JP4282573B2 - 半導体光増幅駆動装置 - Google Patents

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Description

この発明は、半導体光増幅デバイス、半導体光増幅駆動装置、および半導体光受信装置に関し、より特定的には、外部からの光信号を増幅する半導体光増幅デバイス、半導体光増幅駆動装置、および半導体光受信装置に関する。
現在の光通信システムは、強度変調された光信号を光ファイバの中に伝送させている。この光信号は、ファイバの中で幾度もファイバ内壁に反射しながら進むが、反射時の吸収損失や散乱損失により、反射するたびに信号強度は弱くなる。その結果、光信号の信号波形が崩れ、信号の品質を表す信号対雑音比(以下、S/N比)が低下し、信号の伝送品質が低くなる。この伝送損失は、反射の回数が多いほど、すなわち伝送距離が長いほど大きくなる。伝送損失の増大は、伝送距離を制限することにつながる。
さらに、光ファイバ内だけでなく、中継機やスイッチなど多くの装置を経由する過程で様々な要因により光信号は劣化してゆく。光信号の劣化は、ビット誤り率(BER:ビットエラーレート)が増大する大きな原因となる。ビットエラーレートの増大を防ぐため、劣化した微弱な信号を検知できる受信器の開発が行われてきた。
現在、光通信用の受信器には、長波長帯用のInGaAs系半導体材料を用いたフォトダイオード(PD)が広く使用されている。フォトダイオードの空乏層を厚くすることで受信器の感度を向上することができる。しかし、フォトダイオードの空乏層を厚くすると応答の高速性が低下してしまうという課題があり、将来の大容量かつ超高速な光通信での使用は困難である。
また、最近では、単一走行キャリアフォトダイオード(Uni-Traveling-Carrier Photodiode:UTC−PD)という新しいフォトダイオードも特許文献1において提唱されている。通常のフォトダイオードではホールおよび電子が走行キャリアとなるが、走行速度の遅いホールが高速応答を妨げる。そこで、UTC−PDではホールを使わず、走行速度の速い電子のみを使うことで、数百GHz以上の高速応答を可能にしている。
しかし、走行キャリアを電子のみにすることで高速応答性および高出力性を向上させたUTC−PDでは、微弱な信号を検知する性能そのものは従来のフォトダイオードと変わらない。そのため、UTC−PDは、伝送損失が生じて劣化した光信号には適さない。そこで、受信器の性能を上げる代わりに、劣化した信号を増幅することで伝送損失を解決する技術も開発されている。
従来からの一般的な信号増幅技術として、光−電気−光変換方法が用いられてきた。光−電気−光変換方法とは、光信号を一度フォトダイオードなどの受光素子で受けて電気信号に変換し、それを電気的アンプ(増幅器)やクロック抽出回路などを用いて増幅・整形し、それを光源に入力してもう一度光信号に変換するという信号増幅技術である。
しかし、通信の大容量化・超高速化に伴い、時間のロスとなる光−電気−光変換を行なわない全光信号処理の実現が推進されるようになってきた。光信号のままで信号増幅や波形整形を行なう全光信号処理の技術がいくつか提案されている。
例えば、半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)は、光活性層を持つ素子に光を注入し、誘導放出を起こして増幅された出力光を得る。SOAは、基本的に半導体レーザと同じ構造なので、半導体レーザの作製法を応用でき、小型で簡潔な構成になる利点がある。
しかし、SOAによって光強度を増幅する方法では、増幅された自然放出光(Amplified Spontaneous Emission)による雑音(ASE雑音)の発生を避けられない。そのため、信号として使用できるレベル以下まで出力光のS/N比が悪化してしまう。また、増幅できる信号強度にも下限がある。たとえば、究極の安全な通信方法として将来を期待されている量子暗号通信では、光子単位の微弱な信号を用いるため、SOA単体での使用は不可能である。
そこで、劣化した光信号を波形整形することで伝送損失を解決する技術が開発されている。一例として、可飽和吸収領域を有する双安定半導体レーザを利用した光信号再生について、以下に図面を参照して説明する。
図17は、従来の可飽和吸収領域つき双安定半導体レーザの注入光−光出力特性曲線を示した図である。図17において、横軸が光増幅領域への注入光、縦軸が注入光強度に応じて得られる光出力強度をそれぞれ示す。
図17に示すように、従来の双安定半導体レーザでは、注入光と光出力との関係にヒステリシスの特性がみられる。以下では、Aで示した実線の経路を辿る状態をヒステリシスの下部、Bで示した破線の経路を辿る状態をヒステリシスの上部とそれぞれ呼ぶ。
双安定半導体レーザの光増幅領域にのみ光を入力していくと、図17に示すように、光出力はAの経路であるP4からP1をたどって増大していく。このとき、光増幅領域で発生した光を吸収することにより、可飽和吸収領域でのキャリア濃度が増大していく。これに伴い、可飽和吸収領域の光吸収効果は減少していく。
さらに光増幅領域への注入光を増大させていくと、光吸収効果が飽和し、注入光強度がPth1となったところで光出力がP1からP2へと急激に増大する。このPth1を本明細書ではヒステリシスの立ち上がり閾値と呼ぶ。
一方、今度は光増幅領域への注入光を減らしていくと、可飽和吸収領域はすぐには光吸収効果を回復できないので、光出力は急激には減らず、Bの経路であるP2からP3をたどって緩やかに減少していく。このとき、キャリア濃度および光出力が減少していく。
さらに光増幅領域への注入光を減少させていくと、キャリア濃度および光出力の減少によって可飽和吸収領域の光吸収効果が回復し、注入光強度がPth2となったところで光出力がP3からP4へと急激に減少する。このPth2を本明細書ではヒステリシスの立下り閾値と呼ぶ。
上記のヒステリシスの形状は、双安定半導体レーザの可飽和吸収領域への光注入または電流注入によって影響を受ける。可飽和吸収領域に光が注入されると光子が発生する。可飽和吸収領域に電流が注入されるとキャリアの注入により光子が発生する。これらの結果として、可飽和吸収領域の光子が増加する。これにより、可飽和吸収領域の光吸収効果が減少し、ヒステリシス全体が注入電流値の低い側へ移動する。さらに、光または電流の注入量の変動によってヒステリシスの形状が変動する。
また、光増幅領域への光注入または電流注入によって、双安定半導体レーザにバイアスをかけることもできる。光増幅領域に光が注入されると光子の注入によりキャリアが発生する。光増幅領域に電流が注入されるとキャリアが発生する。これらの結果、光増幅領域のキャリアが増大し、双安定半導体レーザにバイアスがかかる。さらに、光または電流の注入量の変動によってバイアス量が変動する。
図18は、可飽和吸収領域を有する双安定半導体レーザを用いた従来の光信号再生装置の動作特性を説明するための図である。図18において、(a)は図17に示した注入光−光出力特性曲線、(b)は(a)の特性を有する双安定半導体レーザに注入される光信号PIN、(c)は(a)の特性を有する双安定半導体レーザに(b)の光信号PINを注入して得られる出力光POUTをそれぞれ表わす。
図18(a)のような注入光−光出力特性を有する双安定半導体レーザに対して、図18(b)に示すように閾値Pth2以下の光強度と発振閾値Pth1以上の光強度との間で変調される光信号PINを注入することにより、図18(c)に示すように増幅された双安定半導体レーザの出力光POUTが得られる。特許文献2は、双安定半導体レーザを利用して光増幅を行う光信号再生装置の一例について開示しており、以下に図面を参照して説明する。
図19は、双安定状態の半導体レーザに注入される光がどのようにして作られるかを説明するための図である。図19において、(a)は劣化した2値光信号PS、(b)は(a)に印加されるクロックパルス光PCK、(c)は(a)の光信号PSに(b)のクロックパルス光PCKを印可して生成された注入光PIをそれぞれ表わす。
図19(a)の2値光信号PSは、高レベル時においても双安定半導体レーザの発振閾値Pth1以下の弱い強度である。図19(b)のクロックパルス光PCKは、図19(a)の光信号PSと位相が完全に同期するように作られる。図19(c)の注入光PIは、図19(b)のクロックパルス光PCKが印加されることで、クロックパルス光PCK印可分の振幅が加算されている。そのため、図19(c)の注入光PIは、光信号PSの2値に従ってPth1とPth2との間を上下することができる。
図20は、双安定半導体レーザ121を用いて光増幅を行う光信号再生装置100の構成を示した図である。
図20を参照して、双安定半導体レーザ121は、光増幅領域122と、可飽和吸収領域123と、活性層126とを備える。双安定半導体レーザ121は、一定のバイアス電流IB(IB<双安定半導体レーザ121の発振電流閾値)が注入された状態で、図19(a)に示された光信号PSと、図19(b)に示されたクロックパルス光PCKとを活性層126から注入される。
これにより、光信号PSがクロックパルス光PCKの印加を受けて双安定半導体レーザ121の発振閾値Pth1を上下するので、光信号再生装置100は、大きな振幅を持つ出力光POを得ることができる。よって、発振閾値Pth1を超えられないほど強度が弱くなった光信号PSでも、クロックパルス光PCKの印加によってヒステリシスの上部へ移行できる。その結果、増幅された出力光POが得られる。
