JP4284436B2 - 白血球除去フィルター材の製造方法及びフィルター材 - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
本発明は、血液に代表される細胞浮遊液から白血球を除去するフィルター材の製造方法及び白血球除去フィルター材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、血液学、免疫学の発達により、従来の全血輸血に代わって、患者が必要とする血液の成分だけを与え、不要な成分は極力与えない成分輸血が注目をあびている。成分輸血には、赤血球輸血、血小板輸血、血漿輸血などがあり、赤血球を必要とする患者には赤血球濃厚液が投与され、血小板を必要とする患者には血小板濃縮液が投与される。しかしながら、成分輸血においても様々な副作用が確認されている。例えば、血小板濃縮液を輸血された患者が、非溶血性発熱反応、同種免疫反応、輸血後急性肺障害、輸血後移植片対宿主病(GVHD)、アレルギー反応、アナフィラキシー反応、ウィルス並びに細菌感染、さらに免疫変調などの多岐にわたる副作用を示すことが報告されている。こうした輸血副作用の原因の多くは、血液製剤中に混入している白血球に由来すると考えられ、これらの副作用を防ぐのに十分な程度に低い水準にまで白血球を除去することが望ましい。
【0003】
血液および血液製剤から白血球を除去する方法には、大別して、遠心分離機を用いて血球の比重の違いを利用して分離する方法と、繊維素材やスポンジ状構造物を濾材とするフィルターを用いて白血球を除去するフィルター法の2種類があるが、白血球を吸着除去するフィルター法が、白血球除去能に優れていること、操作が簡便であること及びコストが低いことなどの利点を有するために広く用いられている。
【0004】
これらの白血球除去フィルターの製法として、ある特定のポリマー溶液をフィルター基材にコーティング、または、ポリマー溶液中にフィルター基材を浸漬することを特徴とした方法(例えば、特許文献1〜3を参照)が知られている。しかし、該特許文献においては、低温で長時間かけて乾燥しているため、生産性に問題があった。
【0005】
また、以前我々は、コート溶媒としてエタノール、イソプロピルアルコール及び水の混合溶媒、または、イソプロピルアルコール及び水の混合溶媒を用いたコーティング方法を見出し、特許出願したが(特許文献4〜8を参照)、これらの方法ではコート直後に低温の乾燥工程を含んでおり、乾燥速度を充分に上げることができず、生産性の面で問題があった。
【0006】
更に、フィルター基材をコート液に浸漬してコーティングする場合に、乾燥の条件によっては、基材厚み方向へのコート斑(以下、「コート斑」と略す)が大きくなる場合が生じることが判ってきた。
白血球除去フィルターにおいてコート斑が大きくなると、基材内部の流れ性が低下するために流れ斑が生じ、白血球除去性能が低下したり、また、白血球のみを選択的に除去し血小板粘着を抑制する白血球選択除去フィルターのような場合には、同様にフィルター基材内部が低コート量化すると、フィルター基材の被覆性が充分でない個所が生じるためと考えられるが、血小板通過性が低下するといった問題が生じることが判ってきた。
このようなコート斑に対しては、白血球除去フィルターの従来の製造方法では解決方法が開示されておらず、生産性を下げることなく、効果的にコート斑を抑制する方法が求められている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10-338639号公報
【特許文献2】
国際公開第87/05812号パンフレット
【特許文献3】
国際公開第01/32236号パンフレット
【特許文献4】
特開2001-46844号公報
【特許文献5】
特開2001-112861号公報
【特許文献6】
特開2001-212434号公報
【特許文献7】
特開2002-263420号公報
【特許文献8】
