JP4283660B2 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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本発明は、外殻の一部を繊維強化樹脂で形成したヘッド本体を有するゴルフクラブヘッドに関する。
ヘッド本体に繊維強化樹脂(FRP)を用いた種々のゴルフクラブヘッドが開発されている。このようなゴルフクラブヘッドには、FRPの外殻構造からなるヘッド本体の外周表面に、メッキ、蒸着あるいは接着等により金属膜層を形成し、外殻の肉厚方向の質量の分布中心を外側に移行し、ヘッド本体の慣性モーメントを大きくすると共に、耐磨耗性を向上させたものがある(例えば特許文献1参照)。
また、所定形状に裁断した所要枚数の炭素繊維織布強化プリプレグをメス型の内面に積層し、最外層にチタンフィルムを配置し、この型を合わせて加熱する際、内部に配置した袋を介して空気で加圧して成型するヘッドが開発されている(例えば特許文献2参照)。この最外層に配置されるチタンフィルムは、ガラス繊維スクリムクロスにエポキシ樹脂を含浸したプリプレグと貼り合わされ、炭素繊維織布強化樹脂の耐磨耗性、耐衝撃性および意匠性を向上させている。
特開平8−187308号公報 特開2000−229135
しかし、FRPの外殻構造を有するヘッド本体の外周表面に金属膜層を形成したゴルフヘッドクラブは、FRPの外郭の表面に、単に層状に金属膜を被覆しただけであるため、この金属膜層が剥離し易い。また、金属膜層を単体で設けただけであるため、ヘッド本体の変形に対する強度の向上を図ることができない。
また、最外層にチタンフィルムを配置したゴルフクラブヘッドも、チタンエキスパンドメタルが層状に配置されるため、このチタンフィルムが剥離し易い。また、耐衝撃性および衝撃強度を向上させることは可能であるとしても、打球時のヘッド本体の変形に対する強度向上を図ることはできない。
このように、従来のゴルフクラブヘッドのいずれも、金属層を層状に積層したものであり、この金属層が剥離し易く、変形に対する強度向上を図ることはできず、したがって、繊維強化樹脂で形成したゴルフクラブヘッドの慣性モーメントの増大を図ると共に、強度向上を図ったゴルフクラブヘッドが望まれている。
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、外殻体の少なくとも一部を繊維強化樹脂で形成したヘッド本体を有するゴルフクラブヘッドの慣性モーメントの増大を図ると共に、強度向上を図ることのできるゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明によると、外殻の一部を繊維強化樹脂で形成したヘッド本体を有するゴルフクラブヘッドであって、前記ヘッド本体の外殻に形成された開口部と、この開口部に装着される繊維強化樹脂製のプレート部材とを備え、このプレート部材は、複数の繊維強化樹脂製薄肉層を積層して形成されかつ前記開口部の周部に沿う載置部に固定される本体層と、この本体層に積層された調整層とを有し、この調整層は、金属被覆繊維を有する強化繊維に樹脂を含浸して形成され、この調整層の金属被覆繊維を外部から視認可能とし、かつ、プレート部材の周縁形状を整えるときに、外側の調整層に達することなく本体層を研削することができる程度にこの本体層よりも僅かに小さな外形に形成されるゴルフクラブヘッドが提供される。
本発明のゴルフクラブヘッドによると、繊維強化樹脂製のプレート部材が、複数の繊維強化樹脂製薄肉層を積層してなる本体層に積層された調整層を有し、この調整層が、金属被覆繊維を有する強化繊維に樹脂を含浸して形成されることにより、この金属被覆繊維がゴルフクラブヘッドの慣性モーメントを増大すると共に、繊維強度を向上し、更に、繊維間に含浸した樹脂により剥離し難く、しかも、金属被覆繊維が金属外観を呈することができ、設計あるいはデザイン上の自由度を増大することができ、更に、調整層の外形が、開口部の周部に沿う載置部に固定される本体層よりも僅かに小さく形成されたことにより、プレート部材の周縁形状を整えるときに、外側の調整層まで達することなく本体層を研削することができ、外観が損なわれることを防止できる。