特開平9−275224号公報 特表平5−507156号公報
双安定状態の半導体レーザは、発振閾値程度の微弱な光信号を増幅できるものの、注入光の強度が閾値を上下しなければ光信号を増幅できないという制限がある。そのため、双安定半導体レーザによる光増幅は、振幅が小さかったり強度が閾値未満にまで減衰した光信号には使えない。
また、閾値以上の強度を持たないほど弱くなってしまった光信号にクロック信号を印可して閾値を上下させる方法では、光信号の位相とクロック信号の位相とを完全に同期させる必要がある。超高速通信においては、信号を同期させる調整が一般に困難である。
この発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、消費電力が小さく、伝送損失を受けた光信号を受信でき、光信号を増幅しビットエラーレートを低減できる半導体光増幅デバイス、半導体光増幅駆動装置、および半導体光受信装置を提供することである。
この発明のある局面によれば、光信号を増幅する半導体光増幅駆動装置であって、光増幅領域と可飽和吸収領域とを含む活性層を有する半導体光増幅デバイスを備え活性層は、光信号を含む注入光を受けて、当該注入光が増幅された出力光を出射する。半導体光増幅駆動装置は、さらに、出力光の一部を検出して電気信号に変換する光電変換素子と、電気信号を受けて、光信号と該光信号に含まれる雑音とが確率的に同期するように出力光の状態をモニターするフィードバック制御回路と、フィードバック制御回路から出力される第1の制御信号に応じて、光増幅領域に第1の電流を供給する第1の電流供給回路と、フィードバック制御回路から出力される第2の制御信号に応じて、可飽和吸収領域に第2の電流を供給する第2の電流供給回路とを備える
好ましくは、半導体光増幅デバイスは、第1の極性の電極と、第1の極性の電極に対して設けられる第2の電極とを備える。第1の極性の電極および第2の極性の電極の少なくとも一方は、光増幅領域と可飽和吸収領域とに対して独立に電流を注入できるように分割されている。
好ましくは、光増幅領域は、可飽和吸収領域の両側にそれぞれ配置される第1および第2の光増幅領域を含む。第1および第2の光増幅領域の一方の端面から注入光が入射され、第1および第2の光増幅領域の他方の端面から出力光が出射される。
好ましくは、可飽和吸収領域の共振器方向に占める長さの割合は、1%以上であり、かつ50%未満である。
好ましくは、光増幅領域および可飽和吸収領域に注入される電流の強度は、出力光の振幅が増大し、光信号のビットエラーレートが低減するように調整されている。
好ましくは、半導体光増幅デバイスは、双安定状態の半導体レーザである。
この発明の他の局面によれば、光信号を増幅する半導体光増幅駆動装置であって、光増幅領域と可飽和吸収領域とを含む活性層を有する半導体光増幅デバイスを備え活性層は、光信号を含む注入光を受けて、当該注入光が増幅された出力光を出射する。半導体光増幅駆動装置は、さらに、注入光の一部を検出して電気信号に変換する光電変換素子と、電気信号を受けて、光信号と該光信号に含まれる雑音とが確率的に同期するように注入光の状態をモニターするフィードバック制御回路と、フィードバック制御回路から出力される第1の制御信号に応じて、光増幅領域に第1の電流を供給する第1の電流供給回路と、フィードバック制御回路から出力される第2の制御信号に応じて、可飽和吸収領域に第2の電流を供給する第2の電流供給回路とを備える
好ましくは、半導体光増幅デバイスは、第1の極性の電極と、第1の極性の電極に対して設けられる第2の電極とを備える。第1の極性の電極および第2の極性の電極の少なくとも一方は、光増幅領域と可飽和吸収領域とに対して独立に電流を注入できるように分割されている。
好ましくは、光増幅領域は、可飽和吸収領域の両側にそれぞれ配置される第1および第2の光増幅領域を含む。第1および第2の光増幅領域の一方の端面から注入光が入射され、第1および第2の光増幅領域の他方の端面から出力光が出射される。
好ましくは、可飽和吸収領域の共振器方向に占める長さの割合は、1%以上であり、かつ50%未満である。
好ましくは、光増幅領域および可飽和吸収領域に注入される電流の強度は、出力光の振幅が増大し、光信号のビットエラーレートが低減するように調整されている。
好ましくは、半導体光増幅デバイスは、双安定状態の半導体レーザである。
この発明によれば、消費電力が小さく、伝送損失を受けた光信号を受信でき、光信号を増幅しビットエラーレートを低減することができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1における半導体光増幅デバイス1の共振器側面の概略的な構成を示した断面図である。
図1を参照して、実施の形態1の半導体光増幅デバイス1は、活性層2と、n型InP(インジウムリン)基板9と、n型InPクラッド層12と、p型InPクラッド層13と、p電極21〜23と、n電極27〜29とを備える。n型InP基板9の上に、n型InPクラッド層12が形成されている。n型InPクラッド層12の上に、活性層2が形成されている。
活性層2は、InGaAsP(インジウムガリウム砒素リン)から構成され、可飽和吸収領域4と、光増幅領域5,6とを含む。光増幅領域5,6は、半導体光増幅デバイス1の共振器側面から見て、可飽和吸収領域4の両側にそれぞれ設けられている。光増幅領域5は、注入光Pinが入射される入射面7を有する。光増幅領域6は、出力光Poutが出射される出射面8を有する。
活性層2の上に、p型InPクラッド層13が形成されている。p型InPクラッド層13の上に、p電極21〜23が設けられている。p電極21は、可飽和吸収領域4に対して設けられており、p電極22,23は、光増幅領域5,6に対してそれぞれ設けられている。p電極21〜23からは、注入電流がそれぞれ注入される。p電極21〜23に対応して、n型InP基板9の下にn電極27〜29がそれぞれ設けられている。
光増幅領域5,6には、p電極22,23を介して、共通の変調電流がそれぞれ注入される。可飽和吸収領域4には、p電極21を介して、光増幅領域5,6とは独立に変調電流が注入される。
可飽和吸収領域4および光増幅領域5,6は、半導体光増幅デバイス1が双安定状態となる条件で構成されている。光増幅領域5,6へ直流電流を注入すると、半導体光増幅デバイス1は双安定状態となって動作する。共振器方向における可飽和吸収領域4の長さは、共振器長さ全体の約10%としている。
実施の形態1の半導体光増幅デバイス1は、活性層2が可飽和吸収領域4と光増幅領域5,6との3つに分割されているのに合わせて、p電極およびn電極もそれぞれ3つに分割されている。つまり、半導体光増幅デバイス1は、可飽和吸収領域4および光増幅領域5、6にそれぞれ注入される注入電流の制御をより独立に行いやすい構造となっている。
これにより、可飽和吸収領域4を流れる電流と光増幅領域5、6を流れる電流とが互いに干渉してしまうのを回避することができる。なお、図1ではp電極およびn電極がともに分割されている例を示しているが、これは一例であり、電流を独立に注入するには少なくとも一方の電極が分割されていれば十分である。
入射面7から入射される注入光Pinは、「1」または「0」の2値からなる光信号に有色雑音の強度変化を示す雑音光を付加して生成されている。白色雑音が周波数帯域を持たないに対し、有色雑音は周波数帯域を有する。有色雑音の周波数帯域は、カットオフ周波数によって表わされる。
半導体光増幅デバイス1の活性層2のうち、可飽和吸収領域4の部分にはキャリア寿命を調整するために不純物を添加している。ここでは、不純物としてSi(シリコン)を1×1019cm-3添加している。
次に、半導体光増幅デバイス1の動作について説明する。以下では、非周期的でランダムな強度変化を持ち、光信号に対する雑音として活性層に意図的に注入する光を「付加雑音光」と称し、伝送路等に起因する雑音とは区別している。
図2〜4は、この発明の実施の形態1における半導体光増幅デバイス1の活性層2への注入光Pinがどのように生成されるかを説明するための図である。
図2は、「1」または「0」の2値を持つ劣化した光信号P0の時間波形を示す。図3は、付加雑音光Pnの時間波形を示す。以下では、付加雑音光Pnの最大値と最小値との差分ΔPnを付加雑音光Pnの雑音強度と呼ぶ。図4は、図2の光信号P0に図3の付加雑音光Pnを付加した注入光Pin=P0+Pnの時間波形を示している。こうして生成された注入光Pinは、図1の半導体光増幅デバイス1の活性層2へと注入される。
図5は、この発明の実施の形態1における半導体光増幅デバイス1の動作特性を説明するための図である(図17、図18の説明も参照)。
図5において、(a)は図1の半導体光増幅デバイス1における注入光−光出力特性、(b)は図4で説明した注入光Pinの時間波形、(c)は(b)の注入光Pinを半導体光増幅デバイス1に注入した結果得られる出力光Poutの時間波形をそれぞれ示している。図5(a)において、横軸は注入光、縦軸は注入光に応じて得られる光出力をそれぞれ表わす。