特願2001-202466号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、血液に代表される細胞浮遊液から白血球を除去する白血球除去フィルター材を、高い効率で且つコート斑少なく製造する方法及びこのような白血球除去フィルターを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の好ましい物性を有する白血球除去フィルターを開発するために、鋭意検討を重ねた結果、ある特定の溶媒組成を有するコート液を用いてフィルター基材をコーティングすると、生産性を下げること無く、効果的にコート斑を抑制可能となることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させるに至ったものである。
【0010】
すなわち本発明は、
(1)フィルター基材をアクリル酸エステル系、メタクリル酸エステル系の親水性ポリマー溶液に浸漬してコーティングする白血球除去フィルター材の製造方法において、該ポリマー溶液を構成する溶媒が、該ポリマーの均一溶液を作製可能な該ポリマーの貧溶媒と該貧溶媒以外の有機溶媒からなる混合溶媒であり、該混合溶媒の組成が、(貧溶媒)/(該貧溶媒以外の有機溶媒)=35/65〜65/35(重量比)の比率で混合されており、且つ、コーティング後に、温度80℃〜120℃、風速10m/s〜22m/sの熱風を当てて、0.5分間以上1.8分間以下の乾燥時間で乾燥することを特徴とする白血球除去フィルター材の製造方法。
(2) 貧溶媒が水であり、該貧溶媒以外の有機溶媒が、炭素数3以下のアルコールであることを特徴とする上記(1)記載の白血球除去フィルター材の製造方法。
(3) 貧溶媒以外の有機溶媒がエタノールであることを特徴とする上記(1)または(2)記載の白血球除去フィルター材の製造方法。
(4) (内部コート量)/(全コート量)比が、0.7〜1.0である、上記(1)乃至(3)いずれかに記載の方法で製造された白血球除去フィルター材
に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明でコーティングに用いるポリマー溶液は、親水性ポリマー、該ポリマーの貧溶媒及び該貧溶媒以外の有機溶媒から構成される。
【0012】
本発明で用いられる親水性ポリマーとしては、水中で膨潤するが水に溶解しないものであれば良く、特に限定されないが、親水性ポリマーの50mol%以上を占める成分で表すなら、アクリル酸エステル系、メタクリル酸エステル系、アクリルアミド系、メタクリルアミド系、ビニルエーテル系及びビニルアルコール系のポリマー等が好ましい例としてあげられる。このなかでも、アクリル酸エステル系、メタクリル酸エステル系のポリマーが、より好ましい例として挙げられる。
【0013】
また、親水性ポリマーが有する官能基としては、スルホン酸基、カルボキシル基、カルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、ヒドロキシル基、メトキシ基、リン酸基、オキシエチレン基、イミノ基、イミド基、イミノエーテル基、ピリジン基、ピロリドン基、イミダゾール基、4級アンモニウム基等を単独あるいは複数種有する親水性ポリマーを例示することができる。
【0014】
前記親水性ポリマーは、本発明によって製造する白血球除去フィルターの使われ方、すなわち、白血球のみを選択的に除去して血小板は通過させるタイプか、白血球と血小板とを同時に除去するタイプかによって異なるが、なかでも、白血球のみを選択的に除去したいタイプでは、ヒドロキシル基、及び/又は塩基性含窒素官能基、及び/又はオキシエチレン基を有する共重合体が好ましい。
【0015】
また、塩基性含窒素官能基としては、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、4級アンモニウム基、及びピリジン基、イミダゾール基などの含窒素芳香族等が挙げられる。
【0016】
親水性ポリマーを構成するモノマーとしては、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、メトキシエチレングリコールメタクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート等が好ましい例として挙げられる。
