JP4279992B2 - イオントフォレーシス用デバイス - Google Patents
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Description
本発明は、経皮または経粘膜に適用するイオントフォレーシス用デバイスに係り、より詳細には通電開始時の刺激感を緩和するとともに所定の時間内で薬物投与に必要な電流を効率良く適用するためのイオントフォレーシス用デバイスに関する。
背景技術
イオントフォレーシス(Iontophoresis)は外的刺激に電気を用いた経皮吸収促進システムで、その原理は主に通電により陽極および陰極間に生じた電界中を正にチャージした分子が陽極から出て陰極へ、負にチャージした分子が陰極から出て陽極へ移動する力に基づいて薬物分子の皮膚バリヤー透過を促進するものである。〔ジャーナル・オブ・コントロールド・リリース(Journal of Controlled Release)18巻、1992年、213−220頁;アドバンスト・ドラッグ・デリバリー・レビュー(Advanced Drug Delivery Review)9巻、1992年、119頁;ファルマシュウティカル・リサーチ(Pharmaceutical Research)3巻、1986年、318−326頁参照〕
前記のようにイオントフォレーシスは、陽極および陰極が一対となり、その間に電流を生じさせて薬物を移動させるものであり、近年では、個人差によるインピーダンスの相違にかかわらず電流を所定値に維持するように構成された定電流装置が用いられる。この定電流装置は、薬物の送達速度と電流量が相関することから、薬物送達速度をインピーダンスによらず一定に保つことができる。また、皮膚の刺激においては、おおむね0.2mA/cm2以下の電流密度は一般に低刺激性と考えられており、皮膚に適用される製剤の面積と最大電流密度から求められる電流量以下(製剤面積×最大電流密度≧設定電流量)に設定することで、安全性も維持される。
しかしながら、皮膚のインピーダンスは、水和時間、通電時間、供給される電流の大きさ、部位差などによって100kΩから1kΩ近くまでの範囲で変化する。100kΩのインピーダンスは、1mAの電流量を適用した場合、皮膚に100Vが印加されることになり、使用者に非常に強い刺激感を生じさせる。この通電による刺激感は、通電初期に特に顕著に現れ、一般に適用される電圧および電流の範囲内であっても、耐え難い刺激感を生じることがある。
このように前記電流密度以下であっても、通電開始時に電流を急激に与えると強い刺激感を生ずることが知られており、皮膚刺激軽減のために種々の提案がなされている。例えば特開平5−49702号公報には、通電開始時に電流を徐々に変化させる電流調節手段を具備したイオントフォレーシス装置が開示されている。また特開平5−245214号公報には、通電開始時に一定電圧供給手段から通電を行い電流が所定値に到達した時に一定電流供給手段からの通電に切り換えるイオン導入システムが開示されている。
これら先行技術は通電開始時の不快な刺激の緩和と薬物投与のための一定電流の供給を行うためのものであるが、前述のように通電開始時に電流調節手段を用いる装置では、通電開始時の皮膚インピーダンスが非常に高い場合には、低い電流値を設定しても耐え難い高電圧が印加されるおそれがある。また、一定電圧供給手段から一定電流供給手段への切換えを行うシステムでは、一定の電圧を供給するときに十分に高い電圧を適用したのでは前記と同様の刺激が懸念され、低い電圧を適用したのでは所定の電流値に到達するまでに時間がかかる欠点があり、不快な感覚の排除と高効率な薬物投与の両立に対して十分な配慮がなされているとは言いがたい。
また、通電開始時に高電圧が印加されないように十分余裕を持たせて電流調節を行ったり、あるいは通電開始時に供給する一定電圧を十分低くしたりすると、所定の電流に到達するまでの期間が著しく延長されることになり、その延長された期間は、薬物の投与が行われているにも関わらず、有効な薬物血中濃度が得られないという問題が生ずるおそれもある。
発明の開示
従って本発明の目的は、通電開始時の刺激感を緩和するとともに所定の時間内で薬物の投与に必要な電流量を効率良く適用するためのイオントフォレーシス用デバイスを提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討を行ってきたが、その結果、通電開始時の出力電圧及び出力電流にそれぞれ制限値を設け、これらの制限値を低い値から所定値まで徐々に上昇させることにより、患者に対して違和感なく治療部位に所望量の薬物を短時間で投与可能であることを見出し、本発明に至ったものである。
