JP4283516B2 - カラーフィルター用ガラス基板の再生方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、カラーフィルター用ガラス基板の再生方法に関するものである。詳しく述べると本発明は、ガラス基板の表面に金属薄膜よりなる遮光層、RGB層、透明電極層等を順次積層してカラーフィルターを製造する工程において発生した、不良カラーフィルター基板から、これら積層薄膜を除去して、カラーフィルター用ガラス基板を再生する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー液晶表示装置は、近年、大型化、大画面化が急速に進められており、その画質についてもより高性能なものが求められており、これに伴い、このようなカラー液晶表示装置等の表示装置に用いられるカラーフィルターにも、大型化とともに高精度および高い信頼性が求められてきており、これに対応するための製造条件ないし品質基準はますます厳しいものとなってきている。
【0003】
カラーフィルターは、現在、染色法、顔料分散法、電着法、印刷法などの方法によって製造されているが、現在主流となっている方法は、顔料分散法である。
【0004】
例えば、遮光層(一般的には、ブラックマトリックスに代表される。)としてクロム及びクロム化合物を用いたカラーフィルターを顔料分散法により製造するには、ガラス基板上全面に形成したクロム層をエッチング液によりパターニングしてクロム遮光層を形成し、赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーレジストを順次パターニング、焼成を行った後、必要によりオーバーコート層を成膜し、最後にインジウム錫酸化物(ITO)等の透明電極層を成膜することにより行われる。
【0005】
いずれの製造方法においても、画質の向上と生産性の改善について様々な検討が行われているが、前記したように、近年、ますます高い信頼性、高精度が要求されてきているために、製品の検査も一層厳格になり、製品の不良率が高くなって、カラーフィルター製造の歩留りが低下しているのが現状である。
【0006】
カラーフィルターの製造工程における歩留まりを向上させるための手段としては、製品の不良原因になっている、ゴミ等の異物の混入による欠陥、ピンポールや欠け等による欠陥、レジストの塗布ムラによる欠陥などを改良して、製造歩留まりを向上させること、また、発生した欠陥部を修正する技術が考えられる。
【0007】
しかしながら、製造工程を厳重に管理しても、各種欠陥の原因を完全に排除することは実際上で不可能に近く、このように管理体制を強化することは、必ずしも工業的に有利とはいえない。また、欠陥部を修正する技術は、歩留まりを向上させる上から確かに有効ではあるが、修正方法によっては対応しきれないような欠陥があったり、あるいは修正できた場合でも必ずしも工業的に効率的であるとは言えないものであった。
【0008】
このため従来は、製造工程のある段階において、修正が効かないような欠陥の発生したカラーフィルターの不良基板はそのまま廃棄処分されていた。
【0009】
このため、多量の高価なガラス基板がカラーレジストやクロム遮光膜等を形成した状態で廃棄されており、環境保全上の観点からも経済性の観点からも問題があった。さらに、上記したような性能要求基準の上昇もあって、今後益々廃棄品の量が増大することが予測され、このような問題が顕著となる可能性が高いものであった。
【0010】
このような観点から、最近、カラーフィルターに用いられた基板を再生して使用することも検討されている。例えば、特許文献1には、カラーフィルターの基板を再生するために、ブラックマトリックスやRGB色素等のカラーフィルターの層を剥離する方法が提唱されている。
【特許文献1】
特開2001−124916号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、提唱される再生処理技術は、いずれもその再生処理のために、カラーフィルター製造工程とは別途に、使用薬剤等を調製するものであり、これらの点において経済性や環境面が配慮されているとは言い難いものであった。さらに、提唱される再生処理技術によって得られた再生処理基板の品質は十分なものとは言えず、改善の余地の残るものであった。
