JPH07155570A - 複合膜 - Google Patents

複合膜

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JPH07155570A
JPH07155570A JP30161993A JP30161993A JPH07155570A JP H07155570 A JPH07155570 A JP H07155570A JP 30161993 A JP30161993 A JP 30161993A JP 30161993 A JP30161993 A JP 30161993A JP H07155570 A JPH07155570 A JP H07155570A
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membrane
ultrafiltration membrane
thin layer
weight
polymer
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JP30161993A
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Yoshio Sato
芳雄 佐藤
Osamu Kusudo
修 楠戸
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 浸透気化法によって液体混合物を分離するの
に好適に使用される複合膜であって、耐久性および分離
性能がともに優れた複合膜を提供する。 【構成】 少なくとも一方の表面に緻密層を有する限外
濾過膜の緻密層表面にグリコシド系骨格を主鎖にもつ高
分子の薄層を形成させてなる複合膜であって、該限外濾
過膜および該グリコシド系骨格を主鎖にもつ高分子の薄
層に親水性高分子をブレンドしたことを特徴とする複合
膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複合膜、さらに詳しくは
浸透気化法による液体混合物の分離に好適に使用される
複合膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液体混合物を分離する方法とし
て、分離膜で区割された二つの室の供給液側に分離され
るべき液体混合物を供給し、透過液側を減圧状態とする
か、または透過液側に不活性ガスを流して透過液側を低
蒸気圧に保ち、該液体混合物中の分離膜との親和性の大
きな成分を透過液側に蒸気として優先的に透過させる浸
透気化法が知られている。かかる浸透気化法に用いられ
る分離膜は、その分離性能として、液体混合物中に含ま
れる特定の物質に対する選択透過性が優れていること、
および単位膜面積当たりの透過量が大きいことが要求さ
れる。さらに、浸透気化法による液体混合物の分離を長
時間にわたって工業的に実施するためには、上記分離膜
の耐久性が優れていることも必要となる。
【0003】近年、分離性能が優れ、かつ機械的強度も
優れた浸透気化用分離膜として種々のものが提案されて
おり、複合膜タイプの浸透気化用分離膜として、例え
ば、特開昭62−7403号公報、および特開昭62−
7404号公報にはカチオン性多糖類系膜を支持体の上
に付着させてなる複合膜が開示されている。また、特開
平3−196821号公報には芳香環を有する縮合系高
分子からなり、表面部分に緻密層が存在する多孔性膜の
少なくとも一方の表層部に、グリコシド基を有する高分
子の薄層を形成させてなる複合膜が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の浸透気化用分離
膜は、分離性能および機械的強度を向上させたものであ
るが、層間の接着強度の問題、およびそれに伴う層間の
剥離の問題を完全に解決したわけではない。したがっ
て、本発明の目的は、浸透気化法によって液体混合物を
分離するのに好適に使用される複合膜であって、分離性
能および耐久性がともに優れた複合膜を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、少なくとも一方の表面に緻密層を有する限外濾
過膜(以下これを限外濾過膜と略称する)の緻密層表面
にグリコシド系骨格を主鎖にもつ高分子の薄層を形成さ
せてなる複合膜であって、該限外濾過膜および該グリコ
シド系骨格を主鎖にもつ高分子の薄層に親水性高分子を
ブレンドしたことを特徴とする複合膜を提供することに
よって達成される。
【0006】本発明における限外濾過膜とは、緻密層と
多孔質層とからなる膜であって、少なくとも一方の表面
