JP4279979B2 - 燃焼機器類の電極と熱電対の固定構造 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、テーブルこんろ、ビルトインこんろなどの燃焼機器類における電極と熱電対の固定構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の燃焼機器類における電極と熱電対の固定構造は、取付板に対し電極と熱電対を帯板と締付けネジで取付け固定しているのが一般的であるが、この固定構造では組み付け作業に多くの手間を要するとともに、部品点数も多くなるためにコスト的に高くなることから、たとえば、図７及び図８に例示されているように、電極１と熱電対２を取付板３に隣接して位置決め並置し、該電極１と熱電対２を１本の山形に屈折された棒バネ５でその中央部を圧持して取付け固定するものが提案されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした１本の棒バネ５による圧持だけでは外力に対するガタつきが多く安定性がないため、たとえば、外力により仮りに電極１の上側が前後方向へ押された場合、電極１と熱電対２の位置決め部ｃを支点として前後に回動変位しやすく（図８参照）、電極１と熱電対２の関係位置に狂いが生じ機能しなくなるといった致命的な問題点があった。
この発明の燃焼機器類の電極と熱電対の固定構造は上記課題を解決し、電極、熱電対とも予め決められた所定位置に強固にセットされて外力による影響などで狂いが生ずることはなく、しかも、組み付け、分解も簡易に行いうる燃焼機器類の電極と熱電対の固定構造の提供を目的としている。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するこの発明の請求項１の燃焼機器類の電極と熱電対の固定構造は、
テーブルこんろなどの燃焼機器類のバーナへの点火用電極とバーナへの着火検知用熱電対とを所定位置に取付け固定する燃焼機器類の電極と熱電対の固定構造であって、
前記電極と熱電対の固定構造は、前記電極と前記熱電対を前記燃焼機器類の取付板に隣接して位置決め並置し、前記電極と前記熱電対を２本の棒バネでその略中央部分の上下を圧持することにより、電極と熱電対の関係位置を保持して取付け固定できるようにしたものであり、さらに、前記２本の棒バネは、前記電極と前記熱電対の円形部分を当接押圧する山形屈折部を備え、前記電極と前記熱電対を互いに離れる方向に押圧して圧持するものであることを要旨とする。
【０００７】
上記課題を解決するこの発明の請求項２の燃焼機器類の電極と熱電対の固定構造は、上記請求項１記載の燃焼機器類の電極と熱電対の固定構造において、
前記２本の棒バネは、一連のバネ用ステンレス線材を略コ字状に折曲げて一体に形成されていることを要旨とする。
【０００８】
上記構成を有するこの発明の請求項１記載の燃焼機器類の電極と熱電対の固定構造は、取付板に位置決め並置されているバーナへの点火用電極とバーナへの着火検知用熱電対とは、２本の棒バネでその略中央部分の上下を圧持して取付け固定されているので、電極と熱電対は２本の棒バネによる押圧保持力でガタつくことなく強固に固定される。この結果、バーナに対する電極と熱電対の関係位置が常時適正に保たれ、しかも、その組み付け、分解も簡易に行いうる。
【０００９】
そして、２本の棒バネによる押圧保持力が電極と熱電対を外方向に押す力となるため、電極と熱電対の棒バネによる保持が強固となる。この結果、電極と熱電対にガタつきが生ずることはない。
【００１０】
そして、山形に屈折された棒バネが電極と熱電対の円形部分に当接して棒バネによる外方向への押圧力が付与されるから、電極と熱電対の押圧保持が確実に行われる。この結果、電極と熱電対の保持力は強固に維持される。
【００１１】
上記構成を有するこの発明の請求項２記載の燃焼機器類の電極と熱電対の固定構造は、２本の棒バネは一連のバネ用ステンレス線材を略コ字状に折曲げて一体形成されているから、棒バネによる電極と熱電対の取付け固定が適度な保持力をもって行われ、しかも、その組み付け、分解作業が簡単、確実に行いうる。この結果、作業能率の向上は勿論のこと、電極と熱電対の保持も適正に行えて電極などを破損することもない。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以上説明したこの発明の構成、作用を一層明確にするために、以下この発明の燃焼機器類の電極と熱電対の固定構造の好適な実施の形態の一例について図面を参照して詳細に説明する。なお、上記従来例と同一部分には同一符号を付して説明する。
