JP4282150B2 - 水性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性樹脂組成物、詳しくは、優れた塗膜形成性を有し、塗膜物性に優れた塗膜を与えることのできる水性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、合成樹脂系の塗料、接着剤等は、合成樹脂を、各種の低沸点溶媒に溶解した溶剤タイプのものが塗料安定性、速乾性に優れ、一般的であったが、火災や爆発等の危険性、人体への有害性、地球環境への悪影響等の問題から、低沸点溶媒の使用が制限されるようになり、近年、合成樹脂を各種変性して水溶性又は乳化性を付与したり、乳化剤を使用して水中に分散させた水性合成樹脂塗料或いは接着剤等が開発され実用化されている。
【0003】
一方、溶剤性エポキシ被覆組成物は種々の塗料に応用できる優れた性質を有するものであり、これまでにエポキシ樹脂から誘導される水性樹脂組成物の開発検討が行われている。
【0004】
ところが、これらのエポキシ樹脂から由来される水性樹脂組成物では、未だ耐水性、耐溶剤性等の諸性能が満足できるものが得られておらず、更に、近年では、エポキシエマルジョンを他の水性樹脂(例えば、アクリルエマルジョン)と混合してなる水性樹脂組成物と使用することも多く試みられているが、その場合にはエマルジョンの安定性が問題となるケースも多かった。
【0005】
一方、エポキシ樹脂に各種の変性を施すことが試みられており、例えば、特開昭48−25099号公報には、アセト酢酸エステル基によって変性されたエポキシ樹脂が提案されている。しかし、この変性エポキシ樹脂でも、未だ満足した硬化物物性が得られていない。
【0006】
従って、本発明の目的は、耐水性、耐溶剤性等の硬化物物性に優れ、しかも常温で塗膜又は成形品の形成が可能な水性樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、特定のアセト酢酸エステル化合物と特定の硬化剤を組み合わせてなる水性樹脂組成物が、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0008】
本発明は、下記〔化2〕(前記〔化1〕と同じ)の一般式(I)で表わされるアセト酢酸エステル化合物及び活性水素含有アミノ基を2個以上有する分子量50〜500の硬化剤を含有してなることを特徴とする水性樹脂組成物を提供するものである。
【0009】
【化2】
Figure 0004282150
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の水性樹脂組成物について詳細に説明する。
【0011】
本発明に使用される上記一般式(I)で表されるアセト酢酸エステル化合物において、上記一般式(I)中、Aで表わされる炭素原子数2〜4のアルキレン基としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン等の直鎖又は分岐の基が挙げられ、B で表される炭素原子数1〜10のアルカントリイルとしては、メタントリイル、エタントリイル、プロパントリイル、ブタントリイル、ヘプタントリイル、ヘキサントリイル、ヘプタントリイル、オクタントリイル等の直鎖又は分岐の基が挙げられ、B1及びB2で表される炭素原子数1〜4のアルキレン基としては、例えば、メチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン等の直鎖又は分岐の基が挙げられ、Zで表されるアルキリデン基としては、例えば、メチリデン、エチリデン、プロピロデン、イソプロピリデン、ブチリデン、イソブチリデン等が挙げられる。
【0012】
上記アセト酢酸エステル化合物のうち、上記一般式(I)のX1 及びX2 が何れも直接結合であり、rが0であり、且つ、mとqとを合わせた数が2以上である化合物;上記一般式(I)のX1 が上記式(a−2)で表される基であり、且つ、X2 が上記式(b−2)で表される基である化合物;及び上記一般式(I)のX1 が上記式(a−3)で表される基であり、且つ、X2 が上記式(b−3)で表される基である化合物は、特に、保存安定性に優れ、耐溶剤性等の性能に優れた硬化物を提供し得るため好ましい。
【0013】
また、上記一般式(I)で表されるアセト酢酸エステル化合物をその製造方法から分類すると、例えば、(a)ビスフェノール化合物のポリグリシジルエーテルのグリシジル基にアセト酢酸を直接付加して得られる化合物、(b)ビスフェノール化合物のポリグリシジルエーテルのグリシジル基にジヒドロキシカルボン酸、ジアルカノールアミンを付加して得られるポリヒドロキシ化合物のヒドロキシル基にアセト酢酸エステル基を導入する方法により得られる化合物、(c)ビスフェノール化合物のアルキレンオキシド付加物のヒドロキシル基にアセト酢酸エステル基を導入する方法により得られる化合物等が挙げられる。
【0014】
ここでビスフェノール化合物としては、メチリデンビスフェノール(ビスフェノールF)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、ブチリデンビスフェノール等が挙げられる。
【0015】