に緻密層を有する膜をいう。ここでいう多孔質層とは網
目状構造、ハニカム状構造、微細間隙構造などである。
なお、本発明における限外濾過膜は、膜の両表面に緻密
層を有していてもよく、また膜内部にフィンガーライク
状構造あるいはマクロボイド構造を有していてもよい。
【0007】限外濾過膜の形状は特に制限されるもので
はなく、平膜状、中空糸状、スパイラル状、管状等のい
ずれであってもよいが、浸透気化法によって液体混合物
を分離する場合には、厚さ50〜500μmの平膜状ま
たは内径100〜2000μm、肉厚50〜500μm
の中空糸状の形状が好ましい。
【0008】本発明における限外濾過膜は、分画分子量
が500〜1,000,000であることが好ましく、
分画分子量が1,000〜100,000であることが
より好ましい。限外濾過膜の分画分子量が500未満で
あれば、限外濾過膜自体の透過速度が小さく、その結果
として複合膜の単位膜面積当たりの透過量が小さくな
る。一方、限外濾過膜の分画分子量が1,000,00
0を超えると、限外濾過膜の表面にグリコシド系骨格を
主鎖にもつ高分子の薄層を形成させることが難しくな
り、ピンホールによるリークを生じやすくなる。
【0009】本発明における限外濾過膜の素材として
は、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポ
リエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミドイミド、
ポリエーテルイミド、ポリビニリデンフルオライド、ポ
リビニルアルコールなどの公知の素材を挙げることがで
き、限外濾過膜として製膜可能な素材であれば特に限定
されない。
【0010】本発明の複合膜は、上記限外濾過膜の緻密
層表面にグリコシド系骨格を主鎖にもつ高分子の薄層が
形成されている。かかる薄層の厚みは、該複合膜が使用
される条件に応じて適宜設定すればよく、一般に0.1
〜5μmの範囲に設定される。なお、上記限外濾過膜が
膜の両表面に緻密層を有している場合には、上記グリコ
シド系骨格を主鎖にもつ高分子の薄層は、必ずしも限外
濾過膜の両表面に形成させる必要はなく、いずれか一方
の緻密層表面に形成しておけばよい。
【0011】本発明におけるグリコシド系骨格を主鎖に
もつ高分子の具体例としては、アルギン酸、ペクチン
酸、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、キトサン、セ
ルロ−ス等の多糖類またはその誘導体;例えば、部分メ
チルアセチル化アルギン酸、カルボメトキシ化アルギン
酸、リン酸化アルギン酸、アミノ化アルギン酸またはそ
の塩;N−アシル化キトサン、リン酸化キトサン、カル
ボメトキシ化キトサンまたはその塩;CMセルロース、
硫酸セルロース、リン酸化セルロース、スルホエチルセ
ルロース、リン酸化キチンまたはその塩;N−メチルア
ミノセルロース、N,N−ジメチルアミノセルロース、
ジエチレントリアミノセルロース、ピペラジルセルロー
ス等のN−置換セルロースまたはその塩;ジエチルアミ
ノエチルセルロース、アミノエチルセルロース、塩化シ
アヌルセルロース等の塩基性窒素原子を含有する多糖類
誘導体またはその塩;などがあげられる。中でもキトサ
ンの塩またはアルギン酸の塩が複合膜の分離性能、機械
的強度、および製膜性の点で好ましい。
【0012】本発明において、上記の限外濾過膜および
グリコシド系骨格を主鎖にもつ高分子の薄層にブレンド
する親水性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピルピロリドン、ポリビニルピロリド
ン/酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポ
リエチレンイミン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ア
ミド等を挙げることができ、上記の限外濾過膜を形成す
る素材およびグリコシド系骨格を主鎖にもつ高分子との
親和性が良好であり、かつこれらの素材とブレンドする
ことが可能な素材であれば特に限定されない。なお、限
外濾過膜にブレンドする親水性高分子とグリコシド系骨
格を主鎖にもつ高分子の薄層にブレンドする親水性高分
子は、同一であってもよいし、また異なっていてもよい
が、通常同一のものが使用される。
【0013】限外濾過膜中に含まれる親水性高分子の量
は、該限外濾過膜の1〜20重量%であることが好まし
く、1〜10重量%であることがより好ましい。限外濾
過膜中に含まれる親水性高分子の量が20重量%を越え
