JP4283556B2 - エンジンの触媒劣化診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの排気系に設けられた触媒の劣化を診断する装置に係り、特に、複数の気筒をグループに分割し、分割されたグループ毎に独立して設けられた排気系が下流で合流しており、排気系が合流する合流位置よりも上流において排気系毎に設けられた触媒の劣化を診断する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、触媒の上流と下流とに空燃比センサを設け、両空燃比センサの出力により空燃比を制御する技術が提案されている。この空燃比制御では、これらの空燃比センサの検出値に基づき、空燃比が所定の値(ストイキ(理論空燃比))に近づくように、エンジンの燃料噴射量が制御される。しかしながら、空燃比制御を正確に行ったとしても、触媒自体の性能劣化に伴い、排気ガス中の有害成分の除去率が経時的に低下していく。そのため、これらの空燃比センサの出力に基づいて触媒の劣化を診断する技術が、例えば、特許文献1〜3に開示されている。
【0003】
本出願人によって既に提案された特許文献1では、まず、触媒の上流に設けられた空燃比センサの出力電圧の変化量(絶対値)が所定時間毎に算出され、この変化量が積算される。また、触媒の下流に設けられた空燃比センサの出力電圧の変化量(絶対値)が所定時間毎に算出され、この変化量が積算される。そして、これらの積算値の比が所定のしきい値と比較され、触媒が劣化しているか否かが診断される。また、特許文献2では、触媒の上流側と下流側とにそれぞれ酸素センサを設け、両酸素センサの出力反転周期の比となる出力反転回数比を判定しきい値と比較することにより、触媒が劣化しているか否かを判定する手法が提案されている。さらに、特許文献3では、各バンクからの排気が合流して触媒に導入される内燃機関において、バンク毎に設けられた酸素センサの出力の反転回数、および、触媒下流に設けられた酸素センサの出力の反転回数がそれぞれ計測される。そして、これらの判定回数に基づいて、触媒劣化の判定が行われる。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−331627号公報
【特許文献2】
特開平10−212935号公報
【特許文献3】
特開平7−71231号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
とこで、V型エンジンや水平対向式エンジンでは、その構成上、エンジンの気筒が複数のグループに分割され、グループ毎に独立した排気系が設けられている。このタイプのエンジンでは、排ガス中の有害成分除去をより効果的に行うため、排気系毎に触媒を設け、これらの触媒に関して各々空燃比制御を行うものがある。しかしながら、触媒毎に独立して空燃比制御を行うと、診断対象となる触媒が複数存在するため、従来の手法のままでは診断を有効に行うことができない可能性がある。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、触媒の劣化を診断する新規な手法を提供することである。
【0007】
また、本発明の別の目的は、気筒のグループ毎に独立した排気系を有するエンジンにおいて、それぞれの排気系に設けられた触媒の劣化を診断することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、第1の発明は、複数の気筒をグループに分割し、分割されたグループ毎に独立して設けられた排気系のそれぞれが下流で合流しており、排気系のそれぞれが合流する合流位置よりも上流において排気系毎に設けられた触媒の劣化を診断するエンジンの触媒劣化診断装置を提供する。この装置は、第1のフロント空燃比センサ、第1のリア空燃比センサ、第2のフロント空燃比センサ、第2のリア空燃比センサ、演算部および診断部を有する。第1のフロント空燃比センサは、第1の排気系において、第1の触媒よりも上流に設けられている。第2のリア空燃比センサは、第1の排気系において、第1の触媒よりも下流で、かつ、合流位置よりも上流に設けられている。第2のフロント空燃比センサは、第1の排気系とは別個の第2の排気系において、第2の触媒よりも上流に設けられている。第2のリア空燃比センサは、第2の排気系において、第2の触媒よりも下流で、かつ、合流位置よりも上流に設けられている。演算部は、第1のフロント空燃比センサの検出値と、第1のリア空燃比センサの検出値とに基づき、第1の触媒に関する第1の診断値を算出するとともに、第2のフロント空燃比センサの検出値と、第2のリア空燃比センサの検出値とに基づき、第2の触媒に関する第2の診断値を算出する。診断部は、第1の触媒と第2の触媒とを別個の診断対象として、この診断対象となる触媒に関する診断値に基づき、診断対象となる触媒が劣化しているか否かを診断する。それとともに、第1の触媒と第2の触媒とを含む触媒群を診断対象として、少なくとも第1の診断値と第2の診断値とを用いて算出される第3の診断値に基づき、触媒群が劣化しているか否が診断される。
