JP4360073B2 - フィルム外装電気素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム外装電気素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯機器等の電源としての電池や、コンデンサ、キャパシタなどの電気素子は、軽量化、薄型化が強く要求されており、電気素子の外装体に関しても、軽量化、薄型化に限界のある従来の金属缶に代わり、軽量化、薄型化が可能であり、金属缶に比べて自由な形状を採ることが可能である外装体として、金属薄膜フィルムまたは金属薄膜と熱融着性樹脂フィルムからなるラミネートフィルムが使用されるようになった。
【0003】
ラミネートフィルムとしては、金属薄膜としてアルミニウムを、熱融着性樹脂フィルムとして電気素子外側表面にナイロンやポリエチレンテレフタレートを、内側表面にポリエチレンやポリプロピレンを用いたものが一般的に使われる。図7は、従来のフィルム外装電気素子12を示す図である。フィルム外装電気素子12は、ラミネートフィルムからなる外装体フィルム2a、2bの内部に、正極、負極、電解質からなる電池要素などの電気素子3が収納され、当該外装体周囲のフィルム接合部11が熱融着によって接合される。ある程度の厚みを持った電気素子をラミネートフィルム外装体に収納する場合、図7に示すように、ラミネートフィルムに絞り成形による矩形の凹部を形成する手法が用いられる。
【0004】
矩形の凹部の設けられた外装体フィルム2aに電気素子3を収納する際に、電極積層型のフィルム外装電気素子の場合、電極の活物質塗布部分から突出した電極の未塗布部を束ねて集電し、フィルム外装体の封止部から外部に突出するリード端子5をその集電部4に接続することがある。また、電極捲回型のフィルム外装電気素子の場合、電気素子の正極、負極のそれぞれから導出された複数のタブを集電し、リード端子に接続することがある。このように集電部を含む電気素子を外装体フィルム2a、2bに収納して真空封止すると、外装体フィルム2aは大気圧によって圧縮される。その際、集電部は電気素子よりも厚みが薄いため、電気素子収納部の深さ方向の形状が単純な矩形であると、集電部に対応する絞り成形部に外装体フィルム2aが余っているため、図8に示すように大きくへこんでしまうという問題が生じていた。
【0005】
ラミネート外装体を真空封止した際の側面の変形を防止する方法として、パッケージの側面にくぼみを設けたり、側面高さの概ね半分となる位置に段差を設けるという提案がなされていた(特許文献1参照)。
【0006】
しかし、特許文献1に記載の方法は、電池パック内に電池を収納する際の充填効率を上昇させることを念頭に置いた設計になっているため、電気素子の有する段差の形状に対応しておらず、集電部周囲の外装体の損傷を抑制する効果としては不十分であった。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−200584号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、薄い電気素子を含む電気素子を外装体に収納し、真空封止する場合、外装体フィルムがへこむ際にその角部が鋭角に折れ曲がることによって、外装体フィルムのアルミ層などにクラックが入りやすくなる恐れがあった。水分や電解液などのバリア層としての機能を持つアルミ層にクラックが入ると、フィルム外装電気素子としての性能や信頼性が大きく損なわれる場合もあったが、従来提案されていた方法では、外装体への損傷の抑制効果が不十分であった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、真空封止後に生じる外装体フィルムの損傷に伴う電気素子の性能や信頼性の低下が抑制されたフィルム外装電気素子を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、外装体フィルムにより電気素子が収納され、前記外装体フィルムに前記電気素子の収納部を形成するための絞り成形が施されたフィルム外装電気素子であって、前記電気素子の近傍に前記電気素子より薄い集電部が設けられ、前記集電部に対応する絞り成形部に段差領域を有することを特徴とするフィルム外装電気素子が提供される。
【0011】
本発明に係るフィルム外装電気素子においては、電気素子より厚みの薄い集電部に対応する絞り成形部の外装体フィルムが、集電部の厚みに添うように段差状に成型され、段差領域を形成しているため、フィルム外装電気素子の真空封止時に集電部の外装体フィルムが大きくへこんで角部が鋭角に折れ曲がることを防止する。したがって、外装体フィルムの損傷に伴う電気素子の性能や信頼性の低下を抑制することができる。
【0012】