本発明に係るイオントフォレーシス用デバイスは、通電開始時に出力電圧及び出力電流を徐々に上昇させる通電手段と、通電開始時の出力電圧及び出力電流の制限値をそれぞれ低い値から所定値まで徐々に上昇させ、検出された出力電流値が制限値に到達したときは前記通電手段の出力電圧の上昇を制限し、検出された出力電圧値が制限値に到達したときは前記通電手段の出力電流の上昇を制限する出力制御手段とを備えて構成される。
ここで通電開始時の出力電圧及び出力電流の制限値は、それぞれステップごとに設定することができる。また、各ステップの時間間隔及び制限値の上昇率の少なくとも一方を時間の経過とともに変化させることで、適用部位に一層適した初期通電を行うことが可能となる。さらに適用時間に制限がない場合は、通電手段が電源投入から出力開始までの間に待機時間(水和時間)を含むようにしてもよい。
また通電手段は、薬物投与期間(通電時間)の精度を高めるため、水晶振動子、水晶発振器またはセラミック発振子の源信号で駆動されるタイマーにより制御される。通電時間を決定するタイマーに誤差が大きいと、薬物の安定投与が困難となるからである。さらに本デバイスには、通電手段により出力される総電流量を略規定値にそろえる総電流量制御手段が設けられる。出力制御手段はA/Dコンバーター内蔵のマイクロコンピュータを用いて構成することができる。
このように本発明では、通電開始時の出力電圧の制限値を低い電圧値から徐々に上げていき、同時に通電開始時の出力電流の制限値を低い電流値から徐々に上げていく。そして、出力電圧と出力電流のいずれか一方でも現在の制限値に到達したときはその出力の上昇を制限し、所定値に到達するまで前記制限値の上昇を続ける。これにより通電開始時、刺激感が少なく、より短時間で所定の電流値に到達させることができる。本発明は一般的に皮膚に適用されるものであるが粘膜に投与させることも可能である。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明に係るイオントフォレーシス用デバイスについて図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本デバイスの出力電圧及び出力電流の制限値と測定値の関係について述べる。図2は、出力電流の制限値で出力が制御されている時の出力電圧の制限値101と出力電圧の測定値102の一例を示し、図3は、出力電流の制限値で出力が制限されている時の出力電流の制限値103と出力電流の測定値104の一例を示す。また、図4は、出力電圧の制限値で出力が制御されている時の出力電圧の制限値105と出力電圧の測定値106の一例を示し、図5は、出力電圧の制限値で出力が制限されている時の出力電流の制限値107と出力電流の測定値108の一例を示す。各図において、横軸は時間(分)、縦軸は出力電圧(V)または出力電流(mA)である。
本発明に係る出力電圧と出力電流の制限値は、図2〜図5に示すように、予め設定された出力パターンに基づいて通電開始時の低い制限値から徐々に上昇されていき、所定値に到達すると、その値が一定に維持される。
ここで、皮膚のインピーダンスが所定レベル(一般に多くの場合にあてはまる範囲)以下の場合、出力制御手段は、電流制御となる。つまり、図3に示すように出力電流は、出力電流の制限値と一致し、図2に示すように出力電圧は、出力電圧の制限値以下の値を示す。これに対して、皮膚のインピーダンスが所定レベルを越える場合、出力制御手段は、電圧制御となる。つまり、図4に示すように出力電圧は、出力電圧の制限値と一致し、図5に示すように出力電流は、出力電流の制限値以下の値を示す。
その他、制限値が徐々に上昇している過程で、出力電圧の上昇と比べて出力電流の上昇が鈍い時には、電流制御から電圧制御へ切り変わることもあれば、その逆に通電初期にインピーダンスが高くても、水和により急激にインピーダンスが低下した場合、電圧制御から電流制御に切り変わることもある。
このように、本発明の出力制御手段は、電流制御において、皮膚のインピーダンスが所定レベルを越える場合、許容できない出力電圧が皮膚に印加されることを出力電圧の制御により回避する。また、電圧制御において、皮膚のインピーダンスが所定レベル未満の場合、出力電流が急激に流れることを電流の制限値を徐々に上げることで回避し、皮膚のインピーダンスが所定レベルを越える場合、なかなか出力電流が所定値に到達しないことを、刺激のない出力電圧から徐々に高い出力電圧に上げることで皮膚の水和を促すものである。このような出力制御を行うことで、通電開始時において、刺激感が少なく、より短時間で所定の電流値に到達させることができる。
