JP4281197B2 - シュレッダーダストの乾留残渣処理方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は廃家電等のシュレッダーダストを乾留処理して乾留ガスより分離された乾留残渣中のチャー及び各種金属類を選別して回収するためのシュレッダーダストの乾留残渣処理方法及び装置に関するもので、特に、銅を高純度で回収することができるシュレッダーダストの乾留残渣処理方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
廃棄すべき冷蔵庫、エアコン、テレビ、洗濯機等の家電製品(廃家電)を処理する場合を一例として説明すると、通常、廃家電を処理する場合は、回収した廃家電をシュレッダー工場にてシュレッダーにかけて細かく破砕し、破砕処理されたシュレッダーダストをそのまま埋設処分するか、若しくは、焼却処理した後に埋設処分する方法が採られていた。
【0003】
しかしながら、埋設処分には埋立地不足の問題があると共に、上記シュレッダーダスト中には銅線をはじめ鉄やアルミ等の有用な各種金属類が含まれており、これらをリサイクルする必要があるばかりでなく、シュレッダーダスト中に含まれるプラスチック類も熱源として有効利用することが提案されてきている。
【0004】
このようなシュレッダーダストの処理方法の一例としては、特開平11−057651号公報に示されたものがある。これは、図5に概略を示す如く、シュレッダーダスト1を乾留炉(熱分解炉)2に挿入し、該乾留炉2で乾留処理することによりプラスチック類等を熱分解させた後、乾留ガス(熱分解ガス)3と乾留残渣(熱分解残渣)4とに分離されて取り出されるようにし、上記乾留ガス3は、図示しない熱分解炉に送って燃焼させることにより、上記乾留炉2を加熱するための空気を加熱する熱源として利用させるようにし、一方、乾留炉2から排出される乾留残渣4は、先ず、破砕機5による破砕工程Iで破砕することにより、該乾留残渣4中に含まれるワイヤー状の物体、たとえば、銅線等を切断して、下流側のチャー分離工程IIで比重の軽いチャー6を風力選別する際に、上記銅線等が絡み合って見かけ体積に対して比重の軽い鳥の巣状の固まりとなってチャー6とともに飛ばされることのないようにし、次に、チャー分離機7によるチャー分離工程IIにて、上記破砕機5で破砕された小さいサイズの乾留残渣4a中のチャー6と金属類8とを風力選別させてチャー6を分別し、次いで、金属類8は磁力選別機の如き鉄回収機9による鉄回収工程IIIに導いて金属類8から鉄10を磁力選別して回収するようにし、しかる後、残る非鉄金属類11を渦電流選別機12による渦電流選別工程IVに導いて、非鉄金属類11中の銅13を選別して回収して処理させるようにしたものである。
【0005】
ところで、通常、磁石に付かないといわれているステンレスも破砕等の加工が行われると、組織が一部変化して弱磁性体となることが知られている。
【0006】
かかるステンレスの性質に着目して、廃家電の破砕物中の鉄、ステンレス、銅、アルミ等の各種金属類を選別して回収する方法の一例が特開平8−52449号公報に示されている。これは、図6に示す如く、鉄系、非鉄系の金属が混在する廃棄物14を破砕機15で破砕した後、破砕された廃棄物14aを磁力選別機16に送って磁性体からなる鉄17を分別した後、より強力な磁力を発生させる磁力選別機であるステンレス選別機18で弱磁性体たるステンレス19を分別し、次いで、渦電流選別機20で非鉄金属類21とプラスチック類22を選別し、非鉄金属類21は比重差選別機23に導いて銅24とアルミ25とその他の非鉄金属類26とに分別して回収させるようにしたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図5の方法では