JP4281426B2 - 耐水紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば冷蔵・冷凍用の食品包装容器などに使用可能な耐水紙に係り、特に、プラスチックの使用量を低減しつつ、耐水紙に必要な耐水性及び撥水性を有し、更に罫線部での層間剥離を阻止し得る耐水紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、優れた耐水性が要求される冷蔵・冷凍用の紙トレーや食品包装容器に使用可能な耐水紙として、ポリエチレン等のラミネート紙、フィルム貼合紙が知られている。しかしながら、この種の耐水紙は、プラスチックとの複合材料であることから、離解性(古紙回収性)がない。すなわち、近年の環境問題への要求の高まりとは逆に、資源回収が困難な耐水紙である。
【0003】
このため、最近は、資源回収が容易な耐水紙か、又は少なくともプラスチックの使用量を低減させた耐水紙が望まれている。
【0004】
ここで、プラスチックを使用しない耐水紙としては、紙の表面にアクリル系エマルジョンを数回にわたって塗布し、アクリル系樹脂層を積層させたリサイクル可能な加工紙が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−57689号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アクリル系エマルジョンを塗布した加工紙は、罫線部での劣化が大きいため、カートン(紙箱)の内側角に結露した水の進入を防げず、罫線部にて繊維の層間剥離を生じ易い傾向がある。
【0007】
なお、このような層間剥離が生じた場合、外観異常を引き起こし、剛性の劣化を促すため、商品を流通させる流通業者から荷崩れ等の苦情を受ける原因となり、また、商品を手に取った消費者から外観異常の苦情を受ける原因にもなる。
従って、罫線部の層間剥離が生じ易い状況は、改善される必要がある。
【0008】
本発明は上記実情を考慮してなされたもので、プラスチックの使用量を低減しつつ、耐水紙として必要な耐水性及び撥水性を有し、さらに、罫線部での層間剥離を阻止し得る耐水紙を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、下記A紙基材と、前記A紙基材の片面又は両面に形成された下記B塗工層とを備え、コッブ吸水度(JIS P8140)が15[g/m・2分]以下であり、撥水度がR8以上である耐水紙である。
A:コッブ吸水度(JIS P8140)の試験方法において、蒸留水との接触時間を10秒間として試験した場合、得られる吸水度が10〜100[g/m・10秒]の範囲内にある紙基材である。
B:ガラス転移温度Tgが10〜30℃の範囲内にあるポリエステル系水性エマルジョンを、乾燥後で2〜20[g/m ・dry]の範囲の塗布量と70〜150℃の範囲内の乾燥温度とにより、塗布乾燥してなる塗工層。
【0010】
このように、水性エマルジョンを均一に塗布できるように吸水度を調整した紙基材上にポリエステル系水性エマルジョンを塗布して乾燥させた構成により、プラスチックの使用量を低減しつつ、耐水紙として必要な耐水性及び撥水性を有し、さらに、罫線部での層間剥離を阻止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は本発明の一実施形態に係る耐水紙の構成を模式的に示す断面図であり、図2は同耐水紙の変形構成を模式的に示す断面図である。
【0013】
この耐水紙10は、紙基材1と、紙基材1の片面又は両面に形成された塗工層2とを備えており、例えば冷蔵・冷凍用の紙容器の材料といった用途に使用可能となっている。詳しくは、この耐水紙10は、冷蔵・冷凍用の容器材料に用いる観点から、コッブ吸水度(JIS P8140)が15[g/m・2分]以下である旨の耐水性と、撥水度がR8以上である旨の撥水性とが付与されている。
【0014】
ここで、紙基材1は、塗工層2となる水性エマルジョンを塗布する前の吸水度(液体吸収性)が所定の範囲内に調整されたものであり、製紙用天然繊維を主体として周知の方法により作成可能となっている。詳しくは、紙基材1の吸水度は、コッブ吸水度(JIS P8140)の試験方法において、コッブ吸水度の測定器具及び操作を用い、蒸留水との接触時間を10秒間として試験した場合、100[g/m・10秒]以下から10[g/m・10秒]までの範囲内に入っている。
【0015】
なお、紙基材1の吸水度の測定において、接触時間を10秒間とした理由について述べる。周知のコッブ吸水度(JIS P8140)は、水との接触時間を2分間としている。
【0016】
コッブ吸水度は、耐水性、水性エマルジョンの浸透をみる一つの指標になるが、実際には、耐水性に関しては2分間よりも長い方が良く、水性エマルジョンの浸透性に関しては2分間よりも短い方が良いと考えられる。