図1から図7は、本発明の好ましい実施形態によるゴルフクラブヘッド10を示す。
図1から図3に示すように、このゴルフクラブヘッド10は、チタン、チタン合金あるいはステンレス合金等の金属材から鋳造あるいは鍛造により中空の一体構造に形成されたヘッド本体12を備える。このヘッド本体12は、ボールを打球するフェース部14からバック部16を後方に突出させ、ヒール部18側のクラウン部20から、トウ部22とは反対側の後方に傾斜させた状態でシャフト8を突出させる構造を備えている。また、フェース14には、スコアライン14aの他にも、例えば石等の硬質の異物との衝突で僅かな凹み等が形成された場合であっても、このような凹みが目立たないように、微小な筋目状の溝あるいは突条を微小間隔で多数形成した粗面加工を施してもよい。符号24は、ソール部を示す。なお、ヘッド本体12は、このような一体構造に形成することに代え、各部を別部材で形成し、これらの複数の部材を互いに接合して形成してもよい。
シャフト8は、図3に明瞭に示すように、クラウン部20からソール部24までヒール部18側からトウ部22側にわずかに傾斜してヘッド本体12内に一体形成された筒状のシャフト止着部26で支えられている。このシャフト止着部26に、ステンレス等の金属あるいは繊維強化樹脂で形成したシャフト8の先端を挿入して接着することにより、シャフト8をクラブヘッド10に止着することができる。
このシャフト止着部26とシャフトとの間には、シャフト止着部26の中間位置から下方のソール部24まで延びる合成樹脂又は金属製のスペーサ28を介挿し、クラウン部20に近接する部位には、シャフト8とシャフト止着部26とで限定される間隙30を形成してある。これにより、シャフト8は、打球時に、この間隙30の寸法に対応した量だけシャフト止着部26内で撓むことができ、シャフト8の有効長さを実質的に延長したと同じ効果を得ることができる。このようにシャフト8の長さが実質的に延長されることにより、後述する低重心化したヘッド本体12と共に効率よく打球することができる。
このヘッド本体12のクラウン部20から突出するシャフト8の部分には、例えば比較的柔軟な樹脂材料で形成したソケット32を装着してある。このソケット32は、シャフト8の撓みを阻害することなく、シャフト8がヘッド本体12に接触して損傷するのを防止すると共に、間隙30内に異物が浸入するのを防止する。なお、図3には、シャフト止着部26をソール部24側で開口させた状態に示してあるが、このシャフト止着部26あるいはシャフト8の端部を、適宜の閉塞部材を用いて閉じておくことが好ましい。また、シャフト止着部26は、図3に示すようにその全長にわたってクラウン部20からソール部24まで連続した一体構造とすることは必ずしも必要なく、シャフト8をヘッド本体12に確実に止着することができるものであれば、その一部のみをヘッド本体12と一体構造に形成してもよい。また、このようなシャフト止着部26をヘッド本体12とは別部材で形成した後、ヘッド本体12に一体化することも可能である。
図4に示すように、このように形成したヘッド本体12は、そのクラウン部20に大きな開口部34を形成し、この開口部34の全周部に、後述するプレート部材40の周縁部を支える載置部36がヘッド本体12と一体構造に形成されている。この載置部36は、フェース部14およびシャフト止着部26に沿いかつクラウン部20の一部を形成する縁部38との間に、プレート部材40の厚さにほぼ等しい段差を形成し、プレート部材40を載置したときに、このプレート部材40と縁部38との間に段部が形成されることなく、滑らかな連続した表面を形成する。