【0012】
従って、本発明は、上述したような従来技術における問題を解決する新規なカラーフィルター用ガラス基板の再生方法を提供することを課題とする。本発明はまた、ガラス基板の表面に金属薄膜よりなる遮光層、RGB層、透明電極層等を順次積層してカラーフィルターを製造する工程において発生した不良カラーフィルター基板から、これら積層薄膜を効率よく、また経済的にかつ環境性の面からも有利に、除去してカラーフィルター用ガラス基板を再生する方法を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明は、ガラス基板の表面に金属ないし金属化合物薄膜よりなる遮光層を形成されたカラーフィルター用ガラス基板の再生方法であって、ガラス基板表面に形成された前記遮光層を除去する剥離液として、カラーフィルターの製造工程において金属ないし金属化合物薄膜層をパターニングして遮光層を形成するために用いられたエッチング液の廃液を再利用することを特徴とするカラーフィルター用ガラス基板の再生方法である。
【0014】
このように本発明においては、カラーフィルター用ガラス基板を再生するにおいて、ガラス基板表面に形成された遮光層を除去する剥離液として、カラーフィルターの製造工程において金属ないし金属化合物薄膜層をパターニングして遮光層を形成するために用いられたエッチング液の廃液を再利用するものであるから、別途、剥離液を調達する必要がなく、経済的でかつ環境保全の面でも好ましいものであるとともに、既存のカラーフィルター製造ラインにガラス基板の再生ラインを容易に設けることができるものである。
【0015】
本発明はまた、遮光層を形成する金属ないし金属化合物薄膜がクロム系のものであり、エッチング液が硝酸第2セリウムアンモニウムを含有する酸性エッチング液である上記フィルター用ガラス基板の再生方法を示すものである。
【0016】
以下に詳述するが、本発明の再生方法は、従来一般的に用いられているクロム系の遮光層を有するカラーフィルターの製造における基板の再生技術として、特に有効に適用できるものである。
【0017】
本発明はさらに、エッチング液の廃液を用いた遮光層の除去工程の後に、ガラス基板をアルカリ処理することを特徴とするフィルター用ガラス基板の再生方法を示すものであり、さらに、このアルカリ処理が、0.5〜12重量%の水酸化アルカリ水溶液を用いて行われるものであるフィルター用ガラス基板の再生方法を示すものである。
【0018】
上記したように、本発明においてはカラーフィルターの製造工程におけるエッチング液の廃液を用いて遮光層の除去を行うため、当該エッチング廃液中に含まれる不純物、分解物等がガラス基板表面に付着することで、再生ガラス基板の透明性が低下し白濁することが生じ得る。このようなの知見の下、本発明者らは、さらに、このような不純物、分解物が付着したガラス基板表面を、例えば、アルカリ水溶液などを用いてアルカリ処理することで、ガラス基板自体に悪影響を及ぼすことなく、ガラス基板表面を清浄化できることをさらに見出したものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施形態に基づき詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明に係るカラーフィルター用ガラス基板の再生方法の一実施形態の工程を説明するための工程図である。
【0021】
本発明の再生方法は、再生すべき不良カラーフィルター基板が発生するカラーフィルターの製造方法自体については、その製造工程中に金属薄膜のエッチングにより遮光層を形成する工程を有するものであれば、何ら限定されるものではなく、どのようなものであっても適用可能であるが、説明を簡易なものとするために、以下においては、顔料分散法によるカラーフィルターの製造方法の場合を例にとって説明する。
【0022】
