JP4281302B2 - フィルム外装体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池要素をフィルム外装体に収納したフィルム外装電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯機器等の電源としての電池は、軽量化・薄型化が強く要請されている。これを受けて、電池の外装体に関しても、軽量化・薄型化に限界のある従来の金属缶に代わり、軽量化・薄型化が可能であり、金属缶に比べて自由な形状を採ることが可能である外装体として、金属薄膜フィルムまたは金属薄膜と熱融着性樹脂フィルムからなるラミネートフィルムが使用されるようになった。
【0003】
ラミネートフィルムとしては、金属薄膜としてアルミニウムを、熱融着性樹脂フィルムとして電池外側表面にナイロンやポリエチレンテレフタレートを、内側表面にポリエチレンやポリプロピレンを用いたものが一般的に使用される。このラミネートフィルムからなる外装体の内部に、正極、負極、電解質からなる電池要素が収納され、当該外装体周囲が熱融着によって接合される。ある程度の厚みを持った電池要素をラミネートフィルム外装体に収納する場合、ラミネートフィルムに、絞り成型により矩形の凹部を形成する手法が一般的に用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
電池要素を外装体にスムーズに収納するためには、電池要素の収納部を電池要素よりも一回り大きく設ける必要がある。特に、複数枚の正極・負極・セパレータを積層し、そこから複数枚の集電箔を引き出して1つの電極リード端子に接続する構成の積層型の電池の場合、その接続部を電池要素収納部内に設ける必要があり、電池要素本体よりも厚みが薄い当該接続部の上下には余剰の空間が形成されてしまう。そのため、外装体フィルムを真空封止すると大気圧によって外装体が圧縮され、余剰のフィルムが収納部の角部において鋭角をなして折れ曲がってしまうという問題が生じていた。電池要素の収納部を絞り成型によって形成する場合、当該収納部の角部は、もとのフィルムよりも薄くなるため、さらに鋭角に折れ曲がることで外装体フィルムのアルミニウム層などにクラックが入るおそれがあった。水分や電解液などのバリヤ層としての機能を持つアルミニウム層にクラックが入ると、フィルム外装電池としての性能や信頼性が大きく損なわれる場合もあった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、フィルム外装電池の真空封止後に、外装体に損傷が生じることを抑制し、信頼性の高いフィルム外装電池を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明によれば、外装フィルムに、電池要素を収納するための方形の凹部を設けるステップと、凹部の内表面の四隅の領域のみに、溶融した樹脂を塗布することにより当該領域を補強する補強部材を設けるステップと、を含むフィルム外装体の製造方法が提供される。
【0007】
また本発明によれば、上記のフィルム外装体の製造方法において、前記凹部が方形であり、前記補強部材を、前記凹部の底面から側面または隣接する側面に、跨るように形成することを特徴とするフィルム外装体の製造方法が提供される。
【0008】
また本発明によれば、上記のフィルム外装体の製造方法において、前記領域が、前記凹部の内表面を構成する底面と側面とがなす稜線の少なくとも一部、または前記凹部の内表面を構成する側面同士がなす稜線の少なくとも一部を含む領域であることを特徴とするフィルム外装体の製造方法が提供される。
【0009】
従来のフィルム外装体においては、電池要素を収納・被覆し、真空で封止する場合、常圧において空気を含んでいた空間が大気圧により圧縮される結果、外装フィルムが鋭角をなして折れ曲がってしまう部分が発生し、クラックが生じることもあった。本発明のフィルム外装体は、このような不具合を改善するために、電池要素を収納するための凹部の内表面の少なくとも一部の領域に補強部材を備えている。そのため、当該補強部材が設けられた領域においては機械的強度が増しているため、外装体内が陰圧となっても、外装フィルムが鋭角をなして折れ曲がることを抑制することが可能となる。
【0010】
特に、電池要素を収納するための凹部が方形である場合、外装体内を陰圧にすると、上記凹部の底面と側面とがなす稜線、または上記凹部の側面同士がなす稜線およびその周辺領域において、外装フィルムが鋭角をなして折れ曲がりやすい。したがって、上記交線を含む領域に上記補強部材を備えることにより効果的に上記折れ曲がりを抑制することができ、クラック等の発生を低減することが可能となる。
【0011】