【0017】
また、本発明において使用される親水性ポリマーの重量平均分子量は、 10万以上300万の範囲であることが好ましく、10万〜100万の範囲であることがより好ましい。重量平均分子量が10万未満ではフィルター材で処理される血液中にモノマー及びオリゴマーが溶出する可能性があり、重量平均分子量が300万を超えると溶解性が悪い傾向にある。
【0018】
本発明に用いられるポリマー溶液は、親水性ポリマー、該親水性ポリマーの貧溶媒、及び該貧溶媒以外の有機溶媒から構成される。
本発明において、貧溶媒とはポリマーを全く溶解しないか膨潤するのみの溶媒をいう。また、貧溶媒以外の有機溶媒は、該貧溶媒以外の有機溶媒で貧溶媒と任意の組成で均一溶媒を構成し、且つこの混合溶媒が親水性ポリマーを均一に溶解するものであればよい。
該貧溶媒としては、親水性ポリマー及び貧溶媒以外の有機溶媒の種類にもよるが、水、n−ヘキサンが好ましく、なかでも水がより好ましい。
【0019】
また、貧溶媒以外の有機溶媒は、該貧溶媒と混合した場合に均一となり、且つこの混合溶媒が親水性ポリマーを均一に溶解するものであれば良い。これら貧溶媒以外の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール類、及び、N,N−ジメチルホルムアミド等を挙げることが出来る。なかでも炭素数が3個以下のアルコールが好ましく、エタノール、イソプロピルアルコールがより好ましく、エタノールが特に好ましい。
【0020】
貧溶媒と貧溶媒以外の有機溶媒からなる混合溶媒の組成としては、(貧溶媒)/(貧溶媒以外の有機溶媒)=3/7〜7/3(重量比)の範囲にあることが好ましい。この比率が3/7より小さいと、基材厚み方向にコート斑が生じやすくなり好ましくない。また、7/3より大きいと、親水性ポリマーを均一に溶解できない傾向にある。このような溶媒組成の範囲にすることで、コート後の乾燥過程において塗布されたコート液の相分離が誘起され、繊維表面上に高粘度且つ高濃度の濃厚相が形成されるために、コート液が不動化し、その結果、効果的にマイグレーションが抑制されるものと考えられる。
【0021】
このような好ましい混合溶媒組成を例示すると、例えば、貧溶媒が水で、貧溶媒以外の有機溶媒がエタノール、親水性ポリマーがメトキシジエチレングリコールメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、及びジメチルアミノエチルメタクリレートの三元共重合体、また三元共重合体の濃度が1wt%である場合に、(貧溶媒の重量)/(貧溶媒以外の有機溶媒の重量)=3/7〜7/3の範囲で均一な溶液を作製可能となり、且つ本発明の目的である、基材厚み方向コート斑の抑制されたコート反を得ることができる。
【0022】
未乾燥のコート反に加湿した乾燥気体を吹き付けて乾燥するとき、コート斑が生じる原因は二つあり、一つは基材厚み方向に均一にコート液を塗布できなかった場合である。もう一つは、乾燥前に均一にコート液を含んだ基材が、乾燥の過程で、表層付近のみ乾き内部が未乾燥という状態が生じると、未乾燥の基材内部のコート液が表層側へ移動し、表層付近にコート剤が濃縮される場合である。
【0023】
本発明においては、コート斑を、(内部コート量)/(全コート量)の比率をもって表すが、ここで、コート反全のコート量(全コート量)をC1、コート反の表裏の表層部分を剥ぎ取って得られるコート反内部のコート量(内部コート量)をC2としたとき、コート斑の指標C2/C1の比率が1.0のとき、表層部と内部のコート量の差がなく、コート斑のない理想的な状態といえる。また、前記の理由から、C2>C1となることはなく、実質的にC2/C1の比率は1.0以下となる。
【0024】