【0009】
ここで、第1の発明において、診断部は、第1の触媒と第2の触媒とを別個の診断対象とした診断において、第1の触媒および第2の触媒が劣化していないと診断した場合に、第1の触媒と第2の触媒とを含む触媒群を診断対象とした診断を行うことが好ましい。あるいは、診断部は、第1の触媒と第2の触媒とを含む触媒群を診断対象とした診断において、この触媒群が劣化していないと診断した場合に、第1の触媒と第2の触媒とを別個の診断対象とした診断を行ってもよい。
【0010】
また、第1の発明において、演算部は、第1のフロント空燃比センサの検出値の変化量を所定時間毎に積算した第1の積算値を算出し、かつ、第1のリア空燃比センサの検出値の変化量を所定時間毎に積算した第2の積算値を算出することにより、第1の積算値と第2の積算値との比を上記第1の診断値として算出することが好ましい。それとともに、第2のフロント空燃比センサの検出値の変化量を所定時間毎に積算した第3の積算値を算出し、かつ、第2のリア空燃比センサの検出値の変化量を所定時間毎に積算した第4の積算値を算出することにより、第3の積算値と第4の積算値との比を第2の診断値として算出することが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本実施形態の一例である四気筒の水平対向式エンジンの全体構成図である。同図には明記されていないが、このエンジン1の気筒#1〜#4のうち、気筒#1,#3は左バンクに配置され、気筒#2,#4は右バンクに配置されている。エンジン1の各吸気ポートには吸気バルブ2が設けられている。これらの吸気ポートのうち、左バンク側(気筒#1,#3)の吸気ポートはインテークマニホールド3aに連通し、右バンク側(気筒#2,#4)の吸気ポートは左バンク側のそれとは独立したインテークマニホールド3bに連通している。一方、エンジン1の各排気ポートには排気バルブ4が設けられている。これらの排気ポートのうち、左バンク側の排気ポートはエキゾーストマニホールド5aに連通し、右バンク側の排気ポートは左バンク側のそれとは独立したエキゾーストマニホールド5bに連通している。また、シリンダヘッドにおいて各気筒#1〜#4の燃焼室の中央には、混合気を着火する点火プラグ6が設けられている。そして、各燃焼室における吸気バルブ2の近傍には、燃焼室内に燃料(ガソリン)を噴射するインジェクタ7が設けられている。
【0012】
吸気通路に設けられたエアクリーナ8は、インテークマニホールド3a,3bに連通したエアチャンバ9に接続されている。エアクリーナ8とエアチャンバ9との間には、吸入空気量を調整する電動スロットルバルブ10が介装されている。このスロットルバルブ10は、電動モータ11によって動作し、アクセルペダル(図示せず)と機械的にリンクした構造とはなっていない。スロットルバルブ10の開度(スロットル開度)は、マイクロコンピュータを中心として構成される制御装置12(以下、「ECU」という)からの出力信号によって設定される。
【0013】
左バンク側の排気系であるエキゾーストマニホールド5aは、メイン触媒13aに連通している。一方、右バンク側の排気系であるエキゾーストマニホールド5bは、左バンク側のそれとは別個のメイン触媒13bに連通している。これらのメイン触媒13a,13bの下流側の排気通路は合流しており、その合流位置よりも下流にはサブ触媒14が設けられている。そして、それぞれ独立した排気系から排出される排気ガスは、一方のメイン触媒13a(または13b)とサブ触媒14とにおいて浄化され、マフラーを経て排出される。
【0014】
ECU12は、ROMに記憶された制御プログラムに従い、燃料噴射量、点火時期、スロットル開度等に関する演算を行う。そして、ECU12は、この演算によって算出された制御量(制御信号)を各種アクチュエータに対して出力する。ECU12には、エンジン1等の運転状態を検出するために、センサ20〜25を含む各種センサからのセンサ信号が入力されている。吸入空気量センサ20は、エアクリーナ8の直下流に設けられており、吸入空気量Qを検出するホットワイヤ式またはホットフィルム式のセンサである。スロットル開度センサ21はスロットル開度θtを検出し、車速センサ22は車速vを検出する。エンジン回転数センサ23は、エンジン回転数Neを検出するセンサであり、例えば、エンジン1のクランクシャフトと一体的に回転するクランクロータの外周近傍に配置されたクランク角センサを用いることができる。空燃比センサ24a,24b,25a,25bは、排ガス中の酸素濃度を検出するセンサであり、個々のメイン触媒13a,13bにおける直上流と直下流とにそれぞれ設けられている。具体的には、左バンク側のメイン触媒13aの直上流にはフロント空燃比センサ24a(以下、「FA/Fセンサ」という)が設けられており、この触媒13aの直下流で、かつ、排気通路の合流位置よりも上流にはリア空燃比センサ25a(以下、「RA/Fセンサ」という)が設けられている。一方、右バンク側のメイン触媒13bの直上流にはFA/Fセンサ24bが設けられており、この触媒13bの直下流で、かつ、排気通路の合流位置よりも上流にはRA/Fセンサ25bが設けられている。なお、これらのA/Fセンサ24a〜25bとしては、空燃比センサを用いることに限定されず、周知の酸素センサを用いることもできる。ただし、空燃比制御の観点から、広範囲の酸素濃度を検出する空燃比センサ(例えば、リニアO2センサ)を用いることが好ましい。