図1に示すように、カラーフィルターは、ガラス基板表面に、公知のスパッタリングなどの方法にて、まず、金属ないし金属化合物薄膜(ブランクス)を形成する(工程1)。金属ないし金属化合物薄膜としては、例えば、クロム系薄膜が代表的であるが、本発明は、特にクロム系の遮光層を形成されたカラーフィルターの再生に限定されるものではなく、その他の金属ないし金属化合物、例えば、モリブデン系、アルミニウム系等により遮光層を形成したものに対しても同様に適用できる。クロム系薄膜としては、例えば、クロム金属、Cr23、CrO3、Cr512、またはCr513などのクロム酸化物、CrN、CrN2などのクロム窒化物、Cr32などのクロム炭化物、クロム酸化窒化物、クロム酸化炭化物など、およびこれらの混合物からなる単層および/またはそれらが複合された積層体の薄膜が挙げられる。
【0023】
次いで、上記のブランクスに、ポジ型紫外線感光性樹脂またはポジ型電子線感光性樹脂液などを塗布および乾燥して、レジスト膜を形成し、レジスト膜に所望のパターンを介して紫外線または電子線にて露光描画させた後、現像し、必要に応じてベーキング硬化して、エッチングマスクを形成する(工程2)。
【0024】
続いて、上記のエッチングマスクを形成した基板に対し、エッチング液を使用して、スプレイまたは浸漬法にてエッチングを行い、エッチングマスクで被覆されていない部分のクロムブランクスをエッチングしてガラス基板を露出させ、遮光層たるブラックマトリックスを形成する(工程3)。
【0025】
このエッチング工程3で使用されるエッチング液は、一般に、使用後、濾過にかけられて、エッチング工程3で循環使用されるが、エッチング液を濾過循環せず、直接、廃液として本発明に係る再生工程に使用することも可能である。
【0026】
エッチング液の組成としては、形成される金属ないし金属化合物の種類によって当然に左右され、特に限定されるものではないが、例えば、クロム系薄膜に対するエッチング液としては、セリウム塩、代表的には硝酸第2セリウムアンモニウム、あるいは、硝酸第2セリウムアンモニウムと過塩素酸、硝酸、硫酸、フッ酸等の酸とを、水に溶解したものをを例示することができる。硝酸第2セリウムアンモニウムを含有する酸溶液としては、例えば、硝酸第2セリウムアンモニウムの濃度が12〜30重量%で、酸類の濃度が2〜10重量%である組成が好ましい一例として例示できる。
【0027】
カラーフィルターの製造は、この後、ブラックマトリックスの開口部に、赤(R)、緑(G)、青(B)の画素を形成する工程を行う(工程4)。例えば、ポリイミド等の硬化性樹脂組成物中に着色剤を配した着色組成物(たとえば赤色)を基板上に塗布した後、乾燥して硬化性樹脂前駆体着色膜を形成し、その上部に上述したと同様なフォトレジストを塗布し、乾燥して、フォトレジスト膜を形成する。該フォトレジスト膜上に所定のフォトマスクを置き、露光装置を用いて紫外線を照射する。露光後、フォトレジスト用現像液により、フォトレジスト膜と硬化性樹脂前駆体着色膜のエッチングを同時に行う。エッチング後、不要となったフォトレジスト被膜を剥離する。その後、加熱処理することによって、硬化性樹脂前駆体を硬化性樹脂へと変換する。このようにして、1色の着色膜のパターンを基板上に形成した後、その上に別な色(たとえば青色)の着色組成物を塗布し、同様の工程を経て、2色のポリイミド着色膜のパターンを基板上に形成する。これをもう一度繰り返すと、赤、緑、青の3色のポリイミド着色膜のパターンが得られる。
【0028】
場合によっては、赤、緑、青のパターンの段差を小さくするためにオーバーコートを塗布し(工程5)、最後に例えば、ITOなどのような透明電極層を形成する(工程6)。
【0029】
しかし、本発明においては、上述したようなカラーフィルターの製造工程において、発生した不良カラーフィルター基板を、再生処理する。
【0030】
本発明において再生処理される不良カラーフィルター基板としては、遮光層(ブラックマトリックス)を形成した段階で不良と判断されたもの、赤、緑、青の各画素を1色から3色まで加工した段階で不良と判断されたもの、オーバーコートを塗布した段階で不良と判断されたもの、さらに透明電極層を形成した後に不良と判断されたものなどの、いずれの段階において不良と判断されたものであっても用いることができる。より具体的には、例えば、画素に欠け等の欠陥が見られるもの、画素間の分離が悪く色の滲みの見られるもの、オーバーコート層の成膜不良により平坦性が不十分で光により干渉縞の見えるもの、遮光層とR、G、Bが位置ずれを起こしているもの、透明電極が所定の範囲の抵抗値を満たしていないものや製造工程でゴミの混入によるもの等の不良品が含まれる。しかしながら、ガラス基板そのものに欠陥があるものは、本発明の再生方法の適用対象外となるものであるので、不良原因を調べ、ガラス基板そのものに原因があるものは排除する。またクロム遮光層が正常な場合にはクロム遮光層をそのまま用いる方がカラーフィルター製造において有利とも考えられるので、クロム遮光層を残したガラス基板を再生する別途の再方法へと回すこともできるが、もちろん、本発明の再生方法によって処理することは可能である。