(a)の化合物を得る際において、ビスフェノール化合物のグリシジルエーテルにアセト酢酸を付加する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、エチルトリフェニルホスホニウムブロミドの如きエステル化触媒を用いて100〜200℃で数時間反応させることによって容易に実施することができる。
【0016】
(b)の化合物を得る際において、ジヒドロキシカルボン酸としては、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジエチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールペンタン酸等が挙げられ、ジアルカノールアミンとしては、例えば、ジメタノールアミン、ジエタノールアミン等が挙げられる。
【0017】
ここでビスフェノール化合物のポリグリシジルエーテルにジヒドロキシカルボン酸或いはジアルカノールアミンを付加する方法は特に限定されるものではないが、例えば、溶媒中、無触媒で100℃以上に加熱することで容易に付加することができる。
【0018】
(b)及び(c)の化合物を得る際において、ヒドロキシル基にアセト酢酸エステル基を導入する方法としては、例えば、アセト酢酸の低級エステルを用いたエステル交換法により製造する方法、ジケテンを反応させる方法等によって容易に製造することができる。
ここで使用されるアセト酢酸低級エステルとしては、例えば、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸ブチル、アセト酢酸第三ブチル等が挙げられる。
【0019】
本発明に使用される硬化剤は、アセト酢酸エステル化合物のケト基と反応しうる活性水素含有アミノ基を2個以上有し、且つ、分子量が50〜500、好ましくは100〜300の化合物であり、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン等のポリアルキルポリアミン類;1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−3,6−ジエチルシクロヘキサン、イソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン類;m−キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族ポリアミン類;シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のジカルボン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
これらの硬化剤は、水溶性であり、上記アセト酢酸エステル化合物と相溶して一液システムでの硬化が可能となる。
【0020】
これら硬化剤の中でも、例えば、メタキシレンジアミン;イソホロンジアミン;シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のジカルボン酸ジヒドラジド等を用いることによって優れた硬化物が得られるため好ましい。
【0021】
これらの硬化剤の使用量は、そのアミノ基当量又はヒドラジド基当量(NH2 基当量)が、アセト酢酸エステル化合物のアセト酢酸エステル当量の0.5〜1.5倍、特に0.8〜1.1倍となる量であることが好ましい。硬化剤の使用量がこの範囲内にあると、耐溶剤性等の性能に一層優れた硬化物を提供し得るため好ましい。
【0022】
本発明の水性樹脂組成物には、通常、アセト酢酸エステル100重量部に対し、水10〜500重量部が使用される。
【0023】
本発明のアセト酢酸エステル及び硬化剤を水に分散させる際には、必要に応じて、乳化剤及び有機溶剤を使用することができる。
【0024】
ここで使用することのできる乳化剤としては、例えば、脂肪酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、液体脂肪油の硫酸エステル塩、脂肪族アミン及び脂肪族アマイドの硫酸塩、脂肪族アルコールのリン酸エステル、二塩基性酸性脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸、ホルマリン縮合ナフタリン酸塩等のアニオン系界面活性剤;第一アミン塩、第二アミン塩、第三アミン塩、第四級アミン塩、ピリジニウム塩等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、トリメチロールプロパン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合体、エチレンオキサイドの脂肪酸アミン、アミド又は酸との縮合生成物等のノニオン系界面活性剤;ベタイン型、硫酸エステル型、スルホン酸型等の両性界面活性剤;高分子界面活性剤;反応性界面活性剤等が挙げられる。
【0025】
これら乳化剤の使用量は、アセト酢酸エステル化合物100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部である。該使用量が0.1重量部未満の場合には乳化安定性が不十分であり、また、20重量部を超えると、得られる水系樹脂組成物から形成される皮膜の特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0026】
