JP2002320680A - イオン導入用の電気刺激装置 - Google Patents

イオン導入用の電気刺激装置

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JP2002320680A
JP2002320680A JP2001127604A JP2001127604A JP2002320680A JP 2002320680 A JP2002320680 A JP 2002320680A JP 2001127604 A JP2001127604 A JP 2001127604A JP 2001127604 A JP2001127604 A JP 2001127604A JP 2002320680 A JP2002320680 A JP 2002320680A
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ionized
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polarity
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Shohei Kamiya
章平 神谷
Yasuhiko Sugihara
泰彦 杉原
Ryuji Akimoto
龍二 秋本
Tsutomu Hosoki
力 細木
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HOOMAA ION KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスイオン化成分とマイナスイオン化成分
が混在したイオン化溶液中の各イオン化成分を、効率良
く生体内に導入する。 【解決手段】 イオン化溶液中に含まれる各イオン化成
分を生体へ導入するために、生体に接触する一対の電極
に対して、プラス極性の群発パルス信号とマイナス極性
の群発パルス信号とを交互に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体治療や美容等
の目的で生体にイオン化成分を導入するイオン導入法で
使用される通電方法に関し、詳しくは、プラス(+)イ
オン化する成分とマイナス(−)イオン化する成分が混
在した薬液や美容液等のイオン化溶液中の各イオン化成
分を、効率良く生体内に導入するための通電方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、生体治療器や美容器等の電気
刺激装置においては、薬液や美容液等中に含まれる有効
成分を皮膚から生体内に導入するために、一対の電極を
生体に接触させて各電極への通電を行いながら、イオン
化された薬液や美容液等の有効成分(イオン化成分)を
生体内に導入する方法(イオン導入法)が用いられてき
た。
【0003】具体的には、例えば一方の電極をイオン化
成分を導入させたい生体の所定部位(被導入部)に接触
させる導入電極として、他方の電極を生体の被導入部以
外の部位に接触させる対極電極としてそれぞれ使用し、
例えば頬や手足などの被導入部にイオン化溶液を塗布し
た導入電極を接触させ、対極電極を他の部位に接触させ
た状態で両電極への通電を行うことによって、導入電極
から生体内へイオン化成分の導入を図るものであった。
【0004】ここで、イオン化成分を導入するために各
電極へ供給する電流としては、従来より直流電流が多く
用いられてきたが、図9に示す生体の等価回路から分か
るように、生体は容量(コンデンサ)を備えた負荷回路
としての性質を有しているため、生体に直流電流を通電
した場合には生体に対する通電効率が悪く、電流量を補
うために通電時の電圧値が高くなること等により、種々
の不都合が生じるという問題があった。
【0005】すなわち、直流電流により無理に生体に電
流を流そうとすると、電圧値を数十ボルトといったレベ
ルに上げる必要があり、この結果、通電時に痛みを感じ
たり、電極への接触部位に皮膚炎が生じやすくなり、最
悪の場合には火傷や粘膜の破壊等の虞もあった。
【0006】このような状況から、イオン化溶液中の有
効成分(イオン化成分)を生体に導入するための通電法
としては、生体内への電流が流れやすいパルス信号を用
いて行うことが提案され、電気刺激装置の製品として
も、パルス信号を出力するパルス発生回路と、生体に接
触しパルス発生回路からのパルス信号を生体に通電する
ための導入電極と対極電極とを有し、導入電極側のイオ
ン化溶液にパルス信号を印加することにより、イオン化
溶液中の有効成分を生体中に浸透させるようにした製品
が提供されている。
【0007】このような電気刺激装置では、パルス発生