【0031】
再生処理は、剥離液として、上記エッチング工程3で使用されたエッチング液の廃液を用いて、ガラス基板表面に形成された前記遮光層を除去する(工程7)。エッチング液の廃液は、例えば、上記エッチング工程3におけるエッチング液の循環濾過ラインから一部抜き取るラインを形成して供給することも、あるいはエッチング工程3において、使用により劣化し、エッチング液として規定の基準を満たさなくなったものを、取り出し、必要に応じて、濾過再生処理等を施して供給することもできる。
【0032】
処理条件としては、特に限定されるものではないが、例えば、クロム系の遮光層を上述したようなセリウム系のエッチング廃液にて処理する場合、20〜50℃、より好ましくは25〜40℃の液温のエッチング液に、不良カラーフィルター基板を2〜30分程度、浸漬あるいはシャワー等の公知の手法により接触させることにより行われる。
【0033】
なお、再生処理しようとする不良カラーフィルター基板が、遮光層より上部の積層構造体、すなわちRGB層、オーバーコート層、透明電極層等を有する場合には、必要に応じて、エッチング廃液による除去工程に先立ち、それぞれの被膜層を除去する処理を1段ないしは多段に行うことは可能である。
【0034】
透明電極であるITO層の除去は、例えば、塩酸酸性水溶液を用いて除去することができる。塩酸酸性水溶液としては、単に水に塩酸を溶解した水溶液、水に塩酸と硝酸や過塩素酸等の他の酸類を溶解した水溶液、水に塩酸と塩化第二鉄等の酸化剤を溶解した水溶液等が含まれる。また、RGB層、オーバーコート層の除去は、これらの層が基本的に樹脂をマトリックスとするものであるので、有機溶媒や酸等を使用して除去することができる。
【0035】
なお、このように透明電極、オーバーコート層、RGB層を除去する工程を設ける場合において使用する薬剤としても、カラーフィルターの製造工程において、それぞれの層を所望形状に加工する上で用いたエッチング液等の廃液を用いることが、コスト削減および環境保全性の面から望まれる。
【0036】
さらに本発明においては、上記したようなエッチング廃液による遮光層の除去工程7に続いて、ガラス基板をアルカリ処理する工程(工程8)を設けることが望ましい。
【0037】
これは、除去工程7において使用される剥離液は、カラーフィルターの製造工程におけるエッチング液の廃液であるため、当該エッチング廃液中に含まれる不純物、分解物等がガラス基板表面に付着し、再生ガラス基板の透明性が低下し白濁することが生じるため、ガラス基板表面を清浄化する目的から設けられる工程である。
【0038】
例えば、上記したようなクロム系薄膜からなる遮光層のエッチング液の有効成分である、硝酸第2セリウムアンモニウムのクロム系薄膜に対する溶解作用は、そのセリウムイオンが4価から3価に還元されることにより、クロムを酸化して溶解するものであるが、セリウムイオンが3価に還元されると、配位している硝酸根が加水分解され、水酸基イオンに置き換わりやすくなり、そのために、溶解度が小さい水酸化物が生成する。本発明の再生方法において用いる剥離液が、カラーフィルターの製造工程において使用されたエッチング液の廃液であるため、当然に、上記したような水酸化セリウム等の存在割合がある程度多くなり、遮光層除去工程において剥離液として使用した際に、この水酸化セリウムがガラス基板に付着して白濁現象を生じるためである。
【0039】
このアルカリ処理において用いられるアルカリ溶液としては、特に限定されるものではないが、比較的低濃度のアルカリ水溶液で十分であり、例えば、0.5〜12重量%濃度の水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等の水酸化アルカリ水溶液を用いて行われる。なお、このアルカリ溶液としてもカラーフィルターの製造工程に用いられたアルカリ溶液の廃液を希釈等して再利用することも可能である。アルカリ処理条件としては、特に限定されるものではないが、例えば、50〜100℃、より好ましくは60〜80℃の液温のアルカリ溶液に、ガラス基板を3〜30分程度、浸漬あるいはシャワー等の公知の手法により接触させることにより行われる。