【0015】
図2は、ECU12の機能的なブロック構成図である。上記構造を有するエンジン1において、触媒の劣化を診断する場合、ECU12は、これを機能的に捉えると、判断部15と、演算部16と、診断部17とを有する。判断部15は、エンジン1の運転状態に基づいて診断条件が成立するか否かを判断する。この判断部15によって診断条件が成立したと判断されると、演算部16は、排気系毎に、触媒に関する診断値、すなわち、触媒の劣化の程度を示す値を算出する。具体的には、左バンク側の排気系に設けられたA/Fセンサ24a,25aの出力電圧(すなわち、検出値)FVa,RVaに基づき、左バンク側のメイン触媒13aに関する診断値VDIAaが算出される。また、右バンク側の排気系に設けられたA/Fセンサ24b,25bの検出値FVb,RVbに基づき、右バンク側のメイン触媒13bに関する診断値VDIAbが算出される。これらの診断値VDIAa,VDIAbは、後段の診断部17に対して出力される。この診断部17は、メイン触媒13aとメイン触媒13bを別個の診断対象として、第1の診断しきい値VDIAth1と、診断対象となるメイン触媒に関する診断値(診断値VDIAa、或いは診断値VDIAb)とを比較する。これにより、診断値VDIAaまたは診断値VDIAaに基づき、メイン触媒13a,13bが劣化しているか否かが個別に診断される。また、診断部17は、各排気系に設けられたメイン触媒13a,13bを含む触媒群を診断対象として、一方の触媒13aに関する診断値VDIAaと、他方の触媒に関する診断値VDIAbとを用いて、上記触媒群の劣化の度合いを示す診断値(本実施形態では、これらの診断値VDIAa,VDIAbの和)を算出し、算出された診断値と第2の診断しきい値VDIAth2とを比較する。これにより、診断値VDIAa,VDIAbの和に基づき、両メイン触媒13a,13bを含む触媒群、すなわち、排気系全体として捉えた場合にメイン触媒13a,13bが劣化しているか否かが診断される。なお、本実施形態では、劣化の進行度合いが最も大きい排気系の上流に位置するメイン触媒13a,13bのみを診断対象とし、各バンクの排気系が合流した後に設けられているサブ触媒14を診断対象から除外している。
【0016】
つぎに、本実施形態における触媒劣化診断の概略について説明する。図3は、A/Fセンサの出力電圧の一例を示す波形図である。ここでは、左バンク側を例に説明するが、右バンク側についても同様であるので、右バンク側については説明を省略する。同図に示すように、メイン触媒13aの上流に設けられるFA/Fセンサ24aの出力電圧(すなわち、検出値)FVa、または、この触媒13aの下流に設けられるRA/Fセンサ25aの検出値RVaには、リーン(検出値FVa(またはRVa)がスライスレベルよりも小さい状態)からリッチ(検出値FVa(またはRVa)がスライスレベルよりも大きい状態)への上昇変化と、リッチからリーンへの下降変化とがある。これらのセンサ24a,25aのうち、FA/Fセンサ24aの検出値FVaは、エンジン1の排気ガス中の酸素濃度に応じて変動する(同図(a))。一方、RA/Fセンサ25aの検出値RVaは、触媒13aの酸素(O2)ストレージ効果により排気ガス中の酸素濃度が低下するため、基本的に、FA/Fセンサ24aのリッチからリーンへの反転周期よりも、その反転周期が長くなる傾向がある(同図(b))。ところが、触媒13aの劣化が経時的に進行すると、O2ストレージ効果も低下するため、RA/Fセンサ25aの検出値RVaは、位相遅れがあるもののFA/Fセンサ24aの出力波形に近似していく。すなわち、触媒13aが劣化した場合、RA/Fセンサ25aのリッチからリーンへの反転周期は、触媒13aが新品の状態に比べて短くなる(同図(c))。
【0017】
図4は、A/Fセンサの検出値の一例を示す波形図である。FA/Fセンサ24aに関して、所定時間毎(例えば、50msec毎)に、前回(すなわち、50msec前)の検出値FVan-1と、現在の検出値FVanとの変化量FDVa(絶対値)が算出され、算出された値が積算される。また、RA/Fセンサ25aに関して、前回の検出値RVan-1と、現在の検出値RVanとの変化量RDV(絶対値)が算出され、算出された値が積算される。そして、FA/Fセンサ24aの変化量FDVaの積算値に対するRA/Fセンサ25aの変化量RDVaの積算値の比(RA/Fセンサの積算値/FA/Fセンサの積算値)が算出される。このとき、メイン触媒13aの劣化にともない(例えば、RA/Fセンサ25aの検出値RVaが図3(b)の状態から図3(c)の状態になるに従い)、この積算値の比が大きくなっていく。したがって、この積算値の比をメイン触媒13aの劣化の程度を示す値として考えることで、この触媒13aの劣化を捉えることが可能となる。