図5(a)において、PthONは、実線A1で示したヒステリシス下部の状態から破線B1で示したヒステリシス上部へ光出力の状態が移行する光強度、すなわちヒステリシスの立ち上がり閾値を示している。また、PthOFFは、ヒステリシス上部からヒステリシス下部へ移行するときの光強度、すなわちヒステリシスの立下り閾値を示している。ヒステリシスの立ち上がり閾値PthONおよび立下り閾値PthOFFは、図2および図4においても示されている。
図2を参照して、付加雑音光Pnを印加する前の光信号P0の強度は、最大値がヒステリシスの立ち上がり閾値PthONより小さくなるほど劣化している。そのため、図2の光信号P0を図1の半導体光増幅デバイス1の活性層2に注入しただけでは、光出力は図5(a)の注入光−光出力特性曲線上でヒステリシス下部に留まり、ヒステリシス上部へと移行することができない。
図2の光信号P0に図3の付加雑音光Pnを印加した注入光Pinは、図4に示すように、光信号P0の最大値「1」近傍で光強度がヒステリシスの立ち上がり閾値PthONを越える。そして、光信号P0の最大値を過ぎると再びPthON以下となり、さらに最小値「0」近傍ではPthOFF以下となって光出力はヒステリシスの下部へ移行する。
このように、注入光Pinが立ち上がり/立ち下がり閾値を超えることによって、光出力がヒステリシスの上下を移行する。これにより、出力光Poutの光強度が急激に増減する。その結果、図5(c)に示すように、光信号P0の「1」および「0」が強調された、振幅の大きい出力光Poutを得ることができる。付加雑音光Pnは、光信号P0に印加される際、出力光Poutが伝送路等に起因する雑音の低減効果を得られるような雑音強度とカットオフ周波数とを有するように適度に調整される。
なぜなら、付加雑音光Pnの雑音強度が小さすぎると、光出力がヒステリシスの上部へ移行することが出来ず、伝送路等に起因する雑音を低減するために必要な大きさの振幅を持つ出力光Poutを得られないからである。また、付加雑音光Pnの雑音強度が大きすぎると、光信号P0の「1」または「0」とは無関係に光出力がヒステリシスの上部へ移行するため、出力光Poutの強度変化がランダムになってしまい、ビットエラーレートを低減できないためである。
また、付加雑音光Pnのカットオフ周波数が高くなると、それとともに雑音強度も大きくなり、ヒステリシス上下の移行に影響を及ぼす。なお、図2では光信号P0の2値の低い方である「0」に相当する強度がPthOFFより大きくなっているが、PthOFF以下であっても、付加雑音光Pnの雑音強度とカットオフ周波数とを調整することで、伝送路等に起因する雑音の低減効果が得られる。
このように、付加雑音光Pnは、ビットエラーレートの低減効果を得られるような雑音強度とカットオフ周波数とに適度に調整されて、光信号P0とともに、図1の半導体光増幅デバイス1の光増幅領域5,6に注入される。半導体光増幅デバイス1の立ち上がり閾値PthONの値は、光信号P0だけを光増幅領域5,6に注入しても伝送路等に起因する雑音を低減できない程度の値に調整される。すなわち、立ち上がり閾値PthONの値は、光信号P0だけを光増幅領域5,6に注入したときに得られる光出力が、ヒステリシス下部に対応した微小な値しか得られない程度に調整される。
また、付加雑音光Pnの雑音強度とそのカットオフ周波数とを適度に調節して光信号P0に付加することにより、注入光Pinの値を、光信号P0の値を中心値としてランダムに変化させている。
このとき、光信号P0の最大値および/または最小値と、光信号P0とともに光増幅領域5,6に注入される付加雑音光Pnの強度とを確率的に同期させることで、光信号P0が「0」または「1」となるタイミングに光出力がヒステリシスの上下に移行する。これにより、ヒステリシス上下の強度差に応じて出力光の出力振幅が増大し、振幅の大きい出力光Poutを得ることができる。
以上により、微弱な光信号P0を増幅させることができ、大きい振幅を持ちかつ高い光強度を有する出力光Poutが得られる。これにより、出力光PoutのS/N比が向上し、伝送路等に起因する雑音の低減効果を得ることができる。その結果、出力光Poutのビットエラーレートを低減することができる。
さらに、図1の半導体光増幅デバイス1は、光増幅領域5,6と可飽和吸収領域4とで独立に電流を注入しているので、電流注入によってヒステリシスを制御できる。これにより、立ち上がり閾値PthONを低くしてより低電流で駆動したり、出力光Poutの振幅を調整したりできる。
このように、雑音を適度に付加することで信号のS/N比が向上する現象は「確率共鳴」と呼ばれている。
付加雑音光Pnの代わりにクロック光または周期信号光を光信号P0に付加してヒステリシスの上部に移行させようとした場合、位相および周期が光信号P0と完全に同一か正確に倍数になっていて両者の最大値が同期しなければ、大きな振幅の出力光Poutは得られない。よって、回路の熱雑音などで光信号P0の波形がゆらぐと、伝送路等に起因する雑音の低減効果は低減してしまう。
これに対し、ランダムな強度変化を持つ付加雑音光Pnは様々な周波数成分を有するので、信号波形のゆらぎにも強くなり、伝送路等に起因する雑音の低減効果を維持できる。また、周期信号光を発生させるよりも付加雑音光Pnを発生させるほうが消費電力が少なくてすむ利点がある。
図6は、付加雑音光Pnの雑音強度を変化させたときの出力光Poutのビットエラーレート(BER)を示した図である。
図6に示すように、BERは、最適な雑音強度Dmにおいて最小となる。実施の形態1では、この最適な雑音強度Dmを有する付加雑音光Pnを光信号P0に付加している。これにより、適度な付加雑音光Pnが微小な光信号P0をヒステリシスの上部に押し上げ、振幅が大きくS/N比が向上した出力光Poutの発生を可能にしている。実施の形態1では、出力光PoutのBERが最小である最適な雑音強度Dmを有するように、付加雑音光Pnを調整している。
このように、実施の形態1の半導体光増幅デバイス1を用いれば、デバイスの発振閾値以下にまで弱まった劣化した光信号P0も受信でき、さらに、増幅して2値が強調された出力光Poutを得ることができる。これにより、出力光PoutのS/N比が向上し、伝送路等に起因する雑音が低減された出力光Poutを低電力で得ることができる。
また、回路雑音や熱によって生じる信号の揺らぎにも強い付加雑音光Pnを用いるので、駆動時のパラメータ設定を広く取ることができる。これにより、伝送路等に起因する雑音の低減を容易に行なうことができ、その結果、出力光Poutのビットエラーレートを低減することが可能となる。
なお、図1において、入射面7と出射面8とを別個に作らずとも、ビットエラーレートが低減された出力光Poutを得ることは可能である。しかしながら、図1のように入射面7と出射面8とを作り分けた方が、注入光Pinと出力光Poutとをそれぞれ制御しやすく、光学系の光軸の調整も容易となるので望ましい。
また、付加雑音光Pnのカットオフ周波数は最適に調整せずとも、ビットエラーレートの低減効果を得ることは可能である。しかし、カットオフ周波数は雑音強度に影響するので、調整した方がより最適な雑音強度を得やすくなり、ビットエラーレートの低減効果も得られるため望ましい。
また、図1において、可飽和吸収領域4の共振器方向に占める長さは、約10%でなくともビットエラーレートの低減効果を得ることは可能である。
しかし、可飽和吸収領域4の共振器方向に占める長さの割合が小さくなると、それにともなって半導体光増幅デバイス1の双安定状態が実現しにくくなる。特に、当該割合が1%未満で双安定状態の半導体素子を作製しようとすると、作製工程の手間や拡散材料の選定等が著しく困難となる。したがって、可飽和吸収領域4の共振器方向に占める長さの割合は、1%以上であることが望ましい。
逆に、可飽和吸収領域4の共振器方向に占める長さの割合が大きくなると、それにともなって発振閾値も上昇する。特に、当該割合が50%より大きくなると、消費電力が著しく増大し、その結果、発熱が大きくなる。
また、可飽和吸収領域4の共振器方向に占める長さの割合が大きくなると、ヒステリシスの形状を最適にするために注入電流を増やす必要が生じる。特に、当該割合が50%より大きくなると、消費電力が著しく増大し、その結果、発熱が大きくなる。さらに、ヒステリシスの形状が最適でない場合には、伝送路等に起因する雑音の低減効果が減少し、光出力の増幅も低減する。
これらの理由により、共振器方向における可飽和吸収領域4の長さの割合は、1%以上で、かつ50%以下であることが望ましい。これにより、双安定状態を満足しやすくなり、かつ発振閾値を低くでき、またヒステリシスの形状も好適に決定できる。また、消費電力が少なくかつ少ない発熱で伝送路等に起因する雑音の低減効果を得やすくなり、さらに素子の作製条件を満たしやすくなるという利点がある。
また、図6を参照して、付加雑音光Pnの強度は、BERが最小である最適雑音強度Dmとなるように調整されている。しかしながら、付加雑音光Pnの強度はこれに限るものではなく、得られる出力光Poutが、光通信で必要とされるBERの値を満たす範囲の雑音強度であればかまわない。その場合、付加雑音光Pnの最大値と最小値との差が半導体光増幅デバイス1の注入光Pinの振幅の1/10以下であれば、ビットエラーレートが低減された出力光Poutが得られる。