回路からプラス又はマイナスのいずれか単極性のパルス
信号が出力される構成とされ、イオン化溶液について
は、プラス又はマイナスのいずれかにイオン化される有
効成分を含むものが使用されていた。
【0008】すなわち、従来の電気刺激装置では、使用
するイオン化溶液がプラスにイオン化される有効成分
(以下、プラスイオン化成分という。)を含む場合に
は、導入電極にプラス極性のパルス電圧を印加し、逆
に、使用するイオン化溶液がマイナスにイオン化される
有効成分(以下、マイナスイオン化成分という。)を含
む場合には導入電極にマイナス極性のパルス電圧を印加
することにより、それぞれ極性が同じことから生じる反
発効果を利用して、各イオン化成分を生体内に移動、導
入させていた。
【0009】このため、従来の電気刺激装置では、いず
れの極性のイオン化溶液を使用する場合にも対応できる
ようにするために、パルス発生回路から発生されるパル
ス信号のプラスマイナスの極性を切り替えるための極性
切替スイッチ等を設けて、使用するイオン化溶液のイオ
ン化極性が変わる度に、当該スイッチをユーザが切替操
作することにより、導入電極に印加されるパルス電圧の
極性を切り替える必要があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際に
は、使用されるイオン化溶液の中には、プラスイオン化
成分とマイナスイオン化成分との両方を含むものがある
ことや、1回の生体治療にプラスイオン化成分の薬物と
マイナスイオン化成分の薬物を併用投与する場合がある
ことから、単極性のパルス信号が出力される従来の通電
法及び電気刺激装置では、イオン化溶液中のプラスイオ
ン化成分又はマイナスイオン化成分のどちらか一方のみ
が生体内に導入され、一度に両方を導入させることがで
きない、という問題点があった。
【0011】したがって、このようなケースで従来の電
気刺激装置を使用する場合には、例えば1回の使用目的
に対して手順を2段階に分け、プラスイオン化成分又は
マイナスイオン化成分を別々の手順により浸透させる必
要が生じることになり、時間や手間が大幅に増え、イオ
ン化溶液の使用量が増える、等の無駄が発生し、さらに
は極性切替スイッチの設定を間違える虞もあることや、
導入電極を、一対の電極のどちらか一方に限定して使用
しなければならないことから、非常に不便な状況であっ
た。
【0012】一般に、生体に導入される各イオン化成分
の量は生体に通電する電流量に比例することから、単な
る正弦波や交流矩形波を生体に通電させたのでは、生体
に対する各イオン化成分の移動時間が短くなること、す
なわち、一方のイオン化成分についての十分な移動時間
が得られないうちに通電の極性が反転してしまうことか
ら、各イオン化成分の生体に対する有効な導入量が得ら
れないという問題があった。
【0013】これに対して、各イオン化成分の移動時間
を長くするために、正弦波や交流矩形波における周波数
を低くすることも考えられるが、この場合には、図9に
示した生体の等価回路の特性により、生体に通電する電
流量が著しく小さくなってしまい、やはり有効な導入量
が得られないという問題があった。また、正弦波や交流
矩形波の電圧値を上げて生体に通電すると、上述した直
流電流の場合と同様の不具合が発生し、通電時に痛みを
感じたり皮膚炎等が生じやすくなる等の問題が起きるこ
とになる。
【0014】これらのことから、生体に対して各イオン
化成分を導入するための好適な通電法については、試行
錯誤での研究が行われていた。
【0015】このような状況下において、本発明者は、
種々の検証実験を行った結果、イオン化溶液中のプラス
イオン化成分とマイナスイオン化成分の両方を一度に生
体内に浸透させることが可能なイオン導入法を案出する
に至った。
【0016】本発明の目的は、プラスイオン化成分とマ
イナスイオン化成分が混在したイオン化溶液中の各イオ
ン化成分を、効率良く生体内に導入することが可能な通
電方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係る通電方法
は、イオン化溶液中に含まれる各イオン化成分を生体へ
導入するために、生体に接触する一対の電極に対して、
プラス極性の群発パルス信号とマイナス極性の群発パル
ス信号とを交互に供給することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面を参
照しながら詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明の通電方法を説明するため
の図であり、図1(a)に本発明の通電方法を実現する
ためのパルス生成回路の一例を示すブロック回路図を、
図1(b)にパルス生成回路の主要部における出力のタ
