JP4285113B2 - ジメチルエーテル製造用触媒およびそれを用いるジメチルエーテルの製造方法 - Google Patents
ジメチルエーテル製造用触媒およびそれを用いるジメチルエーテルの製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジメチルエーテル製造用触媒およびそれを用いるジメチルエーテルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ジメチルエーテルは、次世代合成クリーン燃料として需要が大いに期待されており、特にディーゼルエンジン用燃料として大量に利用されることが見込まれている。また、ジメチルエーテルは、燃料電池への応用も検討されており、水素へ転換する改質原料としても期待されている。そのため、ジメチルエーテルを効率的に製造する方法が求められ、それに用いる触媒の開発要請がある。
【0003】
ジメチルエーテルの製造方法として、下式(1)
2CH3OH → CH3OCH3 + H2O (1)
に示すように、メタノ−ルをアルミナ触媒存在下、脱水反応させる方法が知られている(特許文献1、特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭59−16845号公報
【特許文献2】
特開2003−73320号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの文献の方法では、十分な反応率が得られず、効率的にジメチルエーテルを製造することが困難であった。
【0006】
本発明者らは、脱水反応に使用するアルミナ触媒について検討した結果、ある種のアルミナを使用することにより、メタノールからジメチルエーテルを効率的に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、メタノールを脱水反応させてジメチルエーテルを製造する方法に用いる触媒であって、主成分がアルミナであり、Na2O含有量が0.05重量%以下であり、かつ細孔を有し、その細孔半径100nm〜100μmの細孔の累積容積が0.05cm3/g以上であることを特徴とするジメチルエーテル製造用触媒を提供するものである。
【0008】
また本発明は、このジメチルエーテル製造用触媒の存在下、メタノールを脱水反応させることを特徴とするジメチルエーテルの製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のジメチルエーテル製造用触媒(以下、省略して「触媒」という。)は、主成分がアルミナであり、通常その含有量は触媒全体を基準として80重量%以上、好ましくは90重量%以上である。このアルミナは、Al2O3・nH2O〔0≦n≦0.5〕で示されるものであればよく、通常、χ、ηのような結晶相をもつ活性アルミナである。触媒としてのアルミナは、χ、η以外の結晶相を含むものであってもよく、χ、η以外の結晶相としてはα、γ、ρなどが挙げられる。触媒は、そのアルミナ含有量が100重量%未満であるとき、例えば、酸化ケイ素(SiO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化銅(CuO)、酸化亜鉛(ZnO)などの無機化合物、特に金属酸化物を含むものであってもよい。
【0010】
この触媒は、Na2O含有量が0.05重量%以下である。触媒のNa2O含有量は低いほど、脱水反応率が高くなるので好ましく、例えば0.01重量%以下であるものが好ましい。この触媒は、ナトリウム以外のアルカリ金属も少ないものであり、通常、K2O含有量0.01重量%以下、Li2O含有量0.01重量%以下である。また、この触媒は、イオウ、塩素、フッ素のような元素も少ないものであり、その含有量はいずれも通常0.5重量%以下である。
【0011】
この触媒は、細孔を有するものであり、その細孔半径100nm〜100μmの細孔の累積容積が0.05cm3/g以上である。細孔半径100nm〜100μmの細孔容積は多いほど、脱水反応率が高くなるので好ましく、例えば0.1cm3/g以上であることが好ましい。また触媒は、細孔半径100nm〜100μmの細孔の累積容積が細孔半径1.8nm〜100μmの細孔の累積容積に対して10%以上、さらには15%以上であり、また40%以下、さらには30%以下であることが好ましい。
【0012】