本発明のフィルム外装電気素子において、前記集電部に対応する絞り成形部の段差領域の高さは、前記集電部の厚さと略等しくすることができる。こうすることにより、外装体フィルムが集電部の形状に対応した構成とすることができる。よって、外装体フィルムの損傷に伴う電気素子の性能や信頼性の低下をさらに抑制することができる。
【0013】
本発明のフィルム外装電気素子において、2枚の前記外装体フィルムにより前記電気素子が収納され、2枚の前記外装体フィルムに設けられた前記段差領域の合計高さが、前記集電部の厚さと略等しい構成とすることができる。こうすることにより、集電部が電気素子の厚さ方向における設置位置に応じた段差状に外装体フィルムを形成することができる。したがって、外装体フィルムの損傷に伴う電気素子の性能や信頼性の低下をより一層抑制することができる。
【0014】
本発明のフィルム外装電気素子において、電気素子がフィルム外装体に収納されたフィルム外装電気素子であって、前記電気素子は厚み方向の段差を有し、前記外装体に電気素子収納部が設けられ、前記電子素子収納部に、前記段差の形状に沿うように段差領域が設けられていてもよい。
【0015】
本発明に係るフィルム外装電気素子では、電気素子が厚み方向に段差を有している。厚み方向に段差を有するとは、電気素子に、一部厚さが異なる領域が形成されていることをいう。たとえば、電気素子の一部が、他の部分より薄くなっている場合や、厚くなっている場合などが挙げられる。また、本発明に係るフィルム外装電気素子においては、電気素子の有する段差の形状に沿うように、絞り成形部の外装体フィルムが段差状に成型され、段差領域が設けられている。こうすることにより、たとえば電気素子の一部に他の部分よりも薄い領域が設けられている場合であっても、薄い領域とフィルム外装体との間に余剰の空間が存在しないため、真空封止時に集電部の外装体フィルムが大きくへこんで角部が鋭角に折れ曲がることを抑制する。したがって、外装体フィルムの損傷に伴う電気素子の性能や信頼性の低下を抑制することができる。
【0016】
本発明のフィルム外装電気素子において、前記電気素子収納部が絞り成形により形成された構成とすることができる。こうすることにより、電気素子に設けられた段差に対応する段差領域を、外装体フィルムに容易に形成することができる。したがって、外装体フィルムの損傷に伴う電気素子の性能や信頼性の低下が抑制されたフィルム外装電気素子を容易に得ることができる。
【0017】
本発明のフィルム外装電気素子において、前記電気素子は電池、キャパシタ、コンデンサのいずれかとすることができる。本発明に係るフィルム外装電気素子においては、電気素子の有する段差の形状に対応する段差領域がフィルム外装体に設けられているため、電気素子を上記のいずれかとした際にも、外装体フィルムの損傷に伴う電気素子の性能や信頼性の低下を抑制することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態であるフィルム外装電気素子1の外観を示す斜視図である。図2は、フィルム外装電気素子1の分解斜視図である。図2に示すように、フィルム外装電気素子1は電気素子3を収納した外装体フィルム2a、2bと、電気素子3において外周部に位置する集電部4と接続されて外装体の外部に突出した正極、負極のリード端子5とを備えた構成となっている。外装体フィルム2aには電気素子3を収納するための凹部(以下、電気素子収納部ともいう)が形成されており、電気素子収納部には、電気素子3と集電部4との厚みの差に対応する段差領域10が設けられている。電気素子3の周囲のフィルム接合部11は熱融着により接合されている。
【0020】
電池要素収納部の形状は、たとえば図1に示されるように四角形とすることができるが、四角形に限定されるわけではなく、電気素子の形状に合わせて選択することができる。
【0021】
外装体フィルム2aおよび2bは、金属薄膜および熱融着性樹脂フィルムの少なくとも二層からなるラミネートフィルムを使用することができる。金属薄膜としては、内部への水分浸入を防ぐことができる公知の材料を使用することができ、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅などの薄膜が例示される。一方、熱融着性樹脂フィルムは、熱融着により外装体を密閉することができる公知の材料を使用でき、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂が例示される。
【0022】
外装体フィルム2aには電気素子3を収納するための凹部が絞り成形により形成される。外装体フィルム2aの電気素子収納部における集電部4の厚さに対応する深さを有する段差領域10は、収納部を形成する際の絞り成形時に同時に形成することができるため、特別の工程を必要とせずに設けることができる。
【0023】