【0017】
理由は、耐水性については、2分間の接触時間は、塗工膜が劣化しない前提の下では良いが、塗工膜が劣化する可能性がある場合、より長い接触時間での吸水度を観察した方が望ましいからである。また、水性エマルジョンの浸透性については、水性エマルジョンが塗られて乾燥炉に入り、水分が蒸発した時点で水分の浸透が止まることから、より短い接触時間での吸水度を測定した方が望ましい。
【0018】
また、接触時間を10秒とした理由は、次の(a)〜(d)の通りである。
(a)水性エマルジョンの塗布装置と乾燥炉との間が10mあり、生産速度が60m/minの場合、接触時間が10秒の時点で乾燥が始まる。
(b)接触時間が数秒の場合、吸水度の測定が困難である。
(c)接触時間が数秒〜10数秒の場合、吸水度の測定結果は、大きな差が見られない。
(d) 上記(a)〜(c)に基づき、接触時間を10秒として、吸水度の妥当な値を測定できると考えられる。但し、上記(c)から分かるように、10秒間は代表値であり、8〜9秒、11〜16秒の如き、他の値を接触時間に用いてもよいことは言うまでもない。また、接触時間は、上記(a)の設定によっても妥当な値が変化することは言うまでもない。
【0019】
なお、紙基材1の吸水度が100[g/m・10秒]より高い場合、塗工液が多量に浸透して表面の塗工膜が不均一となるため、ピンホールができ易く、不十分な品質となる。
【0020】
これを補うには、過剰の塗布量を用いるか、又は乾燥炉までの到達時間を短縮する(生産速度を上げる)ことが必要となる。但し、乾燥炉が固定長であることから、生産速度を上げると、乾燥不足が生じて塗工層の品質を低下させることが推測される。従って、紙基材1の吸水度は、100[g/m・10秒]以下が望ましい。
【0021】
また、紙基材1の吸水度が10[g/m・10秒]未満の場合、紙基材1へのエマルジョンの浸透が少なく、塗工層2と紙基材1との結合、いわゆるアンカー効果が弱くなり、折り曲げ加工時に塗工層2が紙基材1から剥離し易くなる。従って、紙基材1の吸水度は、10[g/m・10秒]以上が望ましい。
【0022】
以上のような紙基材1は、通常の抄紙工程にて得られる。例えば、紙基材1の表面粗さの調整には、原料叩解度(CSF)やウェットプレス圧の制御、ヤンキードライヤの使用、顔料のプレコート、カレンダー処理などが適用可能である。また、紙基材1の吸水度の調整には、酸性サイズ剤又は中性サイズ剤の内添、サイズプレスによる表面サイズコーティング等が適用可能となっている。
【0023】
一方、塗工層2は、ガラス転移温度Tgが10℃以上30℃以下の範囲内にあるポリエステル系水性エマルジョンを紙基材1に塗布乾燥してなるものである。
【0024】
ポリエステル系水性エマルジョンの塗布には、オンマシン又はオフマシンで使用されるロッドバーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、バーコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーターなどの任意の塗布装置が使用可能である。
【0025】
ポリエステル系水性エマルジョンの塗布量は、乾燥後で2〜20[g/m・dry]の範囲が好適である。塗布量が2[g/m]より少ないと、連続した均一な塗工膜の形成が不十分となり、耐水性等の性能が不十分となる。また、塗布量が20[g/m]より多いと、乾燥しにくいため、製造が困難となる。なお、塗布量の具体的な値は、2〜20[g/m・dry]の範囲内において、紙基材1の状態や、耐水紙10の要求性能などに応じて設定すればよい。
【0026】
ポリエステル系水性エマルジョンの乾燥温度は、特に限定されないが、水分を飛ばし、エマルジョン粒子同士を凝集させて溶融させる観点から、70〜150℃の範囲内にあれば十分である。
【0027】
以上のような耐水紙10は、例えば罫線が形成され、罫線部分で折り畳まれ、適宜、接着されることにより、冷蔵・冷凍食品を収容するカートンに形成される。但し、耐水紙10は、カートン等の食品容器に限らず、耐水性が要求される用途であれば、任意の用途に適用してもよいことは言うまでもない。
【0028】
次に、以上のように構成された耐水紙の作用について述べる。
始めに、10秒間での吸水度を10〜100[g/m・10秒]の範囲内に調整した紙基材1を準備する。
【0029】
この紙基材1上に、塗工層2となるポリエステル系水性エマルジョンを塗布装置により塗布し、紙基材1の表面に塗工膜を形成した。
【0030】
塗工膜が形成された紙基材1は、塗布装置から乾燥炉まで搬送され、乾燥炉内で加熱乾燥されて搬出された。これにより、紙基材1上に塗工層2を有する耐水紙10を製造した。
【0031】
この耐水紙10は、コッブ吸水度が15[g/m]以下の塗工層2を有するため、水、油などの液体の浸透を阻止でき、耐水性、撥水性、耐油性を発現することができる。