、シュレッダーダストの乾留残渣4よりチャー6及び鉄10を選別除去した後の非鉄金属類11を、渦電流選別機12に導いて渦電流選別工程IVを行わせるようにしているが、該渦電流選別機12は、処理対象物の電気伝導性を利用して非鉄金属(良伝導体)に渦電流を誘起し、それによって発生する反発力によりガラスや陶器等の非金属(非伝導体)と、非鉄金属とを分別するものであることから、ともに良伝導体の非鉄金属である銅13とアルミとを分離することができず、したがって、処理すべきシュレッダーダスト1にアルミが含まれていた場合には、回収される銅13にはアルミが混入して銅としての純度が低下するという問題がある。更に、ステンレスは、鉄回収機9による磁力選別では選別されずに渦電流選別機12に導かれることになるが、この際、上流側の破砕工程Iにおける破砕処理によって弱磁性体となったステンレス片が、その磁力により該渦電流選別機12のベルトに吸着することがあり、この場合、該吸着したステンレス片によって渦電流選別機12のベルトが損傷する虞があるという問題がある。
【0008】
一方、図6の方法では、金属単体としての鉄やステンレス、銅、アルミはそれぞれ選別することはできるが、一般にプラスチック類により被覆されている銅線は、渦電流選別機20ではプラスチック類として選別されてしまうことから、銅線を銅24として回収することができないという問題がある。
【0009】
そこで、本発明者はベルトが損傷する虞のある渦電流選別機を用いることなく、銅とアルミとを効率よく選別することができると共に、銅線の銅も回収することができるようにするための工夫、研究を重ねた結果、銅とアルミとの磁性の相違に基づく強磁界条件下における挙動の違いを見出し、本発明をなした。
【0010】
したがって、本発明の目的とするところは、渦電流選別機を用いることなく銅とアルミとを効率よく選別することができて、銅を高純度で回収することができ、更に、銅線からも銅を回収することができるシュレッダーダストの乾留残渣処理方法及び装置を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、シュレッダーダストを乾留処理して乾留ガスと乾留残渣に分離し、乾留残渣を、チャー及び各種金属類に選別して回収するように処理するシュレッダーダストの乾留残渣処理方法において、上記乾留残渣を、破砕工程にて破砕した後、該乾留残渣の破砕物よりチャー分離工程でチャーと金属類とを分離し、次に、該金属類より鉄回収工程にて鉄を回収し、しかる後、高磁力選別工程にて、強磁界下で非鉄金属類中の銅とアルミとステンレスとを磁性の相違による挙動の相違に基づいて選別するシュレッダーダストの乾留残渣処理方法、及び、シュレッダーダストを乾留処理する乾留炉の下流側に、該乾留炉で乾留ガスより分離されて排出される乾留残渣を破砕するための破砕機と、該破砕機で破砕された乾留残渣よりチャーを分離するためのチャー分離機と、チャーを分離した後の金属類より鉄を回収するための鉄回収機とを順に備え、更に、該鉄回収機で鉄を回収した後の非鉄金属類中の銅とアルミとステンレスとを、強磁界下でそれぞれの磁性の相違による挙動の相違に基づいて選別するための高磁力選別機を備えた構成を有する装置とし、更に、高磁力選別機を、表面に所要の強磁界を有する高磁力ドラムと、該高磁力ドラムのトップに非鉄金属類を供給するためのフィーダと、上記高磁力ドラムの回転方向下流側位置に設置したスクレーパとを備えてなる構成としたシュレッダーダストの乾留残渣処理装置とする。
【0012】