ここで、特開2002−117815号公報には、L字上のアルミニウム製補強部材が埋め込まれた樹脂製の外装体が開示されている。上記公報記載の技術においては、外装体の材料として絶縁性樹脂を使用しており、この樹脂が衝撃を受けて割れることを防止するために当該補強部材が設けられている。したがって、外装体が鋭角をなして折れ曲がることを防止するという本発明の解決課題とは異なっている。
【0012】
また、上記公報の技術における補強部材の厚さは機械的強度を確保するために一定の厚さを確保することが必要であるうえに、その補強部材を樹脂により完全に埋め込む必要があるため、外装体の厚さが増すことになり、薄型の電池を提供するという観点からは好ましいとは言えない。さらに当該外装体の製造にあたっては、外装体の壁内における当該補強部材の位置を制御する必要があることから、プロセスが複雑化するという課題を有していた。
【0013】
上記公報記載の技術に対し、本発明のフィルム外装体に設けられる補強部材は、電池要素を収納する際の生じる余剰空間に上記補強部材を設ける構成であることから、外装体の厚さが増すことはない。また、当該補強部材は、電池要素を収納するための凹部の内表面上に設けられる構成を採用するため、別段複雑なプロセスを経る必要がない。
【0014】
また本発明によれば、上記のフィルム外装体の製造方法において、前記領域が、前記凹部の内表面を構成する底面と側面とがなす稜線、および前記凹部の内表面を構成する側面同士がなす稜線を含む領域であることを特徴とするフィルム外装体の製造方法が提供される。
【0015】
こうすることにより、外装フィルムが鋭角をなして折れ曲がりやすい領域が全て補強されるため、クラック等の発生を一層低減することができる。また、上記の方法によれば、上記補強部材を簡便に設けることができる。
【0016】
また本発明によれば上記のフィルム外装体の製造方法において、前記外装フィルムが、金属薄膜および熱融着性樹脂フィルムを含むラミネートフィルムであり、凹部の内表面が熱融着性樹脂フィルムの表面であることを特徴とするフィルム外装体の製造方法が提供される。
【0018】
外装フィルムとしてラミネートフィルムを採用することにより、外装体内への水分浸入を抑制することができ、かつ、熱融着により簡便に外装体を封止することが可能となる。また、上記の方法によれば、上記補強部材と上記凹部の内表面とを強固に接合することができ、上記補強部材を安定的に作用せしめることができる。
【0019】
また本発明によれば、上記のフィルム外装体の製造方法において、前記補強部材の材料と、前記凹部の内表面を構成する前記熱融着性樹脂フィルムの材料とが同種の熱融着性樹脂であることを特徴とするフィルム外装体の製造方法が提供される。
【0021】
このようにすることにより、上記補強部材と上記凹部の内表面とを強固に接合することができ、上記補強部材を安定的に作用せしめることができる。
【0022】
本発明において、同種の熱融着性樹脂とは、共通する単量体を有する熱融着性樹脂のことをいう。
【0024】
本発明の方法により製造されたフィルム外装体に収納されたフィルム外装電池は、上記の外装体に収納されているため、外装体にクラックが入るなどの不具合の発生が低減されているため、外装体内部への水分の浸入や電解液の漏出が生じにくい。したがって、長期にわたる安定的な動作が実現される。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態であるフィルム外装電池1の外観を示した図であり、図2は、フィルム外装電池1の分解斜視図である。図2に示されるように、本実施形態のフィルム外装電池1は、電池要素5を収納するための凹部(以下、電池要素収納部ともいう)が設けられた外装体フィルム2aと、外装体フィルム2bとで電池要素5が収納され、電池要素5に接続されて外装体の外部に突出した正極リード端子3および負極リード端子4を備えた構成となっている。電池要素5の周囲のフィルム接合部7は熱融着により接合されている。
【0035】
本発明において、電池要素収納部の形状は、たとえば図1に示されるように四角形とすることができるが、四角形に限定されるわけではなく、電池要素の形状に合わせて選択することができる。
【0036】
外装体フィルム2aおよび2bは、金属薄膜および熱融着性樹脂フィルムの少なくとも二層からなるラミネートフィルムを使用することができる。金属薄膜としては、内部への水分浸入を防ぐことができる公知の材料を使用することができ、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅などの薄膜が例示される。一方、熱融着性樹脂フィルムは、熱融着により外装体を密閉することができる公知の材料を使用でき、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂が例示される。
【0037】