【0018】
このような概念をふまえた上で、以下、本実施形態にかかる触媒劣化診断のシステム処理について説明する。図5は、本実施形態にかかる触媒劣化診断処理のフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、イグニッションスイッチ(図示せず)がONされることによりECU12に電源が投入され、システムがイニシャライズ(バックアップRAMに格納されたトラブルデータおよびフラグFa1,Fa2を除く、各フラグ、カウンタ等の初期化)された後、所定間隔(例えば、50msec)毎に呼び出され、ECU12によって実行される。本実施形態では、エンジン1が始動してからイグニッションスイッチがOFFされることによりエンジン1が停止するまでの間、すなわち、1運転サイクルにおいて、触媒異常という診断結果が1回得られた時点で、この運転サイクルにおける診断が終了する。そして、例えば、2運転サイクル連続して、触媒異常という診断結果が得られた場合に、触媒が劣化していると確定される。
【0019】
まず、ステップ1において、診断終了フラグFendが「1」であるか否かが判定される。診断終了フラグFendは初期的には「0」に設定されており、「1」は、1運転サイクル中において、メイン触媒13a,13bが既に触媒異常と判定されていることを意味する。そのため、あるタイミングで診断終了フラグFendが「0」から「1」に一旦変更されると、それ以降は運転サイクルが継続する限り、ステップ1の肯定判定に従い、ステップ4の劣化診断がスキップすることになる。一方、ステップ1で否定判定された場合、すなわち、1運転サイクルにおいて未だ触媒異常と判定されていない場合には、ステップ2に進む。
【0020】
ステップ2において、判断部15は、入力された各センサ類の検出値に基づき、劣化診断を行うのに適した運転状態を規定する診断許可条件が成立するか否かを判断する。この診断許可条件としては、運転状態を検出する各センサ類の検出値が正常であるか、FA/Fセンサ24a,24bおよびRA/Fセンサ25a,25bが活性状態(安定状態)であるかといったことが挙げられる。また、この診断許可条件としては、さらに、空燃比制御中であるか、基本燃料噴射量を定める基本燃料噴射パルス幅Tp(=K×Q/NE;Kはインジェクタ特性補正定数、Qは吸入空気量)、スロットル開度θtおよび車速v等が予め設定された範囲内にあるかといったことが挙げられる。このような診断許可条件を設ける理由は、劣化診断の誤判定を防止するためである。例えば、センサ類の検出値が異常であるにも拘わらず、劣化診断を実行してしまうと、不適切な運転状態でそれが実行されてしまうケースが生じるため、誤判定が生じ得る。また、FA/Fセンサ24a,24b、RA/Fセンサ25a,25bが非活性であるにも拘わらず、劣化診断を実行してしまうと、これらのセンサ24a〜25bから正確な検出値が得られないため、誤診断が生じ得る。また、空燃比制御外、すなわち、空燃比オープンループ制御時に劣化診断を実行してしまうと、空燃比がストイキ外のリッチまたはリーンに制御されているケースで誤判定が生じ得る。さらに、エンジン運転状態が高負荷高回転領域にある場合に劣化診断を実行してしまうと、空燃比がリッチ制御されているため、誤判定が生じ得る。そこで、これらのケースでの診断実行を回避すべく、ステップ4の劣化診断に先立ち、ステップ2の判断が設けられている。ステップ2において肯定判定された場合(診断許可条件の成立時)、続くステップ3に進む。一方、このステップ2において否定判定された場合(診断許可条件の非成立時)、ステップ3,4をスキップしてステップ5へ進む。この場合は、後述するように、カウンタCT、各積算値FADVa,RADVa,FADVb,RADVb、初回判別フラグFiniをすべて「0」にリセットした上で(ステップ5〜8)、本ルーチンを抜ける。
【0021】
つぎに、ステップ3において、判断部15は、入力された各種センサの検出値に基づき、診断中止条件が成立するか否かを判断する。この診断中止条件としては、基本燃料噴射パルス幅Tpの変化量、或いはスロットル開度θtの変化量が予め定められた設定値を越えていないかといったことが挙げられる。これらの診断中止条件により、エンジン過渡運転時や、診断中の失火が判断される。加減速等のエンジン過渡運転時には、空燃比がリッチシフト或いはリーンシフトしており、メイン触媒13a,13bの診断を正常に行うことができない。また、失火時には、オーバリーンによってA/Fセンサ24a〜25bの検出値が異常値を示すため、メイン触媒13a,13bの診断を正常に行うことができない。そこで、これらのケースでの診断実行を回避すべく、ステップ4の劣化診断に先立ち、ステップ3の判断が設けられている。ステップ3において否定判定された場合(診断中止条件の非成立時)、続くステップ4に進む。一方、このステップ3において肯定判定された場合(診断中止条件の成立時)、ステップ4をスキップしてステップ5に進む。
