JP4280090B2 - マゼンタ現像剤及び現像剤の製造方法 - Google Patents

マゼンタ現像剤及び現像剤の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に適用されるマゼンタトナー及びその製造方法に関し、また、特定の顔料、バインダー樹脂、ワックス類を用いた時の、混練工程における混練温度を規定したマスターバッチ法を用いないマゼンタトナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式にはバインダー樹脂と共に着色剤である顔料と帯電制御剤等を溶融混練し、粉砕して得られたトナーが一般に用いられている。
【0003】
特に、マゼンタ色顔料を用いたマゼンタトナーにおいては、理想的なマゼンタ色の顔料がなく、それに近い色調を有する顔料を使用したトナーとしては、例えばキナクリドン系の顔料を含むマゼンタトナーがある。(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかしながら、このキナクリドン系顔料は、分散されにくいため、分散粒子が光を散乱させ、トナーの透明性を低下させるという問題を生じやすかった。
【0005】
また、複数のカラートナーを重ね合わせて形成した多色画像の色再現性が劣り、またオーバーヘッドプロジェクター(OHP)用の透明シートに転写、定着して形成した画像の場合、その投影画像が暗く、彩度が低くなるという欠点を有していた。
【0006】
さらに、このキナクリドン系顔料は非常に高価であるため、トナーのコスト高を招いていた。
【0007】
これらの問題に対して、主にマゼンタトナーに用いる顔料や染料の改良、顔料や染料の併用による改良が提案されてきた。例えばキナクリドン系顔料及びキサンチン系染料の併用、またキナクリドン系顔料及びメチン系顔料を併用等があげられるが、満足な着色性及び色調は得られていなかった。
【0008】
また、カラートナーの製造方法としては、混練粉砕法が知られている。この混練粉砕法は、バインダー樹脂、顔料等のトナー材料を混練し、粉砕し、分級して所定の粒径のカラートナーを製造する方法である。
【0009】
カラートナーにおいて着色剤として使用される顔料は、一般にバインダー樹脂に対する分散性が悪いために、均一に分散させることが困難である。そこで、トナー中の顔料の分散性を向上させる技術として、トナー原料の溶融混練工程を、多量の着色剤とバインダー樹脂を予め溶融混練して分散させてマスターバッチを形成する第1の工程と、このマスターバッチにさらにバインダー樹脂を配合して希釈する第2の工程とに分けて行った後、常法と同様に混練物を粉砕、分級してトナーを得る方法がある。これにより顔料の分散性は多少良好となる反面、工程数が増えるため、カラートナーのコスト高の一因となっていた。
【0010】
【特許文献1】
特開昭49−27228号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、透明性及び色調が良好で、低コストなマゼンタ現像剤を得ることにある。
【0012】
また、本発明の第2の目的は、透明性及び色調が良好なカラー現像剤を安価に製造し得る現像剤の製造方法を得ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1に、ポリエステル樹脂を主成分とするバインダー樹脂、下記構造式(1)で表される色素化合物、及び該下記構造式(2)で表される色素化合物を含有する着色剤、脂肪酸金属塩、前記バインダー樹脂の軟化点よりも低い融点を有する第1のワックス、及び前記バインダー樹脂の軟化点よりも高い融点を有する第2のワックスを含有し、上記構造式(1)で表される色素化合物、及び上記構造式(2)で表される色素化合物、及び脂肪酸金属塩の混合重量比は、4〜6:2.5〜4:1〜2.5であるマゼンタ現像剤を提供する。
【0014】
【化7】
Figure 0004280090
(但し、R1−4は、−OC2n+1、−C2n+1(nは1ないし10の整数)、水素、ハロゲン、及びNOから選択される置換基であり、Rは、−OC2n+1、−C2n+1(nは1ないし10の整数)、及び水素から選択される置換基である)
【0015】
【化7】
Figure 0004280090
(但し、R7は、−OC2n+1、−C2n+1(nは1ないし10の整数)、及び水素から選択される置換基であり、R6は、−OC2n+1、−C2n+1(nは1ないし10の整数)、水素、及びハロゲンから選択される置換基である)
【0016】
本発明は、第2に、上記構造式(1)で表される色素化合物、及び上記構造式(2)で表される色素化合物を含有する着色剤、脂肪酸金属塩ポリエステル樹脂を主成分とするバインダー樹脂、前記バインダー樹脂の軟化点よりも低い融点を有する第1のワックス、及び前記バインダー樹脂の軟化点よりも高い融点を有する第2のワックスを含有し、上記構造式(1)で表される色素化合物、及び上記構造式(2)で表される色素化合物、及び脂肪酸金属塩の混合重量比は、4〜6:2.5〜4:1〜2.5であるトナー原料を、2本の並列して配置されたスクリューにより、投入された原料に加熱しながら剪断を加えるためのニーディング部と、加熱及び剪断された原料を該スクリューにて送り出すための送り部とを有する二軸型連続式押出器に導入し、
そのニーディング部の温度T1(℃)を、該バインダー樹脂のガラス転移点Tg(℃)及び第1のワックスの融点Mp1(℃)に対し、下記式を満足するように設定し、
Tg+10≦T1≦Tg+30、かつMp1−10≦T1≦Mp1+10
