JP4284795B2 - 多孔質中空糸分離膜の製造法 - Google Patents

多孔質中空糸分離膜の製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多孔質中空糸分離膜の製造法に関する。更に詳しくは、ナノロ過用または気体分離用に好適に使用される多孔質中空糸分離膜の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ナノロ過用の分離膜としては、逆浸透膜と同様に、多孔質ポリスルホン支持体の表面上に架橋ポリアミドによって代表される活性層を被覆した複合膜が知られているが(特開平1-130707号公報、同5-317667号公報、同9-10565号公報、同9-24259号公報など)、膜形状の殆んどが平膜型であって、その膜エレメントの殆んどがスパイラル型であるばかりではなく、それの製造に際しては複合化工程を必要としている。
【0003】
これに対し、相転換法によって製造される多孔質膜は、製造工程が少くて製造コスト上有利であるばかりではなく、中空糸状の膜を容易に得ることもできるため、単位容積当りの膜面積を非常に大きくすることができ、膜エレメントを小さく設定できるという利点を有している。しかしながら、このような多孔質中空糸膜は、高い透水性能を得ようとすると分離性能が不十分となり、逆に高い分離性能を得ようとすると透水性能が不十分となるといったように、高い透水性能とナノロ過レベルの分離性能の両方を同時に満足させることができない。
【0004】
一方、膜素材としてポリエーテルイミドとポリアミドイミドとのブレンド物などを用い、それを乾湿式紡糸して得られる多孔質中空糸膜は、膜表面の平均孔径が5nm以下と小さいにも拘らず、高い透水性と低い窒素ガス透過性とを有しているため、除湿膜として有効に使用し得ることが本出願人によって見出されているが(特開平11-537号公報実施例6参照)、これはナノロ過膜としての分離性能あるいは非凝縮性ガスに対する分離性能が必ずしも十分ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高い透水性能とナノロ過レベルの分離性能の両方あるいは高い気体透過性能と気体分離性能の両方を同時に満足させ得る多孔質中空糸分離膜の製造法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる本発明の目的は、ポリエーテルイミドとポリアミドイミドとが2/8〜9/1のブレンド比で用いられ、かつこれらのポリマーを25〜35重量%の濃度で溶解させた紡糸原液を、70℃以上の加熱条件下で、二重環状ノズルから凝固浴中に押出し、凝固させることにより多孔質中空糸分離膜を製造する方法によって達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
ポリエーテルイミドとしては、次の一般式で表されるくり返し単位
Figure 0004284795
を有するものが用いられ、実際には市販品、例えば次の一般式で表されるくり返し単位
Figure 0004284795
を有するGEプラスチック・ジャパン製品ウルテム1000などをそのまま用いることができる。
【0008】
また、ポリアミドイミドとしては、次の一般式で表されるくり返し単位を有するアモコ・ジャパン社製品トーロン4000Tなどの市販品をそのまま用いることができる。
Figure 0004284795
【0009】
これらのポリエーテルイミドとポリアミドイミドとは、2/8〜9/1、好ましくは4/6〜8/2の割合でブレンドして用いられる。ポリアミドイミドのブレンド割合がこれよりも少ないと、ナノロ過レベルの分離性能は向上するが、殆んど透水性能がみられないようになりあるいは気体透過性は高いが気体分離性能が大きく低下するようになり、一方これ以上の割合でブレンドした場合も、殆んど透水性能はみられないようになり、気体分離性能および気体透過性が共に大きく低下するようになる。
【0010】