【0040】
本発明においては、その後、必要に応じて、水洗等の洗浄工程、乾燥工程、研磨工程、検査工程等を経て、不良カラーフィルター基板より遮光層等の積層体が除去された再生ガラス基板を得ることができる。
【0041】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき、より具体的に説明する。
実施例1
ガラス基板上に厚さ200nmの金属Cr薄膜よりなるブランクスを形成し、これをエッチング液(硝酸第2セリウムアンモニウム25重量%、過塩素酸7重量%を含有する水溶液)を用いてエッチングしてブラックマトリックスを形成したところで発生した不良カラーフィルター基板を用意した。
【0042】
この不良カラーフィルター基板に対し、前記エッチング液の廃液(100時間循環使用したもの)を剥離液として用いて、ブラックマトリックスの除去処理を行った。処理条件は、液温30℃のものに基板を10分間浸漬するものとした。取り出したガラス基板を、水洗、乾燥した後、基板面にハロゲン光源からの光を照射し、光源からの光に対する基板面の角度を変えながら反射光を目視により観察することにより、表面状態を調べたところ、形成されていたCr薄膜よりなるブラックマトリックスは、きれいに除去されていたものの、表面に白濁が観察された。
【0043】
次いで、エッチング液の廃液によるブラックマトリックスの除去処理の後に、取り出したガラス基板を、液温60℃の水酸化カリウム1重量%水溶液に10分間浸漬するアルカリ処理工程を行った。取り出したガラス基板を、水洗、乾燥した後、前記と同様にして表面状態を調べたところ、表面の汚れは観測されず、また、基板表面の歪み等も観測されず、再生ガラス基板として良好な製品を得ることができた。
【0044】
【発明の効果】
以上述べたように本発明においては、カラーフィルター用ガラス基板を再生するにおいて、ガラス基板表面に形成された遮光層を除去する剥離液として、遮光層を形成するために用いられたエッチング液の廃液を再利用するものであるから、経済的でかつ環境保全性にも優れた再生処理方法を提供することができ、また、この再生処理方法は、既存のカラーフィルター製造ラインに容易に付加することができるものである。
【0045】
さらに、本発明において、エッチング液の廃液を用いた遮光層の除去工程の後に、ガラス基板をアルカリ処理する工程を設ければ、エッチング廃液中に含まれる不純物、分解物等に起因する再生ガラス基板の白濁等の問題も生じることがなく、良好な品質の再生ガラス基板を、簡単にかつ経済的に提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るカラーフィルター用ガラス基板の再生方法の一実施形態の工程を説明するための工程図である。

Claims (4)

  1. ガラス基板の表面に金属ないし金属化合物薄膜よりなる遮光層を形成されたカラーフィルター用ガラス基板の再生方法であって、ガラス基板表面に形成された前記遮光層を除去する剥離液として、カラーフィルターの製造工程において金属ないし金属化合物薄膜層をパターニングして遮光層を形成するために用いられたエッチング液の廃液を再利用することを特徴とするカラーフィルター用ガラス基板の再生方法。
  2. 遮光層を形成する金属ないし金属化合物薄膜がクロム系のものであり、エッチング液が硝酸第2セリウムアンモニウムを含有する酸性エッチング液である請求項1に記載のフィルター用ガラス基板の再生方法。
  3. エッチング液の廃液を用いた遮光層の除去工程の後に、ガラス基板をアルカリ処理することを特徴とする請求項1または2に記載のフィルター用ガラス基板の再生方法。
  4. アルカリ処理が、0.5〜12重量%の水酸化アルカリ水溶液を用いて行われるものである請求項3に記載のフィルター用ガラス基板の再生方法。
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