JPS6316343Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば1200〜15000Hzの周波数を媒
体として化粧用イオン化成分を皮膚内に吸収作用
させる美容エレクトロパフに関するものである。

薬物をイオン化して人体の組織内に導入する治
療法をイオントホレーゼと呼ぶが、このイオント
ホレーゼが最初に行われたのは古く、約200年前
から始められたといわれている。

その後、様々な実験を経て昭和30年代には日本
においても研究が盛んになり種々な薬物によるイ
オントホレーゼが行われた。

しかし当時は医療用電子工学の分野がまだ未発
達であつたために、そのイオントホレーゼ用の機
器についても電池を用いた直流や電燈線交流を整
流した直流通電法によるイオントホレーゼしか採
用されていなかつた。

このような直流通電法によるイオントホレーゼ
には、生体に電圧をかけると、分極作用が起り生
体への電流が流れにくくなり、また有効な電流値
となるように電圧をかけると激痛及び皮膚炎を起
しやすい等の問題点があつた。その後の医療技術
及びその機器の発展等により、低周波通電による
イオントホレーゼが開発されている。この低周波
通電によるイオントホレーゼは、以前の直流通電
によるイオントホレーゼと比較して欠点も少な
く、治療効果も大なるものであつた。

この低周波通電法によるイオントホレーゼとは
低い周波数（厚生省においては３〜1200Hzの範
囲）のパルス波を人体に流し、その電流によつて
イオントホレーゼを行うもので、その利点として
は、パルス波のため体内への電流が流れやすい。
また通電時の疼痛が少ない等の長所があつたが、
その反面に筋肉通電時の刺激が強く不快感がある
ために、低周波によるイオントホレーゼによる有
効性は認められながらも普及に欠けるものがあつ
た。このようなことから、本考案者等は、人体に
おける刺激性のないパルス波（1200〜15000Hz）
を利用し、しかも比較的短時間にイオン化薬物を
皮膚に作用させて美容に役立たせることができる
美容電子パフを先に開発して出願も済ませている
が、本考案はこの美容電子パフの改良であつて、
人体皮膚の所望面にイオン化薬物を効率よく作用
させることができる美容エレクトロパフを提供す
ることを目的とするものである。

以下に本考案を図面に示す実施例に基いて詳細
に説明する。

１は信号発生回路であつて、これは水晶発振器
２、分周回路３、波形整形回路４で構成されてい
る。５及び６は、その信号発生回路１の出力端に
接続されている通電検出回路及びゲート回路であ
つて、上記の通電検出回路５には電極板７が接続
されている。また上記のゲート回路６の出力端に
は、実通電連続タイマ８、実通電積算タイマ９、
電源制御回路１０が順次直列に接続されている。
１１は、実通電連続タイマ８に設けられている警
報器、１２は電源回路である。

以上の各構成回路は、例えば直径５cm程度に形
成された枠状のパフ本体１３内に組込まれてお
り、このパフ本体１３の側面に前記の電極板７が
露出保持されているものである。

以上が本実施例よりなる美容エレクトロパフの
構成であるが、次にその作用について述べると、
水晶発振器２より発振されたパルスは、分周回路
３、波形整形回路４を介してデユーテイ比50％の
3000Hzパルスが出力され、この出力が通電検出回
路５を経て電極板７に付与される。この通電検出
回路５は無負荷時においてゲート制御出力信号の
レベルが、ゲート回路６のスレシホールド以下に
設定されており、電極板７に人体負荷が接続され
ると、それに含まれる容量分によつて出力波形は
歪み、直流分が重畳される。その結果、ゲート制
御出力信号のレベルは上昇し、スレシホールドレ
ベルを越えてゲート回路６を動作し、実通電連続
タイマ８及び実通電積算タイマ９にパルスが入力
される。即ち電極板７に人体負荷が接続されてい
るとき、そのパルス電通量がタイマ８，９によつ
てカウントされ、その実通電連続タイマ８では、
人体の各部所における連続通電時間が設定時間に
達すると警報を発するものである。従つて連続通
電時間を例えば10秒に設定すれば、顔面の各部所
における連続通電時間が10秒経過すれば警報を発
するので、警報を発する毎にパフを次の作用位置
に移動すれば顔面の全べてに亘つて均一通電量で
美容作用がなされる。そしてこの全体的通電時間
が例えば予め設定した６分を経過すれば実通電積
算タイマ９が動作し電源が遮断され、人体へのパ
ルス給電による美容作用が終了されるものであ
る。

即ちかかる構造の美容エレクトロパフの使用に
際してはその電極板７の表面に、化粧液を含浸せ
しめた綿布を張設し、しかる後上記回路の電源を
入れてその綿布を皮膚に接触させれば化粧液を通
じて1200〜15000Hzのパルスが人体へ通電され、
イオン化化粧液が皮膚内へ作用される。そしてこ
のイオン化化粧液の皮膚内作用が設定時間（例え
ば10秒）続けられると警報を発するので時間を気
にしなくても10秒経過が分る。そこで次の作用位
置へパフを順次移動し、皮膚面各所の化粧液作用
を定時間で順次行ない、その累計時間が所定時に
なれば電源がオフとなつて、一連の化粧作用が終
了されるものである。

従つて本考案によれば、イオン化化粧液の皮膚
内作用が各所において定時間均等になされ、しか
も各所における通電の累計時間を一定にすること
ができることから特に顔面等の美容時において、
美容に最適な一定の設定時間でイオン化化粧液の
導入がなされ、これにより効果的な化粧がなされ
る特長がある。また本考案によれば、皮膚への通
電時間が自動的に規制表示されることから、通電
時間を気にする必要がなく、また時間の無駄が解
消でき、取扱いにきわめて便利で効果な美容エレ
クトロパフが提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面はいずれも本考案よりなる美容エレクトロ
パフの実施例を示し、第１図はその回路図、第２
図はそのパフの外観を示した斜視図である。 １……発信発生回路、２……発振器、３……分
周回路、４……波形整形回路、５……通電検出回
路、６……ゲート回路、７……電極板、８……実
通電連続タイマ、９……実通電積算タイマ、１０
……電源制御回路、１１……警報器、１２……電
源回路、１３……パフ本体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定の周波数及びデユーテイ比のパルスを発生
   する信号発生回路と、この発生信号を人体負荷に
   接続した時その通電流によつてゲート回路を制御
   出来得る信号を発生する通電検出回路と、上記通
   電流の連続通電時間を規制する実通電連続タイマ
   ーと通電される時間の総和を設定し、その設定の
   時間に達した時、電源を自動的に停止させる実通
   電積算タイマーを有していることを特徴とする美
   容エレクトロパフ。