付加雑音光Pnの強度が強すぎると、出力光Poutの波形が崩れるので雑音の低減は起こらなくなる。少なくとも、付加雑音光Pnの雑音強度ΔPnが光信号P0の振幅より大きい場合、光信号P0の波形および周期を再現できなくなるため、光信号P0の検出ができなくなる。これに対し、付加雑音光Pnの雑音強度が注入光Pinの振幅の1/10以下であれば、さらに出力光Poutの振幅を大きくでき、BERの値を向上することができる。これにより、伝送路等に起因する雑音の低減効果を向上できるため、好ましい。
また、付加雑音光Pnとして有色雑音を用いたが、強度変化が非周期的でランダムであれば、有色雑音でなくともビットエラーレートの低減効果を得ることは可能である。しかし、有色雑音を用いた場合、カットオフ周波数によって有色雑音の周波数帯域を調整することができる。そのため、光信号P0の周波数に合わせて有色雑音の周波数帯域を調整することで、ビットエラーレートの低減効果をより得やすくなるというメリットがある。
また、光信号P0として周期信号光を用いたが、非周期信号光であっても、ビットエラーレート低減効果を得ることが可能である。
なお、図1ではp電極およびn電極をそれぞれ3つ設ける場合について説明したが、電極の数はこれに限るものではなく、p電極およびn電極をそれぞれ2つ以上用いた、双安定状態を有する他の半導体光増幅デバイスについても、同様に伝送路等に起因する雑音の低減効果を得ることが可能である。しかし、図1に示した半導体光増幅デバイス1のように、光増幅領域を2つ設け、それぞれに対応した電極を作る方が、注入光Pinと出力光Poutとをそれぞれ制御しやすくなるというメリットがある。
また、図1において、光増幅領域5,6ではなく可飽和吸収領域4に付加雑音光Pnを注入しても、ビットエラーレートが低減された光出力を得ることができる。この場合、可飽和吸収領域4が飽和しやすくなるので光注入量の上限が低くなり、付加雑音光Pnの雑音強度を好適に決定しづらくなるものの、可飽和吸収領域4への付加雑音光Pnの注入によってヒステリシス形状を調整しやすくなる。付加雑音光Pnの注入量を変えることによって、半導体光増幅デバイス1の立ち上がり閾値PthONおよび立ち下がり閾値PthOFFを変動させ、ヒステリシス形状を調整することも可能である。
したがって、付加雑音光Pnの雑音強度およびそのカットオフ周波数を、注入光Pinの「0」または「1」に応じて立ち上がり閾値PthONが上下するように最適に調整することで、大きい振幅を持ち、かつS/N比が向上した出力光Poutが得られる。
また、付加雑音光Pnは、光信号P0に付加してから半導体光増幅デバイス1の光増幅領域5,6に注入せずとも、別々の回路を介して独立に光増幅領域5,6に注入してもよい。その場合、回路が余分に必要になり光軸の調整を要するものの、雑音強度の調整がやりやすくなるという利点がある。
また、半導体光増幅デバイス1は、InGaAsP系の半導体だけでなく、たとえば、AlGaAs(アルミニウムガリウム砒素)系、InP(インジウムリン)系、GaInNAs(ガリウム窒化インジウム砒素)系、GaN(窒化ガリウム)系、またはII−VI系の半導体など、他の材料を用いた半導体レーザであってもよい。
また、半導体光増幅デバイス1の活性層2のうち可飽和吸収領域4の部分にはキャリア寿命を調整するために不純物としてSiを1×1019cm-3添加しているが、半導体光増幅デバイス1が双安定状態となる条件を満たすのであれば、この値に限るものではない。
また、光信号P0は2値信号としているが、NRZ(Non-Return to Zero)符号の信号など、その他の方式の信号であってもよい。
また、半導体光増幅デバイス1から出力される光出力Poutを受光素子で受光してもよい。この場合、受光した光出力Poutの一部を光電変換素子などで電気信号に変換して利用できるというメリットがある。さらに、半導体光増幅デバイス1と上記の受光素子とを同一基板上に集積すれば、個別に配置するよりもコストダウンとなり、半導体光増幅デバイス1と当該受光素子との光軸合わせを行なう必要もなくなる。
以上のように、実施の形態1によれば、光信号P0に付加雑音光Pnを印加した注入光Pinを双安定状態の半導体光増幅デバイス1に注入することによって、消費電力が低く、回路への負担が少なく、かつ雑音特性にも優れた高い出力光Poutを得ることができる。これにより、伝送路等に起因した出力光Poutの雑音を低減でき、その結果、ビットエラーレートを低減することが可能となる。
(実施の形態1の変形例1)
実施の形態1における半導体光増幅デバイス1の変形例である半導体光増幅デバイス1Aは、付加雑音光Pnとして有色雑音の代わりに白色雑音を用いた以外は、実施の形態1の半導体光増幅デバイス1と同じである。半導体光増幅デバイス1Aにおいても、劣化した信号を増幅し、ビットエラーレートが低減された光出力を得られる。
半導体光増幅デバイス1Aは、ビットエラーレート低減効果を最大に得られるように付加雑音光のカットオフ周波数によって調整することができず、確率共鳴現象を起こしにくくなるが、構成が簡潔で実装がコンパクトになるという利点がある。
(実施の形態1の変形例2)
実施の形態1における半導体光増幅デバイス1の他の変形例である半導体光増幅デバイス1Bは、可飽和吸収領域4に注入する電流を変調電流から一定電流に変更した以外は、実施の形態1の半導体光増幅デバイス1と同じである。半導体光増幅デバイス1Bにおいても、劣化した信号を増幅し、ビットエラーレートが低減された光出力を得られる。
半導体光増幅デバイス1Bは、ビットエラーレート低減効果を最大に得られるように調整しにくくなるが、変調回路がひとつで済み、可飽和吸収領域4の飽和量が一定に保てるので注入光出力光特性を安定させやすいという利点がある。なお、半導体光増幅デバイス1Bでは付加雑音光として有色雑音を用いたが、半導体光増幅デバイス1Aと同じく白色雑音を用いても、振幅が増幅されビットエラーレートが低減された光出力が得られる。
(実施の形態1の変形例3)
実施の形態1における半導体光増幅デバイス1の他の変形例である半導体光増幅デバイス1Cは、光増幅領域5,6に注入する変調電流を一定電流に変更した以外は、実施の形態1の半導体光増幅デバイス1と同じである。半導体光増幅デバイス1Cにおいても、劣化した信号を増幅し、ビットエラーレートが低減された光出力を得られる。
半導体光増幅デバイス1Cは、ビットエラーレート低減効果を最大に得られるように調整しにくくなるが、可飽和吸収領域4へ注入する変調電流は閾値を直接変動させるので、振幅が小さくても光出力を大きく変動させやすく、光増幅領域5,6に変調電流を注入した場合よりも消費電力が小さくて済むという利点がある。
なお、半導体光増幅デバイス1Cに一定電流を注入するのは、光増幅領域5,6のいずれかであっても、ビットエラーレート低減効果および光増幅効果が得られる。また、半導体光増幅デバイス1Cでは付加雑音光として有色雑音を用いたが、半導体光増幅デバイス1Aと同じく白色雑音を用いても、振幅が増幅されビットエラーレートが低減された光出力が得られる。
(実施の形態1の変形例4)
実施の形態1における半導体光増幅デバイス1の他の変形例である半導体光増幅デバイス1Dは、光増幅領域5,6および可飽和吸収領域4に注入する変調電流を一定電流に変更した以外は、実施の形態1の半導体光増幅デバイス1と同じである。半導体光増幅デバイス1Dにおいても、劣化した信号を増幅し、ビットエラーレートが低減された光出力を得られる。
半導体光増幅デバイス1Dは、ビットエラーレート低減効果を最大に得られるように調整しにくくなるが、変調回路が不要になるので、構成が簡潔で消費電力が少なくなる。なお、半導体光増幅デバイス1Dでは付加雑音光として有色雑音を用いたが、半導体光増幅デバイス1Aと同じく白色雑音を用いても、振幅が増幅されビットエラーレートが低減された光出力を得られる。
[実施の形態2]
図7は、この発明の実施の形態2における半導体光増幅駆動装置10Aの概略的な構成を示した図である。
図7を参照して、実施の形態2の半導体光増幅駆動装置10Aは、半導体光増幅デバイス1とその駆動装置とから構成される。具体的には、半導体光増幅駆動装置10Aは、半導体光増幅デバイス1と、ビームスプリッタ52と、光電変換素子53と、結合コンデンサ54と、ローパスフィルタ(LPF)55と、基準電流源56と、プリアンプ57と、抵抗58と、光源59とを備える。
図7に示す半導体光増幅デバイス1は、実施の形態1(変形例1〜4を含む)で説明した、可飽和吸収領域を有する双安定状態の半導体光増幅デバイスである。したがって、実施の形態1と重複する部分の説明は、ここでは繰り返さない。半導体光増幅デバイス1のp電極を介して注入される注入電流は、実施の形態1で説明したのと同じである。
半導体光増幅デバイス1は、光信号P0に光源59から出力される付加雑音光Pnが付加された注入光Pinを受けて、出力光Poutを出力する。光信号P0は、伝送路等に起因する雑音によって劣化しているものとする。ビームスプリッタ52は、出力光Poutの一部を光電変換素子53に分岐する。
光電変換素子53は、電源ノードとノードN51との間に接続され、ビームスプリッタ52によって分岐された出力光Poutの一部を検出する。抵抗58は、ノードN51と接地ノードとの間に接続される。
光電変換素子53によって検出された出力光Poutの一部は、結合コンデンサ54を介してローパスフィルタ55に電気信号として出力される。ローパスフィルタ55は、当該電気信号のうち、光信号P0のビットエラーレートの低減効果が得られる適度なカットオフ周波数以下の成分のみを抽出する。