該スクリューの回転数S(l/分)と該ニーディング部の温度T1(℃)との比S/T1(l/℃分)を、1.5ないし3.5に設定し、該スクリューの回転数S(l/分)と前記送り部の温度T2との比S/T2(l/℃分)を、1.0ないし3.0に設定し、
該送り部の温度T2(℃)を、前記バインダー樹脂の軟化点Sp(℃)及び第2のワックスの融点Mp2に対し、下記式を満足するように設定し、
Sp−30≦T2≦Sp+30、かつMp2−50≦T2≦Mp1
該ニーディング部の温度T1(℃)を、前記送り部の温度T2(℃)よりも、10ないし70℃低くして、溶融混練を行う工程、及び
得られた混練物を粉砕する工程を含み、
その定着画像が、CIEのL:a*b*表色系におけるa*値が60〜70、b*値が0〜40であることを特徴とするマゼンタ現像剤の製造方法を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、マゼンタ現像剤と、現像剤の製造方法を提供する。
【0019】
本発明に係るマゼンタ現像剤は、ポリエステル樹脂を主成分とするバインダー樹脂、マゼンタトナー用着色剤、及びワックスを含有するトナー粒子を有し、マゼンタトナー用着色剤として、上記構造式(1)で表される色素化合物、及び上記構造式(2)で表される色素化合物を含有する着色剤が併用され、ワックスとしてバインダー樹脂の軟化点よりも低い第1のワックス、及びバインダー樹脂の軟化点よりも高い第2のワックスの2種類が使用される。
【0020】
本発明のマゼンタ現像剤に使用される着色剤は、上記構造式(1)で表される色素化合物、及び上記構造式(2)で表される色素化合物を含有する着色剤である。上記構造式(1)で表される色素化合物は、赤みの強い赤色顔料であり、また上記構造式(2)で表される色素化合物は、青みの強い赤色顔料であり、単独で使用してもマゼンタ現像剤に要求される色調を呈さない。しかしながら、本発明によれば、上記構造式(1)で表される色素化合物、及び上記構造式(2)で表される色素化合物を含有する着色剤を併用することにより、良好なマゼンタ色の色調例えばCIEのL:a*b*表色系におけるa*値が60〜70、b*値が0〜40である色調を有する現像剤が得られる。また、本発明によれば、上記構造式(1)で表される色素化合物、及び上記構造式(2)で表される色素化合物を含有する着色剤は、安価な赤色顔料であるため、現像剤のコストを低くすることができる。さらに、本発明によれば、ポリエステル樹脂を主成分とするバインダー樹脂を使用し、ワックスとしてバインダー樹脂の軟化点よりも低い第1のワックス、及びバインダー樹脂の軟化点よりも高い第2のワックスの2種類を併用することにより、低温定着性、発色性及び透明性が良好なマゼンタ現像剤が得られる。さらにまた、このようなマゼンタ現像剤を使用すると、色調再現性の良好なフルカラー画像が得られる。
【0021】
また、本発明の現像剤の製造方法は、トナー原料を溶融混練する工程、得られた混練物を粉砕、及び分級してトナー粒子を得る工程、必要に応じてトナー粒子に添加剤を混合し、トナーを得る工程を具備し、
トナー原料として、着色剤、バインダー樹脂、及び前記バインダー樹脂の軟化点Sp(℃)よりも低い融点Mp1(℃)を有する第1のワックス、及び前記バインダー樹脂の軟化点Sp(℃)よりも高い融点Mp2(℃)を有する第2のワックスを含む組成物が適用され、その溶融混練工程にて、2本の並列して配置されたスクリューにより、投入された原料に加熱しながら剪断を加えるためのニーディング部と、加熱及び剪断された原料を該スクリューにて送り出すための送り部とを有する二軸型連続式押出器を使用し、
この押出器のニーディング部の温度T1(℃)を、該バインダー樹脂のガラス転移点Tg(℃)及び第1のワックスの融点Mp1(℃)に対し、下記式を満足するように設定し、
Tg+10≦T1≦Tg+30、かつMp1−10≦T1≦Mp1+10
かつスクリューの回転数S(l/分)と該ニーディング部の温度T1(℃)との比S/T1(l/℃分)を、1.5ないし3.5に設定する。
【0022】
本発明の現像剤の製造方法によれば、二軸型連続式押出器のニーディング部における温度T1(℃)と、この温度T1(℃)に応じたスクリューの回転数S(l/分)を制御することにより、着色剤の分散を良好にせしめ、発色性及び透明性が良好な現像剤が得られる。また、本発明によれば、二軸型連続式押出器の設定を制御するだけで、バインダー樹脂中の着色剤の良好な分散が可能となるので、マスターバッチを作成する必要がなくなり、工程数を増やすことがなく、現像剤の製造コストを低くすることができる。
【0023】
上記式において、T1が左式の範囲からはずれると、混練物の樹脂に係る熱量が不十分となり、混練時の樹脂の粘度が高すぎて混練時に樹脂にかかる剪断力が高くなり、樹脂の分子鎖が断裂して熱的な物性が変化する傾向があり、さらに、ワックスが溶融しないために、樹脂中に分散されるワックスの分散径が大きくなり、着色剤の発色や透明性を損ない、特に、連続して画出しした場合に画像濃度の低下をもたらす傾向がある。また、右式の範囲からはずれると、混練物の樹脂にかかる熱量が多すぎ、樹脂が溶融状態になるため、混練時にかかる剪断力が不十分となり、着色剤の分散不良が生じ、しいては発色不良、透明性不良を引き起こす傾向があり、さらに、ワックスが水状になり、混練物からブリードしてしまうため、ワックスが分散不良となり、低温オフセットが発生し、発色性が低下する傾向がある。
【0024】
また、比S/T1(l/℃分)が、1.5未満であると、混練物は、ニーディング部の滞留時間が長くなって、熱がかかりすぎ、着色剤が分解して発色不良となる傾向があり、3.5を超えると、混練物はニーディング部の滞留時間が短いために、混練りが不十分となり、着色剤等のトナー材料の分散不良が生じ、発色不良及び透明性不良の原因となる傾向がある。