【0032】
しかる後、この耐水紙10に罫線を形成し、罫線部分で折り畳み、適宜、接着することにより、冷蔵・冷凍食品を収容するカートンを製造した。
【0033】
図3に示すように、このカートン20は、耐水紙10がR8以上の撥水性をも有することから、カートン20のコーナーの罫線部21においても水をはじき、罫線部への結露水の浸透を防ぐことができる。
【0034】
上述したように本実施形態によれば、ポリエステル系水性エマルジョンを塗布乾燥した塗工層2により、プラスチックの使用量を低減しつつ、耐水紙として必要な耐水性及び撥水性を有し、さらに、罫線部での層間剥離を阻止することができる。
【0035】
これにより、優れた耐水性が要求される冷蔵、冷凍用に使用される紙トレーや食品包装容器用として、特に平面部の耐水性、撥水性に優れ、罫線部の耐水劣化に優れた耐水紙を提供することができる。
【0036】
また、このような耐水紙10を用いて製造されたカートン20等の包装容器は、吸湿吸水による外観異常を防止できると共に、包装材としての剛性も安定して維持でき、かつポリエチレン(PE)ラミネートと比較して樹脂使用量を削減することができる。
【0037】
従って、このような耐水紙及び包装容器は、環境保全型包装資材として、極めて大きい工業的意義を有している。
【0038】
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。
【0039】
【実施例】
以下、前述した実施形態を実施例により詳細に説明するが、本発明は前述した実施形態及び以下の各実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明中、表示「%」、「部」は、それぞれ「重量%」、「重量部」を表している。
【0040】
また、各実施例において用いた試験及び評価方法は次の(1)〜(6)に示す通りである。
(1)紙基材1の吸水性(10秒)
JIS P8140(1976)紙及び板紙の吸水度試験方法(コッブ法)に準じて蒸留水を樹脂塗工面に接触させ、10秒後の吸水度を測定した。
【0041】
(2)耐水紙10の耐水性(2分)
JIS P8140(1976)紙及び板紙の吸水度試験方法(コッブ法)に準じて蒸留水を樹脂塗工面に接触させ、2分後の吸水度を測定した。
【0042】
(3)耐水紙10の耐水性(60分)
JIS P8140(1976)紙及び板紙の吸水度試験方法(コッブ法)に準じて蒸留水を樹脂塗工面に接触させ、60分後の吸水度を測定した。
【0043】
(4)耐水紙10の撥水性
JIS P8137(1976)に準じて試験を行ない、評価した。
【0044】
(5)カートン20の外観変化
耐水紙10をカートン20の展開図の形状に打ち抜き、罫線部に結露水の代わりとして蒸留水を数滴垂らし、25℃60%環境下で1時間後の外観変化を見た。罫線部の外観に、水を吸水して膨れあがっている部分又はめくれている部分の何れも無ければ合格とする。
【0045】
(6)耐ブロッキング性
なお、ブロッキングとは、重ねておいてある物質の界面で疑似接着又は接着が起きてなかなか離れない(剥がれない)現象をいう。ここでは、このようなブロッキングを生じさせにくい耐ブロッキング性を調べた。
評価方法は、耐水紙10を10cm×10cmの複数枚の試験片に加工した。次に、各試験片を重ねて第1試験束(2枚の試験片の紙基材1面と塗工層2面とを重ねたもの)と、第2試験束(2枚の試験片の塗工層2面同士を重ねたもの)との組を作成した。このような組を各実施例及び各比較例毎に10組づつ作成し、10組を1000g/mの加重になるように、ブロッキングテスターにかけ、50℃80%Rh下に24hr放置し、後に剥離抵抗感を評価した。
【0046】
評価結果は、さらっと剥離感なく剥がれる、もしくは軽い剥離感を感じる程度の剥離抵抗感を合格として符号○にて表した。また、評価結果は、強い剥離抵抗感のあるもの、及び強い剥離抵抗感に加えて界面で材破壊を起こすものを不合格として符号×にて表した。
【0047】
<実施例1>
実施例1の紙基材1として、坪量310gのカード紙を使用した。接触時間10秒で蒸留水に接触させたとき、実施例1の紙基材1の吸水度は、90[g/m・10秒]であった。
【0048】
短時間での吸水度は、接触表面での吸水機構によることから、坪量の影響はない。但し、保持できる水の最大量は、おおよそ坪量と同程度である。
【0049】
これに、ガラス転移温度Tgが25℃のポリエステル系樹脂エマルジョンを塗り、105℃のオーブンで1分乾燥させ、塗布量4[g/m・dry]の耐水紙10を作成した。
【0050】
<実施例2>
実施例2は、実施例1において、紙基材1の吸水度を15[g/m・10秒]に代えたものである。他の条件は、実施例1と同一である。
【0051】