これら両者は、これらの共通の良溶媒である非プロトン性極性溶媒、例えばジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン等、好ましくはアミド系の溶媒、特に好ましくはジメチルアセトアミド中に、紡糸原液中約25〜35重量%、好ましくは約30〜35重量%を占めるような割合で溶解させて用いられる。紡糸原液中のポリマー濃度がこれ以下になると、透水性能にはすぐれているものの、ナノロ過レベルの分離性能が殆んどみられなくなりあるいは気体透過性にはすぐれるものの気体分離性能の点で満足されなくなる。一方、これ以上のポリマー濃度の紡糸原液を用いると、粘度が高くなりすぎ良好な中空糸膜形状が形成されなくなるばかりではなく、気体透過性が殆んどみられなくなる。
【0011】
以上の各成分からなる紡糸原液を用いての紡糸は、湿式法によって行われるが、その際約70℃以上、好ましくは約90〜130℃の加熱条件下で、二重環状ノズルから直接凝固浴中に押出し、凝固させる方法がとられる。約70℃以上という加熱条件は、紡糸原液がこのような条件下にあればよく、そのためには紡糸原液自体の加熱のみならず、原液タンク、配管部分、二重環状ノズル等がこのような温度条件下に保たれていることが望ましい。これ以下の温度条件下で紡糸して得られた多孔質中空糸膜は、透水性能の点では満足されるもののナノロ過レベルの分離性能の点で満足されなくなりあるいは気体の分離性能が低くなって気体分離膜として機能しなくなる。
【0012】
二重環状ノズルを用いての湿式紡糸に際しては、水または非プロトン性極性溶媒水溶液よりなる芯液あるいは湿潤空気または乾燥空気よりなる芯ガスを用いることができ、この芯液の温度は室温乃至約50℃に設定することができる。また、凝固浴としては、水だけではなく、これにポリエチレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、ポリビニルピロリドン等の水溶性添加剤を溶解させた水溶液を用いることもできる。特に、凝固浴として水を用いた場合には、高い気体透過性能と気体分離性能の中空糸膜を得ることができる。
【0013】
なお、気体分離膜として用いる場合には、中空糸膜状ではなく平膜状であってもよく、その場合にはポリエーテルイミドとポリアミドイミドとが2/8〜9/1のブレンド比で用いられ、かつこれらのポリマーを25〜35重量%の濃度で溶解させた製膜原液を、70℃以上の加熱条件下で製膜して、水凝固浴中に浸漬し、凝固させることによって、それの製造が行われる。
【0014】
【発明の効果】
本発明方法により、高い透水性能とナノロ過レベルの分離性能の両方あるいは高い気体透過性能および気体分離性能の両方を同時に満足させ得る、非対称な横断面を有する多孔質中空糸膜(表面緻密層と多孔質層とが同一素材で、一般に同時に形成された中空糸膜)を容易に得ることができる。この多孔質中空糸膜は、ナノロ過膜として各種の有機物質や無機塩の除去に効果的に用いられあるいは酸素、窒素、メタン、炭酸ガス等を混合ガスから分離するのに効果的に用いられる。
【0015】
【実施例】
次に、実施例について本発明を説明する。
【0016】
実施例1
ポリエーテルイミド(PEI;GEプラスチック・ジャパン製品ウルテム1000)24重量部およびポリアミドイミド(PAI;アモコ・ジャパン製品トーロン4000T)6重量部をジメチルアセトアミド70重量部中に溶解させて調製した紡糸原液を、いずれも100℃に加熱された原液タンク、配管部分および二重環状ノズルを通して、25℃の水よりなる凝固浴中に押出し、凝固浴中を通過させた後ロールに巻き取った。この際、芯液には50重量%ジメチルアセトアミド溶液が用いられた。
【0017】
このようにして得られた中空糸膜(外径360μm、内径260μm)に対して、操作圧力15Kgf/cm2の条件下において、外圧式全量純水透過試験を行ない、透過水量を測定した。また、濃度をいずれも0.2重量%に調整したNaCl水溶液、グルコース水溶液、スクロース水溶液またはポリエチレングリコール(PEG、MW=200)水溶液を供給液として、操作圧力15Kgf/cm2の条件下において、中空糸膜による外圧式全量透過試験を行ない、それぞれの阻止率を測定した。