本発明において、出力制御手段は、より短時間で刺激感なく出力電圧または出力電流を所定の出力レベルに到達させるために、例えばステップごとに決められる制限値および制限値の最終値としての所定値を備える。制限値の設定方法としては、例えば次のようなものが挙げられる。
(1)出力電圧および出力電流の所定値をそれぞれ等分割し、一定期間ごとに等分割した値を出力電圧および出力電流の制限値に加算することで、出力を低い制限値から所定値へ徐々に上昇させる。
(2)出力電圧および出力電流の所定値をそれぞれ等分割し、一定期間ごとに等分割した値を出力電流の制限値に加算すると共に、出力電圧の制限値に等分割した値を加算する間隔を初期に比較的短い時間間隔で行い、徐々に長い時間間隔とすることで、出力を低い制限値から所定値へ徐々に上昇させる。
(3)出力電圧および出力電流の所定値をそれぞれ等分割し、一定期間ごとに等分割した値を出力電圧の制限値に加算すると共に、出力電流の制限値に等分割した値を加算する間隔を初期に比較的長い時間間隔で行い、徐々に短い時間間隔とすることで、出力を低い制限値から所定値へ徐々に上昇させる。
(4)出力電圧および出力電流の所定値をそれぞれ等分割し、出力電圧の制限値に等分割した値を加算する間隔を初期に比較的短い時間間隔で行い、徐々に長い時間間隔とし、出力電流の制限値に等分割した値を加算する間隔を初期に比較的長い時間間隔で行い、徐々に短い時間間隔とすることで、出力を低い制限値から所定値へ徐々に上昇させる。
(5)一定期間ごとに出力電流の制限値に加算する値を初期に比較的小さい値で行い、徐々に大きい値とし、出力電圧の制限値に加算する値を初期に比較的大きい値で行い、徐々に小さい値とすることで、出力を低い制限値から所定値へ徐々に上昇させる。
本発明のイオントフォレーシス用デバイスは、イオントフォレーシスを用いた薬物投与に際して、薬物投与量の許容精度が厳しい薬物に対して特に有用である。例えば、インシュリンなどのように有効血中濃度と副作用発現濃度の幅が狭い薬物に対して本デバイスは安全に使用できる。また、その他の有効血中濃度と副作用発現濃度の幅が比較的広い薬物においても、電気的な誤差要因を極力抑制することは薬物の高い安全性および有効性を得るために重要である。
さらに、その他の薬物を例示すると、抗生物質としては、例えば硫酸ゲンタマイシン、硫酸シソマイシン、塩酸テトラサイクリン、アンピシリン、セファロチンナトリウム、塩酸セフォチアム、セファゾリンナトリウムなどが用いられる。
抗真菌剤としては、塩酸アモロルフィン、塩酸クロコナゾールなどが用いられる。抗高脂血症剤としては、例えばアトルバスタチン、セリバスタチン、プラバスタチンナトリウム、シンバスタチンなどが用いられる。
循環器用剤としては、例えば、塩酸デラプリルなどが用いられる。抗血小板薬としては、例えば、塩酸チクロピジン、シロスタゾール、アスピリンなどが用いられる。
抗腫瘍剤としては、例えば塩酸ブレオマイシン、アクチノマイシンD、マイトマイシンC、フルオロウラシルなどが用いられる。
解熱,鎮痛,消炎剤としては、例えば、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、フェルビナク、インドメタシンナトリウム、ジクロフェナクナトリウム、ロキソプロフェンナトリウム、塩酸ブプレノルフィン、臭化水素酸エプタゾシン、ペンタゾシン、酒石酸ブトルファノール、塩酸トラマドール、塩酸モルヒネ、硫酸モルヒネ、クエン酸フェンタニル、フェンタニルなどが用いられる。
鎮咳去たん剤としては、例えば塩酸エフェドリン、リン酸コデインなどが用いられる。鎮静剤としては、例えば塩酸クロルプロマジン、硫酸アトロピンなどが用いられる。
筋弛緩剤としては、例えば塩酸ランペリゾン、塩酸エペリゾン、塩化ツボクラリン、塩酸ランペゾリン、塩酸エペリゾンなどが用いられる。抗てんかん剤としては、例えばクロナゼパム、ゾニサミド、フェニトインナトリウム、エトスクシミドなどが用いられる。
抗潰瘍剤としては、例えばメトクロプラミドなどが用いられる。抗うつ剤としては、例えば塩酸トラゾドン、塩酸イミプラミンなどが用いられる。
抗アレルギー剤としては、例えば塩酸セチリジン、塩酸オロパタジン、フマル酸ケトチフェン、塩酸アゼラスチンなどが用いられる。不整脈治療剤としては、例えば塩酸ジルチアゼム、塩酸プロプラノロールなどが用いられる。
血管拡張剤としては、例えば塩酸トラゾリンなどが用いられる。降圧利尿剤としては、例えばメトラゾンなどが用いられる。