プリアンプ57は、ローパスフィルタ55で抽出された周波数成分の電流と、基準電流源56からの電流との差分をとって強度を調整する。光源59は、プリアンプ57から出力される調整された電流を受けて、付加雑音光Pnを半導体光増幅デバイス1の光増幅領域に注入する。
光源59としては、たとえば半導体レーザが用いられる。光源59に半導体レーザを用いた場合、半導体レーザの入力電流と光出力との関係は線形であるため、付加雑音光Pnの調整が容易となる。この結果、プリアンプ57からの電流に応じて光出力Poutを変調できる。付加雑音光Pnの雑音強度は、実施の形態1の場合と同様に、光信号P0のビットエラーレートが最低となるよう調整されている。
このように、実施の形態2の半導体光増幅駆動装置10Aは、雑音光源を用いる代わりに、出力光Poutの一部を光電変換素子53で検出し、その帯域の一部をローパスフィルタ55で抽出する。半導体光増幅駆動装置10Aは、ローパスフィルタ55で抽出された周波数成分の電流と、基準電流源56からの電流との差分をもとに、光信号P0に付加する付加雑音光Pnを生成する。光信号P0と付加雑音光Pnとの協同効果により、振幅が増幅されビットエラーレートが低減された出力光Poutが得られる。
半導体光増幅デバイス1の出力光Poutの一部を光電変換素子53で検出した場合、利用できる出力光Poutの強度は弱まるものの、雑音光源が不要なので消費電力が小さくなるという利点がある。また、半導体光増幅デバイス1の出力光Poutの一部を用いて付加雑音光Pnを作り出しているため、簡単な装置構成により付加雑音光Pnを発生させることができる。
なお、図7ではローパスフィルタ55を用いたが、付加雑音光Pnのカットオフ周波数を適度に調整できるのであれば、ローパスフィルタに限らずとも、ハイパスフィルタまたはバンドパスフィルタ等を用いてもかまわない。ただし、ローパスフィルタを用いた方が、付加雑音光Pnを有色雑音として使用でき、確率共鳴現象を起こしやすくなるので、ビットエラーレートの低減効果をより得やすくなるというメリットがある。
以上のように、実施の形態2によれば、雑音光源を用いる代わりに、半導体光増幅デバイス1の出力光Poutの一部を光電変換素子53で検出して、それをもとに付加雑音光Pnを生成することによって、消費電力が低く回路への負担が少なく、かつS/N比も良好な高い出力光Poutを得ることができる。これにより、出力光Poutのビットエラーレートが低減される。
[実施の形態3]
図8は、この発明の実施の形態3における半導体光増幅駆動装置10Bの概略的な構成を示した図である。
図8を参照して、実施の形態3の半導体光増幅駆動装置10Bは、半導体光増幅デバイス1とその駆動装置とから構成される。具体的には、半導体光増幅駆動装置10Bは、半導体光増幅デバイス1と、変調電流供給回路68,69と、ビームスプリッタ77と、光電変換素子78と、フィードバック制御回路79とを備える。
図8に示す半導体光増幅デバイス1は、実施の形態1(変形例1〜4を含む)で説明した、可飽和吸収領域を有する双安定状態の半導体光増幅デバイスである。したがって、実施の形態1と重複する部分の説明は、ここでは繰り返さない。半導体光増幅デバイス1の動作特性は、実施の形態1の図5に示されている。
変調電流供給回路68は、p電極22,23に接続されている。変調電流供給回路69は、p電極21に接続されている。ビームスプリッタ77は、半導体光増幅デバイス1の出力光Poutの一部を光電変換素子78に分岐する。光電変換素子78は、ビームスプリッタ77によって分岐された出力光Poutの一部を検出し、それをフィードバック制御回路79に出力する。フィードバック制御回路79は、変調電流供給回路68,69に接続されている。
次に、半導体光増幅駆動装置10Bの動作について説明する。
半導体光増幅デバイス1は、光増幅領域5の入射面7から光信号P0が注入される。光信号P0は、実施の形態1の図2で説明した光信号である。変調電流供給回路68は、p電極22,23を介して、光増幅領域5,6にそれぞれ変調電流を注入する。変調電流供給回路69は、p電極21を介して、可飽和吸収領域4に変調電流を注入する。
フィードバック制御回路79は、ビームスプリッタ77を介して光電変換素子78から得られる出力光Poutの状態をモニターしている。フィードバック制御回路79は、出力光Poutにおけるビットエラーレートの低減効果が最大に得られるように調整された制御信号を、変調電流供給回路68,69にそれぞれ供給する。
変調電流供給回路68,69がp電極21〜23を介して供給する変調電流は、光信号P0が半導体光増幅デバイス1の立ち上がり閾値PthONを越えない程度の強度に調整されている。また、当該変調電流は、光信号P0の「0」または「1」と、伝送路等に起因した雑音とが確率的に同期して、光信号P0が「0」または「1」の値に対応してヒステリシスの上下を飛び移るように調整されている。これにより、ビットエラーレートの低減効果が得られる。
実施の形態3では、図3の付加雑音光Pnの代わりに、光信号P0に含まれる雑音を利用している。半導体光増幅駆動装置10Bは、雑音強度を調整する代わりに半導体光増幅デバイス1に注入する変調電流を調整することで、光信号P0の2値と光信号P0に含まれる雑音との協同によって出力光Poutがヒステリシスの上下を移行するように制御している。これにより、光信号P0を増幅して出力光PoutのS/N比を向上させることができ、その結果、ビットエラーレートが低減する。
つまり、半導体光増幅駆動装置10Bは、光増幅領域5,6および可飽和吸収領域4へ変調電流を注入することによって、半導体光増幅デバイス1の立ち上がり閾値PthONおよびヒステリシス形状を制御する。このとき、光信号P0に含まれる雑音に応じてヒステリシス形状を調整せねばならないので、出力光Poutをモニタして変調電流をフィードバック制御する。
半導体光増幅駆動装置10Bは、光増幅領域5,6および可飽和吸収領域4に対して独立に電流を注入している。そのため、光信号P0に含まれる雑音と光信号P0とに応じて注入電流を最適な状態に調整することができ、出力光Poutのビットエラーレート低減効果を得やすくなる。
すなわち、半導体光増幅駆動装置10Bは、出力光Poutをモニターして変調電流を調整し、半導体光増幅デバイス1のヒステリシス形状を出力光Poutの状態に合わせて調整することで、振幅が増幅されS/N比が向上された出力光Poutを得ることができる。これにより、出力光Poutのビットエラーレートが低減される。
なお、出力光Poutの一部を抽出してモニターせずに変調電流を調整しても、光信号P0のビットエラーレートを低減することは可能である。この場合、ビームスプリッタおよびフィードバック制御回路などを用いずに済むが、ビットエラーレートの低減効果を最大に得るための調整が困難になる。
実施の形態3では、光信号P0の最大値または最小値と光信号P0に含まれる雑音とが確率的に同期して、光信号P0が最大値または最小値となるときに出力光Poutがヒステリシスの上下を飛び移る。また、半導体光増幅駆動装置10Bは、雑音を付加せず光信号P0自体に含まれている雑音を利用するため、小さい変調電流の付加で済むとともに、雑音光供給回路を用いる必要がなくなる。半導体光増幅駆動装置10Bは、クロック信号電流の付加などによってヒステリシスの上下を移行させる場合よりも、低消費電力で光信号P0の受信および増幅ができ、しかもビットエラーレートを低減できる。
以上のように、実施の形態3によれば、付加雑音光Pnの代わりに、光信号P0に含まれる雑音を利用して光増幅領域5,6および可飽和吸収領域4に対して独立に変調電流を注入することにより、振幅が増幅されS/N比が向上された出力光Poutを得ることができる。これにより、出力光Poutのビットエラーレートが低減される。
(実施の形態3の変形例1)
実施の形態3における半導体光増幅駆動装置10Bの変形例である半導体光増幅駆動装置10Baは、出力光Poutの代わりに光信号P0をモニターし、ビットエラーレートの低減効果を得られる条件をあらかじめ入力した制御回路によって変調電流を調整する以外は、実施の形態3の半導体光増幅駆動装置10Bと同じである。
具体的には、半導体光増幅駆動装置10Baは、図8の半導体光増幅駆動装置10Bにおいて、ビームスプリッタ77を光増幅領域5の入射面7の前面に配置して光信号P0の一部を光電変換素子78に分岐する構成を有する。半導体光増幅駆動装置10Baにおいても、劣化した信号を増幅し、ビットエラーレートが低減された光出力を得られる。
半導体光増幅駆動装置10Baは、光信号P0の平均光強度とS/N比とをモニタし、それぞれの値に応じて注入する最適な変調電流の値を決定することで、光信号P0に応じた最適な変調電流となるように調整している。
この場合、伝送損失によって低下した光信号P0の光強度がさらに弱くなって半導体光増幅デバイス1に注入されるものの、光信号P0の変動を直接モニターすることが可能である。そのため、伝送路等に起因した雑音と光信号P0の状態とに応じて変調電流をすばやく調整することが容易になるという利点がある。
(実施の形態3の変形例2)
実施の形態3における半導体光増幅駆動装置10Bの他の変形例である半導体光増幅駆動装置10Bbは、p電極21に接続されている変調電流供給回路69を一定電流供給回路に変更した以外は、実施の形態3の半導体光増幅駆動装置10Bと同じである。半導体光増幅駆動装置10Bbにおいても、劣化した信号を増幅し、ビットエラーレートが低減された光出力を得られる。