シュレッダーダストを乾留する乾留炉から排出される乾留残渣は、先ず、破砕工程の破砕機で破砕されて、銅線等のワイヤー状の物体が絡み合ったり他の金属と絡み付くことがないような小さいサイズの乾留残渣とされた後、チャー分離工程のチャー分離機に導かれ、上記乾留残渣中のチャーが風力選別されて回収される。チャーと分離された金属類は鉄回収工程の鉄回収機に送られ、鉄が選別され回収される。鉄が分離された残りの非鉄金属類は高磁力選別工程の高磁力選別機に送られ、ここで、銅とアルミとステンレスとに選別される。該高磁力選別機として高磁力ドラムが用いられる場合に、非鉄金属類が高磁力ドラム上に供給されると、銅とアルミとステンレスでは、それぞれ磁性が異なることから、高磁力ドラムとの吸着力に差異が生じ、反磁性体である銅は高磁力ドラムに吸着しないため高磁力ドラムの前方に落下させられ、常磁性体であるアルミは微弱ではあるが高磁力ドラムに吸着するため高磁力ドラムの下方に落下させられ、より磁化率の大きい常磁性体であるステンレスは高磁力ドラムに吸着した後、スクレーパで掻き取られて高磁力ドラムの後方に落下させられる。したがって、落下位置の違いにより銅とアルミとステンレスとを効率よく分離させて回収することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0014】
図1は本発明のシュレッダーダストの乾留残渣処理方法及び装置の実施の一形態を示すもので、シュレッダーダスト1を乾留炉2で乾留処理して、生成された乾留残渣4と乾留ガス3とを分離して乾留残渣4を回収した後、該乾留残渣4中のチャー6及び各種金属類を選別して回収するように処理するシュレッダーダストの乾留残渣処理方法及び装置において、図5に示したものと同様の破砕機5により乾留残渣4を破砕する破砕工程Iと、チャー分離機7によりチャー6と金属類8を分離するチャー分離工程IIと、鉄回収機9により鉄10を選別し回収する鉄回収工程IIIの下流側に、渦電流選別機12による渦電流選別工程IVを設けることに代えて、上記鉄選別機9で鉄10を選別した後の非鉄金属類11を高磁力選別機27により選別するための高磁力選別工程Vを設けて、シュレッダーダスト1の乾留残渣4を破砕工程Iで破砕した後、破砕された乾留残渣4aよりチャー分離工程IIでチャー6の分離を行い、次に、チャー6と分離された金属類8より鉄回収工程IIIで鉄10を選別して回収し、しかる後、高磁力選別工程Vの高磁力選別機27にて、非鉄金属類11中の銅28とアルミ29とステンレス30とを、強磁界条件下における各々の磁性の相違に基づく挙動の違いを利用して選別するようにする。
【0015】
上記高磁力選別工程Vで用いる高磁力選別機27は、図2(イ)(ロ)に示す如く、長手方向に所要間隔、たとえば、12mm間隔でN極とS極を交互に備えて表面磁束密度が0.7テスラ程度となるよう構成した高磁力ドラム31を横方向に配置して、両軸端部を軸受37にて回転可能に支持させると共に、図示しない駆動装置により図上時計方向(矢印a方向)に回転駆動できるようにし、且つ上記高磁力ドラム31の上方位置に、振動フィーダ32を設けて、該振動フィーダ32より上記高磁力ドラム31のトップの位置Tに、非鉄金属類11を高磁力ドラム31の長手方向に分散させながら供給できるようにし、又、上記高磁力ドラム31の回転方向下流側位置(トップTを始点とした回転方向約270°位置)に近接させてスクレーパ32を設置して、該スクレーパ32により上記高磁力ドラム31の表面の吸着物を掻き取ることができるようにしてある。更に、上記高磁力ドラム31の下方に、該高磁力ドラム31の平面形状とほぼ対応する平面形状のアルミ回収部35を設け、該アルミ回収部35の前側に銅回収部34を、又、アルミ回収部35の後側となる上記スクレーパ32の下方にステンレス回収部36をそれぞれ設けた構成としてある。
【0016】
上記において高磁力ドラム31の表面磁束密度を0.7テスラ程度としたのは、いずれも弱磁性体である銅28とアルミ29とステンレス30に、磁性の違いに基づいた高磁力ドラム31に対する吸着力の差異を明確に発現させるためで、この場合、反磁性体である銅28は高磁力ドラム31に吸着せず、常磁性体であるアルミ29は微弱ではあるが高磁力ドラム31に吸着し、より磁化率の大きい常磁性体であるステンレス30は高磁力ドラム31に吸着するようになる。