ると、限外濾過膜の耐薬品性、および分画性が低下し、
その結果として複合膜の機械的強度、分離性能が損なわ
れる。また、限外濾過膜中に含まれる親水性高分子の量
が1重量%未満であると、限外濾過膜とグリコシド系骨
格を主鎖にもつ高分子の薄層との接着強度が十分ではな
い。
【0014】一方、グリコシド系骨格を主鎖にもつ高分
子の薄層中に含まれる親水性高分子の量は、1〜50重
量%であることが好ましく、1〜30重量%であること
がより好ましい。グリコシド系骨格を主鎖にもつ高分子
の薄層中に含まれる親水性高分子の量が50重量%を越
えると、該薄層の分離性能が低下し、その結果として複
合膜の分離性能が損なわれる。また、上記薄層中に含ま
れる親水性高分子の量が1重量%未満であると、限外濾
過膜とグリコシド系骨格を主鎖にもつ高分子の薄層との
接着強度が十分ではない。
【0015】本発明の複合膜は、親水性高分子をブレン
ドした限外濾過膜の緻密層表面に、親水性高分子をブレ
ンドしたグリコシド系骨格を主鎖にもつ高分子の薄層を
コ−ティングすることによって製造することができる。
【0016】親水性高分子をブレンドした限外濾過膜
は、ポリスルホン、ポリイミド、ポリビニルアルコール
等の限外濾過膜を構成する素材と該限外濾過膜にブレン
ドする親水性高分子とを含有する製膜溶液を製膜するこ
とによって得られる。製膜方法としては、従来より公知
の方法が特に制限なく使用できる。具体例を挙げると、
平膜状の限外濾過膜を製膜する場合にあっては、製膜溶
液をガラス板等の平板上に流延した後、凝固液中に浸漬
して凝固させる方法などを挙げることができ、中空糸状
の限外濾過膜を製膜する場合にあっては、中空糸製造用
2重管ノズルより製膜溶液を凝固浴中に押し出す方法な
どを挙げることができる。なお、かかる公知の方法によ
って得られた限外濾過膜は、膜中の親水性高分子の抽
出、洗浄等の操作を行うことにより、膜中に含まれる親
水性高分子の量を適宜調節することができる。
【0017】上記の限外濾過膜の緻密層表面に、親水性
高分子をブレンドしたグリコシド系骨格を主鎖にもつ高
分子の薄層をコ−ティングする方法としては、従来より
種々の方法が公知であり、コ−ティングを行う限外濾過
膜の形状に応じて適宜選択すればよい。具体例を挙げる
と、限外濾過膜が平膜状であれば、グリコシド系骨格を
主鎖にもつ高分子と該高分子の薄層にブレンドする親水
性高分子とを含有するコ−ティング用の溶液をバ−コ−
タ−等を用いて該平膜状の限外濾過膜の緻密層表面に塗
布する方法を挙げることができ、また、限外濾過膜が中
空糸状であれば、上記コ−ティング用の溶液を中空糸の
内側に流してコ−ティングする方法などを挙げることが
できる。なお必要に応じて、上記のコ−ティング操作を
複数回繰り返し行ってもよい。
【0018】上記のコ−ティング用の溶液は、通常、2
5℃で測定した粘度が10〜10,000cps(セン
チポイズ)、好ましくは50〜1,000cpsとなる
ように調製される。コ−ティング用の溶液の粘度が10
cpsより小さいとグリコシド系骨格を主鎖にもつ高分
子の薄層を形成することが難しく、また、コ−ティング
用の溶液の粘度が10,000cpsを超えるものはコ
−ティングの操作性の観点から実用的ではない。なお、
コ−ティング用の溶液の溶媒としては、上記グリコシド
系骨格を主鎖にもつ高分子および該高分子の薄層にブレ
ンドする親水性高分子の溶解度が良好なものを使用する
必要があり、通常水が使用される。
【0019】本発明によって提供される複合膜は、限外
濾過膜の緻密層表面にグリコシド系骨格を主鎖にもつ高
分子の薄層を形成させてなる複合膜であり、該限外濾過
膜およびグリコシド系骨格を主鎖にもつ高分子の薄層に
親水性高分子をブレンドしており、該親水性高分子が上
記限外濾過膜とグリコシド系骨格を主鎖にもつ高分子の
薄層の両者に対して良好な親和性を発揮することから、
上記限外濾過膜とグリコシド系骨格を主鎖にもつ高分子
の薄層間での接着強度が向上し、その結果として複合膜
の耐久性が向上する。
【0020】また、本発明によって提供される複合膜
は、従来公知の浸透気化装置に装着することができる。
そして、該装置を通常の条件下で運転することにより液
体混合物を分離することができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により何ら
限定されるものではない。
【0022】実施例1 (1) 限外濾過膜(平膜)の作製 ポリスルホン(アモコジャパン(株)社製、Udel-P350
0、以下これをPSと略称する)100重量部をジメチ
ルホルムアミド400重量部に溶解して得られた溶液