イミングチャートを、それぞれ示している。
【0020】図1(a)に示すように、実施の形態のパ
ルス生成回路は、パルス信号を出力するパルス出力回路
2と、パルス出力回路2より出力されたパルス信号の極
性を切り替えるための極性切替回路3と、パルス出力回
路2及び極性切替回路3を制御するCPU1と、CPU
1にクロック信号を供給するクロック発振器4と、これ
ら各回路に電源を供給する電源回路5とを有している。
【0021】このパルス生成回路では、クロック発振器
4で励起されるクロック信号に基づいてCPU1が駆動
され、クロック信号に基づく所定周波数のパルスがCP
U1からパルス出力回路2に出力される。
【0022】パルス出力回路2は、CPU1からのパル
スを所定の出力レベル(出力電圧値)に調整して極性切
替回路3に出力する。パルス出力回路2から出力される
パルス信号は、図1(b)の〔A〕に示すように、単極
性(この実施の形態ではプラス)の矩形パルス波となっ
ている。
【0023】極性切替回路3は、不図示のブリッジ回路
を有して構成され、CPU1からの制御信号に基づい
て、パルス出力回路2からの単極性のパルス信号を、ブ
リッジ回路によってプラス極性の複数のパルス信号(以
下、群発パルス信号と言う。)とマイナス極性の群発パ
ルス信号とに切り替えて交互に出力する。極性切替回路
3から出力される各群発パルス信号は、生体に接触する
一対の電極に出力される。
【0024】ここで、各電極の使用態様としては、一方
の電極を、イオン化溶液が含浸可能でかつ生体の被導入
部に接触するための導入電極として使用し、他方の電極
を生体の被導入部以外の部位に接触する対極電極として
使用する。
【0025】また、各電極の他の使用態様としては、双
方の電極を、イオン化溶液が含浸可能でかつ生体の被導
入部に接触するための導入電極として使用することも可
能である。
【0026】極性切替回路3に供給される制御信号とし
ては、プラス極性のパルス信号を出力するタイミングを
指示するB信号(図1(b)の〔B〕)と、マイナス極
性のパルス信号を出力するタイミングを指示するC信号
(図1(b)の〔C〕)が、それぞれCPU1から出力
される。
【0027】そして、極性切替回路3は、図1(b)の
〔B〕及び〔D〕に示すように、CPU1から供給され
るB信号がオンの間は、パルス出力回路2の出力したパ
ルス信号の極性を維持して出力し続けることにより、プ
ラス極性の群発パルス信号を出力する。また、極性切替
回路3は、図1(b)の〔C〕及び〔D〕に示すよう
に、CPU1から供給されるC信号がオンの間は、パル
ス出力回路2の出力したパルス信号の極性を反転して出
力し続けることにより、マイナス極性の群発パルス信号
を出力する。
【0028】詳細には、CPU1は、B信号及びC信号
として、図1(b)の〔B〕及び〔C〕に示すように、
矩形波によるオンオフ信号を出力しており、いずれかの
信号がオン(立ち上がり状態)のときには他方の信号が
オフ(立ち下がり状態)になるように出力する。
【0029】また、図1(b)の〔A〕と比較して分か
るように、CPU1は、B信号及びC信号のオンの期間
(矩形波の立ち上がり時から立ち下がり時までの期間)
が、パルス出力回路2から出力されるパルス信号の周期
よりも長くなるように、B信号及びC信号を出力するよ
うになっており、これにより極性切替回路3からはプラ
ス及びマイナス極性のパルス信号がそれぞれ群発パルス
信号として生成される。
【0030】次に、上述した群発パルス信号の両極性交
互通電を生体に対して行った場合の電流特性について説
明する。
【0031】(第1の検証実験)本発明者は、上述した
群発パルス信号の両極性交互通電を生体に対して行った
場合と、直流信号の両極性交互通電を生体に対して行っ
た場合とで、それぞれの生体に流れる電流特性(電流波
形)を測定し、その差異について検証した。以下、この
測定実験の方法及び測定結果等について、図2及び図3
を参照して説明する。
【0032】ここで、図2には群発パルス信号の両極性
交互通電時の出力波形を、図3には直流信号の両極性交
互通電時の出力波形を示しており、各図の(a)には無
負荷時の電圧波形(出力原波形)を、各図の(b)には生
体を負荷として通電したときの電流波形の測定結果を示
している。
【0033】この測定では、いずれの場合も無負荷時に
おける出力電圧を±4Vとし、1.5Sec毎に極性を
反転するように設定した。また、人間の掌を出力負荷と
して、左右の掌に1つずつ電極を装着して通電し、測定
を行った。出力されるパルス信号については、デューテ
ィ比が50%で、出力周波数が1200Hzになるよう
に設定した。
【0034】なお、群発パルス信号の両極性交互通電に