また、載置部36は、図2および図3に示すように、縁部38に隣接する部分を除き、ヘッド本体12のヒール部18側、バック部16側およびトウ部22側で、クラウン部20とソール部24との間に延在する周壁部から折り返した状態に連続し、したがってこれらの周壁部との間に段差は形成してない。この載置部36により、クラウン部20を大きく開口させても、ヘッド本体12の充分な剛性を維持することができる。
このような載置部36とフェース部14との間に配置される縁部38は、シャフト止着部26の近部からトウ部22側まで、フェース部14の上縁部に沿ってほぼ等しい幅寸法に形成してあり、打球の際に、フェース部14を確実に支える。一方、打球時にフェース部14を支え、ボールから受ける力をヘッド本体12からシャフト8に伝達することができるものであれば、縁部38図示のような幅狭の帯状形状に形成することに代え、適宜の幅および形状に形成することができる。例えば、このような縁部38を開口部34の全周にわたって形成してもよい。
そして、縁部38と共にクラウン部20の外殻を形成するプレート部材40は、載置部36で支えられ、例えば接着剤で載置部36に接着され、開口部34を閉じる。このプレート部材40を接着する場合は、収縮率が0.1以下、線膨張率が90(cm/cm/℃)以下、硬さが75(ショアーD)以上の接着剤を用いることが好ましい。収縮率がこのような小さいな接着剤を用いることで、プレート部材40とヘッド本体12との間の僅かな隙間に充填された接着剤が硬化する際に凹みを形成することを防止できる。また、線膨張率がこのように小さな接着剤を用いることにより、プレート部材40とヘッド本体12との間の接着剤層の体積変化に起因するプレート部材40の高さの変化が抑制され、プレート部材40とヘッド本体12との間に段差を生じ難くすることができる。特に、プレート部材40が後述するようにガラス繊維強化樹脂製の層を含む場合は、その線膨張率が大きいことから、その板厚方向すなわち厚みの変化が生じ易いため、接着剤の体積変化を少なくすることが有益である。そして、硬さが上述の値以上の接着剤を用いることにより、接着硬化後のプレート部材40とヘッド本体12との境界部の研磨工程で、硬さ不足に起因する境界部の削れによる凹みの発生を防止し、この境界部を滑らかに仕上げることができる。なお、接着剤の硬さは、硬度の大きいヘッド本体12とこれよりも小さいプレート部材40との間の大きさとすることにより、ゴルフクラブヘッド10の表面を滑らかに仕上げやすくなる。
好ましい接着剤としては、ITWインダストリー株式会社から金属補修剤として市販されている「デブコンシリーズ」、特に「デブコンF」の商品名で市販されているものが好ましい。この商品は、収縮率0.08%、線膨張係数50x10−6(cm/cm/℃)、硬さ85(ショアーD)である。
このプレート部材40は、載置部36の外縁部に沿う外形形状を有し、中央部を外周部よりも僅かに上方に突出させて全体的に湾曲した形状に、予め形成される。本実施形態では、プレート部材40は、フェース部14側に位置する直線状の前縁部42と、この前縁部42から角度をなしてバック部16側に延び、ヒール部18側に位置する短縁部44と、この短縁部44からバック部16側を介してトウ部22側まで大きく後方に湾曲して延びる湾曲縁部46とを有する。このプレート部材40を載置部36に載置し、前縁部42と短縁部44とを縁部38の対向する縁部に付き当てると、湾曲縁部46は、ヘッド本体12の側壁部と整合し(図2および図3参照)、バック部16側およびトウ部22側でクラウン部20の外形形状を形成する。また、縁部38とプレート部材40とのそれぞれの表面が同一面内に配置される。これにより、クラウン部20の全体が縁部38とプレート部材40とで滑らかな曲面状に形成される。
このようなプレート部材40は、ヘッド本体12の金属材よりも比強度の大きな繊維強化樹脂で積層構造に形成してあり、クラウン部20を軽量化し、このゴルフクラブヘッド10の低重心化を図っている。