【0025】
本発明に用いられる二軸型連続式押出器の構成の一例を図1に示す。
【0026】
図示するように、この二軸型連続式押出器は、その一端にトナー原料を投入するためのホッパー10、他端に混練物を排出するための排出口5を有する加熱シリンダ9と、加熱シリンダ内に、図示しないもう1本のスクリューと並列して配設されたスクリュー8とを有する。この装置では、ホッパー10側からスクリュー全体の長さの約1/4の位置までの領域30がニーディング部に相当し、スクリュー全体の長さの残り3/4の領域34が送り部に相当する。
【0027】
スクリューの回転数S(l/分)と前記送り部の温度T2との比S/T2(l/℃分)は、好ましくは1.0ないし3.0に設定することができる。比S/T2(l/℃分)が1.0未満であると、混練物は、送り部の滞留時間が長くなり、熱がかかりすぎて、着色剤が分解したり、樹脂が焼き付いて、変色する傾向がある。3.0を超えると、混練物が加熱シリンダ上部に設けられたベント部からオーバーフローし、製造性が低下する傾向がある。
【0028】
また、送り部の温度T2(℃)を、バインダー樹脂の軟化点Sp(℃)及び第2のワックスの融点Mp2に対し、下記式を満足するように設定することができる。
【0029】
Sp−30≦T2≦Sp+30、かつMp2−50≦T2≦Mp1
上記式において、T2が左式の範囲からはずれると、混練時に樹脂にかかる熱量が不十分なため、樹脂の粘性が高くなり、混練時に樹脂にかかる剪断力が高くなって、樹脂の分子鎖が切断され、熱的な物性が変化する傾向があり、さらに、ワックスが溶融しないために、樹脂中に分散されるワックスの分散径が大きくなり、着色剤の発色性や透明性を損なう傾向があり、右式の範囲からはずれると、混練物の樹脂にかかる熱量が多すぎ、樹脂が溶融状態になるため、混練時に樹脂にかかる剪断力が不十分で、着色剤等のトナー材料の分散不良が生じ、発色性、透明性が不良となり、特に、連続して画出しを行った場合に画像濃度の低下をもたらす傾向がある。
【0030】
ニーディング部の温度T1(℃)は、送り部の温度T2(℃)よりも、10ないし70℃低いことが好ましい。10℃未満であると、ニーディング部での混練りが不完全なまま、送り部に混練り物が送られるため、着色剤等のトナー材料の分散不良となる傾向があり、また70℃を超えると、ニーディング部での滞留時間が長すぎて、樹脂の分子鎖の断裂や、着色剤の分解により発色不良及び透明性不良となる傾向がある。
【0031】
また、本発明のマゼンタ現像剤の主構成と同様に組成すなわちバインダー樹脂、上記構造式(1)で表される色素化合物、及び上記構造式(2)で表される色素化合物を含有する着色剤、バインダー樹脂の軟化点よりも低い第1のワックス、及びバインダー樹脂の軟化点よりも高い第2のワックスを含むトナー原料を上記本発明の製造方法に適用することができる。
【0032】
これにより、上記構造式(1)で表される色素化合物、及び上記構造式(2)で表される色素化合物を含有する着色剤のバインダー樹脂に対する分散性をより良好にせしめ、マスターバッチを用いずに、低温定着性、色調、発色性及び透明性が良好で、低コストなマゼンタ現像剤が低コストで得られる。
【0033】
図2に、本発明の製造方法に適用して得られたマゼンタ現像剤を、スライドガラスに載せ、ホットプレート上で加熱して、溶融した時に均一に延伸して光学顕微鏡で観察した光学顕微鏡写真を示す。
【0034】
また、比較として、マスターバッチ法で得られたマゼンタ現像剤を同様にして観察した場合の写真を図3に示す。
【0035】
さらに、本発明の方法もマスターバッチ法も使用しない従来の粉砕法にて製造された現像剤を同様に観察した場合の写真を図4に示す。
【0036】
図2及び図3に示するように、本発明の現像剤とマスターバッチ法で得られた現像剤は、同等の分散性を有することがわかる。
【0037】
しかしながら、従来の現像剤は、図4に示すように、黒く写った顔料の固まりがあり、分散性が悪いことがわかる。
【0038】
本発明に用いられる着色剤の含有量は、結着樹脂に対して1ないし25重量%が好ましく、より好ましくは2ないし20重量%である。また、バインダー樹脂中における着色剤平均分散径は1μm以下が好ましい。このような現像剤は、着色剤濃度が低い場合でも、高い着色度を有し、かつOHPシート上に形成された画像の光透過性に優れ、透明性も良好となる。さらに、この現像剤を用いることにより色調再現性に優れた画像を形成することができる。
【0039】
本発明の現像剤には、さらに金属含有炭化水素化合物を添加することができる。
【0040】
金属含有炭化水素化合物としては、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ロジン酸カルシウム、ロジン酸亜鉛、ロジン酸アルミニウムの如き脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの)があげられる。
【0041】
この金属含有炭化水素化合物を使用することにより、バインダー樹脂中の着色剤の分散性がより良好になる。
【0042】
上記構造式(1)で表される色素化合物、及び上記構造式(2)で表される色素化合物を含有する着色剤、金属含有炭化水素化合物の混合重量比は、4〜6:2.5〜4:1〜2.5が好ましい。上記構造式(1)で表される色素化合物の比率が多すぎる場合、赤みの強いマゼンタ色になってしまい、フルカラー画像形成に用いると色再現性が低下する傾向がある。また、上記構造式(2)で表される色素化合物の比率が多すぎる場合、青みの強いマゼンタ色になってしまい、同様にフルカラー画像形成に用いると色再現性が低下する傾向がある。金属含有炭化水素化合物の比率が多すぎる場合、分散性は向上するが、色味に精彩がなくなり、透明性が損なわれる傾向がある。