図3および図7に示されるように、外装体フィルム2aには電池要素5を収納するための凹部が絞り加工により設けられる。この凹部を構成する底面と側面とがなす稜線あるいは側面同士がなす稜線およびその周辺の領域は、絞り加工によって薄く延ばされているため、その他の部分よりもラミネートの樹脂層や金属薄膜が薄くなっている。そのため、外装体フィルムを真空中で接合すると、図6に示されるように、角部が鋭角に折れ曲がった状態となりやすくなっている。このように角部が鋭角に折れ曲がってしまうと、薄くなったラミネートフィルムの金属薄膜にクラックが入るおそれがある。バリヤ層としての機能を持つ金属薄膜にクラックが入ると、外装体内部への水分浸入や電解液成分の揮発が起こり、電池としての性能や信頼性が大きく損なわれる場合も考えられる。そこで本発明では、図3および図7に示されるように、電池要素収納部の稜線およびその周辺領域に補強部材6を設ける。このようにすることにより、図7のように、フィルム外装体2aの電池要素収納部の稜線とその周辺領域が補強部材6に沿った形状となるため、鋭角に折れ曲がることを防止することが可能となる。したがって、稜線およびその周辺領域におけるクラック発生などの不具合を防ぐことが可能となり、信頼性の高いフィルム外装電池を実現する。
【0038】
図3においては、電池要素収容部の全ての稜線に補強部材6を設けた形態を示したが、必ずしもこのようにする必要はない。たとえば、図4に示されるように、電池要素収容部の四隅にのみ補強部材6を設けた形態を採用するなど、適宜変更することが可能である。補強が必要な箇所にのみ補強部材6を設けることができるため、電池の信頼性を向上させつつ、電池全体の軽量化に寄与することができる。
【0039】
補強部材6と外装体フィルム2aとは、熱融着、接着剤を用いた接着、超音波溶接など、公知の方法を用いて接合することができる。また、図5に示すように、溶融した樹脂を塗布することによって補強部材6を形成することもできる。この場合、補強部材6の成形工程および外装体フィルム2aへの接合工程を省くことができ、電池の製造の効率化を図ることが可能となる。
【0040】
補強部材6の材料としては、外装体内を真空にしたときに、変形しない程度の機械的強度を有する公知の材料を使用することができ、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンなどの樹脂が例示される。また、補強部材6の材料と、補強部材6が接する外装体フィルム2aの表面の樹脂層の材料とを同種の熱融着性樹脂とすることが好ましい。このようにすることにより、補強部材6と外装体フィルム2aとの接合を強固なものとすることができる。
【0041】
本発明における電池要素は、特に限定されない公知の電池を使用できるが、上記の外装体が軽量かつ水分の浸入が少ないという特徴を有することから、水分浸入により特性劣化が発生するおそれのある非水電解質電池を使用する場合は特に効果的である。非水電解質電池としては、リチウムイオン電池、リチウムメタル電池、リチウムポリマー電池などの一次または二次電池が例示される。
【0042】
【実施例】
次に、具体的な実施例により説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0043】
(実施例1)
図1は、本実施例のフィルム外装電池1の外観を示す斜視図であり、図2はその分解斜視図である。
【0044】
図2に示されるようにフィルム外装電池1は、正極リード端子3および負極リード端子4を備えた電池要素5が、外装体フィルム2aおよび2bにより被われ、外装体フィルム2aおよび2bの縁部が封止された構成である。また、図1に示されるように、正極リード端子3および負極リード端子4が突出した状態となっている。
【0045】
次に、再度図2に戻り、本実施例のフィルム外装電池の製作について説明する。
【0046】
外装体フィルム2aとしては、ナイロン/アルミニウム/酸変性ポリプロピレン/ポリプロピレンの四層構造を持つアルミラミネートフィルムを使用した。この外装体フィルム2aに対して深絞り加工を施すことにより、電池要素5よりも一回り大きいサイズの収納部をポリプロピレン側が凹状となるように設けた。
【0047】
図3は、本実施例のフィルム外装体電池の外装体フィルム2aの斜視図であり、上記で設けられた収納部内部が示されている。図3に示されるように、外装体フィルム2aの収納部の内側角部に、ポリプロピレン製の樹脂片を熱融着によって接合し、樹脂補強層6を設けた。
【0048】
