JP2001124916A - カラーフィルター用ガラス基板の再生方法 - Google Patents

カラーフィルター用ガラス基板の再生方法

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JP2001124916A
JP2001124916A JP30529799A JP30529799A JP2001124916A JP 2001124916 A JP2001124916 A JP 2001124916A JP 30529799 A JP30529799 A JP 30529799A JP 30529799 A JP30529799 A JP 30529799A JP 2001124916 A JP2001124916 A JP 2001124916A
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color filter
glass substrate
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water
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Toshiyuki Akaiwa
俊行 赤岩
Masaharu Taniguchi
雅治 谷口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カラーフィルターの不良基板を、カラーフィル
ター用ガラス基板がアルカリ水溶液により浸食されない
ように剥離液と接触させることにより、カラーフィルタ
ー用ガラス基板からカラーフィルター層を剥離するカラ
ーフィルター用ガラス基板の再生方法を提供する。 【解決手段】水溶性有機アミン化合物と無機アルカリ金
属化合物を含有する水溶液にカラーフィルターの不良基
板を接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーフィルター
の製造工程で発生する不良基板からカラーフィルター層
を剥離してカラーフィルター用ガラス基板を再生する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示装置などに使用されるカ
ラーフィルターの製法は、顔料分散法が主流となってい
る。顔料分散法には、感光アクリル法、非感光ポリイミ
ド法などがある。
【0003】顔料分散法カラーフィルターの製造に使用
される着色組成物の一例として、ポリアミド酸の溶液に
顔料を分散した着色組成物(非感光ポリイミド法)を取
り上げ説明する(たとえば特開昭60−184202号
公報、特開昭60−184203号公報、特開昭61−
180203号公報)。
【0004】ポリアミド酸の溶液に顔料を分散した着色
組成物を使用したカラーフィルターの製造は、たとえば
特開昭60−247603号公報や特開昭61−778
04号公報に示されている、次のような工程により行わ
れる。まず、金属クロムまたは黒色顔料分散樹脂で格子
状のパターンをガラス基板上に作り、着色組成物(たと
えば赤色)を基板上に塗布した後、乾燥してポリイミド
前駆体着色膜を形成する。ポリイミド前駆体着色膜上に
ポジ型フォトレジストを塗布し、フォトレジスト膜を形
成する。該フォトレジスト膜上に所定のフォトマスクを
置き、露光装置を用いて紫外線を照射する。露光後、ポ
ジ型フォトレジスト用アルカリ現像液により、フォトレ
ジスト膜とポリイミド前駆体着色膜のエッングを同時に
行う。エッチング後、不要となったフォトレジスト被膜
を剥離する。その後、加熱処理することによって、ポリ
イミド前駆体をポリイミドに変換する。このようにし
て、1色のポリイミド着色膜のパターンを基板上に形成
した後、その上に別な色(たとえば青色)の着色組成物
を塗布し、同様の工程を経て、2色のポリイミド着色膜
のパターンを基板上に形成する。これをもう一度繰り返
すと、赤、緑、青の3色のポリイミド着色膜のパターン
が得られる。場合によっては、赤、緑、青のパターンの
段差を小さくするためにオーバーコートを塗布し、最後
にITO膜を形成する。
【0005】カラーフィルターには高い信頼性が必要で
あるが、このように長い工程の途中ではゴミなどの異物
の混入やピンホール、パターンの欠け等による欠陥が生
じ、不良基板になり歩留まりが低下している現状であ
る。これらの欠陥を完全に排除することは困難であり、
また製造工程を厳重に管理してこれらの原因を完全に排
除することは工業的に有利とは言えない。
【0006】カラーフィルターを低コストで生産する手
段の一つとして、カラーフィルターの不良基板から画
素、オーバーコート、ITOを剥離して再生、再利用す
る方法が考えられ、たとえば水酸化ナトリウムなどの無
機アルカリ水溶液を剥離剤に用いたり、研磨によって剥
離している。しかし、無機の強アルカリ処理法ではカラ
ーフィルター層の剥離とともにガラス基板表層を浸食し
たり、それに伴いガラス表層に白色粉末層を析出させた
りする等の問題があった。また、アルキルアミン類やア
ルカノールアミン類等の有機強塩基水溶液を使用する方
法も知られているが、これらも無機アルカリと同様にガ
ラス基板表層を浸食したり、またこれらアミン類の臭気
が強く作業性が悪い等の問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の欠点に鑑み創案されたもので、その目的とすると
ころは、カラーフィルターの不良基板から、ガラス基板
などの他の素材を浸食することなく、また臭気等の問題
が少なく取り扱い性に優れ、カラーフィルター層を効率
よく剥離してカラーフィルター用ガラス基板を再生する
方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、カラーフィルター
の不良基板に、以下に示す特定溶液浸漬処理を施すこと
により、前記目的を達成しうることを見出し本発明を完
成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、水溶性有機アミン化合
物と無機アルカリ金属化合物を含有する水溶液にカラー
フィルター基板を浸漬処理して、カラーフィルター層を
剥離することを特徴とするカラーフィルター用ガラス基
板の再生方法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明ではまず、カラーフィルタ
ーの不良基板を剥離液と接触させるが、剥離液は水溶性
有機アミン化合物と無機アルカリ金属化合物を含有する
水溶液からなる。水溶性有機アミン化合物は分子内に少
なくとも1個のエーテル結合を有する脂肪族ないし脂環
族アミン化合物であることが好ましく、このようなアミ
ン化合物としては、8,9−ビス(3−アミノプロピ
ル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.