【0022】
図6および図7は、ステップ4に関する詳細な手順を示すフローチャートである。まず、図6に示すステップ40において、演算部16は、メイン触媒13aの診断用センサである、FA/Fセンサ24aの検出値FVan(フロント酸素濃度)と、RA/Fセンサ25aの検出値RVan(リア酸素濃度)とを読み込む。それとともに、演算部16は、メイン触媒13bの診断用センサである、FA/Fセンサ24bの検出値FVbnと、RA/Fセンサ25bの検出値RVbnを読み込む。4つのセンサ24a〜25bの検出値の読み込みが終了すると、ステップ41において、診断時間を示すカウンタCTの値がインクリメントされる。
【0023】
ステップ42において、初回判別フラグFiniが「1」であるか否かが判定される。この初回判別フラグFiniは、センサ24a〜25bからの時系列的な読み込みにおいて、今回の読み込みが初回であるか否かを判別するフラグであり、以下の3つのケースにおいて「0」に設定される。
(ケース1)本ルーチンの初回実行時
(ケース2)ステップ2で否定判定された直後のルーチンの実行時
(ケース3)ステップ3で肯定判定された直後のルーチンの実行時
【0024】
これらのケースでは、各A/Fセンサ24a〜25bの検出値に関して、前回の値が存在しないので、ステップ44,46における演算を行うことができない。そこで、初回判別フラグFiniが「0」の場合には、今回のサイクルにおける以降の処理をスキップして次回(すなわち、50msec後)の処理に備えるべく、ステップ43に進む。そして、ステップ43において初回判別フラグFiniが「1」にセットされた後、本ルーチンを抜ける。一方、このステップ42で肯定判定された場合、すなわち、前回の処理において各A/Fセンサ24a〜25bの検出値が読み込まれている場合には、ステップ44に進む。
【0025】
ステップ44において、演算部16は、左バンク側のFA/Fセンサ24aの検出値の変化量FDVaとして、今回読み込まれた検出値FVanと、前回読み込まれた検出値FVan-1との差の絶対値を算出する。同様に、演算部16は、左バンク側のRA/Fセンサ25aについて、今回読み込まれた検出値RVanと、前回読み込まれた検出値RVan-1とに基づき、変化量RDVaを算出する。
【0026】
そして、ステップ45において、FA/Fセンサ24aに関する変化量FDVaの積算値FADVa(初期値「0」)に、ステップ44で算出された変化量FDVaを加算することにより、積算値FADVaが更新される。同様に、RA/Fセンサ25aに関する変化量RDVaの積算値RADVa(初期値「0」)に、ステップ44で算出された変化量RDVaを加算することにより、積算値RADVaが更新される。
【0027】
つぎに、ステップ46では、ステップ44に示す処理と同様に、右バンク側のFA/Fセンサ24bの検出値の変化量FDVbが算出されるととともに、右バンク側のRA/Fセンサ25bの検出値の変化量RDVbが算出される。そして、ステップ47において、これらの算出された変化量FDVb,RDVbを用いて、各A/Fセンサ24b,25bの変化量FDVb,RDVbの積算値FADVb、RADVbが更新される。
【0028】
図7に示すステップ48において、カウンタCTの値が所定の判定カウント値CTthに到達したか否か判断される。メイン触媒13a,13bの劣化状態がRA/Fセンサ25a,25b側の積算値RADVa,RADVbに反映されるにはある程度の時間が必要とされる。そのため、この判定カウント値CTthは、メイン触媒13a,13bの劣化状態が積算値RADVa,RADVbに十分反映されるような時間として設定されており、この時間は実験やシミュレーション等を通じて決定される。カウンタCTの値が判定カウント値CTthに到達するまでは(CT<CTth)、ステップ48の肯定判定より、ステップ49以降に進むことなく本ルーチンを抜ける。そして、これが判定カウント値CTthに到達すると(CT=CTth)、ステップ48の判定結果が肯定から否定へと切り替わるため、続くステップ49に進む。
【0029】
ステップ49では、左バンク側のメイン触媒13aに関する診断値VDIAaが、ステップ45において算出された積算値FADVaと積算値RADVaとの比(RADVa/FADVa)として算出される。また、右バンク側のメイン触媒13bに関する診断値VDIAbが、ステップ47において算出された積算値FADVbと積算値RADVbとの比(RADVb/FADVb)として算出される。
【0030】
つぎに、ステップ50において、診断部17は、左バンク側のメイン触媒13aに関する診断値VDIAaと、第1の診断しきい値VDIAth1とを比較する。この第1の診断しきい値VDIAth1は、触媒単体を診断対象とした場合に、この触媒が劣化したとみなし得る診断値VDIAaの最大値として、実験やシミュレーション等を通じて決定されている。そのため、VDIAa≧VDIAth1の場合には、メイン触媒13aが劣化していると判断し、ステップ50からステップ53に進む。一方、VDIAa<VDIAth1の場合には、このメイン触媒13aが劣化していないと判断し、ステップ50からステップ51に進む。