おける図2(b)に示す生体負荷時の電流波形では、図
2(a)の出力原波形にはない極性の方向にも電流が流
れる結果となったが、これは分極現象の現れであり、生
体のもつ容量成分(図9参照)により引き起こされたも
のである。
【0035】図2(b)と図3(b)とを比較して分か
るように、生体を負荷として通電した場合には、明らか
に群発パルス信号を用いた両極性交互通電の方が、直流
を用いた両極性交互通電よりも、電流波形の大きさ(面
積)が大きい結果となった。
【0036】この電流波形の大きさの違いは、そのまま
生体に流れる電流量の差となるため、同じ出力電圧の場
合であっても、群発パルス信号を用いた両極性交互通電
の方が、イオン化溶液の導入時においてより効率良く各
イオン化成分を生体に導入することが可能となる。
【0037】従って、本実施形態の群発パルス信号を用
いた両極性交互通電によれば、通電時に両電極に印加す
る電圧値を低くすることが可能となり、これにより通電
時において痛み等の刺激の発生を避け、さらには消費電
力の低減を図ることも可能となる。
【0038】また、本実施形態の群発パルス信号を用い
た両極性交互通電によれば、従来のようにどちらか一方
を導入電極にしなければならないという制限がなくな
り、両電極を導入電極として使用することも可能とな
る。
【0039】(第2の検証実験)さらに、本発明者は、
上述した群発パルス信号の両極性交互通電時におけるプ
ラスイオン化成分とマイナスイオン化成分が混在したイ
オン化溶液の生体への導入効果を確認するための検証実
験を行った。以下、この第2の検証実験の方法及び結果
等について、図4乃至図6を参照して説明する。
【0040】この検証実験では、実験動物としてラット
を用い、ラットに導入するイオン化溶液として、DHB
A(プラスイオン化薬物)とビタミンC水溶液(マイナ
スイオン化薬物)との混合溶液(以下、薬液という。)
を使用し、上述した群発パルス信号の両極性交互通電を
行って、ラットの背部皮内へのプラスイオン化薬物及び
マイナスイオン化薬物のそれぞれの経皮浸透量(皮内濃
度)の変動について、図4に示すインビボ微小透析法に
よる分析システムを用いて測定した。
【0041】この測定を行うために、図5に示すよう
に、チューブ21をラットの背部皮内に貫通させ、チュ
ーブ21の所定箇所に設けられた透析膜20が背部皮内
の真皮に埋め込まれた状態にして、チューブ21内に灌
流液を流し込みながら、ラットの背部皮内を通過した灌
流液の成分を5分毎に抽出することで、ラットの真皮の
各イオン化薬物の濃度の変化について測定した。
【0042】すなわち、ラットの真皮における各イオン
化薬物の濃度が変わることで、透析膜20を通過した灌
流液の成分も変化するため、透析膜20を通過した灌流
液の成分の変化についての測定を行った。
【0043】測定手順としては、まず、薬液を塗布せず
通電も行わない無処理時の状態での測定を行い、続い
て、ラットの背部に薬液を塗布して、通電を行わない状
態での測定を行い、さらに、この薬液塗布状態におい
て、上述の群発パルス信号の両極性交互通電を行い、背
部皮内のプラスイオン化薬物及びマイナスイオン化薬物
のそれぞれの濃度の変動について連続して測定を行っ
た。
【0044】また、各測定に先立って、生理食塩水を含
有させた図5に示すパッド26及び対極電極24をラッ
トの腹部に接触させておき、この状態で無処理時の状態
での測定を行った。続いて、上述の薬液を含有させたパ
ッド25及び導入電極23をラットの背部に接触させ、
通電しない状態で薬液塗布時の測定を行い、さらに、こ
の両電極23,24に群発パルス信号の両極性交互通電
を行うことにより、各測定を連続して行った。
【0045】なお、各測定にあたっては、チューブ21
とラットの背部表皮との境目に予め生体ボンド22を充
填することで、パッド25に含有した薬液が当該境目か
ら背部皮内に入らないように配慮した。
【0046】群発パルス信号の両極性交互通電時の出力
パラメータとしては、出力周波数を1200Hz、出力
電圧を±5Vとし、かつ、1.5Sec毎に極性が反転
するように設定した。
【0047】この検証実験における測定結果を図6に示
す。図6では、縦軸に経皮吸収濃度の測定値、横軸に経
過時間(1目盛りが5分)を示している。また、この検
証実験では3匹のラットに対して上述した実験を繰り返
し行い、図6では当該3回の実験における平均値を示し
ている。
【0048】図6から明らかなように、この検証実験に
よれば、無処理の場合及び薬液塗布の場合は、各イオン
化薬物の濃度について、測定値の変化はほとんど見られ
なかった。なお、無処理時においてもマイナスイオン化
薬物が検出されたのは、そのイオン化成分(ビタミンC
成分)がもともとラットの体内で産生されていることに