図5から図7に示すように、本実施形態のプレート部材40は、複数の繊維強化樹脂製薄肉層48a,48b,50a,50bを積層して形成した本体層52を有する。これらの薄肉層48a,48b,50a,50bは、強化繊維に合成樹脂を含浸させたプリプレグシートを積層し、加熱成形することで、形成される。このようなプリプレグシートは、強化繊維として繊維方向を一定方向に引き揃えた炭素繊維を用い、強化繊維に含浸する樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を用いるのが好ましく、ポリアミド等の熱可塑性樹脂を混在させてもよい。
このようなプリプレグシートの繊維方向の相違に起因する熱硬化時の変形を防止するため、本実施形態の本体層52は、本体層52の厚さ方向の中央を通りかつ本体層52と平行に延びる中央面Cを仮想したときに、この中央面Cに対し、外側と内側とで、各プリプレグシートの繊維方向が互いに対称的な方向に延在するように配置してある。具体的には、中央面Cを中心として、この中央面Cに近接する中央寄りの2つの薄肉層48a,48bの繊維方向を、フェース部14の中心を通るトウ・ヒール方向の接線あるいは前縁部42に対して、+45°に配置し、これに隣接する2つの薄肉層50a,50bを前縁部42に対して−45°に配置してある。すなわち、中央面Cを挟んで対応した位置の薄肉層48a,48b、および、薄肉層50a,50bがそれぞれ強化繊維の配向方向を同じ方向に揃えて配置し、中央面Cよりも外層側で隣接する薄肉層48a,50aの強化繊維は互いに直交する方向に配向してある。同様に、中央面Cの内層側でも、互いに隣接する薄肉層48b,50bの強化繊維も互いに直交する方向に延びる。したがって、中央面Cを挟んで、この外層である2つの薄肉層48a,50aと、内層である2つの薄肉層48b,50bとのそれぞれの強化繊維が対称方向に配向される。
なお、繊維の配向方向は、上述とは逆に中央面Cに近接する薄肉層48a,48bの繊維方向を−45°とし、これに隣接する薄肉層50a,50bの繊維方向を+45°としてもよい。また、繊維方向を上記のように+45°と−45°とに配向することに代え、0°と90°とに配向させる等、熱成形の際の変形を防止できるものであれば、他の角度の組合せを採用してもよい。
この本体層52の外層側すなわちクラウン部20の表面側には、金属被覆繊維を有する強化繊維に無色透明あるいは有色透明の透明性を有する樹脂を含浸して形成された調整層54を配置してある。この調整層54の外形は、本体層52よりも僅かに小さく形成するのが好ましい。本体層52の周縁部が調整層54の周縁部よりも突出することにより、載置部36に貼付けたプレート部材40の周縁を研削して形状を整える際、僅かに外形を小さく形成された調整層54までは達しない。これは、調整層54が後述するように樹脂を含浸した織布シート56で形成されるため、このような織布シート56に含みやすいボイドが、織布シートを研削することで表面に表れて外観を損なうのを防止する。
図6および図7に拡大して示すように、調整層54を形成する織布シート56は、強化繊維として、経方向繊維束56aと緯方向繊維束56bとをこれらの繊維束の巾ピッチで織り込んで形成した織布状に形成し、樹脂をこの強化繊維に含浸して形成してある。織布シート56の強化繊維を繊維束の巾ピッチで織り込むことにより、成形時のずれがなく、規則正しい織り目模様を形成する。また、各繊維束が互いに直交する方向に配向されるため、線膨張率の差に基づく変形、すなわち繊維方向に応じて変形量が相違することで織布シート56が成型時に変形するのを抑制する。なお、この織布シート56を本体層52に積層する際は、縦方向繊維束56aおよび緯方向繊維束56bのそれぞれを、隣接する薄肉層50aの繊維方向と異なる方向に配向し、本体層52の繊維が剥離するのを防止することが好ましい。ただし、剛性を重視する場合においては、隣接する薄肉層と同一方向に配向しても良い。