に、親水性高分子としてビニルピロリドン/酢酸ビニル
共重合体(GAF社製、S−630、以下これをPVP
−VAと略称する)を、PSに対して5重量%となるよ
うに添加し、得られた溶液を濾過、脱泡することにより
限外濾過膜の製膜溶液を得た。この製膜溶液をガラス板
上に均一に流延し、その後直ちに水中に浸漬して凝固さ
せ平膜を形成させた。得られた平膜を水洗した後、60
℃で乾燥させることにより、両表面に緻密層を有する、
分画分子量が3800である限外濾過膜を得た。
【0023】(2) 複合膜の作製 キトサン(株式会社加ト吉製、脱アセチル化度98mo
l%)に親水性高分子としてPVP−VAをキトサンに
対して10重量%混合して得られた混合物1重量部、酢
酸1重量部、蒸留水100重量部を混合溶解した溶液を
作製し、該溶液を濾過、脱泡して、コ−ティング用の溶
液を調製した。このようにして得たコ−ティング用の溶
液を、上記(1) において得られた限外濾過膜の表面のう
ち、ガラス面に接触していた側の表面上に厚さが0.5
mmになるように均一に流延し、次いで風乾することに
より、限外濾過膜にキトサンの薄層をコ−ティングした
複合膜を得た。得られた複合膜において、限外濾過膜は
PVP−VAを2.8重量%、キトサンの薄層はPVP
−VAを10重量%含有していた。なお、上記PVP−
VAの含有量はNMRによって求めた。このようにして
得られた複合膜を10×50mmのサイズに切断し、日
本工業規格(JIS)K−6833号に準拠してT型剥
離試験を行ったところ、剥離強度は90g/cmであっ
た。
【0024】実施例2〜6および比較例1〜6 表1に示す組成を有する限外濾過膜の製膜溶液およびコ
−ティング用の溶液を調製し、実施例1と同様の方法に
より複合膜を作製した。
【0025】
【表1】
【0026】得られた複合膜について、限外濾過膜中の
PVP−VAの含有量、キトサンの薄層中のPVP−V
Aの含有量、および剥離試験の結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】表2に示されるように、限外濾過膜中のP
VP−VAの含有量およびキトサンの薄層中のPVP−
VAの含有量が増加するにつれて、限外濾過膜とキトサ
ンの薄層の接着強度が大きくなった。
【0029】実施例7 (1) 限外濾過膜(中空糸膜)の作製 PS100重量部をジメチルホルムアミド400重量部
に溶解して得られた溶液に、親水性高分子としてPVP
−VAを、PSに対して7重量%となるように添加し、
得られた溶液を濾過、脱泡して限外濾過膜の製膜溶液を
得た。この製膜溶液を2重管ノズル口金の外管より吐出
し、内管の芯部に水を供給して、次いで凝固水浴中を通
過させることによって中空糸膜を形成させた。得られた
中空糸膜を温水中に3時間浸漬して中空糸膜内の溶媒を
完全に除去した後、60℃で乾燥させることにより、内
表面に緻密層を有する、分画分子量が4100である限
外濾過膜(中空糸膜:内径=0.80mm,外径=1.
30mm,肉厚=0.25mm)を得た。
【0030】(2) 複合膜の作製 キトサン(株式会社加ト吉製、脱アセチル化度98mo
l%)に親水性高分子としてPVP−VAをキトサンに
対して10重量%混合して得られた混合物1重量部、酢
酸1重量部、蒸留水100重量部を混合溶解した溶液を
作製し、該溶液を濾過、脱泡して、コ−ティング用の溶
液を調製した。このようにして得たコ−ティング用の溶
液を、実施例7の(1) において得られた中空糸膜の内側
に流し、液切りした後風乾し、次いで0.01規定の硫
酸(エタノール/水=50/50で希釈)で処理するこ
とにより、限外濾過膜にキトサンの薄層をコ−ティング
した複合膜を得た。得られた複合膜は、限外濾過膜にお
けるPVP−VAの含有量が3.6重量%、キトサンの
薄層におけるPVP−VAの含有量が10重量%であっ
た。
【0031】このようにして得られた中空糸状の複合膜
を6本束ね、ステンレス製の管に挿入し、樹脂による端
部処理を行い分離膜モジュールを作製した。この分離膜
モジュールを用いてエタノール/水の混合物を浸透気化
法により分離した。浸透気化に際して、中空糸状複合膜
の内側にエタノール/水の混合物〔95/5(重量
%)〕を75℃にて100ml/minの速度で供給
し、中空糸状複合膜の外側を1mmHgの減圧度に保っ
た。透過速度Qは2100g/m↑2・hr、分離係数
αは700であった。
【0032】ここで、透過速度Qは複合膜を透過して得
られた蒸気を液体窒素のトラップで凝縮捕集し、単位時
間、膜の単位面積当たりの重量で表したものである。ま
た、分離係数αは、下記の式で定義されるものである。