よる。
【0049】これに対して、群発パルス信号の両極性交
互通電時には、マイナスイオン化薬物の濃度及びプラス
イオン化薬物の濃度のいずれも、通電時間に比例して測
定値が上がるという結果が得られた。この結果から、群
発パルス信号を用いた両極性交互通電を行うことによ
り、薬液(イオン化溶液)中の各イオン化薬物が効果的
に生体内に導入されることが検証された。
【0050】(電気刺激装置の一例)次に、本発明の通
電方法が適用された電気刺激装置(電子美容器)の一例
について、図7及び図8を参照して説明する。図7に示
す電気刺激装置10では、図1で上述したパルス生成回
路が合成樹脂等の絶縁部材からなる筐体部11の内部に
格納され、パルス生成回路における極性切替回路3から
の出力信号が、筐体部11の一方の主面に設けられた導
入電極12と、筐体部11の他方の主面に設けられた対
極電極13とに供給されるようになっている。また、筐
体部11における対極電極13の近傍には、図1の電源
回路5の一部を構成し主電源のオンオフを切り替えるた
めの電源オンスイッチ5aと電源オフスイッチ5bとが
設けられる。
【0051】なお、電気刺激装置10では、電源とし
て、ボタン型電池(この実施の形態では2個のCR20
32による直流6ボルト電源)が使用され、筐体部11
の下端側に開閉可能に設けられた電池収納部11aを開
けることで、電池交換ができるようになっている。
【0052】導入電極12は、例えばシリコンゴム及び
カーボン等からなる不図示の導電性部材に対して、各種
イオン化成分が含まれたイオン化溶液としての化粧液
(以下、イオン化化粧液という。)を含浸させるための
コットン等の吸湿性部材12aが対向配置されている。
【0053】この電気刺激装置10の使用に際しては、
導入電極12の吸湿性部材12aに、使用するイオン化
化粧液を含浸させた後に、図8に示すように、イオン化
化粧液を浸透(導入)させたい顔の頬等の所定部位に吸
湿性部材12aを接触させ、かつ、筐体部11を手で持
って対極電極13が指等に接触した状態において電源オ
ンスイッチ5aを押圧することにより動作が開始する。
動作開始後は、パルス生成回路から導入電極12及び対
極電極13に対して、プラス極性の群発パルス信号とマ
イナス極性の群発パルス信号が例えば1.5sec毎に
交互に供給されることによって、導入電極12の吸湿性
部材12a中のイオン化化粧液のプラスイオン化成分と
マイナスイオン化成分とが交互に効率良く生体内に導入
される。
【0054】このように、実施の形態の電気刺激装置1
0では、生体に接触する導入電極12及び対極電極13
に対して、プラス極性の群発パルス信号とマイナス極性
の群発パルス信号とを交互に供給する構成となっている
ので、プラスイオン化成分とマイナスイオン化成分が混
在したイオン化化粧液中の各イオン化成分を、効率良く
生体内に導入することが可能となり、さらには、使用す
るイオン化化粧液のイオン極性に関わりなく、各イオン
化成分を生体へ導入することが可能となる。
【0055】また、電気刺激装置10では、パルス発生
回路から発生されるパルス信号の極性を切り替えるため
の極性切替スイッチ等を設ける必要がなくなり、使用す
るイオン化化粧液のイオン化極性を意識する必要もなく
なるので、ユーザの操作が極めて容易になり、極性切替
スイッチの誤設定等の虞もなくなる。
【0056】さらに、電気刺激装置10では、各電極1
2,13に印加される電圧が±数ボルト程度の比較的低
い場合であっても、各イオン化成分を効率良く生体内に
導入することが可能であるため、通電中の生体への刺激
が少なくなり、顔等の敏感な箇所にも安心して使用で
き、さらには消費電力が抑えられることから、電源電池
の長寿命化、小型化、ひいては筐体部11の小型化や装
置全体の軽量化等を図ることができる。
【0057】上述した電気刺激装置10は、生体に接触
する一対の電極12,13について、導入電極と対極電
極とから構成されるものであったが、これに限定され
ず、上述のように、一対の電極の双方を導入電極とする
構成のものであっても良い。
【0058】なお、各電極に供給される群発パルス信号
の周波数については、100Hzより低い周波数とする
と通電時における生体への刺激が強くなり、顔等の敏感
な箇所に対して安心して使用できなくなるため、100
Hz以上の周波数とするのが好ましい。
【0059】また、群発パルス信号における極性反転ま
での期間や極性反転までに生成されるパルスの本数につ
いては、各イオン化成分が生体内に移動するのに十分な
期間や本数が確保されていれば、特に限定されない。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
プラスイオン化成分とマイナスイオン化成分が混在した