【0017】
又、上記破砕工程Iで用いる破砕機5としては、たとえば、図3(イ)(ロ)に示す如く、切削屑用二軸剪断破砕機5aを用いるようにする。切削屑用二軸剪断破砕機5aは、軸38の外周にあるねじれ形状の刃部39が交互にかみ合うように2本の軸38を平行にケース40内に配して、該2本の軸38を各刃部39がかみ込む方向に回転するようにした構成としてあり、投入口41より投入された被破砕物を破砕するようにしてある。
【0018】
更に、上記チャー分離工程IIで用いるチャー分離機7としては、たとえば、図4に示す如く、風力分級機付き遠心ローラミル式粉砕機7aを用いるようにする。風力分級機付き遠心ローラミル式粉砕機7aは、駆動装置42により回転される回転軸43の上端部に水平アーム44の中心部を取り付け、該アーム44の先端に揺動自在に懸垂してあるローラジャーナル45の下端に、ローラ46を取り付け、回転軸43が回転することにより、遠心力によりローラジャーナル45が外方向に広がり、ローラ46が固定リング47の内面に押し付けられることにより、該ローラ46と固定リング47との間にて乾留残渣4aを粉砕するようにした遠心ローラミル本体48を設け、更に、該遠心ローラミル本体48の下部に空気49を送り込むための空気送給部50を接続し、遠心ローラミル本体48の上端部に、送り込まれた空気49により金属類8と分離された後、空気49で搬送されるチャー6を回収するためのサイクロン51を接続した構成として、破砕機5で破砕された小さいサイズの乾留残渣4aを粉砕して、チャー6を微粉化させた後、該微粉化したチャー6を粒径の相違により金属類8から風力選別することができるようにしてある。なお、上記チャー6と分離された金属類8は遠心ローラミル本体48の下部に設けた図示しない排出口より排出させて回収するようにしてある。
【0019】
更に又、上記鉄回収工程IIIで用いる鉄回収機9としては、ドラムの表面磁束密度が0.1テスラ程度としてあるドラム式磁選機等の磁力選別機を用いるようにする。
【0020】
シュレッダーダスト1を乾留処理した後、乾留ガス3と分離されて回収された乾留残渣4は、先ず、破砕工程Iで破砕機5により破砕されることにより、銅線等のワイヤーの物体は、鳥の巣状の固まりや他の金属類との絡み付きを生じないサイズにまで切断される。次に、上記破砕工程Iで破砕された小さいサイズの乾留残渣4aは、チャー分離工程IIに導かれ、風力分級機付遠心ローラミル式粉砕機7aにより粉砕されることで、チャー6は微分とされた後、銅線等の金属類8との粒径の相違により風力選別される。次いで、上記チャー分離工程IIでチャー6と分離された金属類8は鉄回収工程IIIに導かれ、鉄回収機9により、鉄10が非鉄金属類11より選別されて回収されるようになり、これにより、下流側の高磁力選別工程Vで用いる高磁力選別機27の高磁力ドラム31に鉄10が吸着する虞が解消された後、非鉄金属類11は高磁力選別工程Vに導かれるようになる。
【0021】
高磁力選別工程Vで非鉄金属類11中の各種金属の選別を行う場合は、高磁力選別機27の高磁力ドラム31を100rpm程度の低速で回転させた状態としておき、振動フィーダー32より高磁力ドラム31のトップTに非鉄金属類11を供給させるようにする。非鉄金属類11が高磁力ドラム31上に供給されると、銅28とアルミ29とステンレス30は、それぞれ磁性が異なることから高磁力ドラム31との吸着力に差異が生じさせられ、この吸着力の差異に基づいて生じる高磁力ドラム31上での挙動の違いにより選別される。
【0022】