ここで、外装体フィルム2aと2bとを真空中で接合した際に、図8に示される従来のフィルム外装電気素子12のように、角部が鋭角に折れ曲がってしまうと、ラミネートフィルムの金属薄膜にクラックが入るおそれがある。バリア層としての機能を持つ金属薄膜にクラックが入ると、外装体内部への水分浸入や電解液成分の揮発が起こり、電気素子としての性能や信頼性が大きく損なわれる場合も考えられる。そこで、図1、図2の電池では、外装体フィルム2aに設けられた電気素子収納部に、集電部4に対応する絞り成形部に、電気素子3と集電部4の厚みの差に対応する段差を設け、集電部4の厚さに略等しい高さを有する段差領域10を形成する。こうすることにより、フィルム外装電気素子1の真空封止の際に、集電部4の近傍の外装体フィルム2aが圧縮されることによって、外装体フィルム2aにだぶつきが生じたり、これが大きくへこんで鋭角に折れ曲がることを防止することが可能となる。したがって、稜線およびその周辺領域における鋭角な折れ曲がりによるクラック発生などの不具合を抑制することができる。
【0024】
フィルム外装電気素子1において、電気素子3は、特に限定されないが、たとえば電池、コンデンサ、キャパシタ等を用いることができる。電気素子3を電池とする場合、公知の電池を使用できるが、上記の外装体が軽量かつ水分の浸入が少ないという特徴を有することから、水分浸入により特性劣化が発生するおそれのある非水電解質電池を使用する場合に特に効果的である。非水電解質電池としては、リチウムイオン電池、リチウムメタル電池、リチウムポリマー電池などの一次または二次電池が例示される。
【0025】
図3は、フィルム外装電気素子の別の構成を示す分解斜視図である。図3のフィルム外装電気素子においては、集電部4およびリード端子5が電気素子3の2辺に設けられている。外装体フィルム2aの段差領域10も集電部4に対応した2辺に形成されている。図3では対向する2辺に段差領域10が形成されているが、集電部の設けられた任意の2以上の辺に段差領域10を形成することができる。
【0026】
また図4は、本発明に係るフィルム外装電気素子のさらに別の実施形態を示す図である。図4のフィルム外装電気素子においては、集電部を電気素子3の厚さ方向の中央付近に設け、2枚の外装体フィルム2aによって形成された外装体に電気素子3が収納されている。集電部の上下の外装体フィルム2aに設けられた段差領域10の高さの合計は、集電部の厚さに対応して形成されている。上下2枚の外装体フィルム2aに設けられた段差領域10の高さは等しくても異なっても良い。また、1枚の外装体フィルム2aにのみ段差領域10が形成されていてもよい。
【0027】
さらに、図5は本発明に係るフィルム外装電気素子のまた別の実施形態を示す図である。図5のフィルム外装電気素子においては、電気素子3aが捲回型電極となっている。電極と接続された複数のタブ6を、集電部4にて集電している。図5のフィルム外装電気素子において、集電部4を有する辺と、リード端子を導出する辺とは、同じであっても異なっていてもよい。
【0028】
【実施例】
次に、本発明に係るフィルム外装電気素子について具体的な実施例を用いて説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0029】
(実施例1)
本実施例に係るフィルム外装電気素子の構成を図1に示す。本実施例において、電気素子3は図6に示す電池要素を有する二次電池である。まず、図6を参照して電池要素の製作について説明する。
【0030】
〈正極の製作〉
スピネル構造を持つマンガン酸リチウム粉末、炭素質導電性付与材、およびポリフッ化ビニリデンを90:5:5の重量比でNMPに混合分散、攪拌してスラリーとした。NMPの量はスラリーが適当な粘度になるように調整した。このスラリーを、ドクターブレードを用いて、正極集電体となる厚さ20ミクロンのアルミニウム箔の片面に均一に塗布した。塗布時には、わずかに未塗布部(集電体が露出している部分)が筋状にできるようにした。次にこれを100℃で2時間真空乾燥させた。同様にもう一方の面にもスラリーを塗布し、真空乾燥させた。この際、表裏の未塗布部が一致するようにした。このようにして両面に活物質を塗布したシートをロールプレスした。これを未塗布部を含めて矩形に切り出したものを正極電極板7とした。残りの活物質未塗布部の一部を矩形に切り取り、これをリード部とした。
【0031】
〈負極の製作〉
アモルファスカーボン粉末、ポリフッ化ビニリデンを91:9の重量比でNMPに混合、分散、攪拌してスラリーとした。NMPの量はスラリーが適当な粘度になるように調整した。このスラリーを、ドクターブレードを用いて負極集電体となる厚さ10ミクロンの銅箔の片面に均一に塗布した。塗布時には、わずかに未塗布部(集電体が露出している部分)が筋状にできるようにした。次にこれを100℃2時間真空乾燥した。なお、このとき負極層の単位面積あたりの理論容量と正極層の単位面積あたりの理論容量を1:1となるように活物質層の膜厚を調整した。同様にもう一方の面にもスラリーを塗布し真空乾燥した。このようにして両面に活物質を塗布したシートをロールプレスした。これを正極のサイズよりも縦横2mmずつ大きいサイズに、未塗布部を含めて矩形に切り出したものを負極電極板8とした。残りの活物質未塗布部の一部を矩形に切り取り、これをリード部とした。