<比較例1>
比較例1は、実施例1において、紙基材の吸水度を120[g/m・10秒]に代えたものである。他の条件は、実施例1と同一である。
【0052】
<比較例2>
比較例2は、実施例1において、紙基材の吸水度を5[g/m・10秒]に代えたものである。他の条件は、実施例1と同一である。
【0053】
<比較例3>
比較例3は、実施例1において、ポリエステル系樹脂エマルジョンのガラス転移温度Tgを40℃に代えたものである。他の条件は、実施例1と同一である。
【0054】
<比較例4>
比較例4は、実施例1において、ポリエステル系樹脂エマルジョンのガラス転移温度Tgを5℃に代えたものである。他の条件は、実施例1と同一である。
【0055】
<比較例5>
比較例5は、実施例1において、ポリエステル系樹脂エマルジョンの塗布量を1.5[g/m・dry]に代えたものである。他の条件は、実施例1と同一である。
【0056】
<比較例6>
比較例5は、実施例1において、エマルジョンをEK(ザイデン化学製)アクリル系樹脂エマルジョンに代えたものである。なお、このアクリル系樹脂エマルジョンのガラス転移温度Tgは25℃である。他の条件は、実施例1と同一である。
【0057】
以上の試験結果を図4に示す。
【0058】
実施例1,2は、水に60分接触しても浸透が少ない良好な耐水性(60分後の吸水度)を有している。また、実施例1,2は、紙基材1の吸水度が100〜10[g/m・10秒]に調整されているため、均一な塗工層2が作成されていると考えられる。均一な塗工層2の根拠としては、60分後の吸水度が2分間の吸水度からほぼ変わっていないことが挙げられる。
【0059】
実施例1,2は、塗工層2側の撥水性がR10であり、罫線部に垂らした水滴が玉形状になり、最小の接触面積を保っていることを確認できた。
【0060】
実施例1,2は、罫線部においても水の滴下によるめくれ、浮上り等もみられず、罫線部への水の進入が阻止されていることを確認できた。
【0061】
一方、比較例1,2は、紙基材1の吸水度が所定の範囲外のため、他の条件を実施例1と同一としても、塗工層が不均一になることから、比較例1,2とも外観にて折り曲げ性能劣化(浮上り)が見られた。なお、比較例2の折り曲げ性能劣化は、紙基材の吸水度が小さいことによるアンカー効果の低下と考えられる。さらに、比較例1の方は、耐水性及び撥水性が低いものであった。これにより、比較例1の方は、紙基材の吸水度が大きく、塗工液が多量に浸透することによるピンホールの発生が考えられる。
【0062】
比較例3〜6は、紙基材1の吸水度が所定の範囲内のため、塗工層は均一にできたと考えられるが、他の条件の不備により、悪い結果が得られた。
【0063】
具体的には、比較例3は、ガラス転移温度Tgが高いため、折り曲げ時の劣化が大きいものであった。
比較例4は、ガラス転移温度Tgが低いため、耐油性が低いものであった。 比較例5は、塗布量が少ないため、折り曲げ性能、耐水性及び撥水性が低いものであった。
比較例6は、塗工する樹脂がアクリル系樹脂のため、同じ物性値(Tg)であっても、罫線部での水滴滴下試験について劣化(外観で浮き上がり)が認められた。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、プラスチックの使用量を低減しつつ、耐水紙として必要な耐水性及び撥水性を有し、さらに、罫線部での層間剥離を阻止できる耐水紙を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る耐水紙の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】 同実施形態における耐水紙の変形構成を模式的に示す断面図である。
【図3】 同実施形態におけるカートンの撥水性を説明するための模式図である。
【図4】 本発明に係る各実施例を各比較例と比較して説明するための図である。
【符号の説明】
1…紙基材、2…塗工層、10…耐水紙、20…カートン、21…罫線部。

Claims (1)

  1. 下記A紙基材と、前記A紙基材の片面又は両面に形成された下記B塗工層とを備え、コッブ吸水度(JIS P8140)が15[g/m・2分]以下であり、撥水度がR8以上であることを特徴とする耐水紙。
    A:コッブ吸水度(JIS P8140)の試験方法において、蒸留水との接触時間を10秒間として試験した場合、得られる吸水度が10〜100[g/m・10秒]の範囲内にある紙基材。
    B:ガラス転移温度Tgが10〜30℃の範囲内にあるポリエステル系水性エマルジョンを、乾燥後で2〜20[g/m ・dry]の範囲の塗布量と70〜150℃の範囲内の乾燥温度とにより、塗布乾燥してなる塗工層。
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