本発明の触媒は上記の物性をもつものであるが、上記以外の物性としては、例えば、耐圧強度が通常60daN(デカニュートン)/cm2以上、250daN/cm2以下であり、BET比表面積が通常100m2/g以上、400m2/g以下であり、また充填密度が通常0.55g/cm3以上、0.85g/cm3以下である。
【0013】
上で示した主成分がアルミナであり、Na2O含有量が低く、かつ特定の細孔構造をもつ本発明の触媒は、例えば、水酸化アルミニウムを仮焼してアルミナ粉末を得、この粉末を成形し、焼成してアルミナ成形体を得、これを洗浄する方法で製造することができる。
【0014】
ここで使用する水酸化アルミニウムは、平均粒子径が10μm以上、好ましくは20μm以上、また100μm以下、好ましくは80μm以下であり、Na2O含有量が通常0.05重量%以上、1重量%以下のものである。また、水酸化アルミニウムは、通常、主結晶相がギブサイトもしくはバイヤライトのもの、または非晶質のものである。こうした水酸化アルミニウムは、アルミン酸ナトリウム水溶液を加水分解する方法、アルミン酸ナトリウムを硫酸や硫酸アルミニウムのような酸性物質と反応させる方法などで調製することができる。また、市販品を使用することもできる。市販品の例としては、商品名“C−31”(主結晶相:ギブサイト、Na2O含有量:0.18重量%、平均粒子径:40μm、住友化学工業製)、商品名“H−10”(主結晶相:ギブサイト、Na2O含有量:0.18重量%、平均粒子径:55μm、昭和電工製)などが挙げられる。
【0015】
仮焼は、通常600℃以上、800℃以下の温度で行われる。仮焼は、前記温度の熱ガス気流中に水酸化アルミニウムを投入して行う方法、いわゆる瞬間仮焼法で行うことが好ましい。仮焼して得られるアルミナ粉末は、通常、非晶質のもの、または主結晶相がρのものなどである。
【0016】
仮焼して得られるアルミナ粉末を成形するとき、事前にアルミナ粉末に有機物を混合することが好ましい。有機物を混合することによって、得られる触媒の細孔構造を調整することができ、通常、有機物の混合量を増やすと、触媒の細孔容積を増加させることができる。ここで使用する有機物は、後に示す焼成のとき焼失するものであればよく、例えば、ポリアクリル酸塩、ポリアルキレンオキサイド、グラフトデンプン、ポリビニルアルコール、ビニルアセトアミド、ポリアスパラギン酸塩、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のような吸水性樹脂などが挙げられる。市販品の例としては、商品名“KIゲル”(主成分:イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、クラレ製)などが挙げられる。吸水性樹脂は、平均粒子径が通常50μm以上、好ましくは80μm以上、また通常500μm以下、好ましくは200μm以下であり、吸水倍率が重量で、通常100以上、200以下のものである。有機物の混合量は、アルミナ粉末100重量部に対して0.1重量部以上、0.5重量部以下であることが好ましい。混合量がこの範囲であると、細孔半径100nm〜100μmの細孔の累積容積が0.05cm3/g以上である触媒を容易に得ることができる。また仮焼して得られるアルミナ粉末を成形するとき、酸化ケイ素(SiO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化銅(CuO)、酸化亜鉛(ZnO)のようなアルミナ以外の無機化合物を混合してもよい。混合は、例えば、ナウターミキサー、オムニミキサー、コンクリートミキサー、リボンミキサーなどで行うことができる。また混合は、ボールミル、振動ミル、ジェットミル、媒体流動ミルなどで行ってもよく、ボールミル、振動ミル、ジェットミル、媒体流動ミルのような装置を使用すると、アルミナ粉末と有機物またはアルミナ以外の無機化合物とを混合すると同時に、アルミナ粉末、有機物またはアルミナ以外の無機化合物を粉砕することもできる。
【0017】