5]ウンデカン、1,4−ブタンジオール−ビス(3−
アミノプロピル)エーテル、ビス[2−(3−アミノプ
ロポキシ)エチル]エーテル、1,2−ビス(2−アミ
ノエトキシ)エタン、1,2−ビス(3−アミノプロポ
キシ)エタン、トリエチレングリコール−ビス(3−ア
ミノプロピル)エーテル、ポリエチレングリコール−ビ
ス(3−アミノプロピル)エーテル等、公知の脂肪族な
いし脂環族アミンを使用することができるが、剥離性の
見地から8,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカ
ンないし、1,4−ブタンジオール−ビス(3−アミノ
プロピル)エーテルが特に好ましく使用される。無機ア
ルカリ金属化合物は特に限定されるものではないが、た
とえば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアル
カリ金属水酸化物などを好ましく使用できる。無機アル
カリ金属化合物のみではガラス基板表層を浸食したり、
ガラス表層に白色粉末層を析出させたりする等の問題が
あるが、脂肪族ないし脂環族アミン化合物を混合するこ
とにより、このような問題は払拭される。また、上記ア
ミンは特に毒性・臭気が少なく、環境面、作業性におい
て優れている。本剥離方法における剥離液は、剥離対象
となるカラーフィルター層の物性によっては剥離効果を
高めるためにさらに有機溶剤成分を含有させることもで
きる。有機溶剤はポリイミドを溶解することが可能なN
−メチル−2−ピロリドンなどのN−アルキルピロリド
ン類、ガンマ−ブチロラクトンなどのラクトン類、アル
コール類から選ばれる。
【0011】本剥離液中には水溶性有機アミン化合物を
5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%含有
する。無機アルカリ金属化合物の含有率は1〜25重量
%、より好ましくは5〜20重量%である。
【0012】カラーフィルターの不良基板には、ブラッ
クマトリックスを形成した段階で止めたもの、赤、青、
緑の各画素を1色から3色まで加工した段階で止めたも
の、オーバーコートを塗布した段階で止めたもの、さら
にITO電極を形成して止めたものなどがある。本発明
の剥離液はこれらどの段階で止めた基板に対しても剥離
効果があるが、特にオーバーコート塗布までのものに効
果が大きい。
【0013】カラーフィルターの不良基板を剥離液中に
接触させる方法は特に制限されないが、たとえばカラー
フィルターの不良基板を剥離液に浸漬する方法があげら
れる。カラーフィルターの不良基板は所定のカセットな
どに収納して、接触することもでき、接触とともに揺動
などすることもできる。接触温度は通常40〜90℃程
度であり、接触時間は通常数分〜90分程度であるが、
接触温度が高くなったり、接触時間が長くなるにしたが
ってガラス基板などの浸食が進むため、ガラス基板など
の浸食が生じないように接触温度と接触時間を適宜に調
整しながら、カラーフィルターの不良基板と剥離液との
接触を行う。カラーフィルター層の剥離を行った後はカ
ラーフィルターの不良基板を水で十分に洗浄するが、ス
ポンジで軽くこする、あるいはスポンジロールの使用、
ブラシ洗浄機の併用が好ましい。
【0014】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0015】実施例1 8,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン40重量
%、水酸化カリウム10重量%、水50重量%からなる
剥離液に、ブラックマトリックス、画素、オーバーコー
トを塗布した段階で止めたカラーフィルターの不良基板
を浸漬し、70℃で20分保った後、水洗を行い、カラ
ーフィルター用ガラス基板からカラーフィルター層を剥
離したカラーフィルター用ガラス基板を回収した。
【0016】実施例2 8,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン12.5
重量%、水酸化カリウム10重量%、ガンマ−ブチロラ
クトン12.5重量%、水65重量%からなる剥離液
に、ブラックマトリックス、画素、オーバーコートを塗
布後ITOを形成させたカラーフィルターの不良基板を
浸漬し、70℃で60分保った後、水洗を行い、カラー
フィルター用ガラス基板からカラーフィルター層を剥離
したカラーフィルター用ガラス基板を回収した。
【0017】実施例3 8,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン23.3
重量%、水酸化カリウム3.4重量%、N−メチル−2
−ピロリドン23.3重量%、水50重量%からなる剥
離液に、ブラックマトリックス、画素、オーバーコート
を塗布後ITOを形成させたカラーフィルターの不良基
板を浸漬し、90℃で60分保った後、水洗を行い、カ
ラーフィルター用ガラス基板からカラーフィルター層を
剥離したカラーフィルター用ガラス基板を回収した。
【0018】実施例4 1,4−ブタンジオール−ビス(3−アミノプロピル)
エーテル25重量%、水酸化ナトリウム20重量%、N
−メチル−2−ピロリドン25重量%、水30重量%か