【００１３】
図面はこの発明の固定構造をテーブルこんろ、ビルトインこんろなどのこんろバーナに適用した例を示したものであって、１は電極で、バーナＡへの点火に供するものであり、また、２は熱電対で、バーナＡの炎検知に供するものである。上記電極１と熱電対２は、取付板３に位置決め保持部材４を介して並置され、２本の棒バネ５でその略中央部分の上下を圧持することで電極１と熱電対２との関係位置を保持して取付け固定できるようになっている。
【００１４】
上記電極１は、その中間部１ａが円形状に形成され、後述する位置決め保持部材４の電極保持溝４ａ内に円形中間部１ａの上下端部を嵌入し上下の角形部１ｂによる上下位置の規制と保持溝４ａとで電極１の位置決めが行いうるようになっており、また、上記熱電対２の主体２ａは円柱状に形成され、上記位置決め保持部材４の熱電対保持溝４ｂ内にその上方に設けられた上下位置規制用の凹溝２ｂを嵌めつけて熱電対２の位置決めが保持溝４ｂと凹溝２ｂとで行いうるようになっている。そして、上記電極１と熱電対２は、上記位置決め保持部材４の中間区画片４ｃを挟んで隣接して並置される。
【００１５】
上記位置決め保持部材４は、上記電極用保持溝４ａと熱電対用保持溝４ｂのほかに、その両側には後述する２本の棒バネ５の両側部５ａ、５ｂが係脱できる係合片６、６を上下に所定の間隔を存して備えており、この位置決め保持部材４は、上記取付板３にカシメ止め７などによって一体に固定されている。
【００１６】
上記２本の棒バネ５は、一連のバネ用ステンレス線材を略コ字状に折曲げて一体に形成され、その略中間部分には上記電極１と熱電対２の中央円形部分１ａ、２ａの上下位置に当接して、たとえば、梃子の原理を用いて電極１と熱電対２に２本の棒バネ５により外方向への押圧力が付与される山形屈折部８が形成されている。なお、上記２本の棒バネ５としては、上記実施の形態のように一体化せず、２本の別個の棒バネを用いてもよい。
【００１７】
こんろバーナは、たとえば、図１に示されているように、環状混合室１０を有するバーナ本体１１と、このバーナ本体１１に載置することにより外周縁に多数の炎口１２を形成するバーナヘッド１３とを組み合わせてなり、上記バーナ本体１１の上面開口周縁には、上記バーナヘッド１３の環状取付面１４を備え、また、上記バーナヘッド１３には、その裏面外周部に炎口溝１５が所定ピッチで放射状に形成され、この炎口溝１５によるバーナヘッド１３の炎口部を上記バーナ本体１１の環状取付面１４上に載置することで、炎口溝１５がバーナ本体１１の環状混合室１０に連通して炎口１２として機能するようになっており、上記バーナヘッド１３の炎口溝１５の一部に熱電対２の加熱を兼ねた点火炎口１６を備え、この点火炎口１６の前部に挿通孔１７を介して指向する電極１及び熱電対２はバーナ本体１１に上記取付板３を介して取付け設置されている。
【００１８】
上記構成において、取付板３と一体の位置決め保持部材４に対する電極１と熱電対２の取付け手順の一例を以下に説明する。
【００１９】
位置決め保持部材４に対し、たとえば、先ず、電極１をその電極保持溝４ａ内に円形中間部１ａの上下端部を上下の角形部１ｂによる上下位置規制のもとに嵌合して位置決め保持し、次いで、熱電対２をその円形主体２ａの上方部の凹溝２ｂを、位置決め保持部材４の上部の熱電対保持溝４ｂに嵌めつけ位置決め保持した後、一体に形成されている２本の棒バネ５の一側部（基端側）５ａを位置決め保持部材４の熱電対側の係合片６の係合凹溝６ａに下方から引掛け係合した後、２本の棒バネ５の他側部（先端側）５ｂをそのバネ力に抗して略中間部の山形屈折部８の一方の傾斜部８ａは熱電対２の円柱部２ａに、他方の傾斜部８ｂは電極１の円形中間部１ａにそれぞれ当接して強力に押しつけながら弾性変形させて電極側の係合片６の係合凹溝６ｂに下方から引掛け係合すると、２本の棒バネ５による電極１と熱電対２の押圧保持力ａ、ｂは、電極１と熱電対２を外方向へ押す力となって２本の棒バネ５で電極１と熱電対２をそれぞれの保持溝４ａ、４ｂに斜め外方へ押しつけ保持する（図５参照）。このとき、２本の棒バネ５で電極１と熱電対２の略中央円形部分の上下を圧持するから、外力に対し位置決め保持部材４による位置決め保持と相まってガタつくことなく強固に取付け固定される。