本発明においては、C2/C1の比率が0.7〜1.0の範囲を、実質的にコート斑がない(コート斑が抑制された)状態と見なすこととし、コート斑はC2/C1の比率が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。また、C2/C1の比率は0.75〜1.0の範囲にあることがより好ましい。C2/C1の比率が0.7より小さい場合は、血小板通過率が低下する傾向にあり、好ましくない。
【0025】
コーティング溶液中の親水性ポリマーの濃度は、コーティング可能な濃度範囲にあれば特に制限されないが、0.1重量%〜30重量%が好ましく、より好ましくは0.2重量%〜20重量%である。0.1重量%未満ではコーティングの効率が悪く生産性に問題があり、また、30重量%より高いとコーティング溶液の粘度が高すぎるためにコーティングが困難となる傾向がある。
【0026】
本発明のコーティング溶液は、温調可能な容器に、混合溶媒と親水性ポリマーを入れ、攪拌機等の混合機で溶解することにより作製される。
【0027】
以下、白血球選択除去フィルターの製造方法の例を説明する。
白血球選択除去フィルターは、本発明のコーティング溶液中にフィルター基材を浸漬した後、機械的な圧縮、重力による自然落下、遠心分離、ガスによる吹き飛ばし等の方法で余剰のコーティング溶液をフィルター基材から除去し、乾燥することにより製造される。このようにして得られた白血球除去フィルター材は、例えば、フィルター基材が繊維からなる場合、各繊維の表面は親水性ポリマーに覆われ、親水性ポリマーからなるコーティング層と各繊維は接着した構造を有する。
【0028】
コート溶液をフィルター基材にコーティングする方法としては、フィルター基材をコート溶液に浸漬する方法が好ましく用いられる。特に、ディッピングユニット及びスクイズロールで構成されるシステムが好ましく用いられる。
【0029】
コーティング後の乾燥方法としては、加温した乾燥気体を吹き付け乾燥するなどの方法が用いられる。
コート後の乾燥は、70〜130℃の乾燥温度であることが必要であり、80℃〜120℃の乾燥温度であることが好ましい。乾燥温度が70℃より低い工程が含まれる場合、生産性が低くなり好ましくない。また、乾燥温度が130℃より高い場合は、白血球除去能の低下や、白血球のみ選択的に除去するフィルターの場合には、血小板通過率も低下してしまうため好ましくない。
【0030】
乾燥時の風速は、7m/s〜25m/sの風速であることが必要で、10m/s〜20m/sの風速であることが好ましい。乾燥風速が7m/sより低い場合、乾燥時間が長くなるため好ましくない。また、乾燥風速が25m/s以上の場合、厚み方向のコート斑が顕著になるため好ましくない。
【0031】
乾燥時間は0.4分間以上2分間未満で乾燥することが必要で、0.5分間〜1.8分間未満で乾燥することがより好ましい。乾燥時間が0.4分間以下だと、乾燥不充分なために、巻き取ったコート反どうしが接着してしまう恐れがある。また、乾燥時間に2分間以上かけることは、生産性が低下するため、好ましくない。
【0032】
また、複数の乾燥室を設けて、70〜130℃の範囲で、夫々異なる乾燥温度で乾燥してもよい。
【0033】
白血球除去フィルター材の製造の際に用いられる、フィルター基材としては、メルトブロー法やフラッシュ紡糸法あるいは抄造法等により作製された不織布の他、紙、織布、メッシュ及び多孔質体などの公知のフィルター材料のいずれの形態であっても良いが、不織布は特に好適な形態である。なお、ここで不織布とは、編織によらずに繊維あるいは糸の集合体が、化学的、熱的、または機械的に結合された布状のものをいう。
【0034】
繊維素材としては、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリトリフルオロクロルエチレン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成繊維や、セルロース、セルロースアセテート等の再生繊維などを例示することができる。
【0035】