【0031】
ステップ51において、右バンク側のメイン触媒13bに関する診断値VDIAbと、第1の診断しきい値VDIAth1とが比較される。そして、VDIAb≧VDIAth1の場合には、メイン触媒13bが劣化していると判断し、ステップ51からステップ53に進む。一方、VDIAb<VDIAth1の場合には、メイン触媒13bが劣化していないと判断し、ステップ51からステップ52に進む。なお、この第1の診断しきい値VDIAth1は、ステップ50のそれと同様の値を用いているが、メイン触媒13a,13bの特性に応じて、この診断しきい値を排気系毎に相違させてもよい。
【0032】
ステップ52において、診断部17は、左右バンクのメイン触媒13a,13bに関する診断値VDIAa,VDIAbの総和と、第2の診断しきい値VDIAth2とを比較する。この第2の診断しきい値VDIAth2は、各メイン触媒13a,13bを含む触媒群が劣化したとみなし得るような診断値の最大値として決定されている。診断しきい値VDIAth2としては、例えば、ステップ50,51で用いられる第1の診断しきい値VDIAth1の和を用いることができるが、この値よりも小さい値を用いてもよいし、逆に大きな値を用いてもよい。そして、(VDIAa+VDIAb)≧VDIAth2の場合には、触媒群が劣化している、すなわち、排気系全体として捉えた場合にメイン触媒13a,13bが劣化していると判断し、ステップ52よりステップ53に進む。一方、(VDIAa+VDIAb)<VDIAth2の場合には、触媒群が劣化していない、すなわち、排気系全体として捉えてもメイン触媒13a,13bが劣化していないと判断し、ステップ52よりステップ54に進む。
【0033】
ステップ50〜52のいずれかで肯定判定された場合には、メイン触媒13a,13bのいずれか、或いは、排気系の全体でメイン触媒13a,13bが劣化した状態であると診断される(触媒異常)。この場合、ステップ53において診断終了フラグFendを「1」にセットした上で、図5のステップ5に進む。また、この場合、診断部17は、診断値VDIAa(或いは、VDIAb,VDIAa+VDIAb)を含む各種の値をトラブルデータとして、ECU12のバックアップRAMなどに格納する。そして、例えば、触媒異常と診断した初回の運転サイクル時には、ECU12のバックアップRAMの所定のアドレスに、第1回目の触媒異常を示すフラグFa1を「1」にセットする。また、以前の運転サイクルで既に触媒劣化の診断がなされている場合(すなわち、フラグFa1が既に「1」にセットされている場合)には、ECU12のバックアップRAMの所定のアドレスに第2回目の触媒異常を示すフラグFa2を「1」にセットするとともに、MILランプ18を点灯或いは点滅させるなどの警報処理を行う。
【0034】
これに対して、ステップ50〜52のすべてにおいて否定判定された場合には、メイン触媒13a,13bのいずれも、また、排気系の全体でメイン触媒13a、13bは劣化しておらず正常な状態であると診断される(触媒正常)。この場合、ステップ54において診断終了フラグFendを「0」にセットした上で(結果的に「0」のままである)、図5のステップ5に進む。このとき、上述した第1回目の触媒異常を示すフラグFa1、または、第2の回目の触媒異常を示すフラグFa2がともに「1」セットされている場合、触媒正常の診断にともない、これらのフラグFa1,Fa2をともに「0」にリセットする。
【0035】
そして、図5のステップ5〜8を経て、カウンタCT、左バンク側のA/Fセンサ24a,25aに関する積算値FADVa,RADVa、および右バンク側のA/Fセンサ24b,25bに関する積算値FADVb,FADVbが「0」にリセットされる。また、初回判別フラグFiniが「0」にリセットされ、本ルーチンを抜ける。
【0036】
このような触媒の劣化診断処理では、診断結果が触媒正常である限り、診断終了フラグFendが「0」であり続けるので、ステップ2以降の劣化診断に関する一連の手順が繰り返される。一方、1運転サイクルにおいて診断結果が触媒異常となった場合、診断終了フラグFendが「0」から「1」に切り替わる。そのため、それ以降は、ステップ2以降の手順をスキップして、本ルーチンを抜ける。これにより、1運転サイクルにおいて、触媒異常との診断結果が1回得られたら、それ以降の劣化診断は行われない。そして、例えば、2運転サイクルで連続して触媒異常と診断をされた場合には、MILランプ18の点灯或いは点滅により、運転者に対して触媒が劣化していることが通知される。また、ディーラ等のサービス工場でのトラブルシューティングにおいて、図示しない外部装置をECU12に接続することで、上記フラグFa1,Fa2に対応するトラブルデータを読出し、触媒の劣化を判断することができる。
【0037】