成形は、通常、転動造粒などで行われる。転動造粒とは、回転運動する容器の中にアルミナ粉末またはアルミナ粉末と任意の有機物もしくはアルミナ以外の無機化合物との混合物を連続的に供給しながら、水などの液体結合剤を噴霧して凝集体を生成させる方法であり、このために用いられる主な造粒機としては、皿型造粒機やドラム型造粒機がある。ここで用いる水には無機化合物の塩を溶解したものを含んでも良い。この造粒では、造粒核を添加して行うことが好ましい。造粒核を添加することにより、得られる成形体の粒子径を均一に揃えることができ、効率良く、所望とする粒子径のものを得ることができる。例えば、平均粒子径1〜5mmの成形体を調製する場合、平均粒子径が0.1mm以上、好ましくは0.5mm以上、また1mm以下、好ましくは0.8mm以下である造粒核を、アルミナ粉末(または有機物もしくはアルミナ以外の無機化合物を添加するときは、アルミナ粉末と有機物とアルミナ以外の無機化合物との混合物)100重量部に対して通常5重量部以上、15重量部以下の割合で添加する。造粒核としては、通常、主結晶相がχ、η、γまたはρである活性アルミナからなるものが使用される。成形温度は、任意に混合される有機物の種類により異なり一義的ではないが、通常10℃以上、70℃以下の範囲である。
【0018】
得られる成形体は、通常、オートクレーブなどを使用し、80℃以上、200℃以下の水蒸気雰囲気に1時間以上保持される。成形体を水蒸気雰囲気中で保持する操作を行うと、得られる触媒の機械的強度が向上する。
【0019】
焼成は、成形体を加熱できる装置で行えばよく、例えば、箱型電気炉、トンネル炉、遠赤外線炉、マイクロ波加熱炉、シャフト炉、反射炉などを使用して行えばよい。焼成温度は、通常300℃以上、好ましくは350℃以上、また1000℃以下、好ましくは800℃以下である。焼成時間は、焼成温度により異なるが、通常1時間以上、10時間以内である。
【0020】
焼成して得られる成形体は、洗浄される。洗浄は、成形体中のナトリウムを除去できる条件で行えばよく、例えば、成形体を酸性水溶液に浸漬する方法などで行えばよい。この方法では、成形体100重量部に対して200重量部以上、さらには500重量部以上の酸性水溶液を使用して洗浄することが好ましく、酸性水溶液として、例えば、塩酸、硝酸、リン酸のような無機酸、酢酸、蓚酸のような有機酸、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウムのような塩の水溶液などを使用することができる。
【0021】
本発明のジメチルエーテルの製造方法は、上の触媒の存在下、メタノールを含む原料の反応により、メタノールを脱水エーテル化させるものである。原料は、メタノールを主反応成分として含むものであればよく、例えば、メタノール単独、メタノールと水蒸気の混合物、メタノールと、エタノール、イソプロピルアルコールのようなメタノール以外のアルコールとの混合物、メタノールと窒素(N2)、アルゴン、ヘリウムのような不活性ガスとの混合物、メタノールとメタノール以外のアルコールと窒素(N2)、アルゴン、ヘリウムのような不活性ガスとの混合物などが挙げられる。メタノールと水蒸気の混合物またはメタノールとメタノール以外のアルコールとの混合物では、これらの混合物中に占めるメタノールの割合は、通常90重量%以上であり、好ましくは95重量%以上である。また、メタノールと上の不活性ガスの混合物またはメタノールとメタノール以外のアルコールと不活性ガスとの混合物では、混合物のうち不活性ガスを除いたものに占めるメタノールの割合は、通常90重量%以上であり、好ましくは95重量%以上である。反応は、気相で行われるので、原料は、通常、気体の状態で供給されるが、液体の状態で貯蔵されたものを、反応前に、熱交換器などを使用して気化させ、これを供給してもよい。
【0022】
メタノールの脱水反応は、通常250℃以上、好ましくは270℃以上であり、また通常450℃以下、好ましくは400℃以下の温度で行われる。反応圧力は、温度により異なるが、通常1×105Pa以上であり、また通常30×105Pa以下、好ましくは20×105Pa以下である。
【0023】
また反応は、通常、多管式反応器のような固定床反応器で行われ、そのときの空間速度は、通常500h-1以上、150000h-1以下である。反応により得られるジメチルエーテルは、そのまま、または必要に応じて蒸留などにより精製されて、使用される。
【0024】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されるものではない。なお、本文中において示した物性値は次の方法により測定した。
【0025】
結晶相:
試料をX線回折装置(商品名“RAD−RB RU-200"、理学電機製)により分析し、得られたX線回折スペクトルのピークデータから結晶相を同定し、そのうち相対ピーク強度の最も高いものを主結晶相とした。
【0026】
Na2O含有量(重量%)、K2O含有量(重量%)、Li2O含有量(重量%):
JIS R9301に従って求めた。
【0027】
イオウ含有量(重量%)、塩素含有量(重量%)、フッ素含有量(重量%):