不織布及び織布からなるフィルター基材であれば、その平均繊維直径は0.3μm〜10μm、好ましくは0.5μm〜3μm、更に好ましくは1.0μm〜2.0μmである。平均繊維直径が0.3μm未満の場合は、全血等をろ過する際の圧力損失が高くなる傾向にあり、逆に10μmを超えると繊維と白血球の接触効率が低すぎて、本発明の効果が充分に発揮されない恐れがあるためである。
【0036】
なお、ここで平均繊維直径とは、フィルターを構成する不織布または織布から、フィルター素子の一部をサンプリングし電子顕微鏡写真により測定した平均直径である。
【0037】
また、不織布及び織布からなるフィルター基材の空隙率は、50%以上95%未満が好ましく、70%以上90%未満がより好ましい。50%未満の場合は、血液等の白血球含有液の流れが悪くなる傾向にあり、また95%以上ではフィルター基材の機械的強度が弱くなる傾向にある。空隙率の測定には、所定の面積に切断したフィルター基材の乾燥時の重量(W1)を測定し、更に厚みを測定して体積(V)を算出する。このフィルター基材を純水中に浸漬し、脱気した後含水したフィルター基材の重量(W2)を測定する。これらの値から以下に示す算出式により空隙率が求められる。なお、下記算出式(1)中のρは純水の密度である。
【0038】
【数式1】
空隙率(%)=(W2-W1)×ρ×100/V ・・・(1)
【0039】
高分子多孔質体としては、ポリビニルホルマール、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、セルロース、セルロースアセテート、ポリウレタン、ポリビニルアセタール、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン等を例示することが出来る。
【0040】
高分子多孔質体は、平均気孔径が1μm〜60μm、好ましくは1μm〜30μm、より好ましくは1μm〜20μmである。1μm未満では血液等の白血球含有液の流れが悪くなる傾向にあり、60μmを超えると多孔質体と白血球の接触確率が低くなる傾向にあるため好ましくない。ここでいう平均気孔径とは、ASTM F316-86に記載されているエアーフロー法に準じてPOROFIL(COULTER ELECTRONICS LTD.製)液中にて測定した平均孔径を示す。
【0041】
本発明の製造方法を用いて得られた白血球除去フィルター材は、通常公知の血液の入口と出口を有する適当な血液濾過用のフィルター基材容器に充填して使用することが可能である。
【0042】
本発明のフィルター材は、その厚みによって異なるが1枚で用いても良いし、複数枚重ねて用いても良い。重ねる枚数としては、血液濾過条件によって異なり臨界的ではないが、通常数枚から数十枚が用いられる。また、フィルター基材が織布または不織布の場合、他の繊維から成るフィルター基材を用いたフィルター材または孔径の異なるフィルター基材を用いたフィルター材と重ねて用いることも可能である。
【0043】
フィルターを複数枚重ねて用いる場合、フィルター基材のうち少なくとも最も孔径の小さい、又は繊維径の小さいフィルター基材を用いているフィルター材が、本発明の製造方法により作製されていることが好ましい。全てのフィルター材が本発明の製造方法によって作製されていることがより好ましい。
【0044】
また、孔径あるいは繊維径の異なる複数のフィルター基材を組合わせた場合のフィルター基材に対するポリマーのコート量は、同一の孔径あるいは繊維径のフィルター基材を単独(1枚)あるいは複数(枚)をまとめて測定し、同一の孔径あるいは繊維径のフィルター基材毎に算出する。
【0045】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
各実施例に用いたコート剤、溶媒組成等は表1及び表2に示した。尚、各種測定は下記の方法若しくは実施例中に示した方法に従って実施した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
(1) 親水性ポリマーの重量平均分子量の測定