イオン化溶液中の各イオン化成分を、効率良く生体内に
導入することが可能な通電方法を提供することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通電方法の実施の形態を説明する図で
あり、(a)に本発明の通電方法を実現するためのパル
ス生成回路の一例を示すブロック回路図を、(b)にパ
ルス生成回路の主要部における出力のタイミングチャー
トを、それぞれ示す。
【図2】第1の検証実験において、群発パルス信号の両
極性交互通電時の出力波形を測定した図であり、(a)
には無負荷時の電圧波形(出力原波形)の測定結果を、
(b)には生体を負荷として通電したときの電流波形の
測定結果を、それぞれ示す。
【図3】第1の検証実験において、直流信号の両極性交
互通電時の出力波形を測定した図であり、(a)には無
負荷時の電圧波形(出力原波形)の測定結果を、(b)に
は生体を負荷として通電したときの電流波形の測定結果
を、それぞれ示す。
【図4】第2の検証実験を説明するための図であり、群
発パルス信号の両極性交互通電時におけるイオン化溶液
の生体への導入効果を確認するための検証実験において
用いられたインビボ微小透析法による分析システムの全
体概要を示す図である。
【図5】第2の検証実験における透析膜の埋め込み位置
や各電極の取り付け位置等を説明するための、ラットの
背部及び腹部の断面図である。
【図6】第2の検証実験の実験結果を示す図であり、群
発パルス信号の両極性交互通電時におけるプラスイオン
化薬物及びマイナスイオン化薬物の経皮吸収量を示すグ
ラフである。
【図7】本発明の通電方法が適用された電気刺激装置の
一例を説明する図であり、図1のパルス生成回路が内蔵
された電子美容器の外観斜視図である。
【図8】図7の電気刺激装置の使用時の状態を示す図で
ある。
【図9】生体に対する通電時の特性を説明するための生
体の等価回路である。
【符号の説明】
1 CPU 2 パルス出力回路 3 極性切替回路 4 クロック発振器 5 電源回路5 5a 電源オンスイッチ 5b 電源オフスイッチ 10 電気刺激装置 11 筐体部 11a 電池収納部 12 導入電極 12a 吸湿性部材 13 対極電極 20 透析膜 21 チューブ 22 生体ボンド 23 導入電極 24 対極電極 25,26 パッド
【手続補正書】
【提出日】平成14年7月12日(2002.7.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 イオン導入用の電気刺激装置
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体治療や美容等
の目的で生体にイオン化成分を導入するイオン導入用の
電気刺激装置に関し、詳しくは、プラス(+)イオン化
する成分とマイナス(−)イオン化する成分が混在した
薬液や美容液等のイオン化溶液中の各イオン化成分を、
効率良く生体内に導入するための電気刺激装置に関す
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】このような状況下において、本発明者は、
種々の検証実験を行った結果、イオン化溶液中のプラス
イオン化成分とマイナスイオン化成分の両方を一度に生
体内に浸透させることが可能なイオン導入法を案出する
至り、これに基づくイオン導入用の電気刺激装置を完
成させた。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】本発明の目的は、プラスイオン化成分とマ
イナスイオン化成分が混在したイオン化溶液中の各イオ
ン化成分を、効率良く生体内に導入することが可能な
オン導入用の電気刺激装置を提供することにある。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係るイオン導入
用の電気刺激装置は、イオン化溶液中に含まれる各イオ
ン化成分を生体へ導入するために、生体に接触する一対
の電極に対して、プラス極性の群発パルス信号とマイナ
ス極性の群発パルス信号とを交互に供給するパルス生成
回路を備えたことを特徴とする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】図1は、本発明を説明するための図であ
り、図1(a)に本発明のイオン導入用の電気刺激装置
の要部となるパルス生成回路の一例を示すブロック回路
図を、図1(b)にパルス生成回路の主要部における出
力のタイミングチャートを、それぞれ示している。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】従って、本実施形態の群発パルス信号によ