JIS R9301に従って求めた。
【0028】
細孔容積(cm3/g):
細孔分布測定装置(商品名“オートスキャン33型”、カンタクローム製)を使用して水銀圧入法により試料の細孔分布を測定した。そして、横軸を細孔半径とし、縦軸を細孔半径の大きいものから小さいものへ順次その容積を累積していった累積細孔容積とする累積細孔分布曲線より、細孔半径100nm〜100μmの細孔の累積容積および細孔半径1.8nm〜100μmの細孔の累積容積を求めた。
【0029】
BET比表面積(m2/g):
比表面積測定装置(商品名“Macsorb Model−1201”、マウンテック製)を使用し、窒素吸着法により求めた。
【0030】
耐圧強度(daN/cm2):
試料の直径をマイクロメーターで測定して断面積を算出した後、試験機(商品名“MODEL1307、CPUゲージ 9500シリーズ”、AIKO ENGINEERING製)を使用して、クロスヘッド:5cm/minの条件で、試料が破壊する迄の最大荷重を測定した。最大荷重を断面積で割り算して強度を算出した。合計10ケの試料について同じ操作を行い、それらの強度の平均値を耐圧強度とした。
【0031】
充填密度(g/cm3):
JIS−R9301に従って求めた。
【0032】
実施例1
〔アルミナ粉末の調製〕
平均粒子径40μm、Na2O含有量0.18重量%、主結晶相ギブサイトの水酸化アルミニウム(商品名“C−31”、住友化学工業製)を700℃のガス気流中に投入し瞬間仮焼して、平均粒子径40μm、主結晶相ρのアルミナ粉末を得た。
【0033】
〔成形〕
得られたアルミナ粉末100重量部と吸水性樹脂(商品名“KIゲル−201K”、成分:イソブチレン−無水マレイン酸共重合体変性物の架橋体95重量%、クラレ製)0.3重量部を、ナウターミキサーを使用して1時間混合し、さらに、振動ボールミルを使用して1.5時間混合した。皿の直径が1mであって、17rpmで回転する皿型造粒機を使用し、その原料供給口へ、上で得たアルミナと吸水性樹脂の混合物を供給するとともに、粉体供給装置によりこの混合物100重量部に対して粒子径0.6〜0.8mmの活性アルミナ粉末6重量部を造粒核として供給し、噴霧装置によりアルミナ/吸水性樹脂混合物100重量部に対して水50重量部を噴霧して造粒を行い、直径1mm〜3mmの球状成形体を得た。
【0034】
〔焼成〕
この球状成形体を、オートクレーブを使用して、105℃飽和水蒸気中に保持し、ついで箱型電気炉を使用して、700℃の空気中で2時間焼成して、アルミナ成形体を得た。この触媒の累積細孔分布曲線を図1に示す。
【0035】
〔洗浄〕
得られたアルミナ成形体100gをpH1の硝酸1Lに浸した後、水洗、乾燥してアルミナ触媒1を得た。
【0036】
アルミナ触媒1は、主結晶相がχアルミナ、Na2O含有量が0.03重量%、細孔半径100nm〜100μmの細孔の累積容積が0.16cm3/g、細孔半径1.8nm〜100μmの細孔容積に対する細孔半径100nm〜100μmの細孔の累積容積の割合が25%、BET比表面積が172m2/g、充填密度が0.70g/cm3、耐圧強度が79daN/cm2、形状が直径1mm〜3mmの球状であった。また、このアルミナ触媒1は、K2O含有量0.01重量%以下、Li2O含有量0.01重量%以下、イオウ含有量0.5重量%以下、塩素含有量0.5重量%以下、フッ素含有量0.5重量%以下であった。
【0037】
実施例2
実施例1の〔アルミナ粉末の調製〕において、平均粒子径40μm、Na2O含有量0.18重量%、主結晶相ギブサイトの水酸化アルミニウムに代えて、アルミン酸ナトリウム水溶液を加水分解し、この生成物を粉砕して得られた、平均粒子径11.3μm、Na2O含有量0.18重量%、主結晶相ギブサイトの水酸化アルミニウムを使用した以外は同じ操作を行ってアルミナ粉末を得た。
【0038】
皿の直径が1mであって、17rpmで回転する皿型造粒機を使用し、その原料供給口へ上のアルミナ粉末を供給するとともに、粉体供給装置によりアルミナ粉末100重量部に対して粒子径0.6〜0.8mmの活性アルミナ粉末6重量部を造粒核として供給し、噴霧装置によりアルミナ粉末100重量部に対して水50重量部を噴霧して造粒を行い、直径1mm〜3mmの球状成形体を得た。この触媒の累積細孔分布曲線を図2に示す。
【0039】
この成形体に実施例1の〔焼成〕および〔洗浄〕と同じ操作を施して、アルミナ触媒2を得た。
【0040】