半導体光増幅駆動装置10Bbは、ビットエラーレート低減効果を最大に得られるように調整しにくくなるが、変調回路がひとつで済み、可飽和吸収領域4の飽和量が一定に保てるので注入光出力光特性を安定させやすいという利点がある。なお、半導体光増幅駆動装置10Bbでは出力光Poutをモニターしているが、半導体光増幅駆動装置10Baと同じく光信号P0をモニターしても、振幅が増幅されビットエラーレートが低減された光出力を得られる。
(実施の形態3の変形例3)
実施の形態3における半導体光増幅駆動装置10Bの他の変形例である半導体光増幅駆動装置10Bcは、p電極22,23に接続されている変調電流供給回路68を一定電流供給回路に変更した以外は、実施の形態3の半導体光増幅駆動装置10Bと同じである。半導体光増幅駆動装置10Bcにおいても、劣化した信号を増幅し、ビットエラーレートが低減された光出力を得られる。
半導体光増幅駆動装置10Bcは、雑音低減効果を最大に得られるように調整しにくくなるが、可飽和吸収領域4への変調電流の注入は閾値を直接変動させるので、光信号P0の振幅が小さくても出力光Poutを大きく変動させやすく、光増幅領域5,6に変調電流を注入した場合よりも消費電力が小さくて済むという利点がある。
なお、半導体光増幅デバイス1に一定電流を注入するのは、光増幅領域5,6のいずれかであっても、ビットエラーレート低減効果および光増幅効果が得られる。また、半導体光増幅駆動装置10Bcでは出力光Poutをモニターしているが、半導体光増幅駆動装置10Baと同じく光信号P0をモニターしても、振幅が増幅されビットエラーレートが低減された光出力を得られる。
(実施の形態3の変形例4)
実施の形態3における半導体光増幅駆動装置10Bの他の変形例である半導体光増幅駆動装置10Bdは、p電極21〜23に接続されている変調電流供給回路68,69を一定電流供給回路に変更した以外は、実施の形態3の半導体光増幅駆動装置10Bと同じである。半導体光増幅駆動装置10Bdにおいても、劣化した信号を増幅し、ビットエラーレートが低減された光出力を得られる。
半導体光増幅駆動装置10Bdは、ビットエラーレート低減効果を最大に得られるように調整しにくくなるが、変調回路が不要になるので、調整の必要が無く構成が簡潔で消費電力が少なくなる。なお、半導体光増幅駆動装置10Bdでは出力光Poutをモニターしているが、半導体光増幅駆動装置10Baと同じく光信号P0をモニターしても、振幅が増幅されビットエラーレートが低減された光出力を得られる。
[実施の形態4]
図9は、この発明の実施の形態4における半導体光増幅駆動装置10Cの概略的な構成を示した図である。
図9を参照して、実施の形態4の半導体光増幅駆動装置10Cは、半導体光増幅デバイス1とその駆動装置とから構成される。具体的には、半導体光増幅駆動装置10Cは、半導体光増幅デバイス1と、変調電流供給回路88,91と、付加雑音電流供給回路89と、結合器90とを備える。
図9に示す半導体光増幅デバイス1は、実施の形態1(変形例1〜4を含む)で説明した、可飽和吸収領域を有する双安定状態の半導体光増幅デバイスである。したがって、実施の形態1と重複する部分の説明は、ここでは繰り返さない。半導体光増幅デバイス1の動作特性は、実施の形態1の図5に示されている。
変調電流供給回路88および付加雑音電流供給回路89は、結合器90に接続されている。結合器90は、p電極22,23に接続されている。変調電流供給回路91は、p電極21に接続されている。付加雑音電流供給回路89は、有色雑音の強度変化を有する付加雑音としての電流Inを供給する。
次に、半導体光増幅駆動装置10Cの動作について説明する。以下では、非周期的でランダムな強度変化を持ち、変調電流に対する雑音として活性層に注入する光を「付加雑音電流」と称する。
図10,11は、半導体光増幅駆動装置10Cにおける半導体光増幅デバイス1の活性層2へ注入する光信号P0および変調電流に付加される付加雑音電流Inについて説明するための図である。
図10は、図9の半導体光増幅デバイス1に入射される光信号P0の時間波形を示す。図10に示すように、光信号P0は、半導体光増幅デバイス1の立ち上がり閾値PthON以下である。
図11は、付加雑音電流供給回路89によって生成される付加雑音電流Inの時間波形を示す。付加雑音電流Inは、変調電流供給回路88から出力される変調電流と確率的に同期しており、当該変調電流と結合された後、p電極22を介して半導体光増幅デバイス1の活性層2へと注入される。
付加雑音電流Inは、出力光Poutがビットエラーレートの低減効果を得られるような電流値とカットオフ周波数とに適度に調整されている。以下では、付加雑音電流Inの電流値の最大値と最小値との差分を、付加雑音電流Inの最大振幅ΔInと呼ぶ。付加雑音電流Inの最大振幅ΔInは、変調電流供給回路88から出力される変調電流の電流値以下に調整されている。
図9に示すように、変調電流供給回路88から出力される変調電流と、有色雑音の強度変化を有する付加雑音電流Inとは、結合器90において結合される。当該結合された注入電流は、p電極22,23を介して、光増幅領域5,6にそれぞれ注入される。変調電流供給回路91から出力される変調電流は、上記の注入電流とは独立に、p電極21を介して、可飽和吸収領域4に注入される。
図10を参照して、ヒステリシスの立ち上がり閾値PthONは、光信号P0の強度より高くなるように設定されている。そのため、光信号P0を活性層2に注入しただけでは、出力光Poutは、図5(a)の注入光−光出力特性曲線上でヒステリシス下部に留まり、ヒステリシスの上部へと移行することはできない。
図9に示すように、光信号P0によって半導体光増幅デバイス1の活性層2に注入された光子に、付加雑音電流Inの注入により活性層2にキャリアが注入されて発生した光子が印加される。これにより、光増幅領域5,6の光子が増大し、出力光Poutが立ち上がり閾値PthONを越えやすくなる。
このとき、付加雑音電流Inの変動に従ってキャリアの増加量も変動する。したがって、付加雑音電流Inの最大振幅ΔInおよびカットオフ周波数を、光信号P0の「0」または「1」に応じて立ち上がり閾値PthONが上下するように最適に調整することで、大きい振幅を持ち、かつS/N比が向上した出力光Poutが得られる。
実施の形態4では、付加雑音電流Inの最大振幅ΔInおよびカットオフ周波数を、ビットエラーレートの低減効果が最大に得られるよう最適に調整している。その結果、伝送路等に起因する雑音を大きく低減することができる。このとき、光信号P0は半導体光増幅デバイス1の立ち上がり閾値PthON以下で良いので、微弱な光信号P0であっても増幅させることができる。
さらに、図9に示すように、半導体光増幅駆動装置10Cは、半導体光増幅デバイス1の光増幅領域5,6と可飽和吸収領域4とでそれぞれ独立に電流を注入している。そのため、半導体光増幅駆動装置10Cは、電流注入によってヒステリシスを制御することができ、立ち上がり閾値PthONを低くしてより低電流で駆動したり、出力光Poutの振幅を調整したりできる。
なお、半導体光増幅デバイス1の光増幅領域5,6ではなく可飽和吸収領域4に付加雑音電流Inを注入しても、ビットエラーレートが低減された出力光Poutを得ることは可能である。この場合、可飽和吸収領域4が飽和しやすくなるので注入できる電流値の上限が低くなり、付加雑音電流Inの最大振幅ΔInを好適に決定しづらいものの、可飽和吸収領域4への付加雑音電流Inの注入によってヒステリシス形状を調整しやすくなる。
可飽和吸収領域4への付加雑音電流Inの注入量に応じて、半導体光増幅デバイス1の閾値PthONまたはPthOFFを変動させ調整することができる。したがって、付加雑音電流Inの最大振幅ΔInおよびカットオフ周波数を、光信号P0の「0」または「1」に応じて立ち上がり閾値PthONが上下するように最適に調整することで、大きい振幅を持ち、かつS/N比が向上した出力光Poutが得られる。
また、付加雑音電流Inは、光増幅領域5に注入する変調電流に結合器90を用いて付加してから注入せずとも、p電極22に直接注入してもよい。その場合、光増幅領域5に注入する変調電流との調整が必要になるものの、付加雑音電流Inの電流値およびカットオフ周波数の調整がやりやすくなるという利点がある。
また、付加雑音電流Inの最大振幅ΔInは、変調電流供給回路88より供給される変調電流の電流値以下に調整したが、当該変調電流の電流値以上であってもビットエラーレートの低減効果が得られる。しかし、付加雑音電流Inが強すぎると、出力光Poutの波形が崩れるため、S/N比の向上効果を得ることは困難になる。少なくとも、付加雑音電流Inの最大振幅ΔInが変調電流の電流値より大きい場合、光信号P0の波形および周期を再現できないため、光信号P0の再生ができなくなる。
これに対し、付加雑音電流Inの最大振幅ΔInが変調電流の電流値以下であれば、さらに出力光Poutの振幅を大きくでき、伝送路等に起因する雑音の低減効果を向上できる。これにより、ビットエラーレートを低減することができるため、望ましい。