この織布シート56の経方向繊維束56aと緯方向繊維束56bとのそれぞれは、金属を被覆した繊維58を複数本まとめ、厚さが幅よりも小さい帯状に形成してある。金属被覆繊維58は、炭素繊維あるいはガラス繊維に、金属メッキあるいは金属を蒸着して形成することができる。この被覆金属は、ニッケルあるいはクロム等の繊維よりも比重の大きい金属を用いる。
強化繊維58の一本ずつにメッキを施すと、含浸する樹脂がそれぞれの強化繊維間に回り込んで密着性が向上し、更に、繰返し変形しても剥離し難くなる。また、一本ずつにメッキを施した強化繊維58を帯状の繊維束56a,56bに形成し、これらの繊維束56a,56bを織布状に織り込むことにより、強化繊維58間の密着性が極めて高くなる。
この織布シート56は、強化繊維58が互いに直交する方向に配向されていることにより、加熱成型する際、特にこの織布シート56の面に沿う変形を抑制することができ、熱変形の少ない本体層52と共に、加熱成型時及び冷却時の変形を抑制し、所要の形状および寸法の高精度のプレート部材40を形成することができる。
したがって、このゴルフクラブヘッド10は、プレート部材40をヘッド本体12の金属製部分とは別部材として、しかも変形の少ない高精度の形状および寸法に形成し、ヘッド本体12の高精度の金属製部分に形成される載置部36に、このプレート部材40を接着材等で固着することで、プレート部材40を極めて高い強度で接合し、このヘッド本体12の外殻の一部をプレート部材40で形成することができる。また、プレート部材40をヘッド本体12に取付ける際、プレート部材40の前縁部42および短縁部44をヘッド本体12の縁部38に沿わせることで簡単に位置決めすることができる。
そして、湾曲縁部46がバック部16側およびトウ部22側でヘッド本体12の側壁部に滑らかに移行することにより、剥離を生じさせる段差部を形成することなく、クラウン部20の表面を滑らかな曲面状に形成する。このプレート部材40の調整層54は、本体層52の強化繊維を外力による損傷から保護すると共に、最も外層側あるいは表層近くの調整層54を形成する樹脂シート56が、強化繊維58に被覆した金属により、重量化するため、繊維強化樹脂製のプレート部材40により軽量化を図りつつ、ゴルフクラブヘッド10の慣性モーメントを増大することができる。しかも、被覆した金属により強化繊維の強度が向上すると共に、強化繊維に含浸させた樹脂は、繊維を確実に保持し、本体層52から剥離し難くする。この樹脂が透明であることにより、金属色あるいは金属光沢を呈する強化繊維58が、織目模様等の優れた金属外観を呈することにより、ゴルフクラブヘッド10の設計あるいはデザイン上の自由度を増大することができる。更に、プレート部材40が繊維強化樹脂であるため、軽量化による低重心化を図りつつ慣性モーメントを増大することができるため、クラウン部20の剛性設計の自由度が高くなるため、フェース部14の反発力や、ボールのスピン量、ボールの打出し角を従来以上に調整でき、ボールの飛距離を増大することができる。
なお、プレート部材40の調整層54を形成する織布シートは、上述の配置に限らず、様々に変形することができ、図8および図9は、このようなプレート部材の変形例を示す。図中、上述の部位と同様な部位にはこれと同様な符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図8に示す織布シート56Aは、経方向および緯方向の各繊維束56a,56bを、金属で被覆した繊維58と金属を被覆してない炭素繊維60とを並べて形成してある。金属を被覆した繊維58よりも、金属を被覆してない炭素繊維60を多く配置することにより、炭素繊維60が調整層54の比強度を向上し、これにより、プレート部材40を打球時に大きく湾曲化することができる。金属被覆は、炭素繊維に施してもよいが、ガラス繊維に施すことが好ましい。これは、ガラス繊維の方が比重が重く、慣性モーメントの増大に効果が大きいからである。また、ガラス繊維は透明であることから、ヘッド製造工程において切削されても、黒色の炭素繊維のように金属色が暗くなりにくい利点がある。