このように、本実施形態によれば、各FA/Fセンサ24a,24bに関する検出値の変化量の積算値FADVa,FADVbと、各RA/Fセンサ25a,25bに関する検出値の変化量の積算値RADVa,RADVaとが算出される。そして、これらの積算値の比が、メイン触媒13a,13bに関する診断値VDIAa,VDIAbとして算出される。そのため、これらの診断値VDIAa,VDIAbを所定の診断しきい値VDIAth1とそれぞれ比較することにより、左バンク側のメイン触媒13aが劣化しているか否か、また、右バンク側のメイン触媒13bが劣化しているか否かを個別に診断することができる。これにより、個々の劣化度合いが異なる場合であっても、それぞれの診断を誤ることなく、有効に正常・異常の判断を行うことができる。
【0038】
また、さらに、両メイン触媒13a,13bを含む触媒群を診断対象として、この触媒群が劣化しているか否かが診断される。これにより、個別のメイン触媒13a(或いは、メイン触媒13b)に異常が認められないような状態であっても、触媒群に劣化が認められるような状況、すなわち、両バンクの排気系全体としてメイン触媒13a,13bに劣化が認められるような状況を有効に診断することができる。
【0039】
なお、本実施形態では、左バンク側のFA/Fセンサ24aの積算値FADVaに対するRA/Fセンサ25aの積算値RADVaの比(RADVa/FADVa)として診断値VDIAaを算出している。しかしながら、診断値VDIAaは、RA/Fセンサ25aの積算値RADVaに対するFA/Fセンサ24aの積算値FADVaの比(FADVa/RADVa)として算出してもよい。この場合には、第1の判定しきい値VDIAthは(1/VDIAth1)として設定されることとなり、(FADVa/RADVa)≦(1/VDIAth)のとき、メイン触媒13aが劣化していると診断することができる。当然、右バンク側の診断値VDIAbに関しても同様であり、これらの診断値VDIAa,VDIAbに基づいて算出される排気系の全体におけるメイン触媒13a,13bに関する診断値についても同様である。
【0040】
また、本実施形態では、それぞれのA/Fセンサ24a〜25bに関する積算値に基づいて、メイン触媒13a,13bに関する診断値VDIAa,VDIAbを算出している。しかしながら、各排気系に設けられたFA/Fセンサ24a,24bとRA/Fセンサ25a,25bとの検出値FVa,FVb,RVa,RVbに基づいて診断値VDIAa,VDIAbを算出するのであれば、上記以外の手法を用いて診断値を算出してもよい。例えば、各A/Fセンサ24a〜25bに関する検出値を、検出値の極大値と極小値との差に基づいて補正し、この補正された検出値に基づき、診断値VDIAa,VDIAbを算出するといった如くである。また、排気ガスがFA/Fセンサ24aを通過してからRA/Fセンサ25aに到達するまでの遅延時間による時間差で同一の排気ガスに対するFA/Fセンサ24aとRA/Fセンサ25aとの出力差を算出し、この出力差の絶対値を積算した値を診断値として用いてもよい。なお、これらの詳しい手法については、本出願人が既に提案した特開平10−331627号公報、または、特開2001−271639号公報に開示されているので、必要ならば参照されたい。
【0041】
また、本実施形態では、まず、メイン触媒13a,13bを個別の診断対象とし、メイン触媒13a,13bのいずれもが劣化していないと診断した場合に、メイン触媒13a,13bのすべてを診断対象として診断を行っている。しかしながら、まず、メイン触媒13a,13bのすべてを診断対象として、排気系の全体でメイン触媒13a,13bが劣化しているか否かを診断してもよい。そして、排気系の全体でメイン触媒13a,13bが劣化していないと診断した場合に、メイン触媒13a,13bを個別の診断対象とした診断を行ってもよい。このような手法であっても、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0042】
さらに、本実施形態では、水平対向式エンジンを例に説明した。しかしながら、本発明は、V型エンジン等を含めて、分割された気筒グループ毎に排気系が独立した構造を有するエンジンに広く適用することが可能である。また、排気系を3系統以上有するエンジンであっても、本発明を適用することができる。例えば、3系統以上の各排気系に設けられた触媒に対して個別に診断を行うとともに、これらの触媒を含む触媒群に対して診断を行うといった如くである。また、このような3系統以上の排気系を有するエンジンでは、例えば、これらの排気系のなかから任意に2つの排気系を選択し、これらの2つの排気系に設けられた触媒のペアに対して本発明を適用してもよい。
【0043】
【発明の効果】