次に、図2に示されるように、外装体フィルム2aと2bとで電池要素5を被い、正極リード端子3および負極リード端子4のみが外装体フィルム2aおよび2bから突出するような状態として、外装体フィルム2aおよび2bの縁部を重ね合わせた。その後、正極リード端子3および負極リード端子4が突出した一辺以外のフィルム外装体の周囲三辺を熱融着により接合した。その後、接合していない残りの一辺から電解液を注入した。電解液としては、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートの混合溶媒(重量比50:50)に、支持塩としてLiPF6を1mol/Lとなるように溶解させたものを使用した。電解液を注入後、真空中にて接合していない残りの一辺を熱融着により封止し、本実施例のフィルム外装電池1(図1)を得た。
【0049】
ここで、図1中のA−A'断面を図7に示す。また、樹脂補強層が設けられていない従来のフィルム外装電池の、図7に対応する断面図を図6に示す。図6に示された従来のフィルム外装電池において、電池要素5bを収納する収納部は、通常、適度な余裕を持たせるため電池要素5bよりも一回り大きく形成される。そのため、外装体フィルム2cおよび2dを真空封止する際に、外装体フィルム2cが電池要素5bに密着したときに、余剰の空間を構成していた部分のフィルムが角部に寄せ集められる。当該角部は絞り加工によって薄く延ばされているため、絞り加工されていない部分よりもラミネートの樹脂層やアルミニウム層が薄くなっている。そのため、図6に示されるように、角部が鋭角に折れ曲がった状態となりやすくなっていた。このように角部が鋭角に折れ曲がってしまうと、薄くなったラミネートフィルムのアルミニウム層にクラックが入る恐れが増大していた。バリヤ層としての機能を持つアルミニウム層にクラックが入ると、外装体内部への水分浸入や電解液成分の揮発が起こり、電池としての性能や信頼性が大きく損なわれる恐れがあった。
【0050】
これに対し、本実施例のフィルム外装電池は、図7に示されるように外装体フィルム2aの角部に樹脂補強層6が備えられている。このため、外装体フィルム2aおよび2bを真空封止する際に、外装体フィルム2aが電池要素5に密着したときに、余剰の空間を構成していた部分のフィルムが角部に寄せ集められるものの、角部に備えられた樹脂補強層6が十分な機械的強度を有することから、角部が鋭角に折れ曲がることを防止することができる。したがって、フィルム外装体2aの角部におけるクラックの発生を抑制することができるため、電池としての性能および信頼性を良好な状態で維持することが可能となる。
【0051】
なお、本実施例における電池要素は、次のように作製した。
【0052】
(正極の作製)
スピネル構造を持つマンガン酸リチウム粉末、炭素質導電性付与材、およびポリフッ化ビニリデンを90:5:5の重量比でNMPに混合分散、攪拌してスラリーとした。NMPの量はスラリーが適当な粘度になるように調整した。このスラリーを、ドクターブレードを用いて、正極集電体となる厚さ20ミクロンのアルミニウム箔の片面に均一に塗布した。塗布時には、わずかに未塗布部(集電体が露出している部分)が筋状にできるようにした。次にこれを100℃で2時間真空乾燥させた。同様にもう一方の面にもスラリーを塗布し、真空乾燥させた。この際、表裏の未塗布部が一致するようにした。このようにして両面に活物質を塗布したシートをロールプレスした。これを未塗布部を含めて矩形に切り出したものを正極の電極板とした。活物質未塗布部は片側の一部を矩形に残した他は切り取り、残った部分をリード部とした。
【0053】
(負極の作製)
アモルファスカーボン粉末、ポリフッ化ビニリデンを91:9の重量比でNMPに混合、分散、攪拌してスラリーとした。NMPの量はスラリーが適当な粘度になるように調整した。このスラリーを、ドクターブレードを用いて負極集電体となる厚さ10ミクロンの銅箔の片面に均一に塗布した。塗布時には、わずかに未塗布部(集電体が露出している部分)が筋状にできるようにした。次にこれを100℃で2時間真空乾燥した。なお、このとき負極層の単位面積あたりの理論容量と正極層の単位面積あたりの理論容量を1:1となるように活物質層の膜厚を調整した。同様にもう一方の面にもスラリーを塗布し真空乾燥した。このようにして両面に活物質を塗布したシートをロールプレスした。これを正極のサイズよりも縦横2mmずつ大きいサイズに、未塗布部を含めて矩形に切り出したものを負極の電極板とした。活物質未塗布部は片側の一部を矩形に残した他は切り取り、残った部分をリード部とした。
【0054】
(電池要素の製作)
上記のようにして作製した正極と負極、およびポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンの三層構造を持つマイクロポーラスセパレーターを交互に積層した。電極の最外側は負極となるようにし、その負極のさらに外側にセパレーターを設置した(セパレーター/負極/セパレーター/正極/セパレーター/・・・・・・/負極/セパレーター、という順序)。積層した正極の電極板リード部と正極リード端子としてのアルミニウム板を一括して超音波溶接した。同様に負極のリード部と負極リード端子としてのニッケル板を一括して超音波溶接した。