アルミナ触媒2は、主結晶相がχアルミナ、Na2O含有量が0.03重量%、細孔半径100nm〜100μmの細孔の累積容積が0.09cm3/g、細孔半径1.8nm〜100μmの細孔の累積容積に対する細孔半径100nm〜100μmの細孔の累積容積の割合が16%、BET比表面積が154m2/g、充填密度が0.65g/cm3、耐圧強度が105daN/cm2であった。
【0041】
比較例1
実施例1において、〔洗浄〕を行わなかった以外は同じ操作を行って、アルミナ触媒3を得た。この触媒の細孔分布曲線を図3に示す。
【0042】
アルミナ触媒3は、主結晶相がχアルミナ、Na2O含有量が0.30重量%、細孔半径100nm〜100μmの細孔の累積容積が0.15cm3/g、細孔半径1.8nm〜100μmの細孔の累積容積に対する細孔半径100nm〜100μmの細孔の累積容積の割合が25%、BET比表面積が200m2/g、充填密度が0.69g/cm3、耐圧強度が82daN/cm2であった。
【0043】
比較例2
実施例1において、〔成形〕のときに吸水性樹脂を使用しなかった以外は同じ操作を行って、アルミナ触媒4を得た。この触媒の細孔分布曲線を図4に示す。
【0044】
アルミナ触媒4は、主結晶相がχアルミナ、Na2O含有量が0.03重量%、細孔半径100nm〜100μmの細孔容積が0.01cm3/g、細孔半径1.8nm〜100μmの細孔の累積容積に対する細孔半径100nm〜100μmの細孔の累積容積の割合が2.5%、BET比表面積が181m2/g、充填密度が0.82g/cm3、耐圧強度が94daN/cm2であった。
【0045】
試験例1−4
上のアルミナ触媒1〜4を使用して、メタノールの脱水反応を行った。すなわち、固定床流通式の反応装置を用い、そこに触媒を0.5cm3充填し、温度300℃、圧力1×105Pa(1気圧)の条件で、メタノールを500ppm含み、残部が窒素からなる原料ガスを、空間速度(SV)108000h−1
で供給して反応を行い、そのときの触媒性能を評価した。反応装置の入口ガスを採取して入口ガスのメタノール濃度IMeOHを測定し、また反応装置の出口ガスを採取して、出口ガスのメタノール濃度OMeOHおよびジメチルエーテル濃度ODMEを測定した(いずれもモル濃度)。これらのメタノール濃度、ジメチルエーテル濃度から、下式(2)、(3)、(4)により、
メタノール反応率(%)=100×(IMeOH−OMeOH)/IMeOH (2)
ジメチルエーテル合成率(%)=100×(2×ODME)/IMeOH (3)
ジメチルエーテル選択率(%)=100×(2×ODME)/(IMeOH−OMeOH) (4)
メタノール反応率、ジメチルエーテル合成率、ジメチルエーテル選択率を求め、結果を表1に示した。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】
本発明のジメチルエーテル製造用触媒は、メタノールを脱水反応させてジメチルエーテルを製造するときの触媒として有用である。また、本発明の製造方法によれば、高いメタノール反応率および高いジメチルエーテル合成率を達成でき、効率的にメタノールからジメチルエーテルを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた触媒の累積細孔分布曲線。
【図2】 実施例2で得られた触媒の累積細孔分布曲線。
【図3】 比較例1で得られた触媒の累積細孔分布曲線。
【図4】 比較例2で得られた触媒の累積細孔分布曲線。
Claims (5)
- メタノールを脱水反応させてジメチルエーテルを製造する方法に用いる触媒であって、主成分がアルミナであり、Na2O含有量が0.05重量%以下であり、かつ細孔を有し、その細孔半径100nm〜100μmの細孔の累積容積が0.05cm3/g以上であることを特徴とするジメチルエーテル製造用触媒。
- アルミナの主結晶相がχまたはηである請求項1記載の触媒。
- 細孔半径100nm〜100μmの細孔の累積容積が細孔半径1.8nm〜100μmの細孔の累積容積に対して10%以上である請求項1または2記載の触媒。
- 耐圧強度が60daN/cm2以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の触媒。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の触媒の存在下、メタノールを脱水反応させることを特徴とするジメチルエーテルの製造方法。
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