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC;装置は日本分光(株)製で、カラムは東ソー製TSKgel アルファー-M(2本の直列)を用いた。検出器としては、示差屈折計を用いた(セル温度40℃)。溶媒にはLiBrを10mMの割合で含有するN,N-ジメチルホルムアミドを用いた。測定条件は、カラム温度40℃、流速1.0ml/分、試料濃度1mg/ml、注入量50μlである)のクロマトグラムより重量平均分子量を求めた。
【0049】
なお、重量平均分子量は、以下の標準ポリメタクリル酸メチル(昭和電工製)検量線からの換算値である。
1.52×106、7.72×105、2.11×105、5.59×104、 2.17×104、6.90×103、2.22×103
【0050】
(2) 含液率
乾燥後の基材中に含まれる溶媒の割合を、「含液率」と定義する。
乾燥室からでてきた直後のフィルター材から、凡そ15cm四方のコート反をサンプリングし、予め重量を測定しておいたチャック付ビニル袋に入れ、すぐさま天秤で重量を測定した。このあと、袋からサンプルを取り出し、120℃の熱風乾燥機にて3時間乾燥させ、完全に溶媒を乾燥させたあと室温まで冷却し、再度重量を測定することで、以下の式(2)から含液率を求めた。
【0051】
【数式2】
(含液率(%))=((乾燥室から出た直後の重さ)−(完全乾燥状態の重さ))×100/(完全乾燥状態の重さ) ・・・(2)
【0052】
(3) コート量の測定
得られたコート反を25mmの円形に切断し、エタノールと水の比率が7/3(重量比)の混合溶媒に60℃で2時間攪拌しながら浸してポリマーを全て溶出させた。ポリマー溶出後の基材は、60℃の熱風乾燥器中で2時間以上乾燥させた。コート反のポリマー溶出前後の重量から基材1gあたりのコート量を算出した。
【0053】
(4) 厚み方向コート斑の判定
例えば、基材として不織布を用いるような場合は、以下のようにコート斑を判定した。
コート反を幅2cm、長さ10cmの短冊状に切断する。この表面に幅24mmの粘着テープ(住友スリーエム株式会社製;商品名 ScotchTMメンディングテープ)を、サンプル長手方向にサンプルを覆うように貼り付けた後、およそ0.2〜0.5kg/cm2の力で粘着テープをコート反に押さえつけて、粘着テープとコート反とを充分に密着させた。この後、サンプルの長辺方向に1〜3cm/秒の速さで貼り付けた粘着テープを剥がしていった。この操作をコート反表裏について各1回ずつ行って表層付近が剥れたコート反を得た。表裏両面の表層の剥れた部分から5cm分を採取した後、上記(3)と同様の操作を行いコート剤を溶出させ、コート反内部のコート量(C2)を求めた。C2の値と上記(3)の方法で求められる全コート量(C1)の比率より、コート斑の指標として下記のように判定した。
【0054】
C2/C1の比率が0.7〜1.0:コート斑が抑制されている
C2/C1の比率が0.6〜0.7未満の場合:コート斑やや抑制されている
C2/C1の比率が0.6未満の場合:コート斑が抑制されてない
【0055】
【実施例1】
コート剤として、ヒドロキシプロプルメタクリレート(以下、「HPMA」と称す)88モル%、メトキシジエチレングリコールメタクリレート(以下、「DEG」と称す)7モル%、及びジメチルアミノエチルメタクリレート(以下、「DM」と称す)5モル%からなる共重合体(重量平均分子量14万;以下、「コート剤1」と称す)を用い、これを水65重量%エタノール35重量%(貧溶媒の重さ)/(該貧溶媒以外の有機溶媒の重さ)=65/35からなる混合溶媒に室温(25℃)で溶解し、共重合体濃度10重量%の均一な溶液としたものをコート液として用いた。
【0056】
基材としては、平均繊維直径1.2μmのポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と称す)よりなる不織布(40g/m2目付、空隙率79%、厚み0.21mm)を用いた。この基材を、図1に示すような装置を用いて、フィルター基材供給ロール1に巻かれたフィルター基材(前記不織布)2をポリマーコーティング槽3に導入し、室温(25℃)のコート液(ポリマー溶液)に浸し、スクイズロール4(スクイズロールのロール間隔は0.11mmである)で余分なコート液を絞った後に乾燥機6を通し、熱風吹き出し口7より熱風を吹き出して乾燥させ、巻取り用ロール9で連続的に巻き取ってコート反を得た。溶媒組成、コート条件及び乾燥条件を表2に、コート反の物性を表3にまとめた。表3に示すように、厚み方向にコート斑の抑制されたコート反が得られた。