【0043】
上記着色剤と金属含有炭化水素化合物は、あらかじめ混合してから、樹脂等と混合しても、樹脂等と混合する際に、同時に混合しても差し支えない。 好ましくは、着色剤と金属含有炭化水素化合物をあらかじめ混合しておくと、樹脂との分散性能をより向上させることができる。
【0044】
本発明に用いるポリエステル樹脂としては、公知の多価アルコール成分と、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の多価カルボン酸成分を含有した単量体を用いて得られる。多価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水添ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物等が挙げられ、これらの1種以上を含有するものが好ましい。
【0045】
また、多価カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜8)エステル等が挙げられ、これらの1種以上を含有するものが好ましい。
【0046】
原料モノマーとして好ましい芳香族化合物としては、例えばトリメリット酸及びその誘導体、イソフタル酸、テレフタル酸及びそれらの誘導体、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン等が挙げられる。
【0047】
上記により製造されるポリエステル樹脂は、軟化点が100℃から140℃であることが好ましい。軟化点が100℃よりも低いと定着性は良いが保存性が悪化する傾向があり、軟化点が140℃よりも高いと定着に要するエネルギーが高くなり、定着強度が低下するといった傾向がある。また、軟化点を調整するために軟化点の低いポリエステル樹脂と軟化点の高いポリエステル樹脂を適宜混合することができる。
【0048】
本発明に用いられるポリエステル樹脂は、ガラス転移点が55℃ないし70℃であることが好ましい。ガラス転移点が55℃よりも低いと定着性は良いが保存性が悪化する傾向があり、ガラス転移点が70℃よりも高いと樹脂の硬度が高くなり粉砕に要するエネルギーが高くなり、製造性が低下するといった傾向がある。また、ガラス転移点を調整するために、ガラス転移点の低いポリエステル樹脂とガラス転移点の高いポリエステル樹脂を適宜混合することができる。
【0049】
また、本発明に使用されるポリエステル樹脂は、酸価が6(mgKOH/g)から12(mgKOH/g)になるものが好ましく使われる。酸価が6(mgKOH/g)よりも低いと帯電安定性は良いが樹脂の硬度が高くなり粉砕に要するエネルギーが高くなり、製造性が低下する傾向があり、酸価が12(mgKOH/g)よりも高いと製造性は良いが帯電安定性が悪化する傾向がある。また、酸価を調整するために、例えば酸価の低いポリエステル樹脂と酸価の高いポリエステル樹脂を適宜混合することができる。
【0050】
上記により製造されるポリエステル樹脂は、2000〜5000の数平均分子量になるものが好ましく使われる。数平均分子量が2000よりも低いと定着性は良いが保存性が悪化する不具合があり、数平均分子量が5000よりも高いと定着に要するエネルギーが高くなり、定着強度が低下するといった不具合が発生する。また、数平均分子量においては、数平均分子量を調整するために数平均分子量の低いポリエステル樹脂と数平均分子量の高いポリエステル樹脂を適宜混合してもよい。
【0051】
上記により製造されるポリエステル樹脂は、5000〜90000の重量平均分子量になるものが好ましく使われる。数平均分子量が5000よりも低いと定着性は良いが保存性が悪化する不具合があり、重量平均分子量が90000よりも高いと定着に要するエネルギーが高くなり、定着強度が低下するといった不具合が発生する。また、重量平均分子量においては、重量平均分子量を調整するために重量平均分子量の低いポリエステル樹脂と重量平均分子量の高いポリエステル樹脂を適宜混合してもよい。
【0052】
本発明には、バインダー樹脂の軟化点よりも5℃以上高い融点を有する第1のワックスと、バインダー樹脂の軟化点よりも10℃以上低い融点を有する第2のワックスの少なくとも2種類のワックスを用いる。このようなワックスとして、例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、及びフィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス、及び酸価ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、またはそれらのブロック共重合体、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、ライスワックス等の植物系ワックス、みつろう、ラノリン、及び鯨ろう等の動物系ワックス、オゾケライト、セレシン、ペトロラクタム等の鉱物系ワックス、モンタン酸エステルワックス、カスターワックス等の脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、脱酸カルナバワックスの脂肪酸エステルを一部または全部を脱酸化したものがあげられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類等の飽和直鎖脂肪酸、ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸等の不飽和脂肪酸、ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール等の飽和アルコール、ソルビトール等の多価アルコール、リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド等の脂肪酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド類、m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド等の芳香族系ビスアミド、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの)、脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸等のビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス、ベヘニン酸モノグリセリド等の脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物、植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
【0053】
また、第1のワックスとしては、例えばポリエステル樹脂の軟化点よりも10℃以上低い融点を有するキャンデリラワックス(71℃)、カルナバワックス(83℃)、ライスワックス(79℃)、ホホバオイル(95℃)、白ロウ(53℃)、蜜ろう(64℃)、などの植物系ワックスや動物系ワックス、パラフィンワックス(80〜107℃)などの脂肪族炭化水素系ワックス、長鎖エステルワックス(90〜95℃)、脂肪酸エステルワックス(60〜82℃)、酸性基を有する(73℃)、ステアリン酸亜鉛(123℃)などの脂肪酸金属塩、モンタンワックス(79〜89℃)、モンタン酸エステルワックス(56〜92℃)、低密度の低分子量ポリエチレン(103〜124℃)などが例示される。
【0054】
第2のワックスとしては、例えばポリエステル樹脂の軟化点よりも5℃以上高い融点を有する高密度の低分子量ポリエチレン(124〜133℃)、低分子量ポリプロピレン(145〜164℃)などが例示される。
【0055】
第1のワックスおよび/または第2のワックスは、バインダー樹脂の重合時に、溶液中の固形分100重量部に対して、ワックスを0.1〜8重量部添加して脱溶剤したものを用いることが好ましい。これにより、ワックスの分散がより良好になり得る。
【0056】
上記ワックスは任意に組み合わせて用いることが出来る。融点の低いワックスが可塑化作用を発揮し、融点の高いワックスが離型作用に対する効果を発揮し得る。このため、融点の低いワックスがトナーの低温定着性に寄与し、融点の高いワックスが耐高温オフセット性に寄与する。
【0057】
本発明の現像剤には、任意に、電荷制御剤を添加することができる。
【0058】
電荷制御剤としては、ニグロシン染料、含クロム錯体、第4級アンモニウム塩等が用いられる。電荷制御剤はトナー粒子の極性により使い分けすることができる。
【0059】
カラー現像剤の場合、トナーの色調に影響を与えない無色又は淡色のものが好ましく、例えば、サリチル酸金属塩又はサリチル酸誘導体の金属塩(ボントロンE84=オリエント社製)が例示され、金属元素がジルコニウム、亜鉛、クロム、ボロンの錯体、錯塩、あるいはその混合物を用いることが好ましい。電荷制御剤の添加量は、バインダー樹脂100重量部に対して好ましくは0.1ないし10重量部、より好ましくは0.2ないし7重量部である。
【0060】
本発明の現像剤において、トナー粒子に、流動性付与剤を添加することができる。
【0061】
本発明において、流動性付与剤としては、シリカ、アルミナ、チタニァ、マグネシア、ジルコニア、フェライト、マグネタイト等の金属酸化物の微粒子及びそれら微粒子をシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、ジルコアルミネート、四級化アンモニウム塩、脂肪酸、脂肪酸金属塩、フッ素系活性剤、溶剤、ポリマー等の処理剤によって表面処理または被覆したもの、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸またはその金属塩の微粒子、及びそれら微粒子を前記処理剤により表面処理したものポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデン等のポリマー微粒子及びそれら微粒子を前記処理剤で表面処理または被覆したものが用いられる。これら流動性付与剤の平均粒径は、0.01〜3μmの範囲のものが使用される。
【0062】
これら流動性付与剤の添加量は、トナー粒子100重量部に対して0.1〜7.0重量部、特に0.2〜5.0重量部の範囲が好ましい。
【0063】
トナー粒子と流動性付与剤との混合方法は、粉体が流動状態で気流又は機械カなどにより高速運動させ、実質的に粉砕を起こさないよう調整され得る。混合機としては、高速流動型の混合機、例えば、ヘンシェルミキサー、UMミキサー等があげられる。
【0064】
本発明のマゼンタ現像剤は、種々の公知の方法、またはそれらを組み合わせた方法により製造することができる。
【0065】
例えば、混練−粉砕法では、トナー材料を乾式混合し、エクストルーダー又は二本ロール、三本ロール等にて加熱溶融混練し、冷却固化後、ジェットミルなどの粉砕機にて粉砕し、気流分級機により分級してトナー粒子が得られる。
【0066】