また、有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルイソプロピルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類;イソ−又はn−ブタノール、イソ−又はn−プロパノール、アミルアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;テレピン油、D−リモネン、ピネン等のテルペン系炭化水素油;ミネラルスピリット、スワゾール#310(コスモ松山石油(株))、ソルベッソ#100(エクソン化学(株))等のパラフィン系溶剤;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;アニリン、トリエチルアミン、ピリジン、ジオキサン、酢酸、アセトニトリル、二硫化炭素等が挙げられる。これらの溶剤は単独で用いることも、また任意に2種以上の混合溶剤として用いることも可能である。
【0027】
これらの有機溶媒は、水100重量部に対し、0〜100重量部の範囲で適宜使用される。
【0028】
また、本発明の水性樹脂組成物には、必要に応じて、硬化触媒;モノグリシジルエーテル類、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ベンジルアルコール、コールタール等の反応性又は非反応性の希釈剤(可塑剤);ガラス繊維、炭素繊維、セルロース、ケイ砂、セメント、カオリン、クレー、水酸化アルミニウム、ベントナイト、タルク、シリカ、微粉末シリカ、二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化鉄、瀝青物質等の充填剤若しくは顔料;増粘剤;チキソトロピック剤;難燃剤;消泡剤;防錆剤;コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等の常用の添加物を含有してもよく、更に、キシレン樹脂、石油樹脂等の粘着性の樹脂類を併用することもできる。
【0029】
更に、本発明の水性樹脂組成物には、他の水性樹脂を併用することもでき、これら他の水性樹脂としては、例えば、水性ウレタン、アクリルエマルジョン、エポキシエマルジョン等が挙げられる。
【0030】
上記水性ウレタンとしては、例えば、ポリイソシアネート、ポリオール及びカルボキシル基又はスルホン酸基を有するポリオール或いは分子中に塩基性基を有するポリオールを、反応に不活性で水との親和性の大きい溶媒中でウレタン化反応させてプレポリマーとし、次いで、該プレポリマーを中和、鎖延長し、水を加えて水性ウレタンとすることによって製造されるものが挙げられる。
【0031】
上記アクリルエマルジョンは、アクリル酸又はメタクリル酸のエステルを含有するアクリル系不飽和単量体混合物を、乳化剤の存在下に、水性溶媒中に乳化又は分散させて重合することによって得られるものが挙げられる。アクリル酸又はメタクリル酸エステルとしては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ドデシル、オクタデシル、2−ヒドロキシエチル、グリシジル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−メトキシプロピル、2−メトキシブチル、3−メトキシブチル、4−ブトキシブチル、p−メトキシシクロヘキシル、パーフルオロエチル、2−ジメチルアミノエチル、2−ジエチルアミノエチル、2−(ジメチルアミノエトキシ)エチル等のモノエステル、或いは、例えば、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等とのジエステルが挙げられる。
【0032】
また、上記アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルとともに他の不飽和単量体を共重合させることもできる。これらの他の不飽和単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブテン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の脂肪族不飽和炭化水素及びハロゲン化脂肪族不飽和炭化水素、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族不飽和炭化水素、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等の他の不飽和カルボン酸のエステル(エステルを構成するアルコール成分としては上記のアクリル酸及びメタクリル酸のエステルを形成するアルコール成分が例示される)、安息香酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル、(メタ)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル等の窒素含有ビニルモノマー等が挙げられる。
【0033】