なお、経方向および緯方向の各繊維束56a,56bを同様に形成することに代え、一方に金属被覆繊維58の繊維束を配置し、他方に金属を被覆してない例えば炭素繊維60の繊維束を配置してもよい。また、同じ繊維束中にそれぞれ色彩の異なる金属で被覆した繊維を混在させてもよく、更に、経方向および緯方向の2方向だけでなく、斜め方向も加えた3方向以上の織目模様を形成することも可能である。
いずれの場合も、織布シート56,56Aの外側に、ガラス繊維を例えば0°および90°の2つの直交方向に配向して格子状あるいは織布状に形成した強化繊維に、樹脂を含浸したガラスプリプレグ(図示しない)を積層してこの本体層52および織布シート56,56Aと共に加熱成形して形成してもよい。このガラスプリプレグは、+45°と−45°との2つの方向に配向した格子状あるいは織布状ものでもよい。また、このようなガラスプリプレグに代え、プレート部材40の表面にクリア塗装を施してもよい。これにより、調整層54の外観を長期間にわたって維持することができる。また、このガラスプリプレグ層やクリア塗装層を滑らかに研磨すると更に美しい外観を提供できる。
なお、本体層52は、4つの薄肉層48a,48b,50a,50bで形成することに代え、1つあるいは奇数の薄肉層から形成してもよく、この場合には、中央面Cは、本体層52の厚さ方向の中央部を通る薄肉層内に形成される。また、各薄肉層の厚さを変更することも可能であるが、この場合も、中央面Cを中心として対称に形成することが好ましい。
本発明の好ましい実施形態によるゴルフクラブヘッドの斜視図。 図1のII−II線方向に沿う断面図。 図2のIII−III線方向の沿う断面図。 図1のゴルフクラブヘッドの分解斜視図。 図4に示すプレート部材の積層構造を示す説明図。 図4に示すプレート部材の部分拡大図。 図4に示すプレート部材の拡大断面図。 変形例によるプレート部材の部分拡大図。 図8に示すプレート部材の拡大断面図。
符号の説明
10…ゴルフクラブヘッド、12…ヘッド本体、34…開口部、40…プレート部材、52…本体層、54…調整層、56…織布シート、58…金属被覆繊維。

Claims (5)

  1. 外殻の一部を繊維強化樹脂で形成したヘッド本体を有するゴルフクラブヘッドであって、
    前記ヘッド本体の外殻に形成された開口部と、この開口部に装着される繊維強化樹脂製のプレート部材とを備え、このプレート部材は、複数の繊維強化樹脂製薄肉層を積層して形成されかつ前記開口部の周部に沿う載置部に固定される本体層と、この本体層に積層された調整層とを有し、この調整層は、金属被覆繊維を有する強化繊維に樹脂を含浸して形成され、この調整層の金属被覆繊維を外部から視認可能とし、かつ、プレート部材の周縁形状を整えるときに、外側の調整層に達することなく本体層を研削することができる程度にこの本体層よりも僅かに小さな外形に形成されることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 前記強化繊維は、経方向繊維と緯方向繊維とを有する織布状に形成される請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 経方向繊維と緯方向繊維との少なくとも一方が、金属被覆繊維と金属を被覆してない繊維とからなる強化繊維束を有する請求項2に記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記金属被覆繊維は、ガラス繊維に金属を被覆して形成される請求項1から3のいずれか1つに記載のゴルフクラブヘッド。
  5. 前記強化繊維は、金属被覆繊維よりも、金属を被覆してない繊維を多く有し、打球時の衝撃で前記プレート部材を湾曲可能とした請求項1から4のいずれか1つに記載のゴルフクラブヘッド。
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