【0057】
(血液評価)
次に、白血球除去能及び血小板回収率を評価する試験方法について記述する。血液評価に用いる血液は全血であり、採血直後の血液100mlに対してCPD溶液(クエン酸三ナトリウム・二水和物2.630gとクエン酸一水和物0.327gとリン酸二水素ナトリウム・二水和物0.251gとグルコース2.320gを注射用蒸留水100mlに溶解させた溶液を0.2μmのフィルターで濾過したもの)を14ml加えて混和し、2時間静置したものである(以後「濾過前血」と称す)。
【0058】
得られたコート反の任意に選んだ一部からフィルター材を切り出し、高圧蒸気滅菌処理(118℃×30分)を施した後、フィルター材を切り取り、有効濾過面積1.3cm2のカラムに16枚重ねて充填した。このカラムに室温で全血を流速0.9ml/分で流し8mlを回収した(以下「濾過後血」と称する)。
【0059】
白血球除去能は、フローサイトメトリー法(装置:BECTON DICKINSON社製 FACSCalibur)を用い、次式(3)に従い計算した。
【0060】
白血球除去能=-Log(〔白血球数(濾過後血)〕/〔白血球数(濾過前血)〕)・・・(3)
【0061】
なお、各試料の調製は、血液100μLをサンプリングし、ビーズ入りLeucocountキット(日本ベクトン・ディッキンソン社)を用いて行った。
血小板通過率は、自動血球数測定装置(東亜医用電子株式会社Sysmex K4500)にて測定を行い、次式(4)に従い計算した。
【0062】
血小板通過率(%)=〔血小板濃度(濾過後血)〕×100/〔血小板濃度(濾過前血)〕 ・・・(4)
表3にこのときの白血球除去能、血小板通過率を示す。
【0063】
【表3】
【0064】
【実施例2】
乾燥温度を表2のように変えた以外は、全て実施例1と同様な操作を行い、コート斑の抑制されたコート反を得た。評価結果を表3に示す。
【0065】
【比較例1】
乾燥温度を、表2に示す温度に変更した以外は、全て実施例1と同様にコートを行ったが、充分に乾燥してなかったため、血液評価を行わなかった。
【0066】
【比較例2】
乾燥温度を、表2に示す温度に変更した以外は、全て実施例1と同様にコートを行った。表3に示すように、コート斑の抑制されたコート反は得られたが、乾燥温度が高すぎたためか、白血球除去能及び血小板通過率が低くなった。
【0067】
【実施例3】
貧溶媒と貧溶媒以外の有機溶媒の比率を表2のように変えた以外は、全て実施例2と同様な操作を行い、コート斑の抑制されたコート反を得た。評価結果を表3に示す。
【0068】
【実施例4】
貧溶媒以外の有機溶媒の種類を表2のように変えた以外は、全て実施例3と同様な操作を行い、厚み方向にコート斑の抑制されたコート反を得た。評価結果を表3に示す。
【0069】
【実施例5】
貧溶媒と貧溶媒以外の有機溶媒の比率を変えた以外は、全て実施例1と同様な操作を行い、厚み方向にコート斑の抑制されたコート反を得た。評価結果を表3に示す。
【0070】
【比較例3】
貧溶媒と貧溶媒以外の有機溶媒の比率を表2のように変えたが、均一なコート液が得られなかった(ポリマーが析出し、白濁した)ため、コーティングを行わなかった。
【0071】
【比較例4】
貧溶媒と貧溶媒以外の有機溶媒の比率を表2のように変えた以外は、全て実施例2と同様な操作を行い、コート反を得たが、(貧溶媒)/(貧溶媒以外の有機溶媒)の比率が小さいため、表3に示すように、厚み方向のコート斑が大きくなり、血小板通過率が低下した。
【0072】
【実施例6】
ライン速度を変え、表2のように乾燥時間を変えた以外は全て実施例5と同様な操作を行い、厚み方向にコート斑の抑制されたコート反を得た。評価結果を表3に示す。
【0073】