更にモノマー単位としてカルボニル基を含んでいることで、より、硬化性に優れたものが得られるため好ましく、これらカルボニル基含有モノマーとしては、アルド基又はケト基含有エチレン性不飽和単量体が挙げられ、アルド基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクロレイン、クロトンアルデヒド、ホルミルスチレン、ホルミル−α−メチルスチレン、ジアセトンアクリルアミド、(メタ)アクリルアミドピバリンアルデヒド、3−(メタ)アクリルアミドメチル−アニスアルデヒド、β−(メタ)アクリロキシ−α,α−ジアルキルプロパナール類等が挙げられ、ケト基を有する単量体としては、例えば、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ビニルアルキルケトン、ビニルフェニルケトン、ビニルベンジルケトン、ジビニルケトン、ジアセトン(メタ)アクリレート、アセトニトリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート−アセチルアセテート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート−アセチルアセテート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート−アセチルアセテート、ブタンジオール−1,4−(メタ)アクリレート−アセチルアセテート等が挙げられる。
【0034】
上記エポキシエマルジョンとしては、通常のエポキシ樹脂を乳化剤を用いて強制乳化して得られるもの或いは分子中に水溶性基を有する自己乳化型のものであってもよい。
【0035】
これらの他の水性樹脂は任意の量で使用することができるが、上記アセト酢酸エステル化合物と該他の水性樹脂との重量比(前者/後者)が0.5/9.5〜9.5/0.5、特に1.0/9.0〜9.0/1.0となるように使用することが好ましい。
【0036】
本発明の水性樹脂組成物は、例えば、コンクリート、セメントモルタル、各種金属、皮革、ガラス、ゴム、プラスチック、木、布、紙等に対する塗料或いは接着剤;包装用粘着テープ、粘着ラベル、冷凍食品ラベル、リムーバルラベル、POSラベル、粘着壁紙、粘着床材の粘着剤;アート紙、軽量コート紙、キャストコート紙、塗工板紙、カーボンレス複写機、含浸紙等の加工紙;天然繊維、合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等の収束剤、ほつれ防止剤、加工剤等の繊維処理剤;シーリング材、セメント混和剤、防水材等の建築材料等の広範な用途に使用することができる。
【0037】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明の水性樹脂組成物を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0038】
製造例1
アデカレジンEP−4100(旭電化工業(株)製;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190)380重量部及びジメチロールプロピオン酸268重量部を混合して130℃まで加熱して、酸価が1以下となるまで反応させた。そこへ、アセト酢酸エチル624重量部を添加後、常圧にて揮発成分を溜去した後、更に減圧下にて揮発成分を溜去した。残さ物をキシレンで固形分70重量%となるように希釈した。これにより、固形分中、アセトアセテート含有率35%、カルボニル基当量250の黄褐色液状樹脂を製造した。
【0039】
ここで得られた黄褐色液状樹脂300重量部とアデカノールNK−961S(旭電化工業(株) 製;ノニオン系界面活性剤)30重量部とを40℃以下で三軸ミキサーを用いて30分攪拌後、水248重量部を徐々に加えて、固形分40%の乳白色のエマルジョンを得た。
【0040】
製造例2
エピコート#1002(油化シェルエポキシ(株)製;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量650)1300重量部及びジメチロールプロピオン酸268重量部を混合して130℃まで加熱して、酸価が1以下となるまで反応させた。そこへ、アセト酢酸エチル624重量部を添加後、常圧にて揮発成分を溜去した後、更に減圧下にて揮発成分を溜去した。残さ物をキシレンで固形分70重量%となるように希釈した。これにより、固形分中、アセトアセテート含有率18%、カルボニル基当量480の黄褐色液状樹脂を製造した。
【0041】
ここで得られた黄褐色液状樹脂300重量部とアデカノールNK−961S30重量部とを40℃以下で三軸ミキサーを用いて30分攪拌後、水248重量部を徐々に加えて、固形分40%の乳白色のエマルジョンを得た。
【0042】
製造例3
ビスフェノールAのエチレンオキシド4モル付加物404重量部にアセト酢酸エチル312重量部を添加後、120℃に昇温し、常圧にて揮発成分を溜去した後、更に減圧下にて揮発成分を溜去した。残さ物をキシレンで固形分70重量%となるように希釈した。これにより、固形分中、アセトアセテート含有率30%、カルボニル基当量290の黄褐色液状樹脂を製造した。
【0043】
ここで得られた黄褐色液状樹脂300重量部とアデカノールNK−961S30重量部とを40℃以下で三軸ミキサーを用いて30分攪拌後、水248重量部を徐々に加えて、固形分40%の乳白色のエマルジョンを得た。
【0044】
製造例4
アデカレジンEP−4100 380重量部にアセト酢酸204重量部を添加後、120℃まで昇温し、エチルトリフェニルホスホニウムブロミド0.1重量部を添加し、120〜130℃で2時間反応させ、酸価が5以下になることを確認した。残さ物をキシレンで固形分70重量%となるように希釈した。これにより、固形分中、アセトアセテート含有率30%、カルボニル基当量300の黄褐色液状樹脂を製造した。