なお、本発明の製造方法に適用されるトナー原料には、本発明のマゼンタ現像剤に使用されるもの以外の着色剤及びバインダー樹脂が使用可能である。
【0067】
モノカラー用カラー着色材としては下記のものがあげられる。
【0068】
赤:パーマネントレッド、ブリリアントカーミン6B、ローダミンレーキ
青:フタロシアニンブルー、アルカリブルー、ファストスカイブルー
緑:マラカイトグリーン、ピグメントグリーン、クロムグリーン
また、フルカラー画像用イエロー着色材としては、 C.I.pigment Yellow 1 Symuler FastYellow GH(大日本インキ社製)、C.I.pigment Yellow 3 Symuler FastYellow 10GH(大日本インキ社製)、C.I.pigment Yellow 12 Symuler FastYellow GF(大日本インキ社製)、C.I.pigment Yellow 13 Symuler FastYellow GRF(大日本インキ社製)、C.I.pigment Yellow 14 Symuler FastYellow 5GR(大日本インキ社製)、C.I.pigment Yellow 17 Symuler FastYellow 8GR(大日本インキ社製)、更にC.I.pigment Yellow 12としてイエロー152(有本化学)、ピグメントイエローGRT(山陽色素社製)、スミカプリントイエローST−O(住友化学社製)、ベンジジンイエロー1316(野間化厚)、セイカファストイエロー2300(大日精化社製)、及びリオノールイエローGRT(東洋インキ)、C.I.pigment Yellow 180、Toner Yellow HG(クラリアント社製)等があげられる。
【0069】
フルカラー画像用マゼンタ着色材としては、C.I.pigment Red 81 Symulex Rhodamin Y Toner F(大日本インキ社製)、C.I.pigment Red 122、C.I.pigment Red 57 Symuler BrillCarmine 6B(大日本インキ社製)、C.I.pigment Red 22 Symuler FastBrill Scarlet BG(大日本インキ社製)、C.I.pigment Red 21 Sanyo Fast RedGR(山陽色素社製)、C.I.pigment Red 18 Sanyo Toluid neNaroom Medium(山陽色素社製)、C.I.pigment Red 114 Symuler FastCarmine BS(大日本インキ社製)、C.I.pigment Red 112 Symuler FastRed FGR(大日本インキ社製)、C.I.pigment Red 5 Symuler FastCarmine FB(大日本インキ社製)があげられる。
【0070】
フルカラー画像用シアン着色材としては、C.I.pigment Blue 15 Fastogen BlueGS(大日本インキ社製)、Chromofine SR(大日精化社製)、C.I.pigment Blu l6 SumitoneCyanine Blue LG(住友化学社製)、C.I.pigment Green 7 phthalocyaninneGreen(東京インキ社製)、C.I.pigment Green 36 Cyanine Green2 YL(東洋インキ社製)、C.I.pigment Blue 15:3 Cyanine BlueGGK(日本ピグメント社製)があげられる。
【0071】
また、ブラック色着色材としては、カーボンブラック、スピリットブラック、アニリンブラック(C.I.pigment Black 1)等があげられる
また、このようなバインダー樹脂として、例えばスチレンアクリル、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂等を単独または混合して使用できる。
【0072】
【実施例】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
【0073】
なお実施例および比較例に記載の各成分の量(部)は重量部を表す。
【0074】
実施例1ないし15
以下のトナー1ないし6に記載の組成を有するトナー原料を用意した。
【0075】
トナー1組成
ポリエステル樹脂
(Sp:100℃、Tg;55℃、酸価;6、Mn;2500、Mw;26000)
100部
ワックス1(Mp1;83℃)Sp−17℃ 2部
ワックス2(Mp2;135℃)Sp+35℃ 5部
着色剤及び金属含有炭化水素化合物
(下記構造式(3)で表されるC.I.Pigment Red 31と下記構造式(4)で表されるC.I.Pigment Red 150とロジン酸カルシウムを重量比5:3:2で混合したもの)
【化9】
Figure 0004280090
C.I.Pigment Red 31
(C3123
【化10】
Figure 0004280090
C.I.Pigment Red 150
(C2520
8部
CCA(ジルコニウム金属含有有機化合物) 1部
トナー2組成
ポリエステル樹脂
(Sp:120℃、Tg;62℃、酸価;10、Mn;3000、Mw;40000)
100部
ワックス1(Mp1;79℃)Sp−41℃ 2部
ワックス2(Mp2;145℃)Sp+25℃ 5部
顔料(C.I.Pigment Red 31とC.I.Pigment Red 150とステアリン酸カルシウムを重量比5:3.5:1.5で混合したもの) 8部
トナー1と同様のCCA 1部
トナー3組成
ポリエステル樹脂
(Sp:140℃、Tg;70℃、酸価;12、Mn;5000、Mw;88500)
100部