【比較例5】
ライン速度を変え、表2のように乾燥時間を変えた以外は全て実施例5と同様な操作でコーティングを行ったが、充分に乾燥してなかったため、血液評価を行わなかった。
【0074】
【実施例7】
ライン速度を変え、表2のように乾燥時間を変えた以外は全て実施例5と同様な操作を行い、厚み方向にコート斑の抑制されたコート反が得られた。評価結果を表3に示す。
【0075】
【比較例6】
ライン速度を変え、表2のように乾燥時間を変えた以外は全て実施例5と同様な操作を行い、厚み方向にコート斑の抑制されたコート反を得ることができたが、生産性が実施例5に対し、半分以下に低下した。
【0076】
【実施例8】
乾燥風速を表2のように変えた以外は、全て実施例1と同様な操作を行い、厚み方向にコート斑の抑制されたコート反を得た。評価結果を表3に示す。
【0077】
【実施例9】
乾燥風速を表2のように変えた以外は、全て実施例1と同様な操作を行い、厚み方向にコート斑の抑制されたコート反を得た。評価結果を表3に示す。
【0078】
【比較例7】
乾燥風速を表2のように変更した以外は、全て実施例5と同様な操作でコーティングを行ったが、表3に示すように厚み方向のコート斑が大きくなり、血小板通過率が低くなった。
【0079】
【比較例8】
乾燥風速を表2のように変更した以外は、全て実施例5と同様な操作でコーティングを行ったが、乾燥風速が低いために充分に乾燥されなかったので、血液評価を行わなかった。
【0080】
【実施例10】
コート剤を表1の2に示すポリマーに変更した以外は、全て実施例1と同様な操作を行い、厚み方向にコート斑の抑制されたコート反を得た。評価結果を表3に示す。
【0081】
【実施例11】
白血球と血小板を除去するために、表1の3に示すようなポリマーを用い、コート濃度を表2に示す濃度で行った以外は、全て実施例1と同様な操作を行い、厚み方向にコート斑の抑制されたコート反を得た。評価結果を表3に示す。
【0082】
【発明の効果】
本発明の方法を用いることにより、効果的に白血球除去フィルターを製造することができ、得られた白血球除去フィルター材の厚み方向コート斑を抑制することが可能であることから、白血球除去能力の高い、ポリマーの種類によっては血小板通過率の高い白血球除去フィルター材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の白血球選択除去フィルターを製造するために用いる製造装置の一例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 フィルター基材供給ロール
2 フィルター基材
3 ポリマー溶液コーティング槽
4 スクイズロール
5 ロール
6 乾燥室
7 熱風吹き出し口
8 排気口(乾燥室側面に設置)
9 巻取り用ロール
Claims (4)
- フィルター基材をアクリル酸エステル系、メタクリル酸エステル系の親水性ポリマー溶液に浸漬してコーティングする白血球除去フィルター材の製造方法において、該ポリマー溶液を構成する溶媒が、該ポリマーの均一溶液を作製可能な該ポリマーの貧溶媒と該貧溶媒以外の有機溶媒からなる混合溶媒であり、該混合溶媒の組成が、(貧溶媒)/(該貧溶媒以外の有機溶媒)=35/65〜65/35(重量比)の比率で混合されており、且つ、コーティング後に、温度80℃〜120℃、風速10m/s〜22m/sの熱風を当てて、0.5分間以上1.8分間以下の乾燥時間で乾燥することを特徴とする白血球除去フィルター材の製造方法。
- 貧溶媒が水であり、該貧溶媒以外の有機溶媒が、炭素数3以下のアルコールであることを特徴とする請求項1記載の白血球除去フィルター材の製造方法。
- 貧溶媒以外の有機溶媒がエタノールであることを特徴とする請求項1または2記載の白血球除去フィルター材の製造方法。
- (内部コート量)/(全コート量)比が、0.7〜1.0である請求項1乃至3のいずれかに記載の方法で製造された白血球除去フィルター材。
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