【0045】
ここで得られた黄褐色液状樹脂300重量部とアデカノールNK−961S30重量部とを40℃以下で三軸ミキサーを用いて30分攪拌後、水248重量部を徐々に加えて、固形分40%の乳白色のエマルジョンを得た。
【0046】
製造例5
エピコート#1002 1300重量部を100℃で溶解し、ここにジエタノールアミン210重量部を混合して100℃で2時間反応し、エポキシ当量が無限大になっていることを確認した。そこへ、アセト酢酸エチル624重量部を添加後、常圧にて揮発成分を溜去した後、更に減圧下にて揮発成分を溜去した。残さ物をキシレンで固形分70重量%となるように希釈した。これにより、固形分中、アセトアセテート含有率22%、カルボニル基当量386の黄褐色液状樹脂を製造した。
【0047】
ここで得られた黄褐色液状樹脂300重量部とアデカノールNK−961S30重量部とを40℃以下で三軸ミキサーを用いて30分攪拌後、水248重量部を徐々に加えて、固形分40%の乳白色のエマルジョンを得た。
【0048】
製造例X
アデカレジンEP−4100 300重量部とアデカノールNK−961S30重量部とを40℃以下で三軸ミキサーを用いて30分攪拌後、水248重量部を徐々に加えて、固形分40%の乳白色のエマルジョンを得た。
【0049】
実施例1
表1に示す配合(重量部)にて以下の試験を行った。結果を表1に示す。
【0050】
(保存安定性)
上記製造例1〜5により得られたアセト酢酸エステル化合物及び硬化剤をブレンドしてなる水性樹脂組成物(硬化性組成物)を40℃のギヤーオーブン中に保存し、次の基準で1週間後の状態を観察した。また、上記製造例Xにより得られたエポキシ樹脂及び硬化剤をブレンドしてなる水性樹脂組成物についても同様に評価した。
3 : 変化なし
2 : わずかに沈殿、分離或いは粘度上昇が見られる。
1 : 沈殿、分離或いは粘度の増大が明らかに見られる。
【0051】
(耐溶剤性)
上記製造例1〜5により得られたアセト酢酸エステル化合物及び硬化剤をブレンドしてなる水性樹脂組成物(硬化性組成物)をブリキ板上に20μ塗布して、100℃で15分間焼き付けて得られた硬化塗膜にアセトンラビング及びトルエンラビングを塗膜の剥がれが生じる迄繰り返し、塗膜の剥がれが生じたときの回数を調べた。また、上記製造例Xにより得られたエポキシ樹脂及び硬化剤をブレンドしてなる水性樹脂組成物についても同様に評価した。
【0052】
【表1】
Figure 0004282150
【0053】
実施例2
表2に示す配合(重量部)にて実施例1と同様の試験を行った。ただし、ここで使用されるカルボニル基含有アクリルエマルジョンは、硬化剤をブレンドする前に、製造例1〜5により得られたアセト酢酸エステル化合物又は製造例Xにより得られたエポキシ樹脂とブレンドした。
【0054】
【表2】
Figure 0004282150
【0055】
表1及び表2の結果より明らかなように、通常のエポキシ樹脂と水溶性硬化剤とをブレンドしてなる水性樹脂組成物(比較例1-1,2-1 )は、保存安定性に劣り、その硬化物の耐溶剤性も満足できるものではない。
【0056】
これに対し、本発明に係る特定のアセト酢酸エステル化合物及びアジピン酸ヒドラジド或いはメタキシレンジアミンの如き水溶性硬化剤からなるエマルジョン(実施例 1-1〜1-7, 2-1〜2-7 )は安定性に優れ、その硬化物の耐溶剤性にも優れている。更に、本発明の水性樹脂組成物は、他樹脂との混合エマルジョンとしたときの保存安定性にも優れ、カルボニル基含有アクリル樹脂エマルジョンとの混合エマルジョン(実施例 2-1〜2-7 )は、耐溶剤性が著しく優れたものである。
【0057】
【発明の効果】
本発明の水性樹脂組成物は、硬化速度が速く、硬化物物性に優れた塗料、接着剤等への利用が可能なものである。

Claims (7)

  1. 下記〔化1〕の一般式(I)で表わされるアセト酢酸エステル化合物及び活性水素含有アミノ基を2個以上有する分子量50〜500の硬化剤を含有してなることを特徴とする水性樹脂組成物。
    Figure 0004282150
  2. 上記一般式(I)のX1 及びX2 が何れも直接結合であり、rが0であり、且つ、mとqとを合わせた数が2以上であることを特徴とする請求項1記載の水性樹脂組成物。
  3. 上記一般式(I)のX1 が上記式(a−2)で表される基であり、且つ、X2 が上記式(b−2)で表される基であることを特徴とする請求項1記載の水性樹脂組成物。
  4. 上記一般式(I)のX1 が上記式(a−3)で表される基であり、且つ、X2 が上記式(b−3)で表される基であることを特徴とする請求項1記載の水性樹脂組成物。
  5. 上記硬化剤が、ジカルボン酸ジヒドラジドであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の水性樹脂組成物。
  6. 上記硬化剤が、メタキシレンジアミンであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の水性樹脂組成物。
  7. 上記硬化剤が、イソホロンジアミンであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の水性樹脂組成物。
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