らなる剥離液に、ブラックマトリックス、画素、オーバ
ーコートを塗布後ITOを形成させたカラーフィルター
の不良基板を浸漬し、80℃で30分保った後、水洗を
行い、カラーフィルター用ガラス基板からカラーフィル
ター層を剥離したカラーフィルター用ガラス基板を回収
した。
【0019】比較例1 8,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン35重量
%、N−メチル−2−ピロリドン35重量%、水30重
量%からなる剥離液に、ブラックマトリックス、画素、
オーバーコートを塗布後ITOを形成させたカラーフィ
ルターの不良基板を浸漬し、90℃で60分保った後、
水洗を行い、カラーフィルター用ガラス基板を回収し
た。
【0020】比較例2 水酸化カリウム20重量%、水80重量%からなる剥離
液に、ブラックマトリックス、画素、オーバーコートを
塗布後ITOを形成させたカラーフィルターの不良基板
を浸漬し、70℃で60分保った後、水洗を行い、カラ
ーフィルター用ガラス基板を回収した。
【0021】比較例3 35%塩酸50重量%と38%塩化第2鉄50重量%か
らなるエッチング液にブラックマトリックス、画素、オ
ーバーコートを塗布後ITOを形成させたカラーフィル
ターの不良基板を浸漬し、45℃で3分保った後、水洗
を行い、ITO層を剥離した。次に、8,9−ビス(3
−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ[5.5]ウンデカン55重量%、水45重量%
からなる剥離液に、ITO電極を剥離したカラーフィル
ターの不良基板を浸漬し、90℃で60分保った後、水
洗を行い、カラーフィルター用ガラス基板を回収した。
【0022】比較例4 水酸化カリウム30重量%、ガンマ−ブチロラクトン1
0重量%、水60重量%からなる剥離液に、ブラックマ
トリックス、画素、オーバーコートを塗布した段階で止
めたカラーフィルターの不良基板を浸漬し、70℃で6
0分保った後、水洗を行い、カラーフィルター用ガラス
基板を回収した。
【0023】実施例または比較例において回収したカラ
ーフィルター用ガラス基板について、以下の評価を行っ
た。評価結果を表1に示す。 (1)剥離性 カラーフィルター用ガラス基板のカラーフィルター層の
剥離の度合いを以下の判定基準に基づき顕微鏡(約20
0倍)で目視判定した。 ○:良好に剥離できる △:剥離が不十分 ×:剥離できない (2)ガラス基板の状態 剥離した後のカラーフィルター用ガラス基板がアルカリ
で浸食されていないかを評価するため、表面粗さ計
((株)東京精密製)を用いて測定し、以下の判定基準
により評価した。 ○:表面粗さが0.002μm以下 ×:表面粗さが0.003μm以上
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、カラーフィルターの不
良基板から、ガラス基板などの他の素材を侵すことな
く、カラーフィルター層を効率よく剥離できる。再生し
たカラーフィルター用ガラス基板は再度カラーフィルタ
ー製造に供することができたため、カラーフィルター製
造の低コスト化に寄与する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性有機アミン化合物と無機アルカリ金
    属化合物を含有する水溶液にカラーフィルター基板を浸
    漬処理して、カラーフィルター層を剥離することを特徴
    とするカラーフィルター用ガラス基板の再生方法。
  2. 【請求項2】水溶性有機アミン化合物と無機アルカリ金
    属を含有する水溶液がさらに有機溶剤成分を含有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルター用ガ
    ラス基板の再生方法。
  3. 【請求項3】有機溶剤成分がN−アルキルピロリドン
    類、ラクトン類、アルコール類から選ばれた化合物であ
    ることを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルター
    用ガラス基板の再生方法。
  4. 【請求項4】水溶性有機アミン化合物が分子内に少なく
    とも1個のエーテル結合を有する脂肪族ないし脂環族ア
    ミン化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載のカラーフィルター用ガラス基板の再生方
    法。
  5. 【請求項5】分子内に少なくとも1個のエーテル結合を
    有する脂肪族ないし脂環族アミン化合物が8,9−ビス
    (3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオ
    キサスピロ[5.5]ウンデカンないし、1,4−ブタ
    ンジオール−ビス(3−アミノプロピル)エーテルであ
    ることを特徴とする請求項4に記載の再生方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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