【0032】
〈電池要素の製作〉
上記のようにして作製した正極電極板7と負極電極板8、およびポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンの三層構造を持つマイクロポーラスセパレーター9を図6に示すように交互に積層した。電極の最外側は負極となるようにし、その負極のさらに外側にセパレーターを設置した(セパレーター/負極/セパレーター/正極/セパレーター/・・・・・・/負極/セパレーター、という順番)。積層した正極電極板7のリード部と、正極のリード端子5としてのアルミニウム板厚さ0.1mmを一括して超音波溶接して、正極集電部4aとした。同様に負極電極板8のリード部と負極のリード端子5としてのニッケル板厚さ0.1mmを一括して超音波溶接して、負極集電部4bとした。
【0033】
〈フィルム外装電池の製作〉
次に、図2を参照してフィルム外装電池の製作について説明する。
【0034】
ナイロン/アルミニウム/酸変性ポリプロピレン/ポリプロピレンの四層構造を持つアルミラミネートフィルムである外装体フィルム2aに、電気素子3(本実施例では電池要素)よりも一回り大きいサイズの深絞り成形による収納部をポリプロピレン側が凹状となるように設けた。外装体フィルム2aの電気素子収納部に、電気素子3に設けられた集電部4に対応し、集電部4の厚さと略等しい高さを有する段差領域10を、深絞り成形時に同時に成型した。
【0035】
次に、上記の方法により得られた電気素子3を、リード端子5のみが外装体フィルム2aから突出するような状態として、フィルム2aの電池要素収納部に収納し、もう一方の外装体フィルム2bで電気素子3を覆い、接合部を重ね合わせて熱融着によって外装体の周囲三辺を接合した。このとき、集電部4を外装体フィルム2aに設けられた段差領域10に収納した。
【0036】
その後、接合してない残りの1辺から電池要素収納部に電解液を注液した。電解液は1mol/LのLiPF6を支持塩とし、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートの混合溶媒(重量比50:50)を溶媒とするものである。電解液注液後、真空中にて外装体を封止し、ラミネートフィルム外装体を有するリチウムイオン二次電池を得た。
【0037】
電気素子3を外装体フィルム2a、2bに収納して真空封止すると、外装体は大気圧によって圧縮される。集電部4は電気素子3よりも厚みが薄いため、図7に示すように、外装体フィルム2aに形成した電池要素収納部の形状が単純な矩形である従来のフィルム外装電気素子12では、集電部4の周囲で外装体フィルム2aが余っている。これを真空封止すると、図8に示すように集電部4付近の外装体フィルム2aが大きくへこんでしまう。外装体フィルム2aがへこむ時に生じる角部が鋭角に折れ曲がることによって、外装体フィルム2aのアルミ層などにクラックが入りやすくなる恐れが増大していた。水分や電解液などのバリア層としての機能を持つアルミ層にクラックが入ると、フィルム外装電池としての性能や信頼性が大きく損なわれる恐れがあった。
【0038】
これに対し、本実施例のフィルム外装電池は、図1に示すように、集電部4に対応する外装体フィルム2aの電気素子収納部に、集電部4の厚さと略等しい段差を深絞り成形により成型してあるため、フィルム外装電池の真空封止時に集電部の外装体フィルムが大きくへこんで鋭角に折れ曲がることを防止することができた。したがって、ラミネートフィルムのアルミ層でのクラックの発生を抑制することができるため、電池としての性能や信頼性を良好な状態で維持することが確認された。
【0039】
(実施例2)
本実施例においては、図3の構成を有するフィルム外装電池を作製した。本実施例のフィルム外装電池は、基本的には実施例1と同じであるが、異なる点は、集電部4およびリード端子5を電気素子3(本実施例においては電池要素)の2辺に設けたことである。外装体フィルム2aの段差領域10もまた、集電部4に対応した2辺に形成した。
【0040】
このような電池においても、実施例1の場合と同様、ラミネートフィルムのアルミ層でのクラックの発生を抑制することができるため、電池としての性能や信頼性を良好な状態で維持することが確認された。
【0041】
なお、本実施例では対向する2辺に段差を形成したが、集電部4のある任意の2辺以上に段差を形成しても良い。また、本実施例では外装体フィルム2aの集電部4に対応する辺全体に段差領域10を形成したが、集電部4の幅に対応する長さについてのみ、段差領域10を形成しても良い。
【0042】
(実施例3)