ワックス1(Mp1;103℃)Sp−37℃ 2部
ワックス2(Mp2;145℃)Sp+5℃ 5部
顔料(C.I.Pigment Red 31とC.I.Pigment Red 150とステアリン酸亜鉛を重量比5:3:2で混合したもの) 8部
トナー1と同様のCCA 1部
トナー4組成
ポリエステル樹脂
(Sp:100℃、Tg;55℃、酸価;6、Mn;2500、Mw;26000)
100部
ワックス1(Mp1;83℃)Sp−17℃ 2部
ワックス2(Mp2;135℃)Sp+35℃ 5部
顔料(C.I.Pigment Red 31) 8部
トナー1と同様のCCA 1部
トナー5組成
ポリエステル樹脂
(Sp:100℃、Tg;55℃、酸価;6、Mn;2500、Mw;26000)
100部
ワックス1(Mp1;83℃)Sp−17℃ 2部
ワックス2(Mp2;135℃)Sp+35℃ 5部
顔料(C.I.Pigment Red 150) 8部
トナー1と同様のCCA 1部
上記トナー原料をヘンシェルミキサーを用いて混合した後、図1と同様の構成を有する二軸型連続式押出器により、下記表1に示す条件で、溶融混練し、混練物を得た。
【0076】
表中、ニーディング部の温度T1(℃)、送り部の温度T2(℃)、スクリュー回転数S(l/分)とした。
【0077】
得られた混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、次いでジェット粉砕機で微粉砕、分級を行い、体積平均径9μmのトナー粒子を得た。
【0078】
このトナー粒子100部に疎水性シリカ2.5部と疎水性酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにより添加、混合してトナーを製造した。
【0079】
トナー8部に対し、キャリアとの総量100部となるように混合して二成分現像剤を作製した。
【0080】
上記現像剤を用いて、フルカラー電子写真複写機(ファンタジア22i、東芝テック社製)により1万枚の連続複写を行い、色調、着色度、透明性、及び顔料分散性の評価を行った。その結果を表2に示す。
【0081】
色調は、Japan Colorの画像濃度と同じ画像濃度で出力した画像について、彩度の差を目視により、Japan Colorと比較し、同等の場合を二重丸、やや差がある場合を○、明らかに差がある場合を△として評価した。
【0082】
着色度は、、X-Rite分光濃度計により測定し、初期画像の画像濃度と、10000枚通紙後の画像の画像濃度と比較して、優れる場合を二重丸、良好な場合を○、やや良好な場合を△、不良な場合を×として評価した。
【0083】
透明性は、市販のOHPシートに約1g/cm2の付着量で現像した定着画像を、ヘイズの測定器としてスガ試験器(株)製HDM−2DPを使用してヘイズを測定し、ヘイズ測定値が20未満のときを二重丸、20〜30のときを○、30〜40のときを△、40以上のときを×として評価した。
【0084】
顔料分散性は、スライドガラスに載せたトナーをホットプレート上に加熱したものを均一に延伸し、透過光による光学顕微鏡観察において、目視により観察し、100倍の倍率で顔料粒子が見られない場合を二重丸、3ないし5個みられた場合を△、5個を超える場合を×として評価した。
【0085】
【表1】
Figure 0004280090
【0086】
なお、表1中、
T1はニーディング部の温度、
T2は送り部の温度、
Sはスクリュー回転数、
vs.Tg はバインダー樹脂のTgとT1の差、
vs.W2は融点の低いワックスのMp1融点とT1の差、
vs.Tsはバインダー樹脂のSpとT2の差、及び
vs.W1は融点の高いワックスの融点Mp2とT2の差を各々示す。
【0087】
【表2】
Figure 0004280090
【0088】
表2から明らかなように、実施例1ないし12の現像剤は、色調、着色度、透明性、顔料分散性共に優れた現像剤が得られ、良好な画像を形成し得ることがわかった。また、実施例13ないし15に記載のように、二軸型連続式押出器の条件設定を本発明に好ましくも散られる設定の範囲外にすると、全てにおいて、やや劣る結果が得られた。
【0089】
実施例16、比較例1及び2
また、トナー1、トナー4、トナー5を用いて画出しした画像について、X−Rite測定装置によりL:a*b*測定を行った。その結果を表3に示す。
【0090】
【表3】
Figure 0004280090
【0091】
表3から明らかなように、C.I.Pigment Red 31及びC.I.Pigment Red 150の両方を使用すると良好な色調が得られるが、どちらか一方が欠けていると、色調が悪化することがわかった。
【0092】
【発明の効果】
本発明によれば、透明性及び色調が良好で、低コストなマゼンタ現像剤が得られる。また、本発明によれば、透明性及び色調が良好なカラー現像剤をマスターバッチを作成することなく、安価に製造し得る
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に使用可能な溶融混練器の一例を表す概略図
【図2】 本発明の現像剤の分散状態を表す光学顕微鏡写真
【図3】 従来の現像剤の一例の分散状態を表す光学顕微鏡写真
【図4】 従来の現像剤の他の一例の分散状態を表す光学顕微鏡写真
【符号の説明】
5…排出口、8…スクリュー、9…加熱シリンダ、…、ホッパー、30…ニーディング部、34…送り部

Claims (9)