両極性交互通電を行うパルス生成回路によれば、通電
時に両電極に印加する電圧値を低くすることが可能とな
り、これにより通電時において痛み等の刺激の発生を避
け、さらには消費電力の低減を図ることも可能となる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】また、本実施形態の群発パルス信号による
両極性交互通電を行うパルス生成回路によれば、従来の
ようにどちらか一方を導入電極にしなければならないと
いう制限がなくなり、両電極を導入電極として使用する
ことも可能となる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】(電気刺激装置の一例)次に、本発明にお
ける群発パルス信号による両極性交互通電を行うイオン
導入用の電気刺激装置(電子美容器)の一例について、
図7及び図8を参照して説明する。図7に示す電気刺激
装置10では、図1で上述したパルス生成回路が合成樹
脂等の絶縁部材からなる筐体部11の内部に格納され、
パルス生成回路における極性切替回路3からの出力信号
が、筐体部11の一方の主面に設けられた導入電極12
と、筐体部11の他方の主面に設けられた対極電極13
とに供給されるようになっている。また、筐体部11に
おける対極電極13の近傍には、図1の電源回路5の一
部を構成し主電源のオンオフを切り替えるための電源オ
ンスイッチ5aと電源オフスイッチ5bとが設けられ
る。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正内容】
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
プラスイオン化成分とマイナスイオン化成分が混在した
イオン化溶液中の各イオン化成分を、効率良く生体内に
導入することが可能なイオン導入用の電気刺激装置を提
供することが可能となる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】本発明実施の形態を説明する図であり、
(a)にパルス生成回路の一例を示すブロック回路図
を、(b)にパルス生成回路の主要部における出力のタ
イミングチャートを、それぞれ示す。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】本発明のイオン導入用の電気刺激装置の一例を
説明する図であり、図1のパルス生成回路が内蔵された
電子美容器の外観斜視図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋本 龍二 東京都渋谷区神泉町17番2号 株式会社ホ ーマーイオン研究所内 (72)発明者 細木 力 東京都渋谷区神泉町17番2号 株式会社ホ ーマーイオン研究所内 Fターム(参考) 4C053 HH01 HH04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン化溶液中に含まれる各イオン化成
    分を生体へ導入するために、生体に接触する一対の電極
    に対して、プラス極性の群発パルス信号とマイナス極性
    の群発パルス信号とを交互に供給することを特徴とする
    通電方法。
  2. 【請求項2】 前記電極として、イオン化溶液が含浸可
    能でかつ生体の被導入部に接触するための導入電極と、
    前記被導入部以外の生体の部位に接触するための対極電
    極とを用いることを特徴とする請求項1記載の通電方
    法。
  3. 【請求項3】 前記一対の電極の双方を、イオン化溶液
    が含浸可能でかつ生体の被導入部に接触するための導入
    電極を用いて構成することを特徴とする請求項1記載の
    通電方法。
  4. 【請求項4】 各群発パルス信号は、前記一対の電極に
    対して、100Hz以上の周波数にて供給されることを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれか1記載の通電方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004047915A1 (ja) * 2002-11-27 2004-06-10 Ya-Man Ltd. 電子トリートメント装置
JP2012509734A (ja) * 2008-12-30 2012-04-26 ケイ アイ シー エイ インコーポレイティッド 超音波を用いた多機能美顔器
JP2019071973A (ja) * 2017-10-12 2019-05-16 レナード株式会社 美容装置

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