【0018】
なお、NaClの阻止率は、電気伝導度の測定により、
阻止率(%)=[1-(透過液の電気伝導度)/(供給液の電気伝導度)]×100
として算出した。また、グルコース、スクロースまたはPEGの阻止率は、高速液体クロマトグラフィーにより、それぞれの溶出ピークの高さを測定し、
阻止率(%)=[1-(透過液のピーク高さ)/(供給液のピーク高さ)]×100
として算出した。
【0019】
実施例2
実施例1において、ポリエーテルイミド16重量部、ポリアミドイミド16重量部およびジメチルアセトアミド68重量部よりなる紡糸原液が用いられた。
【0020】
比較例1
実施例1において、原液タンク、配管部分および二重環状ノズルの加熱を行わず、室温条件下(25℃)で紡糸を行った。
【0021】
比較例2
実施例1において、ポリエーテルイミド30重量部およびジメチルアセトアミド70重量部よりなる紡糸原液が用いられた。
【0022】
比較例3
実施例1において、ポリエーテルイミド16重量部、ポリアミドイミド4重量部およびジメチルアセトアミド80重量部よりなる紡糸原液が用いられた。
【0023】
以上の各実施例および比較例で得られた測定結果は、次の表1に示される。
Figure 0004284795
【0024】
実施例3
実施例1において、芯液として25℃の水が用いられた。
【0025】
このようにして得られた中空糸膜(外径600μm、内径370μm)を、枝分れしたチューブ状の管内に平行に収容し、膜の有効長が10cmになるように両端部を接着剤で固定した。このような状態の中空糸膜の内側に、酸素ガスまたは窒素ガスを3.0Kgf/cm2の圧力で加圧供給し、膜を透過してくるガス容量を流量計で測定した。そして、単位時間当り透過したガス容量から酸素透過速度および窒素透過速度を求め、この比から分離係数を算出した。
【0026】
比較例4
実施例3において、原液タンク、配管部分および二重環状ノズルの加熱を行わず、室温条件下(25℃)で紡糸を行った。
【0027】
比較例5
実施例3において、ポリエーテルイミド30重量部およびジメチルアセトアミド70重量部よりなる紡糸原液が用いられた。
【0028】
比較例6
実施例3において、ポリアミドイミド30重量部およびジメチルアセトアミド70重量部よりなる紡糸原液が用いられた。
【0029】
以上の実施例3および比較例4〜6で得られた結果は、次の表2に示される。
Figure 0004284795

Claims (8)

  1. ポリエーテルイミドとポリアミドイミドとが2/8〜9/1のブレンド比で用いられ、かつこれらのポリマーを25〜35重量%の濃度で溶解させた紡糸原液を、70℃以上の加熱条件下で、二重環状ノズルから凝固浴中に押出し、凝固させることを特徴とする多孔質中空糸分離膜の製造法。
  2. ポリマーを非プロトン性極性溶媒中に溶解させた紡糸原液が用いられる請求項1記載の多孔質中空糸分離膜の製造法。
  3. 芯液に水または非プロトン性極性溶媒水溶液が用いられる請求項1記載の多孔質中空糸分離膜の製造法。
  4. 凝固浴として水または水溶性添加剤水溶液が用いられる請求項1記載の多孔質中空糸分離膜の製造法。
  5. 請求項1記載の方法で得られた非対称横断面を有する多孔質中空糸分離膜。
  6. ナノロ過用分離膜として用いられる請求項5記載の多孔質中空糸分離膜。
  7. 気体分離膜として用いられる請求項5記載の多孔質中空糸分離膜。
  8. ポリエーテルイミドとポリアミドイミドとが2/8〜9/1のブレンド比で用いられ、かつこれらのポリマーを25〜35重量%の濃度で溶解させた製膜原液を、70℃以上の加熱条件下で製膜して、水凝固浴中に浸漬し、凝固させることを特徴とする多孔質分離膜の製造法。
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