m間隔の2点を測定点として定め、それぞれの測定点での網開口部分(残存目開き)の長辺と短辺の長さの平均値を求め、それを2点の測定点で平均した値を示した。
その他の調査項目については、実施例1と同様の評価を行った。
Figure 0004285284
表2によれば、目開きが20mmの流出防止網を用いた比較例2−1では、網の開口部が確認できない(したがって、スラグ間隙も確認できない)ほど付着生物が着生し、その上にヘドロが堆積していた。また、目開きが40mmの流出防止網を用いた比較例2−2では、網の開口部はある程度残存しているものの、スラグ間隙が確認できないほど全体にヘドロが厚く堆積していた。これに対して、目開きが50〜200mmの流出防止網を用いた発明例1〜6では、網の開口部(目開き)が十分に残存し、スラグ間隙も十分に確認できた。しかし、目開きが250mmの流出防止網を用いた比較例2−3ではスラグ塊の流出がみられ、スラグ塊が網の外に多量に流出している部分もあった。
[実施例3]
粒径30mm以上の割合が98質量%、同50mm以上の割合が97質量%、同100mm以上の割合が60質量%、同200mm以上の割合が2質量%、同300mm以上の割合が0質量%である製鋼スラグを、表3に示す種々の網の目開きを有する蛇篭に入れ、この蛇篭を積み上げることで、内湾の潮流及び波浪が激しい海域の海底に堤体幅約4m、堤体高さ約1m、堤体長さ約2mの潜堤を構築した。なお、各潜堤は同じ海域に近接して構築した。これら潜堤の構築1年後に、潜堤の崩壊状況、着生した海藻類の浮力によるスラグの浮遊流出状況、スラグ間隙の目視認知、生物が付着した蛇篭の網の残存目開き量(開口部の大きさ)、スラグ間隙内での生物相の定着状況を調査した。その調査結果を表3に併せて示す。
各調査項目については、実施例1及び2と同様の評価を行った。なお、網の残存目開き量の測定は、潜堤上面の幅方向3m間隔の2点を測定点とした。
Figure 0004285284
表3によれば、網の目開きが35mmの蛇篭を用いた比較例3−1では、網の開口部が確認できないほど付着生物が着生し、その上にヘドロが堆積していた。これに対して、網の目開きが50〜200mmの蛇篭を用いた発明例3−1〜3−4では、網の開口部が十分に残存し、スラグ間隙も十分に確認できた。しかし、網の目開きが230mmの蛇篭を用いた比較例3−2ではスラグ塊の流出がみられ、スラグ塊が網の外に多量に流出している部分もあった。
[実施例4]
容器サイズが高さ50cm、幅80cm、長さ90cmであって、側面及び底面に表4に示すような種々の大きさと開口面積率の円形開口部を形成した鋼製容器に、粒径30mm以上の割合が98質量%、同50mm以上の割合が97質量%、同100mm以上の割合が60質量%、同200mm以上の割合が2質量%、同300mm以上の割合が0質量%である製鋼スラグをほぼ満杯に充填した。このスラグ塊を充填した鋼製容器を2段積み(1段目:2個、2段目:1個)することにより、内湾の潮流及び波浪が激しい海域の海底に潜堤を構築した。なお、各潜堤は同じ海域に近接して構築した。これら潜堤の構築1年後に、潜堤の崩壊状況、着生した海藻類の浮力によるスラグの浮遊流出状況、スラグ間隙の目視認知、開口部の目詰まり状況、スラグ間隙内での生物相の定着状況を調査した。その調査結果を表4に併せて示す。
各調査項目については、実施例1及び2と同様の評価を行った。
Figure 0004285284
表4によれば、側面の開口部の合計面積率が20%未満の面がある容器を用いた比較例4−1、4−2では、容器内への海水の流通が悪く、容器内のスラグ間隙に流入したヘドロが堆積して詰まるため、これを起点として容器開口部が完全に詰まっている箇所があった。また、側面の開口部の合計面積率が20%以上である比較例4−3では、開口部が130mmと大きいこともあり、開口部が完全に詰まってしまうような場所はなかったが、底面からの海水の流通が十分でないため、スラグ間隙にヘドロが堆積し、上面からみてもスラグ間隙を確認することが困難であり、また生物量も少なかった。
これに対して、側面及び底面の開口部の合計面積率がそれぞれ20%以上である発明例4−1〜4−5では、容器の側面及び底面からの海水の流通が十分確保されるため、スラグ間隙にヘドロが固着・堆積することがなく、水質改善効果も発揮されてヘドロの分解が進むことで、生物も多く観察された。
なお、開口部の径が250mmと大きい容器を用いた比較例4−4では、スラグが開口部から容器外に多量に流出している部分があった。
本発明の潜堤の構築資材である、スラグ塊が充填された容器を示す説明図 本発明の潜堤の一実施形態を示す説明図
符号の説明
1 容器
2 スラグ塊
3 開口部
4a,4b 潜堤部

Claims (6)

  1. 水底に、粒径100mm以上のスラグ塊の割合が60質量%以上、粒径30〜300mmのスラグ塊の割合が95質量%以上である製鋼スラグを積み上げて構築されたことを特徴とする潜堤。
  2. 製鋼スラグを積み上げて構築された潜堤本体を覆う、網の目開きが50〜200mmの流失防止網を備えることを特徴とする請求項1に記載の潜堤。
  3. 網の目開きが50〜200mmである篭体内に、粒径100mm以上のスラグ塊の割合が60質量%以上、粒径30〜300mmのスラグ塊の割合が95質量%以上である製鋼スラグを充填し、該篭体を水底に複数個並べて又は/及び複数段積み上げて構築されたことを特徴とする潜堤。
  4. 上面が開放し、且つ側面及び底面に水出入り用の開口部が形成されるとともに、該側面及び底面の各面での開口部の合計面積率が20%以上である容器内に、粒径100mm以上のスラグ塊の割合が60質量%以上、粒径30〜300mmのスラグ塊の割合が95質量%以上である製鋼スラグを充填し、該容器を水底に複数個並べて又は/及び複数段積み上げて構築されたことを特徴とする潜堤。
  5. 水底に構築された潜堤であって、外側に、下記(a)又は/及び(b)を複数個並べて又は/及び複数段積み上げて構築された潜堤部を有し、その内側に、粒径100mm以上のスラグ塊の割合が60質量%以上、粒径30〜300mmのスラグ塊の割合が95質量%以上である製鋼スラグを積み上げて構築された潜堤部を有することを特徴とする潜堤。
    (a)網の目開きが50〜200mmである篭体であって、内部に粒径100mm以上のスラグ塊の割合が60質量%以上、粒径30〜300mmのスラグ塊の割合が95質量%以上である製鋼スラグを充填した篭体
    (b)上面が開放し、且つ側面及び底面に水出入り用の開口部が形成されるとともに、該側面及び底面の各面での開口部の合計面積率が20%以上である容器であって、粒径100mm以上のスラグ塊の割合が60質量%以上、粒径30〜300mmのスラグ塊の割合が95質量%以上である製鋼スラグを充填した容器
  6. 製鋼スラグ中の粒径100mm以上のスラグ塊の割合が80質量%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の潜堤。
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