【0055】
(実施例2)
図4は、本実施例のフィルム外装電池の外装体フィルム2aを示す図であり、実施例1における図3に対応する図である。
【0056】
本実施例のフィルム外装電池は、基本的には実施例1と同じであるが、異なる点は、樹脂補強層6を電池要素収納部内側の角部すべてに形成するのではなく、フィルム外装電池1を真空封止した際、特に鋭角な折れ曲がりが発生しやすい電池要素収納部の四隅にのみ形成していることである。樹脂補強層6の形成位置は特に四隅に限定されず、電池要素収納部内側の角部の少なくとも一部に形成することができる。
【0057】
(実施例3)
図5は、本実施例におけるフィルム外装電池の外装体フィルム2aを示す図であり、実施例1における図3、および実施例2における図4に対応する図である。
【0058】
本実施例のフィルム外装電池は、基本的には実施例1、2と同じであるが、異なる点は、樹脂補強層6を樹脂片の熱融着や接着による接合で形成するのではなく、溶融したプロピレン樹脂を塗布することで形成したことである。
【0059】
以上、実施例により本発明について説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更されうる。
【0060】
例えば、上述した各実施例を組み合わせた構成としたり、フィルム外装体や樹脂補強層の材料を同様の効果が見込まれる公知の材料とすることができる。また、上述した各実施例ではリチウムイオン二次電池を電池要素として説明したが、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウムメタル一次電池あるいは二次電池、リチウムポリマー電池等の他の種類の電池要素に適用することができる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、フィルム外装体の電池要素を収納するための凹部の少なくとも一部の領域に補強部材を備えることにより、フィルム外装電池の真空封止後に、外装体に損傷が生じることを抑制することができる。したがって、信頼性の高いフィルム外装電池を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるフィルム外装電池の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明にかかるフィルム外装電池の分解斜視図である。
【図3】本発明にかかるフィルム外装体の斜視図である。
【図4】本発明にかかるフィルム外装体の斜視図である。
【図5】本発明にかかるフィルム外装体の斜視図である。
【図6】従来の技術によるフィルム外装電池の断面図である。
【図7】本発明にかかるフィルム外装電池の断面図である。
【符号の説明】
1 フィルム外装電池
2a、2b、2c、2d 外装体フィルム
3 正極リード端子
4 負極リード端子
5、5b 電池要素
6 補強部材
7 フィルム接合部
Claims (6)
- 外装フィルムに、電池要素を収納するための方形の凹部を設けるステップと、
前記凹部の内表面の四隅の領域のみに、溶融した樹脂を塗布することにより当該領域を補強する補強部材を設けるステップと、
を含むフィルム外装体の製造方法。 - 請求項1に記載のフィルム外装体の製造方法において、前記補強部材を、前記凹部の底面から側面または隣接する側面に、跨るように形成することを特徴とするフィルム外装体の製造方法。
- 請求項1に記載のフィルム外装体の製造方法において、前記領域が、前記凹部の内表面を構成する底面と側面とがなす稜線の少なくとも一部、または、前記凹部の内表面を構成する側面同士がなす稜線の少なくとも一部を含む領域であることを特徴とするフィルム外装体の製造方法。
- 請求項1に記載のフィルム外装体の製造方法において、前記領域が、前記凹部の内表面を構成する底面と側面とがなす稜線、および、前記凹部の内表面を構成する側面同士がなす稜線を含む領域であることを特徴とするフィルム外装体の製造方法。
- 請求項1乃至4いずれかに記載のフィルム外装体の製造方法において、前記外装フィルムが、金属薄膜および熱融着性樹脂フィルムを含むラミネートフィルムであり、前記凹部の内表面が前記熱融着性樹脂フィルムの表面であることを特徴とするフィルム外装体の製造方法。
- 請求項5に記載のフィルム外装体の製造方法において、前記補強部材の材料と、前記凹部の内表面を構成する前記熱融着性樹脂フィルムの材料とが同種の熱融着性樹脂であることを特徴とするフィルム外装体の製造方法。
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