また、付加雑音電流Inのカットオフ周波数は、最適に調整せずともビットエラーレート低減効果を得ることは可能である。しかし、カットオフ周波数は付加雑音電流Inの最大振幅ΔInに影響するので、カットオフ周波数を調整した方がより最適な付加雑音電流Inを得やすくなる。これにより、ビットエラーレートを低減することができるため、望ましい。
なお、付加雑音電流Inとして有色雑音を用いたが、強度変化が非周期的でランダムであれば、有色雑音でなくともビットエラーレートの低減効果を得ることは可能である。しかし、有色雑音を用いた場合、カットオフ周波数によって有色雑音の周波数帯域を調整することができる。そのため、光信号P0の周波数に合わせて有色雑音の周波数帯域を調整することで、ビットエラーレートの低減効果をより得やすくなるというメリットがある。
以上のように、実施の形態4によれば、付加雑音光の代わりに、付加雑音電流Inを変調電流供給回路88から出力される変調電流と結合して半導体光増幅デバイス1の活性層2へと注入することにより、振幅が増幅されS/N比が向上された出力光Poutを得ることができる。これにより、出力光Poutのビットエラーレートが低減される。
(実施の形態4の変形例1)
実施の形態4における半導体光増幅駆動装置10Cの変形例である半導体光増幅駆動装置10Caは、付加雑音電流として有色雑音の代わりに白色雑音を用いた以外は、実施の形態4の半導体光増幅駆動装置10Cと同じである。半導体光増幅駆動装置10Caにおいても、劣化した信号を増幅し、ビットエラーレートが低減された光出力を得られる。
半導体光増幅駆動装置10Caは、ビットエラーレート低減効果を最大に得られるように付加雑音電流のカットオフ周波数によって調整することができず、確率共鳴現象を起こしにくくなるが、構成が簡潔で実装がコンパクトになるという利点がある。
(実施の形態4の変形例2)
実施の形態4における半導体光増幅駆動装置10Cの他の変形例である半導体光増幅駆動装置10Cbは、p電極21に接続されている変調電流供給回路91を一定電流供給回路に変更した以外は、実施の形態4の半導体光増幅駆動装置10Cと同じである。半導体光増幅駆動装置10Cbにおいても、劣化した信号を増幅し、ビットエラーレートが低減された光出力を得られる。
半導体光増幅駆動装置10Cbは、ビットエラーレート低減効果を最大に得られるように調整しにくくなるが、変調回路がひとつで済み、可飽和吸収領域4の飽和量が一定に保てるので注入光出力光特性を安定させやすいという利点がある。なお、半導体光増幅駆動装置10Cbでは付加雑音電流として有色雑音を用いたが、半導体光増幅駆動装置10Caと同じく白色雑音を用いても、振幅が増幅されビットエラーレートが低減された光出力が得られる。
(実施の形態4の変形例3)
実施の形態4における半導体光増幅駆動装置10Cの他の変形例である半導体光増幅駆動装置10Ccは、結合器90を介してp電極22,23に接続されている変調電流供給回路88を一定電流供給回路に変更した以外は、実施の形態4の半導体光増幅駆動装置10Cと同じである。半導体光増幅駆動装置10Ccにおいても、劣化した信号を増幅し、ビットエラーレートが低減された光出力を得られる。
半導体光増幅駆動装置10Ccは、雑音低減効果を最大に得られるように調整しにくくなるが、可飽和吸収領域4への変調電流の注入は閾値を直接変動させるので、光信号P0の振幅が小さくても出力光Poutを大きく変動させやすく、光増幅領域5,6に変調電流を注入した場合よりも消費電力が小さくて済むという利点がある。
なお、半導体光増幅デバイス1に一定電流を注入するのは、光増幅領域5,6のいずれかであっても、ビットエラーレート低減効果および光増幅効果が得られる。また、半導体光増幅駆動装置10Ccでは付加雑音電流として有色雑音を用いたが、半導体光増幅駆動装置10Caと同じく白色雑音を用いても、振幅が増幅されビットエラーレートが低減された光出力が得られる。
(実施の形態4の変形例4)
実施の形態4における半導体光増幅駆動装置10Cの他の変形例である半導体光増幅駆動装置10Cdは、変調電流供給回路88,91を一定電流供給回路に変更した以外は、実施の形態4の半導体光増幅駆動装置10Cと同じである。半導体光増幅駆動装置10Cdにおいても、劣化した信号を増幅し、ビットエラーレートが低減された光出力を得られる。
半導体光増幅駆動装置10Cdは、ビットエラーレート低減効果を最大に得られるように調整しにくくなるが、変調回路が不要になるので、調整の必要が無く構成が簡潔で消費電力が少なくなる。なお、半導体光増幅駆動装置10Cdでは付加雑音電流として有色雑音を用いたが、半導体光増幅駆動装置10Caと同じく白色雑音を用いても、振幅が増幅されビットエラーレートが低減された光出力が得られる。
[実施の形態5]
図12は、この発明の実施の形態5における半導体光増幅駆動装置10Dの概略的な構成を示した図である。
図12を参照して、実施の形態5の半導体光増幅駆動装置10Dは、光源59が付加雑音電流供給回路93に置き換えられた点以外は、実施の形態2の半導体光増幅駆動装置10Aと同じである。したがって、実施の形態2と重複する部分の説明は、ここでは繰り返さない。
付加雑音電流供給回路93は、プリアンプ57から出力される調整された電流を受けて、付加雑音電流Inを半導体光増幅デバイス1の光増幅領域に注入する。付加雑音電流Inの雑音強度は、出力光Poutのビットエラーレートを低減できる適度な強度に調節されている。また、付加雑音電流Inの最大振幅ΔInは、半導体光増幅デバイス1の光増幅領域に注入される変調電流の電流値以下となるように調整されている。
光信号P0と付加雑音電流Inとの協同効果により、振幅が増幅されビットエラーレートが低減された出力光Poutが得られる。実施の形態1において説明したように、半導体光増幅デバイス1の光増幅領域および可飽和吸収領域には、付加雑音電流Inとは別に、それぞれ独立に変調電流が注入される。
このように、実施の形態5の半導体光増幅駆動装置10Dは、出力光Poutを利用して付加雑音電流Inを作り出しているので、雑音電流源を用いる必要がなく、簡単な装置構成により付加雑音電流Inを発生させることができる。その結果、半導体光増幅駆動装置10Dは、消費電力が低く、回路への負担が少なく、かつ伝送路等に起因する雑音が低減された高い出力光Poutを得ることができる。これにより、出力光Poutのビットエラーレートを低減することができる。
なお、付加雑音電流Inの最大振幅ΔInは、半導体光増幅デバイス1に注入される変調電流の電流値以下としたが、ビットエラーレートの低減効果が得られる値であれば、当該変調電流の電流値以上であってもかまわない。しかし、付加雑音電流Inの最大振幅ΔInが変調電流の電流値以下であれば、さらにS/N比の向上効果を高めることができ、ビットエラーレートを低減できるため、望ましい。
また、半導体光増幅デバイス1の光増幅領域および/または可飽和吸収領域に注入される変調電流は、一定電流であってもよい。一定電流であっても、振幅が増幅されビットエラーレートが低減された光出力を得ることができる。
また、半導体光増幅デバイス1の光増幅領域ではなく可飽和吸収領域に付加雑音電流Inを注入しても、ビットエラーレートが低減された光出力が得られる。この場合、可飽和吸収領域が飽和しやすくなるので注入できる電流値の上限が低くなり、付加雑音電流Inの最大振幅を好適に決定しづらくなるものの、可飽和吸収領域への付加雑音電流Inの注入によってヒステリシス形状を調整しやすくなる。
また、可飽和吸収領域への付加雑音電流Inの注入量に応じて、半導体光増幅デバイス1の閾値PthONおよびPthOFFを変動させ調整することができる。よって、付加雑音電流Inの最大振幅ΔInおよびカットオフ周波数を、光信号P0の「0」または「1」に応じて立ち上がり閾値PthONを上下するように最適に調整することで、大きい振幅を持ち、かつS/N比が向上した出力光Poutが得ることができる。
以上のように、実施の形態5によれば、雑音電流源を用いる代わりに、半導体光増幅デバイス1の出力光Poutの一部を光電変換素子53で検出して、それをもとに付加雑音電流Inを生成することによって、消費電力が低く回路への負担が少なく、かつS/N比も良好な高い出力光Poutを得ることができる。これにより、出力光Poutのビットエラーレートが低減される。
[実施の形態6]
図13は、この発明の実施の形態6における半導体光受信装置20Aの概略的な構成を示した図である。
図13を参照して、実施の形態6の半導体光受信装置20Aは、実施の形態2の半導体光増幅駆動装置10Aに受光素子95が付加された構成を有する。受光素子95は、ビームスプリッタ52から分岐される出力光Poutの一部を受光する。
受光素子95は、たとえば光電変換素子であってもよく、この場合、受光した出力光Poutの一部を電気信号に変換する。これにより、増幅され波形整形された出力光Poutを電気信号として受信できるというメリットがある。
また、半導体光増幅駆動装置10Aおよび受光素子95は、同一基板上に集積化することができる。同一基板上に集積化した場合、個別に配置するよりもコストダウンとなり、半導体光増幅デバイス1と受光素子95との光軸合わせを行なう必要もなくなる。
以上のように、実施の形態6によれば、半導体光増幅駆動装置10Aに受光素子95を付加して半導体光受信装置を構成することにより、装置全体をコンパクト化できるためコストダウンとなり、かつ歩留まりも向上する。
[実施の形態7]