【0033】
【数1】
【0034】上記式中、X(水)およびX(エタノー
ル)はそれぞれ供給液中の水の重量比率とエタノールの
重量比率を表し、またY(水)およびY(エタノール)
はそれぞれ膜を透過して得られた蒸気中の水の重量比率
とエタノールの重量比率を表す。これらは、ガスクロマ
トグラフィーによって定量した。
【0035】実施例8、9および比較例7 表3に示す組成を有する限外濾過膜の製膜溶液およびコ
−ティング用の溶液を調製し、実施例7と同様の方法に
より複合膜を作成した。
【0036】
【表3】
【0037】得られた複合膜について、限外濾過膜中の
PVP−VAの含有量、キトサンの薄層中のPVP−V
Aの含有量、および実施例7と同様の条件により測定し
た透過速度Qおよび分離係数αの値を表4に示す。
【0038】
【表4】
【0039】表4から明らかなように、限外濾過膜およ
びキトサンの薄層にPVP−VAをブレンドした複合膜
は、透過速度Qおよび分離係数αがともに優れていた。
また、測定後、複合膜の状態を観察したところ、比較例
7では限外濾過膜とキトサンの薄層との剥離が確認され
た。
【0040】実施例10 (1) 限外濾過膜(中空糸膜)の作製 ポリエーテルイミド(ゼネラルエレクトリック社製、ウ
ルテム1000、以下これをPEIと略称する)100
重量部をN−メチルピロリドン400重量部に溶解して
得られた溶液に、親水性高分子としてPVP−VAをP
EIに対して5重量%となるように添加し、得られた溶
液を濾過、脱泡して限外濾過膜の製膜溶液を得た。この
製膜溶液を2重管ノズル口金の外管より吐出して、内管
の芯部に水を供給して、ついで凝固水浴中を通過させる
ことにより中空糸膜を形成させた。得られた中空糸膜を
温水中に3時間浸漬して中空糸膜内の溶媒を完全に除去
した後、60℃で乾燥させることにより、内表面に緻密
層を有する、分画分子量が1100である限外濾過膜
(中空糸膜:内径=0.80mm,外径=1.26m
m,肉厚=0.23mm)を得た。
【0041】(2) 複合膜の作製 キトサン(株式会社加ト吉製、脱アセチル化度98mo
l%)に親水性高分子としてPVP−VAをキトサンに
対して10重量%混合して得られた混合物1重量部、酢
酸1重量部、蒸留水100重量部を混合溶解した溶液を
作製し、該溶液を濾過、脱泡して、コ−ティング用の溶
液を得た。このようにして得たコ−ティング用の溶液
を、実施例10の(1) において得られた中空糸膜の内側
に流し、液切りした後風乾し、次いで0.01規定の硫
酸(エタノール/水=50/50で希釈)で処理するこ
とにより、限外濾過膜にキトサンの薄層をコ−ティング
した複合膜を得た。得られた複合膜は、限外濾過膜にお
けるPVP−VAの含有量が3.6重量%、キトサンの
薄層におけるPVP−VAの含有量が10重量%であっ
た。
【0042】このようにして得られた複合膜を用いて実
施例7と同様の条件により透過速度Qと分離係数αの測
定を行ったところ、透過速度は710g/m↑2・h
r、分離係数は3300であった。
【0043】実施例11〜13および比較例8〜10 表5に示す組成を有する限外濾過膜の製膜溶液およびコ
−ティング用の溶液を調製し、実施例10と同様の方法
により複合膜を作製した。
【0044】
【表5】
【0045】得られた複合膜について、限外濾過膜中の
PVP−VAの含有量、キトサンの薄層中のPVP−V
Aの含有量、および実施例7と同様の条件により測定し
た透過速度Qおよび分離係数αの値を表6に示す。
【0046】
【表6】
【0047】表6から明らかなように、限外濾過膜およ
びキトサンの薄層にPVP−VAをブレンドした複合膜
は、透過速度Qおよび分離係数αがともに優れていた。
また測定後、複合膜の状態を観察したところ、比較例8
〜10では限外濾過膜とキトサンの薄層との剥離が確認
された。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、耐久性および分離性能
が優れた、浸透気化法による液体混合物の分離に好適に
使用される複合膜が提供される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方の表面に緻密層を有する
    限外濾過膜の緻密層表面にグリコシド系骨格を主鎖にも
    つ高分子の薄層を形成させてなる複合膜であって、該限
    外濾過膜および該グリコシド系骨格を主鎖にもつ高分子
    の薄層に親水性高分子をブレンドしたことを特徴とする
    複合膜。
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