糖尿病治療剤としては、例えば塩酸ピオグリタゾン、塩酸メキシレチン、グリベンクラミド、塩酸メトホルミンなどが用いられる。
抗凝血剤としては、例えばクエン酸ナトリウムなどが用いられる。止血剤としては、例えばメナテトレノン、トラネキサム酸などが用いられる。
抗結核剤としては、例えばイソニアジド、塩酸エタンブトールなどが用いられる。ホルモン剤としては、例えばエストラジオール、テストステロン、酢酸プレドニゾロン、リン酸デキサメタゾンナトリウムなどが用いられる。
麻薬拮抗剤としては、例えば酒石酸レバロルファン、塩酸ナロキソンなどが用いられる。
(実施例)
図1は、本発明に係るイオントフォレーシス用デバイスの一実施例を示す図である。本デバイスは、より短時間で刺激感の少ない出力を供給する出力制御手段、および精度の高いタイマー手段を有する。
図1において、バッテリー1はコイン型の一次/二次電池などの電池である。電源監視用IC2は、バッテリー1の電圧を監視するためのものであり、電池電圧が規定値以下になるとマイクロコンピュータ12に電圧の低下を警告する。スイッチ5は本デバイスの起動または停止に使用されるスイッチであり、抵抗4との接続点がマイクロコンピュータ12に接続される。三端子レギュレータ3は、マイクロコンピュータ12への供給電圧を平滑化するためのものであり、電圧降下が低く、電源監視用IC2の検出電圧に対して0.3V〜1.0V以上低い設定電圧のものが推奨される。
ブザー6は電源の投入、通電終了などを音で外部に知らせるためのものである。抵抗7と直列に接続されるLED(発光ダイオード)8は動作状態を外部に知らせるための表示器であり、タイマー動作時で通電が行われていない時は遅い点滅、タイマー動作と共に通電も行われている時は早い点滅、回路動作が停止している時は消灯、となる。コンデンサ10、11と接続されるセラミック発振子9はマイクロコンピュータ12のシステムクロック(源信号)を発生するためのものであり、その発振周波数は、消費電流および動作速度などにより適宜選択される。
コイル13、トランジスタ15、ダイオード16、コンデンサ17および抵抗14は、電池電圧から昇圧電圧を得るための昇圧回路部の構成部品である。マイクロコンピュータ12から抵抗14を介して与えられる信号により、トランジスタ15をスイッチングさせることでコイル13に生じた逆起電力をダイオード16で整流してコンデンサ17に蓄積する。コンデンサ17に蓄積された電荷は、トランジスタ22が導通することにより出力端子へ出力される。トランジスタ22の導通は、抵抗19、20に接続されたトランジスタ21を導通することで行われる。このトランジスタ21の導通は、マイクロコンピュータ12から抵抗18を介して与えられる信号により行われる。これらの回路が本発明における通電手段を構成し、マイクロコンピュータ12に組み込まれたプログラムに従って通電開始時に出力電圧及び出力電流を徐々に上昇させる。
一方、抵抗23,24は、出力電圧を分圧し、分圧された電圧をマイクロコンピュータ12内のA/Dコンバータ(アナログ信号をデジタル値に変換する回路)に送出する出力電圧検出回路を構成する。また、抵抗25,26およびコンデンサ27は、抵抗25で、出力電流を電圧に変換し、変換された電圧を抵抗26とコンデンサ27で平滑化して、マイクロコンピュータ12内のA/Dコンバータに送出する出力電流検出回路を構成する。ここでマイクロコンピュータ12は本発明における出力制御手段の機能を有し、通電開始時の出力電圧及び出力電流の制限値をそれぞれ低い値から所定値まで徐々に上昇させ、出力電流検出回路で検出された出力電流値が制限値に到達したときは前記通電手段の出力電圧の上昇を制限し、出力電圧検出回路で検出された出力電圧値が制限値に到達したときは前記通電手段の出力電流の上昇を制限する。
次に本発明の基本的な動作を説明する。まず、スイッチ5が押下されるとマイクロコンピュータ12が起動し、電源監視用IC2からの信号をチェックして、電源電圧が規定値以上であることを判断すると、ブザー6およびLED8により回路の起動を外部に知らせる。ここで、タイマー動作がスタートし、プログラムに対応した出力が行われる。
通電開始時は、トランジスタ15の発振周波数およびデューティを調整することによりコイル13に発生する起電力を制御し、出力電圧を徐々に立ち上げる。出力電圧の立ち上げ方法としては、例えばトランジスタ15の発振周波数を固定し、初期のデューティを5%とし、一定の期間ごとに5%ずつデューティを上げると、50%までで10段階(ステップ)の出力電圧が得られる。