詳述すると、銅28は、反磁性体であることから高磁力ドラム31の磁場に対してこれを打ち消す方向に磁化され、高磁力ドラム31に全く吸着されないことから、高磁力ドラム31の回転に伴って前方に投げ出され、これにより銅回収部34に落下させられて回収されるようになる。
【0023】
アルミ29は常磁性体であることから、高磁力ドラム31の0.7テスラ程度の磁束密度の強力な磁界の下で、微弱ではあるが高磁力ドラム31に対する吸着力が生じさせられる。したがって、アルミ29は高磁力ドラム31に吸着した状態で該高磁力ドラム31の回転に伴って下方に搬送され、高磁力ドラム31の前端部位置を通過した後に該高磁力ドラム31の方向に引かれながら自重により落下させられるか、若しくは、高磁力ドラム31に吸着したまま該高磁力ドラム31のボトムまで搬送された後、搬送方向が上方に転じたところで自重により落下させられ、これによりアルミ回収部35に回収されるようになる。
【0024】
ステンレス30は上記アルミ29より強い磁化率を有した常磁性体であることから、磁力により高磁力ドラム31に吸着させられることになり、該高磁力ドラム31の回転によりスクレーパ33の設置位置まで搬送された後、該スクレーパ33によって掻き取られて高磁力ドラム31の表面から離されることにより、ステンレス回収部36へ落下させられて回収されるようになる。
【0025】
このように、高磁力選別工程Vにおいて銅28とアルミ29とステンレス30とを、それぞれの磁性の違いに基づいて効率よく選別することができることから、回収した銅28の純度を高めることができる。又、シュレッダーダスト1に銅線が含まれていた場合には、該銅線を覆っているプラスチック類を乾留処理により予め熱分解させて乾留ガス3又はチャー6として分離除去し、銅単体とされた銅線は、鉄回収工程IIIを経て高磁力選別工程Vに導かれることで、上記と同様に鉄10やアルミ29やステンレス30と効率よく分離させて高純度で回収することができ、したがって、銅28の回収物の売却価格を高いものとすることができる。
【0026】
又、上記高磁力選別工程Vで用いる高磁力選別機27は、ベルトを用いることなく、高磁力ドラム31に非鉄金属類11を直接接触させる方式としてあるため、従来、非鉄金属類11の選別に用いていた渦電流選別機12の如くベルトが損傷する虞はない。
【0027】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、破砕機5は銅線等のワイヤー状の物体を絡まないように切断することができれば、図3(イ)(ロ)に示した二軸剪断破砕機5aでなくてもよいこと、チャー分離機7は図4に示した風力分級機付遠心ローラミル式粉砕機7aを用いることが好ましいが、他の形式の風力分級機付粉砕機でもよく、又、チャー6を粉砕することなく金属類8と風力選別することができれば、風力分級機を用いるようにしてもよいこと、鉄回収機9は、ドラム式磁選機以外の形式の磁力選別機を採用してもよいこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0028】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明のシュレッダーダストの乾留残渣処理方法及び装置によれば、シュレッダーダストを乾留処理して乾留ガスと乾留残渣に分離し、乾留残渣を、チャー及び各種金属類に選別して回収するように処理するシュレッダーダストの乾留残渣処理方法において、上記乾留残渣を、破砕工程にて破砕した後、該乾留残渣の破砕物よりチャー分離工程でチャーと金属類とを分離し、次に、該金属類より鉄回収工程にて鉄を回収し、しかる後、高磁力選別工程にて、強磁界下で非鉄金属類中の銅とアルミとステンレスとを磁性の相違による挙動の相違に基づいて選別する方法、及び、シュレッダーダストを乾留処理する