  1. ポリエステル樹脂を主成分とするバインダー樹脂、下記構造式(1)で表される色素化合物、及び該下記構造式(2)で表される色素化合物を含有する着色剤、脂肪酸金属塩、前記バインダー樹脂の軟化点よりも低い融点を有する第1のワックス、及び前記バインダー樹脂の軟化点よりも高い融点を有する第2のワックスを含有し、上記構造式(1)で表される色素化合物、及び上記構造式(2)で表される色素化合物、及び脂肪酸金属塩の混合重量比は、4〜6:2.5〜4:1〜2.5であるマゼンタ現像剤。
    Figure 0004280090
    (但し、R1−4は、−OC2n+1、−C2n+1(nは1ないし10の整数)、水素、ハロゲン、及びNOから選択される置換基であり、R5は、−OC2n+1、−C2n+1(nは1ないし10の整数)、及び水素から選択される置換基である)
    Figure 0004280090
    (但し、R7は、−OC2n+1、−C2n+1(nは1ないし10の整数)、及び水素から選択される置換基であり、R6は、−OC2n+1、−C2n+1(nは1ないし10の整数)、水素、及びハロゲンから選択される置換基である)
  2. 前記バインダー樹脂は、100ないし140℃の軟化点を有する請求項1に記載のマゼンタ現像剤。
  3. 前記バインダー樹脂は、55ないし70℃のガラス転移点を有する請求項1または2に記載のマゼンタ現像剤。
  4. 前記ポリエステル樹脂は、6ないし12の酸価を有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載のマゼンタ現像剤。
  5. 前記ポリエステル樹脂は、2000ないし5000の数平均分子量、及び5000ないし90000の重量平均分子量を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のマゼンタ現像剤。
  6. 前記第1のワックスの融点と前記バインダー樹脂の軟化点との差は10℃以上、前記第2のワックスの融点と前記バインダー樹脂の軟化点との差は5℃以上であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のマゼンタ現像剤。
  7. 前記着色剤は、下記構造式(3)で表される色素化合物、及び下記構造式(4)で表される色素化合物を含有することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のマゼンタ現像剤。
    Figure 0004280090
    C.I.Pigment Red 31
    (C3123
    Figure 0004280090
    C.I.Pigment Red 150
    (C2520
  8. 下記構造式(1)で表される色素化合物、及び該下記構造式(2)で表される色素化合物を含有する着色剤、脂肪酸金属塩、ポリエステル樹脂を主成分とするバインダー樹脂、及び前記バインダー樹脂の軟化点Sp(℃)よりも低い融点Mp1(℃)を有する第1のワックス、及び前記バインダー樹脂の軟化点Sp(℃)よりも高い融点Mp2(℃)を有する第2のワックスを含み、上記構造式(1)で表される色素化合物、及び上記構造式(2)で表される色素化合物、及び脂肪酸金属塩の混合重量比は、4〜6:2.5〜4:1〜2.5であるトナー原料を、2本の並列して配置されたスクリューにより、投入された原料に加熱しながら剪断を加えるためのニーディング部と、加熱及び剪断された原料を該スクリューにて送り出すための送り部とを有する二軸型連続式押出器に導入し、
    そのニーディング部の温度T1(℃)を、該バインダー樹脂のガラス転移点Tg(℃)及び第1のワックスの融点Mp1(℃)に対し、下記式を満足するように設定し、
    Tg+10≦T1≦Tg+30、かつMp1−10≦T1≦Mp1+10
    該スクリューの回転数S(l/分)と該ニーディング部の温度T1(℃)との比S/T1(l/℃分)を、1.5ないし3.5に設定し、該スクリューの回転数S(l/分)と前記送り部の温度T2との比S/T2(l/℃分)を、1.0ないし3.0に設定し、該送り部の温度T2(℃)を、前記バインダー樹脂の軟化点Sp(℃)及び第2のワックスの融点Mp2に対し、下記式を満足するように設定し、
    Sp−30≦T2≦Sp+30、かつMp2−50≦T2≦Mp1
    該ニーディング部の温度T1(℃)を、前記送り部の温度T2(℃)よりも、10ないし70℃低くして、溶融混練を行う工程、及び得られた混練物を粉砕する工程を含み、その定着画像が、CIEのL:a*b*表色系におけるa*値が60〜70、b*値が0〜40であることを特徴とするマゼンタ現像剤の製造方法。
    Figure 0004280090
    (但し、R1−4は、−OC2n+1、−C2n+1(nは1ないし10の整数)、水素、ハロゲン、及びNOから選択される置換基であり、R5は、−OC2n+1、−C2n+1(nは1ないし10の整数)、及び水素から選択される置換基である)
    Figure 0004280090
    (但し、R7は、−OC2n+1、−C2n+1(nは1ないし10の整数)、及び水素から選択される置換基であり、R6は、−OC2n+1、−C2n+1(nは1ないし10の整数)、水素、及びハロゲンから選択される置換基である)
  9. 前記着色剤は、下記構造式(3)で表される色素化合物、及び下記構造式(4)で表される色素化合物を含有することを特徴とする請求項8に記載の方法。
    Figure 0004280090
    C.I.Pigment Red 31
    (C3123
    Figure 0004280090
    C.I.Pigment Red 150
    (C2520
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