本実施例においては、図4に示す構成を有するフィルム外装電池を作製した。本実施例のフィルム外装電池は、基本的には実施例1と同じであるが、異なる点は、集電部4を電気素子3(本実施例においては電池要素)の厚さ方向の中央付近に設け、電池要素収納部を形成した外装体フィルム2aを2枚用いたことである。集電部4の上下の外装体フィルム2aに形成した段差領域10の高さの合計は、集電部4の厚さに略等しくなるようにした。
【0043】
このような電池においても、実施例1、2の場合と同様、ラミネートフィルムのアルミ層でのクラックの発生を抑制することができるため、電池としての性能や信頼性を良好な状態で維持することが確認された。
【0044】
なお、本実施例においては、上下2枚の外装体フィルム2aに形成した段差領域10の高さを等しくしたが、2枚の外装体フィルム2aに形成する段差領域10の高さは異なってもよい。また、一方の外装体フィルム2aにのみ段差領域10を形成することもできる。
【0045】
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明について説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更されうる。
【0046】
例えば、上述した各実施形態の任意の数を組み合わせた構成としたり、フィルム外装体などの材料を同様の効果が見込まれる公知の材料とすることができる。また、上述した各実施例では電気素子を電池として説明したが、キャパシタやコンデンサなどを電気素子とすることができる。また電池要素としてリチウムイオン二次電池を例にして説明したが、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウムメタル一次電池あるいは二次電池、リチウムポリマー電池等の他の種類の電池要素に適用することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、電気素子の近傍に設けられた集電部の形状に沿った段差領域を、外装体フィルムの絞り成形部に設けることにより、真空封止後に生じる外装体フィルムの損傷に伴う電気素子の性能や信頼性の低下が抑制されたフィルム外装電気素子が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るフィルム外装電気素子の外観の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るフィルム外装電気素子の構成の一例を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るフィルム外装電気素子の構成の一例を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るフィルム外装電気素子の外観の一例を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るフィルム外装電気素子の構成の一例を示す分解斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る電池要素の構成の一例を示す斜視図である。
【図7】従来のフィルム外装電池の構造を示す分解斜視図である。
【図8】従来のフィルム外装電池の外観を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 フィルム外装電気素子
2,2a,2b 外装体フィルム
3,3a 電気素子
4 集電部
4a 正極集電部
4b 負極集電部
5 リード端子
6 タブ
7 正極電極板
8 負極電極板
9 セパレーター
10 段差領域
11 フィルム接合部
12 フィルム外装電気素子

Claims (4)

  1. 外装体フィルムにより電気素子が収納され、前記外装体フィルムに前記電気素子の収納部を形成するための絞り成形が施されたフィルム外装電気素子であって、前記電気素子の近傍に前記電気素子より薄い集電部が設けられ、前記集電部に対応する絞り成形部に段差領域を有することを特徴とするフィルム外装電気素子。
  2. 請求項1記載のフィルム外装電気素子において、前記集電部に対応する絞り成形部の段差領域の高さは、前記集電部の厚さと略等しいことを特徴とするフィルム外装電気素子。
  3. 請求項1記載のフィルム外装電気素子において、2枚の前記外装体フィルムにより前記電気素子が収納され、2枚の前記外装体フィルムに設けられた前記段差領域の合計高さが、前記集電部の厚さと略等しいことを特徴とするフィルム外装電気素子。
  4. 請求項1乃至いずれかに記載のフィルム外装電気素子において、前記電気素子が電池、コンデンサ、キャパシタのいずれかであることを特徴とするフィルム外装電気素子。
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