このように、本発明では、分割された気筒グループ毎に排気系が独立した構造を有し、ある排気系に設けられた触媒の上流と下流に配置された空燃比センサの検出値に基づいて診断値が算出される。これとともに、このある触媒とは異なる排気系に設けられた触媒の上流と下流に配置された空燃比センサの検出値に基づいて別個の診断値が算出される。そのため、これらの診断値を所定の診断しきい値とそれぞれ比較することにより、各触媒が劣化しているか否かを個別に診断することができる。これにより、個々の劣化度合いが異なる場合であっても、それぞれの診断を誤ることなく、有効に正常・異常の判断を行うことができる。また、これらの触媒を含む触媒群を診断対象として、この触媒群が劣化しているか否かが診断される。これにより、個別の触媒に異常が認められないような状態であっても、触媒群に劣化が認められるような状況を有効に診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の一例である四気筒の水平対向式エンジンの全体構成図
【図2】ECUの機能的なブロック構成図
【図3】A/Fセンサの出力電圧の一例を示す波形図
【図4】A/Fセンサの検出値の一例を示す波形図
【図5】本実施形態にかかる触媒劣化診断処理のフローチャート
【図6】ステップ4に関する詳細な手順を示すフローチャート
【図7】ステップ4に関する詳細な手順を示すフローチャート
【符号の説明】
1 エンジン
2 吸気バルブ
3a インテークマニホールド
3b インテークマニホールド
4 排気バルブ
5a エキゾーストマニホールド
5b エキゾーストマニホールド
6 点火プラグ
7 インジェクタ
8 エアクリーナ
9 エアチャンバ
10 スロットルバルブ
11 電動モータ
12 制御装置(ECU)
13a メイン触媒
13b メイン触媒
14 サブ触媒
15 判断部
16 演算部
17 診断部
18 MILランプ
20 吸入空気量センサ
21 スロットル開度センサ
22 車速センサ
23 エンジン回転数センサ
24a フロント空燃比センサ(FA/Fセンサ)
24b フロント空燃比センサ(FA/Fセンサ)
25a リア空燃比センサ(RA/Fセンサ)
25b リア空燃比センサ(RA/Fセンサ)

Claims (4)

  1. 複数の気筒をグループに分割し、当該分割されたグループ毎に独立して設けられた排気系のそれぞれが下流で合流しており、前記排気系のそれぞれが合流する合流位置よりも上流において前記排気系毎に設けられた触媒の劣化を診断する装置において、
    第1の排気系において、第1の触媒よりも上流に設けられている第1のフロント空燃比センサと、
    前記第1の排気系において、前記第1の触媒よりも下流で、かつ、前記合流位置よりも上流に設けられている第1のリア空燃比センサと、
    前記第1の排気系とは別個の第2の排気系において、第2の触媒よりも上流に設けられている第2のフロント空燃比センサと、
    前記第2の排気系において、前記第2の触媒よりも下流で、かつ、前記合流位置よりも上流に設けられている第2のリア空燃比センサと、
    前記第1のフロント空燃比センサの検出値と、前記第1のリア空燃比センサの検出値とに基づき、前記第1の触媒に関する第1の診断値を算出するとともに、前記第2のフロント空燃比センサの検出値と、前記第2のリア空燃比センサの検出値とに基づき、前記第2の触媒に関する第2の診断値を算出する演算部と、
    前記第1の触媒と前記第2の触媒とを別個の診断対象として、当該診断対象となる触媒に関する診断値に基づき、前記診断対象となる触媒が劣化しているか否かを診断するとともに、前記第1の触媒と前記第2の触媒とを含む触媒群を診断対象として、少なくとも前記第1の診断値と前記第2の診断値とを用いて算出される第3の診断値に基づき、前記触媒群が劣化しているか否か診断する診断部とを有することを特徴とするエンジンの触媒劣化診断装置。
  2. 前記診断部は、前記第1の触媒と前記第2の触媒とを別個の診断対象とした診断において、前記第1の触媒および前記第2の触媒が劣化していないと診断した場合に、前記第1の触媒と前記第2の触媒とを含む触媒群を診断対象とした診断を行うことを特徴とする請求項1に記載されたエンジンの触媒劣化診断装置。
  3. 前記診断部は、前記第1の触媒と前記第2の触媒とを含む触媒群を診断対象とした診断において、前記触媒群が劣化していないと診断した場合に、前記第1の触媒と前記第2の触媒とを別個の診断対象とした診断を行うことを特徴とする請求項1に記載されたエンジンの触媒劣化診断装置。
  4. 前記演算部は、前記第1のフロント空燃比センサの検出値の変化量を所定時間毎に積算した第1の積算値を算出し、かつ、前記第1のリア空燃比センサの検出値の変化量を所定時間毎に積算した第2の積算値を算出することにより、前記第1の積算値と前記第2の積算値との比を前記第1の診断値として算出するとともに、前記第2のフロント空燃比センサの検出値の変化量を所定時間毎に積算した第3の積算値を算出し、かつ、前記第2のリア空燃比センサの検出値の変化量を所定時間毎に積算した第4の積算値を算出することにより、前記第3の積算値と前記第4の積算値との比を前記第2の診断値として算出することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載されたエンジンの触媒劣化診断装置。
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