【００２０】
次に、電極１及び熱電対２を位置決め保持部材４から取り外すときは、２本の棒バネ５の他側部５ｂをそのバネ力に抗して弾性変形させ、電極側の係合凹溝６ｂから外して山形屈折部８による電極１と熱電対２の圧持を解けば、電極１と熱電対２は位置決め保持部材４から簡単に取り外すことができる。
【００２１】
以上この発明の実施の形態の一例について説明したが、この発明はこうした実施の形態のものに何等限定されず、この発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施しうることは勿論である。
【００２２】
【発明の効果】
この発明は以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【００２３】
この発明の請求項１記載の燃焼機器類の電極と熱電対の固定構造によれば、取付板に位置決め並置されているバーナへの点火用電極とバーナへの着火検知用熱電対とは、２本の棒バネでその略中央部分の上下を圧持して取付け固定されているので、電極と熱電対は２本の棒バネによる押圧保持力でガタつくことなく強固に固定される。したがって、バーナに対する電極と熱電対の関係位置が常時適正に保たれ、しかも、その組み付け、分解も簡易に行いうる。
【００２４】
そして、２本の棒バネによる押圧保持力が電極と熱電対を外方向に押す力となるため、電極と熱電対の棒バネによる保持が強固となる。したがって、電極と熱電対にガタつきが生ずることはない。
【００２５】
そして、山形に屈折された棒バネが電極と熱電対の円形部分に当接して棒バネによる外方向への押圧力が付与されるから、電極と熱電対の押圧保持が確実に行われる。したがって、電極と熱電対の保持力は強固に維持される。
【００２６】
この発明の請求項２記載の燃焼機器類の電極と熱電対の固定構造によれば、２本の棒バネは一連のバネ用ステンレス線材を略コ字状に折曲げて一体形成されているから、棒バネによる電極と熱電対の取付け固定が適度な保持力をもって行われ、しかも、その組み付け、分解作業が簡単、確実に行いうる。したがって、作業能率の向上は勿論のこと、電極と熱電対の保持も適正に行えて電極などを破損することもない。
【００２７】
この発明は、電極、熱電対とも予め決められた所定の位置に強固にセットされ外力による影響などで狂いが生ずることなく、しかも、組み付け、分解も簡易に行いうる燃焼機器類の電極と熱電対の固定構造が安価に提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の燃焼機器類の電極と熱電対の固定構造の使用状態の一例を示した一部切断正面図である。
【図２】同一部切欠平面図である。
【図３】図２におけるＸ−Ｘ線の断面図である。
【図４】要部だけの側面図である。
【図５】図４におけるＹ−Ｙ線の拡大断面図である。
【図６】棒バネの一例を示した斜視図である。
【図７】従来例の要部だけの側面図である。
【図８】同一部切断正面図である。
【符号の説明】
１…電極
２…熱電対
３…取付板
４…位置決め保持部材
５…２本の棒バネ
Ａ…バーナ

Claims (2)

1. テーブルこんろなどの燃焼機器類のバーナへの点火用電極とバーナへの着火検知用熱電対とを所定位置に取付け固定する燃焼機器類の電極と熱電対の固定構造であって、
   前記電極と熱電対の固定構造は、前記電極と前記熱電対を前記燃焼機器類の取付板に隣接して位置決め並置し、前記電極と前記熱電対を２本の棒バネでその略中央部分の上下を圧持することにより、電極と熱電対の関係位置を保持して取付け固定できるようにしたものであり、さらに、前記２本の棒バネは、前記電極と前記熱電対の円形部分を当接押圧する山形屈折部を備え、前記電極と前記熱電対を互いに離れる方向に押圧して圧持するものであることを特徴とする燃焼機器類の電極と熱電対の固定構造。
2. 前記２本の棒バネは、一連のバネ用ステンレス線材を略コ字状に折曲げて一体に形成されている請求項１に記載の燃焼機器類の電極と熱電対の固定構造。

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