乾留炉の下流側に、該乾留炉で乾留ガスより分離されて排出される乾留残渣を破砕するための破砕機と、該破砕機で破砕された乾留残渣よりチャーを分離するためのチャー分離機と、チャーを分離した後の金属類より鉄を回収するための鉄回収機とを順に備え、更に、該鉄回収機で鉄を回収した後の非鉄金属類中の銅とアルミとステンレスとを、強磁界下でそれぞれの磁性の相違による挙動の相違に基づいて選別するための高磁力選別機を備えた構成を有する装置とし、更に、高磁力選別機を、表面に所要の強磁界を有する高磁力ドラムと、該高磁力ドラムのトップに非鉄金属類を供給するためのフィーダと、上記高磁力ドラムの回転方向下流側位置に設置したスクレーパとを備えてなる構成とした装置としてあるので、非鉄金属類中の銅とアルミとステンレスを効率よく選別することができて、銅の回収物の純度を高めることができ、又、シュレッダーダスト中の銅線は、乾留処理によりプラスチック類を熱分解させて銅単体とさせた後、チャー、鉄、アルミ、ステンレスを分離させることができることから、銅線をも回収することができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシュレッダーダストの乾留残渣処理方法及び装置の実施の一形態を示す概要図である。
【図2】本発明に用いる高磁力選別機を示すもので、(イ)は概略側面図、(ロ)は(イ)のA−A方向矢視図である。
【図3】本発明に用いる破砕機の一例の概略を示すもので、(イ)は一部切断正面図、(ロ)は平面図である。
【図4】本発明に用いるチャー分離機の一例の概略を示す一部切断概略側面図である。
【図5】従来のシュレッダーダストの処理装置の一例を示す概要図である。
【図6】従来の廃家電等の廃棄物の処理方法の一例を示す図である。
【符号の説明】
I 破砕工程
II チャー分離工程
III 鉄回収工程
V 高磁力選別工程
1 シュレッダーダスト
2 乾留炉
3 乾留ガス
4,4a 乾留残渣
5 破砕機
6 チャー
7 チャー分離機
8 金属類
9 鉄回収機
10 鉄
11 非鉄金属類
27 高磁力選別機
28 銅
29 アルミ
30 ステンレス
31 高磁力ドラム
32 振動フィーダ(フィーダ)
33 スクレーパ
Claims (3)
- シュレッダーダストを乾留処理して乾留ガスと乾留残渣に分離し、乾留残渣を、チャー及び各種金属類に選別して回収するように処理するシュレッダーダストの乾留残渣処理方法において、上記乾留残渣を、破砕工程にて破砕した後、該乾留残渣の破砕物よりチャー分離工程でチャーと金属類とを分離し、次に、該金属類より鉄回収工程にて鉄を回収し、しかる後、高磁力選別工程にて、強磁界下で非鉄金属類中の銅とアルミとステンレスとを磁性の相違による挙動の相違に基づいて選別することを特徴とするシュレッダーダストの乾留残渣処理方法。
- シュレッダーダストを乾留処理する乾留炉の下流側に、該乾留炉で乾留ガスより分離されて排出される乾留残渣を破砕するための破砕機と、該破砕機で破砕された乾留残渣よりチャーを分離するためのチャー分離機と、チャーを分離した後の金属類より鉄を回収するための鉄回収機とを順に備え、更に、該鉄回収機で鉄を回収した後の非鉄金属類中の銅とアルミとステンレスとを、強磁界下でそれぞれの磁性の相違による挙動の相違に基づいて選別するための高磁力選別機を備えた構成を有することを特徴とするシュレッダーダストの乾留残渣処理装置。
- 高磁力選別機を、表面に所要の強磁界を有する高磁力ドラムと、該高磁力ドラムのトップに非鉄金属類を供給するためのフィーダと、上記高磁力ドラムの回転方向下流側位置に設置したスクレーパとを備えてなる構成とした請求項2記載のシュレッダーダストの乾留残渣処理装置。
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