図14は、この発明の実施の形態7における半導体光受信装置20Bの概略的な構成を示した図である。
図14を参照して、実施の形態7の半導体光受信装置20Bは、実施の形態3(変形例1〜4を含む)の半導体光増幅駆動装置0Bに受光素子95が付加された構成を有する。受光素子95は、ビームスプリッタ77から分岐される出力光Poutの一部を受光する。
受光素子95は、たとえば光電変換素子であってもよく、この場合、受光した出力光Poutの一部を電気信号に変換する。これにより、増幅され波形整形された出力光Poutを電気信号として受信できるというメリットがある。
また、半導体光増幅駆動装置10Bおよび受光素子95は、同一基板上に集積化することができる。同一基板上に集積化した場合、個別に配置するよりもコストダウンとなり、半導体光増幅デバイス1と受光素子95との光軸合わせを行なう必要もなくなる。
以上のように、実施の形態7によれば、半導体光増幅駆動装置10Bに受光素子95を付加して半導体光受信装置を構成することにより、装置全体をコンパクト化できるためコストダウンとなり、かつ歩留まりも向上する。
[実施の形態8]
図15は、この発明の実施の形態8における半導体光受信装置20Cの概略的な構成を示した図である。
図15を参照して、実施の形態8の半導体光受信装置20Cは、実施の形態4(変形例1〜4を含む)の半導体光増幅駆動装置0Cに受光素子95が付加された構成を有する。受光素子95は、半導体光増幅デバイス1から出力される出力光Poutを受光する。
受光素子95は、たとえば光電変換素子であってもよく、この場合、受光した出力光Poutの一部を電気信号に変換する。これにより、増幅され波形整形された出力光Poutを電気信号として受信できるというメリットがある。
また、半導体光増幅駆動装置10Cおよび受光素子95は、同一基板上に集積化することができる。同一基板上に集積化した場合、個別に配置するよりもコストダウンとなり、半導体光増幅デバイス1と受光素子95との光軸合わせを行なう必要もなくなる。
以上のように、実施の形態8によれば、半導体光増幅駆動装置10Cに受光素子95を付加して半導体光受信装置を構成することにより、装置全体をコンパクト化できるためコストダウンとなり、かつ歩留まりも向上する。
[実施の形態9]
図16は、この発明の実施の形態9における半導体光受信装置20Dの概略的な構成を示した図である。
図16を参照して、実施の形態の半導体光受信装置20Dは、実施の形態5の半導体光増幅駆動装置10Dに受光素子95が付加された構成を有する。受光素子95は、ビームスプリッタ52から分岐される出力光Poutの一部を受光する。
受光素子95は、たとえば光電変換素子であってもよく、この場合、受光した出力光Poutの一部を電気信号に変換する。これにより、増幅され波形整形された出力光Poutを電気信号として受信できるというメリットがある。
また、半導体光増幅駆動装置10Dおよび受光素子95は、同一基板上に集積化することができる。同一基板上に集積化した場合、個別に配置するよりもコストダウンとなり、半導体光増幅デバイス1と受光素子95との光軸合わせを行なう必要もなくなる。
以上のように、実施の形態9によれば、半導体光増幅駆動装置10Dに受光素子95を付加して半導体光受信装置を構成することにより、装置全体をコンパクト化できるためコストダウンとなり、かつ歩留まりも向上する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態1における半導体光増幅デバイス1の共振器側面の概略的な構成を示した断面図である。 「1」または「0」の2値を持つ劣化した光信号P0の時間波形を示した図である。 付加雑音光Pnの時間波形を示した図である。 図2の光信号P0に図3の付加雑音光Pnを付加した注入光Pinの時間波形を示した図である。 この発明の実施の形態1における半導体光増幅デバイス1の動作特性を説明するための図である。 付加雑音光Pnの雑音強度を変化させたときの出力光Poutのビットエラーレートを示した図である。 この発明の実施の形態2における半導体光増幅駆動装置10Aの概略的な構成を示した図である。 この発明の実施の形態3における半導体光増幅駆動装置10Bの概略的な構成を示した図である。 この発明の実施の形態4における半導体光増幅駆動装置10Cの概略的な構成を示した図である。 図9の半導体光増幅デバイス1に入射される光信号P0の時間波形を示した図である。 付加雑音電流供給回路89によって生成される付加雑音電流Inの時間波形を示した図である。 この発明の実施の形態5における半導体光増幅駆動装置10Dの概略的な構成を示した図である。 この発明の実施の形態6における半導体光受信装置20Aの概略的な構成を示した図である。 この発明の実施の形態7における半導体光受信装置20Bの概略的な構成を示した図である。 この発明の実施の形態8における半導体光受信装置20Cの概略的な構成を示した図である。 この発明の実施の形態9における半導体光受信装置20Dの概略的な構成を示した図である。 従来の可飽和吸収領域つき双安定半導体レーザの注入光−光出力特性曲線を示した図である。 可飽和吸収領域を有する双安定半導体レーザを用いた従来の光信号再生装置の動作特性を説明するための図である。 双安定状態の半導体レーザに注入される光がどのようにして作られるかを説明するための図である。 双安定半導体レーザ121を用いて光増幅を行う光信号再生装置100の構成を示した図である。
符号の説明
1 半導体光増幅デバイス、2,126 活性層、4,123 可飽和吸収領域、5,6,122 光増幅領域、7 入射面、8 出射面、9 n型InP基板、10A〜10D 半導体光増幅駆動装置、20A〜20D 半導体光受信装置、12 n型InPクラッド層、13 p型InPクラッド層、21〜23 p電極、27〜29 n電極、52,77 ビームスプリッタ、53,78 光電変換素子、54 結合コンデンサ、55 ローパスフィルタ、56 基準電流源、57 プリアンプ、58 抵抗、59 光源、68,69,88,91 変調電流供給回路、79 フィードバック制御回路、89,93 付加雑音電流供給回路、90 結合器、95 受光素子、100 光信号再生装置、121 双安定半導体レーザ。

Claims (7)

  1. 光信号を増幅する半導体光増幅駆動装置であって、
    光増幅領域と可飽和吸収領域とを含む活性層を有する半導体光増幅デバイスを備え前記活性層は、前記光信号を含む注入光を受けて、該注入光が増幅された出力光を出射し、
    前記出力光の一部を検出して電気信号に変換する光電変換素子と、
    前記電気信号を受けて、前記光信号と該光信号に含まれる雑音とが確率的に同期するように前記出力光の状態をモニターするフィードバック制御回路と、
    前記フィードバック制御回路から出力される第1の制御信号に応じて、前記光増幅領域に第1の電流を供給する第1の電流供給回路と、
    前記フィードバック制御回路から出力される第2の制御信号に応じて、前記可飽和吸収領域に第2の電流を供給する第2の電流供給回路とを備える、半導体光増幅駆動装置。
  2. 光信号を増幅する半導体光増幅駆動装置であって、
    光増幅領域と可飽和吸収領域とを含む活性層を有する半導体光増幅デバイスを備え前記活性層は、前記光信号を含む注入光を受けて、該注入光が増幅された出力光を出射し、
    前記注入光の一部を検出して電気信号に変換する光電変換素子と、
    前記電気信号を受けて、前記光信号と該光信号に含まれる雑音とが確率的に同期するように前記注入光の状態をモニターするフィードバック制御回路と、
    前記フィードバック制御回路から出力される第1の制御信号に応じて、前記光増幅領域に第1の電流を供給する第1の電流供給回路と、
    前記フィードバック制御回路から出力される第2の制御信号に応じて、前記可飽和吸収領域に第2の電流を供給する第2の電流供給回路とを備える、半導体光増幅駆動装置。
  3. 前記半導体光増幅デバイスは、
    第1の極性の電極と、
    前記第1の極性の電極に対して設けられる第2の極性の電極とを備え、
    前記第1の極性の電極および前記第2の極性の電極の少なくとも一方は、前記光増幅領域と前記可飽和吸収領域とに対して独立に電流を注入できるように分割されている請求項1または2に記載の半導体光増幅駆動装置
  4. 前記光増幅領域は、前記可飽和吸収領域の両側にそれぞれ配置される第1および第2の光増幅領域を含み、
    前記第1および第2の光増幅領域の一方の端面から前記注入光が入射され、前記第1および第2の光増幅領域の他方の端面から前記出力光が出射される、請求項1または2に記載の半導体光増幅駆動装置
  5. 前記可飽和吸収領域の共振器方向に占める長さの割合は、1%以上であり、かつ50%未満である、請求項1または2に記載の半導体光増幅駆動装置
  6. 前記光増幅領域および前記可飽和吸収領域に注入される電流の強度は、前記出力光の振幅が増大し、前記光信号のビットエラーレートが低減するように調整されている、請求項1または2に記載の半導体光増幅駆動装置
  7. 前記半導体光増幅デバイスは、双安定状態の半導体レーザである、請求項1〜のいずれかに記載の半導体光増幅駆動装置
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