またこの時、出力電流検出回路からの信号をマイクロコンピュータ12でA/D変換することで出力電流の検出を行い、出力電流が制限値に到達している時には出力電圧を制限し、到達していない時には出力電圧の上昇を続ける。また、マイクロコンピュータ12にプログラムされた出力電流パターンに従い、出力電流制限値を徐々に上昇させ、前記出力電圧の上昇と前記出力電流の上昇とを並列動作させることで、所定期間後は、出力電流または出力電圧により制限された出力に維持される。
本実施例における出力電流の検出精度は、8ビットのA/Dコンバータと、±1%の抵抗を用いることで、通常、誤差を±5%以下にすることが可能であり、最大でも±10%以下になる。また、A/Dコンバータの精度を高めるために基準電圧を別途設けてもよく、また、出力電流検出回路に増幅器を更に設けてもよい。
本実施例における所定期間後の出力状態は、設定された出力電流を得るに十分な出力電圧を設定することで図2および図3に示すような定電流制御となるが、皮膚のインピーダンスがあまりにも高い時は、図4および図5に示すように所定の電流値が得られないことになる。このような時は、現在の電流値を常に検出し、その電流値に応じて通電時間を延長する総電流量制御手段をさらに加えても良い。
本実施例におけるタイマーの精度は、その源信号がセラミック発振子で構成されているため薬物投与に影響を与えるような誤差を生じることはない。その他の好適に使用される素子としては、水晶振動子、水晶発振器などが挙げられる。これらの素子は、CR発振(コンデンサと抵抗を用いた発振)では得られない高い精度(100ppm以下)を有する特徴がある。本発明のように精度の高い電流制御を行うデバイスにおいて、その精度を決定する要因の1つであるタイマーを構成する部品として、これらの素子は非常に有用である。
以上、本発明の一実施例を図面を参照しながら説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく、本発明の概念を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
産業上の利用可能性
本発明によれば、通電開始時の刺激感を緩和するとともに所定の時間内で薬物の投与に必要な電流量を効率良く適用するためのイオントフォレーシス用デバイスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係るイオントフォレーシス用デバイスの一実施例を示す図である。
図2は、出力電流の制限値で出力が制御されている時の出力電圧の制限値と測定値の一例を示す図である。
図3は、出力電流の制限値で出力が制限されている時の出力電流の制限値と測定値の一例を示す図である。
図4は、出力電圧の制限値で出力が制限されている時の出力電圧の制限値と測定値の一例を示す図である。
図5は、出力電圧の制限値で出力が制限されている時の出力電流の制限値と測定値の一例を示す図である。
Claims (7)
- 通電開始時に出力電圧及び出力電流を徐々に上昇させる通電手段と、通電開始時の出力電圧及び出力電流の制限値をそれぞれ低い値から所定値まで徐々に上昇させ、検出された出力電流値が制限値に到達したときは前記通電手段の出力電圧の上昇を制限し、検出された出力電圧値が制限値に到達したときは前記通電手段の出力電流の上昇を制限する出力制御手段とを備えたことを特徴とするイオントフォレーシス用デバイス。
- 前記通電開始時の出力電圧及び出力電流の制限値がそれぞれステップごとに設定されることを特徴とする請求の範囲第1項記載のイオントフォレーシス用デバイス。
- 前記各ステップの時間間隔及び制限値の上昇率の少なくとも一方を時間の経過とともに変化するようにしたことを特徴とする請求の範囲第2項記載のイオントフォレーシス用デバイス。
- 前記通電手段が電源投入から出力開始までの間に待機時間を含むことを特徴とする請求の範囲第1項記載のイオントフォレーシス用デバイス。
- 前記通電手段による通電時間が水晶振動子、水晶発振器またはセラミック発振子の源信号で駆動されるタイマーにより制御されることを特徴とする請求の範囲第1項記載のイオントフォレーシス用デバイス。
- 前記通電手段により出力される総電流量を略規定値にそろえる総電流量制御手段を含むことを特徴とする請求の範囲第1項記載のイオントフォレーシス用デバイス。
- 前記出力制御手段がA/Dコンバーター内蔵のマイクロコンピュータを用いて構成されることを特徴とする請求の範囲第1項記載のイオントフォレーシス用デバイス。
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